昨夜、久しぶりに嫁のおっぱいを見た。
それはいつも通りに我が家へ帰り、いつも通りにスーツをハンガーにかけ、いつも通りに脱衣所でコンタクトを外してメガネをかけた時。
ガチャリと浴室の扉が開くなり、大きく開かれた瞳と大きく丸い乳首と目が合った。
「うわっ、びっくりした!…おかえり」
「おおー…ただいま。…和也たちは?」
「ああ、今日はお義母さんところに泊まるって。なんか書道教室のまま夕飯いただいちゃったみたいで」
「そっか」
「うん。…パパももうお風呂入っちゃったら?」
「あー…そうだな。そうする」
そしてそのまま嫁と入れ違いに風呂へ入ったのだが。
身体を洗って、湯船で「はあ」と溜息をつくなり、温かな湯気の中に先ほど見た嫁のおっぱいがほわほわと浮かんだ。
するとどうにも、久しぶりに見たせいか、それは自分の嫁のおっぱいではないような気がしてきて、オレは薄っすらと閉じたまぶたの中に過去の記憶を辿った。
ーーー
初めて由佳の胸を見たのはオレが小学6年の夏だった。
ウチの地元の小学校では”全学年交流”の名の下に小1から小6の男女1名ずつで構成されるグループで毎朝の掃除を行なっていた。
そしてその毎月変わるグループで小6の夏に一緒のグループになったのが、当時小学4年の由佳だった。
小学6年ともなればそれなりに無自覚の性に目覚めていたオレは、教室の中でチラリと見える同級生の女子たちの無防備なノースリーブの隙間やゆるい胸元からこぼれる乳首に否応ないモヤモヤを感じていた。
そんな行き先不明のモヤモヤをひとまずドッジボールにぶつけていたオレだったが、そんな中で学年も下の由佳の胸がとりわけ強烈に脳裏に焼き付いてしまったのは、それ自体のインパクトが強かったからに他ならない。
それはある日の掃除の時間。
眠たい目をこすりながらいつものように中庭をほうきで掃いていると、チリトリを持ってこちらへ駆けて来る女子の姿があった。
ゴワゴワの黒髪をポニーテールにした溌剌とした笑顔は真っ黒に焼け、同じく焼けた華奢な肩はピンク色のペラペラなキャミソールの紐を頼りなさげに引っ掛けている。
すでに手慣れたクソガキだったオレは瞬時に、あ。これは見えるやつだ。と思って正面に立つその女子にチリトリを持ってかがんでもらうことにした。
そしてたわんだキャミソールの胸元から見える光景を瞬時にインプットしようと視線を下げると。
…。
予想外の光景があった。
日に焼けてない真っ白な華奢な胸の上に、薄茶色のおちょこをひっくり返したようなふくらみが、ぷっくりと、二つ乗っかっていたのである。
それは記憶の中の同級生たちの米粒みたいな乳首のどれとも違った。
あまりの予想外の光景に思わずそれをジッと凝視してしまったが、何かのキッカケでハッと目線を上げると、大きく真ん丸な瞳と目が合った。
瞬時にバツが悪くなったオレはその子からチリトリをぶん取って「いいよ。ここはオレがやるから」みたいなことを怒鳴ってそこら中のゴミを取りまくった。
その三角の乳首をした子の名前が山川由佳だと知ったのは、すでに掃除グループが別々になってしまった後で、それからオレは山川さんのことを思い出すたびに強烈な罪悪感に悶えた。
ーーー
次に由佳の胸を見たのはオレが高校3年の夏だった。
中高一貫校を中学受験したオレが長い長い学生生活を経てようやく高3に上がった春に、高校受験組の1年生として入学してきたのが由佳だった。
正門の並木道や渡り廊下ですれ違う時、やけに目が合う可愛い1年生に、目立つグループに所属していたわけではないオレは否応なくドキドキした。
そしてある日の帰り道、夕暮れのバス停でついに声をかけられてオレと山川さんは再会を果たした。(嫁に言わせれば先に声をかけて来たのはオレの方だそうだが、そんなことは決してないと今でも思っている)
誰もいない実家のオレの部屋で初めてキスをした時、オレのどこを好きになったのか聞いてみると、小◯生の頃のオレがずっと山川さんに優しかったからだと言う。
きっと乳首をガン見している現場を目撃された罪悪感で、ちょくちょく別グループの山川さんの掃除をぶん取っていたことを”優しさ”だと誤解してくれたのだろう。
こんなに可愛い山川さんなのに中学の頃はイケてなかったのだろうか。
その気持ちを大切な思春期の3年間も熟成させてくれていたのは奇跡としか言いようがない。
セーラー服を脱がせると、日に焼けた腕の先に、日に焼けてない真っ白な肩があった。
その華奢な肩にしっかりと伸びる肩紐とその下着は淡いグリーンで、その下着が包む張り詰めた真っ白なふくらみは、その張りのせいか、鎖骨の下から半円球の段になって盛り上がっていた。
たまらない気持ちになったオレが迷わず下着のホックを外していざそれを脱がせようとすると、急に山川さんは細腕でふくらみを隠した。
「どうしたの?」と問うオレに、日に焼けた顔を真っ赤に染めた山川さんは聞こえないような声でつぶやいた。
「見ても嫌いにならないでね」
「…。…うん?」
「…。…わたしの…その…なんか変だから」
「…」
「…」
「嫌いにならないよ」と努めて穏やかな声を出したのは早く生乳を見たかったからに違いない。
けれどそれで安心してくれたのか、ゆるゆると解いてくれた細腕から現れたのは、またも予想外の光景だった。
手のひらに収まるか収まらないかくらいに固く張り出した胸のふくらみの先に、ぶっくりと段になった薄茶色の乳輪がふてぶてしく盛り上がっていた。
下着をつけていた時は嘘みたいに綺麗な半円形だったそれの本当の形はやはり三角だった。
けれどそれは真っ白な胸がふくらんだ分、おちょこじゃなくてアポロチョコみたいな形になっていた。
オレはまたしてもそれをジッと凝視してしまった。
本人はこんなに顔を赤くしているのに、この乳首はなんてふてぶてしくこちらを睨みつけているんだろう。
本人はこんなに肩を縮めているのに、この乳首はなんでこんなに堂々と鎮座しているんだろう。
山川さんがさり気なくそのふくらみを隠して言った。
「…ごめんね、キモくて」
オレは心からの言葉を吐いた。
「キモくない。全然キモくない」
さり気なく山川さんの細腕をほどきながらオレは続けた。
「ていうか…」
「…。…?」
「エロい。めっちゃエロい」
「…」
「…」
「…ん、うん?ええっ?」
思わず吹き出した山川さんのくちびるをオレは強引に塞いで欲望をぶつけた。
それから二人がうまくいかなかったのは、3年間ずっと頭の中で想い続けていた”優しい”はずのオレが、欲望に飲まれて優しくなくなってしまったせいである。
ーーー
三たび由佳の胸を見たのはオレが大学4年の夏だった。
と言ってもそれから結婚するまでずっと付き合い続けていたので、思い出したのは何でもない日のことである。
二人が復縁したのはありがちな、SNSを通じてのことだった。
オレが大学4年で就活の真っ最中の頃、同じく東京の大学に進学していた由佳がSNSでメッセージを送って来てくれたのだ。
三たびの再会から二人が復縁するまで、さして時間も障害もなかった。
それは”お互いあの頃は幼かったね”に始まり、”あの時はオレ、由佳への気持ちより性欲の方が先に行ってた。ごめん”に続き、”ううん。わたしもあの時、理想の彼氏像を健ちゃんに押し付けちゃってた。ごめん”に終わり、手を取り見つめ合って一晩を過ごした翌日から何となく関係が始まった。
そして思い出すのは、オレが新卒2年で由佳が大学4年の就活真っ最中のある晩である。
思わずうとうとしていると、カチャリと寝室の扉を開いた由佳が、胸元をパンパンに張り詰めさせたワイシャツにパンツだけの姿でおずおずと部屋に入って来た。
「どうだった?」
「…ごめん。きてた」
その日は確か由佳が就活の遠征から帰って来て、久しぶりに会えてそのまま帰宅するなりエッチに突入したのに、キスしてベッドに倒れ込んだ瞬間に由佳に生理が来たのだった。
「ま。それならしょうがないか」
「えーーー。ごめーーーん。せっかく久しぶりに会えたのにーーー」
本当に悲しそうな顔でわんわんと泣き真似をする由佳に生理用のホットパンツと部屋着のスウェットを渡すと由佳はそれをふてくされた顔で履いて、再び「えーん」と部屋の隅に立ち尽くした。
「もー。しょうがないやん、それは。ほら、こっちおいで」
「なにー?健ちゃんはあんまりわたしとエッチしたくなかったんー?」
ベッドサイドを背にカーペットにペタンと座った由佳の左横に座ったオレは由佳の頭を撫でながら応えた。
「いやしたかったよ?そりゃあもうめっちゃしたかったよ?由佳がいない間、由佳でめっちゃオ◯ニーしたもん」
「…。…。それはちょっとキモい」
「なんだそれ!」
「えへへ」
笑う由佳にちょんとキスをすると、自分で”しょうがない”と言っておきながら否応なく股間に熱がこもった。
「とりあえず着替えなよ。シャツ、シワになるよ」
「うん。…。えー、めんどくさいー」
「ふふん、はい?」
「脱がしてー」
「はあ?襲うぞ」
「それはダメー」
「なんだそれ」
そう言いながらオレは左手で由佳のワイシャツのボタンを外し、右腕で由佳の肩を抱いた。
由佳とやんわりとキスをしながら外すボタンはワイシャツをギチギチに引っ張っていてとても固かった。
そしてそれが第4ボタンまで外れると、溢れ出るように大きなふくらみがせり出した。
溢れ出るように、と書いたがそれは実際に溢れ出していた。
真っ黒な下着のカップから段になって真っ白な丸みがはみ出していた。
そしてその丸みの先の、薄茶色の乳輪がチラリとこちらを見上げていた。
「…乳首出てる」
「ふふん、だって、帰るなりいきなり揉むんやもん」
「そっか」
そう言いながらカップの隙間に左手を差し入れ、そのふくらみを持ち上げると、左手から溢れ出す重みが手のひらいっぱいに広がった。
久しぶりに見る彼女の胸はとてもいやらしかった。
華奢な肩は相変わらず、細っそりとした腕にスッキリとした背中をしているのにその胸のふくらみはあまりにも大きく、そしてあまりにも野蛮な形をしている。
それは太筆の先端に少しだけ薄茶色の墨を染み込ませたようであり、あるいはヤギや牛のそれのようである。
スーツを着ればこんなに広報に適任な社員はいないというくらい爽やかで溌剌とした顔をしてるのに、その清潔なワイシャツの中にはこんなに動物的な乳を隠しているのか。
たまらずその先端を摘んだり、ふくらみを揉みしだいていると、とろりとしたくちびるから小さな喘ぎが漏れ出した。
「…ダメだよ…。…健ちゃん…」
「…そうだな」
でっぷりとした乳輪ごと指先で摘むと、「んんんーっ」と長い鼻声が鳴ったが、その細腕はオレの胸をやんわりと押し離した。
鎖骨まで真っ赤に染まった顔の由佳は言った。
「今日は…ダメ。…ほんとに…止まらなくなっちゃうから」
「…。ごめん、そうだな」
二人の頭の中にはきっと、付き合って半年くらいの頃、生理中にも関わらずお互い止まらなくてエッチをしてしまい、マットレスまで大惨事になった思い出がよぎっている。
けれど由佳の瞳は同時に、やっぱりこのまましてしまおうか、やはりやめておこうかと逡巡していた。
一応、年上であることをようやく思い出したオレはふうーー、と大きな息をついて無理やり頭を切り替えた。
「ごめん。そうだな。また今度しよう」
「…うん…」
「でもその代わり、生理終わったらめちゃめちゃ抱くからなー」
「ふふん。…もー」
少しの沈黙の間、オレは今からのことを考えた。
飯は食って来たからとりあえず風呂か。由佳は生理中だからオレが先に入った方がいいな。よし、とりあえずお湯をためるか。
「ねーえ?」
不意に聞こえた声の方を向くと、まだ耳まで赤くなってなっていた由佳がとろりとした瞳でオレを見上げて続けた。
「でもさ?」
「うん?」
「ち◯ちん舐めるくらいはしていいよね?」
由佳はやんわりと四つん這いになりながらオレを押し倒し、スーツのベルトをカチャカチャと解いた。
眼下に揺れる二つのいやらしい塊と蕩けた瞳、そして熱い舌先と淫靡なくちびるの形を見ながら、何もしてはいけないオレはひたすら快楽の苦悶に耐えた。
ーーー
「ねー!大丈夫ー?」
唐突な嫁の声にハッとして股間から手を離したオレは浴室の扉に向かって声を出した。
「あっ?うんっ?なにっ?」
「いや大丈夫ならいいけど」
「うんっ?なにっ?なにがっ?」
「いや、最近パパお疲れかなーと思って」
いつの間にかのぼせていた顔を両手でこすっていると嫁は続けた。
「だからお風呂で死んじゃってんじゃないかと思って」
「うわーそっかー。ごめーん、生きてたー」
浴室の扉の向こうで笑う気配が消えて、オレは湯船から出た。
回鍋肉を口に運びながらも未だにオレの頭の中では色んな時代の由佳のおっぱいが飛び交っていた。
初めて見た時のおっぱいは小◯生の頃だったから興奮こそしないが懐かしさはある。
初めて触った驚くほど硬いおっぱいは確かDカップで、すっかり大人の女になって再会した時それがFカップになっててたまらなく興奮した。
…そしてその頃のオレは新卒1年目で毎日会社に行くのが辛くて、(恥ずかしながら)そんな時に優しくしてくれた由佳を、その時初めてまともに好きになったのかもしれない。
上司に怒鳴られて帰って来るオレを元気付けるために作ってくれる大量の料理を一緒に食べていた由佳が、太ってGカップになった時はめっちゃ興奮したのに、知らぬ間にダイエットしたせいでFカップに戻った時は本気でヘコんだ。
妊娠してHカップになった時は狂喜乱舞したのに、エッチをやんわり断られ始めたのはその頃からだったか。
二人目を妊娠した時も、前より大きくなった、って言ってたのに、その頃からオレは嫁のおっぱいへの興味を失ってしまっていたのか?
だからさっき、突然見た嫁のおっぱいに動揺してしまったのか?
過去の記憶は鮮明なのに、ついさっき見たばかりのおっぱいはすでに湯気の中に滲んでくっきりと思い出せない。
正面に座る嫁の、テーブルに乗ったTシャツ越しのおっぱいを凝視しながらオレは考えた。
それにしてもデカいな、このおっぱい。
この女、いったいどんなおっぱいしてるんだ?
「ねえ」と言われて視線を上げると山川さんの瞳と目が合った。
「ん?」
「ほんと…大丈夫?今、目ぇ据わってたたよ?」
「え、ああ、大丈夫、大丈夫」
「ほんと?」
「うん」
なんだかバツの悪い心地になってきたオレは山川さんから目をそらしてご飯を一口頬張り、言った。
「なあ」
「うん?」
「由佳って何カップ?」
「…。はあ?」と噴き出した山川さんは続けた。
「なに?どしたの?」
「え?なにが?」
「いや。だってそんな急に、高◯生みたいなこと聞くから」
「はあ?」
笑う山川さんに瞳で答えを促すも、「やだ。言わない」と言って山川さんは笑い続け、オレのふてくされた顔を見てさらに笑った。
「…じゃあ。…あとで実際に確かめるしかないな」
「ねえ、ちょっと、健ちゃん。本当にどうしちゃったの?疲れ過ぎておかしくなっちゃったの?」
笑うたびに揺れるおっぱいを見てると否応なく興奮してきた。
けれどその笑顔を見てると、ほんのりと幸せな気持ちになった。