バイト先の先輩の娘さんとの、波乱万丈な恋物語・番外編⑦ ひと夏の経験

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マー坊とせっちゃん、「バカ夫婦」のエッチな体験談に何時も多数の続編希望のお声を頂き、激裏GATE-エロティカの読者の皆様には本当に感謝しきりで御座います。m(__)mペコリ

晴れて二人目の赤ちゃんを授かった、マー坊とせっちゃんのラブラブな結婚生活物語をお楽しみ下さいませ。

登場人物スペック

「誠人❝マー坊❞」→レストランで働いている、仮性包茎でちっぱい好きなコックさん。せっちゃん命のクソ真面目な一穴主義者。

「節子❝せっちゃん❞」→16歳でお母さんになった、輪姦被害経験の有るアニメ顔のちっぱい幼妻。マー坊命のちょっぴりヤキモチ焼きな一棒主義者。

「鉄さん」→誠人が働いているレストランの先輩コックにして、節子の父親。厳つい強面で、仕事には滅茶苦茶厳しいが、根はいい人。

「真奈美」→誠人の腹違いの妹で、看護師を目指して勉強中の社長令嬢。

・・・

「そうなんですか…。あの…すいません、草を生やしちゃっても宜しいでしょうか?」

「あの…なんでしょうか、その❝草を生やす❞って…?」

「手っ取り早く言っちゃえば…❝大笑いしちゃって良いですか❞って事ですねー」

「はぁ…そうなんですか…ええと、その…」

「いやー…❝無知って本当に罪ですよね❞wwwwww」

…時を遡る事、二月前。

無事に親父の四十九日法要を終えた翌日、俺とお袋はホテルのラウンジで、遺産相続手続きの話し合いを行った。

司会進行役の遺言執行者の弁護士さんに司法書士さんと税理士さん、真奈美ちゃんに伊知朗さんと華子さん御夫妻、親父の弟の直人さん御夫妻、それに俺達親子が顔合わせして話し合いは始まった。

「えー、それでは故人の残しました、公正証書遺言を読み上げさせて頂きます…」

それによると…真奈美ちゃんには5千万円に少々欠ける額の現金と親父の会社の株式、俺には5千万円を多少越える額の現金、伊知朗さんと華子さん御夫妻にそれぞれ現金5百万円と真奈美ちゃんが暮らしているマンションを…そして残った額から債務を差し引いた全額を、親父が指定した児童養護施設に寄付する、と記されていた。

「あの…弁護士さん?コレで終わり?」

との、直人さんの奥様の言葉が…全ての騒動の幕開けだった。

「ハイ…コレだけです。なんでしたら、遺言書に直接、目をお通し下さいませ…」

遺言書を読み進めるうちに奥様の顔が見る見る赤くなっていた…かと思いきや。

「じ…冗談じゃあ無いわよっ!ぽっと出の何処の馬の骨とも分からないクソガキと、たかが運転手と家政婦にお金が渡って、なんでワタシに一文もお金が入らないのよふじこふじこー!」

「何言ってんだお前!俺達はあくまでもただの立会人、こんなところで恥を晒す気か!」

「しかも児童養護施設に寄付ですってー!こんな遺言書インチキに決まってるわ、裁判起こされたく無かったら今すぐ相続放棄しなさいよふじこふじこふじこー!」

「あの…故人に配偶者が居ない場合…遺産は全てお子様に渡る事になってます。あくまでも兄弟姉妹には渡る遺留分は有りませんし、増して…」

「ふざけんじゃないわよっ!アンタみたいな遺言執行者なんか今すぐクビにしてやるわふじこふじこふじこふじこふじこー!」

「あ…すいません。法的根拠を明らかにした上で…改めて相続人の方々だけで、お話し合いを致しましょう…」

「むきー!ふじこふじこふじこー!」

…てな事態になった為。

俺は例の波平頭の弁護士さんの法律事務所に電話相談。

「残念ながら、私は遺産相続の専門家では有りませんので…」との事で、❝遺産相続バッチこーい!❞な女性の弁護士さんを紹介して頂き、今までの経過を報告。

その回答が…冒頭の会話、と言う訳だ。

「まぁ…アレですね。公正証書化された遺言書を、相続権の無い赤の他人が裁判で引っ繰り返すのは…無理ゲーですから御安心下さいwww」

「そう…なんですか?」

「例えるならば…サッカーの試合で、❝1分しかないアディショナルタイムで5点をあげて逆転勝ちしろ❞って位の無理難題ですから…心配しなくても大丈夫ですよw」

「本当に…大丈夫なんですか?」

「しかもそのお話を聞く限り…強引に相続放棄を迫る❝強要罪❞に引っ掛かる可能性が物凄ーく高いですねー。あの…そのお話し合いは録音されていましたか?」

「はい…遺言執行者の弁護士さんが話し合いの冒頭に、❝この話し合いは、今から録音させて頂きます❞と言っていました…」

「なら、何も心配はいりませんよー。そもそもこんな案件を受ける同業者なんて、余程の悪徳業者か相当行き詰った事務所以外有り得ませんし、イザとなれば…あら、今のお声はお嬢様ですか?」

「おとーたん…ながでんわ、ししゅぎー」

「あ…は、はい、すいません…」

「いえいえ…まぁ何にしても、誠人さんは亡きお父様の遺産を相続する資格と権利が有る訳ですから。ご家族…そして誠人さん自身の為にも堂々と、胸を張って遺産を受け取って下さいね!」

「本当にすいません…有難う御座います!」

「それでは後日、相談手数料を振り込んで頂く口座番号をお知らせ致します。もし…また何か法的な事でお困りになりましたら、当事務所にお電話下さいませ。では、失礼致します…」

との声を残して、通話が途切れた。

「誠人さん…どうでしたか?」

「うん…❝胸を張って遺産を受け取って下さい❞って、言われたよ…」

「うわぁ…良かった!」

「でもなぁ…最初は❝貰えたらラッキー❞位に思っていたのに…こんな大金、どうしたら良いんだろう…」

「誠人さん…お金は有って困るものじゃ有りませんし…」

「うん、まあね…」

「…誠人さん。誠人さんはいつか…❝一国一城の主❞として、自分のお店を持ちたい、んでしたよね?」

「…そうだよ」

「誠人さん…お店を出すのって、沢山お金が必要なんですよね…?」

「…でもせっちゃん。美花子やコレから産まれてくる子供達の事を考えると…」

「誠人さん…節、自分の夢に向かって頑張っている、誠人さんが大好きなんです…」

「せっちゃん…」

「誠人さん…美花子達、子供達の教育資金は、節が頑張ってやり繰りしますから…」

「せっちゃん…有難う」

「どういたしまして…誠人さんっ♡」

「だけど…人間、お金が絡むと嗚呼も醜くなるものなんだ…嫌だなぁ…」

「お金って確かに…人の心を狂わせますよね…」

「まぁ…真奈美さんと直人さんが話し合いの後で、❝みっともないところをお見せして、本当に申し訳有りません…❞って謝ってくれたのが、せめてもの救いだったけどね…」

「誠人さん…」

「おとーたん…おかーたん…」

「美花子…」

と言いながら俺は、美花子を抱き上げ膝の上に座らせる。

「おとーたん…しりとりしよー…」

「美花子…本当に尻取り大好きだなぁ…」

「それじゃあ…はろーきてぃ」

「い…遺産相続」

「く…?く…くじら!」

「ら…らくだ!」

「だちょう!」

「う…うさぎ!」

「ぎ…ぎ…銀色!」

「ろ…ロリータ!」

「た…たんす!」

「す…SUICA!」

「か…かごめ!」

「メンチカツ!」

「つ…つ…つばめ!」

「め…目玉おやじ!」

「じ…じぱんぐ!」

「ぐ…グラップラー刃牙!」

「きつね!」

「猫!」

「誠人さんに美花子ちゃん、それに節…お昼ごはんが出来ましたよー」

「すいません、お母様…。それじゃ美花子、続きは御飯の後でしようね」

「うんっ!」

「それじゃ美花子…お昼ごはん食べよっ!」

「わーいわーい、みかこのだいしゅきなどらいかれーだー」

「それじゃ…頂きます」

「頂きます」

「いただきま〜ちゅ!」

・・・

そして、時間は現在に戻り。

真奈美ちゃんは千夏や鞠子、瑠璃子ちゃんや灯里さん、聖羅先生達女子会メンバーとカレーライスを作っていた。

「はーい皆さん、人参と玉ネギお持ちしましたー」

「うわぁ…採れたてのお野菜、私初めて見ました!」

「そうしたら…瑠璃子ちゃんはニンニクを薄切りに。鞠子ちゃんはメークインの皮を剥いておいて。それじゃ真奈美ちゃんは…人参を乱切りにしていきましょ!」

「聖羅さん…宜しく御願いします…」

「本当に大丈夫か?みんな…」

「もー…誠人クンはせっちゃんのお世話!妊婦さんを労るのも、立派な旦那様の仕事だよ!」

「…ハイ、分かりました」

千夏に一喝され、スゴスゴとソファーで寛ぐせっちゃんの隣に座る俺。

「大丈夫かなぁ…」

「大丈夫ですよ…きっとみんななら、美味しいカレーを作り上げてくれますよ!」

「そうだな…みんなを信じようか、せっちゃん…」

「うふふ…」

「あはは…」

「ハイハイ、お二人さんごちそーさまでした。それよりせっちゃん…つわりは大丈夫?」

「はい…今は、大丈夫ですよ…」

「気持ち悪くなったら…直ぐ誠人クンに言ってね」

「すいません…鞠子さん…」

「何、良いって良いって!それじゃお二人さん、美味しいカレー待っててね!」

「はい…楽しみに待ってます!」

「かじゅまさきゅん…しりとりしよー」

「えー、またしりとりー?」

「かじゅまさきゅん…しりとり…きらい?」

「べつにきらいじゃないけど…」

「それじゃ…りんご」

「ごりら」

「らっぱ!」

「ぱいなっぷる!」

誕生日が同じと言う事も有って、通弘さん・灯里さん夫妻の息子の和誠くんと美花子は大の仲良し。

まだ3歳だと言うのにもう「おとなになったらけっこんするー♡」等とのたまっている。

「るいじあなまま!」

「まいむまいむ!」

「むーみん…あ!」

「みかこちゃん、まけー」

「えーん、みかこまたしりとりまけたー、えーんえーん」

「美花子…はいよちよち…」

「えーんえーん、えーんえーん」

「美花子最近、負けず嫌いになってきたよね…誠人さん」

「うん、そうだね…」

「うえーんうえーん、うえーんうえーん…」

「おうおう美花子ちゃん…ほーらじーじが抱っこしてやるから泣き止みな…」

「えーんえーん…わーいじーじー」

厨房内では❝仕事の鬼❞と恐れられる鉄さんも、美花子の前ではすっかりジジバカ全開の❝仏の鉄さん❞状態。

「みかこ…じーじだいしゅき…」

「有難い事言ってくれるじゃねぇか、美花子ちゃん…」

「でも…おとーたんとおかーたんもだいしゅき…あと…かじゅまさきゅんもい~っぱいだいしゅきなの…」

「おうおう、血は争えないみてえだなマー坊!まだ3歳だってのに、早々にラブラブ宣言が飛び出すなんてよぉ!」

「確かに…否定は出来ませんね…」

「じーじ…みかこねぇ、おとなになったら…かじゅまさきゅんとけっこんするんだー。じーじ…ながいきしてね♡」

「あたぼうよぉ、美花子ちゃん!美花子ちゃんの花嫁姿を見るまでは、例え死んでも生き返るぜ!」

「じーじ、ありがとー♡」

「ぐすっ…」

「あ…真奈美ちゃん、大丈夫!?」

「すいません…玉ネギが、目に染みてつい…」

「…だけじゃないでしょ、真奈美ちゃん?」

「…ハイ。父の事を思い出してしまって、つい…」

「…気持ちは分かるわ、真奈美ちゃん。だけど…今はしっかり集中して。出来るわよね…真奈美ちゃん?」

「ハイ…」

「そうしたら…トマトをミキサーに掛けておいてくれるかしら。鞠子ちゃん、そろそろメークインを水切りしてくれない?」

「ハイ、分かりました」

「先生…玉ネギはまだ炒めます?」

「そうね…」

「すいませーん、お邪魔しまーす…」

見ると慎也と通弘さんが色とりどりの野菜を抱えて、家に上がり込んできた。

「ほら千夏…サラダ用の野菜、持ってきたぜ」

「慎也くん、ありがと♡」

「和誠…人のお家で、悪い事はして無いよな?」

「うんっ!」

「ならよろしい!」

「それじゃあなた…カレーが出来るまで、誠人さん達と寛いでいて下さいね♡」

「灯里…分かった」

「わーい、しんやおにーちゃんこんにちわ~」

「美花子ちゃん…今日わ」

「しんやおにーちゃん…また❝たかいたかい❞やって〜♡」

「ちょっと待ってろよ…よっしゃ、高い高ーい!」

と言いながら慎也はしゃがみ込むと美花子の足首を掴み、ラグビーのリフトアップの要領で美花子を一気に頭上まで持ち上げる。

この❝高い高い❞を見る度、内心ヒヤヒヤして仕方が無いのだが…美花子の満足そうな表情を見ると、無下に「やめてくれ」と言えないのが何とも悩ましいところだ。

「わーいわーい、たかいたかーい♡」

「やっぱりラガーマン、腕力は半端じゃ無いですね…」

「いえいえ、通弘さんだって充分凄い腕力だと思いますよ」

ラガーマンの❝筋肉デブ❞慎也と、アメフト経験者の❝細マッチョ❞な通弘さんは、御互い❝楕円球を扱うスポーツ経験者❞同士、忽ち意気投合。

今では月に一度スポーツバーで酒を飲みながら、互いの競技の魅力を語り合う仲になっていた。

「そう言えばさぁ…風の噂で聞いたんだけど、龍クン彼女が出来たらしいじゃない」

「あー、千夏も知ってたの?あんな振られ方したから結構心配してたけど…」

「ヘー、龍に新しい彼女が出来たんだ…」

「そうなのよ、誠人クン…。まだ直接顔を合わせた事はないんだけど、今度はちゃんとした女性だと良いよね…」

「…そうだな」

「あの…皆様、本当に…お兄様と、仲良しでいらっしゃるんですね…」

「…そうだね。こうやって、色んな人との繋がりが出来たのも…誠人クンとせっちゃんのお陰だよね…」

「鞠子さん…」

「…そうね。人と人との縁は、お金では買えない貴重な物よね」

「聖羅さん…」

「聖羅先生。脂身は、これ位外せば良いでしょうか?」

「そうね、灯里さん。それじゃバターで焼き付けて下さるかしら?」

「はい、分かりましたー」

「それじゃ真奈美ちゃん。マカロニを茹でて貰えるかしら」

「ハイ分かりました、聖羅さん」

「聖羅先生。キャベツは、こんな感じで良いでしょうか?」

「そうね、瑠璃子ちゃん。これ位に切って行って貰えるかしら?」

「ハイ分かりました、聖羅先生」

…そして待つこと2時間近く。

女子会メンバーの手によって作り上げられたカレーライスに野菜サラダ、そしてミネストローネスープが、食卓に配膳されていく。

「それでは…頂きます」

「頂きます」

「頂きやす!」

「頂きまーす!」

「あの…頂きます」

「いただきま〜ちゅ!」

「…美味い!」

「本当だ…凄く美味しい!」

「本当に…美味いです!」

「わーいわーい、しゅごくおいちいー♡」

「美味ぇ!」

「皆さん…有難う御座います…」

「真奈美さん…結構、料理上手じゃない?」

「いえ、そんな…」

「おう真奈美ちゃん、一人でコレだけのカレーを作れたら…文字通り一人前だぜ!」

「有難う御座います!そうですね…次は、一人で全て作れる様に、頑張ります!」

「おねーちゃん…かれーしゅごくおいちいよー♡」

「美花子ちゃん…有難う…」

「そう言えば真奈美ちゃんってさぁ…普段どんな晩御飯食べてるの?」

「…皆さんと、大して変わりませんよ?アジの開きとか豚の生姜焼きとか、野菜炒めとかサバの味噌煮とか…」

「ヘー…あたしてっきり、毎日毎日ビフテキやマグロのお刺身三昧だと思ってたけど…以外と庶民的なんだねー」

「あの…父はそういう贅沢を、好まない人でしたので…。年に一度、アルマーニのスーツを新調する位で中古のベンツを乗り回し、外食も殆どせず、晩酌もジョニーウォーカーの赤ラベルを舐める様に飲む程度で…」

「お嬢様=贅沢三昧じゃないんだ…」

「はい…父は稼いだお金の半分近くを、児童養護施設に寄付していまして…。❝例え偽善と言われようとも、このお金で不幸な子供達が、一人でも減ってくれるのならば❞と…」

「凄い良い人じゃない…」

「有難う御座います…ですから、父が癌だと告げられた時は、本当にショックでした…」

「え…癌、だったのかい?」

「はい…昨年の夏休み明けに人間ドックに入った結果…肝臓癌が既に他の臓器に転移していて…お医者様からは、❝年を越せたら奇跡❞とまで言われて…」

「・・・」

「父はお医者様に、❝お金はいくらでも払う、だからどんな事をしてでも、最低来年の3月までは生きさせてくれ。お兄様の養育費を払い終えるまでは、死んでも死にきれない❞と…ううっ…」

「親父…」

「お父様…」

「それで…亡くなる一月前に…伊知朗さんを通して、❝二度と見舞いに来るな❞と言われました…。今にして思えば…父は、痩せ衰えて行く自分の姿を、見せたく無かったんでしょうね…ううっ…ううう…」

「真奈美ちゃん…」

「そして…ゴールデンウィークに容態が急変しまして…ううう、ううっ、お父様…ぐすっ、ひっく、ひっく、うううううっ…」

「真奈美ちゃん…」

「お父様…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーん!!!」

真奈美ちゃんはそのまま、大号泣し始めた…。

俺はそれをただ…見守る事しか出来なかった。

「お父様…お父様ぁー!ぐすっ、ひっく、うううううっ…」

「真奈美ちゃん…」

「それで…真奈美ちゃん。遺言みたいなものは…聞いたのかい?」

「ぐすっ…お医者様を通して…❝私の花嫁姿を見たかった…そして、お兄様とサシでお酒を飲みたかった❞と…ううう…」

「親父…ううっ…」

「お父様…」

「ば…バカヤローマー坊!こ…こんな事で、泣くやつが…ううっ…ううっ…」

「真奈美ちゃん…」

「ぐすっ…」

楽しいカレーパーティーは何時の間にか…すっかり御通夜の様な、暗い沈んだ空気になってしまっていた。

そんな中でも美花子は…超マイペースだった。

「ねーねー、おかーたん!かれーおかわり!」

「あ…御免ね美花子…今、お代わりよそってあげるから…」

「美花子…」

「おとーたん…おかわり、しないのー?」

「あ…あぁ、そうだな…せっちゃん、おかわりは俺がするから!」

「誠人さん…すいません…」

「誠人…俺にもおかわり!」

「ちょっと…みんな!何妊婦さんと旦那様こき使ってんのよ!せっちゃんに誠人クン、おかわりは私達がやるから座ってて!」

「鞠子さん…本当にすいません…」

「良いって良いって!ほら美花子ちゃん、ごはんはこれ位で良いかなー?」

「うん、これでいいよー」

「それじゃ…誠人クンはこんなものかなー?」

「有難う、鞠子…」

「カレーも御飯もミネストローネも…まだまだ有るから、じゃんじゃんおかわりしちゃってねー!」

「ほら、真奈美ちゃん!カレー腹一杯食べて、元気になってね!」

「…本当に有難う御座います。そうですね、私…皆さんみたいに…明るく元気にならないと…」

「何言ってるの、真奈美ちゃん…むしろ私達こそ、真奈美ちゃんみたいに清く正しく礼儀正しい女性になりたいよ…」

「皆さん…気を遣って頂き、有難う御座います…」

・・・

「それで…真奈美ちゃん。受験する大学は…もう決まってるの?」

「ハイ…都内の某医科大一本です…」

「もし合格したら…一人暮らしを始める訳?」

「そう…思っています…」

「悪いけど…真奈美ちゃん、いきなり一人暮らしは止めておいた方がいいわ」

「え…」

「何でですか?聖羅先生!」

「真奈美ちゃん…多分、人の言う事を簡単に信じちゃうタイプでしょ?そう言う娘が悪い男に引っ掛けられて、転落人生まっしぐら…ってケースを私は、何回も見てきたわ。真奈美ちゃん…」

「…ハイ」

「先ずは、誰か信用出来る人との同居から始めた方がいいわよ。ある程度、人の見極めが出来る様になってから…一人暮らしを初めても、遅くは無いわよ」

「聖羅さん…有難う御座います!」

「けどなぁ…」

「ん?どうしたい、マー坊?」

「コレから二人目の赤ちゃんが産まれてくるのに、真奈美ちゃんまでとなると…」

「大丈夫だよ、誠人クン!心当たりが有るんだ、絶対的に信用出来る人がさぁ!」

「信用出来る…あ、もしかして…?」

「そう、その❝もしかして❞!明後日にでも掛け合ってきてあげるから、楽しみに待っててね、真奈美ちゃん!」

「皆さん…私の為に、色々すいません…」

「良いって良いって!だって誠人クンの妹さんでしょ、これ位の事はしてあげたいんだよ、真奈美ちゃん!」

「千夏さん…」

「誠人クンとせっちゃんってさぁ、何だか❝思わず応援したくなっちゃう❞不思議な何かが有るんだよね…」

「応援したくなる、何か…」

「そう!だから…真奈美ちゃんの事も、応援したくなっちゃうんだよね!」

「皆さん…本当に、本当に有難う御座います!」

「良いって良いって!真奈美ちゃん、今はアタシ達の好意に甘えて、勉強に集中して!」

「有難う御座います…!」

「そうしたら…今住んでるねぐらは、どうするんでい?」

「遺言書に従って、来年の4月に伊知朗さんと華子さんに、お譲りします…私達家族に尽くしてきて頂いた、細やかな御礼です…」

「そうなんだ…」

「…伊知朗さんは無精子症、華子さんは子宮の病気で、自然な形では赤ちゃんが出来無いご夫婦でしたので…お二人には、まるで本当の娘の様に、私を可愛がって頂きました…」

「そうだったのかい…」

「中学生の時…一度、羽目を外して日付が代わるまで遊び歩いた事が有りまして…帰宅した時、伊知朗さんにビンタを浴びせられました…」

「いや…そりゃあ、まともな保護者だったら問答無用でビンタ浴びせるぜ…」

「ハイ…伊知朗さんに泣きながら言われました…❝旦那様に心配を掛ける様な恥ずかしいお嬢様に育てた私達夫婦が、とっても情けない❞と…」

「真奈美さん…」

「真奈美ちゃん…」

「ハイ…それを聞いて、物凄く恥ずかしくなりました…❝使用人を失望させる様な自分が、とっても情けない❞って…」

「おねーちゃん、よあそび、だーめー…」

「美花子ちゃん…大丈夫、伊知朗さんにビンタを浴びせられてからは、門限をきちんと守ってきたから…」

「真奈美ちゃん…」

「あの…皆さんに御伺いしたいのですが…」

「…何?」

「皆さんは…どうして、今の進路を…志したのですか?」

「そりゃあ…子供が好きだからだよ!」

「両親が美容師だったので、自分も自然と…」

「父が農家でしたので…子供の時は、嫌で嫌で仕方が有りませんでしたが…某ジャニーズ事務所のグループが、農業に打ち込む姿を見るうちに、❝農業って想像以上に面白いんだ❞って…」

「灯里さん…」

「アタシは…良く分かんないなー。まぁ一つ言えるのは…❝女だからってナメんなよ❞って感じかな?」

「何か…鞠子らしいっちゃ鞠子らしいな」

「何よソレ…どーゆう意味?」

「ま、一言で言うなら…❝考えるよりか先に手が出る❞鞠子らしいって事だよ」

「悔しいけど…否定は出来無いわね…」

「うふふ…」

「アタシは…小学生の時に両親が再婚したんだけど、新しい父親は酒乱、ギャンブル依存症、浮気三昧、DVって言う…文字通り❝役満レベルの人間の屑❞でね。襲われかけた事も、一度や二度じゃなかったわ…」

「そんな…」

「そんな私を救ってくれたのが…保健の先生だったの。❝今は辛くとも、いつか必ず良い事が有るから…今は私達の好意に甘えなさい。アナタが本当に頑張らなければならないその時の為に、力を蓄えておくのよ❞って…」

「良い、先生ですね…」

「それまで人間不信気味だった私が…初めて❝本当に信用出来る人間❞に出会った瞬間だったわ。その時、こう思ったのよ。❝私も、こういう人になりたい❞って…」

「それで…その御両親は、今…」

「父は今は塀の中、母は…私が大学を、卒業すると同時に旅立ったわ…。それとその先生は…今も健在みたいね…」

「聖羅さん…」

「まぁ…私なんかよりも…壮絶な人生を、歩んで来た人は一杯居るから…真奈美ちゃん」

「…ハイ」

「今までの人生は…絶対に変えられないわ。けど…コレからの人生は、自分の力である程度は変えられる…」

「・・・」

「流れに身を任せる人生は確かに楽かもしれないけれど…例え力尽きて流されるリスクが有っても、自分の力で流れに逆らって進む人生の方が有意義だと思うのよ…」

「・・・」

「無論、真奈美ちゃんの人生は真奈美ちゃん自身が決める事、私達があーだこーだ口を挟む事じゃ無いわ。けど…迷ったら一旦立ち止まって…周りの人達に助言を貰うのもまた、真奈美ちゃんの権利よ」

「聖羅先生…有難う御座いました!」

「いえ…私の拙い経験が多少でも、真奈美ちゃんの役に立ったのなら…」

「あのさ…真奈美ちゃん」

「何ですか?千夏さん…」

「明日…プール行かない?」

「え…で、でも私、水着なんか持って来てませんし…」

「大丈夫、大丈夫!駅前の百貨店に水着は山程揃ってるし、そこから市民プールまでは30分も掛からないからさ!」

「…分かりました!」

「それじゃ明日、私が迎えに来るから!たまには勉強忘れて、思いっ切りはしゃごう!」

「千夏さん…何から何まで、有難う御座います!」

「それじゃみんな、後片付けに掛かろうか!それが終わり次第、順次解散ね!」

「了解しました!それじゃアナタ、引き続き和誠をお願いします…」

「分かった」

「あ…聖羅先生、帰りはどうしますか?」

「そうね…正太郎さんは今日は帰りが遅くなる、って言ってたから…お願いしちゃおうかしら、慎也クン」

「それじゃ…俺のランドクルーザーに同乗希望の人は?」

「すいません…お願いします」

「慎也クン…ついでだから、私もお願い!」

「それじゃえーと…千夏に瑠璃子ちゃん、それに聖羅先生と鞠子…で良いのかな?」

「ハイ…」

「みんな…気を付けて帰って下さいね…」

「…そうだね」

「皆さん…今日は本当に有意義なお話を、有難う御座いました…」

「良いって良いって!こんなバカ話で、真奈美ちゃんが元気になってくれたのなら…」

「聖羅先生、千夏、鞠子、瑠璃子ちゃん、灯里さん…今日は色々有難う御座いました」

「もー、誠人クンまで何他人行儀になってんのよ?誠人クン…真奈美ちゃんを、しっかり支えてあげるのよ?」

「分かってるよ…千夏」

「そうそう、誠人クンに一言…真奈美ちゃんに言い寄られても、ちゃんとお断りすんのよ。わかってる?」

「鞠子…お前な…」

「あの…私が何か…?」

「あ…な、何でもない何でもない何でもない!」

「・・・」

「…誠人クン」

「何ですか?聖羅先生…」

「アタシがさっき…❝いきなり一人暮らしはやめなさい❞って言ったのは…❝あの娘きっと、男性に対する免疫が乏しい❞って、直感的に感じたからなの」

「ええ…」

「いい、誠人クン?あの娘に❝悪い虫❞が寄り付かない様に、守ってあげるのよ。あの娘が最後に頼れるのは…誠人クン、アナタだけだから」

「…勿論です」

「ま、後は…せっちゃんがヤキモチを妬かない程度に接してあげてね…❝お・に・い・さ・ま❞♡」

「…先生」

「それじゃせっちゃんに誠人クン、真奈美ちゃん。お邪魔しましたー!」

「すいません、失礼します」

「それじゃな…誠人」

「みんな…お気を付けて!」

「皆様…お気を付けてお帰り下さいませ!」

「かじゅまさきゅん…じゃーねー」

「みかこちゃん…ばいばい!」

「皆さん…お気を付けて!」

慎也のランドクルーザーのテールライトと仲良く手を繋いだ通弘さんと灯里さん、そして和誠クンの姿が見えなくなったのを確認してから、俺達バカ夫婦と真奈美さんは…リビングに舞い戻った。

「あの…お兄様…」

「何?真奈美ちゃん…」

「先にお風呂に入って…宜しいでしょうか?」

「うん、良いよ」

「あ…真奈美ちゃん!節と一緒に…お風呂に入らない?」

「良いんですか?義姉様…」

「良いんだよ、真奈美ちゃん!節と一緒に、女同士腹を割って話し合おっ!」

「義姉様…私なんかに気を遣って頂き…有難う御座います…」

「それじゃ…せっちゃん。俺…寝室で、待ってるから…」

「うん…誠人さん、待っててね♡」

「それではすいません…お兄様、先に入浴させて頂きます…」

・・・

ここは、俺達バカ夫婦の寝室。

俺達バカ夫婦は美花子にタオルケットを掛けると、お休み前の夫婦の会話を楽しんでいた。

「あの…誠人さん…」

「せっちゃん…何?」

「もしかしたら、お腹の赤ちゃん…誠人さんのお父様の、生まれ変わりじゃないかなって、節、最近思う様になったんです…」

「実を言うと俺も、同じ事考えてた…」

と言いながら俺は手を伸ばし、せっちゃんのまだ多少平らなお腹を優しく擦ってあげる。

「だから…もしお腹の赤ちゃんが男の子だったら…❝はやと❞って名付けよう、と思ってる…」

「亡くなった…お父様のお名前ですね…」

「うん…後は、どんな漢字を当てるか、只今絶賛思考中なんだよね…」

「誠人さん…」

と、そこで。

寝室のドアがノックされた。

「ハイ…あ、真奈美ちゃん…」

「お兄様、義姉様…そして、美花子ちゃん…今日も一日有難う御座いました。それでは、お休みなさいませ…」

「真奈美さん、お休みなさい…」

「真奈美ちゃん…お休み…」

「それでは、失礼します…」

と言うと、寝室のドアが閉じられた。

「誠人さん…」

「何?せっちゃん…」

「美花子も寝ちゃったみたいだし…その…」

「・・・」

「そろそろ…おねんねしよ…」

「…そうだね。それじゃ美花子にせっちゃん…お休みなさい…」

「美花子…誠人さん…お休みなさい…」

俺達三人はタオルケットに包まり、ダブルベッドの上ですやすやと、川の字状態で眠りに落ちていった…のだが。

不意に尿意を催した俺は二人を起こさない様にそっとタオルケットから抜け出し、一階のトイレで用を足す。

良く手洗いをしてから二階に戻り、将来の子供部屋の前を通り掛かった…その時。

「お兄様ぁ…」

間違い様も無い。

今まで聞いた事が無い、艶っぽい真奈美ちゃんの声が漏れ出して来る。

「あっ…ああっ、あああっ…お兄様…お兄様ぁっ…」

どうやら真奈美ちゃんは…声を押し殺して一人エッチに勤しんでいる様だが、まさか俺をオカズにオナニーしているとは…思いもよらなかった。

「お兄様…ああん、お兄様ぁ…好き…好きです、お兄様ぁ…」

俺は好奇心を堪え切れず…そっとドアノブに手を掛けると…簡単にドアが半開きになった。

そして…俺は見てしまった。

敷き布団の上で…パジャマ半脱ぎ状態で美乳を揉みしだきつつピンク色の先端を摘みながら、股間を自らの指で刺激する…真奈美ちゃんの痴態を。

「お兄様ぁ…もっと…もっと…真奈美を…ああっ、はぁっ、激しく犯して下さぁい…」

俺の皮被りのイチモツは当然ガチガチに硬直して、臨戦態勢に入っている。

「あああっ…お兄様…お兄様ぁ…お兄様…!」

真奈美ちゃんの全身がびくびくっと痙攣したかと思うと…大きく開かれた股間から潮が噴水の様に吹き出し、真奈美ちゃんは糸を切られた操り人形の様に、ピクリとも動かなくなった。

「はぁ…はぁ…はぁ…お兄様ぁ…」

真奈美ちゃんは荒い息を吐き出しながら、股間を愛撫していた、ラブジュースまみれの右手を凝視している。

これ以上此処に居ると真奈美ちゃんに見つかると判断した俺は静かにドアを閉め、寝室に戻る。

「すーすー…すーすー…」

「むにゃむにゃ…」

可愛らしい寝息を立てて寝ているせっちゃんと美花子のタオルケットに再び入り込むと、俺は目蓋を閉じて眠ろう…としたが。

あの真奈美ちゃんのはしたない痴態が強烈過ぎて…中々眠れない。

そして何よりも…俺が、真奈美ちゃんに慕われていると言う事実。

無論、学生時代なら「ラッキー」で済むが…愛する妻と娘が居る今、真奈美ちゃんと関係を持てば立派な「不貞行為」になってしまう。

そして、不貞行為が如何に周りに迷惑を掛けるかは以前、利章さんの離婚騒動の際に嫌と言うほど思い知らされている。

何よりも…こんな冴えない自分を好きになってくれたせっちゃんを…裏切る訳にはいかない。

しかし…その一方で、真奈美ちゃんを突き放したらどうなるのか、不安な自分も居る。

真奈美ちゃんに嫌われはしないか?

自暴自棄になりはしないか?

最悪…自ら生命を断つ、なんて事態になりはしないか…?

様々な思惑がぐるぐると頭を駆け回り…何時の間にか俺は、眠りの世界に落ちていた…。

・・・

「すいません。誠人さん、お客様です…」

俺と店長が、事務所で9月のシフトについて話し合いを終え。

厨房に戻ろうとする俺に、利章さんがツーブロックのモヒカンヘアーにアロハシャツを着た厳つい顔の岳志さんと、文字通り顔をお岩さんの様に腫らしたお兄ちゃんを紹介してきた。

「あ…岳志さん、どうも今日は」

「あ…誠人さん、取り込み中どうもすんません。あの…このお店まだ、アルバイトの受け付けはしていますか?」

「…え?」

「あの…コイツ、自分の高校の部活の後輩の正樹って言うんですけど…コイツ、孕ませちゃったんですよ、クラスメートを…」

「え…クラスメートさんを、ですか…」

「えぇ…コイツ曰く❝近藤さんはしてたけど、何故か出来ちゃった❞とかほざくもんで、つい…」

「・・・」

「それで、その娘は❝絶対産みたい❞って言ってるんすけど…自分の両親は❝状況や財力を考えたら、堕ろす方が最善❞だと…」

「それで…その、お金を稼ぐ為に、此処で働かせてくれ…って認識で、良いんですか?」

「ハイ…コイツ決して悪い奴じゃあ無いんすけど、❝どーにかなるさ、何とかなるさ❞みたいに物事を甘く見過ぎる癖が有りまして…おい正樹、ボケッと突っ立ってねぇでなんか言えよ!」

「あの…すいません、彼女を妊娠させた責任を取る為に、お金を稼ぎたいので…此処で働かせて頂けないでしょうか…」

「あの、正樹さん…とおっしゃいましたか、履歴書は、用意してありますか?」

「ハイ…」

「そうですか、分かりました」

と言うと俺は事務所に引き返し、ドアをノックする。

「すいません!店長、失礼します!」

「おや…誠人クン、まだ何か…?」

「あの…飛び込みの面接なんですが…宜しいでしょうか?」

「ホッホッホ…分かりました。では誠人クンに…付き添いの方は部屋から退室して下さい…」

「了解しました!」

と言うと俺と岳志さん、そして利章さんは事務所から退室する。

「誠人さん…突然押し掛けた上に、無茶な御願いしちゃって、本当にすんません…」

「いえいえ…」

「アイツ、根は良い奴なんすけど…さっきも言ったように楽天的過ぎるお調子者なんで、此処で性根を鍛え直して欲しいんすよ…」

「岳志さん…」

「誠人さん…正樹を御願いします」

「何処まで出来るかは分かりませんが、自分なりに頑張ってみます」

「誠人さん…本当にすんません、宜しく御願いします!」

「それじゃ、岳志さん。俺、厨房に戻ります」

「誠人さん…有難う御座います!」

俺は例によって、手洗いとアルコール消毒をして厨房に戻る。

「あ…誠人さん、あの面接に来た方と…お知り合いですか?」

「いえ、付き添いの人とは何回か…お知り合いと言うか…その、中学時代の同級生の友人ですね…」

「そうでしたか…」

「ま…料理の良し悪しは面で決まる訳じゃあねぇからなぁ…」

「ええ…」

「俺のダチが例の競合店がオープンした時、こう言ってたんすよ。❝お前の店はまるで893の事務所だ❞って…」

「ノブノブ…確かに、な…」

「けど…あの店のメシを食って、こう手の平返ししたんすよね。❝飲食店の命はやっぱり料理の美味さ。値段は二の次、まして従業員のルックスは三の次❞って…」

俺が働くレストランの斜向いにオープンした激安価格が売りの競合店は、「安いだけしか売りが無い」メニューに次第に飽きられ、イケメンの従業員と可愛いウェイトレスさんを次々と雇い入れ、且つ新メニューでお客様方を繋ぎ止めようとするも料理の質はどんどん下がる一方。

そして…杜撰な食品管理と所謂「バカッター」騒動のダブルコンボで保健所の立ち入り検査を受けたのが致命傷となり、月初めに店長が夜逃げ。

まるでWWFとWCWの「マンデーナイトウォーズ」の様に…競合店との戦いは幕が下りたのであった。

「マー坊…ノブノブ、とっちゃん、そしてみんな…。取り敢えず、今回はあちらさんの自滅に助けられたとはいえ、ウチが勝った…」

「・・・」

「このニ年近く…みんな、緊張感を持って仕事をこなしてたのがヒシヒシと伝わってきてたぜ…」

「ええ…自分にとってこのレストランは…❝もう一つの家族❞みたいなものですから…」

「嬉しい事言ってくれるじゃねぇか…」

「やっぱり…バイト時代も含めて6年もこの店で働いていると、この店に愛着が湧いてくるんですよね…」

「分かります、先輩…常連客の方に❝美味しい料理を有難う❞って言われるのがたまらなく嬉しくて…」

「いいか、みんな。こっからの敵は…俺達自身の❝慢心❞だ。あくまでも俺達は…あちらさんの自滅に助けられただけに過ぎねぇ。俺達もあちらさんと同じ轍を踏まない様に技術を磨いて、お客様にまた来て頂ける様な美味い料理をお出しするぞ!良いな!」

「分かりました!」

「ハイ!」

「良し、みんな!気合い入れて行くぞ、良いな!」

「了解!」

・・・

「せっちゃん…」

「大丈夫だよ、誠人さん」

と言いながらせっちゃんは、射的用の空気銃を構え…メリーゴーランドの様にくるくると回る、紙テープで吊るされた標的に狙いを定めて引金を弾く。

此処は…俺とせっちゃんが初めてお知り合いになった、神社の夏祭り。

俺は浴衣を着たせっちゃんの御世話と真奈美ちゃんのフォロー、そして美花子の御機嫌取りに忙殺されていた。

「わーい、一発でテープが切れた〜♡」

「うーん…若いお母さんにゃ叶わねーなぁ、ホレ当た〜り〜!」

と言う威勢のいい的屋さんの声とハンドベルの音色と共に、それなりの大きさのキティちゃんのぬいぐるみがせっちゃんに手渡された。

「わーいわーい、やったやったー♡」

「やったねせっちゃん!」

「やりましたね、義姉様!」

「うんっ!ほら美花子、キティちゃんだよー…あれ?美花子…?美花子?美花子ー!?」

さっきまでせっちゃんとお揃いのキティちゃん柄の浴衣を着て、俺達の足元ではしゃいでいた美花子の姿が見当たらない。

「誠人さん…」

「せっちゃんは…社務所の迷子センターヘ行ってて。俺はこっちを探すから、真奈美ちゃんはあっちを御願い」

「分かりました」

「それじゃ誠人さん…美花子を御願いします!」

「そうだせっちゃん…もし10分過ぎて俺達が帰って来なかったら、迷子放送を御願い出来るかな!?」

「分かりました!」

俺は真奈美ちゃんと手分けして、愛娘を探す。

「もしかして、誘拐されたのでは…」「まさか、事故に有ったのでは…」と言う不安に駆られながら、俺は考え付く限りの場所を探すが…美花子は何処にも見当たらない。

「あの…すいません。キティちゃん柄の浴衣を着た、女の子を見ませんでしたか?」

「え?あの娘の事じゃなくて?」

「あ…すいません、もっとちっちゃい…3歳位の女の子なんですが…」

「いや…キティちゃんの浴衣を着た女の子なんて、ゴロゴロ居るからなぁ…」

「本当にすいません…有難う御座いました。…ん?着信?」

根付ストラップで帯に引っ掛けておいた携帯電話が、着信音を鳴らし始める。

「ハイもしもし、誠人ですが」

「あ…誠人さん!?美花子ちゃんは…見つかりましたか!?」

「いや、まだ!」

「こっちにも、見当たらないです…」

すると。

社務所に設置されたスピーカーから、美花子の特徴を説明する迷子放送が流れ出す。

結局コレが決め手となり…美花子は俺達バカ夫婦の元に舞い戻った。

「おとーたん!おかーたん!みかこ…みかこー!」

と叫びながら、美花子は大号泣し始めた。

「良かったね、美花子ちゃん…」

「美花子…本当に心配したんだぞ!」

「おとーたん…ごめんなちゃい…」

「美花子…本当に、無事で良かった…」

「おかーたん…ありがとー」

「それじゃ…もう、帰ろうか?」

「そうですね…」

「ぐすっ、えぐっ、ひっく…ひっく…」

「美花子ちゃん…涙を拭いて…」

「おねーたん…」

そして愛しの我が家に舞い戻った俺達バカ家族+真奈美ちゃん。

「それじゃ節…美花子とお風呂に入っちゃいますね」

「…うん」

「ほら美花子…お母さんと一緒にお風呂入ろう?」

「わーいわーい、おかーたんといっしょ〜」

と言いながら美花子は大胆にも、リビングで浴衣を脱ぎ始める。

「こらっ!美花子!浴衣は脱衣場で脱ぎなさい!」

「…おとーたん、こわいよー」

「…美花子。お父さんはね…美花子に素敵な女性になって欲しいから、敢えて美花子に厳しい言葉を掛けているんだよ」

「どーゆーこと…?」

「…美花子ちゃん。男の子はね…❝清く正しく美しい❞女の子を、好きになるんだよ。その為には…美花子ちゃんがキチンとした礼儀作法を身につけなくっちゃね」

と真奈美ちゃんはしゃがみ込み、美花子に視点を合わせて諭す。

しかし俺は。

真奈美ちゃんの浴衣の合わせ目からチラチラと覗く、二つの膨らみの谷間と、産まれたままの姿の美花子から目を逸らすので一杯一杯だった。

いくら「せっちゃん命」の俺でも、このダブルパンチは余りにも強力過ぎる。

「れーぎさほー…?」

「…そう。美花子ちゃん、素敵な女性になりたかったら…むやみやたらに男の人の前で裸になっちゃ駄目なんだよ。分かった…かな?」

「うん、わかった!」

「真奈美さん、有難う御座います。それじゃ美花子、改めてお風呂入ろう?」

「うん!」

と言うとせっちゃんと美花子は、風呂場へと一直線。

「あ…真奈美ちゃん。俺…部屋に戻るわ」

「…はい」

そして俺はバカ夫婦の寝室のドアを閉めよう…とした時。

「お兄様…」

俺に着いて来ていた真奈美ちゃんがそれを遮り、寝室へと入り込んで来た。

そして真奈美ちゃんは…後手で静かにドアノブを閉める。

「…真奈美ちゃん?」

「お兄様…」

とだけ言うと真奈美ちゃんは自ら浴衣の帯を解き…そして恥かしげにはだけた浴衣が床に静かに落ちて行く。

「・・・」

俺は…真奈美ちゃんの下着姿から目を離せなかった。

純白のブラジャーとパンティーに包まれた真奈美ちゃんの裸身は想像通り…いや、想像以上に成熟していた。

文字通り「メロン乳」と呼ぶに相応しい、丸みを帯びた二つの美しい膨らみ。

せっちゃんに負けるとも劣らない、か細いくびれに可愛らしいおへそ。

そしてどっしりした安産型のお尻に、芸術的な脚線美。

男性100人に質問をすれば、恐らく200人が「エロい身体」と返答する、真奈美ちゃんの美しいプロポーションを目の当たりにして、俺は金縛りに有った様に身動き出来なかった。

「やべぇ…ギリシャ神話に出て来る怪物、❝メデューサ❞に睨まれると石になるって…こんな感覚なのかな…」

と考えていると。

「真奈美…お兄様が、お兄様が好きなんです…」

「…真奈美ちゃん」

「お兄様…真奈美の❝初めて❞を、貰って下さい…真奈美を、女にして下さい…」

と言いながら、真奈美ちゃんがブラジャーのフロントホックに右手を伸ばした…次の瞬間。

俺は渾身の力で、真奈美ちゃんの左頬に平手打ちを浴びせていた。

「…!」

「真奈美ちゃん…何考えているんだよ!何で、何でそんなに…自分を安売りするんだよ!」

「え…」

「真奈美ちゃん…俺には、せっちゃんに美花子って言う…守らなきゃいけない存在が、居るんだ…」

「分かってます。分かってますけど…」

「❝分かってます❞って…バレなきゃ良いって、言うの?悪いけど、そんな悪知恵を働かせる真奈美ちゃんって、俺、嫌いだな…」

「え…」

「浮気とか不倫って言うのは…当事者だけじゃ無い。周りの人間まで不幸にする、許されない行為なんだ…」

「…で、でも…」

「でも、何…?」

「私…考えられないんです…お兄様以外の人に、❝初めて❞を捧げる事が…」

「真奈美ちゃん。じゃあ聞くけど、その❝初めて❞を…好きな人にあげられなかった人の事を、考えた事は有るの?」

「好きな人に…あげられなかった…」

「そうだよ。大切な人に捧げるつもりだった処女を無理矢理奪われ…ロマンチックな初体験を、無残に踏みにじられた女の子の気持ちを…真奈美ちゃんは考えた事は有るのかよ!どうなんだよ、えぇ!?」

あの忌まわしい「リア充狩り事件」を思い出し…俺は思わず、涙を溢しながら真奈美ちゃんに感情的な言葉を吐き捨てていた。

「真奈美ちゃん…ごめん。今のはちょっと…言い過ぎた」

「お兄様…まさか…それって…」

「・・・」

「お兄様…」

「…真奈美ちゃん。そろそろせっちゃん達が上がって来るはずだから、取り敢えず服着て…」

「はい…」

真奈美ちゃんは床に落ちた浴衣と帯を拾い上げ、こちらが感心するほどの手早さで浴衣を着付けていく。

「お兄様…本当に義姉様を、愛しているんですね…」

「当たり前だろ。こんな不器用で…冴えない男を本気で好きになってくれたせっちゃんを、裏切れる訳無いだろ…」

と俺はわざと、ぶっきら棒に返答する。

「…お兄様。その…私に、現れるんでしょうか…?お兄様以上の、素敵な男性が…」

「現れるよ…絶対。真奈美ちゃんが…誠実な女性で居続ける限り、な…」

「お兄様…」

「だから…真奈美ちゃん。真奈美ちゃんの❝初めて❞は…いつか現れる、❝運命の人❞の為に、大切に守るんだぜ…」

「分かりました…」

「早く部屋に戻って…」

「それじゃ…お兄様。失礼します…」

…真奈美ちゃんと入れ替わる様に、せっちゃんと美花子が寝室に戻ってきた。

「誠人さん…お風呂上がりましたー♡」

「・・・」

「…誠人さん?」

「…あ、ごめん。今…真奈美ちゃんと立ち話してて…ちょっと考え事をしてたんだ」

「…誠人さん」

「それじゃ…風呂浸かって来るわ」

「はいっ♡」

・・・

「それで…美花子。どうして、お父さんお母さん、そして真奈美ちゃんから離れちゃったの?」

「…あのね。おとこのひととおんなのひとが…しばふのうえでぷろれすしてたの♡」

「・・・」

「・・・」

「おとーたん?おかーたん?どおちたのー?」

「あ…いや、その…」

…と、そこで。

寝室のドアがノックされた。

「あの…お兄様、義姉様、美花子ちゃん…お休みなさいませ…」

「おねーたん…さびちくない?みかこ…おねーたんとおねんねちたい…おねーたんとおはなししたい…」

「…どうする?せっちゃん…」

「一日位なら、いいんじゃないかしら?それじゃ真奈美さんすいません、美花子をお願いします…」

「美花子ちゃん…お姉ちゃんに気を遣ってくれて有難う。それでは改めて、お休みなさいませ…」

「おとーたん…おかーたん…おやちゅみなちゃい…」

と言うと、寝室のドアが静かに閉じられた。

「せっちゃん…美花子、俺達の想像以上に、成長しているね…」

「…そうだね」

「…せっちゃん?」

「誠人さん…節、なんだか…身体が疼くの…」

「そう言えば…せっちゃんと最後にエッチしたのって、夏休み前…だったっけ」

「…うん」

「それじゃ…せっちゃん。❝大人のプロレスごっこ❞…しない?」

「もう…誠人さんったらあ…♡」

と言いつつせっちゃんは、自分の唇を俺の唇に重ねると、例によって舌を絡めてくる。

「ん…ん…」

「ん〜…ん〜…」

舌を絡めながらせっちゃんは、俺の股間に手を伸ばし、皮被りおちんちんを優しくお触りしてくる。

「せっちゃんの…エッチ♡」

「誠人さんの…スケベ♡」

俺は反撃だと言わんばかりにちっぱいをスルーして直接、せっちゃんの股間に右手を伸ばし…パジャマとパンティー越しに秘部を優しく愛撫する。

「んっ…あ…ああっ…ああん、いっ、駄目ぇ…誠人さぁん…」

「せっちゃん…もうキツキツオマンコ、ラブジュースで汁ダク状態になってるじゃん…」

「そんな…イヤらしい事言わないでぇ…誠人さぁん…♡」

「それじゃ…せっちゃんをもっと淫乱でドスケベな奥さんにする為に…スイッチ入れちゃうよ…」

と言うと俺はパジャマ越しに、せっちゃんのちっぱいを優しくワシ掴み。

「ああん…」

せっちゃんの唇から甘ったるい喘ぎ声が漏れ出し、くりくりっとしたややタレ気味の大きな瞳は焦点を失い始めている。

「誠人さぁん…節のおっぱい、もっと揉んでぇ…♡」

「うん…」

俺は右手でせっちゃんのパジャマのボタンを外し、合わせ目から左手でスポブラに包まれたちっぱいを優しく撫で回しつつ…右手でパンティー越しに陰唇を刺激する。

そしてせっちゃんの耳元にそっと吐息を吐きかけ…愛の言葉を囁く。

「本当に敏感で…イヤらしい身体だね…」

「誠人さぁん…誠人さんに触られるだけで…節、とっても興奮しちゃうのぉ…」

「それじゃせっちゃん…もっとお触りしちゃうよ?」

「誠人さぁん…もっと節を、気持ち良くさせてぇ…♡」

俺はゆっくりと時間を掛けて二つのちっぱいを揉みしだき、先端部を摘み、そして唇でちゅーちゅー吸いまくる。

「もう…誠人さんったらあ…まるで、大きな赤ちゃんみたい…♡」

「せっちゃんのちっぱい…何回吸って揉んでも全然飽きないんだよね…」

「誠人さん…」

俺とせっちゃんは再び唇を重ね合い…左手でちっぱいを玩びながら右手をパンティーに差し入れ…直接、ラブジュースで汁ダクのキツキツオマンコを愛撫していく。

「誠人さん…」

今日はちょっと責め方を変え、親指と人差し指でクリちゃんを摘むと…余った三本の指で、陰唇の入口を焦らす様にひたすら撫で回す。

「ああん…」

「せっちゃん…痛くない?大丈夫?」

「だ…大丈夫じゃないよお…こんなに焦らされたら…ああっ、焦らさないでぇ…誠人さぁん…」

「ふふふ…まだ焦らせるかな…せっちゃん…」

「もう駄目ぇ…節、頭がおかしくなりそうだよぉ…」

「そんなに…感じる?」

「誠人さんだからぁ…誠人さんに弄られてるからぁ、こんなに興奮しちゃうのぉ…ああん…ああん…あ、ああ、だ、駄目、もう駄目ぇー!」

と叫ぶとせっちゃんは、凄まじい量の潮をぶちまけながら全身を痙攣させつつイッてしまった。

俺はせっちゃんを背後から優しく抱きしめつつ…右手でちっぱいをふにふにと玩び、左手の人差し指でおへそを擦り潰す様に愛撫していた。

「誠人さん…もう我慢出来無い…挿れて、誠人さんの皮被りおちんちん、早く挿れてぇ…」

「それじゃ…せっちゃん。悪いけど…ちょっと待ってくれるかな…」

俺はサイドテーブルの上に置いてあったコンドームを箱ごと取り上げると、我ながら手早い動作でズル剥けおちんちんにゴムを被せる。

以前…美花子が妊娠していた際にゴム無しでヤリまくっていたのを産婦人科の先生にポロリと漏らしてしまったところ、「お腹の中の赤ちゃんは極めて無防備なんです、万が一感染症になったらどうするんですか!!!」と夫婦揃って怒られた次第。

…その反省を踏まえ、第二子の健康を考えて夫婦の営みの際には、面倒でも近藤さんを装着する事にしたのだ。

閑話休題。

「それじゃ…せっちゃん。片足上げて…」

言われるがままにせっちゃんは右足を上げ…その正面から近藤さん付きのズル剥けおちんちんを、キツキツオマンコにゆっくりと装入していく。

「ああんっ…♡」

「す…凄え締まるっ…」

正常位とも…後背位とも…そして、騎乗位とも全く違うオマンコの締め付けに、俺は思わずピストンする事を忘れていた。

「うおぉっ…ちょっとでも動かしたら…あっという間に発射しちゃいそうだぁっ…」

「誠人さぁん…こんな気持ち良さ、今まで経験した事無いよぉ…」

…ズル剥けおちんちんとキツキツオマンコが合体したまま。

俺達バカ夫婦は所謂対面側位の体位のまま、互いの性器を堪能していた。

「ああん、誠人さぁん…誠人さんのおちんちんからぁ…❝大好き❞が沢山、伝わってくるのぉ…♡」

「せっちゃんこそ…オマンコのヒダヒダの締め付けから❝愛してる❞ってメッセージが伝わってるよ…♡」

「誠人さぁん…♡」

「せっちゃん…♡」

せっちゃんは切なげに目を閉じると…俺に可愛らしい唇を突き出して来た。

俺は何も考えず…せっちゃんの口に自分の唇を重ねる。

唇を重ねながら俺は…せっちゃんの上げた太ももと脛をひたすら撫で回し、ちっぱいを優しく揉みしだく。

「ん…んん~、ん~~~…」

その度にせっちゃんの喘ぎ声が、俺の口内に口移しされていく。

「…それじゃせっちゃん。動いて良いかな?」

「…うん♡」

唇を離した俺はせっちゃんの了解を取り付けると…下半身をフル活用して近藤さん付きズル剥けおちんちんを、せっちゃんのキツキツオマンコに打ち付ける様にピストンする。

「あん…ああん…あああん、あああ~…」

「…す、凄え気持ち良い…」

「誠人さん…そこ、そこが凄く感じる…」

「…こう?此処で良いのかな?」

「あっ…そう、そこが感じる…あっ、ああん、そこ、そこぉ、そこそこそこそこぉ…」

せっちゃんの指摘に従い、俺は所謂❝Gスポット❞と思われる箇所を重点的にピストンしていく。

「せっちゃん…どう?気持ち良い…かな?」

「ああっ、気持ち良い…ああん、ああっ、あああ~ん…突いてぇ、誠人しゃぁん、ガチガチのぉ、皮被りおちんちん…もっと突いてぇ…」

「せっちゃん…少し、早く動いて良いかな…」

「お願い…誠人さぁん…節、イキたい…イキたいのぉ…♡」

せっちゃんは再び固く瞼を閉じて、快楽を貪る事に集中している様だ。

「分かった」

俺はせっちゃんの上げた右足を抱え込み、左手をせっちゃんの首筋に回して抱き寄せ、密着度を高めるとピストンのスピードを早めていく。

「ああん、ああん、そこ、そこ、ああっ、ああん、イキそう、イキそう、ああ~ん…あんっ、駄目、駄目、イク、イク、ああんっ、イク…イク…節イッちゃうーーー!!!」

普段の可愛らしいせっちゃんからは全く想像出来無い、凄まじい叫び声を挙げながらせっちゃんは…全身をびくびくっと激しく痙攣させながら絶頂に達してしまった。

ややあって限界を迎えた俺のズル剥けおちんちんは、近藤さんの中に❝赤ちゃんの素❞を吐き出す。

そして俺は無意識にせっちゃんの顔を引き寄せ…唇を貪っていた。

「ぐっ…」

引き抜かれたおちんちんから近藤さんを取り外すと、虚ろな表情のせっちゃんのほっぺたに、出来立てほやほやの❝赤ちゃんの素❞入り近藤さんを押し当ててみる。

「あ…はぁ…誠人さんの、❝赤ちゃんの素❞だぁ…誠人さんの、❝赤ちゃんの素❞、暖かいよぉ…♡」

「せっちゃん…気持ち良さそうで、本当に良かった…」

「誠人さん…節達、まだまだセックスについて、知らない事ばっかりだね…」

「本当だね…料理も、セックスも、文字通り❝一生勉強❞なんだね…」

「でも…誠人さん…」

「どうしたの…?」

「知らない事が有るって事はぁ…まだまだ新鮮なセックスを体験出来る、って事ですよね…♡」

「そうだね。俺も…せっちゃんをもっと気持ち良くさせる為に…勉強しなくちゃ、ね…」

「有難う…誠人さん♡」

「どういたしまして…せっちゃん♡」

・・・

「それじゃ…真奈美ちゃん。忘れ物は、無いかしら?」

「大丈夫です。昨日…寝る前と、朝起きてから一通り確認しましたから…」

時は過ぎ…1月下旬。

志望する某医科大受験の為、再び我が家に泊まり込みで上京して来た真奈美ちゃんに、お袋が声を掛ける。

「真奈美さん…頑張ってね!」

すっかり大きくなったお腹を抱えて…せっちゃんが真奈美ちゃんに励ましの言葉を送る。

「あ、そうだ真奈美ちゃん…コレ、千夏と鞠子から❝渡しておいて❞って頼まれたんだ。ハイ、真奈美ちゃん」

「うわぁ…御守りだ!お兄様、千夏さんと鞠子さんに…❝有難う御座います❞って、伝えておいて下さい!」

「分かったよ…それじゃ真奈美ちゃん、気を付けて行ってらっしゃい!」

「真奈美さん…お気を付けて!」

「おねーたん…いってらっしゃ~い!」

「それじゃ皆さん…行って来ます!」

息も凍りそうな寒空の下、マフラーとダッフルコートを着込んだ真奈美ちゃんは駅に向かって歩いて行く。

それを俺達バカ家族は…真奈美ちゃんが見えなくなるまで見守っていた。

「真奈美さん…大丈夫だよね…」

「真奈美ちゃんなら…きっと大丈夫だよ…」

「それじゃ誠人さん…節、洗い物しますから…お洗濯してくれますか?」

「了解」

俺は大容量のドラム型洗濯機で洗濯を始めると、ハンディークリーナーでリビングのゴミとホコリを吸い取っていく。

正直な話、自分は専業主婦を❝楽な仕事❞と考えた事は一度も無い。

母子家庭で育った故か…は分からないが、炊事、洗濯、掃除、育児を一人でこなすのが如何に大変かは、美花子を育ててみて改めて実感したつもりだ。

そして更に、手の掛かる赤ちゃんが加わるのだから…せっちゃんの負担は想像して余り有る。

だから俺は休みの日は、出来るだけせっちゃんの家事を手伝う様にしている。

「せっちゃん…洗濯終わるまで、何かする事有る?」

「特に無いですね…誠人さん、何時も節を手伝ってくれて…本当に有難う御座います…」

「せっちゃんこそ…何時も美花子の面倒を見てくれて、本当に有難う…」

「ううん…誠人さん、本当は…ソファーでゴロゴロしてお休みしたいはずなのに…節こそ、申し訳無い気持ちで…」

「確かに…❝たまには一日、何もせずにゆっくり寝ていたい❞って思う時も有るよ。でも一日休み無く働いているせっちゃんを見ちゃうと、何だか申し訳無い気持ちになっちゃって…」

「おとーたん…おかーたん…」

「あ…美花子…」

「おなかのあかちゃん…もうすぐでてくるんだよね…?」

「そうだよ。早ければ、来月の半ばには弟か、妹が出来るのよ…美花子…」

「わーいわーい、みかこおねーたんになるんだー」

「…美花子。お父さんは敢えて…❝お姉ちゃんらしくしなさい❞とは言わない。その代わり…❝人間として、恥ずかしくない振る舞いをしなさい❞と言っておくね…」

「にんげんとして…?」

「うーん…美花子にはまだ、分かりづらかったかな…」

「かも、しれないですね…誠人さん…」

「あ…洗濯が終わったみたい。美花子、洗濯物を干すから、お手伝いしてくれるかな?」

「うん!みかこ、おとーたんてつだう!」

俺は洗濯カゴに山の様に放り込まれた洗濯物を2階のベランダまで運び込むと、美花子が手渡す洗濯物を干し始めた。

「あ…誠人さん、御早う御座います。あの…今日はお仕事はお休みですか?」

俺に声を掛けてきたのは…お隣の、所謂❝スピーカーおばさん❞として有名な主婦の方。

兎に角噂話が大好きなお方では有るのだが、同時に面倒見が良い人としても有名で、実際結果的に噂話に助けられた人も一人や二人では無い為、御近所では❝敵に回したら洒落にならない御仁❞として認識されている。

閑話休題。

「ハイ…今日と明日…シフトの休みなんです」

「そう言えば…奥様、もうすぐ御出産でしたよね?」

「ハイ、来月の中旬が予定日ですね…」

「ねーねー、おばちゃん!みかこねぇ、もーすぐおねーたんになるんだよ!」

「うふふ…美花子ちゃん、お姉ちゃんになるんだー。良いわねー」

「うんっ!みかこ、あかちゃんたくさんかわいがってあげるんだ!」

「美花子ちゃん。コレから産まれる…赤ちゃんに一杯、愛情を注いであげてね」

「うん!みかこ、あいじょーをい〜っぱいそそいであげる!」

「美花子…」

「誠人!誠人!誠人ー!」

「おとーたん…あれ…ばーばのこえだよー」

「何だお袋!どうした、何か有ったのかー?」

と俺は、呑気に美花子と階段を降りて行くと。

目に飛び込んで来たのは、リビングのソファーで苦しそうに横たわっているせっちゃんだった。

「せっちゃん…どうしたの!?」

「多分コレ…高い確率で陣痛っぽいわよ」

「ううん…ん~~~」

「分かった…病院とタクシーに電話入れるから、美花子をお願い」

「…え?美花子ちゃんを…立ち会わせないの?」

「え…?あ…ハイもしもし、私節子の旦那の誠人と申しますが。ハイ…ハイたった今、産気付いたっぽくて…ハイ…分かりました。今からタクシーで、そちらに御伺いします…」

「…誠人。美花子ちゃんに…新しい兄弟姉妹が出来る瞬間を見せるのは…決して無意味じゃ無いと思うわ」

「誠人さん…タクシーが、来たみたいですよ」

「美花子…赤ちゃんが産まれるところを、見てみたいか?」

「…うん」

「分かった。せっちゃん、苦しいけど踏ん張って!」

「…誠人さん…」

「おかーたん…がんばって…」

俺達バカ家族はタクシーに乗り込み…美花子を出産した病院へと一目散。

そして診察の結果…「母体と胎児の状態を考えると、早産でも出産した方が助かる確率が高くなる」との結論に達し。

俺達バカ家族は、分娩室へと直行と相成った。

「ううん、うう~ん、あうんっ…」

「おかーたん…だいじょーぶ?おかーたん…おかーたん…」

ただならぬせっちゃんの姿を見て…最初はウキウキ状態だった美花子は…すっかり泣きべそ状態になってしまっている。

「せっちゃん…大丈夫、俺が着いてるから…」

「誠人さぁん…」

「おかーたん…しんじゃいやだ…」

「大丈夫…お母さんは…こんな事で…死にはしないから…」

「かみさま…おかーたんをたすけてくだちゃい…」

美花子はひたすら泣きじゃくりながら…神様にせっちゃんの安産を祈っている。

俺はせっちゃんの左手をひたすら握りしめ…赤ちゃんが出て来るその時を待っていた。

「節!節!大丈夫かぁ!?節!」

せっちゃんが病院に運び込まれて…約3時間後。

俺から連絡を受けた鉄さんが、分娩室に入り込んで来た。

「鉄さん…」

「マー坊…節は…生きられるのか…?」

「コレばかりは…天に委ねる、としか…答え様が、有りません…」

「節…」

「ん、ん〜…んんん~、ん〜っ…」

「あの…せっちゃん…じゃない、妻の状態は、どうなんでしょうか…」

「破水を確認しましたので、後は胎児が出て来るのを、待つしか無いですね…」

「あうんっ、ああん、うんっ、うう~ん…」

「あ…旦那様、コレ…間違い無く、出産の前兆ですよ…そのまま、手を握ってあげて下さい…」

「せっちゃん…頑張って!」

「節…」

「うう~ん、ああん、ひいっ、ふうっ、ひいっ、あうんっ、う〜ん、うう~ん…」

「頑張って…せっちゃん、頑張って!」

「うう~ん、うう~ん、あうーん、あひぃっ、あう~ん…あんっ、くうっ…」

「節!頑張れ…節!」

「…お父さん?」

「せっちゃん…」

「節子さん、ハイ、ヒッ、ヒッ、フゥー、ヒッ、ヒッ、フゥー…」

「ヒッ、ヒッ、フゥー、ヒッ、ヒッ、フゥー…」

「節!」

「せっちゃん…せっちゃん!」

と、俺が叫んだ次の瞬間。

産道から赤ちゃんが飛び出したかと思うと…そのまま美花子に負けるとも劣らない、爆発的な産声を挙げ始めた。

「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」

「ハイ、お母様にお父様、それに御祖父様にお嬢様…とっても元気な男の子ですよー」

俺とせっちゃん、それに鉄さんと美花子は…へその緒を切断した我が息子をまじまじと見つめていた。

「…そうだマー坊。赤ちゃんの、名前は…」

「❝早い矢❞と書いて、早矢斗と決めました…」

「❝早い矢❞と書いて、早矢斗…」

「前に真奈美ちゃんが…❝弓道をやっていた❞、ってのを聞いたから…それを聞いた時に直感的に決まったんだよね…❝早い矢と書いて、早矢斗❞って…」

「良い名前だなぁ…」

「有難う御座います…」

「あ…早矢斗…お母さんの、節だよ…」

「はじめまして…早矢斗。俺が…お父さんの誠人だよ…」

「あかちゃん…はじめまちて。あたし…おねーたんの、みかこ…」

「おぎゃー、おぎゃー、おぎゃー、おぎゃー…」

そして…後処置を終えて、一般病棟に移った夕方。

真奈美ちゃんが、御見舞にやって来た。

「あ…義姉様!御出産、おめでとう御座います…」

「真奈美さん…有難う御座います…」

「あ…お兄様。赤ちゃんの、お名前は…」

「❝早い矢❞って書いて…早矢斗って、名付けた…」

「あ…もしかして、お父様から…」

「…うん。妊娠した時期を考えると、❝もしかしたらこの子、親父の産まれ変わりかもしれない❞って、せっちゃんと話し合って、ね…」

「早矢斗…」

「それより…真奈美ちゃん。明日も受験なんでしょ?美味しい晩飯をたらふく食べて、ぐっすり眠って!」

「ハイ…。すいません、それでは、失礼します…」

「誠人さん…節、眠い…寝て、良いかな…」

「勿論だよ。せっちゃん、お疲れ様…今はゆっくり、身体を休めて…」

「誠人さん…お休みなさい…」

「おかーたん…おやちゅみなちゃい…」

「節…良く頑張ったな…」

「鉄さん…やっぱり、なんだかんだ言っても、❝母は強し❞ですよね…」

「ああ、そうだな…」

俺と鉄さん、そして美花子は病室のベッドで眠るせっちゃんの可愛らしい寝顔を、ひたすら眺めていた…。

そして…3月上旬。

俺の携帯電話に、真奈美ちゃんからメールが届いた。

たった一言、「サクラサク」…と。

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