ある少女との物語。
3歳から喘息持ちだった僕は激しい運動を禁止されたため、外で元気にスポーツすることなく、室内遊びが好きな子どもだった。
両親は家業を継いで共働き。2つ下の妹は活発でたくさんの友だちと元気に外で遊ぶのが好きだった。一方、僕は漫画を読んだり絵を描いたりと室内活動が好きで、大人しい目立たない存在感の薄い子だった。
近所の中学校に入学しても、静かな性格は変わらず、地味グループにいた。
部活に入ることが必須だった中学校のため、絵を描くのが好きという理由で美術部に入部した。1年生は女子11人、男子は僕1人だけだった。全学年でみても男子は3年生に2人、2年生0人という、女子だらけの部活。やはり男子にはサッカー、バスケ、野球などの球技に人気があり、文化部は地味に活動していた。
ほとんどの部員は漫画とアニメが好きなため、次第に女子部員たちと打ち解けていった。教室では物静かな部員たちでも、部室では活発だった。共通の趣味のおかげで男女の区別なく仲良かった。
ある時、部員の1人が話しかけてきた。
「三四郎の人物絵のタッチって、漫画家の○○○に似ていない?」
「その人が好きでよく模写しているから、似ているかもしれない」
「人物がとっても上手ね」
「ありがとう」
同級生の栗田さんだった。栗田さんはみんなから「マロン」と言われていた。”栗”田だから。中学生らしい単純なあだ名。
マロンは学校では目立たないグループに属していたが、スタイルの良い、清楚な美少女タイプだったので、隠れファンが多かった。当然目立つグループの美少女は人気だが気も強く、物静かな男子達はマロンが好きだった。マロンが下校中に見知らぬ高校生にナンパされている場面も何度が遭遇した。
マロンとは好きな作家さんの話題で話すようになった。周りの友だちからとても羨ましがられた。奥手だった僕はマロンを女性として意識したことがなく、共通趣味の友だち程度しか思っていなかった。2年生になると、マロンとは一番仲良い友達になっていた。
ある日、マロンから、
「今度の休日にアニメ専門店へ行こうよ」
と誘われた。大型の専門店がオープンするらしい。
「いいよ、行こう」
最寄りの駅で待ち合わせると、制服とは違う白いワンピース姿で現れた。光り輝やいていた。胸がキュンとした。なんだろうこの感覚は。初めての感覚だった。
好きなアニメグッズを買った後に、喫茶店で2時間くらい話した。大きな茶色の瞳、透明感あふれる肌、しなやかな髪、かすかに漂ういい香りなど美少女の条件をマロンは持っていた。ゆっくりと話す、おっとりした性格も良かった。
男女意識しない友だち関係は続いたが、あるきっかけでマロンのことを女子として意識し始めた。
ある日、学校での定期健康診断が終わった後、目立つグループの男子と女子が教室の片隅で話していた。
「ねぇねぇ、あんたが言っていたとおり、マロンの胸は大きかったよ」
「えっ、今日の健康診断で見たの?」
「見たわよ、聴診器を当てる時に。ビックリした」
「どんな感じ?こんな感じ?」
男子はジェスチャーで胸の前に大きな山を2つ作った。
「そんなには大きくはないわよ。でも、キレイな形だったよ」
「グラビアモデルのように?」
「そうね、清楚な顔とのギャップがエロい」
「いいね。何カップあったの?」
「別の子が調べたら、Eカップだって」
「すごい~」
「ちょっと触っちゃたら、すごく柔らかいの」
「羨ましい~」
えっ、そうなんだ。マロンって胸が大きいんだ。気づいていなかった。急にドキドキしてきた。お腹の辺りがジーンと熱くなった。
部活ではほとんど一緒だったし、時々休日に一緒にお出かけした。あれ以来、妙に意識した。変な目で見たらマロンに嫌われると気持ちをぐっと抑えた。でも、マロンが別の人と会話をしている時に、チラチラと胸を見た。制服の上からでも、胸の膨らみはわかった。見たいけど見てはいけないと感じた。
中学2年生の終わり頃に、漫画を一緒に描こうという話でマロンと盛り上がり、2人が好きな学園ラブコメを共作することになった。
「詳しく話をしたいから、明日家に行ってもいい?」
妹はソフトボール部で19時頃まで帰ってこなく、昼間は僕1人しかいないことをマロンは知っていた。
「うん、いいよ」
「じゃあ、お菓子やジュースを持っていくね。作戦会議しよう!」
大好きなマロンが家に来るのがとても嬉しかった。
当日、ピンクのセータ-と水色のスカート姿でやってきた。何を着ても可愛い。初めて女性を部屋に入れるので緊張したが、漫画本、アニメDVD、自作の絵など同じ趣味だらけの部屋だったため、マロンはすぐに喜んだ。
漫画の設定を考える前に、勉強と言いながら、いろんなアニメDVDを一緒に見た。とっても楽しい時間だった。幸せな時間だった。部活がない日は16時くらいから家に来て、18時頃に帰った。僕の部屋が落ち着くためか、徐々に回数が増えた。
意見を出し合い、漫画の構想が固まった。主人公は高校生の男女2人組。男は会話が上手でみんなを楽しませるイケメン。女は男勝りで人情に熱く喧嘩が強い熱血美少女。2人は喧嘩しながらも、学校に起きる問題を次々と力を合わせて解決する、というお話。
「ねぇ、男主人公の名前はどうしようか?」
「そうね、三四郎に真似て”五郎”はどう?」
「カッコ悪いよ、オシャレな名前がいい。この男は人を楽しませるためによくパーティーを開催するから…」
「じゃあ、”パーティー”はどう?」
「いいね。じゃあ、女の主人公はマロンに真似て”ロマン”は?」
「変だよ。ロマンって。でもカタカナがいいな。パーティーの相棒だし」
「じゃあ、”シナモン”とか」
「わたしシナモンの味が嫌い。もっと女の子みたいな名前がいい」
「うーむ、”ナッツ”はどう?ビーナッツのナッツ」
「いいかも、響きが」
「よし、パーティーとナッツに決まり!」
こんな他愛のない会話が楽しかった。そして結局、それぞれの主人公は、自分のなりたい理想像だった。普段は目立たない静かな2人が漫画を通して自己実現しようとした。そういう意味ではお互い似た者同士だった。
だんだんと漫画を作る上での役割がみえてきた。マロンは原作と背景担当、僕は人物を中心の作画を担当。マロンが評するに、
「三四郎の人物画の線はきれいだから」
春休みに入ると、マロンは頻繁に僕の家にやってきた。漫画は第1シリーズのクライマックス、ナッツがライバル校に戦いを挑む回になった。画面いっぱいに多数の生徒に囲まれたナッツが、敵のボスと一騎討ちする、手に汗握る場面だ。僕なりに迫力ある蹴りやパンチシーンを描いた。でも、
「うーむ、なんか迫力がないね。三四郎は喧嘩しないからわからないかもね」
「マロンは喧嘩するの?」
「私もしないけど。何か違うんだよ。迫力というか」
「喧嘩する人物の動きは難しいよ。どうやってキックやパンチを描くかなぁ」
「わかった、私がポーズを取るから描いて」
おもむろに立ち上がり、蹴りのポーズをした。でも、ロングスカートとフワフワのセーター姿ではやりにくそうだった。
「動きにくいなぁ。そうだ、Tシャツと短パンを貸してくれる?」
身長は僕の方が若干高いくらいだから、丁度いいだろうと服を貸した。
「洗面所を借りまーす」
数分後、やや緩めなTシャツと短パン姿で現れた。僕の服を着ていて、変な気持ちになった。
「じゃあ、いくよ。まずは右腕で殴るポーズ」
右腕を前に伸ばして、ストレートパンチのポーズをしてくれた。表情も鬼の形相。でも可愛い。一生懸命にラフスケッチする。
「三四郎が絵を描いている時の目にドキッとする」
生身の人間が目の前でポーズすると描きやすく、ペンに力が入って、迫力あるシーンが描けた。
「三四郎、すごくいいね。さすが上手い」
「マロンがポーズをとってくれると描きやすいよ」
「次は両手を握って拳をつくり、上から降り下ろして敵を叩くポーズね。下から見上げて描いて」
マロンは椅子の上に乗って、両拳を握って振り上げた。
その瞬間、胸が高鳴った。振りかぶった時にひらりとTシャツが大きく開いて、白いブラジャーが見えたのだ。レース柄のブラだった。
「三四郎、ペンが止まっているよ。このポーズを保つのはきついんだから」
一瞬だったけど、初めて見たブラジャー。しかも、マロンの。大きな円錐形が尖っていた。のちにロケット乳という名前を知る。まさにそれ。
「ごめん、今すぐに描くよ」
「じゃあ、もう1回振りかぶるよ。えーーーっ!」
再び大きく腕を上げて仰け反った。ペンを走らせるが、視線はまたもやブラジャーに釘付けだった。大きく振りかぶるから、おヘソもブラ全体も見えた。Eカップってこんな大きんだと驚いた。うちのお母さんはBカップだったから、それより大きい。もちろんブラジャーを描かずにナッツ姿にアレンジして描いた。
「できたよ、見て」
「今度は時間がかかったね。でも上手」
「あ〜、疲れた。ハァハァ。ちょっとトイレに行ってくる」
頭の中ではブラジャー姿のマロンがフラッシュバックした。見てはいけないものを見た気がした。心臓はバクバク。お腹の辺りがモゾモゾして尿意を感じた。トイレでパンツを脱ぐとチ●チンがはものすごく大きかった。こんな状態になるのは初めてだった。オシッコは出ない。
冷蔵庫からジュースを取り出し一飲み。破裂しそうな心臓を鎮めた。部屋に戻るとマロンはいろんなポーズを鏡に写していた。
「三四郎、次行くよ。今度は激しい蹴りだぁ」
大きく右足を上げて蹴りのポーズをした。ほっそりとした長い脚が伸びた。
「今度は正面から。足裏が飛び出す迫力のシーンを描いて!」
僕は正面に座り、足裏を画面にいっぱいに描いた。またもや頭が真っ白になった。ダブダブの短パンから純白のパンティーが見える。真ん中にある小さなリボンも見えた。
「このポーズは一番つらいかも。早く描いて」
もう頭が変になりそうだった。パンティーの白色が脳を浸食した。童貞の僕には刺激が強すぎた。気分が悪い。
「なんか顔色が悪いよ。大丈夫」
「なんか、体調が良くないみたい」
「じゃあ、今日は止めようか。また今度しようね」
マロンは片付けて帰っていった。
僕は爆発しそうな心臓を抱えながら、脳裏に焼き付いたマロンのブラジャーとパンティーをスケッチブックに描いた。完全に再現するかのように描いた。こんな清純な子がもつ、大きなオッパイを包んだブラジャー、大事なアソコを隠す純白パンティーを思いっきり描いた。
その夜は夢を見た。マロンと僕が決闘するシーンだった。彼女はダブダブのTシャツに短パン姿でブルース・リーやジャッキー・チェンのように激しくパンチやキックで僕を攻撃してくる。でもその手足は僕の体をすり抜けた。僕は透明人間だった。
視線の先にはめくれ上がったTシャツから大きなブラジャー見えた。大きく揺れている。そして短パンからパンティーを見せながら、強烈なキックを繰り出して、僕の股間に当てた。次の瞬間、チ●チンの先っぽからビームのように何かがドバーっと出た。
目が覚めると、ベッドに寝ていて、パンツの中が白い液で汚れていた。これが僕の初めての精通だった。