大学病院に勤務してからは、前話のようなおいしい話はなく、黙々と診療を続けています。医師として当然ですけどもね。
当時は上半身は裸で聴診するのが一般的ですが、うちの病院では、着衣のまま、聴診器を滑り込ませて聴くように指示されていました。
患者さんへのクレーム対応でしょうか。でも、個人的には服の中へ手をいれる方が、痴漢と騒がれそうで怖かったです。クレームが出た時に証人となる看護婦さんにも、見えていませんからね。
前回同様、また愚痴が出てしまいましたね。話を戻します。
私は小児科ではありませんから、患者は圧倒的に中高年が多く、若い人はあまり来ません。それに前述通り、若い女性が来たとしても、胸ははっきりとは見られません。
せいぜい、ブラをずらしてもらう時に、ポロ◯するのが襟元から見えるくらいです。
そんなわけで、めぼしい話は少ないんですが、数少ない一つを上げましょう。
夏も盛りの時です。
宿題を溜め込みがちな甥っ子の中◯生が、宿題を手伝って欲しいとやってきて、部屋の隅のパーテーションの中で勉強していました。
なんでも、クーラーがあるのと、私にわからないところを聴けるのが良いそうです。英語と理科と地歴が得意な私に、作文だの数学の問題を持ってこられても困るんですが、まあ中学レベルならなんとかなります。
とはいえ、忙しいこっちとしては良い迷惑でした(笑)。
あと、親族を病室に連れ込むなんていうのも、昭和だからできたことですね。
一応、午前中に看護婦さんには伝えておきました。
昼過ぎになります。休憩時間に、わからなかったところを甥っ子にまとめて聞かれた後、交代した看護婦さんと共に、診療再開です。
14時を回った頃でしょうか。浴衣姿の女の子が連れてこられました。
凛とした顔立ちで、和久田麻由子似の賢そうな子です。
16歳、夏祭りに友達と行っていたところ、手足が痺れ、心臓が苦しくなったとのことでした。
安静にして、水を飲んでからは落ち着いたとのことなので、八割方、熱射病(今は熱中症と言います)だろうと見当をつけて、聴診に入ります。
浴衣なのでどうするか一瞬悩みますが、看護婦さんが浴衣を肩まで下ろし、前を開けてくれました。
キャミソールと、その下の白っぽいブラが見えています。
心音を聞いた後は、お腹に移ります。浴衣の襟からは厳しそうなので、下の裾をめくってもらいます。女の子は恥ずかしそうでしたが、看護婦さんにめくられて、ショーツを丸出しにされてしまいます。
ショーツは薄く水色がかった白という、珍しい色でした。
胸の前をはだけて裾がまくられた姿は、淫乱そのもので、可愛い浴衣もさっぱりダメです。
心臓に関する症状でしたので、念のため、心電図も撮ります。
通常でしたら、胸と足首を出してもらえばそれで済みますが、浴衣だとそう簡単にいきません。
上半身裸になるにも、キャミソールとブラは、浴衣を着たままでは脱げませんから。
看護婦の説得を受けて、浴衣の帯を解きます。
浴衣を脱ぎ捨て、さらに上半身の下着を脱ぎ捨てたその姿は、女神のようでした。
ショーツ一枚でベッドに仰向けに横たわり、器具を取り付けられる彼女。
おっぱいに電極を取り付けた時に、身じろぎしました。顔は真っ赤です。
心拍数は高かったものの、心拍に大きな乱れはなく、大丈夫そうで安心しました。
そのことを告げ、明日もう一度来るように言って、診察は終わりでした。
次の患者さんが入ってきますが、その前までに浴衣は着られませんから、ショーツ一枚の彼女は、浴衣と帯と下着を抱えた看護婦に連れられ、パーテーションの方へと向かいました。
すると、「あら!」という看護婦の声が聞こえて、私ははたと気づきました。しまった、甥っ子がいることを午後の人に伝えていなかったと。
案の定、困惑した顔の甥っ子が出てきました。私は廊下に出るように身振りで伝えるとともに、彼の心境を察してかわいそうに思いました。
数分後、看護婦さんがうまかったのか、来た時よりも綺麗に着付けて、女の子は帰って行きました。
夕方、外来を終え、甥っ子と宿題に取り組んでいたときのことです。
私は昼過ぎのことを、彼に謝りました。
年上の女子◯生がショーツ一枚で急に現れたら、びっくりするはずです。
ただ、彼の話を聞いていると、それだけが要因ではなかったようです。
なんと、女の子は彼の中学校で二つ年上だったそうで、バレー部のマネージャーだったことで、甥っ子のバスケ部の手伝いもちょくちょくしてくれてたそうなのです。
顔見知りの男の子に、ショーツを(もしかしたらおっぱいも)見られてしまたかもしれない彼女も、随分と可哀想な目にあわせてしまいました。
翌日、制服姿で、あの女の子は来ました。
病院から数百メートルの、進学校の子だと分かりました。
制服のまま聴診をした後、再度心電図を見るため上半身裸になってもらいます。下は、膝が隠れる丈のスカートのままですが、ベッドに横になる時に膝を立てたその一瞬、白いパンツが見えました。
電極をつけるときに気づきましたが、かわいらしい乳首が勃っちゃってます。脱ぐ前に、前日のことを想像しちゃったのかな?若さを感じます。
心電図のほうも、まったく正常でした。
最後に丁寧にお礼を言った彼女。良い子でした。
余談ながら、甥っ子のことも話しましょう。高◯生になった彼は、医学部を目指すと言いだしました。
私に憧れて、とのことでしたが、私はドラマの外科医みたいなカッコ良い手術はしませんから、もしやあの出来事が変に意欲をかき立てたのではと危惧しました。
しかし、純粋に人の命を救うことに志があったようで、より多くの人を救いたいとの気持ちから、薬学部へと進路を定めましたので、杞憂に終わりました。
旧帝大薬学部を経て、大手製薬会社に就職した祝いに、彼と呑みました。その時、中◯生の頃に宿題を見てあげた話になりましたが、甥っ子が「裸の女性、それも知ってる人が入ってきたときは、びっくりしたなあ」と明かしました。
「伯父さんは覚えてない?」と聞かれましたが、「何千人もいる患者をいちいち覚えられるわけないだろ」とはぐらかしました。
実際には、しっかり覚えてますがね(笑)
甥っ子も同じ高校でしたので、彼女と高校で顔をあわせることもあったそうです。
彼女はとても頭が良く、一年で数人の東大合格者だったと聞かされました。文科一類だったそうです。
それから十年くらいしたある日、ニュースを見ていると、省庁の担当者のインタビューでふと見覚えのある顔を見ました。
マイクを持って話す男の右に座っている女性ですが、紛れもなく、私が診察したあの子でした。
まずは、元患者として元気そうにしているのを喜びましたし、そのあと、スーツに身を包んだ彼女と、高校時代の彼女の姿が重なりました。
彼女が映ったのは少しの時間でしたが、その日は懐かしい気持ちでいっぱいでしたね。活躍されているのが嬉しかったです。
なお、思い浮かべた「高校時代の彼女の姿」というのが、制服姿ではなく、ショーツ一枚で顔を赤らめていた姿だったことは、ここだけの秘密です。