電車の中は冷房が効いていて涼しかったが、電車を降りるとプラットホームに舞う、もわっとした湿った空気が顔にまとわりつく。JR大阪駅の改札を抜けて、地下街へ入る。交差する人の波を抜けながら、指定された喫茶店へと入る。
女は店の奥の席に座っていて、私の顔を見ると手を振ってきた。指定された時間より10分ほど早いが、「お待たせしました。」と言って私は女の目の前に座る。
「コーヒー飲むでしょ?何にする?」
「エスプレッソで。」
「あら、てっきりアメリカンかと思ってた。濃いコーヒーも飲むのね。」
私の名前は若竹昭吾。22歳の大学生。そして目の前に座っているのは美香という名前の女性。私は彼女と出会い系サイトを通じて知り合った。女優の木村多江に似た風貌の和風美人。彼女が放つ雰囲気は正統派の清楚系で、今日は水色のワンピースというコーデでまとめている。こういう形で会わなければ、出会い系サイトを使うような女性にはまずは見えない。
彼女の年齢は本当のところは不明だが、彼女は42歳といった。しかし、肌艶を見ても40歳オーバーとは思えないほどの艶を保っている。化粧は濃くなく、頬にほんのりチークを乗せたぐらいの薄化粧だが、それが却って彼女の美しさを際立たせている。ピンクのルージュをひいた唇は上唇が下唇よりも厚くて艶っぽく、男のキス欲望を駆りたてるようにプックラとして輝いている。
今、彼女は私をじっと見つめている。細めで黒目がちな目でじっと見つめられると思わずドキっとしてしまう。美香はぽつりと言った。
「ねえ、ところで今日はどうする?今日はすぐにホテルに行こうか?」
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数カ月前、私はサイトを通じてきちんとした彼女を作りたいわけではなく、すっかりご無沙汰のセックスを気軽に出来る相手を探していたので「大人の出会い系」へ登録した。登録してから驚くほど女性から沢山のメールが届くが、そのほとんどが他のサイトに誘導するような如何わしいメールだった。
それでも暫くはドキドキもして楽しかったが、徐々に鬱陶しくなり、そのうちサイトに対しては半信半疑の状態になってきた。毎日、見ていたサイトも徐々に読まなくなってきた。
講義開始前にスマホを開いて久しぶりに出会い系サイトをチェックした。暇つぶしにサイトを見に行くと、今日も今日とて沢山のメールが来ている中、私のスマホを操作する指が止まった。
相変わらずの如何わしいメールの中に一通だけ「はじめまして。美香といいます。初めてなのでよろしくお願いします。」という短いメールが紛れていた。この短いメールにピンときたので、送り主である美香という女性にメールで返信をした。
「はじめまして。昭吾といいます。22歳の大学生です。美香さん、よろしくお願いします。」とだけ返事を返してスマホを閉じた。
講義を終え、昼食を食べ終えたころにスマホを確認すると、美香という女性から返信が届いていた。
「返信ありがとうございます。大学生なんですね。ご出身はどちらですか?」。解りやすく、ただ短い文章だが、如何わしくなく、がっついていない感じのメールに好感が持てた。
「生まれも育ちも大阪です。今は東大阪に住んでます。美香さんはどちらの出身ですか?」
「香川県生まれの大阪育ちです。住所は詳しくは言えませんが昭吾さんの近くです。」
「どんな仕事をしてるんですか?」
「私は医療系の仕事をしています。」
彼女からの返信の間隔は短くはないが、必ず返信があった。私達はLINEの交換をしてLINEでやりとりをした。
「昭吾さんは、このサイトの利用は長いんですか?私は始めて2週間ですが慣れなくてまだドキドキです。」
「私も出会い系は初心者です。ちなみに美香さんの年齢聞いてもいいですか?」
「42歳です。」
「結婚はしてるんですか?」
「しています。」
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私より20歳年上だが、私は無類の熟女好きだ。私が20歳の時に筆下ろしをしてくれた相手も20歳上の女性だった。実際、まだ年齢が上でも問題なく、42歳といえばまさにストライクゾーンだ。サイトにも「年上の熟女好き。50歳までOK」と書いたから、彼女も私にメールしてきたのだろう。
途中で私の今の家と彼女の家は割と近いことが分かり、お互いに食べ歩きが趣味という点も重なって、お互いに知っている食事の旨い店の話になり以外にも話は盛り上がった。こういうLINEでのやりとりを2時間ほど続けた後、彼女から、
「昭吾さんって好感が持てます。一度、お会いしたいですがいいですか?」
「いいですよ。でも、お会いする前に顔写真の交換をしませんか?横顔でもいいですがどうですか?」
しばらくして、口だけを手で隠した写真が彼女から送られてきた。3分間写真のような何のポーズもない顔だけの無味乾燥した写真ではなく、どこの家か分からないが、後ろの背景からかなりの豪邸であることが分かる。彼女は萌黄色のワンピースをまとい、リビングのソファーに横たわっている。
この写真が本物ならば、美香という女性は上玉であることが分かった。セミロングの黒髪をなびかせ、身体全体から成熟した女の色気を漂わせている。
彼女は写真を送ってきたが、私にはこんなにも綺麗に写真を取れないので、とりあえず、部屋の中でも一番綺麗な白壁をバックに3分の1ほど左に顔を傾けた左横顔を写真にとって送った。
「美香さん、お茶にでもいきませんか?」。少しの間を置いてから、彼女に写真を付けてLINEを送った。5分ほどたって、美香さんからメールが届く。「是非。昭吾さんに会ってみたいと思ってます。」
そして、とんとん拍子で事は運び、会う日時を決めた。
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数日後のお昼、私達は初めて出会った。落ち合う場所は彼女の家の近くの〇〇電気の駐車場と決めた。
私は「じゃあ20分後に〇〇電気の駐車場で」とLINEを送ると、「はい」という返信が届いた。
指定された時間より早めに〇〇電気の駐車場に車を停め、駐車上でドキドキしながら彼女の到着を持った。すると、「今、着きました。赤色のプジョーです。ここまで来てもらえますか?」とLINEが届いた。
私は薄暗い駐車場の中で辺りを見渡すと、私の車の後ろに、数台分の駐車スペースを開けてプジョーが止まっている。バックミラーで車のナンバーを確認し、その番号のLINEを送ると、「はい。そうです。」と返信があった。私は車から降り、ドキドキしながら赤色の外車に向かって歩いた。
すると、バタンと外車の右扉が開き、ドアの隙間から細い足が見えた。そして、車の中からすっと女性が現れた。なんという服かは知らないが、身体の線がはっきりと出る服を着ていて、スカートは膝丈のタイトスカートだった。見た目はスレンダーな体型、そしてタイトスカートから伸びる黒パンストに包まれた細く長い足が印象的だった。
「あっ・・・はじめまして、美香さんですか?」。私は初めての体験で緊張し、少し震える声で聞くと、「昭吾くんだよね…美香です。はじめまして。写真どおりでホッとしたわ。」と同じく緊張した表情の美香さんが返事をした。
身長は160~170だろうか、細すぎないすらりとした体型。そして、送られた写真に嘘偽りはなく、むしろ写真で見るよりも実物の容貌が綺麗なことに驚いた。バランスよく配置された目鼻、そして写真では口元が隠されていたが、唇は少し厚めのプリっとした形をしていて、もうすでにその唇に私は引かれはじめている。
「ここで立ち話も変だから、私の車に乗って。食事しにいこうか?まずはそれでいい?」
「はい、いいです」。美香さんはその言葉を聞くと、彼女はさっと運転席に乗り込む。
「昭吾くん、さあ、乗って。」と言われたので、私は助手席に座った。
「何か食べたいものある?」
「美香さんに合わせますよ。美香さんはどこかあります?」
「そうね。あっ、そうだ、LINEで書いたカレーかハンバーグ食べに行く?」
結局、チキンカレーの美味しいお店に行くことにした。ここはチキンのホロホロ肉のカレーが有名なお店。ランチの間は二人で何気ない会話をしながら、ランチを楽しみ、食べ終えて車に乗り込む。食事代は美香さんが払ってくれた。
帰りの車の中での話。
「昭吾くん、今日は食事だけだけどいいかしら?」
「いいですよ。でも、また会いたいです。会ってくれますか?」。このとき、私の身体はセックスしたくてむずむずしていたが、強引に誘うのも何だか格好悪い気がしたし、「また会ってくれる。」ということなのでなんとか我慢した。
「勿論。いいわよ。今日はお話ししてて楽しかったわ。LINEして。また会おうよ。」
横を見るとパンストに包まれた肉感的で綺麗な脚が見える。私は出会っている間中、彼女の唇と脚が気になって仕方なかった。私は黒パンストフェチでもある。キスはそのうちできるだろう。でも今はその脚にさわりたい。私は思いきって、太腿の上に手を乗せた。少し動かすと、暖かい肌の温もりと、ツルツルした感触が手のひらから伝わる。肌触りと艶がたまらなくセクシーだ。
私の手は太ももの上でスカートの裾まで登っていき、その境界線からスカートの中に潜り込んでいく。そして更に奥まで手を突っ込むと、脚の根元に到達した。目的地までもうすぐだった。美香さんは僕の指先のタッチに気づいているが、特に抗う様子もなくハンドルを握りながら喋っている。
ここで私はいったん躊躇した。手をもう少し伸ばせば美香さんの股間にタッチできる。でも、「今日は食事だけ」って言ってたし、ここで行き過ぎて嫌がられたら終わりだ。
私の指が太ももの根元で彷徨っていると、
「触らないの・・・もう少し下よ。」と美香さんはドキッと驚くことをポツリと呟いた。
その言葉を聞いて、私の一物に血が流れ込み始め、ムクムクと固くなっていくのが分かった。私の指先は股間を包むパンストの表面をすっと降りていき、股間の中心に指先が到達した。スカートを少しまくり上げると、黒パンストの下に黒のパンティがちらっと見えた。
パンストの上からショーツを縦方向にタッチしていき、目ぼしい当たりで指先に力を入れる。指先が少しだけ沈みこみ、ここが美香さんの秘部であることがわかった。
指先をグリグリ動かすと、美香さんの口から「あっん」という軽い吐息が漏れた。私はその声にたまらなくなって、パンストの裾に指先をかけて、そこから手を潜り込ませた。指先がすぐにショーツに触れる。私は思い切って、ショーツの中へ手を差し入れた瞬間、手の侵入を拒むように美香さんの脚がぎゅっと閉じられ、私の指先は美香さんの太ももでぎゅっと締め付けられた。
「そこからは進入禁止。運転できなくなっちゃう。今日はここまで。」。私は差し入れた手を元に戻すしかなかった。勢い余ってしたこととはいえ、初対面の女性に大胆なことをしてしまった恥ずかしさで顔が熱くなった。
「昭吾くんって、いい人ね。わかるわ。顔が赤いわよ。可愛いのね。でもごめんね。あそこまで誘っといて。今日、あの日なの。」
「そうなんですね。」とだけ言って、私は前を向いた。
しばらく他愛もない会話が続く。
「ねえ、昭吾くん。なぜ出会い系なんかで彼女探すの?こんなことしなくても十分モテそうだけど」
セックス目的です、なんて正直に言えなかったから、
「年上の女性との出会いが欲しかったからです。」
「そうなんだ…大学には私みたいな、おばちゃんいないもんね。」
「おばちゃんだなんて…僕は美香さんのような女性に憧れるんです。」
「セックスはしたい?」
「まあ、出来れば。」
美香さんのストレートな言葉にドキッとした。
そのうち、車は○○電気の駐車場に到着した。
「昭吾くん、今日は楽しかったわ。また、会いたくなったらLINEして。じゃあ、今日はこれね。」
そういうと、私に5000円を手渡した。
「なんですか…このお金?」
「今日のデート代よ。」
「いや、要らないですよ。悪いですよ。」
「いいのよ。少ないけど受け取っておいて。じゃあ、私の目的を教えて上げるね。ママ活よ。これからもよろしく、可愛い子猫ちゃん。」
(続)