父は保守的で、若い頃は暴走族でケンカばかりして、その武勇伝をひけらかすようなタイプでした。
当時、まだ小学校三年生だった私が、学校でケンカして帰ってくると、勝つまで帰ってくるな!と叱られる。
そんな父と、二人で温泉旅行した時の事です。夜、食事をしたあとに宿の周辺を散歩していたのです。
鄙びた温泉地、父はお酒を飲んでいたせいか?機嫌が良かった。
人通りのない小路を、私の手を取って散歩していると、視線の先に数人がタバコを吸っている。
そこにいるのは、いかにも不良っぽいセーラー服姿のギャル三人組。
「君ら、女子高生だろ?タバコは良くないぞ!」
父は酔っていたので、軽い気持ちで注意したのだと思います。
父も昔は不良だったそうで、彼女たちの気持ちも、多少の理解はあったのかもしれませんが、彼女たちには関係ない。ただのおっさんなのでしょう。
「うっせーんだよ!おっさん。」
父はこの言葉にキレた。
息子の前で、こんな小娘に毒突かれるのは我慢ならなかったのかもしれません。父は気が短い。
「いい加減にしろ!ちょっと注意しただけで、その態度はなんだ!?」
父はそう言うと、女子高生の所に近付きタバコを取り上げようとする。
でも、酔っていた父は足元が覚束ない。それでも、強引に取り上げようとして揉み合いになった。
小柄な二人の女子高生は、父の勢いに押され逃げようとするが、一人だけ長身の女子高生は逃げずにいる。
「おっさん、うぜーな。痛い目に遭いてーのかよ?」
「なんだとお~~!」
その長身の女子高生は、身長175ある父にも遜色ない高さ。
しかし、42才で贅肉があった父は、優に80kgは超えていたと思われ、それに較べ長身女子高生は足が長くモデルのようにスマートでした。
「大人に対して、なんて口を利くんだ!謝りなさい。」
父はそう言うと、女子高生の方にツカツカと歩み寄りました。
それを見ていた小学校三年生の私は、父を怒らせてしまった女子高生が、ちょっぴり心配になりました。
いくら何でも、父は高校生の女の子は殴らないだろうとは思いましたが。
その時までは、あの強い父が、セーラー服姿のお姉さんと取っ組み合いのケンカをして負けるなんて、夢にも思っていませんでしたからね…。
次の瞬間、信じられないものを見ました。近寄ってきた父に向かって、長身女子高生の脚がスゴいスピードで伸びていったのです。
それは父の横っ腹を直撃しました。
「うぐ、、ぐぐぐ、、、」
苦悶の表情を浮かべながらも、父は長身女子高生に飛び掛かりました。
飛び掛かってきた父の膝下を、その女子高生はカウンター気味に蹴ったのです。脚が長いので父は避けきれません。膝を抱えて地面に跪きました。
「お父さーん。もう戻ろうよ!」
怖くなった私は、泣き声で父に向かって叫びました。
振り返った父は、女子高生に対する怒りと、息子の前で女の子に蹴り倒された屈辱で複雑な表情をしています。
「おっさん、子どもの前で女子高生に負けて情けないね。泣きながら一緒に帰りなよ。あはは。」
跪いている父の前で、腕を組みながら仁王立ちしている女子高生は言った。
「負けただとお~油断しただけだ!」
立ち上がった父は、女子高生の蹴りに注意しながら用心深く近付いていきます。逆に女子高生が父に飛び掛かると、父の首を押さえつけ膝蹴りを腹部に炸裂させたのです。
腹を抑えて倒れる父。
あの当時はコギャルという言葉が流行し、長身女子高生のルーズソックスが印象的でした。
セーラー服のミニスカートから繰り出す蹴り、膝蹴りは鮮やかでしたが、高校生の女の子に一方的にやられている父が信じられなく心配でした。
そういえば、長身女子高生は安室奈美恵に似ていましたね。
腹を抱えて蹲っている父を、女子高生は冷たい目で見下ろすと、その背中にサッカーボールキック。
父の背中、腹部、頭部にもコツン、コツン、と、軽く蹴り上げています。
それを背中を丸め頭を抱えて父は耐えていました。まるでリンチです。
一瞬の隙を尽き、父は女子高生の長い脚を捕まえました。捕まえてしまえばパワーは父の方がある。
「キモいんだよ、おっさん。脚に触れんじゃねーよ。」
女子高生は飛び退くと再び倒れている父を蹴り上げました。
まだ幼い?ながらも、私は42才の父がスタミナを無くしつつあるのがはっきり分かりました。それに酔っている。
そんな中年で贅肉だらけの父に較べ、女子高生は別の生き物のように俊敏で、無尽蔵にスタミナがあるように見える。父に勝ち目はありません。
長身女子高生はケンカ慣れしている。
父に脚を触られ怒った女子高生。
仰向けに倒れている父を跨ぐと、そのまま馬乗りになり、数発父を殴り付けました。父は口を切って血を流していました。この体勢になれば、ケンカの勝敗は決したといっていいでしょう。
女子高生は拳を父の頬に当て、そのまな父の顔を地面に押し付けました。
「ひろみー!もうやめなよ。そのおっさん、かわいそうだよ」
ケンカを見ていた、長身女子高生の連れ二人が叫んでいた。
「やめてよーやめてよー!」
馬乗りになって、父を組み伏せている女子高生に向かって、小学三年生の私は号泣しながら許しを請いました。
父に跨り、その贅肉のついた腹の上に乗った女子高生は、ミニスカートの中からチラッとパンツが見えました。
私の父は、セーラー服、ミニスカート姿の女子高生とケンカになり一方的に負けたのです。
自分の娘といってもおかしくない年頃の女の子に暴行を受けた。
長身女子高生は、何を思ったのか?
いきなり父のズボンとパンツを脱がすと、それを私に放り投げる。
「君に免じて許してあげる。お父さんを殴っちゃってごめんね。それを、お父さんに穿かせてあげるんだよ…」
女子高生三人組が立ち去ったあと、私は泣きながら下半身露出の父に駆け寄った。
高校生の女の子に、ガチのケンカで負けてしまった。
それを息子に見られてしまった父はどんなに屈辱だったか?
父はその後無口な男になり、10年後に亡くなった。
私自身も、その後の人生において、あの事件は大きく影響を受けている。
真正マゾ男に..。「」#ブルー