私は54歳の会社員です。
令和になって、コロナコロナで滅入ってますが、偶に昔の事が思い出されます。
30年前になりますが、社会人になり携帯もまだ普及しておらず、連絡と言えば寮の赤電話だった時の体験談です。
私は昔から陰キャで、彼女いない歴年齢と同じという悲惨な人生を歩んでいました。
休みの日寮には自分しか居なかったので(寮母さんとかはいない)のんびりしていたのですが、何かこうムラムラしてきたので、イタズラ電話して若い女の子と話したいと思い受話器を取りました。
当時流行していたテレクラとかダイヤルQ2とかは、商売感が強くあまり好きでは無かったので、一か八か闇雲にダイヤルしてみたいと思い硬貨を用意し、まずは番号が表示されない184を押し、自分の住んでいる市外局番からプッシュしデタラメに押してみました。
デタラメでも、もし当たりだったら次回もかけたくなるので番号をメモして、ドキドキしながらコール音を聞きます。
「はい、もしもし」
(やった!若い娘や!)
「あっすいません、今よろしかったでしょうか?」
「あ、はいどうぞ」
「あ、実はですね、あなたのトイレ見たんですよ」
「え?」
「お尻が可愛かったです」
「え、、、、」
ガチャン!電話を切りました。
ドキドキしてどうしようも無くなり、勢いのまま抜きました。
次の日、又電話してみました。
プルル・・・ガチャリ。
「もしもし、、」
「あ、昨日はすいません」
「あ、、、あの何処で見たんですか?」
「それ言うと今度見れない」
「うーん、、、、」
「嬉しかったんで」
「あの、電話番号は何でわかったんですか?」
「ビデオとかレンタルしますか?」
「はい、、、あー、、、」
「又、電話して良いですか?」
「うーん、、、」
「それでは」
ガチャン!又即効抜きました。
次の日、性懲りも無く電話します。
プルル・・・・・・ガチャリ。
「はい、○○です、只今留守にしています、御用の方は発信音の後にメッセージをどうぞ」
(あー○○さんって言うんだ)
ガチャン!今日はやめておこう。
次の日、プルル・・・ガチャリ。
「こんにちは」
「あ、、、こんにちは、、、」
「今、大丈夫ですか?」
「はい、、、あの、、あなたは誰なのですか?」
「名前知りたいですか?」
「はい」
「じゃあ、お願い聞いてくれます?」
「出来る事でしたら」
赤電話には、二回目から会話録音装置を付けているので、何時でも聞けるようにしている。
「わたしのお尻見てって言って欲しいです」
「えっ!?」
「ねぇわたしのお尻見てっって」
「う〜ん、、、、、、、」
「お願いします、○○さんの事凄く可愛いって思ってるんです」
「それ言ったら、名前教えてくれるんですね」
「はい、必ず」
「うーーん、、、ねぇあたしのお尻見て」
「あ、いきなりですね、もう一回良いですか?」
「えっ?何でー」
「お願い!ココロの準備が、、、」
「もぅ、、ねぇあたしのお尻見て、、、」
「ありがとうございます、私は○○○○と申します(デタラメ)」
「知らないなぁ、、」
「こちらは、○○さんの事は知ってます」
「そうなんですよねぇ」
「又、電話して良いですか?」
「はい」
「でわ」
ガチャン!!!!!おおっ良いってか!
それから、ちょくちょく電話し、色々会話を重ねていき打ち解けていった。
お互いの悩みも聞き合う感じになっていた。
市内のOLで一人暮らし髪は短め浅香唯っぽいなど話してくれた。
自分の事は、無難な感じで乗り切っていた。
半年くらい経ち、相手から会ってみたいと言われる。
こんなチャンスは無い、トイレ見ましたとか言われたのに会話もしてくれて悩みも聞いてくれて。
嬉しかったが、ブサイクは自覚してる。
会っても駄目なのは、分かってる。
会えない。
結論に至った。
これで終わりだ、悔いなくしたい。
プルル・・・ガチャリ。
「はい、○○です」
「あ、○○です」
「あ、○○くん、明日会えるねー」
「それなんだけど、○○さん一人でくるの?」
「そうだよ」
「あ、ごめんね、ちょっと心配になって、男と来ないかなと」
「いやいや一人だよ」
「あんなはじまりだったから」
「あーそーだねー」
「○○さん、又お願い聞いてもらっていい?」
「えっ?何を?」
「又、○○さんの可愛い声で言って欲しい」
「えっ!もーやっ!言えない」
「お願い、会う前に聞きたい」
「えー普通、会う前の人に言わせる?」
「お願い」
「うーん、、、、、何て言えば良いの?」
「わたしのトイレしてるところ見てっ」
「え〜、、、、、、」
「お願いします」
「、、、ねぇあたしのトイレしてるところ見てっ、、、」
「ありがとう」
「会いづらくなるやん、、、、」
「ごめんね、じゃあ明日」
ガチャン、、、、、録音装置から取り出したテープを取り出し何回も再生した。
トイレ盗撮のビデオを見ながら、何度も聞いた、そして抜きまくった。
翌日待ち合わせには行かなかった。
それっきり連絡もしなくなった。
偶然に開始一発目であんなに良い娘に当たった懐かしく自分の馬鹿さ加減をヒシヒシと思い知りながら、偶にカセットで聞いている独身野朗です。