幼馴染だった中学の同級生を妊娠させてからというもの、俺は学校すらロクに行かず必死に働いてきたつもりだった。
20歳でやっと結婚させて貰えて、嫁に指輪とウエディングドレス、それと成人式で着てもらおうと振袖も贈った。
23歳で独立して、金銭的な不自由なんて無いと思えるだけの金額は毎月渡してきた。
それでいい、それだけでいい、それが結婚生活というものなんだと思ってたんだ。
でも思い返してみると、結婚してから15年、一度も
「愛してるよ」
なんて言葉は吐いたことが無い。
会話すらほとんど交わさなくなってるのに、毎朝弁当は作ってくれるし帰れば風呂の用意もしてくれる。
それが当たり前だと思っていた自分が、情けなくなって泣きそうになった。
だからきちんと思いを伝えようと決心してやっと昨日言えた。
久しぶりに帰ってきた娘と3人で晩飯食ってた時なんだけど、いざ言おうと思ったら何故か涙が出てきた。
それを見た娘と嫁が「??」って顔してたけど、半ば叫び声で
「いつもありがとう○○、愛してるよ!!」
と言った。
そしたら嫁号泣。
娘も何故か号泣。
俺は既に号泣。
3人泣きながら飯を食い終わった時の娘の一言が効いた。
「私お父さんの子供で良かった」
だとさ…
俺はもう何も思い残すことは無い。