道流と亜樹と杏花と誠一……ワンスアゲイン サマーホリデー 〜いつまでも変わらぬ性癖で〜(中編)

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【前書き】

こちらのお話は、『体験談』ではなく『小説』となりますのでご注意ください。

投稿する際には『小説』を選択していますが、『体験談』として表示されるのはサイトの仕様なのでご理解ください。

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【16】

翌朝。島に到着したのが十時頃だった。飛行機から降り立った道流は車で迎えに来てくれていた杏花と誠一の二人と挨拶を交わした。

誠一とは初対面だったので、ぎこちない雰囲気になるかと最初は緊張していたが、意外にもそんなことはなくて、すぐに意気投合することが出来た。

二人は似た風情をお互いに直感で感じ取ったのかもしれないが、それ以外にも、住む土地は異なるが同じ会社で働いている仕事仲間でもあるので、日々の業務や苦労話が思いの外盛り上がり、会話が途切れることはなかった。

杏花曰く、道流と誠一は業務に対する向き合い方とか、お人好しなところが似ていて、しかもそれが玉に瑕、というところまでそっくりだと言った。

道流と誠一は、なんだかこそばゆくなった。

さらに杏花は、二人の並んだ姿が遠い親戚みたいだと言った。それが顔つきなのか雰囲気なのかはわからなかったけれど、道流はそれならもしかして……と思ったりもしたが、当然そんなこと聞けるわけもないので、いつかの遠い遠い機会にとっておくことにした。

旅館へとやって来た道流は、先ほどとは打って変わり、今度は硬い表情で亜樹がいる部屋に向かった。

ドアを開けると、中にはすでに優衣花と美雪がいたが、亜樹は布団にくるまったままだった。

道流「あ〜き〜」

荷物を置いたあと、道流は少し怒ったような低い声を出しながら、布団の横に腰を下ろした。

亜樹は顔を覗かせて、

亜樹「……ごめんちゃい」と謝った。

昨晩、亜樹はやっぱり呑み過ぎていて、朝から強烈な二日酔いに襲われていた。

道流は飛行機に乗る直前に亜樹のスマホにメッセージを入れていたのだが、返事はまさかの謝罪。前日に注意したばかりだというのに、このわずかな時間で再びやらかしてしまったのだ。

誠一「すいません。僕と杏花が、しっかりと体調に気を遣っていたらよかったのですが」

妙に空々しく聞こえる言葉だった。あんな悪戯をした翌日なのに、もう遠い他人事になっていた。まだ指先にも、舌先にも、余韻が残っているというのに、都合の悪い罪悪感だけは消え失せていた。

道流「あっ、いえ、そんなことはありません。亜樹だって子供じゃありませんので、本人の自覚が足りなかっただけです。ねっ、亜樹」

温和な話し方だったけれど、その目は笑っていなかった。

亜樹「だって……だって杏花といっぱい呑めると思ったから……」

道流「でもね、限度があるでしょ」

その気持ちはちゃんとわかっていた。きっと、嬉しくて気分が舞い上がってしまったのだろうことも。

もし、道流が亜樹の立場で、久しぶりの旅行で友人と呑めるとなれば、おそらく同じように羽目を外してしまうと思う。

ただ、そうは言ってもだ。

道流は、本当に世話が焼けるなあ、といった感じで息を吐きつつ、

道流「それで、朝食は食べれたの?薬は飲んだ?」

部屋の中を見渡しながら言った。

美雪「あ、少しだけですけど、食べられてましたよ。それに薬もしっかり飲みましたから、ゆっくり眠れば大丈夫です」

亜樹に変わり、美雪が教えてくれた。

道流「わかった。ありがとう美雪。それで今日の予定はどうなってるの?」

杏花「みんなでスキューバダイビングに行こうって決めてたんだ」

誠一「場所は島の反対側ですので、車が必要ですけどね」

道流「そっか。じゃあ杏花ちゃん、優衣花と美雪をお願いしていいかな?」

優衣花「え?でも……。それじゃあ道流さんは?」

道流「うん、亜樹と一緒に留守番。いくら薬を飲んだからといって、二日酔いで海に潜るわけにはいかないからね。それに、一人にして、また自分勝手にされたら困るからさ」

道流はそう言って、横になっている亜樹の髪を撫でた。

亜樹は申し訳なさそうに、

亜樹「本当にごめんなさい」と、涙声で言った。

道流「まあいいさ。でも、みんなに迷惑かけたから、今日一日はしっかり休みなさい。いい?」

亜樹は元気なさげに、はい、と返事をした。さすがに今回は身に沁みたようだった。

そう、これはひとり旅行じゃない。みんなで一つの大切な時間を共有しているのだから、しっかりとそこは心得てもらわなければいけない。

可哀想だけれど、道流は亜樹のためを思い、まずは体調を快復させることが当然だと考えた。

杏花「よし、じゃあちょっくら行って来るか。優衣花と美雪ちゃん、部屋に戻って準備してきな。十分後に下のロビーで待ち合わせね」

そう言うと、優衣花と美雪は道流に一言謝り部屋を出て行った。

別に謝らなくてもいいのに……。本当に可愛い後輩だな、と道流はつくづく思った。

誠一「じゃあ僕達も行きますね。亜樹さん、ゆっくり休んでください。道流さんも、旅の疲れがあるでしょうから、ついでに労ってあげてくださいね」

誠一も会釈をして部屋を出て行った。

杏花「道流君、ごめんね」

道流「もう、杏花ちゃんまでなんで謝るのさ。むしろ、これが亜樹の平常運転なんだよ?忘れたの?」

杏花「ははっ、たしかにね。亜樹、大人しくしてるんだよ?」

と、意地悪く言われ、亜樹は布団から顔を出して、

亜樹「わかってるよ」と強がった。

杏花が出て行くと、少しの間沈黙があった。砂浜から届く波の音が、二人の間を心地良く流れて行く。

道流は亜樹の隣で横になり、そっと頭を撫でた。

道流「ふぅ……旅行の始まりがこれか。まあでも、これはこれで、なんかいいかもしれない」

亜樹「ごめんね。楽しみにしてたでしょ?」

道流「うん、とってもね」

それを聞いて、亜樹の表情が暗くなった。瞳には、今にも涙が溢れそうだった。

道流「亜樹に会えるのを、楽しみにしてたよ」

え?亜樹は素っ頓狂な声を出した。

道流「ははっ。今のはさすがに、ちょっとキメすぎちゃったかな」

ガラにもなく、道流は恥ずかしそうに頭を掻いた。

一度は沈みかけた気持ちを、道流はしっかりとすくい上げてくれる。亜樹は今までに何度もその優しさに救われてきた。

たった一言かもしれないけれど、亜樹の胸の内は、まるで一輪の花が咲き誇るかのような気分に満ちた。

道流「頑張って残業を終わらせて、飛行機に乗って、島にやって来て、亜樹と一緒に添い寝。……どこでも、どこに行っても、僕達はいつも通りってことだね」

亜樹「……うん。ありがとう道流」

道流「どういたしまして。……あ、そういえば」

ふと思い出したように道流は起き上がり、持ってきたバッグからカメラを取り出して来た。

亜樹「それは?」

道流「真琴からだよ、いつも通りのね。ぜひ、みんなのエッチな姿をお願いしますだって」

亜樹「また?本当に好きだよねえ」

道流は相槌を打ったあと、真剣な眼差しで亜樹を見つめた。

道流「ねえ亜樹、正直に言うね。僕さ、また亜樹のセックスが見たいと思ってるんだ。この前の、映画館や電車みたいな悪戯じゃ満足出来ないんだ。それにね、優衣花も美雪も……。あと、これは無理かもしれないけど、杏花ちゃんのエッチな姿も見たいと思ってる」

道流は興奮した様子で、ありのままの気持ちを語った。

自分でも、凄くおかしな話だと思う。妻だけでなく、あまつさえ後輩や他人の妻までも見たいだなんて……。

でもそう思ってしまうのは、つくづく性癖なのであり、嫉妬したいという感情の成れの果ての姿。妻を他人に知られたい。大切な女性を、他人に知ってもらいたい。ただ、それだけのこと。されど、それだけ

のこと。

亜樹「……私のこと、好きですか?」

道流は頷く。

亜樹「……私のこと、ちゃんと見てくれますか?」

道流は頷く。

亜樹「……私のこと、嫌いにならないでくれますか?」

道流は大きく頷いた。

亜樹「……機会があったらね」

亜樹は笑った。

【17】

海の潮風に乗るように、颯爽と二日目の時間は過ぎていった。

夜。夕食も食べ終わり、各々が部屋でくつろいでいると、道流のスマホに電話がかかってきた。時刻は七時半だった。

杏花「こんばんは」

しかし、やけにテンションが低い。どうしたのだろうか、道流は懸念を感じた。

あっまさか、亜樹と一緒で、ついに杏花も二日酔いになってしまったのではないか?と道流は思った。

道流「どうしたの?元気ないね」

杏花「ハァ。そらそうよ。だってね、誠一が昼からずっと、肝試し〜肝試し〜って言っててさ、まるで怨念よ。始まる前だってのにもう取り憑かれてるわ、この人」

道流「肝試し?」

杏花「あれ?亜樹から聞いてない?あ、じゃあいいか!みんなも疲れてるだろうからさ。ねっ、そうしよ!」

声がパッと明るくなり、しかも早口になった。

道流はまったく理解出来ず、一人ポカンとしていた。すると、電話口の向こうで誠一の声が聞こえた。なにか言っているようだけれど、ハッキリとはわからなかった。

杏花「……こいつ」

ボソッと杏花の口から漏れた。道流が、杏花ちゃん?と呼びかけると、

杏花「え?ああ、ごめんごめん。こっちの話し」

その声を聞くに、どうやら穏やかな会話ではなかったらしい。

杏花「もう、わかったわよ。道流君、優衣花と美雪ちゃんに伝えてくれる?九時になったら迎えに行くからロビーで待っててって」

道流「え、あ、うん。いいけど……」

そして、電話は静かに途切れた。

約束の時間。道流と優衣花と美雪の三人は、旅館のロビーで待っていた。

美雪「亜樹さんは留守番ですね」

道流「うん。まあしょうがないね」

優衣花「退屈なんじゃないですか?」

道流「ああ、それは大丈夫だよ。今日は亜樹の大好きな、『しゃべりまくり8』があるから。それに、最近ハマってる芸人さんが出るんだってさ。だからむしろ、楽しみにしてるよ」

三人が話していると、旅館の車寄せに一台の黒いワンボックスカーが入って来るのがガラス越しに見えた。道流達は外に出る。

車のドアが開き、黒のタンクトップにジーンズのミニスカート姿の杏花が顔を出して、

杏花「……乗って」

相変わらずテンションの低い声だった。

道流達は促されるまま、訝しげに乗り込んだ。

車は海沿いを通り、途中緩やかな坂道が続く山道へと入った。山道は砂と小石の獣道のようになっていた。

しばらく進んだところで、車内には道流の笑い声があった。

道流「あはは、そうだったんだ。それは初耳だよ。だからテンションが低かったんだね」

美雪「杏花さんにも弱点があったんですね」

優衣花「意外です」

誠一「はい。まさかあの男勝りな杏花がって僕も最初は驚きましたから」

杏花は幼い頃から心霊や怪談話が大の苦手だった。理由はこの島の言い伝えにあり、まさにこれから向かおうとしている場所も、その理由の一部だった。

誠一「でもたまには、そんな杏花の怖がる姿も見たいと思いまして」

ハンドルを握る誠一が、煽るように言った。

道流「なるほどね。だからついさっきまでお酒を呑んでたのか。杏花ちゃんも可愛いところあるんだね」

続いて道流も、後ろから助手席に座る杏花に言った。

杏花「もう、うるっさいわね!」

杏花は待ち合わせの時間まで、酒を呷るように呑んでいた。それは酒の力で恐怖心を麻痺させて、普段通りの自分を見せたいとする強がりからだった。

道流「それで、廃墟っていうのは?」

唐突に、道流が話題を変えた。杏花が振り返り、

杏花「学校の校舎よ」と返す。

校舎?道流が繰り返した。

美雪「あれ?でも、校舎ありませんでした?」

杏花「ううん。そっちは新しい校舎。今から行く校舎は戦前に建てられたんだ。なかなかに大きな校舎よ」

へえ、と道流達が声を合わせる。

杏花「以前は……と言っても大昔だけど、島では農業が盛んで主だったの。だから海よりもどちらかというと山の上、島の中心部に人の住む土地が多かったらしいのよ」

杏花は話しながら、窓の外を見回す。

杏花「けど、時が経つごとに漁業へと移り変わり、住む場所もだんだんと海に近くなっていったんだって。となると、時代の移り変わりと一緒に建物も島の外側に多くなっていくでしょ?そこから山の中にある校舎はちと遠いってことになって、新しく校舎が建てられたのがもう大分前」

道流「でもさ、そんなに大きな校舎ってことは、子供もたくさんいたってことだよね?」

杏花「そうね。ただ、それはどこも一緒だと思うけど……。近年はもう子供があまりいないから、新しい校舎も随分と小さく感じるわね」

優衣花「子供達が悪戯で近づいたりはしないんですか?」

誠一「ああ、それは大丈夫です。子供達が無闇に近づかないように、先人達がこしらえた話がありまして、昔は妖怪で、最近はたしか宇宙人がさらいに来るって話だったかな……。幼い頃から、耳にタコが出来るくらい親から言い聞かされるそうですから」

誠一は苦笑いをした。

そう、これが苦手な理由であり、今となっては腹立たしく思えることだった。

おかげさまで、大人になってもその呪縛のようなものは消えることがなく、頭ではわかっているのに自然と身体が反応してしまうことがあった。別に生活に支障をきたしているわけではないけれど、杏花の性格からすると、これは唯一許せない汚点でもあったのだ。

杏花「まあでも、信じる子供はあんまりいないわね。そんなことしなくったって、ただでさえ遠い道のりだから、好奇心で近づく子供はおろか、大人でさえろくにいないよ」

強がってそうは言ったものの、信じていた自分を思い出して少し切ない気分になった。

道流「物好きを例外として見たらでしょ?」

杏花「そっ。この誠一みたいなね!」

車内に、鮮やかな笑い声が重なった。

それから車で走ること四十分。辺りには静寂を切り開くように、エンジン音が木々の隙間を縫うようにして鳴り響いていた。

その頃にはもう、先ほどのような賑やかさはなくなっていた。

途中いくつかの、古びた木造の民家がヘッドライトに照らし出された。使われなくなってもう何十年もたっているのか、民家は朽ち果てている。

背筋に嫌な汗が滴るのを感じると、道流は目を背けた。

もともとオカルトなんて信じていない道流ではあったが、初めて目の当たりにする光景に、不思議と気持ちが没入していくのを感じた。

一方、ミラーに映る杏花は、すでに顔面蒼白といった様子だった。自分でさえこんなに寒気を感じているのだから、怖がりな杏花にしたら、かなり酷な状況だ。

道流はだんだんと、杏花が可哀想に思えてきた。

すると突然、木々が開けた。

目の前から黒い巨大な塊が迫って来る。目を凝らすと、それは光のない世界に佇む大きな校舎だった。

車でゆっくり近づいて行くと、ヘッドライトが校舎の一角を照らした。

誠一「ここが入口です」

そう言って、車を正面玄関に横付けした。

ドアを開き、車から降りると、風が肌を撫でる。

今夜は三十度の熱帯夜のはずなのに、ひんやりと冷たく感じた。

道流は腕を擦りながら、優衣花と美雪が怖がっていないか窺った。

けれど、二人はまったく。むしろ興味津々に、校舎に懐中電灯を当てながら談笑していた。もうすでに肝試しを楽しんでいるようだった。

道流は安心した。

しかし、杏花の方は大変だ。さきほどから一言も言葉を発していない。校舎とは反対の方の虚空をただ見つめながら慄然としている。

道流は誠一を見やる。

誠一は杏花そっちのけで、優衣花と美雪になにやら話しかけていた。

胸にチクリと痛みを感じた。道流は静かに歩み出し、杏花に近寄った。それから声をかけようとしたその瞬間、

「あなた達、何をしているの?」

突然女性の声がした。

杏花「出たぁぁ!幽霊!幽霊!」

杏花の絶叫が響き渡った。そして、半ばパニックに陥った杏花は、近くにいた道流に抱きついた。

道流が杏花を落ち着かせている間に、優衣花と美雪が声の主に目を凝らす。

暗い影から現れたのは、なんと御木薫だった。

美雪「あ、サイト管理人の……」と言うと、

「ん?ああ、あなた達だったの」

意味深にニヤリと笑った。

「なんでまたここに?まさか、道に迷ったわけじゃないわよね?」

誠一「あなたこそ、どうして?見るに島民ではなさそうですが……」

「ん?別に構わないでしょ?規制線が貼られているわけじゃあるまいし」

誠一「たしかにそうですが……」

誠一は不満顔だ。

「そこの二人は知ってるだろうけど、私は取材をしているの。だからこんな素敵な場所、調べないわけにはいかないでしょ?」

優衣花と美雪を一瞥する。

道流「知り合い?」

二人に質問する。

優衣花「いえ、知り合いというわけでは。昨日、たまたま砂浜で取材を受けたんです。ですが、他の方々が見えないようですけど……」

薫は腕時計を確認する。

「もうすぐ来るわ。……あ、ほら。あの車よ」

そう言って、薫は顎をクッと上げた。

道流達が後ろを振り向く。

するとワンボックスカーが一台、こちらに向かって走って来た。

プップー、とクラクションが鳴り響く。

車が停まると、三人の男が降りて来て、

ジョー「薫さん、わりぃ今夜はダメだったわ……。おっ?」

そう言ったあと、ジョーは優衣花を見つける。

ジョー「マジっ!?昨日の姉ちゃん達じゃんか」

二人に歩み寄り、舐めるように全身を眺めた。

二階堂「これはこれは、不思議な御縁ですね。まさかこんな山奥で再会出来るなんて。何故、ここにいらしたんですかな?」

二階堂の質問に、誠一が答える。

誠一「僕達はここに肝試しに来たんです。島民には有名な場所ですから」

すると、ジョーが食い気味に言った。

ジョー「めちゃ楽しそうじゃん!じゃあ俺、この美人さんと」

そう言うと、馴れ馴れしく優衣花の腰に腕を回す。

道流「いや、そういうのは……」

道流が注意しようとするが、ジョーはまるで気にしていなかった。

「別にいいじゃない。肝試しなら、人が多いに越したことはないわ。それに男女ペアなんて、子供の頃を思い出さない?」

まるでジョーの行為を容認するように、薫が言った。

それなら、と今度は和夫が美雪を指名し、二階堂はなぜか杏花を誘った。

道流「……いいの?大丈夫?」

優衣花と美雪は、心配ありません、とばかりに頷く。

道流「杏花ちゃんは、不安なら僕が一緒に行くよ?」

しかし、二階堂がそれを遮った。

二階堂「ほほぅ、杏花さんと言うのですか。ここに幽霊なんていう類は一切存在しませんから心配いりませんよ。それに、この私がしっかりとお守りさせていただきます」

そう言って、二階堂は杏花の手の甲に口づけをした。

誠一は、それを仰望の眼差しで眺めていた。

【18】

校舎は本館と別館に分かれていた。L字型の本館は五階建て、別館は三階建てで、離れには木造の体育館もある。

そして本館には二組、別館に一組の男女が、指定した物を探して取ってくるという流れになったのだが、なぜか道流と誠一は留守番ということになってしまった。別に不満ではないけれど、どこか釈然としない。

「じゃあ三人共、予定通りにお願いね。ちゃんと意識するのよ」

そう言われたあと、ジョーと和夫と二階堂は、女性陣を連れてそれぞれの校舎に入って行った。

道流「君はどうするの?」

「私?私はゆっくりと楽しむわ」

楽しむ?道流にはなんのことか理解出来なかった。

そして薫は、一人で体育館に向かって歩いて行った。

不思議に思いながらも、道流と誠一はその背中を見送ったあと、車体に寄りかかりながら事前に買っておいた缶コーヒーを開けた。

二人の間に沈黙が流れる。あれほど冷たく感じた風も、賑やかになったおかげかすでに生暖かく感じるようになっていた。

道流は誠一に聞きたいことがあった。でも、喉まで出かける言葉を、なかなか声に出すことが出来ない。

缶コーヒーを一口、二口、三口……。時間が過ぎていく。

誠一「……情けない夫だと思いますか?」

ようやく出て来た会話の始まりは、道流が頭の中で考えていたことの一部分だった。

道流「わかりません。……でも、なんで怖がりな杏花ちゃんをわざわざ肝試しなんかに……いや、聞くところが違いますね。なんでそこまでして、杏花ちゃんを貶めようとするんですか?」

誠一「多分、もう我慢出来なかったんだと思います。見たかったんです、杏花が恥ずかしい思いをするのが」

道流「……どういうことです?」

誠一「いつもいつも僕は負かされてしまうんですよ。妻はあんな性格ですからね。だから、こんなときでしか仕返し出来ないんです」

道流「仕返し?普段から馬鹿にされたりするから仕返しですか?」

誠一「馬鹿にされたりすると、どうしても自分の中で込み上げてくる歪んだ感情がありまして……」

道流は一度悩み、それから言った。

道流「でも、男ってそういうものでは?プライドの塊っていうか、負けず嫌いで……。夫婦なら尚更ーーー」

誠一「あっ、いえ、そういうことじゃないんです」

え?道流が困惑する。

誠一「違うんです。それは自分の中にある欲望を抑えるためと言いますか、紛らわすためというか」

道流「……言っている意味がわかりません」

誠一はここで、口を噤んだ。話すのを躊躇っているような感じだった。

道流は急かせることはせず、少しの間待っていた。

誠一「……これは去年の夏、この島で起きた出来事なんですが、その頃はまだ、僕と杏花の溝はそれほど深くはなかったんです。でも、あることがきっかけで、僕の中にある常識と言いますか、現実が崩壊したんです」

道流は相槌も打たず、ただじっと聞いていた。

誠一「ある日、僕と杏花は島に旅行でやって来た男と知り合いました。その人は……お酒を一緒に呑んだんです。僕と杏花と男の三人で」

なぜ一度言葉を切ったのか、道流は気になった。

誠一「場所は僕達の家の和室でした。そのためか、杏花も普段とは違い、安心感から呑むペースが早くなっていました。僕はもともと下戸なので、最初の三十分ほどでダウンしてしまいましたが」

そう言って苦笑いをした。

誠一「それからしばらくして、僕はうっすらと目を覚ましたんです。その頃にはもう、杏花も横になって眠っていました。僕は、男が帰ったあとのことだと思って安堵していたんですが、すぐに襖が開く音が聞こえて、その男が杏花の隣に勢いよく腰を下ろしたんです」

道流の鼓動は早くなっていた。

誠一「すると男が、杏花の身体をなぞるようにして触れたんです。唖然としましたよ。すぐに助けようとしたんですが、でも身体が動かなくて、視界もボーッとしていて、悔しいことにただ眺めていることしか出来ませんでした。男はやがて、杏花のシャツとズボンを脱がせ、黒い下着姿にさせました」

道流は以前に、家で見た杏花の下着姿を思い出した。

誠一「僕の身体は全然動かないのに、まるで分裂したかのように心が興奮してしまったんです。自分の妻が目の前で脱がされているんですよ?まったくもって変な話しですよね。それからは、なぜかもっと触れてほしいって思うようになったんです。妻を裸にしてほしい、全部見てほしい。なんなら、全部舐めてほしい。味わってほしいって」

誠一は興奮気味に続ける。

誠一「男の手は、パンティの中にスルスルと入り、杏花のおマンコを弄りました。ブラを外して、ピンク色の乳首にもしゃぶり付きました。もう、堪らなかったんです、僕は」

一緒だ。道流はそう思った。

誠一「やがて、男は下着を剥ぎ取り、夫である僕の目の前で、妻を裸にしました。本当に不思議なもので、普段から見慣れているはずの裸体が、こんなときにかぎって飛びっきり色っぽく見えるんです。酔ってなかったら、僕は一心不乱にオナニーしましたよ、きっと」

誠一は恥ずかしそうに頭を掻いた。

誠一「男はその後も、クンニしたり、パイズリしたり、妻を好き勝手に弄びました。でも、僕が一番に興奮したのは、眠っている妻への濃厚なキスでした。口を無理やり開けて、舌を押し込み……唾液まで垂らして」

道流は、話を聞きながら勃起していた。それは鮮明にイメージすることが出来たからだ。

それにもしその話のように、亜樹が同じことをされたらと考えたら、胸が苦しくなり下腹当りがキュっとなった。

誠一「でも、結局男は挿入することなく立ち去ったんです。一枚の紙をテーブルに残して。そこには、とても美味しかった、と書かれていました。何も覚えていない杏花はお酒のことだと言っていましたが、僕は杏花の身体のことだと確信しました。それからなんです」

誠一は肩をすくめる。

誠一「僕が杏花に対して満足出来ない身体になってしまったのは」

そう言い終えると、誠一は缶コーヒーを飲み干した。その表情は、不思議とすっきりとしていたように見えた。気のせいだろうか……。

道流「もちろん本人はーーー」

誠一「知りません」

そうですか、と言いかけたとき、道流は気づいた。

道流「……もしかして、今日肝試しに誘った理由って、僕に杏花ちゃんを介抱してもらおうと思ったからですか?あわゆくば……例えばパンティを見てもらおうとか」

誠一は頷いた。

誠一「覗いて欲しい。触って欲しい。犯して欲しい。いつの間にか、そんなふうに歪んでしまったんですよ」

道流には、その性癖の馬鹿馬鹿しさが理解できた。しかし一方で、理解出来ないこともある。誠一の話しでは、単なる憂さ晴らしにしか聞こえなかったのだ。

そこには信頼も感謝もなく、一方通行の欲望でしかなかった。

そもそも、仕返しの話しと後半の男の話しは何にも関係ないように思えるし、誠一の勝手な都合で引き合わせられているだけだと感じた。

道流の正義感が、グツグツと煮えてきた。

これはハッキリと言わなければいけないな、と道流が立ち上がろうとしたそのときだった。

「聞いちゃったー」

二人はハッと振り向く。

体育館に行ったはずの薫が、車の影からひょっこりと顔を出したのだ。

「ねえねえ、あなたって寝取られ癖な人?」

突然の的を得た質問に、誠一は戸惑いながら答えた。

誠一「え、あっ……そう……かもしれませんね」

「見たい?」

道流には、なにか企んでいるようにしか見えなかったが、薫は気にかけることもなく誠一の顔を覗き込んだ。

誠一「……どういうことですか?」

「どうって、あなたの奥さんが悪戯されるところよ」

突拍子もない言葉に、道流と誠一は顔を見合わせる。

そして、意を決したように誠一が言った。

誠一「み、見たいですっ!!」

それはとても力強い声だった。

「そう、なら来なさい」

拍子抜けするくらい冷静に、けれど素っ気なく、薫は二人に手招きをした。

道流は不安に思いながらも、とりあえずついて行くことにした。

木造の体育館は、近くで見ると拍子抜けするくらいに小さな建物だった。二階建てではあるが奥行きがない。

ガラガラと引き戸を開けて中に入ると、なんとも言えない臭いが漂ってきた。湿気とカビ、あとホコリか……。風通しは良いようだけれど、長時間はいたくない。

床には、うっすらとホコリが積もっていた。そのホコリの上には、明らかに人間でない足跡もあったけれど、そのときはまったく気にならなかった。

道流と誠一は中央に目をやった。そこにはなぜか真新しい横長のテーブルが二台並べてあり、その上にモニターが全部で六台置いてあった。

薫はパイプ椅子に腰かけると、モニターのスイッチを入れていった。

道流と誠一も近寄り、映し出される映像に注視した。

「なんだと思う?」

唐突に質問する薫に、道流は当然だと思うことを言った。

道流「……校舎内の部屋にカメラを設置してて、その映像を流してるんだろ?」

「正解。あなた、あんまりいい趣味してないわね」

ほっとけ、と道流は心の中で突っぱねる。

「次はあなたね。では、なんでこんな映像を撮っているのでしょうか?その目的は?」

薫は誠一を見る。

誠一は理解出来ないといった表情だ。けれど、それは道流も同様だった。

でもたしかなことは、きっとろくなものではない。それだけは断言出来た。

誠一「わかりません」

「じゃあ教えてあげる。内緒よ?」

人差し指を鼻先に添えた。

「私達は普段、色んな観光地を取材して、その土地の魅力を運営している情報サイトに載せて発信しているの。これは自慢だけど、結構活気があるサイトなのよ。でももう一つ、私達は自慢が出来ない裏サイトも運営していてね、文字通りそれが裏の顔ってやつ」

誠一「裏サイト?」

薫はカバンからノートパソコンを取り出した。一旦二人をパイプ椅子に座るように促してから、サイトのページを画面に表示した。

二人に画面を見せる。

黒い背景には、出会い系へとリンクされているであろう意味深な広告や、男性器に関わる錠剤の広告がぎっしり表示されていた。けれどそんなものはどうでもいいと言わんばかりに、薫は画面をスクロールさせていく。

やがてメインコンテンツだと思われるところにやってきた。

そこには女性の、モザイクをかけた顔写真と、簡易的なプロフィール、どこで出会ったかという情報が掲載されていた。

道流「……そういうことか」

確信を得たように、道流はポツリと言った。

誠一「なんです?」

道流「おそらくですけど、彼女達……サイトに映っている女性達は、さきほどのメンバーにナンパされてハメ撮りされた子達なんです」

誠一「え?」

道流「さっき男の一人が、『今日はダメだった』と言っていましたよね。それはナンパが出来なかったという意味で、そして彼女……今目の前にいる君が言った、『ちゃんと意識するのよ』とは、カメラのこと。そうだろ?」

薫を見る。

誠一「えっ……?じゃあ、今この瞬間て」

「あなたってなに、探偵さん?はははっ。まあそんなわけないわね。そう、ご明察。これから彼らによって、あなたの奥さんやこの美人さん達は、脱がされて、抱かれて、サイトにその一部始終が載せられるのよ」

誠一「はあ!?」

あまりのことに、誠一は顔を強張らせて固まってしまった。

道流「……でも、そんなことをすればタダじゃ済まない」

そう言って、薫を睨んだ。

しかし、そんなこと承知の上、とばかりに返答した。

「ご安心を。さすがに身元がバレるようなことはしないわ。ちゃんと目線にモザイクはするし、声はぼかすし……。しっかりと明確なルールを作っているのよ」

その表情には自信に満ちた色が強く出ていた。

「それにしても、あなた言っていたわよね?妻が悪戯されるのがたまらないって」

誠一を見やる。

「想像して。あなたの奥さんが、目の前でオジサンに汚されるところを。そして、その様子がサイトに載せられ、観覧した男達のおかずになるのよ。どう?苦しくならない?興奮しない?あなたの愛している女性が、男達の性処理になるのよ」

薫は冷徹に、誠一を煽る。

そんな様子を端から眺めていた道流は、ふとした瞬間に、薫が真琴と重なって見えることに気づいた。

似ている……。そう感じたのは、外見や性格ということではなくて、煽り方と言うのか、自分の欲求を満たすために人を利用する感じと言うのか、でもそう思ったら、自然と納得が出来ることがあった。

このままだと、杏花同様に優衣花も美雪も、そのサイトに晒されてしまうかもしれないというのに、なぜか妙に落ち着いている自分がいたのだ。最初は変だと思っていたけれど、どうやらあの変態の化身である真琴のせいで、身体が慣れてしまっていたようだ。

道流は、少し情けない気持ちになった。

いや……でも、多少なり期待している自分が、奥底にはいるのかもしれない。

「あら、そうこうしてる間に、さっそく一組始めたわよ」

一つのモニターを、薫はこれみよがしに指差した。

道流と誠一は、つられるようにそれを見詰める。

【19】

ジョー「やっぱりお前って淫乱だわ」

優衣花とジョーは薄暗い教室の窓際で月明かりを浴びながら抱き合っていた。

カメラは教室の正面の、窓側の壁の方、黒板の横に設置されている。

ジョーの手が、すでに優衣花の尻を強く揉んでいた。

優衣花「ん……あん……そんなこといいから……早く……早くして」

ジョー「焦んなよ。しっかりと可愛がってやるから」

優衣花は首に腕を巻きつけて、まるで恋人のようにキスをした。それは見ている者を悦ばせてくれるであろう、深くて、熱いキスだった。

優衣花「ん……はあ……あん……ん」

舌が絡み合い、唾液が行き交っている。卑猥な咀嚼音が、チュ、クチュ、チュパ、と鳴り広がる。

道流と誠一は、たったそれだけのことに目が離せなくなっていた。

優衣花「んん……んっ……お尻好きなの?」

ジョー「ああ、お前のケツなら大好物だ」

それを聞いて、ふふっ、と優衣花が挑発するように笑う。そして、紺のジーンズのボタンを外すとファスナーをジリジリ下ろし、キスをしたままゆっくり脱いだ。

だが優衣花は、ジーンズを途中で、太ももの真ん中辺りで止めたのだ。

優衣花「どう?」

唇を離し、上目遣いで問う。

ジョーは何を思ったのか、舌舐めずりをして、

ジョー「お前……生意気過ぎんだよ」

そう言って、ピンクの光沢を放つパンティの上から、尻を鷲掴みにした。

優衣花「あん!……凄い……強引ね」

再度、濃厚な口づけを交わす。ジョーの両手はそれでも尻を揉みしだき続けた。

ジョー「マジでたまんねえよ、お前のケツ。細見なクセに肉厚で弾力があって……こりゃ楽しんでもらえるぞ、お前」

え?優衣花はその言葉の意味は理解出来なかったようだ。

ジョーはすぐに、設置されているカメラの前に優衣花を誘導した。そして優衣花の尻をアップに、改めて鷲掴みにして、さらにパンティを食い込ませた。優衣花の蕾が微かに現れた。

ジョーがカメラに向かって、卑劣な笑みを見せる。

誠一の身体には、強烈な電激が流れていた。けれど、まだ目の前の現実を受け入れることが出来なかった。

こんな麗しい女性が、ジョーのような遊び人に好きにされてしまうなんて。あまつさえ、自ら身体を捧げている。

誠一は脱力感を覚えた。

ここでジョーが、シャツを脱がせて、パンティとお揃いのブラを剥ぎ取る。

カメラに見せつけたあと、横にある棚に置いた。

ジョー「さて、もう準備は出来てんだろ?」

優衣花「船の時からずっと」

ジョー「上〜出来」

すると優衣花は窓のサッシに手をついて、バックの体勢になった。

優衣花「後ろからの方がいいでしょ?いっぱいお尻見えるから。……そのスマホは何?」

ジョーはスマホを横にして構えていた。

ジョー「ん?まあ気にすんな。思い出ってのは残しておくものだろ?それにお前みたいな女なら、尚更撮っておかねえとな」

それからジョーはハーフパンツと下着を脱いだ。すでにそこには、黒ぐろとした巨大な肉棒が雄々しく反り返っていて、今か今かと脈打っている。

優衣花をそれを見て、ゴクリと喉を鳴らす。

優衣花「早く……入れて」

ジョー「待てよ。お前の身体を、しっかり残してやってんだからよ」

まるで焦らされているようだった。早く、早く快楽に溺れさせてほしい。この瞬間を、身体に刻み込んでほしい。

そしてようやく、ジョーは肉棒を優衣花に押し当てた。すでに濃厚な蜜が女穴から静かに溢れていた。

ジョー「お前の蜜と俺の蜜が絡み合って、糸引いてんぞ?相性はバッチリみたいだな。ハハハ」

響き渡る高笑いだった。

ジョー「そんじゃ、この島の第一号に……おらよ!」

その瞬間、ジョーの二十センチもの肉棒が優衣花の膣を貫いた。

優衣花「アァァっ!……凄いぃ!」

喜悦の叫びが、静寂の教室から外へ飛び出して行った。

ジョー「かああ!たまんねえ!クセになりそうだ」

ジョーは腰を連続して振り、その美尻に叩きつけた。

優衣花の尻肉が、激しい腰つきによって狂喜乱舞していた。それはまるで嵐の中の海面のように波打っていた。。

優衣花「アッ!……アッ!……アッ!……ダメっ……気持ち良すぎる!」

ジョーは優衣花の両腕を掴み、手綱を引くようにして後ろへと伸ばした。

優衣花「アァァ!……アン!……アン!……そんな……ダメ!……狂っちゃいそう!」

ジョー「かまわねえよ。どんどん狂っちまえよ!この綺麗な、腹が立つくらい眩しいお前の身体を、しっかり汚してやっからよ!おらおらおら!」

さらに激しく、乱暴に貫く。優衣花の表情は苦痛に歪んでいた。

ジョーは腕を離し、今度は胸を掴んだ。乳首がこれでもかというほど、硬く隆起していた。その乳首を摘み、グリグリと捏ね回す。

優衣花「痛い!……アァン……でも……やめないでぇ!」

ジョー「そうだろ!このドM女!次はどうする?このケツか!」

尻を、パン!と叩いた。

優衣花「アァん!もっと!」

もう一度、パン!

優衣花「アァ!……気持ちいい!……好き!」

ジョー「いいねえいいねえ!俺も本格的にノッてきちまったよ」

ジョーは結合したまま移動し、カメラが設置されている壁に優衣花の身体を押し付けた。

レンズには、乳房と乳首が押し潰される形で密着している。モニターにはその光景がしっかりと映し出されていた。

そしてジョーがまた腰をピストンさせると、優衣花の乳房と乳首がカメラにパンパンと押し当たる。

道流と誠一は我慢するのでやっとだった。額からは大粒の汗が流れ、身体は熱く震える。股間は勃起して、早く解放してくれと叫んでいる。

誠一「道流さん……僕はもう限界です」

むしろ、二人にあるのは理性だけだった。隣には妻の親友の夫がいて、椅子には若い女性が座っている。

こんな状況で、オナニーしていいなんて理性が許さなかった。

けれど、それも時間の問題。理性が崩壊する瞬間は、すぐだった。

道流は無言のまま、ズボンのファスナーを下ろした。そして、限界まで勃起した肉棒を出した。

誠一「道流さん!?」

道流「わかってます。僕だって、もう無理なんです。優衣花のこんな姿を見せられたら……」

人目も気にせず、道流はオナニーを始めた。

なら、僕だって……。誠一も恐る恐る肉棒を取り出した。

薫は不敵に、そんな二人を見て勝ち誇ったように笑った。

ジョー「オラオラ!っとにたまんねえよ、このアバズレが!見かけ通りのガバガバ女だぜ!」

パンパンパン。優衣花の身体が強烈に前後する。

優衣花「アッ!……アアッ!……アアァッ!」

ジョー「まず一発目だ淫乱女!ありがたく飲み込めよ!」

優衣花「アァン!……頂戴!……あなたが欲しいの!」

ジョー「あぁ!逝くぞ!」

優衣花「っ!……アアアァ!」

優衣花の絶叫が轟いた。

すぐにジョーは、優衣花の口に肉棒を突っ込み、恍惚に天井を見上げて射精した。

優衣花は喉を鳴らして精子を飲み込んだ。

しかしすぐさま、上目遣いにジョーを挑発する。

ジョー「ハハッ。いいねえそうこなくっちゃな」

ジョーはそう言って、教室の隅に予め置いてあったマットレスを待って来た。

カメラが見えるように横向きに敷くと、優衣花の腕を引いて乱暴に寝かせた。

それから覆い被さるようにして、身体と身体を密着させ濃厚なキスをした。

ジョー「今度はお前の番だぜ?楽しませてくれよ」

そう言われた優衣花は、上体を起こしてジョーに跨った。そして自ら肉棒を自分の股に射し込む。

優衣花「……凄い身体。逞しい」

そこで優衣花は、ジョーの身体を触る。念入りに、確かめるように、いやらしく。

肉棒が奥深くまで入る。

優衣花「アァん……また入ってる……ねえ……舐めていい」

ジョー「ああ。丁寧にな」

優衣花は肉棒を体内に入れたまま、筋肉隆々なその肉体を舐め回した。汗ばんでいる身体は、優衣花の唾液と混ざり、月明かりによって光り出す。

ジョーはスマホを片手にその様子を撮影している。もう片方は頭の後ろへ回して、余裕ありげに笑っていた。

優衣花はそれを知ってか知らずか、夢中になってジョーの乳首を舐めている。

そのとき、

ジョー「オラ!」

唐突に腰を打ち上げた。

優衣花「アァァ!」

優衣花の全身に電撃が走った。

ジョー「頼むぜ。アバズレ女」

優衣花「はい……」

屈辱的な台詞を言われても、優衣花にはもう関係なかった。むしろそんな言葉が、より貪欲に自身を辱めてくれる。

優衣花は腰を前後にグラインドさせた。滑らかでいて、まるでダンサーのように優美な動きだった。

クチュクチュと、淫らな音が擦り合うかのように鳴っている。

ジョー「スゲーな、たまんねえ!っあ!もってかれちまいそうだ。ハハっ、しっかり撮ってやるからな」

スマホを全身が映るように構えた。もちろん、その快感に喘いでいる顔も全て。

優衣花「アっ!……アッん!……アァん!……あなたの……おチンポ大好き!……アアァん!……凄い!」

ジョーが下から連続して突き上げる。優衣花の小ぶりな乳房が大きく弾む。長い黒髪が宙に乱舞する。

優衣花は快楽の深みへと、どんどん沈んで行った。

優衣花「アアァ!……ダメ!……また……また逝っちゃう!……逝っちゃう!」

ジョー「逝っちまえよ!次は子宮にぶち込んでやるからな!」

優衣花「出して!……あなたの……いっぱい中に出して!」

ジョー「オラオラオラ!」

下から高速にピストンする。優衣花の身体が激しく振動する。

優衣花「アッアッアッ!……アアァっ……アアアァァ!」

その瞬間、咆哮を上げた優衣花の身体が垂直に固まって。そしてフッと力が抜けたように、ジョーに向かって倒れ込んだ。

優衣花「ハァ……ハァ……ハァ……っん……もっと……もっと……あなたが欲しい」

それを聞いたジョーは、

ジョー「当たり前だろ?とことん、今夜は抱いてやるよ。二度と忘れられない記憶を、刻み込んでやるかな」

そう言って二人はキスをした。優衣花の花園からは、真っ白い蜜が滴っているのが見えた。

【20】

道流と誠一は、しばらくの間指一本動かせなかった。手を精子でべっとりと濡らしながら、モニターに釘付けになっていた。

「まあまあの画が撮れたわね」

薫はこの状況にも冷静だった。熱くなっていることも、興奮している様子もない。いつも通りだと言わんばかりに、淡々と放ったその言葉のトーンが、全てを物語っていた。

誠一「これが、サイトに?」

「そうよ。視聴者は変態ばかりだから、彼女はいいオカズになるわ。でも、価値としてはあんまりね」

あんまり?二人には意味がわからなかった。

「ん?ああ、私達や視聴者が求めているアダルトっていうのはね、素人のリアリティなの。けれど中には、こういうシチュエーションが好き過ぎて燃え上がっちゃう子がいるんだけど、そういう子は素人感が出ないから、あんまり視聴者には受けないってわけ。ウブでいて、恥じらいがあって、いやいや、仕方なしにヤラれちゃうような女の子を、視聴者は求めているの」

ここで、ふぅ、と仕切り直すように息を吐いた。

「さて、次はこのお姫様ね。この子は視聴者ウケが良さそう。さあ、頼むわよ〜」

そう言って、薫は両手を擦り合わせた。

モニターに映っているのは、和夫が持っているハンディカメラの映像だった。優衣花とは正反対に、美雪の悲哀の表情が鮮明に映し出されていた。

美雪「やめて……近付かないでください」

和夫「どうして〜。せっかくこんな綺麗な夜なんだよ?僕と一緒に楽しもうよ〜」

ひっそりとした廊下で、和夫がジリジリと美雪に迫っていた。美雪は後ずさりする形で、ゆっくりと壁に追い詰められていく。

和夫「僕ね、君を初めて見たときから、ずっとこうなることを夢見てたんだ。そう、文字通り夢で見ていたんだよ?それくらい、君に恋い焦がれちゃったんだよ〜」

おちょくるような、ふざけた口調だった。

美雪「本当にやめてください。私はそんなつもりありません」

ドン、と壁に背中が当たった。美雪は後方を確認する。もうそこに逃げ道はなかった。

再度、正面に顔を向けると、すぐそこにはカメラが迫っていた。美雪は顔を背ける。

和夫「う〜ん、いい表情だよ〜。これなら、みんな喜ぶだろうね。たくさんオナニーしてくれるよ」

美雪「どういうことですか?」

顔を引きつらせながら問いかけると、和夫は無言のまましゃがみ込んだ。そして、美雪の白のロングスカートの裾を摘む。

和夫「さあ、素敵な旅の始まり始まり〜」

下卑た声を出しながら、和夫はスカートの裾を徐々に捲り上げていき、カメラを潜り込ませた。見悶える白い肌がモニターに映し出される。

脛、膝、とキメ細かい美脚が、そのカメラに収められていく。

道流と誠一は、優衣花のときとはまた違った臨場感に興奮していた。

そして、この映像が不特定多数の男達が観るのだと思ったら、目頭が熱くなった。

でもそれは、切ないとか悲しいとか、そんな感情ではない。ワクワク……そう、二人は期待してしまっていたのだ。

美雪「いや……お願い……やめて」

か細くて、儚い声だった。だが、その拒絶する姿勢が、和夫の興奮を煽ってしまう。

和夫「いいねえ〜。そうそう、その調子だよ〜」

頭をスカートの中に突っ込み、股を見上げるようにしてカメラを向けた。

美雪の引き締まった太ももと、オレンジ色のパンティがモニターに映った。

そのレースのパンティには花の刺繍が施してある。和夫はゆっくりとカメラを近づけて行き、接写した。

パンティの生地や縫い目がハッキリと見えるほどに、そのくらい近い距離だった。

和夫の荒い息遣いが、不快にもモニター越しに聞こえてきた。

和夫「ハァ……ハァ……美味しそう。とっても美味しそうだよ、美雪ちゃんのおマンコ」

美雪「いや……やめて、見ないで」

モニター上ではその表情を窺い知ることはできないが、美雪はきっと、顔を赤面させ手で覆っているはず。

和夫「い〜や〜だ〜ね〜」

すると和夫は、右手の人差し指をパンティのクロッチの縁にかけて、横にずらした。

美雪のピンク色のマンコが、眼前に現れた。

和夫「ふふっ。可愛らしいおマンコですねぇ。うーん?あれえ、少し濡れていますねえ」

たとえ抗っていても、それは口だけで、身体はしっかりと感じているようだった。

と、次の瞬間、和夫はカメラのレンズをそのマンコ目掛けてグリグリと押し付けた。

美雪「はあ……あん……」

思わず触ってしまいたくなるほど、嗅いでしまいたいと思うほどに、それはリアルに近く感じられる映像だった。

マン肉が、レンズに擦り付けられながら歪に揺れている。

美雪「やっ……はっ……あん」

道流と誠一は、唾をゴクリと飲み込んだ。

レンズには、美雪の愛液がしっとりと塗られていった。

和夫「ほ〜ら、すごいよ。カメラのレンズに美雪ちゃんの恥汁がべっとりだ」

そう言って、和夫はさらに強く擦り付ける。右に左に、円を描くようにねっとりと。

美雪「アん……はっン……イヤん」

拒んでいた声も、やがて色が変わる。妖艶な桃色の声が、美雪の口から漏れ始めた。

感じているのか、腰がよがり、クネクネと動いている。

和夫「はぁ〜可愛い。ねえ美雪ちゃん、僕ね、美雪ちゃんのおしっこ飲みたいなぁ〜」

突然和夫が信じられないことを言った。美雪は耳を疑った。

美雪「や……いやです!絶対にイヤです!」

スカートの中からカメラを出して、美雪の拒む表情を映した。顔全体が真っ赤になっていて、美雪自身もその言葉の意味を痛感しているようだった。

美雪は和夫の頭を手で強く退けていた。その反応を見るに、本気で嫌がっているのがわかる。

和夫「じゃあ〜見せてよ〜。美雪ちゃんの裸〜」

相変わらず腹がたつ喋り方だった。おちょぼ口のように唇を尖ら、語尾を伸ばしている。

美雪「ふざけないてください。わ、私は……絶対に……」

和夫「え〜、ほんとう〜?」

すると和夫は、再度スカートの中に頭を突っ込み、パンティを指でずらし口を当てた。そして、舌先で美雪のワレメをチュルっと舐めた。

美雪「アンっ!」

その飛び出した声、たった一つの喘ぎ声には、すでに隠すことのできない法悦の潤いがあった。

カメラを構えながら、和夫は不敵な息を吐き出した。

和夫「ほら〜、やっぱり感じてるじゃない〜」

挑発するように言って、さらに和夫は舌の先端で大陰唇をなぞる。

美雪「ぃやん……あん……ダメ……そこは……舐めないで」

和夫「やめないやめない〜。ん〜ぅま」

ジュルジュルと卑猥な音が、美雪の否定する気持ちとは裏腹に廊下を逆行していく。

美雪「やっ……ンン……ハァん……」

モニター越しだというのに、そのスカートの中のムッとした熱気と、熟した淫靡な匂いが感じられた。

道流と誠一は汗を滴らせながら、改めて膨張している肉棒をしごき始めた。

と、ここでようやく和夫は、スカートから頭を引っこ抜き立ち上がった。

美雪の赤面した顔がカメラに映る。可憐だった。とても可愛らしい。こんな子が、和夫に良いように弄ばれているのだと思うと、不思議と嫉妬がこみ上げてくる。誠一は、奥歯を噛み締めた。

和夫「ねえ美雪ちゃん、もう素直に裸になっちゃおうよ。僕ね、セックスするまで、美雪ちゃんを帰さないつもりだから」

突然の言葉に、美雪はハッとする。

美雪「ど……どういうことですか?」

和夫「うん、そのまんまの意味だよ。逃さないってこと」

卑劣な言葉が、胸を抉る。美雪は絶望感に襲われた。

しかしすぐに、

和夫「でも〜、まあ〜逃げても別に構わないけど〜、しっかり撮ってるからね〜。フフフ」笑みを浮かべた。

目の前で、和夫はカメラをゆらゆらと揺らして、その言葉の意味を深く意識付けた。

美雪は理解したのか、観念したように顔をうつむかせた。

美雪「……わかりました」

従うしかなかった。この状況で、選択肢などない。

美雪はシャツの裾を両手で掴み躊躇いを見せながらも脱いでいった。

道流はその光景を、葛藤しながら見つめていた。

助けるべきなのか、それとも、このまま美雪が犯される姿をただ眺めているだけなのか。

美雪と優衣花は違う。優衣花は自分から求めていたが、美雪は拒んでいる。それが何よりの意思表示なはず。なのに、道流は動けなかった。

理性よりも、後輩であり妹のような存在の美雪が、和夫によって犯される姿に惹かれてしまっていた。

これから起こるであろう未来に、魅了されてしまっていたのだ。

認めたくはない。でも、間違いなく自分の中には悪魔がいることを、道流は知っている。

もし美雪の状況が亜樹なら、道流は涙を流しながらオナニーしていただろう。

道流は考えるのをやめた。そう……結局のところ、それが答えなのだ。

美雪はシャツを脱ぎ、パンティとお揃いのブラをとった。

和夫「綺麗だね〜」

女肌が顕になっていくたびに、和夫は感慨の息を漏らした。

モニターを眺めている道流と誠一も、今だけは和夫と同じ境地にいたことだろう。

和夫「う〜ん、いいねえ。じゃあ、そのままスカートとパンティもぬぎぬぎしようねえ」

美雪は、唇を固く結びながらも大人しく従った。

和夫「ふふふっ。ほ〜ら、こうなるとやっぱり従順じゃないか。もっともっと、美雪ちゃんの恥ずかし姿をカメラに収めてあげるからね」

そして、美雪は裸になった。

Eカップを超える乳房と、バランスの整った体のライン、スラリと伸びた足……男を獣に変えてしまう色香。

和夫は血走った目を見開き、

和夫「それじゃあ、頭の上で手を合わせるんだ。まるで縛られて吊るされているようにね。クックック」不敵に笑う。

美雪は従った。

腕を高く伸ばして、手首を合わせた。

これ以上ないほど、感動的で官能的な様だった。

和夫が手を伸ばして、乳房をぞんざいに嬲った。強く、激しく、指を食い込ませ、じっくりと揉み上げた。

和夫「うへへぇ……な〜にこの柔らかさ、最高〜」

ふしだらな感情が高まって行くのを、美雪は感じた。

こんなに屈辱的なことをされているのに……。頭では理性が働いていても、身体は疼きしっかりと和夫を求めていた。

和夫「あはは、最高だよこの巨乳ぅ〜」

美雪は天井のただ一点を見つめながら、意識を和夫の愛撫に向けてひそひそと、喘ぎ声を無様に揺らめかせる。

美雪「ん……あん……ハァ……ン」

桃色乳首がコリコリに固まり、和夫の愛撫を今か今かと待ち望んでいた。

早く触れて……早く口に含んで舌で転がしてほしい。美雪は確実に、和夫の卑劣な罠に堕ちていた。

和夫の指先が、乳首をクリクリと転がすと、そこから全身に電気が流れ足がガクガクと震えた。

美雪「ぃやん……あん……ハァん………もっと……」

理性とは裏腹に喉から出てくる言葉は、本能という他なかった。頭では否定しているのだけれど、本当の自分は、和夫を求めている。

気持ちいい……。それが本音。身体の奥底から湧き上がって来る明快な興奮があった。認めないわけにはいかなかった。

和夫「ふふっ、そうだよね、もう我慢できないよね〜。じゃあそろそろいいかな?」

問いかけながら、和夫はズボンを下ろした。すると、禍々しいほどの巨棒がグッと立ち上がった。

美雪はそれを見て、膣内がキュッと締るのを感じた。

和夫「どう?美味しそうでしょ〜。このおちんちんで突かれるとね、み〜んな虜になっちゃうんだ」

脳裏に光景が浮かんだ。それは快楽という言葉では説明出来ないほどの絶頂が、容易に想像することが出来た。

美雪は不覚にも、膣内から太ももに蜜を漏らしてしまった。

和夫がすかさずそれを舌で舐めとった。

和夫「う〜ん、最高!美雪ちゃんのお汁、とっ〜ても美味しいよ」

そして、ではでは、と楽しみにしていたデザートを食すかのように、美雪の足を広げて、ワレメに肉棒の先端を当てた。

美雪「……ぃゃん」

恥ずかしそうに声を出した。

しかしその結合部では、二人の蜜がすでに絡み合っている。まるで運命の相手に巡り会ったかのように、悠々と糸を引き合っていたのだ。

和夫「フフフ、それじゃあ行くよ〜。合体ぃ!」

次の瞬間、和夫の巨棒が膣肉を掻き分けズブズブと強引に入って来た。

美雪「アアァァっ!」

咆哮が校内に響き渡った。あまりの気持ち良さに、美雪は和夫の首に自ら両腕を巻きつけしまった。

和夫はそれを利用して両足を持ち上げ、駅弁の体位で下から上に連続して貫いた。

美雪「アン!……アン!……アン!」

凄い!凄い!気持ちいい!なんなのこれー!美雪は初めて経験する感覚に、恍惚の喜びを爆発させた。

それから息つく暇もないほど、和夫の高速ピストンが美雪を襲った。まだ結合してから二分とたっていないのに、すでに美雪は快楽の果てに堕とされていた。そしてその激しさは、より一層増していった。

和夫「ハイハイハイハイ!どう美雪ちゃん、気持ちいいでしょ〜」

美雪「凄いぃ!……奥まで届いて……アン!……凄いよぉ!」

突かれるたびに、頭の中が真っ白になり、火花が散るかのようにスパークした。

美雪「アァァ!……もうすごすぎるぅ!……おかしくなっちゃう!」

和夫「そうでしょそうでしょ!もう僕ちゃんの虜になっちゃったでしょ〜?」

美雪「なる!……なってます!……アァん!……ダメぇ!止まんないよぉ!」

ここで和夫はピストンを止めて緩急をつけた。一度深く巨棒を沈めたあとに、美雪の腰をグリグリと前後左右に揺らした。

美雪「アァン!……そんなことしないでぇ!……壊れちゃうぅ!」

美雪はすでにオーガズムに達していた。あまりの激しさに自分ですら気づいていなかったのだ。

和夫「ヒヒヒ、楽ちいぃ!ほらほら〜、ゆ〜らゆら、ゆ〜らゆら〜」

美雪「アアン!……気持ちいいよぉ!」

和夫「でしょ〜!僕も気持ちいいよ〜!」

和夫は美雪の反応をニヤニヤと眺めつつ、さらに性器を虐めようとピストンを再開した。

美雪「アァン!……アァん!……アァん!」

喘ぎ声と共に美雪の豊満な乳房が、和夫の目の前で淫らに弾む。

美雪「アン!アン!アン!アンッ!……いッイク……溢れちゃう」

和夫「ええ、もう?早いよお。……まあでも、時間はたっぷりあるからね。いっぱい美雪ちゃんの恥ずかしい姿を観てもらおうね〜」

そんな言葉も、今の美雪にはまるで聞こえない。美雪は和夫に抱きつきながら、ただその巨棒に喘いでいる。

和夫「よ〜し、じゃあいっぱい出しちゃおうかな〜。いいよね〜」

美雪「いいっ!……アン!……ハァン……出して!……中に出してぇ!」

和夫「やったね〜!」

ここで和夫は、さらに強く腰を打ち付け、美雪の奥深くへと巨棒を進めた。

和夫「おふぅ、感じる。美雪ちゃんの子宮が当たるのを感じるよ」

美雪「アン!アン!アン!……私も……感じるぅ!」

パンパンパンパン!……肌が叩きつけられる音が、廊下中に鳴り響く。

どんどん音が加速して、二人の喘ぎ声も重なっていく。

和夫「美雪ちゃん、イクヨ〜イクヨ〜」

美雪「アン!……アン!……アン!……来てぇ!」

和夫「発射ァ〜!」

美雪「ぃャ……アアァァ!」

美雪は絶叫と共に、全身を痙攣させて崩れ落ちた。

和夫は、巨棒の先端から白濁の汁を放出させながら、その余韻に浸るようにして、恍惚の笑みで天井を仰いだ。

和夫「ハァ……ハァ……。美雪ちゃん、まだこれからだからね、と〜っても楽しい夜を過ごそうね〜」

そう言って力が抜けた、朧げな表情の美雪を改めて起き上がらせて、壁に両手をつかせた。

そして、汗ばむ女体を割れ物に触れるかのように撫で回すと、再びニヤリと笑う。

和夫「このおマンコ……最高〜!」

歓喜の雄叫びと同時に、巨棒が美雪の体内に挿入された。

美雪「アアァァ!!」

【21】

体育館には、モニター越しに美雪の絶叫がこだましていた。

道流と誠一は、優衣花と美雪のセックスの激しさに言葉を失っていた。オナニーする手もいつの間にか止まり、ただただ呆然と立ち尽くしていた。

「イヤイヤ犯られちゃって、最後は堕ちる、か。……うん、まあベタだけど、及第点てところかしらね」

そんな二人の様子には目もくれず、薫は淡々と言った。そして、次は優衣花のモニターに視線を戻した。

「あらあら、まだやってるわ。これで何回目よ」

優衣花とジョーは、抱き合いキスをしながら濃厚な交わりを続けていた。

「観て観て、あの子の顔。完全に逝っちゃってるわ。ていうか、本当に妊娠しちゃうわよ、あの子大丈夫?」

多少の心配はしているのだろうか……。薫は、ゴムくらいしっかり着けなさいよ、とトランシーバーを口元に添えて言った。

「意外?」

道流の心中を悟ったのか、薫が問いかけてきた。

道流「いや……」

返答に困っていると、薫は当然のように言った。

「女の子もね、勢いで突っ走っちゃうときがあるのよ。ことセックスに関してはね。そこには欲求不満だったり、精神状態であったり、まっ、色々な理由があるんだけど、後先考えない無意味なセックスをすると、必ずあとで後悔するからね。だからこれは、私なりの優しさよ」

どの口が言っているのか、道流には納得出来なかった。

「火遊びもほどほどにしないと、大火事の元ってね」

薫は満足げに胸を張った。

いや、もとはと言えばこの状況を作ったのは明らかに君達だろ、と道流は喉まで出かけた声を呑み込んだ。

結局のところ、この状況でチンポをおっ勃たせている自分が、そんなこと言えるはずもなかった。しかもオナニーして、射精までしているのだ。

「さて、次が本番ね」

そう言って、誠一を見やる。

「先生はなかなかに変態だから、あなたの奥さん癖になっちゃうかもよ」

誠一は杏花が映っているモニターに視線を運ぶ。一度は落ち着いたはずの胸の鼓動が、また大きくなった。

杏花と二階堂は別館で、指定された物をまだ探していたようだった。

けれど、ある教室に入ったところで、二階堂が話し始めた。

二階堂「この教室にありそうですね。……それにしても、相変わらず懐かしい匂いですね。私の子供の頃は、こういった木造の校舎がたくさんあったんですよ。どうですかな?杏花さんは、幼い頃の思い出を持たれていますか?」

しかし、杏花は恐怖心からかそれどころではなかった。二階堂の話に答えることなく、ただ怯えながらその腰にしがみついていた。

二階堂はニヤニヤと笑っている。いや、反対に失笑しているのかもしれない。

すると、二階堂は優しく杏花の身体を包み込むように抱きしめた。身体を立たせて、しっかりと支えるように。

けれどやはり、目的は介抱ではなく、その色気溢れる身体を触ることだった。

二階堂の手は、腰からゆっくり降りていき杏花の尻を触った。ミニスカートだから、少しでもずらせばパンティが顕になってしまう。

二階堂はカメラの位置を確認する。そして、杏花をカメラに対して横向きになるように仕向けた。

誠一「あ……」

そこで、二階堂の手がスカートを捲り上げた。白いレースのパンティが晒された。

誠一の股間か、再び大きくなっていた。薫がそれを目視すると、

「手伝ってあげようか?」

誠一「え?」

申し出に困惑する。

しかし薫は意に返さず、誠一の股間を手で擦り始めた。

誠一「あっ……」

「遠慮しないで。あなたの奥さんなんだから」

すると突然、バン!という音が映像から流れて来た。

道流と誠一はビクリと身体を跳ね上がらせ、モニターを確認する。なんと二階堂が、わざと机を叩いて恐怖を煽ったのだ。

杏花はより疑心暗鬼になってしまった。二階堂はこれを待っていた、と言わんばかりに後ろから杏花を抱きしめた。

けれどその右手は、杏花の胸をさり気なく揉んでいた。左手は下からタンクトップの中へと入って行く。

誠一「あっ……杏花……」

誠一は無意識のうちに、また自ら肉棒をしごいていた。薫はそれを見て、フフッと声を漏らす。

杏花「さ、さっき凄い音したよ?……だ、大丈夫なの?」

二階堂「ご心配には及びません。だって、私がいるんですから。ほら、力を抜いて、身を委ねて」

二階堂はさらに、手を服の中に押し進めた。

杏花「ちょ、ちょっと……ふざけるのはやめてよ。こんなときにーーー」

するとまた、バン!と何かが叩きつけられる音が鳴った。

杏花「イヤぁぁ!」

すかさず二階堂が、杏花の身体をカメラに向ける。

二階堂「ふふっ。可愛い悲鳴ですね。堪らない。あなたのような美しい女性の悲鳴は、私にとって最高の、忘我の境になりえる」

震える杏花の首筋に、舌を這わせる。

杏花「キャァっ!」

杏花は、影駭響震に陥っていた。

二階堂はそれを嘲笑うかのように、今度はボタンとファスナーを外して、スカートをストンと床に落としてしまった。

モニターに、杏花の憐れもない姿が映し出された。純白のレースのパンティが、月明かりに照らされる。恥丘にうっすらと黒い影が見える。

杏花「いや……もう、やめて……」

二階堂「いい、とてもいいです。その声、もっと聞かせてください」

杏花「お願い……やめて」

二階堂「ハァ……ハァ……やめない。いえ、やめたくありません。もっと、もっと……この美しい身体を」

有無を言わさず、二階堂はタンクトップを脱がせた。白いブラと豊乳の谷間が姿を現す。

そしてパンティを人差し指と中指で挟み込み、グイッと上に引っ張ると、腰が弓なりに持ち上がった。

杏花「イヤっ!」

杏花の破れ目に、パンティが食い込む。その乱暴さに、悲しげな声が漏れる。

モニターには、陰毛がパンティの両脇から覗き、大陰唇がはみ出ているところが映し出されていた。

誠一は今までにないほど身体が滾っていた。底知れぬ興奮が湧き上がり、妻の痴態を食い入るように見つめていた。

二階堂「素晴らしいですね」

その表情は狂気の沙汰だった。さきほどまでの紳士風な面影はまるでない。

誠一の隣に立つ道流は、心がズキズキと痛むのを感じていた。これは明らかに間違っているし、止めるべきだ。それに杏花は親友だぞ?その杏花が襲われているのに……。

けれど、そう思えば思うほどに、肉棒が立ち上がってくる。悔しかった。唇を噛み締めた。射精したばかりだというのに、もう脈打ち膨張していたのだ。

二階堂「実は今日、私はとても酷い衝動に駆られていましてね。本来なら、別の女性でその憂さを発散しようと思っていたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。……ですから、その思いの丈を、あなたに注ぎましょう」

そう言って、突然二階堂は杏花の肩に口をつけた。

いや、よく見ると噛みついていた。

杏花「イヤっ!痛い!」

杏花が逃れようと暴れるが、二階堂の力になす術がない。

二階堂はそのままカメラに向かって、目を細めて笑った。やがて口を離すと、杏花の肩に歯型がくっきりと赤く残っていた。

誠一「杏花……!?」

自分の妻が傷つけられたことに、さすがに誠一もショックを受けているようだった。道流は横で、そう感じた。

「あれえ?」

しかし、薫が言った。

「奥さんがあんなことされたっていうのに、どんどん大きくなってるわよ?あなたって本当に変態ね」

誠一はハッとして、

誠一「いや……ち、違う!僕はこんなことまでしてーーー」

慌てて否定するも、

「なに?違うの?でも、こーんなに興奮してるよ?顔も真っ赤だし。フフっ、素直に言っちゃいなよ。僕の妻をどんどん痛めつけて犯してくださいって」

まるで見透かされているかのような物言いに、誠一は動揺を隠せなかった。

二階堂はその後も、責める手を緩めない。

今度はブラのホックを外した。緩まる瞬間に、杏花がそれを防ごうとするも、二階堂はそれをは許さない。

杏花の腕を無理やり後ろ手に掴むと、もう片方の手でブラを剥ぎ取った。

Fカップの乳房と、ピンク色の可愛らしい乳首が二階堂の眼前に晒された。

二階堂「ほぉっほぉっほ。なんとも素晴らしいおっぱいだ。こんな宝物を隠していたなんて。……さて、ではどんな感触なのでしょう」

舌なめずりをしながら、二階堂は左手で乳房を包み込むように揉んだ。

二階堂「ほほぅ。なかなかに弾力がある。しかしそれ以上に柔らかい。これが巷で言われるマシュマロおっぱいというやつですね」

そう言いながら、法悦の笑みを浮かべる。

杏花はまだ身動きが取れないでいた。悔しいのか、唇を噛みながら必死に耐え忍んでいた。

二階堂はカメラに向かって挑発するように、執拗に乳房を揉みしだいている。

これがサイトにアップされ、不特定多数の男達に見られると思うと、誠一の胸にはえも言われぬ快感の大波がやって来た。

もっと……もっと……。わかっている。こんなことは間違っているということは。でも、止まらないんだ。興奮も、快感も、頭も手も肉棒も、自分のなにもかもが止まらないんだ。

もっと……杏花の全てを見せてほしい。それしか考えられないんだ。

二階堂「では、そろそろパンティも脱いでいただきましょうか」

小鼻を膨らませながら言う二階堂に、杏花は耳を疑う。

杏花「……もう、許して」

潤んだ瞳にはもう光がない。声は哀願へと変わっていた。

二階堂「あぁ、そんな儚い声を出さないでください。鳥肌が立ってしまいましたよ。ゾクゾクと」

すると突然、二階堂は強引にパンティを引きずり下ろした。

杏花「ひっ!?……やめて!イヤ!イヤあ!」

杏花は必死に身体をよじって抵抗した。けれど、

二階堂「やめません!やめません!やめません!そんな顔をされては、私もどんどん虐めたくなってしまうじゃありませんか」

二階堂は開き直るかのようにパンティを足から抜き取ると、杏花の身体を手荒に机の上に押し倒した。

そして杏花の裸体に、荒々しい勢いで唾液を混ぜた舌を這わせた。

二階堂「美味しい。本当に素敵な身体じゃあありませんか。心が躍ってしまいますよ」

杏花「お願い!もうやめてよ!」

その悲鳴にも似た声に、二階堂はまったく反応せず自分の欲望に従うがままさらに舐めまくった。

杏花の全身が唾液で光る。しかしついに、

杏花「イヤっ……助けてよ道流君!」

その言葉に、一気に緊張感が高まった。そして道流が意を決したように走り出した。

ドアを開けて体育館を出て行く道流の背中を、誠一はただただ黙って眺めていた。

やがて、胸にぽっかり穴が空いたような虚しさを感じると、力無くそのまま座り込んでしまった。

「あーおしかったわね。もう少しであなたの奥さん、先生に犯してもらえたのに。ざ〜んね〜ん」

すると薫は、バックから名刺入れを取り出して、

「はい、これ私の。奥さん犯してほしかったら連絡して。あと、その裏のQRコードからサイトに入れるから、ちゃんと観るのよ」

薫はそう言って、名刺を半ば強引に誠一に押し付けた。

【22】

道流が校舎の一角にやって来ると、入口からタックトップを着た杏花が涙目で降りて来た。

道流はすぐに着ていた白いシャツを脱ぎ、杏花の腰に巻いた。

杏花「道流君……もう帰りたいよ」

まるで別人のようだった。いつも馬鹿みたいにおちゃらけて、それでいて強気な杏花が、こんなにも怯えている姿に、道流は戸惑ってしまった。

けれど、すぐに抱きしめて気持ちを落ち着かせてあげた。

道流「大丈夫。もう大丈夫だよ。僕も誠一さんもちゃんとそばにいるからね」

そう言いながら、背中を優しく擦った。肩には二階堂の歯型が残っていて生々しかった。でも見た感じ、一日二日で消えるような浅い跡だった。

道流は杏花を車に連れて行き、後部座席に座らせた。

道流「少しだけ待っててね。今誠一さんを呼んで来るから。あと、服も取ってくるから」

杏花は何も言わず、頷いた。

道流はまず誠一に声をかけた。早くそばに行ってあげてください、と。

そしてそのあとは、二階堂のいる教室に向かった。入ると、二階堂は杏花の下着を顔に押し付けて、匂いを嗅いでいた。

不快。道流は目を背けた。

二階堂「どうでしたかな?あの女性が、か弱い声を上げる様は」

道流「……その下着は、あの子の物ですよね?返していただきますよ」

二階堂「いえいえ、それは出来ません」

思いもよらない返答に、耳を疑った。

二階堂「この下着は、言わば戦利品なのです。御木さんから聞いていませんか?私達は、セックスをした女性の下着を戦利品として持ち帰り、それをサイトに載せるのです」

なら、優衣花も美雪も?

道流「いったい何のために……」

二階堂「当然、リアリティのためです。と言っても、アイデアは全て御木さんが考えていますので、私達男共は、ただ欲求に従って犯すのみ。だからこそ、本当に残念でした。以前に続いて、またしても……」

道流「またしても?」

オウム返しに聞いた。

二階堂「フフッ。私は以前……去年の夏、ちょうど今と同じ時期にこの島にやって来たことがありましてね。まあ、そのときは御木さんやメンバーの二人はいなかったんですが。そこで偶然にも、奥様と旦那様と出会ったんです。ただ、二人は私のことを……当時のことを覚えていないようでしたが」

誠一さんと杏花ちゃんのことか。道流は思った。

そして、あのとき誠一が言葉を切った理由がわかった。

誠一は知っていたんだ。この男のことを。覚えていたのに知らないフリをしていたんだ。

二階堂「一目惚れでしたよ。あの奥様には。だって、あんなに色気溢れる身体ですよ?あなたも惹かれたことはありませんか?」

道流は、杏花と一つ屋根の下で過ごした日々のことを思い出した。たしかに、今までに何度もその魅力的な裸体を想像して肉棒を大きくさせたことはあった。でもそれは単なる男としての好奇心であり、悪戯心のようなもので本気にしたことはない。

しかも道流にとって、杏花は親友だ。そんな親友に対して二階堂のように歪んだ欲望を抱いたことはないし、今までもこれからもあり得ない。

道流「ありませんよ。僕はあなたとは違う」

期待外れだったのか、二階堂は、そうですか、とさも残念そうに返事をした。

二階堂「ふとしたことで、私はあのご夫婦と卓を囲むことになりましてね。そのときに、運命というのは巡り巡って来るのだと、改めて感じましたよ。そう、私と奥様は運命の『赤い糸』、もとい『白い糸』で繋がっているのだとね」

満足げに、二階堂は薄ら笑いをした。

二階堂「ご夫婦とのひとときはなかなかに楽しいものでしたよ。ですが夜も更けて来ると、ご夫婦は夢の中に行ってしまわれまして、私はご夫婦の隣で愉悦に浸りましたよ。フフフ」

薄気味悪い声だった。

二階堂「それからの奥様は、まるで眠り姫のように美しい顔をしていました。その姿に、私は感動にも似た気持ちが溢れていたのです。私は我慢が出来ませんでした。こんな美しい身体をした女性が目の前で眠っているのです。紳士として、王子として、丁重に介抱しなければなりません。これは宿命です。私は長い時間をかけて、奥様を愛撫しました。身体の隅々から指先まで丁寧に」

そこで間を作り、一度天井を見上げた。二階堂はそのときの光景を思い出しているのかもしれない。

続けた。

二階堂「するとどうでしょう。彼女は夢の中にいるはずなのに、ときおり身体を反応させるのです、私の愛撫に。それからも念入りに舌を使って舐めました。奥様は、この世の男達の至宝のような存在だ。私はそんな女性を、独り占めしているのです。興奮しないわけがありません」

いちいち腹が立つ言い方だった。

この人は他人の妻をいったいなんだと思っているのか……。

女性に対する思いやりや感謝などが一切感じられない。さきほどから言葉を丁寧に飾り付けて聞こえをよくしてはいるが、本質はただの変態だ。

道流は奥歯を噛みしめる。

道流「じゃあなんで、そのときはセックスをしようと思わなかったんですか?」

二階堂「ああ、それは簡単な話しですよ、私は声が趣味なんです。とくに女性の悲鳴がね。だからやるからには、乱暴に……言わばレイプをしたいんですよ。そしてその女性から発せられる悲鳴に、私は最大級の快感を得られるわけです」

背筋がゾッとした。イかれている、と道流は嫌悪した。

二階堂「ところによると道流さん、あなたにも奥様がいらっしゃるとか。私には、思い当たる方がいまして……。船で見かけたのですが、小柄で茶色髪のショートカット……」

その瞬間、道流は心臓が高鳴るのを感じた。二階堂はその微妙な変化をを見逃さなかった。

二階堂「なるほど、やはりあの女性ですね。うんうん」

目を瞑り、何度も頷いた。

二階堂「可憐な雰囲気を纏っていて、遠目からでも自然と吸い寄せられてしまいましたよ。ふっくらとした唇は、凄く美味なんでしょうね。それに、服の上からでもわかる胸は、とても豊満で遊び甲斐がありそうだ」

遊び甲斐だと?道流はふたたび込み上げてくるものを感じた。

二階堂「下着の好みはなんでしょう?よければ仕立てて差し上げましょうか?彼女は白が似合うと思うんですよ。もちろんTバックでガーターベルトなど身に着ければ、さらに色気を引き立たせてくれると思うのですが……」

夫である道流を目の前にして、二階堂はせせら笑った。それに言いたい放題だ。もうすでに、二階堂の頭の中で亜樹は裸にされているのだろう。まるで着せ替え人形のように弄ばれているに違いなかった。

二階堂「どうです、この私に味見をさせていただけませんか?きっとお気に召していただけると思うのですが。それとも、ジョーみたいな荒々しいタイプがお好みですかな。ははは」

亜樹が、優衣花みたいに侵される……。道流の頭にその光景が光を放つかのように鮮明に浮かんだ。

不甲斐ないことに、道流は勃起してしまった。

二階堂「ハハハ。いやー愉快愉快。では、もし貴方の奥様と相見える瞬間があるならば、遠慮なく快楽を共有するとしましょう」

道流は無言のまま、床に落ちている杏花のスカートを手に取り、その場を離れた。

二階堂は窓の外に視線を移し、

二階堂「今夜は、月が綺麗ですね」

そう言って、やがて来るであろう瞬間に思いを馳せた。

道流が車に戻ると、すぐにスカートを手渡して、杏花に着させた。

車内には気まずい雰囲気が漂っていた。杏花と誠一はお互いに顔を合わさず、口も聞いていない。

重苦しい空気が、まるで身体にのしかかるようにありありと感じた。

でも、無理もない。誠一は杏花が襲われているというのに、それを色欲として眺めていた。

杏花は夫である誠一の名前ではなく、親友である道流の名前を叫んだ。

……道流が声をかけることが出来ないでいると、

杏花「……道流君。帰ろう」

もう限界なのだろう。杏花は振り絞るようにして声を出した。

道流「そうだね。じゃあ、優衣花と美雪を……」

すると、校舎から二人が出て来た。

ヘッドライトに照らし出される二人の姿には、うっすらと乳首が透けて見えていた。

道流は思わず目を逸らす。

そうだ、二人は下着を身に付けていないんだ。道流は二階堂の言葉を思い出した。

しかしふと気になり、視線を戻した。

美雪の表情がやけに暗かったのだ。うつむき、心ここにあらずという感じで……。もしかしたら、和夫とのセックスを後悔しているのかもしれない。

だが反対に、優衣花は艷やかな表情をしていた。きっと満足出来たのだろう。そこに疑いの余地はなかった。

あの優衣花こそが、もう一人の優衣花であり、本来の欲求に従ったありのままの姿なのだ。でも、優衣花は道流と誠一が見ていたことを知らない。これから、幾人もの男達が見ることも。

道流はまた、胸が痛むのを感じた。棒でグイグイ突かれるような苦しい痛みだ。

優衣花と美雪は、何も言わずに車に乗り込んだ。

道流「誠一さん、お願いします」

そう言って道流が車に乗り込むと、誠一はゆっくりとアクセルを踏んだ。

【23】

旅館の車寄せに停車して、優衣花と美雪を先に降ろした。

道流は杏花が心配だったので、車内に残り最後までついて行くことにした。

車のエンジン音と海から届く波音が、疲れ切った心身を癒やしてくれるようで、そのうちに安心したのか、杏花は眠ってしまっていた。

途中信号が赤になり、車が停車すると、前方を見据えたまま誠一が言った。

誠一「道流さん。今日はありがとうございました」

その礼が、何に対してなのかわからなかった。

道流「いえ……」

単調な返事になってしまったが、その後は一切会話はなく、誠一の家に着くまでお互いに言葉はなかった。

車が、家の敷地に入った。ゆっくりと、車をバックさせ駐車スペースに停車させる。

誠一「道流さん、杏花を運んでもらえませんか?」

誠一は後方を確認しながら言った。

道流「え?」

誠一「僕には、資格がありませんから」

それに返す言葉はなかった。誠一は、今一人で自分の行いに後悔しているのかもしれない。

誠一は車を降りると鍵を開けて玄関の戸を引いた。

道流は杏花の身体を抱き上げて、中に入り、

道流「寝室はどこですか?」

そう問いかけると、誠一は案内してくれた。二階に上がり、すぐ右側の襖を開けた。

そこには一枚の、旅館などで使用されているような真っ白布団が敷いてあった。

道流はゆっくりとその上に杏花を下ろして、布団をかけてあげた。よほど疲れているのだろうか、まったく起きる気配がなかった。

少しの間、普段とは違った面影を見つつ、道流は静かに寝室を後にした。

階段を下がると、木の軋む音が聞こえた。上って来るときはまったく気づかなかったのに。

誠一「道流さん、少しいいですか?」

階下にいた誠一が、神妙な面持ちで言った。

少し、か。道流はなんだか変な感じがした。少しとは時間のことだろうけれど、少しというにはいささか内容が重いし、少しの時間でどうにか答えを出せるものでもないような気がしたのだ。

けれど、誠一の心模様が手に取るようにわかるのは、それはきっと自分も同じ側の人間だからなのだろう。

居間に入ると、すでに座卓にお茶が用意されていた。湯呑から湯気がぼんやり昇っている。道流は座布団に腰を下ろして、湯呑に口をつけた。

誠一「こんなこと聞くのは野暮かもしれないですが……道流さんも同じなんですか?妻が犯される姿が見たいという……」

そう質問しながら、誠一は向かい合い座った。

同じ……。たしかにそうかもしれない。けれど、

道流「そうです。でも誠一さん、僕は違うんです」否定する。

え?湯呑に手を伸ばしかけた誠一が、顔を上げた。

道流「僕はあなたとは違い、自分勝手ではありません。何より、自己中心的な欲望を押し付けて、挙げ句の果てに寄り添うこともしなかったあなたの薄情さに腹が立ったくらいです。誠一さん、妻は物じゃないんですよ」

考えていた以上に、無意識に言葉が溢れ出てきた。

誠一は、羞恥を感じて顔がカッとった。

道流「誠一さん、『僕達のセックス』で一番大切なことってなんだと思いますか?」

誠一はしばらく考えた後に、相手ですか?と答えた。

道流「違います」

キッパリと断言して、

道流「ただ、誤解はしないでください。あくまで僕達のセックスですから……。必要がないわけではなく、妻に甘美な快感に酔っていただきたいなら、しっかりとした知識やテクニックは必要です。ですが、僕達は違うんです」

改めて強調する。

道流「僕達のような性癖は、他人に妻を委ねることからはじまるんです。それがどんなに危険と隣合わせかご存知ですか?一歩間違えれば、それは時として大きなトラブルを招くこともある。そこにあなたの大切な妻を預けることになるんですよ?理解していますか?」

道流は真っ直ぐ、誠一の瞳を見つめながら言う。

道流「だからこそ、一番大切なのは、妻に安心感を与えることなんです」

誠一は、座卓に視線を落とした。

道流「誠一さん、テクニック以前の問題なんですよ。それに、忘れてしまったんですか?あなたが杏花ちゃんと結婚しようと決めたとき、おそらく死ぬまで守り続けると誓ったんじゃありませんか?あなたは自分の欲求のために、自ら守ると誓った人を危険な場所に置いて来てしまったんです。その意味をわかっていますか?」

道流の口調が強くなる。

でもそれとは反対に、まるで暗いトンネルを抜けたかのように、誠一の顔がパッと明るくなったことに道流は気づいた。

道流「たしかに、この性癖の相手は他人であり僕達ではないです。でも、同じです。一緒に繋がっているつもりで、常に心は寄り添って支えてあげなければいけない。そして行為が終わったなら、そっと愛情に満ちた言葉をかけて抱きしめてあげてください。それが、僕達が持っている性癖の証明になります。そうしてはじめて、愛を育むことが出来るんです。……僕はそう思います」

道流はそう言いながらも、誠一が鏡に映る昔の自分と重なって見えた。

今までに、何度も失敗してきた。喧嘩して、怒られて、呆れられて、涙を流した。そういえば、亜樹が出て行ってしまったこともある。

忘れてしまっていたのだ。恋は盲目……いや、欲望に目が眩み、何も見えなくなってしまった。勘違いしてしまっていたのだ。

性を満たせば、愛が深まる。そんなことはない。愛があるからこそ、性を深められるのだ。

いったいどれだけの失敗があったか、気づくまでにどれだけの年月がかかったか。でもたしかに、進むことが出来た。道流は改めて、亜樹に対する思いを再確認した。

道流「……すいません、偉そうに。でも、見て見ぬフリは出来なかったんです。今夜のことが、どういった理由で起こったことなのか、僕にはわかりません。ですが、他人事とは思えなかったから……。だから本気で、誠一さんと向き合いました」

道流にも、しっかりとした覚悟があった。誠一の心の中に土足で入って行く覚悟が。

中途半端な説教はいらない。ここで必要なのは、自覚させ思い出させることだと、道流にはわかっていた。

そこには間違いなく、自分が通って来た道があったから。

道流「誠一さん、僕は今までに何度も妻を他人に抱いてもらいました」

その言葉に、誠一の心臓は高鳴った。

道流「妻の姿……触られて喘ぐ姿、舐められてよがる姿、他人の肉棒をしゃぶって愉悦に魅せる姿……そして、肉棒を奥深く挿入され快楽に堕ちていく姿。どれも素敵な妻であり、そのどれもが、自分が求める愛する妻なんです」

誠一はその瞬間、何かが弾けた感じがした。

誠一「道流さんはとても凄いですね。同じ……似た性癖を持ちながら、しっかりと亜樹さんとの愛を深めている。それに加えて、お互いに深いところまで理解し合っているのですね」

感心したように言った。

道流「まあ、山あり谷ありでしたけどね」

道流は苦笑いをした。

誠一「道流さん、わかりましたよ。僕はきっと、無意識のうちに疎外感を感じていたんだと思います」

疎外感?道流は聞き返す。

誠一「はい。杏花は何でも出来ますから。掃除、洗濯、料理、仕事ですらも。逆に僕は何も出来ません。呆れるほどに。だから、僕なんていらないんじゃないかって、杏花は一人の方がもっと喜楽なんじゃないかって、感じていたんだと思います」

誠一は自分で確かめるように頷く。

誠一「情けない話しですよ、杏花と『はじめて出会った日』のことを思うと。てすがそこに、去年の出来事が起きてしまったんです。それからはずっと、僕は杏花のことを性のはけ口にしか見ていなかったんですよきっと。酷い話しだ」

あまりの情けなさに、自ら首を横に振った。

誠一「でも、道流さんのおかげで思い出すことが出来ました。ありがとうございました」

その表情はとてもハツラツとしていた。

道流「誠一さん、人には向き不向きがあります。決して何も出来ないなんて決めつけてはダメです。少しずつでもいいから、まずは一緒にやってみてください。ちなみになんですが、亜樹は料理がてんでダメでした。でも、一緒に練習したんです。今では僕に変わり色んな料理を作ってくれて、それがまた特別に美味しいんですよ」

道流はそう言いながら、照れ笑いをしてしまった。

道流「もしこの先、また何か悩むことがありましたら、ぜひ聞かせてください。僕でよければ力になりますよ」

誠一は感動していた。もう、湧き上がってくる思いを言葉にすることが困難だった。

誠一「本当に、ありがとうございます」

それが精一杯の言葉だった。

誠一は頭を下げて、冷めてしまった湯呑に口をつけた。道流もそれにつられて、同じくお茶を一口飲んだ。

誠一「道流さん」

誠一は湯呑をコトっと置いて、道流の顔を真っ直ぐに眺めた。

道流が、はい、と返事をすると、

誠一「お願いがあります……」

唐突な申し出に、道流はしばらくの間思考が止まった。

【24】

旅館に戻って来たとき、腕時計の針は十時を過ぎていた。

あれほど暑かった気温も、この時間には下がりだいぶ涼しく感じられた。

エレベーターで三階に昇って来ると、部屋のドアを開けた。亜樹が浴衣姿で布団の上に座りながらテレビを見ていた。

亜樹「おっ、やっと帰って来たね。ただいま」

亜樹はそう言いながら立ち上がり、わざわざ道流の近くまで出迎えに来てくれた。

道流「うん、おかえり。……って逆だから」

道流はサンダルを脱ぎながら、相変わらずの挨拶を交わす。

亜樹「ふふっ。よろしい」

そう言って、二人は部屋の隅に寄せてあるテーブルの近くに座った。

テーブルの上にはお茶を淹れた湯呑と、スナック菓子の袋があった。それは亜樹の好きなお菓子で、事前に買って島に持って来た物。道流はなんだか可笑しくなった。スッと緊張感というか身体の強張りのような感覚がなくなって、まるで我が家に帰って来たときの安心感に包まれた。

道流「テレビはどうだった?面白かった?」

亜樹「うん、とっても。でね、聞いて道流」

そこで一度座り直して、亜樹は改めて続けた。

亜樹「さっき真琴ちゃんから電話があったんだ。なんかね、悪天候で一日目のライブが急遽中止になっちゃったんだって。すっごい残念がってたよ。だから私ね、言ってあげたんだ、ドンマイって。そしたらね、そんな体育会系な慰めじゃなくて、大人っぽいのをください!だってさ。大人っぽいのってなんだろうね」

そう言って、亜樹は笑った。

道流「真琴のことだからね、きっとろくなもんじゃいよ」

亜樹「うん、私もそう思った」

答え合わせをするかのように、二人は笑い合った。

亜樹「それで、肝試しは?さっき優衣花と美雪ちゃんが来たんだけど、なんかパッとしない感じだったんだよね。とくに美雪ちゃんが」

美雪!道流は思い出したかのように目を大きく開いた。

亜樹「ん?どうしたの?」

道流「あ、うん。そっか……。ねえ亜樹、もうお風呂は入ったの?」

入ったよ、と答えた。

道流「じゃあ僕も行って来るね。汗かいちゃったからさ」

亜樹「なら、早く行って来なよ。服は私が仕舞っとくから」

道流「ありがとう亜樹」

そう言って、道流は浴衣に着替えた。

道流「ねえ亜樹、美雪がさ、少し元気がないみたいなんだよね、肝試しに行ってから。だからさ……」

そこで言葉に詰まると、亜樹は間を置かずに、

亜樹「なら、私の可愛い妹なんだから、しっかり責任を持って慰めて来て。大人っぽい感じでいいから」

と言ってくれた。

道流は、ありがとう、と言い残し部屋を出た。

しかし優衣花と美雪がいる部屋の前で、どう切り出せばいいのか迷ってしまった。さきほどの校舎での美雪は、明らかに元気がなかった。その理由は後悔だということはわかっている。

反対に優衣花は、幾分か満足していた。だからその二人の温度差の中で、部屋に入って美雪を慰めるのは、なかなかに気を遣ってしまう。

まあ優衣花のことだから美雪の雰囲気に感づいているはずだけれど……。

道流はあれやこれやと余計に頭を悩ませた。

と、ちょうどそのときだった。廊下の向こうから浴衣姿の美雪が歩いて来るのが見えた。おそらく銭湯の帰りなのだろう。

美雪もこちらに気が付いた様子で、そして察したように歩み寄って来た。

美雪「……道流さん」

ここしかないな、と道流は今しがたの悩みを全て取っ払った。

道流「美雪、良かったら散歩に行かない?」

美雪「え?」

旅館を出て、砂浜をしばらく歩いた。

頭上には眩しいほどに月が輝いている。夜も遅いというのに、空は明るかった。波の音と、砂をサンダルが擦る音が、身体にあった疲れを癒やしてくれた。

ただ、道流は最初の一言をどう切り出そうかずっと考えていた。妙案も思い浮かばなかったので、結局は真っ直ぐ問いかけることになった。

道流「美雪、帰って来てから元気がないようだけど、何かあったの?」

顔色を伺うように、道流はしきりと横顔を覗く。

その視線に気づいているのかいないのか、美雪は苦笑して、

美雪「……あんまり、嬉しいことではないですね」

それは素直な返答だったと思う。

嘘をつくことも、隠すことも出来るのに、美雪は自分の気持ちの断片を見せてくれた。

だが、道流は悩んだ。ここから先を伝えるべきなのかと……。

まるで詐欺師にでもなった気分だった。道流はわけを知っている、校舎での出来事を。美雪はあの和夫という男に弄ばれて、あまつさえカメラにその記録を残されてしまった。

しかも危険な交わりを、優衣花同様に何度も続けていた。

でも事実を話すべきなのか、黙っているべきなのか、道流にはそれがわからなかった。もし知らなかったとしたら……サイトに載るかもしれないという事実を聞いたら、それは相当なダメージになってしまうのも明白だったからで、いくら顔にはモザイクをかける、声はぼかす、そう言っていたとしてももちろんそれが正当化されるわけはない。

ここで話すということは、さらに追い打ちをかけてしまうきっかけになりかねない。

沈黙が続いた。

しばらくすると、海の家までやって来ていた。

ふと思い出したように、道流はポツリと言った。

道流「……美雪の水着姿、見たかったな」

それは言ったというより、無意識にこぼれたという表現が正しかった気がする。

美雪「なんでですか。見たいのは亜樹さんのじゃないんですか?」

道流「そりゃ亜樹も見たいけど、美雪だってきっと素敵だよ。色っぽくて、おっぱい大きくて、触り心地がいいし」

美雪「後半は水着の話しじゃなくなってますよ。本当にエッチですね」

道流「おっと、いけないいけない」

そう言って、二人は笑った。

不思議と空気が軽く、柔らかくなった感じがした。

美雪「……校舎でセックスしました」

つぶやくように、美雪は告げた。

道流「……そっか。ごめん、助けられなくて」

美雪「あ、いえ。違うんです。結局最後は、自分から求めてしまったんです。……本当に変態女ですよね」

自分を咎めているようだった。

道流「ううん。そんなことないよ。僕はとても素敵なことだと思うし」

美雪「道流さんだったら、きっとそう言うだろうなって思ってました」

美雪は失笑する。

でも、それは道流から見た客観的なことで、本人はかなり辛い思いをしているはず。美雪は優しいからそう言ってくれたけれど、無責任な一言でもあったと思う。

道流はどう慰めていいのか、だんだんわからなくなっていた。

道流「ちょっと座ろうか」

海の家には、砂浜にむかってウッドデッキが飛び出している。二人はそこに腰掛けて、海を眺めた。

道流「あんまりこう言うのもなんだけどさ、亜樹だって優衣花だって、自分の性癖に正直に向き合っている気がするんだよね。それってとても難しいことだけど、必要なことでもあると思うんだ。美雪だってそうでしょ?」

進む方向に違和感を感じながらも、顔色を窺いつつ突っ走ってみることにした。

道流「それに変態って美雪は言うけどさ、そもそも性癖って人それぞれ、普通なんてないんだから、だったら変態の定義なんて曖昧なものなんだよ。だから自分を、さも残念そうに変態って決め付ける必要なんてない」

これでどうだ!とばかりに、道流は胸を張ってドヤ顔をした。

美雪はそんな満足げな道流を見て、また失笑する。

美雪「道流さんて、普段の仕事ではまったく自信なさげなのに、こういうエッチな話しだと人が変わりますよね」

道流「いいの。仕事は生活のため。でもエッチは愛のためなんだから」

勢いに任せて言ってみたが、自分でも何の解決にもなっていないことを身に沁みていた。

けれど、そんなよくわからない開き直りに、美雪はフゥと大きく息を吐いた。

美雪「道流さん、少しだけいいですか?」

道流「ん?」

すると突然、美雪は道流の手を引いた。

どこに行くのかと思っていたら、美雪は隣にあるシャワー室に入った。

てっきり鍵がかかっているのかと思ったけれど、どうやら開放されているらしい。

美雪?と道流が尋ねると、美雪は振り返り浴衣の帯を解いた。

浴衣が開き、美雪の肌が現れる。乳首は見えないけれど、豊かな谷間と、縦に丸い可愛いいへそと、そしてリボンが付いている白いパンティが一直線に露わになった。

道流はゴクリと唾を飲んだ。久しぶりに生で見る美雪の身体は、以前より、また一層色気が増していた。

さらに浴衣を脱ぎ、壁に取り付けてあるフックにかけた。

美雪はパンティ一枚だけを残して裸になってしまった。

道流には、美雪が何を求めているのかわからなかった。

美雪「道流さん、私……撮られちゃったんです」

道流「え?」

そう言って、美雪は道流の胸に飛び込んで来た。咄嗟に抱きしめる。

美雪の髪の毛からは、ラベンダーのような匂いがした。ふくよかな胸の感触が心地良い。背中に回した手の平から、美雪の体温が伝わってくる。

道流はよりギュッと抱き締めた。頭に顔を乗せて鼻を擦り付けた。

美雪「勃ってますよ」

道流「仕方ないよ。こんな魅力的な女の子と一緒なんだから」

美雪「……校舎で、和夫さんの目の前で私は服を脱いで裸を晒しました」

道流の心臓がドクンと鳴った。

美雪「その様子をあの人はカメラで撮ったんです。それからこう言いました。これをネットに上げるって。私、その言葉を想像したら、興奮して変になっちゃったんです」

美雪の息が荒くなる。

美雪「それから愛撫をされて、だんだんと気持ちよくなってしまって。そうしたら和夫さんが……言ったんです」

道流「……何を?」

美雪はうつむき、赤面させながら、

美雪「美雪ちゃんのおしっこが飲みたいって……言ったんです」

道流は、身体が海に沈んでいくような気分になった。

美雪「最初は拒んだんですけど、行為が終わったあとにはもう自分を抑えられなくなってしまって……。和夫さんが私のおマンコに口を付けたので……だから……ちょっと……ですけど」

けれど、そんな気分とは裏腹に、股間はギンギンに勃起していた。

美雪は道流の浴衣を開いて、その大きくなった肉棒を取り出して、前後に動かした。

美雪「はじめてでした。こんなに恥ずかしい思いをしたのは。でも、凄く興奮して……それからはもう何をされてもいいってなって……おマンコやお尻もいっぱい撮られて……」

美雪はさらに早く、手を動かす。

道流「あっ……美雪っ……あっ、気持ちいいよ」

美雪「この映像が色んな人に観られるって思ったら、もうわけがわからなくなって……それから頭が真っ白になって……」

すると、美雪はしゃがみ込み肉棒を口に含んだ。

道流「あっ……」

舌先で亀頭を転がされる。電気の波が、頭の方まで上ってくる。

美雪「道流さん……私、いっぱい汚されてしまいました」

美雪は頭を前後させ、肉棒の裏筋から先端まで包み込むように吸い続けた。

唾液と我慢汁が絡み合う。美雪が卑猥な音を立てる。

ジュプジュプ……プッ……ププッ……ジュル……ププ……。

道流「もう……あっ……美雪……出ちゃうよ」

しかし美雪は、上目遣いに微笑んだあと、そっと口を離した。

そして姿勢を変えた。両膝をつき胸を突き出すと、ゆっくり道流の肉棒を谷間に埋めていった。

道流「凄い……美雪のおっぱい」

美雪のパイズリなんて、久しぶりの体験だった。こんなにも強烈なのかと、道流は改めて感動を覚えた。

そろそろ辛抱たまらなくなってきた。絶頂が近付いている。

美雪は躊躇することなく、胸を両手で支え上げながら、肉棒を挟み込み上下に動かしている。

しかも愛らしい瞳で見上げてくれる。道流にはたまらない、至高の瞬間だった。

道流「美雪……もうダメだよ……出る」

道流は背筋を伸ばし、天井を仰いだ。

美雪「いっぱい出してくださいね」

美雪は手の動きを早めた。乳房か激しく弾む。

道流「あっ!……もう出る!」

その瞬間、道流はガクガクと膝を震わせた。

美雪が肉棒を口に含むと、勢いよく精子が飛び出して来た。

美雪は最後の一滴まで絞り取るようにして、ゴクリと喉を鳴らした。

道流「美雪……本当に素敵だよ」

そう言って頭を撫でながら、ニコリと笑って立ち上がる美雪を、道流はまた抱きしめてあげた。

旅館に戻った道流は、亜樹に美雪とのことを一切合切話した。

慰めるつもりだったのに、美雪にフェラしてもらってつい嬉しくなってしまったことや、パイズリが感動的に気持ちよかったこと、上目遣いがこの世のものとは信じられないほど可愛かったことなど。

亜樹は、おいおい、と呆れた様子だったけれど、道流があまりに勢いよく話すものだから、結局最後まで微笑みながら聞いてくれた。

当初の目的は美雪を慰めることだったはずなのに、道流はそのことをすっかり忘れ、いつもの変態に戻ってしまったのだった。

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後書き。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

後編につきましては、またしばらく時間がかかると思います。

ですが、引き続き頑張って書き進めて行きますので、申し訳ありませんが、完成までもう少しだけお待ちください。

よろしければ、続編希望の評価をお願いいたします。

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