春は順調に育っているようだ。
たまに美香が送ってくれる写真でソレを確認していた。
そういう写真には必ず
「また遊びにきてね・・」と書かれていた。
美香は進学してギン爺ちゃんの所から凄い偏差値の高校へ通いだした。
ギン爺ちゃんにとってもかなり自慢の孫らしい
会うたびに「兄のお前もウカウカできないな!ガハハ」と自分の娘のように自慢するのだから相当入れ込んでいる。
ギン爺ちゃんは引退した今でも県内の教育関係で広く顔が利く人なので、美香のそういう話はそういう席では実に鼻が高いようだ。
御婆ちゃんの話だと母達が実家に戻ってきて富に最近は機嫌がいいらしい。
そういう意味では春や美香も幸せにやっているようで心配はなかった。
余計にそれが明暗を際立たせて両方の家庭を見ている立場の僕は、由紀ちゃんたちに肩入れしてしまうのだった。
僕も高◯生活は順調だ。
実はこの頃高校の女の子とちょっと付き合ったり別れたりを繰り返していた。
部活はサッカー部から陸上部に転向した。
サッカーよりそっちの方が向いていると思ったからだ。
ソコソコ大会で記録も残した。ありがたい事に女の子にはソコソコもてた。
しかし、長続きはしない・・大抵は僕に問題があったと思う。
どうしても美香や理佐ちゃんと比べて本気になれない自分がいたのだ。
相手もソレを感じて徐々に冷めていく。
時には僕から別れを切り出し、時には相手から別れようといわれ、時には自然消滅した。
さて高校3年生になって美香が高2、春が3歳位、由紀ちゃんが小3と時間はあっという間だった。
高◯生活は部活と女の子や何かで忙しいし、2年になれば今度は大学受験と忙しい上に他県の美香とあうのは難しい。
一度せがまれて夏休みに会いに行ったがギン爺ちゃんたちの目もあったし、母は仕事も辞めて一日中家に居るので結局美香も僕も本来の目的は果たせなかった。
色々努力したのだがその努力が無駄に終わり、なんだかふててしまった。
その後結局タイミングが中々合わず、殆どを由紀ちゃんたちと過ごした。
この頃になると由紀ちゃんを由紀と呼ぶようになり、由紀も僕のことを本当の兄のように慕ってくれていた。
美香は、しつこい誘い方はしなくなったがそれでも美香の定期的な電話や手紙は止む事はなかった。
又少しだけ時間が過ぎ僕は県内の志望大学に見事に合格した。
その祝いの席で父が切り出してきた。
「今まで受験中で言い出せなかったが、頼みがある」と。
父の話は財政的に困窮していてその負担を少しでも軽くするために実家に家族で戻ってきたい・・だから僕には悪いが一緒に実家に住むことを許してくれないかというものだった。
僕は二つ返事でそれを快諾した。
もうこの頃になると正美さんに対する変なシコリはなくなっていたし、別に構わないと思っていた。
実際僕はこの頃になると友達の家で集まって騒いだり、休みになると平気でバイト先や部活の友達と何日も遊びに行って戻らないことも多かったからだ。
一緒に住むことになった事を知らされた由紀は、僕の部屋に飛んできて嬉しそうにはしゃいでいた。
正美さんは僕に申し訳ないといいつつも「由紀共々よろしくお願いします」と頭を下げた。
僕が大学へ通いだす直前に引越しが大急ぎで行われた。
引越しというから友達を呼んで手伝わせようか?と父に言ったら「その必要は無いよ・・」と断られた。
「でも、色々重いものも多いだろ、正美さん達じゃ色々・・業者では金も掛かるし・・」と言ったが、正美さんも必要ないのよというばかりだった。
最初は遠慮しているのか?水臭いなと思ったが、実家に荷物を運び込む父達をみて納得が行った。
父の荷物は元々少ない人なのだが家財道具は殆どなく、家具といえば小さいテレビだけ。
冷蔵庫は処分したらしく少ない食器類を除けば正美さんも由紀の荷物も衣類品だけで本当に微々たる物だった。
「処分したの?」と父に聞くと「いや、本当にコレだけなんだ」というのだった。
この時思えば遊びに来る由紀の洋服は毎回数パターンだったと思った。
年の割りに背は小さいし、体が細いのも食費を切り詰めていたからなのかもしれないと気がついたのだった。
改めて父と正美さん達が背負ったものを垣間見て2人はともかくとして罪の無い由紀を不憫に思った。
由紀は初めての自分の部屋と僕のお古の勉強机を貰い喜んでいた。
ただ、元々狭いアパート暮らしで広い部屋に一人は落ち着かないようで、殆ど僕の部屋で過ごし、寝るときも僕が居る時は僕の布団に。居ない時は正美さんや御婆ちゃんたちと寝るようになった。
小さい子供が居ると家が明るくなる。
ソレまで僕と爺ちゃん婆ちゃんだけで何処かガランとした寂しい家に、家族が3人増えてとても賑やかになった。
爺ちゃんも婆ちゃんも心なしか元気になったし、僕も家に居るのが楽しくなった。
美香と一緒に過ごした賑やかな家族が戻ってきたようだった。
由紀は新しい学校に少しずつなれて行き、毎日楽しそうに学校であったことを食事の時間に聞かせてくれた。
宿題を見てあげたり一緒にテレビを見たり一緒にお風呂に入ったり、家に居る時は大抵遊んであげた。
僕と由紀はすっかり兄妹になっていた。
僕が大学生になり、ほど無く父家族と実家暮らしになって数ヶ月。
なんとも異質な僕達は意外なほど上手く行っていた。
正美さんは何かと僕に気を使ってくれ逆にこちらが恐縮するくらいで、何より由紀は本当に良い子でとても良く慕ってくれる。
離婚からずっと何処か暗い顔をしていた父や祖父達も元気になって、随分笑顔が戻ったと思う。
最初は良い顔をしなかった親戚達も行事のたびに頑張る正美さんに、少しではあるが対応が柔らかくなったようだった。
何より由紀はこちらへ引っ越してきてから経済的に楽になった分、少しポッチャリしてきて健康的になった。
「あの子良く食べるようになって太りすぎるわ・・」と正美さんが心配するくらいに美味しそうにご飯を食べている。
僕は、元々痩せ過ぎて体も小さかっただけにこの位でも良いと思ったのだが、正美さんは少し心配していた。
コロッケとご飯を頬張って幸せそうにしている由紀。
僕は隣でホッペに付いた米粒をとってあげているとニコニコ笑いかけてくる。
ソレを見ていた正美さんが冗談で
「由紀~wあんまり食べ過ぎておデブになるとお兄ちゃんに嫌われるよ」
「由紀おデブじゃないもん!」
「由紀おデブじゃないよね!?」
由紀が必死で同意を求めてくる
「うん、由紀はおデブじゃないよw」
「女の子はこの位でいいよ」と父。
「最近あの子お洋服が入らなくなってきてるのよ」と正美さん。
「成長期だから仕方ないねぇ」お祖母ちゃんがシミジミといいます。
「でも、そろそろ服もくたびれて来たし新しいのを揃えないとな」
と父が正美さんに言います。
「今度近くのデパートに連れていくつかお洋服選んでくるわ」
「デパート行くの?!」
そのやり取りを聞いて由紀ちゃんはその場で飛び跳ねるように喜びます。
何時も生活を切り詰めてきた正美さんや由紀にとって、デパートはとても凄いところだったのです。
食事が終わった後も由紀はよほど楽しみなのか、僕の膝の上でテレビを見ながらデパートの屋上でアイスを食べるとか、前にニチイに行った時は、あの服を買ったとか話してくれました。
ところが、予定していた日になって急に親戚に不幸があり、祖父も祖母も父も正美さんも揃ってお葬式の手伝いなどで家を空けることになったのです。
楽しみにしていた由紀は当然朝から大泣きです。
提出する論文の締め切りギリギリで徹夜明けの僕の所に由紀が泣きながら飛び込んできました。
「由紀!我侭言わないの!」
「デパートは来週連れて行くからね」と正美さんや御婆ちゃんがなだめるのですが、1週間この日を楽しみに待っていた由紀は聞きません。
そんなやり取りを見ていて僕はひらめきます。
「デパートには僕が連れて行くよ」
「どっち道、葬式に由紀は連れて行けないんだろ?」
「俺も時間あるしどうせ由紀と2人でご飯だから外で食べるついでにデパート行ってくるよ」
「いいの?優さん徹夜で疲れているんじゃない?」正美さんが遠慮深く言います。
「しかし、お前女の子の着る服とかわかるのか?」
と父が言います。
「大丈夫、なんなら大学の女の子誘って行くし」
由紀が無言で僕の足元でギュッとズボンを掴んできます。
「それじゃあ優に頼むか」と父。
「優、頼むよ。わし等の分も買ってやってくれ」と祖父が財布からお金を出そうとします。
「そんな、おじいちゃん困ります。お金は私達で十分に・・」
正美さんが焦ります。
「孫にこのくらいの事はさせてくださいよ」お婆ちゃんは優しく正美さんに言います。
しばらくお金のやり取りでモメたあと、父と祖父達から食費と洋服代を預かりいくらか小遣いも貰いました。
「子供の服って結構高いから選ぶ時は出来るだけ大きめのサイズでね」
と色々と正美さんから教えて貰います。
由紀はデパートに行けるとなるとすっかりご機嫌に戻り、嬉しそうに着ていく服をタンスから出して嬉しそうにしています。
イソイソと準備すると一足先に父の車で皆出かけていきました。
僕は軽くシャワーを浴びて遅い朝食を軽くトーストで済ませ、すっかり準備を整えた由紀ちゃんと2人で電車で都内のデパートを目指します。
デパートは大学の近くにあるので途中友達の女の子の何人かに電話をかけ事情を説明すると、たまたまデパートの近くで遊んでいた先輩の加奈子さんが捕まった。
加奈子さんはショートカットで下はジーンズにシャツという動きやすいスタイルが多いサバサバした人で男子にも女子にも人気がある。
姉御肌で面倒見が良く、下ネタとかでも笑ってくれるタイプのおもしろい人だ。
「よー優!可愛い子だね!何処からさらって来たの?」
待ち合わせのマクドナルドで由紀と2人シェイクを飲みながら話していると、急に後ろから首に腕を回されヘッドロックをかけて登場した加奈子さん。
何時もこうして急に人を驚かしたり、何かとスキンシップの多い人なのだ。
「もー先輩そんな大声で人聞きの悪い事言わないでくださいよW」
僕は周りの視線を感じて慌てて大声で訂正します。
「ハハwごめんごめんw」
そう言いながら僕を奥の席に押し込めるように押して隣にドカドカと座ってきます。
「もー先輩そんなだから男が出来な・イテッ!」
無言で太ももをつねってきます。コレが加奈子先輩の得意技です。
そんな僕と加奈子先輩とのやり取りを見ていた由紀は、よっぽど面白かったのかクスクス笑っています。
「はじめまして優の彼女の岩瀬加奈子ですw」
「ちょっと先輩何言ってんすか!」
加奈子先輩は冗談を言いながら由紀と握手をします。
「へへw」
由紀はこの面白い先輩が気に入ったらしく嬉しそうに自己紹介します。
加奈子先輩はこういう感じで誰とでも直ぐに仲良くなってしまう変な魅力があるのです。
という事で3人で早速デパートに行きます。
加奈子先輩と由紀はすっかり仲良くなり、デパートの中ではあっちがいいコッチがいいと2人して僕を引っ張りまわしては、服やアクセサリをつけて、あーでもないこーでもないとはしゃぎます。
女の買い物というのはアッチコッチいくのですが中々決まらないもので、同じ店を行ったり来たり、あっちが良かったとかコッチが良かったとグルグル回るのです。
そういえば美香や理佐ちゃん達と買い物行く時もこんな感じだったなぁ。と思い出します。
「ねーどっちがいいと思う?」
黙って付いて回る僕に突然加奈子先輩が振り返って聞いてきます。
来た・・と思いました。
「えーと・・コッチかな・・」
ドキドキしながら言います。
「えーコッチ?」
(やっぱりな)と思います。
この場合ドッチと答えても余り良い結果にならないのです。
正解のない二択を男に選ばせるのは辞めて貰いたい。
そもそも本人がどっちかと決めかねているので正解が無いのでドッチを選んでも結局迷うのです。
加奈子先輩と由紀は2人で楽しそうに洋服を選んでいきます。
色々選び終えてそろそろ予算がつきかけてきたところで由紀があるワンピースの前で立ち止まりズーッと見つめているのです。
綺麗なフリルの付いた白いワンピースです。
「由紀コレがほしいのか?」
「・・・・・」由紀は黙っています。
「でもコレ凄く高いよ・・ここのテナントはキッズブランドだし」
加奈子先輩が店の名前を確認しています。
案の定値札は今まで見て回ってきたお店より0が一桁多いのです。
「お母さんも言ってた・・ココは高いからダメだって・・・」
由紀は前に来た時もここのお店の服が気に入ったけど、正美さんに高いからダメだよといわれたのです。
「どうしよう・・優君に言われた予算ももう殆どないよ?」
加奈子先輩が耳打ちします。
しばらく沈黙が続きましたが、由紀は何を言うまでも無くすっと立ち上がると、僕の手を握り「お兄ちゃん行こう・・」といいます。
僕達は3人で屋上のレストランで昼食を取ることにしました。
3人でハンバーグやスパゲティを頼むと今日買った服などの話題で楽しそうにしています。
「・・・・・・」
注文していた品を由紀が美味しそうにほおばるのを見ながら僕はさっきのワンピースを見つめる由紀の横顔を思い出していました。
僕は2人より先にスパゲティを片付けると加奈子先輩に由紀をお願いして席を立ちました。
「お兄ちゃんおトイレ?」
「うん、ちょっと行って来るから加奈子先輩と待っててな」
「うん!」
「きばってねーw」加奈子先輩はケラケラと冗談を言います。
「やだお姉ちゃんw」
ソレを聞いて由紀も笑います。
僕は急いで階下に下りるとATMを探します。僕は自分のバイトで稼いだ貯金からいくらかをおろします。
かなり厳しい金額ですがまたバイトして稼げばいい事だと思い決心しました。
レストランに戻ると二人はハンバーグを食べ終わり、今度は一つのどでかいパフェを2人で突ついていました。
「先輩そんなの食うと太りますよ?」
「お、お帰りw遅かったねぇw出た?」
「物食いながらそういう冗談辞めてくださいよw」
「大丈夫だよ。私幾ら食べても太らないし」
「いいなぁ・・」由紀が羨ましそうに加奈子先輩を見ます。
「由紀ちゃんはそんなに太ってないでしょw可愛いよw」
「本当?!」由紀が嬉しそうに言います。
「うんwだから優に気をつけなよwロ◯コンだからw」
「ちょ!先輩何言いだすんですか!」
「だって私みたいな大人の魅力全開の先輩を前にしてちっともその気にならないじゃないw」
「本気で言ってんですかw」
「へへw」
「お兄ちゃん何か買ったの?」
由紀が目ざとく僕の握っている紙袋を指差して言います。
「うん、一寸ねw」
「何なに?何をかったの?」由紀が興味深々で聞いてきます。
「秘密w家に帰ったら教えてあげるw」
僕は由紀の驚く顔が目に浮かびニヤニヤしてしまいます。
「はは~んw」
紙袋のロゴを見て加奈子先輩が意味深に言います。
「やっぱりロ◯コンだ・・」
加奈子先輩がニヤニヤしながらボソッといいます。
それから夕方近くまで3人で先輩のおごりで映画館に行ったりして過ごし、寝てしまった由紀をおんぶしながら加奈子先輩と駅で別れます。
別れ際「いいお兄ちゃんしているみたいじゃんw」
と加奈子先輩は肩を軽く叩いて反対側のホームへ
「今日はありがとうございました!」
後姿に声をかけると、無言で手を上げて男前に答えてくれます。
多分後日色々おごらされるんだろうなと思いました。
沢山の紙袋と由紀を背中に抱え何とか家に戻ります。
はしゃぎ疲れて眠る由紀をベッドに寝かせると、自分も流石に徹夜明けの疲れで眠くなってきてしまい由紀と2人でベッドで寝てしまいました。
何時間過ぎたのでしょうか、外がすっかり暗くなった頃、ふと目が覚めます。
「由紀?」
隣に由紀が居ません・・何時起きたのでしょうか?
僕は心配になり1階に下ります。
「由紀~」
家の中で呼ぶと由紀がリビングから走ってきて抱きつきます。
「どうした?」
由紀は何処か不安げで怯えています。
「知らないお姉ちゃんが・・」
由紀が泣きそうに言います。
由紀と手をつないで僕はリビングへ行きます。
リビングには見覚えの無い女物の大きなバッグが置かれています。
皮製でブランド品の立派な奴です。
台所からはカレーのようなにおいがしてトントントンと包丁がまな板を打つ音がしています。
僕は恐る恐るリビングを抜けて台所へ行きます。
その女性は台所で実に手際よく料理をしていました。
ポテトサラダにカレー、そのほか沢山の料理がテーブルに並んでいます。全部僕の好きなものです・・
女性は僕に気がつくと振り返ります。
凄く高そうなブランドの服の上に見慣れたあのエプロンドレスを着て、何処かの雑誌のモデルのように綺麗に髪をセットし化粧も完璧な美香がそこに立っていました。
1年以上ぶりでしょうか・・
本当に久しぶりに見た美香は何処かの女優のように綺麗で目にした瞬間息を呑みました。
余りにも研ぎ澄まされた美というのは時に刃物のような鋭利さで見るものを刺す・・といえば言いのでしょうか、美香の綺麗さは臨戦態勢を感じさせるくらいに鋭く感じます。
何のためにソコまで研ぎ澄ますのか・・そこが美香の怖さなのです。
「ごめんなさい、久しぶりに遊びに来たら誰も居なくて。カギはいつもの所だったから勝手に上がらせてもらったのw買い物行ってる間に優帰って来てたけど凄く疲れて寝てたし、それで暇だったから優に食べさせたかったものを色々作ってたら止まらなくなっちゃったw」
美香はニコニコとなんでもないかのように話します。
「皆葬式で出かけてるんだ。もう直ぐ帰ってくるんじゃないかな」
「そうなんだ・・あの人たちも?」美香が冷たく言います。
明らかに僕に対するトーンと違います。
「うん・・」
「一緒に住んでるんだ」
「うん・・・」
「全然知らなかったよ」
「うん」
由紀も僕の様子が可笑しい事を悟ったのか握った手をギュッとして不安げにしています。
「そうそう・・優がおきてくる30分くらい前から私の事後ろで見てたんだけど・・その子・・何?」
美香が明らかに冷たい目で無感情に由紀を見て言います。
「・・・・」
「その子があの女の子供?」無感情なトーンで言います。
「そんな言い方はよせ!妹だぞ!」
「・・・・・・・フン・・・」
美香はそれ以上何も言わずにきびすを返すとトントントンと料理の続きを始めます。
「お兄ちゃん・・あのお姉ちゃん怖い・・」
由紀が怯えてコッソリ言います。
その時家の外で車が止まる音がして程なく玄関の扉が開き
父達が帰ってきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「よぉ~優!由紀ちゃんは喜んでいたかね?」
予定の講義を終えて荷物をまとめていると加奈子先輩が声をかけてきた。
「あ、こないだは助かりました。」
「まあまあw可愛い後輩の頼みだし良いってことよw」
おばちゃんみたいに手をヒラヒラさせながら加奈子先輩は笑った。
「ははw」
2人で廊下に出ると話をしながら本館の方へ歩きます。
「まあ、どうしてもお返ししたいなら飲みに連れてってもらおうかな~」
「いいですよまたサークルの連中誘っていきましょう」
「んw・・それで由紀ちゃん喜んでくれた?」
飲みにいく話を軽く頷いたあと話を切り替えるように先輩が言う。
「あ、・・ああハイw」
僕は一瞬本当の事を言いそうになって焦ってしまった。
加奈子先輩というのは常に自然体なので付き合うこちらも自然にガードが下がりツイツイ本音を言ってしまいそうになる。
僕のように秘密が多い、特にいえない秘密が多いタイプには結構気の抜けない相手だ。
「そうかそうかw良いお兄ちゃんしているねぇw」
幸い気がついていないのかニコニコ頷いている。
「まあ、年が離れてますからね可愛いですよ」
「そっかー私は兄妹いないからねぇ羨ましいねぇ」
「先輩世話焼きなのにねw」
「やっぱそう見える?」
「見えますよ。しっかりしているじゃないですか」
「・・・まあそう見えちゃうよねw」
「?・・ああ、で、どうします?希望の日があればその日に調整して仲間集めますけど?」
「え?何が?」先輩が行き成り何の話か解らないという顔で聞いてくる。
「や、だから飲み会ですよ」
「あ、ああちょっと今わかんないやwそのうち又連絡するよwじゃね!」
「あ、そうですかじゃあメール又下さい」
「んwじゃねw」
そう言うと先輩はまたヒラヒラと手を振って別館の方へ戻っていきました。
(危ない危ない)
先輩の後姿を見送りながらこないだの夜の出来事を危うく先輩に相談しそうになった自分に冷や汗をかいていました。
美香と僕の関係をどうやって他人に相談するんだ。
今の僕の状況を他人に説明するなんて自殺行為に近いじゃないか・・
そんな事を思いながら僕は駅前のレンタルショップに歩いていきます。
そこは大学からも近くサークルのOBの紹介などで同じ大学の子も多数働いています。
その日はそこで働く友人の都合が悪くなり、そこの店で以前働いた経験がある僕が代わりに3時間だけ働く事になったのです。
元々その友人にこのバイトを紹介したのが僕なので、店長も軽く了承してくれました。
元々は困った友達の代わりではあったのですが、今の僕は少しでも家に戻るのが遅れるほうが助かると思い進んで引き受けたのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
美香と台所で1年と数ヶ月ぶりに顔を見ながら直接話したあの日。
美香に圧倒された僕は美香の只ならぬ迫力に怖がってすがりつく由紀に何も言ってやれず立ち尽くしていることしか出来ませんでした。
美香がアレだけ憎んでいた相手とその子供と仲良くして実の妹である美香や春とまともに顔を合わせていなかった自分。
由紀が可愛そうでどうしてもそっちにかまけていて、いつの間にか父のように美香や母や春を見捨てたように2人と一緒に生活していた自分・・・
美香から見れば裏切りとしか言いようがない状況でした。
無言で料理を続ける美香。
そこに父と正美さんそして爺ちゃんと婆ちゃんが帰って来ました。
料理の臭いに初めは僕と由紀が自炊をしていたのかと誉めた父でしたが、由紀が駆け寄って父にしがみ付き、台所ののれんから美香が怖い顔でリビングに顔を出すと父も正美さんも暗い表情になります。
「おう・・美香か。よう来たねぇ」爺ちゃんが孫娘の顔をみて喜びます。
「お爺ちゃんお婆ちゃんお久しぶりです。」
脱いだエプロンドレスをソファーに掛け、丁寧に挨拶する美香は僕より数段年上に見えます。
「ほんとうに美人になったねぇ・・お母さん似だねぇ」
お婆ちゃんがシミジミいいます。
「う・・ん久しぶりだな美香・・」
心配そうにする由紀を抱きかかえながら父が搾り出すように言います。
「別に貴方に会いに来たわけじゃないんです。」
その一言を冷たく跳ね除ける美香。
さっきまで爺ちゃん婆ちゃんに向けていた柔らかい表情からスッと能面のような無表情さで父とその後ろの正美さんを見ます。
「今日は泊まっていくのかい?」婆ちゃんが美香に切り出します。
「はい、兄に相談があるのでそのつもりです」美香がにっこり答えます。
本当に素早い表情の切り替えです・・徹底しています。
「いいですか?お爺ちゃん」
「ああ、可愛い孫が遊びに来たんだ構わないよ」
爺ちゃんも婆ちゃんも嬉しそうに頷いています。
「よかったwすっかりそのつもりで準備して来ちゃったからw」
「皆晩御飯まだでしょう?」
「待ってる間に色々作ったんだよw皆で食べましょう」
「お兄ちゃんの大好きなものいっぱい作ったんだよw」
「美香の料理か。楽しみだねぇ」爺ちゃんが嬉しそうに言います。
「お兄ちゃんもほら!」
「あ、ああ・・」
「それから・・貴方達もね」
美香は父達に冷たく言うと準備をするために台所へ戻っていきました。
それからの食事はまさに地獄でした。
目の前にはかつて僕が大好きだった料理が並び、本来なら美味しく嬉しいはずなのですが、もうその空気たるやピリピリして味どころではありません。
旨い旨いと空気を読まない爺ちゃんと婆ちゃんだけがにこやかに美香と会話するのをヨソに、父や正美さんは固い表情で終始緊張していました。
美香は美香で父や正美さん・・そして由紀は居ないように会話します。
そんな只ならぬ緊張感を幼心に感じたのか、由紀も美味しいはずの料理に殆ど手をつけず、終始僕の影に隠れるように小さいお茶碗を持ってうつむいて遠慮深くしていました。
「ほ、本当に美味しいわ・・美香さんってお料理ジョ上手なのね・・」
正美さんが意を決したように美香に言います。
「別にこの位普通ですよ、“私の母”が得意なものばかりですから」
笑顔でさらっと答えましたが目が笑っていないし、私の母というくだりに異常な迫力が篭っています。
「ほんに、美香のお母ちゃんは料理上手だったもんねぇ」
婆ちゃんが空気を読まずシミジミいいます。
「ま、正美さんも結構上手だよね、料理」
ションボリする正美さんを見て僕は思わず言ってしまいます。
「そうなの?お兄ちゃん」
内心(しまった・・)と思いました。
にこやかに僕を見て言ったように見えますが、またも美香の目は笑っていません。
「正美さんの得意料理ってなんですか?」
相変わらず笑ってない目で美香が言います。
「あの・・コロッケとか・・」正美さんが遠慮深く言います。
「マ、ママのコロッケ大好きだよ・・」黙ってた由紀が正美さんが心配になったのか精一杯声を出して美香に言います。
「ふーん・・・あ、このアスパラ巻きお兄ちゃん大好きだったよねw」
一瞬由紀を見た後なんでもないように話始めます。
「あああ・・」
思わずアスパラ巻きを美香の言われるまま箸でとって食べます。
「どう?またアレから色々勉強して随分美味しくなったってギン爺ちゃんにも誉められたんだよw」
「ああ・・うん・・美味いよ」
本当はもう味なんか解りません・・ひたすら早くこのイベントが終わることを望んでいました。
「あ~でも困ったねぇ。お布団はあるけど場所はどうするね?」
婆ちゃんが思い出したように言います。
「由紀の部屋があるからそこでいいじゃろ、由紀は優ん所にでも寝させてもらえ」爺ちゃんの何気ない一言でしたが、美香の表情が一瞬ピクッと成ったのを僕は見逃しませんでした。
その反応を父も見ていたのかすかさず、
「美香は、優に相談ごとがあるんだろう?由紀はお父さん達と寝ような~」
と言いましたがそれでは余計に逆効果です。
由紀と僕が日ごろ一緒に寝てることをばらしたようなものです。
父としてはお兄ちゃん子の美香に気を使ったつもりでしょうがやぶ蛇もいいとこです。
「悪いけど由紀ちゃんそうしてくれる?お姉ちゃん優お兄ちゃんに相談したいことがあるんだぁ」
美香がまた笑ってない目で由紀に言います。
「・・・うん・・」由紀は美香におびえ、顔を見ないようにうつむいてしまいました。
そんなこんなで地獄の晩餐が終わり、食器洗いと片付け位しますという正美さんの申し出を美香は冷たく「結構です」と切捨て一人で素早く片づけを済ませてしまいます。
「美香お風呂入り、疲れたろ」
リビングに戻ってきた美香に婆ちゃんが言うと、
「ああwお風呂はね、前に住んでた時家族で行ったお風呂センターが近くにあるから、せっかくだからそっちに行こうと思ってるの」
と美香は言いながらリビングでテレビを見る僕の隣に当然のように座ります。
その反対側でテレビを見ていた由紀がビクッとします。
「ああ、お風呂センターかね」婆ちゃんが思い出したように言います。
「今もやってるかしら?」
「ああ、アソコは改築して24時間になってお風呂の種類も増えてるよ。お風呂センターはシゲさん達とゲートボールの後に行くがいいとこだよ」
爺ちゃんが言います。
「それなら夜道だし、優も一緒に行ってやれ」
「そうだね最近は物騒やから美香みたいに美人は一人歩き危ないよ」
爺ちゃんと婆ちゃんが交互に言います。
「いい?お兄ちゃん」
美香が笑ってない・・・以下略
「あ、ああ・・別にいいよ」
「由紀も行くか?」
由紀が心配げに僕を見ていたので聞いてみました・・
しかし首を左右に振って父の方へ行ってしまいました。
「由紀の事は良いから2人で行って来い」
父が由紀を膝に乗せながら言いました。
僕と美香はお風呂セットを持ち二人で近所のお風呂センターに歩きます。
「・・・・・・・・」道中を無言で歩く美香。
そんな美香の後姿を見ながら僕もまた無言で歩きます。
「春は元気?」
無言に堪えられず聞いてみます。
「別に・・元気だけど」
「そうか・・」
「でも、お兄ちゃんの顔も知らないなんて可愛そう」
「・・・・」会話が続きません
後に続く話題も見つからずそのままお風呂センターについてしまいました。
爺ちゃんの家に遊びに来た時、決まって家族みんなで行ったお風呂センターです。
今は増改築して昔より新しく広くなっていました。
「新しくなったなぁ・・」
センターの看板を見上げながら言う僕を美香は置いていくようにセンターの前を通り過ぎ先に行きます。
「おい!お風呂入いんじゃないのか?」
「・・・・」
美香は黙ってドンドン行ってしまいます。
「おい」
僕は美香の意図が変わらず焦って美香に付いて行きます。
黙る美香はさらに先へ進み、ある路地を曲がって裏手の通りに出ます。
ピンクのネオンが目立つ建物が並び、入口にはカーテン・・
そこはいわゆるラブホテルなどが立ち並ぶ通りなのです。
「おい・・・」
美香はズンズン歩いていき一軒のお洒落な入り口のホテルに入ります。
「おい・・俺持ち合わせないぞ・・」
風呂に入るだけのつもりだったので所持金は1000円程度です。
美香はそんな僕を無視して勝手に一番高い部屋を選び会計を済ませてしまいます。
ジャグジーバス付き・・確かに風呂には入るつもりらしい・・
部屋は流石に豪華です。
大きなベッドには清潔感のある綺麗なシーツがかけてあり、部屋の中は香りのいいアロマが炊いてあります。
部屋につくと美香はササッと服を脱いで裸になるとタオルを持ってジャグジーへ行ってしまいます。
(今更恥ずかしがってもな・・)
僕も仕方なく服を脱いで裸になり後に続きました。
美香は既に湯船につかり足を伸ばしてドリンクを飲んでいます。
いつの間にか備え付けの冷蔵庫からチューハイの缶を取り出していたようです。
「おい・酒は不味いだろ・・・」
「・・・・ふん・・」
美香は面白くなさそうに小さく鼻を鳴らします。
「お前随分性格悪くなったな・・」
湯船に入って美香とは反対側にすわり足を伸ばします。
「優こそ随分酷い事するよね」
「・・・何が」大体予想は付いたのですが思わずとぼけてしまいます。
美香が缶を持ったまま側にきます。
顔を近づけ豹のように細く引き締まったしなやかな体を僕に預けてきます。
1年半近く会わない間に美香は顔だけでなく体もすっかり大人の女性になっていて、まるで違う人を抱いているような不思議な色気を感じさせるようになっていました。
「私より好きな人できた?」無感情な声のトーンで聞いてきます。
「そんな奴いないよ・・」
「連絡いっぱいしたよね・・会いに来てって何回も頼んだよね」
「それは大学とかこっちの生活が忙しくてさ・・」
「本当にそう?」
「そうだよ・・」
「・・・・・・・・」
パッチリと大きく綺麗な瞳が僕の心の中を覗き込むように見つめてきます。
僕の嘘を全部見透かすような目です。
「・・・・・・・・・」
しばらく見詰め合っていましたが美香は不意にふっと静かに笑うとキスしてきました。
まるで全部お見通しの上で(良いわ・・そういう事にしといてあげる)
そう言われた気がしました。
少しアルコールとフルーツの味のするキス。
美香は唇を離すとお酒の残りを又口に含み飲み干します。
「ふふwキスするのも久しぶりだから興奮しちゃったw」
「優も興奮した?」
美香が僕の隣に座り擦り寄ってきます。
「いつの間に酒なんか覚えたんだよ」
「w相変わらず真面目だねぇ優はwこの位今時の女子◯生は普通にやってるわよw」
「不良・・」
「妹に手を出す男に言われたくないわ・・」美香が皮肉げに笑います。
「やっぱお前言う事聞かなくなったな・・」
昔の美香ならこういう場合売り言葉や買い言葉になる様な言い方はしません・・特に僕に対しては・・
「前みたいに私を自由にしたい?」
「・・・・・」
「相変わらずうじうじ悩んでるんだね優は・・答え出てるくせに、つまんない事で行動に移せないんだね」
「今みたいに私を自由にしたいくせに素直にそういう事認めるのを躊躇して・・優は何を守りたいの?」
「私とセックスしたく無いの?」
「私の膣に入りたくない・・?」
美香が誘惑するように僕に絡んできます。
まるで大きな蛇が体に巻きつくように嫌らしく手足を僕に絡めてきます。
「・・・・・」
そんな言動にクラクラしながらもなおも躊躇する僕に美香は耳元で言いました。
「私ね・・優以外の男とセックスしちゃった・・」
その瞬間の感覚はその後何年たっても覚えていました。
美香のその言葉が耳元から鼓膜に入り、脳に届いた瞬間・・自分の目の瞳孔が開き頭に血が上って脳みそがグラグラと沸きたつ音を聞いたような気がしました。
自分が怒っていると自分が理解する前に僕は美香に掴みかかっていました。
「怒った?」
浴槽の壁に打ち付けられた美香は痛みを堪えながら勝ち誇ったように言います。
僕は自分がとった行動に驚き直ぐに美香から手を離しフラフラとまた反対側の浴槽に座り込みました。
「優苦しい?それとも悲しい?美香の事、自分がどれだけ好きか解って苦しい?」
「他の男が私に触ったのがそんなに嫌だった?」
美香は勝ち誇ったように喋り、思惑通りの僕の行動に本当に嬉しそうです。
「ね・・コッチ見て・・」
急に優しい声になった美香は僕の顔を両手で包み
正面から見つめて言います。
「大丈夫だよ一回だけだったもの・・それにつまらない男だった・・セックスも優の方が全然良かったもの」
「やっぱり他の男なんてダメ・・私には無理・・・」
「ちょっとした仕返しのつもりだったの・・大好きなのは優だけだもん。今も昔もズーッと優だけが大好き」
「美香・・俺は・・」
「傷つけてごめんね・・もう二度としないから・・許して・・」美香はそういうと強く僕を抱きしめてキスしてきます。
情けなさや悲しさ怒り情欲・・色んなものがないまぜになってどうにかなりそうでした。
美香は僕の口に舌をいれて激しく絡ませると僕のソレを優しくさわってきます。
「やっぱり優のおちんちんが一番好き・・触ってるだけでどうにかなりそう・・」
なんだか興奮のあまり薬が決まった人みたいに声が震えています。
「・・お前エロ過ぎるんだよ・・」
「うん・・そうかもしれない・・ごめんね・・」
そういいながら美香は僕にまたがり静かに腰を落としてきます。
ズヌッ・・ヌ・・っと狭い入り口を広げてお湯よりさらに熱いぬめりの中に少しずつ僕のペニスが入り込みます。
「あぐっ・・優は何も悪くないんだよ・・私が我慢できないの・・」
「優の事なんでもわかるから・・優が逃げられないようにしている・・自分でも解ってるの・・」
美香はそういいながら徐々に腰をうねらせてきます。
「美香・・・ゴムつけないと・・」
腰がドロドロになりそうな快感に理性が吹き飛びそうになりながらも搾り出すように美香に言います。
「だ、いじょぶだか・あっ中であああ」
美香は夢中で腰を振りドンドン上り詰めていっています。
「ああっ何回もイク・・凄いよやっぱり凄い・・優が一番!私ああっ又イク!!イク!イク!やっぱり優のおちんちんああっすごいよぉ!」
もう言葉に成ってるのかすら怪しいほど激しく立て続けに小さくイキ続けています。
そのたびに膣が小刻みにギュギュュギュっと成るのです。
「あっ・・もうダメだって・・出るって・・」
「あっぐ優・優!!」
僕が限界に成ったことを悟った美香は激しく舌を絡ませてきます。
その瞬間僕は美香に舌を吸われながら激しくイキました。
美香もソレを受け止めながらかなり長い時間射精し続けるペニスの躍動を味わうようにブルブルと震えています。
「・・・・・」
2人とも激しく息が上がり久しぶりのセックスの激しい快感で体が痺れて動きません・・まるで二つの生き物が一つに溶接されたように自分の体ではないような重さを感じ腕一本動かすことが出来ません。
「しばらく抜かないで・・」
「本当・・大丈夫だったのか?」
「なに・・が?」そう言いながら余韻を楽しんでいるのか、僕のが入っているのを確認するように腰をモゾモゾ動かしてギュっと膣が動きます。
僕の物もかなり出した気がするのですが不思議とそのままの形を維持しています。
「大丈夫な日だったのか?」
「ここ最近基礎体温なんか測ってないから・・そんなの知らないわよw」
「おまえ・・で」
「出来たら産むわよ」僕の言葉をさえぎる様に言います。
「もう貴方にはそういう事でツベコベ言う権利無いわよ」
「俺たちまだ未成年だぞ?!」
そういう問題でもないんですが、なぜか兄妹である事はこのとき頭になく普通に彼女に言うように話していました。
「責任なんか取らなくて良いの。私一人でも育てるし」
「バカ・・そんな事出来るわけないだろ!」
「じゃあ一緒に居てくれるの?」
「・・・・・」
「ほらw答えられないでしょ?」
「・・・・でも・お前・・」
美香は答えに困る僕を優しく笑いキスしてきます。
「いいのw優はそれでいいのよw」
「私は幸せ・・解ったもん・・優は絶対私以外の女じゃ満足できない・・私以上に優にぴったりの女なんか居ない」
「たとえば貴方が何処かの女と結婚しても私平気よw」
「由紀ちゃん・・可愛い子だったね・・優がああいうかわいそうな子に弱いの知っているよw黙って見捨てて置けないんだよねw」
「優は誰に何をされても昔から優しいけど、私には本気で怒ったりするから大好き」
「お前のいう事はわからん・・・・・」
「貴方は私の事解らなくてもいいのw私は貴方のこと解ってるし」
「・・・・・・・・・」
「お前時々怖すぎるよ・・・」
僕はこの時初めて心のそこから素直に思ってたことを言いました。
「今頃何言ってんのよwそもそも女は怖い生き物なのよ」
しばらく黙っていた美香はまたフッと鼻で笑うとそう言いました。
「大丈夫。皆何だかんだ言って私には甘いからギン爺ちゃんも私には逆らえないのよ。下手すると私が優を誘惑したって言えば信じちゃうかもね皆w」
「何でだよ・・」
「だって優にそんな度胸ないって皆知っているでしょ?」
「そういう意味では私より優に信頼が有ると思うなぁw」
美香は楽しそうにクスクス笑います。
その一方で僕を放すまいとグネグネと飲み込むように膣が動きます。
「由紀みたいに可愛かった美香は何時から居なくなったんだよ・・」
「ふふw私を好きにさせちゃった優が悪いのよ」
「まあ、妹役は由紀と春に譲ってあげる」
「でもそれ以外は全部私のもの・・誰にも渡さないの・・」
さらにギュギュっと中が動きます。
「女って本当に皆お前みたいなの?」
「さぁw聞いたこと無いけど私は他の女より怖いわよ?」
「何でそんな事言えんのさ・・」
「だって貴方の心を誰にも取られたくないんだもん」
「コエーよ・・」
「ふふwだから後もう一回膣に頂戴w」
美香と一緒にホテルで過ごして家に戻る頃にはすっかり夜中近くになっていて皆寝てしまっていた。
玄関をあけて靴を脱いでいると音に気がついたのか婆ちゃんが起きだしてきた。
「えらい遅かったね」
心配して寝付けなかったんだろう。
「うん、お風呂あがった後ファミレスで色々話してたから」
「あんまり遅くまで起きてたらいかんよ」
「はい、もう寝ます。」
婆ちゃんはソレを聞くと頷いて寝室に戻っていった。
2人で2階へあがると既に美香の分の布団が僕のベッドの隣に準備されていた。
しかし、美香は当たり前のようにそれを綺麗に畳むと、服を脱ぎ寝巻きに着替えて僕とベッドに入る。
「お前、なんか相談あったんじゃ無いの?」
「ん、今日は良いよ」
そういうと美香はギュっと抱きついてくる。
「体ガッシリしたよね・・腕が前ほど回らない・・」
美香は僕を確かめるようにしばらくモゾモゾと手を動かしていた。
「・・・・・・・」
「なあ・・」
「何・・」
僕はどうしても気になることを聞いてみることにした。
「誰としたの?」
僕は美香のほうを見ないように聞いてみた。
「・・・・・・」
「やっぱり気になる?」しばらくの沈黙の後美香が言う。
「そりゃ・・やっぱり気になるかな・・」
「優は別に知っておく必要ないと思うけど」
「でも、気になるよ・・」
「男の人ってそういうもの?」
「人の事は知らないけど俺は気になる・・」
「・・・・」又少しの間沈黙
「そうね、顔は優よりカッコよかったかな・・見た目の割りに真面目だし頭も良かったよ。本人はさり気なく隠しているつもりみたいだったけど履いてる靴とか見れば家がお金持ちなのは直ぐ解ったしね」
「かなりモテル人だと思うよ。年上だったし」
「そうか・・」ソレって要するに全部俺の負けじゃないかと思った。
「うん・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・そいつの事、好きだった?」思い切って聞いてみる
「・・・・・・好きになれるか知りたかったの」
「優と会えなくなって寂しくてね・・春は可愛いしギン爺ちゃん達は私に優しいし、他の事に不満は何も無かったけど・・」
「でも、忘れた方が良いのかなって思ったの・・誰か他に好きな人が出来たらって悩んでた」
「そしたら学校の友達の紹介でその人に会ってね・・良い人だったから試してみたの・・優を忘れられるかなって・・」
「好きになれるように努力してみようって・・・」
「良い人だったよ。多分普通の女の子なら大抵好きに成っちゃうんじゃないかな・・大人だし優しいしカッコいいしお金持ちで頭もいいしね」
「何で・・・ダメだったんだ?」
「なんか違うなって思ったの・・初めてキスした時・・優と全然違ってた」
「・・・何か悪かった訳じゃないのにした後凄く後悔した・・凄く違和感を感じたの・・」
「なにか違うって・・そう思った。」
「でも、最初はこんな物なのかなって思ってしばらく付き合ってみたの・・でも確信が持てなくて・・好きって事とか、優の事なんで好きなのか。そういう事が解らなくなってしまったの・・」
「だってその時まで当たり前のように優の事だけ思ってきたんだもん・・」
「優を好きなように他の人とも同じように出来るかもって思ってたのに何もかも違うんだもん・・」
「それで解らなくなったのか・・」
「うん・・・それでもっと最後までしてみたら何か解るのかなって・・」
「そういう関係になれば何かその人と私の間で変わることもあるのかなって・・」
「でも、全然ダメだった・・裸で抱き合って色々な所触られてその時はソコソコ気持ちよかったんだけど・・でも、いざその人のが中に入ってくるとき私気分悪くなってきちゃってね・・結局彼は私の事が心配で途中で辞めちゃった・・」
「後はなんだかその人に悪くて・・ううん・・悪いって言うのは違うかな・・私が嫌だったんだと思う・・二度と・・嫌だと思ったの・・」
「あとはそのまま気まずくて・・優の顔見たくて逃げてきちゃった。」
「・・・・・・・」
美香がそうやって話してくれている間、僕はなんとも言えない気分になっていました。
僕との別れを真剣に考えていた美香・・・
ソレは言ってみればこの異常な関係に終止符を打つという前向きな行動だったと思います。
良い人を見つけお互いが普通の恋愛をして、何の変哲も無い兄妹に戻る・・・
何度もそうできたらと僕自身思ってきたから離れ離れになって僕にだってそのチャンスは十分にありました。
実際に付き合った子も居たし、気になる子も沢山いました。
でも大した行動に移さずズルズルと今までずっと一人で居たのは、結局僕は美香を忘れていなかったからです。
遠くに居てある種恐れすら抱いていた美香だったのに、こうして美香が何処かの誰かに抱かれた事実を知って言いようの無い焦燥感を感じているのが何よりの証拠です。
僕は一人で居ながらずっと離れた場所に居る美香が、僕に恋焦がれ何時も心のどこかで兄妹以上の関係で繋がれ続けている事に安心していたのかもしれません。
しかし、美香は思い直し、初めて僕への好意に疑いを持ち、全力であがなってみようとしたのかもしれません。
普通の恋人関係なら遠距離恋愛での浮気・・
美香を許せる男は少ないかもしれません・・
「裏切られた!」「尻軽女!」と罵る事もあるでしょう。
でも、僕達は列記とした兄妹・・・
正常な道を試みた妹に兄である僕がそれを言う資格はありません。
むしろ妹の将来、そして自分の将来、さらに言えば家族の将来を思えばそんな妹を送り出すのが兄である僕の務めだったはずです。
しかし、美香はそれに失敗し、自分自身の兄への執着心を改めて痛感したのです。
そして僕もそんな妹の告白で激しく激高し、自分でも信じられないくらい取り乱した事で美香という女を手放したくないと思っている自分をはっきり再自覚してしまいました。
「私はやっぱり優じゃないとダメみたい・・」
「優と比べるなんて無理・・優は一人しか居ないんだもん・・」
より強く抱きつきながら美香が涙声でいいます。
「美香・・・」
「他の人に許しちゃってごめんなさい・・」
「嫌な思いをさせちゃってごめんなさい・・」
「美香・・」
美香はがむしゃらに抱きつき耳や頬、首筋にキスの雨を降らせてうわ言の様に繰り返します。
「優だけだよ・・優が一番気持ちがいいの・・どんなにカッコ良くてもお金持ちでも私には何の価値も無いの・・」
「私にとって男は優だけ・・優だけが一番・・だから他のどうでもいい男にヤキモチなんか妬かないで・・」
「分かったよ・・変なこと聞いて悪かったな・・・・」
美香の何処までも可愛い言葉に愛しさがあふれてきます。
「・・・許してくれる?」
「ああ・・俺のほうこそごめんな・・会いに行けなくて・・」
「そうだよ・優酷いよ・・・寂しかったよう・・酷いよう・・」
美香はグズグズになって静かに泣いています。
「美香・・ごめんな・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局泣きつかれて美香が寝るまでひたすら抱きしめて頭をなでてやり自分が寝付いたのが朝方・・
次に目が覚めた時には美香はすっかりおきていて僕がリビングに降りていくと丁度爺ちゃんと婆ちゃんそして父と正美さん達に此方に住まわせて欲しいと話をしている所だった。
「住まわせて欲しいって・・」
突然の美香の申し出に困惑する一同。
「ご迷惑ですか?」
美香が正座して真剣な顔で言います。
「そんな、孫だもの迷惑だなんて思ってないよ」
婆ちゃんが言います。
「しかし、お母さん達は許してくれているのか?」
父が当然疑問に思うことを聞きます。
「母とギン爺ちゃん達には私から後でお願いします。」
「私からお願いすれば母もギン爺ちゃんも反対はしないはずです。」
「でも、うちにはもう余分な部屋も無いし・・美香も窮屈にならんか?」
爺ちゃんが言います。
「お部屋は兄と同室で構いません」
「でも、それじゃあ幾ら兄妹といっても女の子は色々あるでしょう?」
正美さんが言います。
「いいえ、私は兄なら別に気にしません。兄も別に気にしないはずです・・そうだよね?」
行き成り美香が此方を見て話をふります。
「そうなのか?構わないのか優?」
「えっ・・ああ・・美香がそういうなら俺は別に。兄妹だし」
「しかしなぁ・・」父が困り顔で首を傾げます。
「学校はどうするつもりだ?まだお前は高校で第一今は受験の真っ只中だろ」
「大学は既に兄と同じ大学を受験予定です。まず落ちません」
「お前はソレでいいのか?優から聞いた話しだと成績からみてもっと良い大学を選べるんじゃないのか?」
「学ぶ場所は何処でもいいでしょう?それに私は将来調理の仕事をしたいの。こっちには有名な料理学校もあるし、そういう事ならって兄も応援するって言ってくれたの」
「そうなのか?優お前は知ってたのか?」
一同が此方を見ます。
「あ、ああうん・・まあね」
美香の目線を感じて適当に話を合わせたほうがいい気がしました。
しばらくそんな調子で色々と美香を囲んで話していたようでしたが、頑固な美香が折れる事はなく最悪の場合アパートを借りて一人暮らしをするつもりで此方に戻ってくると言い出すと、ソレは流石にと爺ちゃん婆ちゃんが言い出し、父もソコまで真剣ならばという事でギン爺ちゃんと母に正式に承諾を得ることを条件に美香が春から一緒に住み始めることが仮決定したのでした。
そうと決まると美香は早速母とギン爺ちゃんにことの次第を連絡。
話を聞いたギン爺ちゃんが母と春を連れて此方に来ると言うので翌日久しぶりに家族全員が実家に揃うことになったのです。
ソレが美香との再開から二日間の出来事・・
そして、友達のバイトを代わったまさにその日、家では長時間の激論が予想されていたので、下手にその場に居れば美香の足を引っ張る事になるし、正直ギン爺ちゃんが苦手な僕としてはある程度話がまとまった後に登場したいと思ったのです。
そわそわ落ち着かない気持ちでバイトを3時間こなし、重い足取りで家に帰ると、恐る恐る玄関を開けます。
ソコには靴が沢山並んでおり奥では大勢で話をする声が聞こえます。
僕は意を決して靴を脱ぎリビングへ向かいました。
「やっと戻ってきたな」
僕の顔をみていの一番に声をかけたのはギン爺ちゃんでした。
「お久しぶりです。」
リビングには父と爺ちゃん婆ちゃん。
そして母と美香そしてギン爺ちゃんが座っています。
「うん、中々精悍な顔つきになったな!まあココへ座れ!」
相変わらず太い豪快な声です。
「はい・・失礼します。」
なんとも居心地の悪い時間で母も複雑な表情で終始無言でしたし、父も気まずそうにしていて由紀と正美さんは別室に居るようでその場には居ませんでした。
その中でギン爺ちゃんが美香と色々と話し合い、最終的には美香の言うとおりに決まってしまいました。
「お父さんは本当にそれでいいのですか?」
美香の言い分をあっさり承諾したギン爺ちゃんに父が確認を取ります。
「君にとやかく言う権利は無いだろう。君としても娘が此方にきて勉強したいと言うんだから協力するのが筋だろう」
ギン爺ちゃんは父に厳しく言います。
「それにこの子は母親よりもしっかりしている位でとても立派に育った。この子がする事は私も安心してみていられるし、ワシも娘も美香がココまで考えているなら何も異論は無いよ。別に勉強が出来るからと言ってソレが全てじゃない。なにも大学に行かないわけじゃない。グレードは下がっても勉学はあくまでも人間形成の一つに過ぎん。別に一流大学にこだわる必要はあるまい」
と
こういう感じで美香の言うとおりあの厳格なギン爺ちゃんもあっさり承諾してしまった。
なんともギン爺ちゃんの信頼を最も得ているのは美香で間違いないようだ。
話し合いが終わるとギン爺ちゃん達は母と美香を連れて帰ることになり、美香は高校卒業後改めて此方に一緒に住むことになった。
・・・・・・・・・・・・・・
美香がギン爺ちゃんと共に一度戻ってから数ヶ月。
大学は丁度夏休みを向かえ僕は休みを利用して久しぶりにギン爺ちゃんの家を訪ねるため特急に揺られていた。
窓の外を海と空が逆向きに流れていく景色を見ながら僕は水滴の滴る缶コーラを握り締めている。
アレから美香は相変わらず毎日のようにメールを送ってくるようになった。
ギン爺ちゃんが連絡のためにと美香に携帯を持たせてくれたのだ。
たまに電話もするのだけど不思議と顔を見ないと会話が続かない僕達は、いつの間にかメールだけでのやり取りが多くなっていた。
僕はメールが苦手なので美香のメール3つに対して1つ程度の返信だけれど、美香のほうは何かあるごとに報告のようにメールをしてくるのだった。
やれ何処そこのドーナツが美味しかったとか、クラスメイトの女の子とカラオケに行ったとか、春が保育園で美香の絵を描いてくれたとか、そういう報告の合間に必ず早く会いたい。一緒に暮らしたい。愛しているという言葉が詰まっていた。
「うん・・でも待って・・」
立ち上がろうとする僕のシャツを掴んで美香が言います。
「?」
「ちょっと今立てないから・・もう少し待って・・」
良く見ると美香の両肩と両足が微かに震えています。
「もしかして、今ので?」
「うん・・ちょっと軽くきちゃった・・」
美香はそういうと目をつぶりニコっと満足そうに微笑みます。
僕はまた美香の隣に腰を下ろします。
「大丈夫か?」
「うん、直ぐ戻るから・・でも」
「ちょっと濡れすぎちゃったかもw」
美香がエロイ目で冗談ぽく言います。
「バカ・・・」コッチが恥ずかしくなります。
ギン爺ちゃんの家につくと
母が丁度春を玄関先の子供用プールに入れて遊ばせている所でした。
ちょっと前までは目も開かない小さかった春がいつの間にか二つの足でヨロヨロと歩くようになり楽しそうに水で戯れています。
「優w元気そうね!又身長伸びたんじゃないの?」
母が僕の姿を見て眩しそうに言います。
「もういい加減伸びないよ、気のせいだろ」
「春はドンドン大きくなってるみたいだなw」
僕は春のところへ行って膝をおります。
「ふふwあんまり顔を見せないお兄ちゃんなんか覚えてないよね春w」
母が冗談交じりに言います。
「春、貴方のお兄ちゃんだよ」
春はなんだか解らないような顔で首を傾げます。
「流石に無理ないよな・・たまにしか会わなかったしなw」
「もう少し大きくなったら解るように成るわよw」
母が言います。
「さあ、表歩いて熱かったでしょうクーラー入れてあるからあがりなさい」
「婆ちゃんがスイカ切ってくれるわよ」
「私先にシャワーあびるわ」
美香がさり気なくそういうと一足先に上がり家の奥に消えました。
「本当に久しぶりねぇ優さん」お婆ちゃんは上品な着物姿でスイカをテーブルに並べながらシミジミと僕を見て言います。
「ちっとも遊びに来てくれないんだからw」
「すみませんw大学とか忙しくて」
僕はギン爺ちゃんよりはこのお婆ちゃんのほうが好きだ。
上品で知的、それでいて控えめで優しい人だ。
「もういい人は居るの?」
「いやwはははw」
「その顔だと居るわね」
「ははは・・」
うちの女性陣の感の鋭さはこの人譲りかもしれない。
そうしていると美香がシャワーを浴び終わったのか浴衣を着て戻ってきます。
白地にスミレの模様と淡い紫の帯が涼しげな浴衣です。
「あら、もう浴衣にしたの?」
「うんw」
「もうって?」僕が思わず聞くと
「お兄ちゃん今日河川敷で町内の花火大会があるんだ」
「そうなんだ・・そういえば昔何度か行ったな」
「ね、久しぶりに行こうよ」
「お、おう」
美香が何気ない感じで甘えるように寄りかかってくるのでお婆ちゃんの手前ヒヤヒヤします。
「本当貴方達は昔から仲がいいわねぇw」
「ふふww」
美香は嬉しそうに笑います。
「本当仲が良すぎてかわいそうな位ねw兄妹じゃなかったらお似合いなのにねw」
お婆ちゃんは軽い冗談のつもりで言ってるのですが僕は思い切りドキリとしました。
「やだwお婆ちゃん」
美香は軽い感じで流しています。流石です。
「優さんのお部屋は奥の間ですよ、荷物運んで起きますからね」
「あ、すみません」
「何も無いけど自分の家だと思ってゆっくりしていきなさいね」
「はい、お言葉に甘えます。」
「優さんは何かお昼食べたの?」
「いえ、まだです」
「御素麺作るからそれでいい?」
「はい」
そういうとお婆ちゃんは台所の方へ戻っていった。
「ギン爺ちゃんは?」
美香に聞きます。
「町内会の役員長だから今日は花火大会終わるまで色々忙しいみたい」
「ふーん」
「ねぇ」美香が袖を引っ張ります。
「ん?」
「お昼終わったら花火まで行きたいところあるんだけど」
「どこ?」
「ん、いい?」答えずに美香は続けます。
「別にいいけど・・」
それから女性4人に囲まれて素麺を食べ、かわいい春に癒された後、春がお昼寝を始めたのでうるさくしないようにと言って美香の要望どおり花火大会まで表に遊びに行くことにした。
「どこ行くの?」
「んw2人でゆっくり出来るところw」
美香が嬉しそうに言いながら手をつないできます。
「・・・・・・・」
「今日はいっぱいしようねw」
2人でコソコソしながら商店街の方へ行き温泉街へ行きます。
「ここ家族風呂あるんだ」
「なるほどな」
2人でカップルのふりして家族風呂に入ります。
「お前お風呂好きだな」
「嫌いな子よりいいんじゃない?」
「まあね」
そういいながら脱ごうとすると美香が側に来て脱ぐのを手伝ってくれます。
「おい・・」
「いいの私にやらせて」
僕が上を脱ぐ間に美香はジーンズのベルトを外しチャックを下ろして脱がせます。
美香はトランクスの上からモノを触り、頬ずりしてトランクスの上から唇をつけてきます。
「美香・・さっきトイレ行ったばかりで汚いよ」
「・・お風呂で洗う前に私のお口でしたいの・・」
僕はそのまま美香と抱き合いキスをしながら少しずつ入ってきます。
最初に入り口に先端が入り込むと美香は大きくブルブルと震え、そのまま激しく出し入れするたびに外に聞こえるんじゃないかと不安になるくらいの声で喘ぎまくります。
「あああっ気持ちいいいよ!!」
「もっと!もっと!!」
「美香!!美香!!」
そのうちに美香は両足を僕の腰に絡め逃がすまいとするようにして、その上で器用にも僕のピストンに合わせてアソコをこすり付けるようにしてきます。
「美香!!もう!!」
僕の終わりが近いことを告げると、美香はすかさず両手で僕の顔を捕まえ激しく舌をからめ吸い付いてきます。
僕はそのまま2回目の射精を美香のアソコに注ぎ込みます。
美香の膣はソレを味わうようにぜん動し、なおも僕のソレを優しくぬめぬめと扱き上げてくるのです。
「暫くこのままがいい・・」
美香がそういうので抱きあげてつながったまま駅弁スタイルで移動して湯船につかります。
「暫くつながったままで居たいから注意してね・・」
「大丈夫・・しばらく萎えそうに無いよ」
それから30分くらいは時々萎えないように動きつつキスしたり舌を絡めたり時々美香のクリをいじめたり軽くイカせたりしてイチャイチャと繋がったままの感覚を味わい時間いっぱい楽しんで終わりました。
終わる頃には美香の足がガクガクになっていて脱衣所まで抱き上げていくほどでした。
脱衣所に連れて行きバスタオルで体をふく間もキスしたり甘えたりと久しぶりのスキンシップを満喫している美香。
こういう時だけは歳相応に幼く見えとても可愛いと素直に思えます。
「今日は随分甘えるね」
タオルで体を拭いてあげてる間もクスクス笑いながらご機嫌で、僕からタオルを取り上げようとしたり抱きついて邪魔したりと落ち着きがありません。
「だって・・本当はいつもこうしたいけど我慢しているんだもんw」
「なんで?」
「えー・・どんなに可愛くても何時も同じだとウザッタイよ絶対」
「そうかな・・」
「そうだよ、だってね春は何時も可愛いけどやっぱり何時も何時もべったりされると疲れるんだよ?」
「ふーんそういう物かな・・」
「うん、そうだよ」
「じゃあ今日は特別なんだ」
「うん今日はいっぱい甘えるの」
そういうと裸のまま抱きついてくる。
そのまま脱衣所に並べられた竹製の長椅子二つに寝転ぶ2人。
扇風機がほてった肌に丁度いい風を送ってくれる
「・・・・・・」
暫く横になったまま2人で見詰めあっていると美香は嬉しそうにニコニコしている。
「・・・・・・・」
「俺は今みたいな美香の方がいいな」
「そう?本当は何時も我慢してたんだ・・もっと小さい女の子みたいに優にいっぱい甘えたいの・・」
「卒業して大学生になったらいつも一緒に居られるんだよね・・」
「そうだね」
「いっぱい甘えてもウザッタイとか思わない?」
「別にそんな事思わないよ」
「ねえ・・」
「ん?」
「あのね・・美香が大学卒業したらね・・」
「したら?」
「・・・うん・・」
美香は暫く迷っていた
「したら・・なに?」僕にとって美香のこういう発言は何を言い出すかわからないのでハラハラして身構えてしまう。
「ううん・・なんでもない・・」
「気になるよ」
「うん・・卒業した時に言う・・」
「随分先だな・・」
「ふふw・・へっ・・クシュ!」
「冷えたんじゃないか?あ、もう時間だよ・・ココ出ないと」
「そうだね・・服着ようか」
十分涼んだし、美香が可愛くくしゃみをしたので起き上がり、2人で服を着てお湯屋をでました。
「どうしようか、まだ花火大会には時間がありそうだけど・・」
時間は夕方4時を回り・・まだ夕日も高く花火開始にも時間があります。
「私・・もっと優と2人だけでゆっくりしたいな・・」
「でも、場所が無いだろ・・」
周りを見回すと流石に花火大会があるという事でこの辺の地区は浴衣姿の女性や縁日目当ての子供などで混雑し始めています。
神社も昼間の静けさと打って変り縁日が準備を整え、既に沢山の人たちが集まっています。
「カラオケ行こ・・あそこなら2人だけでも気兼ねしないで良いし」
「でも、俺音痴だよ?」
「ふふw別に無理に歌う事ないでしょw」
美香がクスクス笑います。
「え?」
「だからw歌わずに時間いっぱいイチャイチャしようって言ってるのw」
というわけで2人で商店街内のカラオケに。
カップル用のルームが運よく一つ空いていたので開始時間まで借りる事に。
「そういえば美香と2人でカラオケなんか来たこと無いね」
「うそw2回くらいきたよw」
「え、そうだったっけ?」
「うんwそのときも優は聞くだけだったよ」
「うーん・・」
「優何かドリンク頼む?」
「あ~頼む」
そういうと美香は内線でドリンクを注文する。
「俺流行の歌とか全然知らないや・・」
「私は結構友達と来るから知っているよ」
ドリンクが来る間2人でカタログを見る。
「失礼します」
ノックの後店員さんがドリンクを持って入ってきて僕達の前に二つ置くと又「失礼しました」と出て行った。
「ね・・」
店員が出て行った後もう後は誰も来ないといわんばかりに美香がゴロゴロと猫のように擦り寄ってくる。
「お前今日は本当に甘えだね」
「うん・・最近色んな人の目があって中々二人っきりになれないんだもん・・一緒に居ても色々あってのんびり出来ないし・・・」
「コッチに何時まで居られるの?」
「そうだな・・精々一週間くらいかな・・」
「夏休み終わるまでダメなの?」
美香がギュッと僕の腕を抱きしめてくる。
「由紀の宿題見てあげる約束もあるし・・俺も課題あるからな」
「・・・・」
美香の顔が曇る。
「美香・・」
「時々ね・・優が私だけの優だったらいいのにって思う・・」
「春は勿論可愛いし由紀ちゃんに罪が無いのは頭では分かってるの・・」
「それに、春と由紀ちゃんだけじゃない・・優を囲んでる皆に嫉妬しそうになる・・」
「優が時間を割く人全部に私本当は嫉妬している・・・優の時間が全部私だけのためにあれば良いって思っちゃう・・」
「ダメだよね・・優にだって自由はあるのにね・・」
「おー優!来たか!」
「あ、お久しぶりです。お邪魔しています!」
スッと立ち上がって挨拶をする。
「何固くなっとるんだwココはお前の家も同じじゃないか。ガハハ」
「お父さん相当お召しになったようですね」
お婆ちゃんがギン爺ちゃんの声を聞いて縁側に駆けつける。
「大丈夫?お爺ちゃん?」美香がフラフラするギン爺ちゃんの大きな体を支えようとする。
「ははw美香か!大丈夫だよこの位はw」
「おい優!今から付き合え!」
「お父さん!優さんはまだ未成年よ!」
お婆ちゃんが制するようにいいます。
「バカ言うな!男が祭り時に酒が飲めん事があるか!」
「お父さん!それでも教育者ですか!」
ギン爺ちゃんと同じく若い頃は教師をしていたお婆ちゃんが言う。
「堅い事いうないよミヨちゃん、こういうときは無礼講じゃないか」
「もう!知りません!」
「ちぇ・・ミヨちゃんは良い女だが真面目するぎのがいかん!」
「年甲斐もない、ミヨちゃんなんて孫の前で呼ばないで頂戴!」
「なあ優!老い先短いジジイの頼みだ。男孫と酒を飲みたいという夢を叶えてくれやw」
「はあw解りましたw」
「そうか!そうか!ミヨちゃんお酒だお酒!つまみも出してくれい!」
「ハイハイ!解りましたよ!もう、言い出したら聞かないんだから・・ブツブツ・・」ミヨちゃんといわれたお婆ちゃんはしょうがないわね、という感じで台所へ戻っていきました。
「お爺ちゃんね何時も言ってたのよ家は女ばっかりで酒を酌み交わす相手がおらんってw」母が春をベビーベッドに寝かせながら言います。
「貴方には特別厳しいように見えるけど、ソレはそれで唯一の男子として期待が大きいからなのよw」
「はは・・」
「おーい優!」
リビングから爺ちゃんの呼び声がする。
「はい!今行きます!」
僕は美香と2人でリビングへ急いだ。
「お!美香も今日は飲むか?!ガハハ!!」
美香を見てまた機嫌がよくなる爺ちゃん。
「ギンちゃん!美香に飲ませたら怒りますよ!!」
ソレを聞いて台所から血相変えておばあちゃんが顔を出す。
「冗談だよミヨちゃんそんなに怒るなよ・・・」
「優は酒は飲めるのか?」
「あ、はい大学の集まりで飲まされますから・・」
こういう時元教師相手だとなんともやり難い。
「ガハハwそうだろそうだろ!私も若い頃は良く飲まされたもんだ!」
「さあドンドンやりなさい遠慮はいらんぞ!」
「はあw」
ギン爺ちゃんは酔うと陽気に成るようで何時もより色んなことを聞かせてくれた。
厳しくて怖いイメージしかなかった僕にとってはビックリするような新事実の連続だった。
何より何時も美香や母に優しく僕には厳しかったギン爺ちゃんが、影で色々と僕に期待をしていたという事が多く解った。
結局僕が殆ど飲まないうちにギン爺ちゃんは酔いつぶれ、寝息を立ててしまったけど、一緒に飲めてよかったと思った。
「ギンちゃん嬉しそうだったね」
美香がいびきをかいて眠るギン爺ちゃんにタオルケットをかぶせながら言う。
「うん、俺も爺ちゃんの知られざる一面を見た気がするよ」
「ギン爺ちゃんのこと、優は苦手だったもんね・・」
「うんwおっかなかったからなw」
「でも、何時も言ってたんだよ。優は立派になったって」
「へぇ~」
「2人ともお風呂沸いたわよ」
母が台所から顔を出します。
「お爺ちゃんは暫くそのままだから先に入っちゃいなさい」
「はーい」
「私先に入るね!」
美香が立ち上がる。
「おう」
「直ぐあがるから、優は春の寝顔でもしっかりみてあげてw」
「そうだな」
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それから一週間ほどギン爺ちゃんの家で過ごし、毎晩のように酒を酌み交わし将棋の相手をし、春と遊んだりして仲良くなる
(なんとかお兄ちゃんだという事は理解してくれた。)
母にも親孝行しようと色々と手伝いをして過ごし、その合間に美香にあちこち、日ごろ遊んでる場所を案内してもらった。
美香の友達にも何人か会いメアドを交換させられた。
(美香の目が怖かった。)
ギン爺ちゃんと美香で釣りにも行った。
ギン爺ちゃんはかなりの腕前らしく実に色々な釣具に詳しかった。
しかし、蓋を開けてみると一番釣ったのは美香だった。
というか釣ったのは美香だけだった。
半日やったが大きいオコゼやキスなど釣り上げボックスがいっぱいになった。
ギン爺ちゃんは内心僕に男としての威厳を見せ付けたかったのか、終始イライラしていた。
正直性格が釣りに向いてない気がする。
その日の夜は早速美香が釣り上げた魚が食卓に並び「今日は日が悪かった」とか「良い竿を美香にとられたからな」というギン爺ちゃんの言い訳を聞きながらの食事となった。
因みに将棋はかなりの腕前らしく、しかも日ごろ相手をしている美香もかなり強かった。
後でそれとなく美香に確認したがどうもコレも美香の方が手を抜いてる臭かった。
別れの日は美香と母と春が駅まで送りに来てくれた。
美香は勿論母も寂しそうに涙ぐんでいた。
「またくるよ」
「ええいつでもいらっしゃい」
「来年は美香もそっちへ行くからお願いね」
「ああ、解ってるよ」
「それと・・春又なw」
そういうと春は解ってるのか解ってないのか母の腕の中でニコニコとしている。
「優又ね」美香はそういうと僕の頬に素早くキスをした。
「まあ、×1女の前で見せ付けないで下さる?w」
母が冗談でからかう。
「じゃあ、又ね」
電車の扉が閉まり電車が動き出す。
優しい笑顔が3つ少しずつ窓から流れてやがて見えなくなる。
僕は静かに少ない荷物を背負うとシートに座り目をつぶった。
そこにはまだ3人の顔が辛うじて残っていた。