当時中学生の僕は修学旅行へと来ていた。
旅行先は奈良と京都。
青春真っただ中の僕には神社や仏閣にはこれっぽちも興味がなく
仲の良いクラスの友達や女の子達と一緒にあちこち巡っては
教師の話やガイドの説明そっちのけで鹿を撫で回してはせんべいをぶちまけたりしていた。
清水寺ではみんなが舞台の上で説明を受けていて、高所恐怖症の僕だけが下の茶屋で団子を食べながら茶屋の可愛いお姉さんとのんびり話していたのはいい思い出となっている。
確か2日目くらいの夜。
僕の班は男子5名、女子4名の計9名。
本来は各4名ずつではあったが男子に余りが出てしまうための人数調整であった。
中学生ともなると当然男女別の部屋である。
豪華な夕食を終え、それぞれの班ごとに風呂にも入り、後は寝るだけの状態ではあったが
それで終わるはずもない修学旅行。
異性に興味ありありの思春期の子供たちの夜はこれから始まるのだ。
むしろこの時間の為の修学旅行と言ってもいい。
僕たち男子はそれぞれバラけ、それぞれの思いを胸に、気になるあの娘の元へと向かうのだった。
とはいえ、中にはあぶれてしまう者もいる。
きっと人がいなくなった部屋でアダルトチャンネルでも観るのだろう。
見回りの時間にはなるべく部屋に戻ることを伝え
間に合わなけれは適当に入浴中ということにする。
最初に見回りが来た部屋の者はそれぞれ外出している者たちへ連絡を回していくこと。
用意周到な根回しとシュミュレートを終え僕は自分の班の女子たちの部屋へと
10本程度の缶チューハイを持っていざ出陣。
法律上では購入することが出来なくても、いくらでも手に入れる方法はあるものだ。
このときのお酒の購入者は実は茶屋のお姉さん。
ちゃっかり仲良くなり、連絡先を交換して楽しい旅行の思い出にと華を添えてくれた。
夕食の準備中に購入し、コンビニ袋から紙袋へと入れ替えてホテル前に届けてくれた。
最終日の自由時間にバックレてお姉さんと遊んだのは別の話。
女子の部屋へ到着すると、事前に連絡をしていたこともありみんな温かく迎えてくれた。
「うぇ~い♪俺が来たよ~♪」
「〇ちゃんいらっしゃ~い♪」
ここで女子メンバー紹介。
容子ちゃん(よーこちゃん)
テニス部所属
文句なしの美人157センチくらい
天然の栗色の茶髪
普通よりちょっと細めの体型
成績優秀で委員長タイプだが
明るく柔らかくて誰にでも優しい。
いいとこのお嬢様系。
弟がいるそうだがこの娘が姉なら
弟はきっと幸せ者。俺は好き。
なんか儚げ。
智美ちゃん(とみーちゃん)
テニス部所属
愛らしい顔立ち。俺は好き。
よーこちゃんと仲良し。
165センチくらい細身
とても明るく話してて楽しい。
積極的で笑顔が可愛い。
自然と腕を組んできたり
手を繋いでくることがあるので
不意打ちでドキッとすることがある。
ちひろちゃん(ちーちゃん)
吹奏楽部所属
赤いメガネっ子で可愛い。
153センチくらい
とても明るく積極的。
低身長で幼い顔立ちだが
とても大胆。
スキンシップが激しく
机で寝てると背中におっぱいを
押し付けて抱き付いてくる。
紫の紐パン穿いてた。俺は好き。
千尋ちゃん(ひろちゃん)
帰宅部
160センチくらい
よーこちゃんとは違う美人タイプ
ショートカットで切れ長の目。
普通よりのムチムチ。
ちょっと生意気でオラつくキャラ。
男子に顔面パンチして泣かしてた。
明るく積極的。
根は素直で優しい。俺は好き。
ちょっと背伸びしてるかなってくらい。
さっそくみんなでお土産の缶チューハイで乾杯。
横2組、縦2組で頭合わせに並べた布団の上で駄弁りまくる。
先生の悪口から始まりクラスの嫌われ者のいじめっ子
思いを寄せる恋バナから下ネタまでと枚挙に暇がない。
中でもよーこちゃんは真面目で大人しいタイプだったので
お酒を飲んではみんなの話を顔を赤くして聞いていた。
チューハイとはいえそこは中学生。
みんな1本でハイになる。
持ち込んだ僕さえも姉と何度か飲んだことがあるとはいえ
例に漏れずニコニコして饒舌になっていた。
質問には全て正直に答え、いい気分になってちーちゃんやとみーちゃんと
手を繋いでいる。
普段から奥ゆかしくて恥ずかしがり屋のよーこちゃんが僕の手を見て顔を見ては何度も目を逸らす。
はは~ん♪
僕は缶を置いてよーこちゃんの手をにぎにぎ。
恥ずかしがるよーこちゃんの手を開いて恋人繋ぎ。
「はい♪これでいい?w」
他の3人がキャーキャー言って囃し立てると赤い顔がさらに赤くなる。
可愛いなぁ♪
「〇ーあたしも~♪」
ひろちゃんが腕を組んでちーちゃんが背中に乗ってくる。
そんな状態で話はさらに熱を帯びる。
誰と誰が付き合っていてセックスしている、父親のエロ本やDVDを観たことがあるなど
中学生の好奇心や興味に話題は尽きることはなかった。
自分のオナニー、他人のオナニー、ドキドキするキスの仕方、精子の飛距離や味
初オナニーのきっかけ、精通の時期など親が聞いたら泣きたくなるような会話が乱れ飛ぶ。
中でもそこは思春期女子4人。
僕の話への食いつきがすごい。
恥ずかしがり屋のよーこちゃんでさえ直接質問してこなくても目で促してくる。
(〇ちゃんはどうなの?)
答えあぐねている僕を見て恥ずかしそうに目を逸らす。
(いや、この場合恥ずかしいの俺じゃね?w)
自分の好みや経験を事細かに女子の前で語らなければいけない公開処刑。
いっそ殺してくれ…
酒の力は恐ろしい。
他人の舌のようによく回り、言葉を覚えたての子供のように嘘がつけない。
普段しないような大胆なスキンシップとずっとニコニコの笑顔。
自分が笑い上戸なのに気付くのはもっとずっと後になってからだった。
とみーちゃん「〇ちゃん初キスいつ~?」
ひろちゃん「〇ーベロチューど~だった~?」
ちーちゃん「〇ちゃん初めて自分でしたときど~だった~?」
よーこちゃん「………」
とみーちゃん「相手は~?」
ひろちゃん「その人とはど~なってんの~?」
ちーちゃん「オナニーって毎日するの~?
よーこちゃん「………」」
僕「初めては幼稚園のとき。お姉ちゃんね。それ以外は小5のとき。
ベロチューは歯が当たって上手くできなかった。
それ以上どうもなかったよ。初オナニーは多分小6。2~3日に一回くらいだと思うよ。よ、よーこちゃん?」
僕のオナニーに話が及んでから、よーこちゃんの様子がおかしい…
酔眼朦朧。
聞くところによると少し前に偶然弟のオナニーを目撃してしまったらしく、それ以来どう接していいか分からないらしい。
弟のオナニー姿と、僕のオナニーの頻度やティッシュの処理を聞いているうちに僕がしているのを想像してしまったとか。
そのことを話すとみんなが食いつく!
ちーちゃん「〇ちゃんがしてるの想像つかない~♪」
とみーちゃん「生で精子飛ぶとこ見てみた~い♪」
ひろちゃん「誰にも言わないからやってみせてよ~♪」
よーこちゃん「………ごめんね………」
いやいやいや…w
僕「やらんよー!見せんよー!」
ひろちゃん「いいじゃ~ん♪減るものじゃないじゃ~ん♪」
僕「精子減るよー!精子以外に大事なものなくすよー!」
よーこちゃん心の声「………見せてくれないの?………」
このままじゃ公開オナニーさせられる!
酒の勢いでやってしまいそうな雰囲気になっている。
ここで絶妙なタイミングで携帯に連絡が入る。
「担任と学年主任が見回りしている!」
10秒後部屋のドアがノックされ担任のハゲが入ってくる。
あかんあかんあかんあかん!
布団の下に空き缶を隠し、電光石火で僕も隠れる!
盛り上がった布団を隠すためみんなが乗りかかる!
はうっ!
ゲーハー「みんなちゃんといるかー?」
一同「は~い♪」
僕死~ん…
ゲーハー「ここは優秀だなー23時には寝ろよー」
一同「は~い♪」
僕死~ん…
ドアが閉まり、隣の部屋をノックする音が聞こえる。
一同「〇ちゃん大丈夫だった~!?」
僕「い、一応ね…てか誰ダイブしたの?w精子作る機能失われたんだけど…?」
担任の見回りにより興が削がれ、公開オナニーの辱めはうやむやになる。
2回目の襲撃に備え、残ったお酒をみんなで飲み干して布団に潜り、電気を消す。
4組の布団に5人。
仕方がないとはいえ密着度が増す。
僕が電気を消して手探りで布団に潜ったので両隣が誰かわからない。
というよりみんな酔っていて誰もそんなこと気にしてない。
携帯を取り出し、連絡をくれたやつに返信する。
「おせーよバカ!そっちは大丈夫だった?」
「無問題!みんな戻ってきてたからバレなかった!」
聞くと僕の班の男子だけ5人で他はみんな4人の班。
布団は各自敷いていたから僕の布団だけがなくて4組だけ。
学年主任は4人の班と勘違いしたとのことだった。
「何時ごろ戻ってくる?」
「そんな奇跡が起きたならまだこっちにいるよ!俺の荷物隠しといて!」
奇跡に便乗して話が弾む。
すでに戻りたくなくなっていた。
狭い布団に5人…
お酒を飲んで布団に5人…
発情モードで暗い部屋で5人…
甘い息遣いに密着する火照った身体。
顔の見えない暗がりの中でトークはさらに激しさを増していった。
よーこちゃんは当然として、驚いたことにちーちゃんととみーちゃんもキスすら未経験だった。
とみーちゃんて彼氏いなかったっけ?野球部のやつ…
気にはなったが聞かないでおいた。
場がしらけるというか僕がしらける。
僕とひろちゃんでベロチュートークで盛り上がる。
DVDで観たというちーちゃんも参戦。
いつの間にか手を繋いでいるのは多分よーこちゃん。
キスのときに顔をどちらに向けるか、相手と被らないか、目は閉じるか
呼吸は止めるか、時間はどのくらいか…
キス一つになんとも中学生らしい恥じらいのある質問が飛ぶ。
答えられることには答えていたが感覚で流れに任せるからわからんと正直に話す。
ひろちゃんも同意見。
それからそれぞれの好きな理想のキスの話題になった。
まずはほっぺから、いやいやおでこから、首筋、耳、髪を撫でて、顎をくいっと
キスをしながらほっぺをなでなで…。
それまでそんなこと考えもしなかったがこんなにあるものかと驚いた。
さすがは夢見る乙女たち。
テクニックと同時にロマンスも求めている…
盛るだけのサル男子とは一味違うようだ。
そのうちベロチューのテクニックの話になり舌の長さは関係あるのかという話になる。
僕は舌が短い。
関係あるのか知らないがこの時点でちょっと呂律が回っていなかった。
みんなが舌の長さをそれぞれ確認してはみるものの
結果はやってみないとわからない!ということに落ち着いた。
それならばと経験のある僕とひろちゃんでしてみることになった。
暗くて見えないから恥ずかしくはないだろうし、旅の恥はかき捨てと割り切るl。
ひろちゃんは彼氏がいたし、僕もこのときは年上の彼女がいた。
しかしそのことはこれっぽっちも頭を過らなかった。
雰囲気にのまれてムラムラきていた。
多分みんなもそうだったように思う。
さっき話したひろちゃんの理想のキスを思い出す。
首からほっぺを這うようにキスして、そのままほっぺを撫でながら唇を合わせてのディープキス。
早速実践してみる。
「んっ…」
首筋にキスをするとくぐもった声を漏らす。
ゆっくりと這いあがってほっぺにキス。
反対のほっぺを撫でながら唇を合わせる。2、3回啄むようにキスをしてペロッと唇を舐める。
今から舌入れるよの合図。
緩く閉じている唇を割り開き確認するように舌を入れてみた。
時折「んっ…」と声を漏らすものの素直に舌を絡めてくる。
お互いの出方を確認してそれに合わせるようなまったりとしたディープキスだった。
どれくらいしていたのだろう…
舌を絡め合う水音と僕らの呼吸以外聞こえなくなっていた。
何も聞こえないくらいに夢中になってたのか…
最後にチュッと軽くキスを交わして唇を離した。
お互いに呼吸が荒い。
僕は照れ隠しの意味を込めて訊いてみた。
「どおよひろちゃんw?」
どーなのよ?
はぁ~っ…と深い息を吐き、テンション爆上げで盛り上がる。
「やば~♪〇ーキスめちゃくちゃうま~い♪」
どうやら舌の長さは関係ないようだ。
ちーちゃん「音エロ~♪どんなキスしてんのよ~♪」
とみーちゃん「〇ちゃんエロ~♪魅入っちゃった~♪」
よーこちゃん「………すご………」
僕「ひろちゃん上手くて夢中になっちゃったw」
ちーちゃん「〇ちゃんそんな上手かったんだ~?」
ひろちゃん「マジでやばいよ♪エロくて普段とギャップありすぎ♪」
ちーちゃん「マジで~♪ちょっと気になる~♪」
僕「ちーちゃんもしてみる~?」
ちーちゃん「してみよっかな~♪」
ひ・と「やっちゃえやっちゃえ~♪」
よーこちゃん「………」
二番手ちーちゃん。
腰に両手を回し強めに抱き締めてのキス。
キスしながら眼鏡を外す。
ちょっとドキッとしたのは内緒だ。
身長差があるから唾液が流れ込む。
時折コクッと小さく喉を鳴らす。
多分1~2分。
ゆっくり唇を離すと目が潤んでトロンとしてる。
僕「ど~だった~?平気~?」
なんか3分前に比べてテンションがおかしい…
ちーちゃん「う、うん…〇ちゃんすごいね…」
なんか乙女になっとる。
ひろちゃん「ね~?〇ーやばいっしょ~?」
とみーちゃん「そんなに~?てか涙目になってるじゃ~んw」
よーこちゃん「……すごい音……」
僕「ちーちゃん口の中熱いからドキドキしたよ♪」
ほんとに熱かった。
たぶんお酒のせい。
僕「とみーちゃんもする~?」
とみーちゃん「え~?してみよっかな~♪」
なんかやっぱりテンションが違う。
いつもそんなんじゃないじゃん…
三番手とみーちゃん。
僕と身長が同じくらいでやりやすかった。
しかし僕が左利きだからか首を傾ける方向が同じでおでこがぶつかり笑いが漏れる。
僕「ちょっwなんでよw?」
とみーちゃん「〇ちゃん逆~w」
一同「なになに~?どしたの~?」
暗さでみんな音だけが頼り。
僕「もっかいwやり直しw」
とみーちゃん「りょ~か~いw〇ちゃん右ね~w私左~w」
仕切り直し。
ちなみにとみーちゃんは腰に手を回して空いてる手を繋ぎながらのキス。
再度逆に首を傾けてのキス。
またまた方向が同じでおでこがぶつかる。
途端に部屋の中に笑い声が響く。
僕「いやいやいやいやwマジで笑わせないでw」
とみーちゃん「〇ちゃん右って言ったじゃ~んw何で逆に来るの~w?」
僕「右に行ったよ~wとみーちゃんも右に来るんだもん笑っちゃったじゃんw」
とみーちゃん「私から見て右だよ~w2人でバカみたいじゃ~んw」
ここで一同笑いだす。
何故かよーこちゃんが一番笑ってたw
再度仕切り直し。
入念にチェックを済まして気を引き締める。
とみーちゃんのファーストキスもあり僕が折れる形で決着。
三度目の正直。
傾ける方向…上手くいった!
あとは野となれ山となれ。
先ほどの失敗を取り戻すかのように激しいキスを交わす。
とみーちゃんの息遣いに背筋がゾクゾクする。
音も一番大きかったように思う。
終わってみれば二人ともはぁはぁと荒い呼吸。
ひろちゃんとちーちゃんから不平不満が飛び出す。
ひろちゃん「ちょっと~wそれはないと思いますw」
ちーちゃん「ウチらのときより長いじゃ~んw不公平なんだけど~w」
僕「一緒だってw三連続で頑張ってるじゃんかw」
とみーちゃん「得したwww」
とみーちゃんの余計な一言がボヤ騒ぎにダイナマイトを投げ入れる。
途端にやいのやいの始まる。
なんとなくとみーちゃんの様子がおかしいのは気のせいか…
多分照れ隠しで無理に過敏に反応してるような…
ブーブー文句言ってる二人を宥めて乱れた呼吸を整える。
チラッとよーこちゃんの方を見る。
目が合った瞬間ビクッとする。
よーこちゃんの性格からしてしないと思うけど一応訊いてみる。
僕「よーこちゃんもしてみる~?」
よーこちゃん「………いいの?………」
するんだ…w
僕「いいよ~♪よーこちゃんさえ良ければ♪」
2分前まで揉めてた3人から援護射撃が入る。
他「やっちゃいなよ~♪初めてが〇ちゃんなんて超ラッキーじゃん♪」
よーこちゃん「…じゃ…じゃぁ…お願いします…」
僕「ちょw何で敬語w?」
他「www」
恥ずかしがるよーこちゃんの要望を聞いてみる。
声に出すのが恥ずかしいのか僕の耳に手を当て小さい声で囁く。
よーこちゃん「…あの…ね…ほっぺとおでこに…ね…キスして…
口にしたあと…またほっぺで…最後に…こんな風に…好きって…」
予想するまでもなく一番乙女だったのはよーこちゃん。
「ふんふん」と聞いていた僕は耳にかかる吐息にゾクゾクしながら
よーこちゃんらしいななんて思っていたりした。
なんか他の3人はもちろん手を抜いた覚えはないが
よーこちゃんは一生の思い出にしそうな気がしたので
ちゃんとしようと思った。
向かい合ってよーこちゃんの心の準備が整うのを待つ。
なんだか一番緊張した。
絶対失敗できない!
自分からグイグイくるタイプじゃないから腰に手を回して優しく引き寄せる。
よーこちゃんの身体は少し強張ったがやっぱり熱かった。
お酒のせいだけじゃないだろう。
髪を優しく撫でておでこにチュッと軽いキス。
「あっ…」と声を漏らすよーこちゃん。
「平気?」よーこちゃんにだけ聞こえる声で問いかける。
コクッと小さく頷く。
もう1回おでこに軽いキス。
ほっぺたにも軽いキス。
優しく。
なるべく優しく。
胸元にかかる吐息が熱い。
ほっぺに手を添えて少しだけ顔を上げる。
目がすごい潤んでる。
よーこちゃんのこんな顔初めて見た。
当たり前か。
目を閉じながらそっと唇を合わせる。
離しては合わせ、合わせては離す。
何度か繰り返した後でそっと唇を舐める。
そして舌で唇を開く。
よーこちゃんも応じてくれた。
ゆっくり
ゆっくり
壊さないように…
激しくはないがとても永いキス。
吐息が甘い…
4人の中で一番「性」に遠い。
そんな娘が初めて見せた性の片鱗。
その鱗粉を吸い込んでいるようだった。
よーこちゃんとキスしてる…
気が付けばそれ以外何も考えられていなかった。
名残惜しそうに唇を離してもう一度軽いキスをする。
そのまま抱き締めて耳元で「好きだよ…嘘じゃないよ…」囁いた。
コクッと小さく頷く。
それからもう一度ほっぺにキスをしてゆっくり身体を離した。
誰も何も言わなかった。
一瞬誰もいないような感覚に陥った。
それくらい静かだった。
誰かの息遣いにハッとするまでぼーっとしてた。
部屋の空気が戻るまで暫くかかった。
みんなのテンションが戻るまでさらに暫くかかった。
しかしそこは中学生。
次第にキャーキャーブーブー言い出す。
ひろちゃん「ちょっと~w何で容子だけそんなに~?w」
ちーちゃん「おかしいじゃ~んw平等に接してよ~w」
とみーちゃん「今のはおかしいよ~wてか別人じゃ~んw」
よーこちゃん「………」
そのあとみんな1回ずつキスをして恋バナに戻り、下ネタに戻り、布団に戻った。
どのくらい話していたんだろう。
何度か場所を替え繋いだ手を替えているうちに一人、また一人と眠りに落ちる。
自分が誰の隣にいるかもわからないまま僕もいつも間にか眠りに落ちていた。
ふと目を覚ます。
何かおかしい…
目を開けてもほとんど何も見えないがそれだけはわかる。
回らない頭でさえ現状把握にそう時間はかからなかった。
股間が生暖かい。
くすぐったい。
この感覚…フェラされてる!
(えっ!?えっ!?)
高速で頭が回りだす。
(何で!?てか誰!?)
軽くパニック。
窓の外はまだ暗い。
どうやら深夜も深夜、真夜中だ。
少しだけ頭をもたげて覗いてみる。
全然わからない。
完全に布団の中に入ってるからシルエットすら見えない。
(隣は誰だっけ!?左側は!?繋いでいるこの手は誰!?)
情報が何もない。
分かっているのは4人のうちの誰かで、僕は今他の3人の前でフェラされてるということ。
下手に動けないから狸寝入りをきめ込むしかない。
酒はとっくに抜けている。
他の4人もきっとそうだろう。
素面の状態で今の状況がバレる方がもっとまずい。
目が覚めた時にはすでに早起きしていたマイブラザー。
中学生の下半身なんてどっちが本体かわかりゃしない。
ゆっくりと口の中に出し入れされる感覚は
上手くはないが僕を射精させるには何の問題もない。
しかもこの状況。
下半身に伝わる感覚は無理にいかせようとするのではなく
口の中で形を確かめるようにあちこちに舌を当てている。
僕はなるべく腰の動きを押さえ、声も抑えることに専念する。
あまりに下半身に意識を集中してしまったせいか
拳を強く握ってしまっていた。
心臓が止まるかと思った。
不意に誰かと繋いでいた左手を握り返された。
キュッ…キュッ…
(まずい!?気付かれた!?)
しかし幸運なことに繋いでいる手の主はそれ以上のアクションを
起こさなければ声もかけてこない。
(どうしよう!?どうすればいい!?)
この状況でなお力強く立ち続ける我が息子。
(お前は白髭か!死んでも立っているのはラオウだけでええんじゃ!)
握り返された手はあまりのことにそのまま固まってしまった!
おそらく起きていることを気付かれているまましゃぶり続けられている。
目が覚めてから10分は経っただろうか…
1時間にも感じられる…
下半身に集中される意識は否が応にも感度を上げる。
女の子の友達にフェラされているその状況に抗う術はなかった。
信じられないくらいの快感が押し寄せ
信じられない量を発射してしまった。
動きが止まる。
口を離さないまま固まっている。
10秒…20秒…
やがてゆっくりと口が離れていく。
ゴクッ…
本当に小さい音だったが、意を決して飲み下した音がはっきりと聞こえた。
(えっ!?飲み込んだ!?)
しかしいつまでも布団から出てこない。
未だ僕のものに片手を添えて全く動かない。
(死んだ!?)
しかし死んだのはこちらも同じ!と思ったのも束の間。
一度出しただけでは全く萎えない僕の不死鳥。炎と共に蘇る。
(お前はマルコか!)
太腿に熱い吐息を感じたと思った瞬間、再度口の中の感触。
まさに頂上戦争。
(親父~!海賊王になるんだよい!)
声まで聞こえてくるではないか!
(なんてやってる場合か!)
状況わかってんのかボケナスが!
しかしピクリとも動けん!
繋いだ手はもう握り返してはこなかったが、再び眠ったという保証はない。
声をかけられてバレたら言い訳のしようもないこの状況。
社会的に死んでしまう!
それだけはどうしても避けなければ!
出来ることは至極単純。
暴れる腰を押さえ付け、2回目の発射を速やかに終える。
朝にはみんなに「おはよ~♪」と声をかけ、誰にも見つからずに
自分の部屋に戻る。
部屋で顔を合わせた友達に仁王立ちして腕を組み「何もなかった」と
スリラーバークを生き抜いたロロノア・ゾロよろしく僕の業物を鞘に納める。
しかし性欲旺盛とはいえいったばかりの新々刀はまるでいうことを聞いてくれない。
斬りたいときに斬れるのがいい刀。
恐竜が踏んでも折れそうにない僕の鬼徹はすでに黒刀になりかけている…
敏感になっているのを知るはずもない誰かさんは
相変わらず好きなようにしゃぶってる。
声と腰を押さえるために他の部分に力が入る。
また手を握ってしまった。
キュッ…
ほんの少しの間を置いて優しく握り返してくる。
(やっぱり起きてた!)
僕の手が強張るたびにお返しとばかりに握り返す。
もはや万事休す!
と思っていても、それ以上をしてこなければ声もかけてこない。
バレてて声をかけられないのか!?
本当に気付いていないのか!?
どちらにしても今の状況はまずい。
フェラしてる本人を止めさせてしまえば僕が起きているとバレるし
その瞬間に手を繋いでいる子にもフェラされていたのがバレてしまう。
初志貫徹。
2回目の射精準備をするため再度意識を集中させる。
女友達と手を繋いだまま別の女友達の口の中に全部出す。
さっきまでみんな仲良かったのに…
いつも楽しく話してるみんなの中の誰かが…
もしひろちゃんだったら…
もしちーちゃんだったら…
もしとみーちゃんだったら…
もしよーこちゃんだったら…
もし…
もし…
もし…
考えているうちに爆発する勢いで射精感が込み上げてくる。
ギュッと繋いだ手を握りしめたまま
また口の中に出してしまった…
一瞬だけ固まって口を離し、意を決したようにゴクッと飲み込む。
隣の誰かは気付いていないのか、断続的に手を握っている。
それからすぐに僕のパジャマを直し布団から出てトイレに入っていった。
後ろ姿を確認する余裕もなかった。
明らかに僕の布団から出て行ったところを見てしまえば隣の誰かにぜったいバレる。
隣の誰かがトイレに行った誰かを確認しないよう目を離してはならない!
僕は断続的に手を握っていた。
繋いだその手もそれに応じて握り返していた。
やがてトイレから戻った誰かは別の布団に入っていった。
僕は深い安堵とともに繋いだ手を引き寄せて、その手を抱いて眠りについた。
夜明け前にトイレに起きたときに自分の部屋へ戻った。
その日の観光中。
みんないやになるくらいいつも通りだった。
誰も何も変わったところはない。
僕もいつも通り振舞った。
あれから何年も経つが
あのとき手を繋いでいた女の子…
あのときフェラをしていた女の子…
今もわからないままでいる。