これは復讐の物語。
俺の復讐には正義なんてありゃしないし、綺麗な話じゃない。ドラマチックな話を求めるのなら他所へ行った方がいい。
これは今から約15年前。俺が高校一年の頃まで話を遡らせる。
中学の頃から成績が振るわなかった俺だが、かろうじて公立の高校へ進学できた。現在はどうか知らないが、当時のそこは私立に進学できないヤンキーの巣窟だった。
ヤンキーじゃなく単に頭が悪かっただけの俺は、そこで平和に暮らす為に交遊関係に全神経を集中させた。
(3年間耐える上辺だけの関係で良いんだ!)と自分に言い聞かせて、どう見ても無能なクズ野郎にも全力で気を遣った。そして何とか学年のカースト上位グループに所属する事が出来た。そのグループは達也という色白の自称喧嘩無敗男が仕切っていた。
俺が思うに達也はかなりの虚言癖を持つ男で、頻繁に嘘臭い喧嘩話を披露した。だが、周りにいる人間もアホばっかりだから達也の話を真に受けて瞬く間に教祖のよう仕立て上げた。それに達也は女にもかなりモテた。
達也は頻繁に自分と関係を持ったいろんな女をグループに引き込んだ。女もあほばっかだったから、達也の女癖の悪さを知っても自分が達也の1号だと思い込んで堂々としていた。周りにいる俺らの事なんてまるで眼中に無いように達也といちゃついていた。別にそれぐらい慣れればどうって事はない。
校舎の隅で代わる代わる色んな女にフェラをしてもらっている達也を見ていた俺は、そんな女達を呆れた目で見ていた。だが、そんな達也もある女と付き合い始めた事をきっかけに、女遊びを一切しなくなった。
その女は赤井華凛(かりん)という女で学年…いや、学内で1番の美人だった。噂では彼女は父親のコネで読者モデルをしているとの事で、すでに芸能界に片足を入れているような女だった。
一応定期的に頭髪検査があるのだが、華凛はずっと茶髪のロングで教師達も彼女だけには何も言わなかった。たしか父親がかなりの権力者みたいな話を聞いた事がある。父親はいやらしいほど下品な高級車に乗って学校にもよく顔を出していた。
彼女にサインをもらっていた教師もいた。もちろんそれを面白くないと愚痴っている人間もいたが、言うまでもなくそいつらは彼女に目を付けられて自主退学に追い込まれていた。もちろん教員は見て見ぬふりだ。
そんな華凛と悪童・達也がカップルになってしまったのだ。俺の嫌な予感はもちろん的中した。
達也は華凛を使って頻繁にハニートラップを仕掛けた。野球部やラグビー部などの女に飢えていそうな奴らをピックアップして華凛が順番に呼び出すんだ。
そして華凛がその男達に「五千円で抜いてあげる」と提案する。もちろん華凛が達也と付き合っている事は誰もが知っていた。だが、あほばっかりだからほとんどの男が華凛の誘いに疑う事なく簡単に乗った。
そしてタイミングを見て動画を隠し撮りしていた達也の子分(俺ら)と達也が登場し、動画を広められたくなければ金を出せ、とゆする。いわば学園版美人局(つつもたせ)だ。
もちろん自分の進路や部に悪影響を与えたくないバカちんどもは余裕で全財産を達也と華凛にはたいた。何ならご丁寧に道連れにできそうな野郎を紹介してきた奴もいた。
そんな手法で得た金なんぞ欲しくはなかったが、俺ら子分に還元される事はなく、達也と華凛の私腹を肥やす為だけに使われたのは言うまでもない。こんなクズ野郎と学生生活を送らなければならない事に嫌気が差したが、自分の身の安全をキープする為にはそうするしかなかった。
しかし、とある日の昼休み。俺と達也と華凛でダベっていた時の華凛の発言で俺の立場が一気に危うくなった。
「ウチさぁ、目黒の顔って生理的に受け付けないんだよねぇ」
「は?」突然すぎる告白に俺は言葉が出来なかった。
「ぎゃははは!言われてやんの!」と達也は下品な笑い声をあげる。
「初めて会った日から思ってたんだけどさぁ、こいつウチの事すっげーエロい目で見てくんだよ。おめーレベルが誘ってんじゃねぇよ不細工が」
「いやいや…一回もそんな風に思った事ないけど」
「嘘つけ!いっつもウチの脚とか尻見てんじゃん!気付いてないとでも思った?」
華凛の言った事は本当だった。でも俺から言わせてもらえば年頃の男子の前で短いスカートを穿いてエロい体をやたら露出させているお前が悪い、と思った。悔しいが華凛は黙っていれば本当に可愛い。噂通り芸能人のようだ。肌も白く雰囲気もエロい。それにとても良い匂いがする。
こいつは俺だけでなく、学内のほとんどの男子を虜にしていた。たまに拝めるパンチラもたまらなかった。だけどここでそれを安易に認める訳にはいかない。
「そ、それはちょっと自意識過剰すぎるんじゃね?」
「はっ、よく言うわ。どうせウチの事想像しながら夜な夜なシコってんでしょ?マジきもいんだけど!」
まさに図星だった。俺は華凛をおかずに数回自慰をした経験がある。
「お前それマジか?」
俺が言い訳をする前に達也が鋭い眼光をこちらに向けた。俺は顔をひきつらせたまま首を横に振る。華凛に対して恐怖心はないが、達也に対しては恐怖心があった。すると達也はすぐ笑顔になった。
「だよな。それが本当なら俺に殺される事ぐらい分かってんもんな」
「うん」ヘタレなくせにプライドが高い俺はこの状況が腹立たしかった。殺すってお前何様だよ!といった感じにだ。
「達也は甘いよ。こんな奴殺しても誰も悲しまないよ」
(このくそアマが……!)
「はは、華凛は本当に目黒が嫌いなんだな。あ、そうだ。何ならお前こいつのちんこしゃぶってやれよ」
「はぁ!?なに言ってんの!?それなら死んだ方がマシよ」
俺はむかついていたが、苦笑してやり過ごすのが精一杯だった。
「やれよ。AVみたいで興奮するじゃん」
「ぜっったいヤダ!!そんなに興奮したいならウチが達也にしたげるじゃん」
「おっ、マジ?じゃあサクッと頼むわ」
達也は俺に目を向けると、顎をくいっと上げて(お前は消えろ)と合図した。華凛には俺がその場から完全に消えるまで睨まれた。俺は消えた振りをして場所を変え、達也達を眺められる物陰の隅へ向かった。そこからスッと覗くとちょうど華凛が達也のちんこを手コキしていた。
なぜそんな事したのか今だに不思議なのだが、気が付くと俺は携帯電話を取り出して達也達を動画で撮っていた。華凛の手コキでギンギンなった達也の赤紫色のちんこを華凛が隅々までキスをした。かろうじて会話も聞こえる。
「うふふ、達也のおちんちんすっごいねぇ」
「お前ほんとちんこ好きだな、いいからさっさと咥えろよ」
「はぁい…んっ…ん」
正直、嫌いな者同士が行っている行為に興味はなかったが、俺は華凛の容姿がタイプだった。この動画を今夜のおかずにでもしようと思った。だけど達也は思いの外早漏で数分で射精してしまった。
華凛は達也の精液を口で受け止め、吐き出す素振りを見せずに立ち去ったから飲んだのだろう。そんなパートナーがいる達也を少し羨ましく思った。
それから卒業するまでの間、俺は幾度となく性的な事をしている2人を目撃した。タイミングが良ければ俺は携帯で2人を動画撮影し、データフォルダには華凛の姿がいくつか存在するようになった。
相変わらず華凛には顔を合わす度に暴言を吐かれ皆の前で恥ずかしい思いをさせられたが、その都度フォルダにおさめてある達也との行為中の動画や写真を見てオナニーのおかずにしてやった。
赤井華凛、お前は俺の事が大嫌いだろうが聞いて驚くな。俺はお前をおかずにオナニーしてるぞ、俺はお前のフェラ顔も知っているし精液をためらいもせず飲むビッチ野郎という事も知っている。何なら下着のローテーションも知っているし生理予定日もおおよそは推測できる。生理中は数日間黒いパンティ穿いてるもんな・・・
卒業を目前に控えたこの頃、俺はおかしくなっていた。それぐらい華凛は俺に対して当たりが強かったし、俺も俺で達也のグループから何とか弾き出されないように立ち回ろうとして疲弊していた。
そして数日後。俺はやっとストレスの日々から無事卒業する事が出来た。式を終えると俺はグループでの最後の写真撮影を無視して逃げるように帰路についた。これでようやくあいつらと関わらないで済む。大学も志望校に受かっていた俺の未来は明るかった。
大学に入ってからも、夏ぐらいまでは達也のグループから頻繁に遊びに誘われたが、俺はそれを全て無視して最終的には連絡先を拒否設定にした。別に家も知られてないし大学も教えてないから会う事なんてないだろう、と。
俺は失った青春を取り返すように大学では遊びに遊んだ。気の合う友人も出来たし彼女も出来た。初めてクラブでも遊んだし、風俗も経験した。クラブで知り合った女に屋外でフェラもしてもらった。
たが楽しい学生生活も就活というイベントが近付くにつれて下火となった。幸い俺は周りより少し早めに対策をしていたので希望していた大手企業へ何とか内定を取り付けた。
そして卒業前に大学の友人達としっかり思い出作りをして俺は大学を無事卒業する事となった。卒業してから入社式までの数週間は実家でダラダラと過ごした。
そして入社式当日。俺達新卒は全国各地から本社のある東京へ向かう。リクルートスーツに身を包んだ新卒は一目で分かった。後に聞くと、この年の新卒は全国で百数十人いたそうだ。
周りを見渡すと、すでに細々と人間関係が構築されつつあり俺は取り残されたくないと焦ったが、選考を一緒に進んだ知り合い数人と合流する事ができた。そして席についてしばらくすると、人事部長が登壇し、新卒に向けて長々としたメッセージを話し始めた。
ぼーっと聞いている者もいれば、熱心にメモをとっている者もいる。落ち着きなく辺りをキョロキョロ見回している者もいた。俺も後者で辺りを見回していると背筋が凍った。後方の席に見覚えのある顔があったからだ。
「え……?」
視線の先には赤井華凛がいた。それも俺と同じ新卒組として。だけどありえない、あいつは頭が悪くて勉強もしなかったし、とにかくろくでなしだ。
父親の権力でかろうじて進級できたと陰口さえたたかれていた。
全身にストレスが掛かるのを感じる。俺は睨み付けるように華凛を凝視した。
そしてようやく人事部長の長い話が終わり、次に新入社員代表の挨拶が行われるとアナウンスが入った。藤堂翼という男が挨拶を行うみたいだ。俺は華凛から視線を外し辺りを見回した。
「はい」
落ち着いた爽やかな男性の声が場内に響いた。視線を戻すと、藤堂の席は華凛の隣だった。厚い胸板に長い足、ほどほどにイケメンで藤堂はまるでアスリートのような男だった。
藤堂が登壇し話を始めると、新卒の全員が彼に意識を集中させた。辺りはヒソヒソと彼の情報が飛び交っている。彼を知らない俺は静かに聞き耳をたてた。
出身校などさまざまな情報が飛び交っていたが、その中でも印象的だったのは彼の父親が会社の取締役の一人だという事。恐らくコネ入社だろうが、別に気にはならなかった。父親が取締役なんだったら別に良いんじゃないか?
藤堂は用意した原稿を長々と読み上げ、その場に居た全員に貫禄を見せつけた。そして皆の視線を浴びながら席に戻ると、隣に座る華凛が藤堂に声を掛けて藤堂はそれに微笑み返した。
俺以外は気が付かないだろうが、俺はピンときた。多分こいつらは付き合っているか、すでに体の関係がある。藤堂に向けた華凛の表情はかつて、達也に向けられていたものと同じだった。
そこから小一時間で入社式が終了したのだが、同期に華凛が居た驚きが頭から離れず、俺は式の記憶があまり無い。式が終わるとほとんどの同期が藤堂のもとへ押し寄せた。もちろん俺のように一人会場を後にする者もいたが、半数ぐらいが藤堂とお近づきになろうとしていた。それは社内カーストが作成されていく合図でもあった。
別室に移り、オリエンテーションが始まる。ここで配属の発表があった。関東、関西、九州の三ヶ所の支店にまんべんなく分割される。関東組の俺は関東の支店に配属が決まった。華凛と藤堂も同じだった。
支店ごとにグループ分けされ、関東支社には38名の新卒が配属となった。担当の人事からグループ内で自己紹介するよう指示があり、俺達は各々ぎこちなく自己紹介を始める。もちろんこのグループを仕切るのは暗黙で藤堂だった。
「じゃあ次の方」
自己紹介は簡単なものが淡々と行われ、ついに俺の番がきた。
「はい、えー…目黒です。宜しくお願いします」
パチパチと小さくまばらな拍手が鳴る。華凛は一瞬だけ俺を見てすぐに次の番の人を見た。
(気付いてないのか……?)
支店が同じでも部署が違えばそれほど顔を合わせる事も無いだろうし、向こうが気付いてないならそれはそれでラッキーだ。俺は多少落ち着きを取り戻し、今後華凛と顔を合わさないような立ち回り方を模索した。
だが、結論から言うとこの思惑通りにはいかなかった。一日のスケジュールを終えると、支店ごとに新卒での飲み会が開かれる流れとなった。もちろん仕切り役は藤堂。
「今日は予定より早く終わったから皆来れますよね?とりあえずお店探しますから出欠だけ確認させて下さい」
俺は周囲を見渡したが、一日を通して少しずつ親睦を深めた結果、見事に全員が乗り気になっている。すると藤堂の隣に居た華凛が俺を指差して言った。
「何も翼くんが幹事しなくていいんじゃない?ほら、あいつにやらせれば?」
華凛は汚いものを見るように俺を見た。もちろん周りにいた全員俺に目を向けた。
「いや、それは彼に悪いよ。つーか知り合い?」
「高校が同じだったのよ。こいつ昔からそういうの好きだから」
「そうなの?君がよければぜひお願いしたいんだけど…たしか目黒君だよね?お願いできそうかな?」
どうやら俺の存在は華凛にバレていたようだ。一瞬断ろうと口を開き掛けたが、周囲も早く自分以外の誰かに幹事をなすりつけたい、という雰囲気が出ており、何でもいいからさっさとやれよ!と言わんばかりの空気だった。
「うん…じゃあやるよ。店押さえるだけだろ?」
俺は藤堂ではなく、華凛に視線を向けながら言った。
「はっ、あんたバカなの?これだから友達のいない奴は。幹事は乾杯の音頭もとるし、皆からお金集めて支払いまで済ませるのよ。もちろん潰れちゃった人の介抱もあんたの役目よ」
華凛の人を小馬鹿にしたような物言いにクスクスと笑い声を上げる者もいた。俺はもういいや、と開き直った。
38名の大所帯だったが、店はすんなりと押える事に成功した。そして18時に全員が店に入る。皆の飲み物が揃った事を確認し、俺は乾杯の音頭をとった。
「えー…今日から我々は仲間です。この先辛い事もあるだろうけど、皆で力を合わせて頑張ろう!かんぱーい!!」
経験上、乾杯の音頭は内容なんてどうだって良い。とにかく元気よく音頭をとっていればそれなりの雰囲気になる。なのに華凛は全員がグラスを掲げる直前に水を差した。
「何それ!?きっも!さっぶー!」
華凛の一言で温まった雰囲気は見事に潰れる。「ははは!!」と一同から笑いが生まれ、俺のキャラ位置が確定した瞬間だった。飲み会が始まり、気が付いた時には全然知らない同期からも話すたび「何だよ!お前きもいぞ!」といじられる始末。気にしない様努めたが腹立たしさが勝り、あまり酔えなかった。
21時を過ぎても飲み会の熱が冷める事はなかった。周囲の客がどんどん入れ替わっていくのにまだお開きの気配がない。トイレから戻って来ない者、座敷に横になって寝る者、延々と自身の自慢話をする者。
輪に入るタイミングを完全に逃した俺は中盤からずっと一人隅の方でレモンサワーをちびちび飲んでいた。そこで手持ちぶさたの俺は全体を見て人間観察に徹した。
やはり藤堂は人気だった。男女問わずほとんどの者が藤堂に近付いて、あれやこれや質問している。聞き耳をたてると、どうやら会社の内部についてあれこれ聞いているみたいだった。
取り残された俺にその光景は嫉妬の念を抱かせる。別に藤堂に何の罪もないのだが、俺はそういうひねくれた人間だ。気分を害したのと尿意が重なり俺はトイレに向かおうと席を立った。当然誰も俺なんか見ちゃいない。
何ならこのまま適当に金を置いて帰ろうか、とも考えたが今後の人間関係を想像したらそれはあまり相応しくない。
廊下を進んで角を曲がり、御手洗いと書かれたのれんをくぐると、女性が一人壁に持たれ掛かって寝ていた。
「えー……マジかよ」
頭を下げて髪で顔が隠れているからパッと見では誰だか判別できない。しかしリクルートスーツだから俺らの一行の誰かだろう。俺は近付いて肩を叩いた。
「おい、こんな所で寝てちゃ…っ!?」
あろうことかそこで寝ていたのは華凛だった。どうやら彼女はあまり酒が強くないらしい。
「おい……おいってば!」
いくら声を掛けようが体を揺すろうが彼女は目を覚ます気配がなかった。
「ちっ……!」
俺は眠る華凛を無視して個室へ入り用を足した。華凛は俺が個室から出てもまだ起きる気配なく眠っていた。最後にもう一度だけ彼女を起こそうと体を揺すってみたが全然起きない。ここで熟睡する華凛を前にし、俺の脳裏に良からぬ事が浮かぶ。
俺の手は眠る華凛の肩から胸元へゆっくりとスライドする。胸のラインを這わせながら一呼吸おいてゆっくりと揉んでみる。華奢な華凛はお世辞にも巨乳とは言いがたかったが、揉み心地はとてつもなく良かった。
薄手の生地のブラのせいか、とても柔らかい。片手で起こさないようゆっくり揉む俺の手は次第に両手
に変わる。
「んん……ちょっとぉ……」
しつこく胸を揉んでいると華凛は反応した。俺は焦って手を離して様子をうかがう。だが、彼女が目を覚ます気配はしなかった。ムラムラした俺は華凛の両脇に手を回して抱え上げて立たせる。そして先ほど用を足した個室へ華凛を押し込んだ。
華凛は便座に座ると少しだけ目を開けた。目が合ってギクッとしたがどうやら彼女はいまいち状況を理解できていないらしい。
「こんなとこですんのぉ……?相変わらず翼はえっちぃ……」
「は?」
翼ってもしかして藤堂の事か?たしかあいつの名前は翼だったよな?こいつもしかして酔ってて俺と藤堂の見分けがついてないのか?本当にそうだとするとこれはかなりおいしい状況だ。
「…華凛、酔いすぎだぞ」俺は普段こいつを赤井と呼ぶが、恐る恐る名前で呼んでみた。
「あはは~…だよねぇ…飲み過ぎちゃったぁ」
「まじか…」あまりの衝撃に声が漏れた。こいつ本当に俺と藤堂の区別がついていない。俺は善は急げと前屈みになり、便座に座る華凛の顔を覗き込んだ。
(こいつ…性格はくそで大嫌いだけど顔はマジで可愛いわ)
顔を近付けても華凛は俺だと気が付かない。気のせいかもしれないがあまり焦点が定まってないようにも見えた。
「なぁに?…あ、わかった!ちゅーだね…ちゅーしよぉ」
「はっ!?……っておいっ…ん!」
華凛は俺の顔を両手で掴んで唇を重ねた。そしてすぐに舌を口内へ侵入させた。
すごく酒臭い。だけど嫌な気はしなかった。それは多分華凛の容姿がタイプだからだ。
「んん…ん……はぁ…はぁ」
「ん…はぁ」
俺と華凛は互いの唾液を交換し合うように舐め合う。これ途中で俺が藤堂じゃないってバレたら終わりだな。と少し縮み上がったが、股間の方は正直でズボンを破いて出そうなほどギチギチに勃起していた。
唇を離すと、見かねた華凛が俺の股間に手を伸ばし「おっきくなったぁ?」と甘える声で訊いた。
「うん、なった。気持ち良くして」
つい流れで言ってしまった。不審がられないだろうか?
「うふ、そのつもりだよっ?」
俺はなぜか藤堂に感謝した。あいつもまともそうに見えてやはり男なのだ。すると華凛は眼前に位置するスーツのベルトを慣れた手つきでカチャカチャと緩めた。
ズボンを下ろすと華凛は「ははは、ちょーでかくなってる」と股間を人差し指で突いた。
俺はこれ以上ないほど硬さを保った股間をパンツを下ろして放り出す。華凛は眼前に放り出された勃起した性器を見て一瞬驚いた表情を浮かべ「可愛いちんちん……」と呟いた。
そして亀頭に軽くキスをし、亀頭に円を描くように舌を這わせる。
「今日のエッチなお汁はちょっと苦いよぉ」
華凛はそう言いつつ俺の性器に舌を這わせ続ける。そりゃそうだろう、だって俺は藤堂じゃないし、それはお前がいつも咥えているチンコじゃねぇもん。
「んっ…はぁ、んんっ」
それからも華凛は止める事なく俺の性器を舐め続けた。彼女はフェラに自信があるのだろう、口を離して何度も「気持ちぃでしょ~?」と訊いた。
「すげー気持ちいい……」そう答えると彼女は満足げな笑顔を浮かべ、次第にフェラが激しくなる。性器は華凛の唾液で光沢を帯びて激しさのあまり唾液に気泡が混じる。
「ああ~…イキそ」
「ん…っはぁ!いいよ…!んっ、出して!!」
「あっ…!イクッ!…はぁ!」
そして俺は、びゅっ!びゅっ!っと華凛の口内へ勢い良く射精した。性器が脈打つ度に華凛は「んんっ!」と声を上げ、精液が口からこぼれないよう受け止めた。
「あはっ!いっぱい出たねぇ…!過去一じゃない?」
華凛はそう言いながら口に溜まった精液を口内でくちゅくちゅと回した。そしてゴクンと飲み込むと眉間に皺を寄せながら「やっぱ今日のは苦いよぉ」と言った。
そして華凛は「よいしょっ、と!」と何事も無かったかのように便座から立ち上がり、フラフラになりながらも「戻ろ~?」と個室から出ようとした。
俺は下半身丸出しの状態で立ち尽くし、出ていこうとする華凛を一瞥する。視線を股間に落とすと、俺の性器はとても射精後とは思えないほど元気に反り勃ったままだった。
酔いと興奮のせいで理性が失われていくのを感じる。俺は華凛がドアノブに手を掛けると同時に彼女の肩に手を掛けた。そして後ろから抱き締める様に華凛を抱き、空いている両手で彼女の胸を力いっぱい揉む。
「ちょっ…!どうしたの?早く戻ろーよぉ…てか痛い!」
俺は痛がる彼女を無視してそのまま抱き上げて便座に手をつかせた。そしてスーツスカートを捲り上げると眼前にライトブルーのパンティを穿いた彼女のお人形さんのように小さな尻が露になった。
「ちょっと…!やめて」
「そう言うわりに抵抗してないじゃん」
そう言い俺は彼女の陰部辺りをパンティ越しになぞる。パンティ越しでも十分分かるほど彼女は濡れていた。
「ああんっ、今日はもうおしまいっ!するんだったら帰ってから……ああん!」
俺は無視して指で陰部をグリグリ押し込んだ。
「口だけで終わりって寂しいじゃん」
「何言って…!ん…いつも口だけで満足してるじゃ…んん」
「そうなの?でも今日は無理だわ」
「はぁ?…そうなのって何…よっ!ああん!」
俺は手早く華凛のパンティを下げる。そして白く小さい綺麗な尻を撫でながら、唾液まみれの反り上がった性器を背後から陰部へと近付ける。
亀頭が陰部に触れるか触れないかぐらいで前屈みになった華凛が後ろを振り返った。目が合い、こちらに微笑む華凛。だが見つめ合って数秒後、彼女の表情は驚きと恐怖に支配されていった。
「え……!?……え?え?……ちょっ、と待って。あんた何して…んの?」
「何って…お前が勝手にしたんだろ」
酔いが冷めつつあるのか、華凛は激昂する。
「ちょ!お前マジで何してんだよ!!翼は!?」
「翼って藤堂の事?藤堂なら皆と楽しく飲んでるよ」
「意味分かんないんだけど!さっきまで居たじゃん!…ねぇ、居た…でしょ?とぼけないで」
「多分藤堂はお前が便所にいる事すら気が付いてないんじゃね?」
「嘘…嘘よ…!もういいからそういうの!冗談ならやめなさいよ!」
俺は性器を華凛の陰部に当てた。亀頭にネチャッとした華凛の愛液が触れる。
「ひっ…!?わ、分かったから!ちょっ、ちょっと待って!!」
「待たねぇ…よっ!」
俺は腰を前に振り、亀頭を華凛の膣へ押し込んだ。
「あああっ!んん!…ちょっとぉ!!ねぇってば!!」
性器が膣へ入り、亀頭から根元にかけてじわ~っと熱を感じる。俺は強く、激しく何度もピストンをした。華凛は体をよじりながら必死に抵抗するが、男の俺に力及ばず、個室の内にはパンッパンッパンッといやらしい音が連続で響く。
「あんっ!あん!……んん!ねぇっ!やめ…って!…抜きなさいよっ!…ああ!」
「今までずいぶん俺をコケにしてくれたな。これはその代償だと思えよ」
「あっ!んっ!なに…言ってんの、っよ!…はぁ、んっ!早く抜いて!」
「達也の彼女になったからって自惚れやがって」
「はぁっ!?…あんっ…あっ!…たつやぁ?んんっ。意味分かんない…」
「……まぁいいや。とにかく俺はお前が嫌いだ。けど、顔は本当にタイプなんだ。だから楽しませてもらうよ。あ、それとハメ撮りの動画まわしてるから変な事したらばらまくから」
もちろん動画なんてまわしていない。
「んだよそれ!きもいんだよおめぇーは!!…ああ!」
俺は華凛を無視して自身の快楽を満たす事だけを頭に腰を振り続けた。華凛は終始俺に対して罵詈雑言を投げ掛けていたが、内容は全く耳に入ってこなかった。
「はぁ、はぁ、出すぞっ」
「あっ、あんっ、無理っ…!きもい…っ!」
「んん!」
「いやぁぁあっ…!!」
俺は華凛を無視して膣へ射精した。彼女はビクッビクッと痙攣しながら便座に顔を当てうなだれた。こちらに向けられた尻から見える彼女の陰部は、綺麗なサーモンピンクでそこから白く濃ゆい精液がねっとりと垂れ落ちていた。
「はぁ…はぁ……マジで死ねっ!」華凛は睨みながら振り返った。
「うっせぇよ、ヤリマンが」
そう言って俺は彼女の陰部に指をクチュッと差し込む。
「はうっ!…?」
「ははっ、お前感度良いんだな。それにフェラもうまかった」
華凛はより一層鋭い眼光で俺を睨む。
「そんな顔で見るなよ、お前はさんざん俺の事をコケにしたんだ。これでおあいこだろ」
「絶対…絶対許さないから…!」
「へいへい。またしような、華凛ちゃん」
俺は再び華凛の陰部に指を入れ、クチュクチュと軽くピストンした。
「ああっ…ん!んっー!」
「反応だけは可愛いな。じゃあ先戻ってるわ」
「死ね……!」
俺が個室を出ると目の前に藤堂が居た。俺は全身から脂汗が吹き出た。
「あれ…?入ってたの目黒くん?かり…赤井さんは?」
「ああ…赤井さんは中で寝てるよ。酔って寝てたから介抱してた。それに出すもの出したからもう大丈夫だと思うけど」
「そっか…ありがとう。さすが同級生だな!」
「はは、まぁこれぐらいは。戻ろう」
藤堂はまだ華凛を気にしていたが、俺が歩き出すと後ろに続いた。それから10分ほど経って華凛が席へと帰ってきた。俺の視線は自然と華凛へ流れる。すると彼女と目が合った。彼女は険しい顔で俺を睨んだ。そして俺に中指を立てた。
それを見ていた数人の同期は「赤井さんて目黒の事マジで嫌いなんだねぇ!おもしろーい」と高らかに笑った。こいつのせいで入社式当日だというのに呼び捨てになってしまった。
俺は腹立たしさのあまり能面のような表情になる。そして股間も熱を帯びて徐々に膨らんでくるのを感じた。