修学旅行で最高のお土産をくれたあの子にしてやられた

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高校の入学式を終え、俺は新しいクラスの席に着きました。

席は生憎の一番前。

外を見たくても窓際から2列目。

そして担任はムサいおっさん。

担任の図体が目の前にある状況に面倒臭さを感じていました。

担任が自己紹介している途中で廊下にいる誰かに呼ばれたので、少し待っているように言って教室から出ていきました。

誰も話さずシーンと静まる教室。

その時外から誰かがハシャいだような声がして、俺も含めてほぼ全員が窓を見ました。

俺の左隣の窓際一番前の席、つまり出席番号1番の女子も窓から下を見ていました。

その女子が数秒程見て視線を教壇の方に向けようとした時に俺と目が合いました。

その女子は俺に

「(何だろね?)」

と言わんばかりに首を横に傾げました。

俺はその女子に見覚えがあったのですが、誰かが思い出せませんでした。

すると戻ってきた担任が生徒全員に簡単な自己紹介をするように言ってきました。

出席番号1番のその女子は立ち上がって

「○○チカ。××中学出身です。よろしくお願いします。」

と自己紹介しました。

俺は小学6年生の時に同じクラスだったチカだと思い出しました。

正確には”確信”しました。

先程目が合った時に俺は目の前の女子がチカにソックリだと思いました。

あの修学旅行で一番前に座っていた時よりは少しは背が伸びたように見えるけど、相変わらず健在な小動物的な小柄ぶり。

そして何よりあんなにオナネタにした女子の顔を忘れるワケがありません。

しかしチカの苗字は出席番号が1番になる事などあり得ないと言える程に五十音でかなり後ろの方だったのでその可能性から外していました。

そして隣に座っている女子がチカだと確信したと同時にチカが引っ越した”家庭の事情”というのは多分”親の離婚”とかかなと思いました。

休み時間に入った時に思い切ってチカに声をかけました。

「あの…」

「ん?」

「俺の事覚えてる?」

「…アキラ君だよね?」

「あ、覚えてた?」

「顔見てスグ分かったよ。私は逆に”中学違ってたし、私の事分かるかなぁ?”って思ってたよ。」

「最初は分からなかったわ。苗字違ってるし。」

「うん。親が離婚したからね。」

「あ、なんかごめん。」

「全然良いよ。私は気にしてないし。」

「…おう。」

「でも良かったわぁ。このクラスって同じ中学の人がいなくて正直ピンチだと思ってたから(笑)これからよろしくね。」

「おう。よろしく。」

思い切って声をかけて本当に良かったと思いました。

それからチカとは”お互いの中学時代の話”や”小学校の頃の思い出”を中心によく話すようになりました。

チカとはけっこう馬が合い、休日も1対1ではないものの一緒に遊んだりして5月が終わる頃にはお互いを呼び捨てで呼べる間柄になっていました。

しかし”パンモロの事”はお互いに触れませんでした。

チカにとっては当然”出来れば忘れていて欲しい恥ずかしい思い出”だからワザワザ触れないでしょうし、本当に忘れているのかもしれません。

俺にとってはオナネタにしまくった素晴らしい思い出だけど、ワザワザ言っても印象を悪くするだけなので触れないでいました。

それでも毎晩俺に見せてくれるチカの笑顔を思い出すと、あの時のチカの至近距離の白のパンモロと恥ずかしそうな顔と

「やんっ」

という黄色い声が脳内で自動再生されてしまいオナニーをしていました。

そんな日々を送っていたのでチカへの恋心が再燃するのに時間はさほどかかりませんでした。

ですが俺はまたしてもチカに気持ちを告げられず悶々とした日常を送っていました。

小学校時代はあまり仲良くなかったから言えませんでしたが、今度は”友達としての距離感”が確立してしまっておりそんな事を言える雰囲気では無かったのです。

そして言えないままのチカへの気持ちは日に日に強くなっていくばかりでした。

そしてそれと比例するようにチカと気軽に話せるこの関係性が壊れるのが怖い気持ちが強まり、俺は前に踏み出せないでいました。

月日は流れ、夏休みが終わった二学期の始業式の日にチカから

「5組の●●君にコクられたから付き合ってるよ。」

という死刑宣告にも等しい報告を受けました。

俺は

「へ~。そりゃ良かったね~。」

くらいの返事をするのが精一杯でした。

それからはチカに彼氏が出来た事で俺も遠慮してしまいチカと話す頻度も減っていきました。

俺は小学校時代と同じ様に、いえそれ以上の後悔をしていました。

チカを狙っている男が自分以外にいて、自分がチンタラやっている間にチカを取られてしまった…

別の中学校へ行ってしまい会えなくなった前回とは違い、今回はチカとは毎日のように会えるけどその隣には自分以外の男がいるという現実と向き合わなければいけない苦痛。

正直その時期は学校にも行きたくなかったし、チカの事も考えたくなかったけど家に帰って思い出すのはチカの笑顔、そしてあの時のチカの至近距離の白のパンモロと恥ずかしそうな顔と

「やんっ」

という黄色い声。

そしてそれに勃起してしまいオナニーしてしまう健康的な男子高校生の身体の恨めしさ。

頭の中ではチカで何回も何回も射精しているクセに、本人には”好き”の一言も言えなかった自分の意気地の無さに嫌気がさしていました。

年が明けて三学期の始業式の日、チカから相談があると言われてファミレスに行きました。

「何か急にゴメンね。」

「いや、別に良いんだけど…」

「相談っていうのは私の友達の事なんだけど…」

「うん。」

「その友達はね、少し前に彼氏が出来たみたいなんだけど…」

「その彼氏から、”クリスマスに…”」

「…クリスマスに?」

「…その…”エッチしたい”って言われたんだって。」

「…それで?」

「その彼氏は”俺も初めてだけど出来るだけ痛くないように気を付けるから…”って言ったみたいなんだけど…」

「…うん。」

「その友達は中学時代にもう初体験をしてたの。」

「だからその友達は彼氏に”私は処女じゃないよ”って言ったの。」

「…で?」

「そしたらその日から彼氏が何か冷たくなっちゃったみたいで…クリスマスもデートする予定だったけどドタキャンされちゃったんだって。」

「だからその友達も落ち込んじゃってて…」

「ねぇ、男の人ってそういうもんかな?」

「ん?」

「自分が初めてだったら相手の女の子も初めてでいてほしいのかな?」

俺は”初めてでいてほしい派”なので正直かなりショックでした。

チカが話すこの”友達”とはほぼ間違いなくチカ自身の事だと思います。

チカが俺と再会して仲良くなる前に既に誰かに抱かれているという事実が胸に重くのしかかりました。

思えば俺にはどこか油断のようなものがあった気がします。

チカに彼氏が出来た報告を受けた時は

「(チカが俺以外の誰かと付き合うワケない)」

と思っていましたし、今も

「(俺も童貞なんだからチカも当然処女であるはず)」

みたいに何の根拠もないのにそう思い込んでいました。

でも実際は”俺には俺だけの時間が流れている”ように、”チカにはチカだけの時間が流れている”という当たり前の事が俺には分かっていなかったのです。

「(俺が小学6年の時にチカに告白出来ていたら何か変わっていたのかな?)」

などとその時は思いましたが、中学時代では他の女子にウツツを抜かしていたので俺にはそんな事を考える資格もありません。

でもやっぱり俺はチカが好きです。

チカの話はショックでしたが、チカへの気持ち自体は少しの揺らぎもありませんでした。

だから俺はチカに対して自分の気持ちは言えなくても、少なくとも正直でありたいと思いました。

「俺は…そうであってほしいかな。」

「そうなの?」

「好きな女の裸を自分以外の男が見ているって少し辛いかな。」

「”器が小さい”って思われるかもしれないけど、やっぱり好きな女だったら全部一人占めしたいし…」

「…ふ~ん。」

「でも本当に好きな女なら自分が童貞で相手が処女じゃないからって気持ちが冷めるなんて絶対にないと思うし、それで気持ちが冷めちゃうようならその程度の気持ちだったと思う。」

「…そっか。」

「…アキラだったらその友達に”別れろ”って言う?」

「言うよ。俺だったら”そんなクソ野郎となんか別れちまえ!”って。」

「…ありがと。友達にも”私の友達は別れちまえって言ってた”って言っておくね(笑)」

それから数日後、チカから話があると言われて同じファミレスに行きました。

チカの顔は何処か晴れやかな感じした。

「私ね、●●と別れたんだ。」

「マジで?」

「けっこうアッサリだったよ。”別れよ”って言ったら”いいよ”だって。」

「ふ~ん。」

「それでね、この前相談した友達の事なんだけどね…」

「うん。」

「その子も彼氏と別れたんだって。」

「そうか。」

「友達は”せっかく告白してくれたから付き合ってみたけど、彼氏の事も良く知らなかったし、一緒にいてもそんなに楽しくなかったし、最初からそんなに好きじゃなかったと思う”って。」

「だから”次は自分もちゃんと好きになれる人と付き合いたい”だって」

「…そうか。」

「…これからは、もっと話していいかな?」

「ん?」

「だって私が●●と付き合ってる間、アキラ遠慮して話しかけなくなってたでしょ?」

「う~ん。バレてたか。」

「バレバレ(笑)」

それからはチカとまた気軽に話せる関係に戻れました。

ですが散々後悔しているにも関わらず、俺はまだチカに気持ちを言えないままでいました。

昼間はチカと何気ない会話が出来る幸せを噛み締め、夜になれば告白出来ない自分の意気地の無さに悶々としながらもチカでオナニーをする毎日でした。

この頃になるとチカでのオナニーの練度はかなり上がっており、チカの普段の言動やあの時のパンモロをサンプルとして脳内編集していました。

その結果

「(見て♡アキラが大好きなパンツだよ♡)」

「(アキラの為に可愛いのにしたよ♡)」

「(これでまたい~っぱい出せちゃうね♡)」

という”エッチな小悪魔バージョン”や

「(恥ずかしいよぉ♡)」

「(そんなにいっぱいパンツ見ないでぇ♡)」

「(もぉやぁん♡)」

という”恥ずかしがるけど全く抵抗しないバージョン”や

「(もぉパンツばっかり見てないで私の顔もちゃんと見て♡)」

と言いながらチカが両手で俺の顔を自分の顔に持っていきキスを迫ってくる”甘えんぼバージョン”など多様なバージョンを脳内で作成していました。

今思えば

”末期だな…”

の一言です…

月日は流れ3月の第一月曜日。

俺のクラスでは”席替え”が毎月第一月曜日の恒例行事でした。

チカと隣になれた4月の幸せな期間は5月の席替えであえなく終了しました。

それから毎月この時期はチカの近くになれるよう祈りを込めますが、3月まで夏休み期間の8月を除き9連敗中。

毎月積み重ねていった祈りを込めてクジを引き、チカにクジの番号を聞くと…10連敗確定。

けっこう離れた番号の上に一番前の席というオマケ付き。

ガッカリして席を移動すると

「あ、隣はアキラか~」

とチカが俺の隣の席にきました。

一瞬何が起きたのか分からず

「へ?」

と間の抜けた声が出てしまいました。

「さっき聞いたのと違う番号じゃん。」

「私目が悪いからさっきサヤカに”目が悪いから席替わって”って言って替わって貰った。」

俺は超ラッキーに思わず小さくガッツポーズをしてしました。

「何?そんなに嬉しかったの(笑)」

「…ん?何が?」

「ガッツポーズなんかしちゃって(笑)」

「いや…そんな事してたか?」

「してたよ。」

「記憶にないわ~。」

俺は適当に誤魔化しましたが、くじ引き10連敗確定の状態からまさかの敗者復活に、頭の中ではプロ野球の優勝決定直後のビールかけばりのお祭り騒ぎだったので感情が先走ってしまっていました。

その後は”教科書を忘れたフリをして席を付けて教科書を見せて貰う”というチカの隣の席である利点を最大限に活かしたテクニックを駆使したりして4月以来の幸せを噛み締めていました。

そんな3月も下旬に入ったある日、チカからまた相談があると言われたので放課後に教室で待っていると、ほどなくしてチカも来ました。

「で、相談って?」

「”相談”っていうか”質問”なんだけど…」

「何?」

「…アキラって私の事好きなの?」

全く想定していなかったチカの質問に俺は心臓をブン殴られたのかと思うくらいドキっとしました。

俺は必至に頭を働かせました。

「…”LIKE”の方?”LOVE”の方?」

「真面目に聞いてるんだけど…」

「…何でそう思ったの?」

「アキラ、席替えで私の隣になった時にガッツポーズしてたし…」

「…覚えてないよ。」

「絶対してたよ。」

「う~ん…」

「…じゃあアキラ、私とキスしたい?」

「…さっきから何言ってんの?」

「正直に答えたらしてあげてもいいよ(笑)」

「…めちゃくちゃしたい。」

「じゃあ好きって事じゃん(笑)」

「…チカが好きです。ずっと前から好きだった。だからチカが●●と付き合ってるって聞いた時は気が狂いそうだった…」

「…それならもっと早く言ってほしかったんですけどぉ(笑)」

「…ごめん。」

「…そうすれば席替えで一番前に行かなくても良かったのに(笑)」

「は?」

「あの席替えの前にサヤカとノゾミとマナミとエリとヒロミに”アキラの近くの席になったら席替わって”ってお願いしてたからね。」

「サヤカがアキラの隣を引いた時は出来過ぎだと思ったけど、お陰でサヤカに”一番前から脱出出来た!”ってお礼言われたし(笑)」

「…なんで?」

「だって2年になって違うクラスになっちゃったら、あの席替えがアキラの近くの席になれる最後のチャンスかもしれなかったし…」

「”アキラにとって私ってアリかな?”って確かめてみたかったし…」

「その…それって…つまり…」

「…私も”LOVE”の方で好きだよ///」

チカのその言葉は俺の頭の中で何回も何回もファンファーレの様に響き渡っていました。

“頭の中のチカ”にはその言葉を何十回、何百回も言わせていましたが、その喜びは”現実のチカ”の一回に遠く及びませんでした。

しかしその喜びで大事な事を忘れかけてしまっていました。

「チカ…じゃあ…あの、さっき言ってたのを…」

「…何?」

「トボけるなよ。正直に言ったんだから…その…キスを…」

「…嫌。」

「何だよ。さっきのは嘘かよ(笑)」

「ココじゃ誰かに見られちゃいそうだもん…///」

「…”ココ”じゃなきゃいいんだな?」

「え?…うん///」

俺達は掃除用具などが置いてある物置部屋へ移動してしました。

俺はチカにキスしようと思いましたが、この時点で俺は身長179cmでチカは147cm。

けっこうかがまないといけなくて、正直やりにくいです。

「あれ?ん?」

「なんか上手く出来ないね。アキラ背が高過ぎ(笑)」

「チカが低過ぎなんだよ(笑)」

「そういう事にしといてあげる(笑)」

「う~ん…よし。アレだ。」

俺は近くにあった踏み台を持ってきました。

「これでいけるだろ?」

「必死過ぎ(笑)」

「必死にもなるわ。頭の中で何回したと思ってんだ?」

「そんなにしてるの?」

「ほぼ毎日。」

「…私の事好き過ぎでしょ(笑)」

俺の目線と同じくらい背が高くなったチカは、俺の首に手を回してきました。

俺はチカの腰に手を回しました。

そして俺達はキスしました。

時間をかけて何回も何回もキスしました。

あの時の唇の感触と終わった後のチカの潤んだ瞳は今でも忘れられません。

「ちなみに言うとね…」

「ん?」

「さっきの”私とキスしたい?”っていうのはサヤカ達が考えた作戦なんだよ。」

「へ?」

「少し前からサヤカ達にアキラの事を相談してて…」

「そうしたらサヤカ達が”こう言ってアキラの答えがYESなら好きって事だし、NOなら冗談って事で流しちゃえばいいよ”って(笑)」

「…すげぇ」

「女子の団結力はすごいんだよ(笑)」

俺はチカに「告白させられた」みたいな形にはなってしまいましたが、結果的にチカと付き合えるようになったので、そのキッカケをくれたチカの友達に深く感謝しました。

こうしてチカとの再会から色々あった高校生活の1年目が終わりました。

2年生になるとチカとは別々のクラスになりました。

チカとは離れてしまい寂しかったですが、その分昼休みや放課後の時間は一緒にいるという幸せな日々を送っていました。

その時チカが悩みを抱えている事など露ほども知らずに…

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