バイト先の先輩の娘さんとの、波乱万丈な恋物語・番外編23 少年時代

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「マー坊」「せっちゃん」「バカ夫婦」のエッチな体験談に何時も多数の閲覧と続編希望を頂き…激裏GATE-エロティカの数少ないバカ夫婦のファンの皆様には心から感謝致しております。m(__)mペコリ

相変わらず読みづらい、拙い乱文では有りますがマー坊とせっちゃん、そして子供達と友人達が織りなす人間模様をお楽しみ下さいませ。

登場人物スペック

「誠人(マー坊)」→洋食レストランで働いている、仮性包茎でちっぱい好きなコックさん。せっちゃん命のクソ真面目な一穴主義者。

「節子(せっちゃん)」→23歳で4人の子供の母親になった、輪姦被害経験の有るアニメ顔のちっぱい若妻。マー坊命のちょっぴりヤキモチ妬きな一棒主義者。

「鉄さん」→誠人が働く洋食レストランの先輩コックにして、節子の父親。厳つい強面で、仕事には滅茶苦茶厳しいが孫達にはジジバカ全開の根はいい人。

「真奈美」→誠人の腹違いの妹で、バカ夫婦行きつけの総合病院に勤務する看護師。

・・・

「それじゃ慎也に千夏!気を付けて帰れよっ!」

「ちなつしぇんしぇい、ばいばい!ねーねーおとーたん、おかーたん!ともえおねーたんたちのおうた、ちょーかっこよかったね!」

「そうだね、美花子!ねぇ誠人さん…夕御飯何処で食べます?」

「そうだなぁ…此処の百貨店の洋食屋さんで良い?」

時は少し遡り…6月のとある日曜日。

俺達バカ家族は都内の某高級ホテルで行われた、聖羅先生と正太郎さんの結婚式に参列。

その帰路、俺は少年時代にお袋に連れられて良く食事をした、駅前の百貨店に有る洋食屋さんに立ち寄っていた。

「此処の親父さん、まだ元気かなぁ…生きていればもう、傘寿迎えるはずなんだけど…」

「いらっしゃいませ!5名様で宜しいでしょうか!?」

「はい、5名で御願いします…って、アレ?利行…クン?」

「え…?ま…誠人さん、ですか!?どうも大変御無沙汰しています!そうしましたら…コチラのお席へどうぞ!」

「利行クン、有難う。そうかぁ…利行クンももう高校生かぁ…時の経つのは早いなぁ…」

「男手一つで…俺と利徳を育ててくれた父を見て育つうちに…❝自分も、美味しい料理を作りたい❞と、こうして…」

「そうだったんだ…利章さんも、❝親父冥利に尽きる❞ってもんだよなぁ…」

「ねーねーおとーたん、おかーたん!あのきらきらしたはこはなーに?」

「アレか…アレは❝ジュークボックス❞って言う、お金を入れると音楽を流してくれる機械なんだよ」

「ねーねーみかこ、いっきょくききたーい!」

「分かったよ、美花子…あ、店員さんすいません。このジュークボックス…使っちゃって宜しいですか?」

「あー、すいません…コレ、2年前に先代が亡くなると同時に動かなくなっちゃいまして…今は単なるインテリア状態ですね、申し訳有りません…」

「え…ご主人、お亡くなりになったんですか…」

「はい…急性心筋梗塞で本当に突然…」

「いや…自分自身、小さい頃良くお袋に連れられてこの店で食事させて貰いまして…正直、この店の味に憧れてコックさんを志した様なものですから…」

「え…それでは、そちら様も…」

「はい…今は❝○✕❞って洋食レストランでコックをしてます…」

「洋食レストラン○✕…って事は、店長さんは…」

「はい、そうですが…まさか店長、この店で…」

「はい、そうです。若い頃、この店で料理のイロハを学んだと、先代から…」

「そうかぁ…店長にとっても、此処が…あ、長々と雑談にお付き合いさせてしまって申し訳有りません。それでは、ハンバーグセットを…」

「それじゃすいません、オムライスセットを御願いします。美花子、早矢斗、沙知子…みんなお子様ランチでいいのかな?」

「はーいっ!」

「それではハンバーグセットにオムライスセット、それにお子様ランチを3つ…御注文は以上で宜しいでしょうか?」

「それで御願いします!」

・・・

「わーいはやと、きょうりゅうのあかちゃんげっと〜(・”・)」

自慢気に早矢斗が見せびらかしてきたのは…恐らくは首長竜と思われる恐竜の赤ちゃんが、割れた卵からひょっこりと、つぶらな瞳でコチラを見つめるミニチュアフィギュア。

「えっ…お父さん、この恐竜の赤ちゃん、初めて見るんだけど!」

「そう言えば誠人さん…この恐竜のおもちゃ、大切に保管してましたよね…」

「うん…俺、この店の料理と同じ位、この恐竜のおもちゃを凄く楽しみにしてたんだよね…」

「…あ、いらっしゃいませ!えー…2名様で宜しいでしょうか?」

「どうも今日は、2代目!はい、2名で御願いします!」

「それではすいません…コチラのお席へどうぞ!」

「それじゃすいません、何時ものカツレツセットを!」

「私はチキンライスセットを御願いします!」

「カツレツセットにチキンライスセット…はい、御注文承りました!」

「アレ?すいません…洋介さん、ですよね?」

「え?なんで、俺の名前…って、ま、誠人さん!?」

「どうもお久し振りです、洋介さん」

「コチラこそ御無沙汰してます、誠人さん」

「ねーねー、おとーたん。このおぢちゃん、だーれ?」

「コラッ、美花子!こういう時は❝おぢちゃん❞じゃなくて❝お兄さん❞でしょ!どうもすいません、娘が大変失礼な事を…」

「え…誠人さん、ご結婚されてたんですか!?」

「はい…コチラが妻の節子、コッチから順に美花子、早矢斗、沙知子です」

「どうも始めまして。節子と申します…」

「コチラこそ始めまして、洋介と申します…。それにしても、誠人さんに3人もお子さんがいらっしゃったなんて、こう言ったら失礼ですけど、なんか意外ですね…」

「あ…すいません、4月に産まれたばかりの伸歩斗って赤ちゃんが居ますんで、正確には4人の子供の父親ですね…」

「重ね重ね申し訳有りません!」

「気にしないで下さい、洋介さん…。そうだ洋介さん、去年の冬の…婚約破棄の一件はどうなりましたか?」

「あの一件ですか?弁護士さんの名前を出したらコッチが拍子抜けする位アッサリ白旗揚げまして…。こないだ慰謝料の振り込みが終わりまして、文字通り❝これにて一件落着❞ですね…」

「そうでしたか…いや、洋介さんが報われて、本当に良かったです…」

「でも、何て言うか…全て終わると、何か虚しいッスね…本当に何だったんだろうなぁ、あの3年間は…」

「ところで…洋介さんは、このお店の常連さんなんですか?」

「常連さんであると同時に…御得意様ですね。私達、この洋食屋さんのお子様ランチのおもちゃを作っている町工場で働いていまして…」

「えっ…この恐竜のおもちゃ、洋介さん達が…自分、ちっちゃい頃はこのお店の料理と同じ位、この恐竜のおもちゃを楽しみにしてたんですよ」

「実を言うと、自分もです。❝子供達に夢を与えるおもちゃを作りたい❞と、高校卒業してからこの町工場で働いてまして…」

「凄いですね、洋介さん…」

「あの…先輩?この方は、一体…」

「あー…御免御免!コチラは誠人さんっていう、洋食レストラン○✕で働いているコックさん。さっき言ってた、婚約破棄の時に…色々、力を貸して下さってたんだ…」

「いえいえ…自分はただ、知り合いの弁護士事務所を御紹介しただけで…」

「どうも始めまして。洋介さんの後輩の、弓子と申します」

「コチラの弓子さんは、町工場の3代目候補でして。❝仕事のなんたるかを知らぬ者に、跡を継がせる訳にはいかん!❞って社長の方針で、実の娘にも一切依怙贔屓せず下働きから経験を積ませてまして…」

「ぷぷぷ…洋介さん、その喋り方、お父さんそっくりです…」

「失礼致します。カツレツセットにチキンライスセットをお持ち致しました!」

「それでは、頂きます!…うん、相変わらず美味いです!」

「このチキンライスも…絶妙な味付けですね…」

「洋介さんも弓子さんも…本当に美味しそうですね。そのお客さんの、幸せそうな顔を見たくて…コックさんしている様なものですね、自分は…」

「有難う御座います…自分達も、誠人さんのお子さん達が自分達が作ったおもちゃではしゃいでいるのを見て、報われた気持ちですよ…」

「洋介さん…コレからも頑張って、素敵なおもちゃを作って下さい!」

「誠人さんも…また、美味しいお料理を御願いします!」

「すいません!お勘定御願いします!ほら早矢斗!ボチボチ帰るよ!」

・・・

「そうかぁ…あそこの店長、お亡くなりになってたのか…」

「はい…」

「俺も…母ちゃんと結婚するまでは自堕落極まりねぇ生活しててな。それで…母ちゃんから逆プロポーズされてから、❝このままじゃいけねえ❞って、あの店で店長に指導の元修行して…」

「そう、だったんですか…」

「それで…店長がこの店をオープンする時に…❝私には頼れる右腕が必要です、是非着いて来てくれませんか❞って言われちゃあ、なぁ…」

「なるほど…」

「…マー坊。あの店の料理は…変わらず美味かったか?」

「…はい」

「❝変わらない味❞…言うのは簡単だが、いざ実行しようとすると、コレが結構大変なんだ。スタッフ一人一人、甘さ、辛さ、苦さ、渋さ…感じ方はそれぞれ微妙に違うだろう?」

「確かに…」

「レシピ通りに調味料を入れ、時間通りに火に掛けてみても昨日と同じ味になるとは限らねぇ。だが…だからこそ、料理ってのは奥が深いんだ。分かるな?マー坊?」

「はい…❝どうすれば、あの味により近付けられるのか?❞と考えながら火を通したり、調味料を加減したり、水を増やしたり減らしたり…」

「❝料理は一生勉強❞ってのは…有る意味、❝無理ゲークリア❞に近いわな。だが工夫とアイデア次第で無理ゲークリアの糸口が出来たりする…料理って本当に、奥が深い世界だよな…」

「そうですよね…それにしても、利行クンも料理の道に進んでたのは、ちょっと意外でしたが…」

「えぇ…利行も最初は、❝この店で働きたい❞と言い出しまして…ですが、矢張り実の親子…どうしても贔屓目や甘さが入ってしまうかも、と思い、あの店でならば、と…」

「そう、だったんですか…しかし利章さん、実の親子とはいえ良くそこまで突き放せましたね…」

「私もそろそろ…❝子離れ❞を考えなければならない歳ですから。2人の息子が進学なり、就職なりしたら…」

「あの、お兄様すいません!御注文御願い出来ますでしょうか!?」

「はい、すいません少々お待ちを!」

駆け出しエロ漫画家の信彦の妹、貴子さんと談笑していた真奈美ちゃんから声を掛けられ、俺は2人が陣取るテーブルに向かう。

「はい、お待たせ致しました!」

「それでは今日は…トンテキ定食を御願い致します」

「それじゃ私はイカリングフライ定食を!」

「トンテキ定食とイカリングフライ定食を1つづつですね…御注文は以上で宜しいでしょうか?」

「はい、それで御願い致します」

俺は最近お店に導入された、端末装置から受けたオーダーを厨房に転送する。

「いやー真奈美さん、看護師の色んな裏話有難う御座います!コレで暫くは、お話のネタに事欠きませんよ!」

「いえいえ…私の様な若輩者のお話が、執筆活動のお役に立つのならば…」

「いやいや…やっぱり裏付けの有る無しは凄く違いますよ。妄想だけでの描写ってのは、限界有りますからね…」

「あっ、いらっしゃいませ!えーと…2名様で宜しいでしょうか!?」

「いや…後から人が来るから3名で頼みます。ところで…辰也クンは?」

「あっ…お、お父様いらっしゃいませ!」

厨房から顔を出した辰也クンが、直立不動の体勢から深々と最敬礼。

「おうっ、辰也クン元気そうで何よりだ。辰也クン…」

「…はい」

「しつこい様だが、娘を…宜しく頼むよ」

「はいっ!それでは、コチラのお席にどうぞ!」

辰也クンはごま塩頭の、ガタイの良いおじさん2人を4人掛けのテーブルに誘導すると厨房に舞い戻る。

「タッチ。あのおじさんが…紗里依ちゃんのお父様?」

「はい、そうです」

「えっ、先輩、あのおじさん…さっき言ってた町工場の社長さんですよ!」

「えっ!?何で紗里依ちゃんのお父様と…」

…と、そこに。

町工場の「3代目候補」の弓子さんが入店してきた…のだが。

ケモミミ付きの銀色のカツラに見せパンがチラチラ見える尻尾付きのミニスカート、お腹丸出しどころか下乳まで見えるんじゃねーかと不安になるほど丈の短いセーラー服。

俺達厨房スタッフは、文字通り「(д)°°」の顔文字状態。

「お父さん、お待たせしました!」

「おうっ弓子、コッチだコッチ!」

「おじさん、今日は!どうもすいません、コスプレイベントの帰り道に呼び出されたものでこんなカッコで…」

「いやいや、目の保養にはもってこいだよ、弓子さん。おうっ、辰也クン!すまん、注文宜しいかね!?」

「はいすいません、お待たせ致しました!」

「それではビフテキ定食を…兄弟もビフテキ定食でおk?」

「おうっ、それで結構!」

「オムライストマトソースを御願いします」

「えーと、ビフテキ定食2つにオムライストマトソースを1つ…御注文は以上で宜しいでしょうか?」

「それで頼みます」

「はい、オーダー承りました!それでは今しばらくお待ち下さいませ!」

「ようっし!そうしたらマー坊はオムライス!とっちゃんは俺とビフテキ!ノブノブはライス!と金とけんめーは付け合わせなぁ!」

「はいっ!」

厨房内に設置された大型ディスプレイを一瞥すると、鉄さんが俺達厨房スタッフに役割分担を指示。

俺達厨房スタッフは持ち場に散ると、注文された料理を黙々と作り上げていった…。

・・・

「しかし意外だったな…紗里依ちゃんのお父さんと、弓子さんのお母さんが実の兄妹だったなんて…」

「人の繋がりってのは、本当に分かりませんよね…」

「ま、コネってのは有って損するモノじゃねぇ。肝心なのは…コネをどう活かすか、だ。コネからチャンスを広げられるか、否かは…結局、普段からの付き合いが全てって事だ。分かるな?」

「ですよね…都合の良い時だけ役に立って貰おう、なんてソレこそ❝キチセコ、クレクレ❞ですもんね」

「それにしても弓子さん、凄い格好してたな…」

「多分アレ…❝アズールレーン❞ってゲームの、❝夕立❞ってキャラのコスプレじゃないすか?」

言いながら健命クンは携帯用のロッカーからスマホを取り出し、検索した画像を俺達厨房スタッフに披露する。

「うわぁ…コッチも凄い格好ですね…」

「アズール…レーン?俺、そういうゲームに疎いから…」

「手っ取り早く言っちゃえば、❝艦隊これくしょん❞ってゲームの成功に触発されて作られた、中国産の❝艦船擬人化シューティングゲーム❞ですね。第二次世界大戦で活躍した日本海軍やアメリカ海軍、イギリス海軍やドイツ海軍のキャラなんかが登場してまして…」

「何、シューティングゲーム?」

「え?」

「❝1942❞に始まって…❝ダライアス❞や❝究極タイガー❞、❝雷電❞や❝グラディウス❞、❝TYPE-R❞や❝怒首領蜂❞をノーミスクリアしてきた俺に…クリア出来ねぇシューティングゲームが有ってなるもんかいっ!」

「え…鉄さん、ガチのシューターだったんですか…」

「あたぼうよぉ!縦スクロールだろうが横スクロールだろうが…弾幕だろうがそうじゃなかろうが…兎に角、クリア出来ないシューティングゲームが有る事に、俺は我慢がならねえんだよ!」

「あ、すいません鉄さん…鉄さんはスマホユーザーですか?❝アズールレーン❞はスマホアプリなもので、スマホ持ってないと遊べないんですよ…」

「え?そうなのか?…分かったけんめー、次の休みに早速、スマホに機種変更してくるわ…」

「鉄さん…まだまだ心は❝若々しい❞ですね…」

「あたぼうよぉ、マー坊!人間、好奇心を失ったその瞬間に人生終わるんでいっ!」

・・・

「そう…なんだ…」

「うん…鉄さん、何時になく、目がキラキラしていた様な、気がする…」

そして、バカ夫婦の寝室で。

伸歩斗を寝かしつけると間に早矢斗、沙知子を挟んでお休み前の夫婦の会話に俺達は勤しんでいた。

「シューティングゲーム…昔、お父さんにゲームセンターに連れられて、凄いスコアを叩き出してるのを何回も見た記憶が有る…」

「そう、なんだ…」

「節…シューティングゲームなんかよりも、キティちゃんのぬいぐるみが欲しくてゲームセンターに来てたの…」

「あはは…せっちゃんらしいなぁ…」

「お父さん、❝退屈させて済まねえ❞って…シューティングゲームを遊び終えると、必ずクレーンゲームに付き合ってくれて…キティちゃんのぬいぐるみを釣り上げてくれるのが、節、凄く嬉しくて…」

「そうだったんだ…」

「誠人さん。もし…早矢斗が❝お馬さんのぬいぐるみ欲しい❞って言い出したら…その時は、釣れるまでお付き合いして下さいね?」

「本当に…良いの?俺のヘボい腕前じゃあ…釣れるまでいくらかかるか分からないよ?」

「あの…菫さんの姑さんの梢枝さんに以前、言われたんです…❝子供に一番必要なのは楽しい思い出❞だって…。❝如何に楽しい思い出を沢山残してやれるかが、健全な育児には一番大切なのじゃ❞って…」

「❝楽しい思い出❞、か…。この間、聖羅先生の結婚式の帰りに寄った洋食屋さんや百貨店屋上での御当地ヒーローショー…今にして思えば、お袋も相当無理して❝楽しい思い出❞を残してやろうって、努力してたんだな…」

「だから、誠人さん。美花子、早矢斗、沙知子、そして…伸歩斗にも、沢山…❝楽しい思い出❞、残してあげましょ♡」

「…そうだね。だけど…せっちゃん」

「なん…ですか?誠人さん…」

「それ以上に、俺は…せっちゃんとの、❝エッチな思い出❞を、沢山残したいな…」

「…んもう!誠人さんったらあ…♡」

「ぎゃあ…ぎゃあ…わーん!うわーん!うわーん!うわーん!うわーん!(●><●)」

…と、そこで。

ゆりかごの中の伸歩斗が、激しく夜泣きし始めた。

「はいっ、伸歩斗…よしよし…よしよし…」

俺はゆりかごから伸歩斗を抱き抱え…ゆっさゆっさと「ゆりかごダンス」をしてあげる。

実は美花子、早矢斗、沙知子の夜泣きの必殺兵器、「でんでん太鼓」が伸歩斗には全く効かず、それどころかますます激しく泣き喚く伸歩斗に疲弊していた俺達バカ夫婦。

それがある日…伸歩斗を抱き抱えてゆりかごダンスをすると忽ち泣き止むのに気付いたのだ。

「ほら伸歩斗…ゆっさゆっさ…ゆっさゆっさ…」

「わーん、わーん、わーん、わーん…わー、わー、あー、あー、あーん…(●・・●)」

「泣き止みましたね…誠人さん…」

「本当…子供って本当に不思議な存在だよな…同じ両親の遺伝子を受け継いでいるのに一人一人、性格も資質も丸っきり違うんだもの…」

「そうですよね…」

「おとうさん…またよなき?」

「あ…御免早矢斗起きちゃった!?うん、伸歩斗が凄い夜泣きするから、ゆりかごダンスしてたんだ…」

「早矢斗…また寝れる?寝らんないなら…子守歌歌ってあげよっか?」

「こもりうた…」

「♪眠れ良い子よ、御母の胸に…」

「おかあさん…おかあ…さん…すーすー…すーすー…」

「本当に…寝顔可愛い…みんな…」

「むにゃむにゃ…(-“-)」

「てーこくりくぐん…だいじゅーさんごーこーどー…(-ω-)」

「すやすや…すやすや…(●–●)」

「それじゃせっちゃん。ボチボチ…寝よっか?」

「そうですね…誠人さん。それじゃ…お休みなさい…」

・・・

「なぁ…慎也」

「ん?どうした、誠人?」

慎也の親父さんが経営するスポーツジムの休憩スペースの一角で、俺は慎也に声を掛ける。

「お前…ちっちゃい頃、❝秘密基地❞とか作って遊ばなかったか?」

「❝秘密基地❞…あぁ、懐かしいなぁ。そこの雑木林の中に、ビニールシートやらダンボールやら持ち込んで…あれァ、❝男子だったら誰しも一度は通る道❞だよな…。だけど急にどうしたんだ?」

「いや、な…。美花子の小学校の夏休みの宿題ってのが…❝自分のルーツを探る旅❞ってんだ。ま、早い話が❝自分の両親がどんな人生を歩んできたのか調べてきなさい❞ってわけ…」

「自分のルーツ、か…」

「そーゆー事。それで小学生だった時に、裏山に作った秘密基地を思い出してね…ベニヤ板やら鉄板やら、丸太や鉄パイプを拾い集めちゃあああでもないこうでもないって…」

「誠人の方は…結構本格的だったんだな…」

「まぁ…俺が住んでた学区は片親育ちがいじめられるのが当たり前、みたいなところだったからな。だから片親育ちの仲間達共々…ほんの少しでも心安らげる場所が欲しかったんだろうなぁ」

「なるほどな…それで、その秘密基地はどうなった?」

「6年生の時に…いじめっ子達と新聞の記事になっちまう程の派手な喧嘩をやらかしてからは…全く入ってないわ、あの裏山には。何しろネズミ花火やエアーガン、模造刀まで持ち出す騒ぎになっちまったからな…」

「ネズミ花火にエアーガン、模造刀…小学生のガキの喧嘩にそんな得物持ち出すなんて普通じゃないぞ、それ…」

「言い訳がましく聞こえるかもしれないけどさ…そのいじめっ子達が、俺達が作り上げた秘密基地を乗っ取ろうとしたわけ。アッチがネズミ花火使うならコッチはエアーガンで対抗、アチラが模造刀ならコチラは鉄パイプ、って感じで❝果てしない軍拡競争❞状態になっちゃってさ…」

「それで…❝関ヶ原❞宜しく1戦交えた、って訳か…」

「まぁ…現場検証に来たお巡りさんがドン引きする程お袋がブチ切れてね…それで❝成人するまでは2度と、あの裏山には立ち入らない❞って約束させられた、って訳」

「そうかぁ…」

「本当…今となっては懐かしい思い出だよ…その思い出の一片だけでも、美花子に見せてあげたくなってな…」

「そう言えば美花子ちゃん…和誠クンと上手くいってるのか?」

「…言われてみれば最近、美花子…全然和誠クンの事口にしないな…」

「和誠クンも❝照れてる❞って言うのか…その、女子との距離を測りかねてるお年頃じゃねーのか?」

「かもしれない…まぁ和誠クンの事だから、美花子に意地悪したりは無い、と思うけど…」

「よっしゃ誠人、クールダウンはこの辺にするか。それじゃこっからは、ピストン運動の中核となる足腰の鍛錬だな」

・・・

此処は俺とお袋が嘗て暮らしていた…ボロアパートの前。

「…美花子。此処が…お父さんが高校3年生の途中まで、お婆ちゃんと暮らしていたアパートだよ」

「それで…おとーたん。どのおへやにおとーたんとおばーたんはすんでたの?」

「3階の305号室。あの青く塗られたドアの部屋だね」

「それで…おとーたんはどーちて、いまのおうちにおひっこちしたの?」

「・・・」

「誠人さん…」

俺は正直…返答に詰まっていた。

まさか真っ正直に「お母さんは輪姦されて引きこもりになったから一緒に暮らす事になった」なんて言えないし、かと言って「曖昧な表現」は尚更美花子の好奇心を唆るに決まっている。

「あのね…美花子。お母さんは男の人達に❝痛い事❞をされて…それで、お父さんと一緒に暮らす事になったの。悪いけど…今は、コレだけしか言えないわ…」

「いたいこと?」

「…うん。美花子…詳しい事は、美花子がもうちょっと大きくなったら…全部話すから。それで良いかな…?美花子…」

「わかった…」

「それじゃ…美花子。とっておきの場所に…美花子を連れてってあげよっか?」

「もちかちて…おとーたんのひみつきち?」

「良く分かったねー、美花子…ほら、あそこの裏山に、お父さんの秘密基地が有ったんだぜ」

「うんっ!みかこ、おとーたんのひみつきちみにいくっ!」

「よしっ、美花子!お父さんの秘密基地に出発!」

そして俺達バカ夫婦と美花子は汗をかきながら裏山の秘密基地跡に向かう…と。

ベニヤ板や鉄板、波板や丸太を組み合わせて作り上げた、今にも崩壊しそうな秘密基地のお隣には…如何にも高級そうな木材と鉄板の屋根で作られた、2階建ての立派な秘密基地がドドーンと鎮座しているではないか。

「え…なにこれ!何時の間に、こんな立派な秘密基地が…」

「おい、おっさん!なにことわりもなく、おれたちのなわばりにはいりこんできてんだよ!」

背後から掛けられた声に振り返ってみると。

如何にも生意気そうなクソガキ達が、丸太やオモチャの刀、エアーガンで武装して俺達バカ家族を睨み付けている。

「おいおっさん!だいたいここにはいるにはなぁ、❝きょかしょう❞がひつようなんだよ。おっさん、きょかしょうもってるのか?」

「…コレじゃ駄目かい?多分まだ、期限切れにはなってないはずだけど…」

俺はツータックチノのポケットから…「ひみつきちたちいりきょかしょう」と油性マジックで大書された、ベニヤ板の切れ端をクソガキ達に見せ付ける。

「え…おっさん、これ…」

「ちょっと待ってろ…おっ、コレコレ!大きさも木目も、丁度ピッタリ合うだろう?」

「じゃあ…おっさん、もしかして…」

「正確には、自分一人で作った訳じゃないけどね。片親の仲間達と材料を拾い集めたり、貰ってきたりして…少しずつ、少しずつだけど自分達の手で作り上げたんだぜ…」

「それじゃ…まえからあったひみつきちのあるじ…ってわけなの?」

「そう…なるのかな?」

「おうっ、みんな何してんだ…えっ!?ま…誠人さん!?」

「あら…誠人さん、御無沙汰しています…」

「あ…洋介さんに弓子さん、どうも今日は!」

「おにーちゃん、おねーちゃん、どうもこんにちはー!!!」

「おにーちゃん、おねーちゃん、きょかしょうみせて!」

「はい、立ち入り許可証だよ」

「はい、はいってよろしいっ!」

「あの…すいません。洋介さんと弓子さんは、此処で何を…」

「実を言うと此処…先祖代々からの我々一族の私有地なんです。ですが…❝自分一人の我儘の為に、子供達の楽しみを潰すのは偲びない❞と、ルールを守る事を条件に秘密基地ごっこを許可しているんです…」

「そう…だったんですか!?どうもすいません、実を言うと昔…此処に小屋を作って秘密基地ごっこしてたのは自分達なんです…本当に申し訳有りません!」

「あの…誠人さん、気にしないで下さい。父は誠人さん達の秘密基地ごっこも敢えて黙認してたんですよ…❝あの子達、中々バイタリティーが有るじゃないか❞って…」

「そう、だったんですか…」

「えぇ…ですから、あの大乱闘には大層立腹してましたね…」

「え…その大乱闘って…」

「…物凄く簡単に言うと。俺達が作り上げた秘密基地を…いじめっ子達が乗っ取りにきたの。やれ金属バットだ、ネズミ花火やらエアーマシンガンだの持ち込んで…」

「おとーたん…」

「俺達に出来る事と言えば…スキを見付けてゲリラ戦法で一人一人フルボッコにしていく事くらい。だけど…丁度たまたまその時…俺達の秘密基地には紅一点の女の子が居てね」

「誠人さん…」

「その女の子に…ネズミ花火が直撃してね。それ見た瞬間…ネズミ花火を投げ付けたいじめっ子のリーダーに体当たりカマして…気が付いたらリーダーの顔を、パンパンに腫れ上がるまでブン殴ってたよ…」

「誠人さん…それで、その女の子は…」

「幸い…軽い火傷で済んだんですけど、その娘の親御さんがネズミ花火を投げ付けたいじめっ子達以上に秘密基地に彼女を誘い込んだ俺達にブチ切れちゃいまして。❝こんな野蛮な遊びをしているガキ達とはもう2度と遊ばせられない❞と…夏休み明けに転校しちゃいました…」

「そう、だったんですか…」

「それがおとーたんの❝はちゅこい❞だったんだー♡」

「…美花子!」

「わーいおとーたん、てれてるてれてるー♡」

「おい、みかこちゃんつったか!?そこのぬまにはなぁ、❝あるじさま❞のばかでかいなまずがいるんだぜ!どうだ、みにいくか!?」

「うんっ!みかこ、あるじさまみたいみたい!」

「それじゃ美花子ちゃん。お姉ちゃんに付いてきて?」

「うんっ!おとーたんおかーたん、みかこぬまにいってくるねー!(・∀・)ノシ」

「それじゃ洋介さんに弓子さん、すいません美花子を頼みます!」

洋介さんと弓子さんに引率されたクソガキ達+美花子が秘密基地を後にして…。

俺達バカ夫婦はまるで、秘密基地のお留守番状態だ(苦笑)。

「せっちゃん…」

「誠人さん…」

容赦無く照り付ける眩しい真夏の陽射しの中、喧しい位のセミの鳴き声をBGMにして…俺達バカ夫婦はどちらからともなく顔を近付け、唇を重ねる。

「ん…んんっ…」

「ん〜…ん〜…」

舌を絡め、唾液を口移しし合いながら俺達バカ夫婦は互いの身体を触りっこし合う。

「駄目…あの子達に見られちゃうよ…」

「だったら…あの子達が帰って来るまでに、済ませればOKじゃない?」

俺はせっちゃんの半ズボンの裾から右手を突っ込み…やや湿り気味のせっちゃんのパンティーの上からワレメを指でなぞる。

「あっ…駄目…駄目だよ…」

「駄目、駄目って言ってる割には…凄い濡らし方じゃない?」

「そんなぁ…誠人さんの、意地悪…」

俺はせっちゃんの半ズボンをパンティーごと膝下まで下ろし…ラブジュースでぬるぬるになったせっちゃんオマンコに指を差し入れ、人差し指と中指でオマンコをかきまわす。

「ああっ、駄目ぇ…ああっ、そこ、そこだよぅ…」

「ここ?ここが感じるの?」

「そぉっ、そこぉ…んんっ、ああっ、いいっ…!」

軽く痙攣しながら…せっちゃんはまるでおもらしの様に潮を吹く。

「駄目…誠人さん…節、汗臭くなっちゃう…」

「せっちゃん…俺は、せっちゃんの汗臭い匂いを堪能したいんだ。俺は…せっちゃんが汗を流して喘ぎ悶える姿を見たいんだ…」

「誠人さんの…変態♡」

「せっちゃんの…淫乱♡」

「だったら…誠人さん。早く…節のオマンコに皮被りおちんちん、突っ込んでぇ…♡」

「やっぱりせっちゃんは…こうじゃないとなぁ…」

呟きながら俺はステテコごとツータックチノを膝下までずり下ろすとポケットに入れておいたゴムを手早く皮被りおちんちんに被せ、せっちゃんのオマンコに後ろからズブリと装入。

「ああっ…まぁっ、誠人さんのぉ…皮被りおちんちんだぁっ…♡」

「せっちゃんのオマンコ…❝ミミズ千匹❞って表現そのものの❝名器❞だよ…」

呟きながら俺は…せっちゃんのちっぱいをTシャツの上から揉みしだきつつピストンする。

「んっ!んっ!んっ!んっ!んんっ!んんっ!んん~!んん~!んんん~!」

自らタオルハンカチを唇に咥え…喘ぎ声を圧し殺すせっちゃんを俺は、早くイカせるべくピストン速度を早める。

「んっ!んっ!んっ!んっ!んっ!んっ!んっ!んっっ!」

悶えながらせっちゃんは…まるでワンちゃんのオシッコの様にハメ潮を吹き散らす。

「凄えハメ潮…」

「ましゃとしゃん…きゃわきゃぶりおひんひんきゃらぁ…❝だいしゅき❞がたくしゃん…ちゅたわってきゅるよおっ…♡」

まるで美花子の様な…舌っ足らずな口調で喘ぎ悶えながら、せっちゃんはノリノリで腰を振って快楽を堪能している様だ。

「…せっちゃん。ラストスパート、行くよ?いい?」

「ましゃとしゃん…はやく…しぇつをひかせてぇ…♡」

俺は再びピストン速度を上げ…せっちゃんのユルユルオマンコのヒダヒダを掻き回す様に突き回す。

「ひゃん!ひゃあん!らめ!らめ!らめ!らめぇ!いっ…いっ…ひっ…ひもちよしゅぎるようん…♡」

「まだ!?まだイカないの、せっちゃん!?」

「ましゃとしゃんのいぢわるぅ…にゃんで❝ぢーしゅぽっと❞こしゅってきゅれにゃいにょぉ…」

「なら…❝Gスポット❞、行くよ…」

俺は突き込みを少し浅くして…せっちゃんの「Gスポット」と思われる場所を重点的に皮被りおちんちんで擦りまくる。

「…!…!…!…!………!!!」

「うぅっ…せっちゃん、ぼちぼち出そう…で…で…出るっ…!」

せっちゃんはまたもやド派手にハメ潮を吹きながら…びくびくっと全身を痙攣させつつ…絶頂に達してしまった様だ。

その痴態を見届けつつ…俺はゴム目掛けて、大量の「赤ちゃんの素」を射出していた。

「はあ…はぁ…はあ…はぁ…」

口からタオルハンカチを外し…事後の気怠さを堪能するせっちゃん。

「誠人さん。このタオルハンカチ…覚えてます…?」

せっちゃんの唾液が大量に染み込んだタオルハンカチを俺に見せびらかしながら…せっちゃんは俺に質問する。

「勿論。せっちゃんが初めて俺が住んでたボロアパートに来た帰り道に…せっちゃんにプレゼントした、アレだよね…」

「誠人さん。覚えててくれて…節、嬉しいっ♡」

汗、潮、そしてラブジュースをフェイスタオルで拭いつつ…乱れた着衣を元に整えながらせっちゃんは、瞳をキラキラさせながら返答する。

「誠人さん…節、毎日このタオルハンカチをオカズにして…ひとりエッチしてたんですよ…」

「そ…そう、なの?せっちゃん…」

「…うん。タオルハンカチに染み付いた…❝誠人さんの匂い❞を嗅いでいるだけで…節…勝手に股間が濡れてきちゃって…♡」

「そうかぁ…」

せっちゃんの体液の匂いが染み込んだフェイスタオルを受け取ると…俺は思わず、せっちゃんの汗とラブジュースの匂いを鼻に押し付けて堪能していた。

「もう、誠人さんったらあ…♡」

「せっちゃんの匂い…最高♡」

「おとーたん、おかーたん!みかこねー、あるじさまのなまずさんのしゃしん、ばっちりさつえーしてきたよー!」

…と、そこで。

元気一杯な美花子の声が聞こえてきた。

俺は慌ててゴムの口を縛り、ビニール袋ごと帆布鞄に放り込むとツータックチノのメッシュベルトを締める。

「あら、美花子お帰りー!どれどれ、主様の写真って?」

「これだよ、これこれ!」

嬉しそうに美花子は、子供用のデジカメで撮影した主様の写真を俺達バカ夫婦に披露する。

「ちょっと…これ、本当に鯰!?どう見ても1メートル以上は有るだろ!」

「ひょっとしたらこれ…外来種じゃないッスか!?」

「かもしれないですね…」

「うわぁ…みかこちゃんすげー!このしゃしん、しんぶんやさんにもっていこーぜ!」

「うんっ!おとーたん、しんぶんやさんにごー!」

・・・

「おりゃっ!おりゃっ!おりゃっ!おりゃっ!」

「うわぁ…凄え鉄さん、自爆ボートをコレだけ軽々と回避してくなんて…」

俺達洋食レストランの厨房スタッフは…早速機種変更したスマホで「アズールレーン」を遊ぶ鉄さんの指捌きに舌を巻いていた。

「おおーっ!綾波ちゃん、良く頑張ったなぁー!」

「あ…鉄さん、建造終了したみたいですね…」

「誰が来るかな、誰が来るかな…おっ、長良ちゃんが仲間入りかあっ!」

「鉄さんって意外と…❝おっぱい星人❞だったんですね…」

「あたぼうよぉっ!❝おっぱいは男のロマン❞なんだよっ!例えおっきくても、ちっちゃくてもなぁっ!」

「いやいや…鉄さんがそれ言います?」

「ああー…ボチボチ休憩時間終わりだなぁ…名残惜しいが今日は此処までだな…」

鉄さんはモバイルバッテリーごとスマホを専用のロッカーに放り込むと、手洗いとアルコール消毒をして厨房に舞い戻る。

「誠人クン、今晩はー!」

「おうっ、鞠子いらっしゃい!何だ、そんなおめかしして…デートでもしてきたのか!?」

「正確には…お見合いしてきたの。親がいい加減❝早く孫の顔見せろ❞ってうるさいからさぁ…」

「それで…お相手の男性は?」

「パッと見…イケメンとは言い難いけど、まぁ悪い人では無さそうね。コレからお付き合いして行って…」

「どーも今晩は、誠人さん!あっ、鞠子さん今晩は!」

「今晩は…って、と、巴ちゃん!?どうしたの、髪黒くしちゃって…」

「実は今日…お姉ちゃんのお見合いに同席してきたんです。お姉ちゃんも四捨五入したらもう40代ですから、両親がお見合いセッティングしてきまして…」

「それで…どんな感じでしたか?お相手の男性は…」

「うーん…なんか❝胡散臭そう❞っていうか…兎に角❝無理して良い人を演じてる❞、そんな感じでしたね…」

「おうっ、鞠子ちゃんに巴ちゃん今晩は!なんだいなんだい、お二人さんおめかしして女っぷりが上がってるじゃあねーかぁ!」

「そ…そうですか?あ…有難う御座います…」

「あの…巴さん。巴さん自身…❝好きな男性のタイプ❞みたいなのは…」

「❝コレだけは譲れない❞ってのを挙げるとしたら…❝ローゼスのベーシスト、巴❞ではなく、❝巴と言う1人の女性を愛してくれる人❞…ですね…」

「おうっ巴ちゃん、見た目に似合わず随分しっかりしてるなぁっ!❝見た目や肩書❞じゃなくて❝内面や本質❞を重視するとは…こりゃあ将来良いお嫁さんになれるぜ!」

「て…鉄さん!」

「あっ…あのーすいません、相席になさいますか!?それとも…」

「アタシは相席で良いよ!巴ちゃんは…」

「私も相席で御願いします!」

「それでは…コチラのお席にどうぞー!」

・・・

こうして。

この年の…夏休みはスタートしたのであった。

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