バイト先の先輩の娘さんとの、波乱万丈な恋物語・番外編27 そんなヒロシに騙されて

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「マー坊」「せっちゃん」「バカ夫婦」のエッチな体験談に多数の応援を頂き…激裏GATE-エロティカの数少ないバカ夫婦のファンの皆様には心から感謝致しております。m(__)mペコリ

相変わらず読み辛い、拙い乱文ではありますがバカ夫婦と友人達、そして子供達の人間模様をお楽しみ下さいませ。

尚、予めお断りしておきますが今回はマー坊とせっちゃんのエッチは無しで御座います。御了承下さいませ。

登場人物スペック

「誠人(マー坊)」→洋食レストランで働いている、仮性包茎でちっぱいスキーなコックさん。せっちゃん命のクソ真面目な一穴主義者。

「節子(せっちゃん)」→23歳で4人の子供達のお母さんになった、輪姦被害経験の有るアニメ顔のちっぱい若妻。マー坊命のちょっぴりヤキモチ妬きな一棒主義者。

「鉄さん」→誠人が働いている洋食レストランの先輩コックにして、節子の父親。厳つい強面で、仕事には滅茶苦茶厳しいが孫達にはジジバカ全開の根は良い人。

「鞠子」→誠人の中学時代のクラスメートで、今はネイリストをしている「アイドルマスター」の浅倉透似の美女。スポーツ万能で愛車の真っ赤な86を乗り回すのが趣味だが、「口より先に手が出る」残念な性格。今回の体験談の主役的存在。

・・・

「お姉ちゃんのお見合い相手…お姉ちゃんと両親の財産だけならまだしも…アタシとお姉ちゃんの❝姉妹丼❞、挙句の果てにはアタシ達ローゼスを❝性奴隷にしてのハーレム化❞を狙っていたって弁護士さんから聞きまして…」

「そう、でしたか…本当に、大変でしたね…」

「こないだエロ漫画家の貴子さんにその事話したら…❝うわぁ…ガチでキモ過ぎる、いくら私でもそんな筋書き無理だわぁー❞ってドン引きしてましたからね…」

「そりゃあ引かない方がおかしいですよ…現に男性の自分も目眩がしそうな感じですから…」

「本当に居るんですね…❝性器に脳味噌がくっついてる❞男性って…。まぁ…❝怪我の功名❞って言ったらアレですけど…その時の担当弁護士さんとお姉ちゃん、何だか良い関係になっちゃいましてね…」

此処は俺が働いている洋食レストランの…ガールズロックバンド「ローゼス」の皆さんの、実質的な指定席である6人掛けのテーブル。

俺はせっちゃんの中学時代のクラスメートであるベーシストの巴さんの…丁度一回り歳が離れた姉で、せっちゃんのパート先の洋菓子店の店長である静さんのお見合いの顚末を聞かされていたところに。

「やっほー、誠人クンこんちは~!おっ、今日はローゼスのみんなも勢揃いしてるじゃない!どう美波ちゃん、この間の薔薇のネイルは!?」

今日は真新しいショートコートに履き慣れた感じのロングブーツ、そして暖かそうなタータンチェックのスカートを履いた鞠子が入店してきた。

「あっ鞠子さん!このネイルインスタにアップしたら忽ち大反響になりまして…❝このネイル、何処のお店でやってもらったの!?❞って問い合わせのオンパレードですよ…」

「おっ、ネイリスト冥利に尽きるお言葉有難うね!みんなもネイルで困った事が有ったら何でも頼って来てね、❝お友達価格❞でネイルしてあげるから!」

「そうしたら鞠子…御注文は例によってオムライス?」

「うん!今日は…デミグラスソースを御願いね!」

「はい、オムライスデミグラスソースをお1つ…それではコチラのお席にどうぞー!」

・・・

「うん誠人クン…何時食べてもこのお店のオムライスすっごく美味しい!」

「有難う御座います…それではごゆっくりどうぞ!」

「あっ…誠人さんすいません、ちょっと宜しいですか!?」

「はい、光さん少々お待ちをっ!…ん?この写真ってもしかして…肉じゃがですか?」

「はい、巴のお姉さんのお見合いの話を聞いて…❝自分も女子力上げないとちょっとヤバくない?❞って衝動に駆られて…それで先ずは肉じゃがに挑戦してみたんですけど…」

「あの…ちなみにこのジャガイモって…メークインですか?それとも…男爵ですか?」

「あの…確か、男爵ってジャガイモだった様な…」

「光さん…コレ、結論から言うと❝煮過ぎ❞ですね。男爵ってとっても煮崩れしやすい品種ですんで、先ずは断面をしっかり焼き付けると煮崩れしにくくなりますよ…あ、いらっしゃいませ!あの、お一人様…」

…と、其処に入店してきたのは…まるでバーチャルアーティスト・松永依織の様な、腰まで届く長い茶髪のポニーテールが特徴的な女性。

その女性は俺の呼び掛けを無視して店内を見渡し…つかつかと鞠子がオムライスを食しているテーブルに歩み寄ると。

「この…泥棒猫!」

と怒鳴るや否や。

その女性は鞠子の顔を…オムライスに押し付けたではないか。

「ぐぶっ…な、何すんじゃあこの暴力女ぁぁぁぁ!」

と怒鳴り返すや否や…鞠子は押し付けられたオムライスが乗せられた皿を、その女性の横っ面に叩き込む。

お互いふわとろ玉子とデミグラスソース、そしてチキンライスまみれになった「般若の形相」でキャットファイトをおっ始めた2人の女性を俺は信彦、そしてローゼスの皆さんと力を合わせて必死に引き剥がす。

「誰が泥棒猫じゃコラァ!…ってちょっと誠人クン、変なところ触んないでよ!」

「この期に及んでまだすっとぼけんの、この泥棒猫!アタシの宏志にちょっかい出しておいてタダで済むと思うんじゃ無いわよ!」

「おい、そこの二人…何やってんだゴルァ!此処じゃ他人様の迷惑だ、この店を出禁にされたくなきゃあ続きは事務所でやって貰えませんかねぇ!?」

「・・・」

「・・・」

「おうっ、マー坊にノブノブ!このお二人さんを事務所に連れてってくれや!それとローゼスの皆さんも申し訳ねぇが、証人として着いて来てくんなせぇ!」

・・・

「だー、かー、らー!宏志はアタシのお見合い相手だっつってんでしょーがぁ!アンタの言う婚約こそ、アンタの頭の中の妄想なんじゃないの!?」

「じゃあ聞くけどさあっ!この婚約指輪が目に入らない訳えっ!?確かに結納はまだやってないけどね、もう丸3年も同棲してるんだから実質的な婚約者みたいなもんよ、この泥棒猫!」

「まだ言うか、この暴力女!」

「ちったぁ身の程を知りなさいよ、この泥棒猫!」

…てな調子で。

洋食レストランの事務所に連行された2人の女性が、渡されたタオルで顔を拭うや否や…またもや激しい罵り合いを繰り返す様は文字通り「無限ループってこわくね?」状態。

「大体アンタ!先月の15日に、アタシのマンションで宏志とエッチしてたでしょーがぁ!」

「…は?先月の…15日…?」

「何すっとぼけてんのよ、アタシの留守を良い事に宏志を寝取ろうなんてさぁ!アンタみたいなのを❝泥棒猫❞って言わなかったら、なんて呼べば良い訳なのっ!?」

「いや…その日…アタシ、確実なアリバイが有るんだけど…」

「…アリバイ?」

「ねぇ…光ちゃん。みんなの出番が終わった後に撮った写真…あれまだ残ってる!?」

「ちょっと待って下さいね、鞠子さん…すいません店長さん、机お借りします!」

呟くと光さんはノートパソコンを立ち上げ、写真フォルダを検索し始めた。

「ええっと…あー有った有った!コレでしょ鞠子さん!」

「そう、コレコレ!どう、コレが動かぬ証拠よっ!何なら当日のライブのチケットの半券もまだ残ってるし…」

「え…?それじゃあ、あの情事の後の光景って…何だったの…?」

「あの…すいません。その写真って…」

ポニーテールの女性は無言でデジカメを取り出し…恐らくはラブジュースと潮で湿ったベッドシーツと、ゴミ箱に無雑作に捨てられていた、口を縛ったコンドームと無数のティッシュの山の写真を俺達と鞠子、そしてローゼスの皆さんに披露する。

「うっわあ…ガチで生々しいわぁ…」

「コレは…合成写真の確率は限りなく低そうですねぇ…」

「やっぱり写真屋さんの娘…見る目が違うわ…」

「…あのさ。この写真撮影した時間って…憶えてる?」

「夕方位の…そう、6時半過ぎだったわ」

「ならアリバイ成立だね、この写真撮ったのは6時ちょい過ぎだもん。4時位からライブハウスに居てローゼスのみんなの出番が5時半位からだから…」

「…ゴメン」

「…え?」

「勘違いとは言え…酷い事しちゃって…本当に御免なさい…」

「…あのさ」

「…え?」

「アンタの言う事に嘘偽りが無ければ…宏志の奴、アタシとアンタ…そしてもう一人の女と三股掛けてた…って事でしょ?」

「そう…なるね」

「だったらさぁ…宏志から、たんまり慰謝料毟り取っちゃわない?」

「慰謝料…」

「…そう。アタシ正直…もう宏志に冷めたわ。アンタみたいな婚約者(仮)が居ながら…アタシとお見合いなんかする男なんか…正直、信じられないわ…」

「信じられない…確かに…」

「でしょ!?そんな脳味噌と性器が直結してるヤリチン、ガツンと一発正義の鉄槌をブチかまさないと気が済まないわぁ!」

「…そうね。言われてみれば宏志の奴…口を開けば二言目には❝ヤラせろ、ヤラせろ❞だったし…結局アイツ、ヤレれば誰でも良かったのね…」

「あ…そうだ。まだアンタ…じゃない、あなたの名前、聞いてなかったね…」

「…美鈴。❝美しい鈴❞って書いて、美鈴…」

「アタシは鞠子。❝蹴鞠の鞠❞って書いて、鞠子…」

「そうしたら…先ず何から手を付ける?」

「あの…横からすいません…。こういう時は先ず、❝継続的な不貞の証拠❞を集める事ですね。❝1回だけでは行きずりの情事❞で済まされちゃうらしいんで、2回、3回と不貞を重ねていた証拠を集めるのが、吉らしいです…」

「うわぁ…やっぱ修羅場経験者の言葉は重みと説得力が違うわぁ…」

「ちょっと、慶子…アタシだって好きで修羅場に巻き込まれた訳じゃないんだからね!」

「あの…その宏志さんの顔写真って、有りますか!?もし万が一ライブハウスとかに出入りしてきたら、見知らぬ女性と一緒かチェックしますんで!」

「コレが…宏志の顔写真です…」

「成程…すいません、この写真スマホに取り込ませて下さい!私達のホームグラウンドのライブハウス❝リズムボックス❞に出入りしているバンド仲間にも、女性と出入りしていないか確認してみますから!」

・・・

「それで…鞠子さん…」

「あー…結果は超ど真っ黒。誠人クンから紹介された弁護士事務所の女性の弁護士さんに証拠の写真見せに言ったら…❝コレだけ不貞の証拠が有れば、仮に裁判になっても100%勝てます❞って言われたもん…」

「その宏志って男…どんだけ猿なんだよ…」

此処は鉄さん宅のリビングで行われている、女子会の一幕。

鞠子は美鈴さん共々…ローゼスの皆さんに収集して頂いた証拠と興信所の調査結果を女子会の皆さんに披露していた。

因みにせっちゃんはリビングの一角で…我が子達や怜王クンや萌虹花ちゃん、葵ちゃん達の「おこちゃま軍団」と尻取りをして遊んでくれている。

「ぐすっ…アタシって…どんだけ男を見る目が無いの…」

「美鈴さん…でしたっけ!?アタシみたいにシンママにならずに良かった…って、考えられません!?」

「樹里愛さん…」

「確かに…ね…」

「それで…」

「宏志のスマホから…メール転送する設定したらさ…アタシ以外の女性当てに…❝今度の金曜日にエッチしよう❞ってメールが入って来てさ…アタシ、思わず吐いちゃった…お酒1滴も飲んで無いのに…」

「それで…その宏志って人とは…」

「勿論…婚約破棄します。私と言う実質的な婚約者が居ながら平然と他の女性と関係を続ける男となんか…これ以上、一緒に居続ける事自体、気が狂いそうな感じです…」

「酷い…その宏志ってヤロー、絶許だね…」

「それで昨夜…意を決して、父にその事を伝えたら…❝やる以上は、徹底的に叩き潰せ❞とだけ、言われました…」

「それで誠人クン…女性の弁護士さんから、❝不貞の現場を急襲して、言い逃れの出来ない証拠を抑える❞って提案されたんだけど…」

「その突入に俺にも協力してくれ…と?」

「早い話がそう言う事。当日は…興信所の所長さんも凸に参加してくれるんだけど…その、女性4人居てもハッキリ言って不安は拭えないし…男性が1人多いだけでも、結構安心感が違うからね…」

「分かった…鞠子」

・・・

「ねぇ…誠人さん…」

そして、俺達バカ夫婦の寝室。

俺とせっちゃんは早矢斗、沙知子を間に挟んで、お休み前の会話をしていた。

「婚約者が居る女の人とお見合いって…そんな事、本当に有るのかな…」

「有っても不思議は無いと思うよ。多分その宏志って男…言葉巧みに紹介した人を騙したんだと思うんだ…」

「俗に言う…❝キープ❞って、アレですか…?酷い、そんなの…」

「俺も、同じ男として…絶対に許せねぇな。女の人を文字通り、❝物❞って言うか、❝オナホ❞扱いする男なんてよ…」

「誠人さん…」

「せっちゃん…そんな❝人間のクズ❞っつーか…❝男のクズ❞、キッチリ法的にお仕置きしてやらないと気が済まねぇよ。鞠子達の様な女性が二度と、そんな❝クズ野郎❞に引っ掛からない様に…」

「そうだね…そんな最悪な男から鞠子さん達が開放されると良いよね…」

「そうだね…せっちゃん」

「だから…誠人さん。その最低な❝クズ男❞に…キッチリお仕置きしてきて下さいねっ♡」

「有難う…せっちゃん…」

「ぐーぐー…ぐーぐー…(-“-)」

「おまえがすきだと…みみもとでいったぁ…(-ω-)」

「すやすや…すやすや…(●–●)」

「それじゃ…せっちゃん。時間も時間だし、今日はもう寝ようか?」

「そうですね…誠人さん。あの…誠人さん…」

「何?せっちゃん…」

「コレからも節だけの事を…好きでいて下さいねっ♡」

「勿論だよ…せっちゃん。それじゃ、お休みなさい…」

・・・

「済まねぇな、慎也。折角の新婚生活に水を差す様な御願いしちまって…」

「何…気にするこたぁないさ。寧ろ千夏の方がノリノリだったからな、❝そんな女の敵に掛ける情けなんて無いわ、徹底的にお仕置きしてこーい!❞って感じでよ…」

「早々と千夏にイニシアチブ握られてんな、慎也…」

「ま、普段は千夏の尻に敷かれる方が寧ろやりやすいからさ。その代わり、イザと言う時は俺が千夏を引っ張って行くつもりだからな…」

「おっ、慎也クンかっけー!」

「皆さん…夫婦間で良い信頼関係を築いていらっしゃるんですね…羨ましい…」

「…美鈴さん。❝夫婦間の信頼関係❞ってのは…一朝一夕に作り上げられるものじゃないんです。時に本音をぶつけ、時に我儘を主張しあい…その上でお互いを労り、そして思い合うのが…」

「すいません…皆さんお静かに。どうやら…始まったみたいですね…」

真冬の夕闇が迫る中、美鈴さんがお住まいのマンション近くの有料駐車場に駐車させた興信所のワゴン車の中で…雑談に興じていた俺と慎也、鞠子と美鈴さん、それに女性の弁護士さん2人は元陸自の所長さんの言葉の前に口をつぐむ。

美鈴さんの許可と協力を得て…予め設置しておいた盗聴器の音声をイヤホンで聞いていた所長さんは、こっくりと頷くと車外へ指を指し…俺達に下車を促す。

「それでは…美鈴さん、鍵を貸して下さい。後○○先生はビデオカメラを、●●先生はデジカメを御願いします…」

そして美鈴さん宅前までやって来た、チェーンカッターを握った所長さんの言葉に美鈴さんは自室の鍵を手渡し…所長さんは静かに鍵を差し込む。

チェーンロックの掛かっていないドアは静かに開き…所長さんは俺達を室内に誘導すると再び静かにドアを閉め、不要になったチェーンカッターを下駄箱の上に置く。

皆抜き足・差し足・忍び足で寝室に近付くと…ローゼスの皆さんの曲に入り混じって…「あっ…ああん…宏志…宏志ぃ…」と言う女性の喘ぎ声が聞こえてくるではないか。

「あの…良いですか?」

所長さんがこっくりと頷くのを確認した美鈴さんは、室外からドアノブの中央部の窪みにヘアピンを差し込み…寝室のドアロックを解除すると、そっとドアを半開きにする。

掛け布団が掛けられたベッドの上では…「あっ…ああん…ああん…出して…中に出してぇっ…」と言う悶声と共に、明らかにピストン運動と思しき、前後にうねうねと動く仕草が。

「アンタ等…人のベッドで何やってんだコラァ!!!」

流されていた曲にも負けない怒鳴り声を上げ、美鈴さんが掛け布団を剥ぎ取った次の瞬間…俺達突入部隊の人間は皆、「(д)°°」の顔文字状態になっていた。

何故なら、布団の中にいたのが…2人では無く、3人だったからだ。

正常位で合体して快楽を貪る全裸の男女の傍らには…男性の指マンでトロ顔になっている、矢張り全裸のもう1人の女性が潮を吹きながら、白目を剥いて絶頂に達していた。

「イク…イク…イッちゃうっ…♡」

「あぁ…?何だお前等…やっ…やべぇ、出…出…出るっ!」

俺達突入部隊が見守る中で…宏志と言う男は正常位で繋がっていた女性の膣内に…大量の「赤ちゃんの素」を発射。

その一部始終を2人の弁護士さんのデジカメとビデオカメラがバッチリと画像、そして映像媒体として焼き付けていた。

「オイコラ宏志ぃ!コレァ一体どーゆー事よっ、アンタの返答次第じゃ容赦しないわよっ!」

「宏志…そもそもこの女2人とはどーゆー関係なのよっ!」

「…うっせーな」

「はぁ!?」

「❝浮気は男の甲斐性❞っつーじゃねぇか。こんなんで一々グダグダ騒いでんじゃねーよ、このヒス女共が。寧ろ寛大な心で、浮気を受け流すのが❝出来る女❞だろーがよ」

「宏志…アンタそれ、本気で言ってんの?」

「本気も本気。そもそもなぁ美鈴に鞠子、お前等がいけねーんだぞ、いつまで経ってもヤラせねーお前等がよー」

女性の膣からイチモツを引き抜き、「赤ちゃんの素」に塗れたそれなりのデカさのイチモツを突入部隊一同に見せ付けながら…宏志は悪びれもせず…寧ろ自慢気にベラベラ喋りまくる。

「どしたのぉ、宏志ぃ?あー…何ぃこのオバサン達ぃ?」

「お…オバサン?」

チラッと鞠子と美鈴さんを見ると…素人目にも分かる程、こめかみの血管がピクピクしている。

2人共…宏志の身勝手極まりない言い分に必死に怒りを抑え込んでいるのが良く伝わって来た。

「あのさ…1つ聞いて良い?アタシに宏志とのお見合いセッティングした人…誰だか忘れたの?」

「あぁん?取るに足らねーあんなオッサンに、何が出来るってんだよ。あぁ?」

「それよりオバサンさぁ。さっさとココから出てってくんない?アタシこのお家、チョー気に入っちゃったからさぁー」

「ほーらオバサン達は出ーてーけー!出ーてーけー!」

「アンタ等…黙って聞いてりゃ…ふざけんのもいい加減にしろぉーーー!!!」

と、鞠子が3人に怒鳴り付けると。

台所に引き返した鞠子が…手にした美鈴さんのやや小振りなフライパンを、宏志の頭ヘ手加減無しで振り下ろしたのだ。

「パッコォーン!」と言う…「頭蓋骨共々脳味噌も真っ二つになったんじゃないのか?」と思う様な快音と共に、宏志は頭頂部を抑えてうずくまる。

「兎に角お前等…今すぐ此処から出て行けーッ!誰が何と言おうと…此処はアタシが、自分のお金で手に入れた家だぁーっ!!!」

と叫び散らしながら。

美鈴さんは床に脱ぎ散らかしてあった3人の衣類を…ベランダから文字通り、元関脇・水戸泉関の塩撒きの様に、真冬の寒空の下へと放り投げる。

「ちょっと…ちょっと何すんのぉっ!」

「よーし美鈴さん、宏志の携帯確保!悪い、誠人クンに慎也クン、そこの雌猫2人の携帯もさっさと確保して!」

「よしっ、スマホ1台確保!慎也、もしかしたら美鈴さんが投げ捨てた中に携帯が有るかも、確認してきてくれ!」

「おうっ、分かった誠人!」

「ぐううっ…てめぇ…俺にこんな事して…タダで済むと…」

「宏志さん…とおっしゃいましたか。貴方への傷害罪よりも…貴方の不貞行為の方が、遥かに罪は重いですよ…」

「…あぁ?!」

「あぁ…申し訳ありません、自己紹介がまだでしたね。私は、こういうもので御座います…」

阿鼻叫喚の極地と言っていい混乱状態にも関わらず…ビデオカメラのスイッチを切った女性の弁護士さんは顔色一つ変えず、フリチン状態の宏志に自らの名刺を差し出す。

「べ…弁護士…!?」

「あの…取り敢えず、その薄汚いイチモツを隠して頂けますでしょうか?後そちらのお2人の女性の方々も、何か身に纏って下さい…」

興奮状態からようやく素面に戻った鞠子が…美鈴さん共々不承不承と言う表情を顕にしながら、宏志と2人の女性にバスタオルを手渡す。

「私はコチラの美鈴さんの…代理人として契約した○○と申します」

「始めまして…私は鞠子さんの代弁者として契約させて頂いた、☆★法律事務所所属の●●と申します。以後私の言葉は全て…鞠子さんの言葉としてお聞き下さい。後…只今から皆様方との会話は全て、コチラのICレコーダーで録音させて頂きます。宜しいですね?」

「で?あんの様だ、俺等によぉ?」

「分かりやすく、結論から申し上げます。貴方方の不貞行為による婚約破棄に伴って…貴方方に慰謝料を請求させて頂きます…」

「い…慰謝料!?」

「ねーねー、弁護士さんって言ったっけ?その❝いしゃりょう❞って…一体なーに?」

「簡単に言えば…❝大人の責任の取り方❞ですね。コチラの美鈴さんと鞠子さんは…貴方方を殴り殺したい気持ちで…腹ワタが煮え繰り返っている状態です。が…それをするのは法的に、絶対許されません…」

「こわーい…」

「ですから貴方方に幾許かのお金を此方の…美鈴さんと鞠子さんにお支払い頂く事で…❝そのお気持ちをチャラにして貰いましょう❞、そう言う事です。お解り頂けましたでしょうか?」

「おうっ、鞠子に誠人!投げ捨てた服ん中から、スマホ確保してきたぜ!」

「済まんな、慎也!はい弁護士さん…」

「鞠子…美鈴…お前等…」

「宏志…分かった?アタシ等の本気度が…」

「ざけんじゃねーぞ、このアマぁ!慰謝料貰うのは、コイツ等じゃなくて俺だろ!?そもそも❝ヤラせろ❞つってもヤラせねーコイツ等に、何で俺が金払わなきゃならねーんだよ!?」

「…口は慎んだ方が身の為ですよ、宏志さん。それ以上我々に暴言を吐くようなら…今後の示談交渉のみならず、調停、そして裁判においても…不利になる事をお忘れなく…」

「裁判って…❝判決、誰々は何々によって死刑!❞って…アレ!?」

「あくまでもソレは…皆様方が非協力的だった場合の…❝最後の手段❞です。無論、我々としても…出来れば体力と手間暇の掛かる裁判にまで、持ち込みたくは有りません」

「それに万が一裁判となれば…貴方方の様々な不貞行為の数々が公式な書類、そして記録として白日の下に晒け出される事になります。それでも宜しい、とおっしゃられるのなら話は別ですが?」

俺は正直…ココまで物分りの悪い宏志+2人の女性に物事を分かりやすく噛み砕いて説明している2人の弁護士さんの精神力に、本当に関心していた。

「あの…もしもし、宏志さんの親御さんですか?私…☆★法律事務所所属の弁護士、●●と申します、夜分遅くに本当に申し訳御座いません…」

「…それでさ。まだアンタ達2人の名前、聞いてなかったね…」

「…舞」

「愛…」

「アンタ達、もしかして…実の姉妹…つーか、双子?」

「…そう」

「アンタ達…ひょっとして…まだ未成年!?」

「…うん。アタシ達、16…」

「って事はもしかして…知り合ったきっかけは…円光?」

「うん…そう。宏志さぁ…お金いっぱい払ってくれるのぉ…」

「…宏志。アンタって奴はぁ…」

「あのね、オバサン。宏志ねぇ…今までお付き合いした男の人の中で…一番おちんちん、大っきかったんだもん…」

「それに…キスも指マンもクンニも上手で…アタシ、何回も何回も、イカされちゃって…」

「じゃあ聞くけど…アタシの事は、知らなかったの?」

「あの…❝こんやくしゃ❞ってのは知ってた。だけど…宏志はぁ、❝浮気ってのはバレなきゃ勝ち、仮にバレても浮気は男の甲斐性の一言で万事解決❞って言ってた…」

「何が❝浮気は男の甲斐性❞よ、宏志…今ので完全に愛情ゲージがマイナスにまで吹っ切れたわ…こうなったらアンタ達から徹底的に毟り取ってやるから、覚悟しておいてよね!」

「良いのかぁ?美鈴ぅ?俺みたいな❝床上手❞な男を逃したら…死ぬまで後悔する事になるぜぇー?」

「ふざけないで…アンタみたいな下半身の欲望に忠実な男とくっついて、戸籍を汚す位なら一生独身の方が何億倍もマシよ!」

「兎に角皆さん。此処で喚き散らし合っても何ですから…日と場所を改めて、お話合いを致しましょう」

「あー…誠人クン。悪いんだけど…誠人クンの働いている洋食レストラン…話し合いの場として…御願い出来るかな?」

「あぁ…こういう話し合いは寧ろ、❝第三者の目❞が有る方がスムーズに行くらしいからな。分かった、店長には俺から話通しておくわ」

「あの…誠人さんとおっしゃいましたね?申し訳有りませんが、その洋食レストランの場所を…お教え頂きますでしょうか?」

「はい、弁護士さん。この国道と県道が交差する、此処を左に曲がった所ですね…」

・・・

「鉄さん…本当にすいません…」

「マー坊…此処まで来たら❝乗りかかった船❞だ、最後までしっかり事の次第を見届けるのが筋じゃねぇのか?しっかりと事の顚末を確かめてこい、良いな!」

「すいません、それじゃ皆さん暫く厨房を御願いします!」

…そして迎えた、話し合いの日。

6人掛けのテーブルに4人掛けのテーブルを2つ繋げて作り上げた特性の「話し合いの席」には既に鞠子と美鈴さんと2人の女性の弁護士さん、それに鞠子と美鈴さんの父親が険しい表情で宏志と双子の女性の到着を今か今かと待ち構えている。

…と、そこへ。

両親を引き連れた宏志と双子の女性が…悪怯れ無い表情で入店してきた。

「あの…宏志さん達ですね?どうぞ、此方へ…」

「お…お前…」

案内役が…あの情事の際の突入部隊の1人だと知った宏志が一瞬…ギョッとした表情になったのを、俺は見逃さなかった。

「皆様…お揃いになりましたね?それでは只今から…美鈴さんの婚約破棄の一件について、お話合いを始めさせて頂きます…」

俺が遠巻きに見詰める中、美鈴さんの弁護士さんが宣言し…婚約破棄の話し合いと言うか…実質的な宏志の「公開処刑」が開始された。

次々と開示される双子の女性とのラリメールに逢瀬と情事を重ねた証拠写真、そして双子のスマホに収められたハメ撮り写真や美鈴さんの寝室に設置した盗聴器と隠し撮りカメラによる証拠音声・映像の数々。

其れ等の証拠を突き付けられる度に宏志は当初はしらばっくれたり「記憶に御座いません」とすっとぼけたり…していたが。

「アンタ等…人のベッドで何やってんだコラァ!!!」

と言う…例の情事の真っ最中の、中出し映像を観せられた瞬間…宏志の父親が豹変。

「この…バカ息子がぁ、恥を知れ恥をぉっ!!!」

と大噴火した次の瞬間…鉄拳を連チャンで食らわされた宏志は椅子から吹っ飛ばされていた。

「おっ親父!なんだよコレ、俺の味方をしてくれるんじゃなかったのかよぉ!?」

「ふざけんなバカ息子ぉ!こんな…こんなお前には勿体無い位の美鈴さんと言う人が居ながら、それを裏切るとは情けなくて仕方が無い!美鈴さん、本当にバカ息子が申し訳有りませんでした!」

と言うや否や…宏志の父親は美鈴さんと父親に土下座し始めた。

「あの…お父様。キツい事を申し上げる様で恐縮ですが…我々はお父様の謝罪は必要としておりません。そこの…宏志クンの心からの謝罪、そしてケジメが有ればそれで充分です…」

「それと鞠子さん!我々が預かり知らぬ間柄だったとは言え、本当に申し訳有りませんでした!」

「あの…すいません、本当にお顔を上げて下さい。アタシは紹介を受けてお見合いしただけですから…」

「あの…すいません。その、御紹介された方は…」

「すいません、ちょっと携帯失礼します…あの…もしもし?すいません、此方に御願いします…」

と、鞠子に携帯で呼ばれてやって来たのは…洋介さんが勤務する町工場の社長さんの義兄にして辰也クンの妻、紗里依ちゃんの父親の極さん。

「どうも始めまして…私が宏志と鞠子ちゃんのお見合いをセッティングした極です。以後、お見知り置きを…」

「あの、もしかして…◇◆不動産の…」

「まぁ、はい…そう言う事です」

「それで…そちらの鞠子さんとの、お見合いの経緯は…」

「手っ取り早く言えば…義弟の取引先のお偉い様から、❝最近、宏志と言う社員が身を固めたがっている、どなたか素敵な女性を御存知ないでしょうか?❞と言われましてね…。❝義弟の重要な取引先のお偉い様からの打診なのだから、キチンとした男性なのだろう❞と、身辺調査等全く…今となっては痛恨の極みです…」

「ねぇ…宏志!?この街でこの極さんを敵に回す事が…どんだけ恐ろしい事か、忘れた訳じゃ無いわよねぇ…?」

「鞠子…テメー、俺を脅迫するつもりかよ…」

「別にー。アタシはただ、事実を述べているだけですけどー。極さんの娘さんに暴行未遂を働いたおバカさんの家族が最近、この街から引っ越しして行ったのは御存知だよねー」

「お前…」

「あのさ…アンタ、極さんの顔に…盛大に泥を塗っちゃったんだよ?あの…農業会社の社長さんと並ぶ、この街でも一二を争う実力者を敵に回して…タダで済むと思ってんの?」

「オジサン、オバサン!あんまり宏志をいじめないで!」

…と、そこで。

それまで沈黙を守っていた、と言うか…迫力に怯えて言葉を発する事が出来なかった(と思われる)双子の姉妹が、初めて声を発した。

「宏志はね、アタシ達の事をとっても気持ち良くさせてくれたの!」

「そうだよ!アタシ達、宏志に可愛がって貰って、とっても幸せを感じてたんだよ!」

「舞さん、愛さん…申し訳有りませんがそれは❝他人の不幸の上に成り立つ、歪な幸せ❞に過ぎません」

と、鞠子の弁護士さんが、双子の言い分をピシャリと論破する。

「貴方方が宏志さんから快楽を与えられていた間…此方の鞠子さん、そして美鈴さんは耐え難い苦痛を余儀なくされていたのですよ」

「こう考えてみましょう。もし、貴方方が宏志さんの婚約者だったとして…宏志さんが鞠子さんや美鈴さんと関係を持っていたら、どうお感じになりますか?」

「えー、何も感じなーい。舞ねぇ、気持ち良くなれればなんでもいいやー」

「…愛はやだ…」

「…え?愛?」

「もし宏志が…愛以外の女の人を好きになるなんて…そんなの、絶対に嫌!」

「それで…愛さん。もし鞠子さんや美鈴さんから❝御免なさい❞って頭を下げられたら…それで鞠子さんや美鈴さんを許せますか?」

「多分、許せない…」

「それと同じ感情を…今、鞠子さんと美鈴さんは抱いているんです。今、愛さんから❝御免なさい❞と頭を下げられても…その言葉には何の説得力も有りません」

「それじゃ…どうすれば…」

「前にお話した…❝慰謝料❞と言うお金を、鞠子さんと美鈴さんにお支払いするしか解決手段は御座いません」

「ちょっと、弁護士さん!舞と愛はまだ未成年なんですよ、勝手に話を進めないで貰えますか!」

「ではお母様。逆に御伺い致しますが、舞さんと愛さんに…どう責任を取らせる御積りでしょうか?仮に❝ほんの遊び心❞であったとしても、此方の2人の女性の人生を狂わせかねない事をしたんですよ、貴方の2人のお嬢様方は…」

「・・・」

「わかった…鞠子さんに美鈴さん…でしたか。皆様方ヘの慰謝料は後日…いくらであろうが全額、耳を揃えてお支払い致します!」

「ちょっと、アナタ!」

「お前は黙ってろ!鞠子さん、美鈴さん…不出来な娘達がとんでもない事を仕出かしてしまい…本当にすいませんでした!」

「お父さん…」

「舞さん…愛さん…貴方方のお父様は貴方方を守る為に恥も外聞もプライドもかなぐり捨てて…こうやって頭を下げているんですよ。貴方方、可愛い娘さんの為に…」

「ねぇ…何も感じないの…自分の娘の為に土下座までしているこの娘達の父親を見て…自分がどれだけみっともない事をしたか、まだ分からないの宏志ぃっ!」

「・・・」

「分かった、宏志。なら…アタシ、アンタにキリ良く慰謝料500万請求させて貰うわ…」

「ちょっ…無茶言うな鞠子!」

「アタシも…アンタ達に滅茶苦茶に汚されたあの家に住み続けるなんて…もう無理。取り敢えずあのマンションの買い取り費用と引っ越し料金に新しい寝具代、それに精神的苦痛ヘの保障として合わせて1000万、請求させて頂きます…」

「ま…待ってくれ!無茶だそんなの…」

「この期に及んでまだ言うか、このバカ息子!美鈴さんに鞠子さん、何年、否、何10年掛かろうとも必ずコイツに…」

「…申し訳有りませんが、お断り致します」

「鞠子?!お前…」

「勘違いしないで、宏志。アタシはもうこれ以上…アンタと関わり合いを持ちたくないの。お父様、申し訳有りませんが一括払いで御願い出来ますでしょうか…」

「宏志みたいな下衆男と…この先何年も❝慰謝料支払い❞と言う名目で関わりを持ち続けないのかと思うと…私もフラッシュバックを起こしそうで真っ平御免です。我儘を承知で、私も一括払いで御願いします…」

「分かりました…どれだけ時間が掛かるかは分からないが、必ず慰謝料は用意させて頂きます。それがバカ息子がやらかした事に対する、最大限の償いです…おい宏志、お前も頭下げろ!」

と言うと宏志の父親は…顔が腫れ上がった宏志を無理矢理土下座させる。

「ねぇ…宏志。アタシの最後の我儘…聞いて貰えるかな?」

「何だ?!鞠子…」

「アンタの頭…思いっ切り踏んづけて良い!?」

と言うや否や…鞠子は宏志の返答も聞かず、パンプスで宏志の頭をぐりぐり踏み付け始めたではないか。

「痛え!痛えっ、鞠子…」

「痛い…?甘ったれるんじゃ無いわ、アタシと美鈴はこの痛みの何倍、否、何10倍の苦しみを味わったのよ、それに比べたらこんな痛み屁でも無いわよっ!」

「宏志…まだ分からんのか!本来ならこれ以上に酷い事を…鞠子さんにされても全く文句を言えない立場なんだぞ!」

「オバサン、もうやめてあげて!確かにオバサン達にとっては憎い男かもしれないけれどぉ…愛にとっては宏志はぁ…一番大好きな人なんだから!」

…と、椅子に座っていた双子が、鞠子から宏志を庇う様に覆い被さる。

「ねぇ…愛ちゃん。老婆心から一言、忠告しておいてあげるわ。男女関係なく…❝浮気する人間は、何度でも浮気を繰り返す❞の。それは頭の片隅に置いておいてよね…」

「オバサン…」

「あー…宏志。この婚約指輪…アンタに返してあげるわ…」

と言うと美鈴さんは左薬指から婚約指輪を引き抜き…床に這い蹲る宏志に無雑作に放り投げる。

「宏志…最後に一言、言っても良いかな?❝♪くたばっちまえ、アーメン❞…」

シュガーの名曲、「ウェディング・ベル」のサビの一節をやや侮蔑気味に口ずさむと、美鈴さんはテーブルに舞い戻る。

「それでは、今日の話し合いは此処までに致します。次の話し合いの日時は此方から通知致しますので…御了承下さい…」

・・・

「それで…美鈴さんは…」

「あの…弁護士事務所の一番偉い…❝ボス弁❞って言うんでしたっけ?その方から❝ウチの事務所で、私の秘書として働きませんか?❞ってお声を掛けて頂きまして…」

「そうでしたか…本当に、良かったですね…」

「後…新しい住まいも、あのちょっと怖そうな不動産屋さんに御用意して貰いまして…」

「コレで…気分一新して、再スタートを切れそうですね、美鈴さん…」

「それに慰謝料もどう用意したかは分かんないけど…双方から全額振り込んで貰えたし、❝これにて一件落着❞だわぁー!」

「そうだね…コレからあの宏志の事は綺麗サッパリ忘れて頑張ろう!」

「それで鞠子…下世話だけどその慰謝料、どうするつもりなんだ?ひょっとして86をまたチューンナップすんのか?」

「それも悪くないね…取り敢えずお父さんのスープラや龍クンのランエボより早く走れる様にはなりたいかな。あっそうそう、今回の一件で両親も反省したのか分かんないけど…取り敢えず❝身を固めろ❞❝早く孫の顔見せろ❞って言わなくなったんだよね…」

「ま、鞠子。こんだけの修羅場が有ったんだ。そのうち絶対良い出会いが待ってるはずだぜ!」

「そうだよ鞠ちゃん!こんな修羅場で結婚諦めるなんて勿体無いよ!」

「そうだね、そうだよね…そうしたら美鈴ちゃん、この後アタシの86でドライブ行かない!?」

「悪く無いね鞠ちゃん、今は何も考えないで…思いっ切り風を切って湾岸線辺りぶっ飛ばそうよ!」

「そうと決まりゃあ話は早い!誠人クン、お会計御願いしまーす!」

「はい、少々お待ちをっ!」

…こうして。

鞠子のお見合い騒動と美鈴さんの婚約破棄の一件は…「天網恢恢疎にして漏らさず」と言う形で…幕を閉じたのであった。

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