高校生物語〜1学期・夏休み〜

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今日は高校の入学式。

人混みが苦手な僕はギリギリ間に合うように家を出た。

なのに…

体育館に着くと、思った以上の人混み。

何処かしこも友達同士で集まっている。

はぁ、面倒くせぇ…

一人で体育館に入ろうかと思ったが、とりあえず中学の友達を探した。

あっ、いた。

体育館から本館に続く渡り廊下の端に、男女7人で集まってる。

近づいていくと、その中の一人の凛が気づいてくれた。

「あっ、マイト!」

僕の名前は真崎唯斗…略してマイトで呼ばれていた。

凛の呼び掛けに、右手を軽く挙げて応えて合流した。

「おはよう」

とりあえず挨拶する。

すると

「来るの遅せーよ」

と孝明。

僕は

「いや、間に合ったやろ。まだ15分前よ!」

と返したが

「普通、もっと早く来るやろ!」

と言う。

内心…(約束もしてないし、俺の勝手やろ!)

と思ったが、

「待っとってくれたんならごめんね、ありがとう」

と一応、感謝も述べてみた。

すると、政成が

「マイトってクラス何組やった?」

僕は知らなかったので

「えっ?もうクラス分かると?」

と聞くと

「私は4組やったよ!体育館前に貼ってあるよ」

と凛が教えてくれた。

ちょうどその時、人が流れ出して皆体育館に入っていく。

友達も先に入っとくと言い残して体育館に入っていった。

凛に「体育館ではクラス別に集まるらしいよ」

と言われ、ちょっと焦った僕は慌ててクラス割を探しに行った。

すると、僕と同じような奴もいるのか、

体育館の大階段の踊り場に人の集まりが出来ている。

それでも僕は最後のようで、列の後ろで待っていた。

もう少しで自分が見る番ってときに、後ろから階段を駆け上がってくる足音と息遣いが聞こえてきた。

気になって振り返ると…

マジか!?

そこにはもろタイプの女の子。

あまりに僕が見過ぎていたせいか目があった。

すると、

「あっ、これなんの列ですか?」

と聞かれた。

急なことで動揺したため、

「あっ、クラス割を見る…体育館…クラス別らしいよ」

と、ちょっとしどろもどろとした喋りをしてしまった。

その女の子は

「へぇ、じゃあ私も並ぼうっ」

と言って、僕の横に並んだ。

前が捌けて僕達の見る番になった。

1組から見ていくと…

あった!

早々に見つけたので、一緒に探そうかと声を掛けようと思ったとき女の子が

「あった」

と言って自分の名前を指差した。

『綾瀬菜々』

同じ1組だった。

すると

「一緒に探そうか?」

とこっちを向いて言ってきた。

ただでさえ近かったのに…

顔が近い!

すごくかわいい!

見惚れてしまいそうになった。

「あっ、大丈夫。俺も1組」

と言って自分の名前を指さした。

「真崎くん、よろしく…じゃあ行こっ」

と言われたので、二人で体育館に入った。

体育館ではもうほとんどの人が席に座っていたので、立っている自分達に視線が集まるのが分かる。

めちゃくちゃ恥ずかしい。

僕は中学生のときに彼女とかいなかったので、女の子と2人で歩くのとか慣れていなく…

とにかく恥ずかしかった。

入学式は無事に終わり、クラス別にオリエンテーションを行う。

1組に着くとドアに貼り紙が…座席表だ。

自分の席を探す…

どうも男女別に五十音順になっているようだ。

後の方かな…

あった!

そして隣の席見てびっくり!

隣は『綾瀬菜々』

急にドキドキしてきた。

教室の中を見ると既に綾瀬さんは席に座って友達と話している。

僕は動揺を隠し自分の席に着いた。

席に着くなり

「隣やったねっ(笑)、よろしく」

と声を掛けてくれた。

僕も

「うん、びっくりした!よろしく(笑)」

と返す。

すると綾瀬さんと話していた友達が

「菜々の知り合い?」

と綾瀬さんに聞いている。

「んー、うん。今日入学式の前に」

すると

「ええーなんそれ(笑)、積極的やん」

と友達。

綾瀬さんが

「いやいや、そんなんじゃないって(笑)、真崎くんも何か言ってよ」

と言うので

「あー、一緒にクラス割見ただけ」

と返した。

友達は

「真崎くんとかもう名前も知っとるしー怪しい(笑)」

とまだ煽る。

これは

「名前は机に置いてあるやん!」

と言う綾瀬さんの言葉で終わった。

僕は綾瀬さんに

「てか、友達…?」

と友達に視線を送って聞いてみると。

「うんっ、えぇと生田彩。小学校から一緒(笑)」

と教えてくれた。

僕は何も考えず…

「彩さんか…いい名前やねっ」

と口から漏らすと

「えっ?私の名前は!?」

と綾瀬さんが僕の言葉に噛み付いてきた。

思わぬ口撃に言葉に詰まって

「あっ、もちろん菜々さんもいい名前だと思うよ」

と言うも…

ちょっとつまらなそうな表情を浮かべる朝川さん…

「もういい、じゃあこれからもよろしく」

と言って話が切れた。

間もなくして担任が教室に入ってきた。

「このクラスの担任の大山です。これからよろしく!」

声がデカい。

続いて大山先生が自己紹介をした。

剣道部で近所じゃ有名な私大を出て教師になったらしい。現代文を、担当しているようだ。

担任の自己紹介が終わると、クラス全員の自己紹介をすることとなり、1分間スピーチを担任から命ぜられた。

5分間の考慮時間の後に開始。

僕の席はクラスの真ん中あたりだったので、女子からでも男子からでも割と考える余裕があるなと思っていた…

しかし…

「じゃあ一番前の人立って」

担任の声が響く。

「一番端からじゃ不公平だから、じゃんけんで負けた列からしよう!」

と、まさかの一言。

そしてまさかの僕達の列から…

3番目に自己紹介することになった。

何気なしに綾瀬さんの方へ視線を送ると、それに気がついたのか綾瀬さんがこっちを向いて

『がんばれ』

と口パクで応援してくれた。

余計に緊張する。

そうこうしているうちに、あっという間に僕の番。

人前に立つのが苦手な僕は、ドキドキで心臓が飛び出しそうなくらい緊張した。

どんな自己紹介をしたのか覚えていないくらいだ。

でも、席に戻った僕に

「よかったよ」

と今度は小声で綾瀬さんが話しかけてくれた。

すごく嬉しい気持ちになった。

僕の列が終わると、次は綾瀬さんの列。

綾瀬さんは

「緊張したぁー」

と言っていたが、

聞いてる方からするとそんな感じは受けず、堂々とした素振りで話していた。

そこで分かったのだが、綾瀬さんは中学の時から続けている吹奏楽を高校になっても続けるらしい。

(僕は…帰宅部かな…)

全員が自己紹介を終えわかったこと!

このクラスでかわいい子は僕的に3人。

綾瀬菜々、生田彩に木實萌。

前述したよう綾瀬菜々と生田彩は小学校からの幼馴染。木實萌は違うが、中学の時から吹奏楽部で二人とは面識があるようだ。

自己紹介が終わると担任が今日のメインイベント?と呼ぶ学級委員決めが行われた。

当然だが…誰も立候補なんてしない。

担任の先生は、決まるまで帰れないと言ってくる。

30分が過ぎた頃、担任から周りの人と話し合うように言われる。

とは言われても、周りの男子とまだ話したこともない。

なので、僕は他人事のように座ったままでいた。

すると隣から…「ねぇ」

綾瀬さんから声を掛けられた。

思いもしなかった声にびっくりして

「ふぇっ?」

と上ずった声で返事してしまった。

それでも、綾瀬さんは少し笑ってくれて…

「ねぇ、一緒にしない?」

僕が(えっ?)って表情をすると、続けて

「真崎くんなら、私もいいよ」

と満更冗談でもない様子。

すると、それを聞いたのか僕の後ろの席の男子が

「おぉ、やったらいいやん!」

と調子に乗ったことを言ってきた。

それにつられて生田さんまで

「真崎くんしたら(笑)」

と言ったもんだから…

クラスの視線を集めてしまい断れない状況に…

なので仕方なく

「あぁ、いいよ」

と返事をした。

すると、その様子を見ていた担任が

「じゃあ、真崎と綾瀬でいいな!?」

と皆に聞く。

挙手による同意で僕達は学級委員になった。

翌日『学力テスト』

翌々日

この日が学級委員として初仕事の日になった。

この高校では新入生は4月の終わりに

『規律と友情の体験学習』

という5日間の宿泊研修が行われていて、

その時に各クラスが何かしらの出し物(余興)をするらしく…

今日は、その出し物を何にするか学級委員を中心に決めなければならないらしい。

担任の「はい、じゃあ学級委員は前に出て話を進めて」

で僕と綾瀬さんは教壇に立った。

(あぁー面倒くせぇ)

と思っている僕を他所目に

「じゃあ、何にしますか?」

と進行する綾瀬さん。

それで僕も何か話し出すのが楽になり、

「先生、ちなみに昨年は何をしたんですか?」

と担任に聞いた。

すると

「そうだな…合唱とかクイズ…劇をするところもあったぞ」

と前例を教えてくれた。

それに呼応して

「じゃあ…その3つ以外で何かいいのありますか?」

と聞いてみるが…返事なし。

綾瀬さんが僕に小声で

「もう多数決でいいかな?」

と聞くので

「うん、いいと思うよ」

と答えると

「では、多数決を採るので、さっきの3つの中の一つに手を上げて下さい」

「では、合唱がいい人…」

そこそこ手は上がって14人

「じゃあ、クイズがいい人…」

ちらほら10人

「じゃあ最後の劇がいい人」

これも14人…と思ったら綾瀬さんも手を上げている。

(ヤベェ〜、俺手を上げるの忘れてた!)

「じゃあ、僅かな差ですが劇に決まりました」

と言って担任に視線を送る。

すると

「じゃあ、どんな劇にするか決めて。あ、でも時間は10分くらいな」

と言う担任。

初めて時間を聞かされたクラスからは

「それなら歌でよくない?」

とか

「短い劇とかある?」

と言った声が上がった。

その中で、僕の後ろの席の奴『武藤亮介』

「コントにしたら?」

「それなら、芸人の真似したり参考に出来るんじゃない?」

と的を得た最適解を出してきた。

これには皆も納得したようで、話は進み週末までにネタを考えてくることになった。

ネタ作りは、言い出しっぺ?の(武藤)亮介と学級委員と席が近くて綾瀬さんと友達という理由で生田さんの4名で行うことになった。

でも結局こういうのって男子がメインというか…で、ほとんど僕と亮介で決めた。

参考にしたのは、バイキング『帰省』

女子の2人に話すと、いいね!と賛成してくれた。

(ただ…これって俺たち2人だけじゃね?…)

一週間後。

女子2人に放課後残ってもらい、リハーサル。

僕が小峠で亮介が西村役。

リハーサルは思ったより上手くいった…というか、よくセリフを覚えたもんだ。

それから本番までの2週間はもっとスラスラ話せるように、表情や身振りとかも気にしながら練習していた。

そんなある日、亮介から

「マイトって好きな人いる?」

唐突に聞かれた。

僕はこの時、綾瀬菜々のことが気になっていたし…たぶん好きだった。

でも、何故かそういうのが友達を含め他人に知られたくなかったので

「いやー、全然」

と答えてしまった。

それを聞いた亮介は

「俺、綾瀬さん好きなんやけど」

と僕に告げると

「マイトがいいなら、俺告白しようと思う」

と続けた。

僕は先程、好きな人はいないと言った手前

「あー、いいよ…」

と返事した。

そして、亮介は大胆にも体験学習の時にこのネタを使って告白したいと言ってきた。

そして体験学習1日目を迎えた。

各クラスからの出し物はこの日の『夜の集い』

で披露するようになっていた。

体験学習は山中にある青少年の家的なところで行われ、

規則正しい生活と男子は日体の集団行動のようなものをさせられ、

女子はコンテンポラリーダンスをさせられる。

その結果は各クラスごとに最終日に発表しなければならなかった。

【一日目】

青少年の家に着くと時刻は11時を回っていて、直ぐに昼食になった。

その後、昼休みを挟んでオリエンテーション。

オリエンテーションが終わると早速、集団行動の内容の計画に入った。

17時、初日の国旗降納は1組の学級委員が任されていたので、綾瀬さんと宿舎の玄関で待ち合わせして降納に向かった。

綾瀬さんと会うとドキドキする。

この後の『夜の集い』で亮介が告白するのを知っていたので、綾瀬さんに隠し事をしている罪悪感のようなものと…

亮介ともこの数週間で親友みたいになったし…

告白が成功してほしかったり…やっぱり失敗してほしかったり…

色々な思いが駆け巡っていた。

それが表情に出ていたのか、

「なんか疲れてる?」

と綾瀬さんが気づく。

「そんなことないよ」

と笑ってはみるが…表情が固かったのか

「あっ、緊張してるんでしょ(笑)『夜の集い』もうすぐだから」#ピンク

と言われた。

そこは

「ちょっとね」

と流した。

国旗後納が終わり、玄関で別れるとき

「頑張ってねっ」

と応援してくれた。

(やっぱり僕は…菜々さんが好きなのかもしれない)

晩飯が終わると大ホールに集まり『夜の集い』が始まった。

クラス順なので僕達が先頭バッター!

二人で気合を入れステージに向かった。

司会は学年主任の榊先生。

榊:それでは、唯斗&亮介で『帰省』です。どうぞ!

で幕が上がった。

亮介:ピンポーン、ピンポーン。

僕:はいはいはいはい。開いてますよ、開いてますよ。ガチャ。

亮介:ただいま。

僕:え?

亮介:久し振り。

僕:どちら様ですか?

亮介:僕だよ。分かるでしょ。高校を中退して、急に家飛び出して、連絡もせずに心配かけてすいませんでした。

僕:お前か。久し振りだな。

亮介:久し振り。

僕:どれぐらい振りだよ、これ。

亮介:15年振りぐらいかな。

僕:ずいぶん変わったな。髪もそんな短くなって、ヒゲも生えて。腹も出たんじゃねえか。

亮介:しょうがないでしょ。

僕:けど、何が一番変わったって、お前性別変わってんじゃねえか。ケイコ!おい!何なんだよ、何なんだよこの今まで味わったこと種類の衝撃は!ただいま血圧グングン上昇中だよ!

亮介:落ち着いてよ。

僕:落ち着かねえよ、いくら驚いても驚き足りねえよ!おいケイコ!

亮介:今はマナブって言う名前なんだ。

僕:ケイコとマナブか、こいつはいい。

亮介:そういうのじゃない。

僕:そいつはいいよ。

亮介:たまたまだよ。

僕:お前何禁断の果実(玉々)に手出してんだよ。

亮介:何だよそれ。

僕:何性別の向こう側に行ってんだよ。

亮介:何なのそれ。

僕:寒くなったら「お鍋の季節がやってきた。お鍋の季節がやってきた」ってはしゃいでたお前が、オナベそのものになってやって来たな。

亮介:そんな言い方はないでしょ。

僕:大体そういう人ってもっとこうシュッとしてんじゃねえのか。お前何でゴリゴリの高校野球児系なんだよ。(坊主にユニホーム姿)

亮介:別にいいじゃない。こういうのが好きなんだもん。

僕:お前オナベじゃねえよ。土鍋だ。

亮介:どういう意味だよ。話を聞いてよ!

僕:何だよ。

亮介:実は東京でバーを経営してたんだけど、うまくいかなくなって、借金があるんだよね。

僕:いくらだよ。

亮介:4000万。…あれ、驚かないの?

僕:お前の変わりように驚き過ぎて、4000万が霞んでるパターンだ

亮介:そう。

僕:これ後から来るパターンだよ。

亮介:そっか。それとあと結婚もしてるんだ。

僕:相手は?

亮介:見た目は女性、でも戸籍上は男。ニューハーフってやつだよ。あれ、これも驚かないの。

僕:今度はあまりにも驚き過ぎて、どうしたらいいか分からないパターンだ。

亮介:そう。

僕:人間本当に驚いたらこんなもんだよ。

亮介:そっか。それとあと子どもも居るんだよね。

僕:お前まだぶち込んで来るのか。

亮介:写真もあるんだ。見てやってよ。

僕:可愛いけど、何か外国人みたいだな。

亮介:だって相手、パナマ人だもん。

僕:お前止まんねえな!またパナマって。

亮介:何よ。

僕:いまいちピンとこねえよ。

亮介:別にいいでしょ。

僕:どこよ?パナマどこよ?

亮介:コスタリカの横よ。

僕:それもどこよ。

亮介:うるさいわね。もういいでしょ。

僕:何なんだ、久し振りに帰ってきたと思ったら、性別変わって結婚して子どもも居るだ?お前の口からまだサプライズしか飛び出してねえよ。

亮介:何また急に怒り出してんのよ。

僕:4000万思い出したんだよ!ほら見ろ。後から来たろ、これ。

亮介:知らないわよ。

僕:どうすんだ。4000万、うちにそんな金ねえぞ。どうすんだこのおてんば娘!

亮介:今は息子だけど。

僕:そっか。ついうっかりしてた…とかなんねえよ!誰がそんな猛スピードで受け入れんだよ!

亮介:ちょっとパパじゃ話になんない。ママ!ママ!

僕:母さんなら出てったよ。

亮介:え?

僕:酒屋のオヤジと駆け落ちした。

亮介:えー!いつ?

僕:今朝だ。

亮介:えー!

僕:何て日だ!今日は一体何て日だよ!家庭がしっちゃかめっちゃかだ!チクショー!チクショーめ!チクショーめ!

亮介:パパ。

僕:そういうことだよ。出てけ、お前もう帰ってくんな。

亮介:分かったわ。こんな家二度と帰って来ないわ。

僕:出てけ出てけ。

亮介:でもこれだけ最後に報告さしてもらうけど、俺好きな人が出来たんだ!

僕:お前、パナマ人はどうしたんだよ。子供もいるんじゃないのか。

亮介:うーん、違う。それはネタだから。

(会場がザワザワしてきた)

僕:どういう意味だよ。

亮介:本当に好きな人が出来たんだ。

僕:お前…誰だよ。

亮介:綾瀬菜々さん!

(会場がどよめく)

(僕は急に寂しくなった。亮介には告白を成功させて欲しいけれど…そうなったら綾瀬さんが遠くの存在になってしまいそうで…)

気がつけば台本に無いことを喋っていた。

僕:俺にも好きな人ができた!

この言葉に一番驚いたのは亮介だろう。

本来ならあの後僕が綾瀬さんをステージに連れてくるようになっていたから。

案の定、亮介は『はぁ?』て顔で僕を見ている。

僕はやはり亮介は裏切れないので…

僕:生田彩さん!

(生田さんも可愛いので少しは気になってた)

僕は亮介に小声で

「一緒に二人のところに行こう」

と言って歩き出した。

綾瀬さんと生田さんの前に着くと

僕&亮介:付き合ってください!

と、手を差し出し目を閉じた。

時間が長く感じる…

しばらくして手に感じた女の子の手が触れた感覚。

目を開けると、生田さんが手を握っていてくれた。

隣を見ると…亮介の手を握る綾瀬さん。

(でも、これで良いんだと思った)

僕達の発表は皆からの拍手で幕を下ろした。

成功で幕を下ろした告白劇ではあったが、翌日から何かが良くなったかというと特に何も良くなっていない。

むしろ、僕と綾瀬さんの関係はギクシャクした。

生田さんともあの時以降まともに会っていないし…

そんな感じだが、最終日の集団行動の発表は上手く行った。

とりあえず『規律と友情の体験学習』は無事に終わった。

二ヶ月後。

時は7月、期末テストシーズンを迎えていた。

入学直後の学力テストで380/400位だった僕も、中間テストでは50位くらいになっていた。

綾瀬さんはと言うと…20位くらい。

そして帰宅部から陸上部になった。

なぜそんな変化があったかと言うと…

付き合っても特に何もしなかった僕。

そんな折に亮介と綾瀬さんが一緒に帰りだしたようで…

生田さんから「一緒に帰ろう?」と言われたのがキッカケだ。

当時、帰宅部だった僕は吹奏楽部が終わるまで暇だった。

なので、その時間に宿題や予習をするようになった。

暇つぶしでも勉強すれば成績は上がった。

陸上部へは小学校からの旧友の誘いで入部した。

実はそれ以外に入部動機となったことがあった。

体験入部だ。

旧友の誘いとは言え、当初は体験入部は見学のみで入部する気などなかったが…

行ってみて興奮する出来事が。

陸上部は男女混合で、部室は分けられていたが練習は一緒にしていた。

そして、練習の時からユニフォームのような格好をしていて、この頃の僕にはそれだけで刺激的だった。

みんな慣れているのか、脇からのブラチラや、スタート練習の胸の谷間等は気にすることないため見放題だ。

そして決め手は先輩から聞いた一言。

『ランパン下は何も履いていない』

と言うのと、

1年4組の越智円さんがいたこと。

この子が凄くカワイイ!

僕の高校ではテスト期間中は部活禁止。

この日も生田さんと一緒に帰る予定だった。

が、その日の昼休みに綾瀬さんから肩を叩かれた。

「ねぇ、ちょっと話せる?」

もちろん

「いいよ」

と答えると、綾瀬さんに導かれるまま第3棟の屋外階段まで連れて来られた。

そこで

「彩がね、全然遊びに誘ってくれないって言ってたよ。どこも行ってないの?」

と聞かれた。

(なんだ、そんな話か…と思いながら)

「あぁ、いまいち何処に行けばいいのか分からなくて…(苦笑)」

すると

「そんなの何処でもいいよ、彩はマイトを好きなんだから、一緒なら何処でもいいよ!」

だって。

なので、逆に

「菜々さん達は何処に行ったん?」

と聞いた。

すると

「えっ…私達は部活とかで時間合わなかったから…」

と少し言葉を濁す。

「あと、全然キスとかさせてくれないって亮介が嘆いてたよ」

と追い打ちをかけると、

「いや、て言うか、それはマイトもでしょ?彩に全然手を出さないって聞いたよ。彩はキスされるの待ってるよ」

と言われ、微妙な空気が漂いはじめた。

沈黙の二人。

少しして

「もうすぐ昼休み終わるね」

と戻る素振りを見せた綾瀬さんに対し

「ごめん。」

と言葉を投げ掛けた。

「えっ?なんで?」

当然のような言葉が返ってくる。

「いや……キス、無理かも…」

と言うと

「なんで?彩のこと好きじゃないの!?」

と少し怒った口調で問う。

僕は、少し間を置いて

「好きだけど、もっと好きな人がいる!」

と吹っ切れたように伝えた。

すると、

「最低。それって彩の知ってる人!?」

とまだ怒り口調。

僕は、もうどうにでもなれって思って

「菜々さんだよ!」

と告げた。

沈黙する二人。

すると、綾瀬さんの顔が歪み涙が溢れた。

「ごめん。」

もう一度告げた。

鳴り出すチャイムが昼休みの終わりを知らせた。

「ごめん。忘れて。」

と言って去ろうとする僕の腕を、掴む綾瀬さんの手。

「また、放課後話そ…」

今の顔じゃ出れないから、先に戻っててと綾瀬さんに言われ、僕は先に教室に戻った。

【放課後】

僕は生田さんと一緒に帰り、綾瀬さんは亮介と一緒に帰った。

生田さんと別れると綾瀬さんにメールで知らせた。

少しすると返信が来た。

それから何通かやり取りして、ある神社で待ち合わせした。

神社につくと既に綾瀬さんが待っていた。

僕:ごめん、待った?

菜々:ううん。(首を振る)

僕:話って何?…

菜々:お昼の話なんだけど…

僕:あー、ホントに忘れて(苦笑)

菜々:んー…私も…

僕:えっ?

菜々:だから、私も!

僕:…えっ?どういうこと?

菜々:…もう、いじわる…わかるやろ!(不貞腐れ顔)

僕:いや、わからんって(笑)

菜々:もう!絶対うそやん!

僕:勘違いだったらゴメン。俺のことが好き?

菜々:(黙って頷く)

僕:まじで!?(笑)

その後しばらく見つめ合った。

そして僕が近づくと、目をつむる菜々。

(これはOKってこと…?)

僕はそのまま近づいて正面から両肩に手を掛けた。

少し俯向く菜々の顔を覗き込み…

おでこに軽くキスをした…。

すると、

菜々が顔を上げ再び見つめ合うと、また目を閉じた。

今度は唇に軽くキス…僕の手や唇は震えていたかもしれない。

それほど緊張した。

唇を離すと…

「しちゃったねっ」

と菜々が微笑みながら言った。

恋を成就させた僕達だったが、悩みを抱えることになった。

・・・

ここで少し裏話。

実は僕と亮介の仕掛けた告白劇だが、

女子二人は(これもネタ?)と思ったらしい、

なので、僕達二人から告白されたあと、少し話してOKしたようだった。

でも、亮介が本気だったので無碍にはできないと思い、そのまま付き合うことにしたと、この時に綾瀬さん聞いた。

生田さんも最初はそんな感じだったが、綾瀬さんと亮介が本当に付き合いだしたので、自分もその気になっていたようだ。

そして、最近は本当に僕のことが好きなんだとか…

・・・

僕にとっての亮介も綾瀬さんにとっての生田さんも、裏切れる存在ではない。

なので、これからどうするか話し合った。

先ず、亮介とだが…

こちらは普通に、(ネタだど思っていた、やっぱりまだ友達のままがいい)と言えば良いんじゃないかとなった。

これなら、ネタ調で告白した亮介にも問題があるからだ。

でも、生田さんの方は…

今更、僕から冗談だったって言うのは遅すぎるし、告白をネタにして心を弄んだのなら最低だ。

それに…本当は綾瀬さんが好きだった!…なんて言えない。

結局、この時は答えは出なかった…。

テスト期間が終わった頃、亮介から綾瀬さんと別れたと聞かされた。

綾瀬さんは行動に移した…僕は…

僕はこの時勝手に、振ったら生田さんが可愛そうとか嫌われたくないとか独り善がりなことを考えていた。

僕には大学生の姉がいて、比較的仲がいい。

最近はバイトを始めたので帰りが遅くなっていたが、ある日曜日に姉が出かけなかったので何気なしに相談した。

すると、

「ちゃんと本当のことをいいな」

とアドバイスを受けた。

なので、

夏休みに入る前に…

一緒に帰って別れるとき…

僕:ちょっと話がある…

彩:うん。

(何かを察していたのか、既に泣きそう)

僕:ごめん。別れてほしいんだけど…

彩:(涙)…

しばらくの時間が過ぎた

彩:(泣いて)ごめん。いいよ。

僕:ありがとう。

彩:うん

生田さんは何も聞いてこなかった…

そして生田さんは離れていった。

その夜、綾瀬さんにメールで生田さんと別れたことを告げた。

しかし、分かっていたが直ぐに付き合おうという話にはならなかった。

そして、夏休みを迎えた…

【夏休み】

夏休みの僕の主なスケジュールは…

・課外授業

・部活

そして一回だけ水泳の補習授業。

〜7月29日〜

この日は課外授業と水泳の補習。

そしてこの水泳の補習でラッキースケベに遭遇した。

課外授業が終わると13時から水泳の補習授業になっていた。

僕はてっきり男子だけかと思っていたが、補習は男女一緒のようだ。

そしてこの補習には、木實萌と2組の弘中文が参加していた。

中学生の時、水泳の授業(男女合同)で女子の胸ポチやマンスジの食い込みを見て男子で盛り上がったのを思い出した。

高校では見れないなと思っていたのでラッキーだ。

ただ、それを考えただけで僕の下半身は反応してしまい、それが女子にバレないか少しビビっていた。

男子は僕以外に数人いて、その中に同じ陸上部の松田がいた。(松田はスケベ)

女子は木實さん、弘中さん以外にも結構いて10人はいた。

13時になると女子も更衣室からでてきた。

その中に、その二人以外にも可愛い子が一人。

松田曰く、3組の白石梨沙。

色白で背も高く、出るとこも出ている感じ。

そして中間テストでは学年3位だったらしい。

補習担当の先生に集められ、みんなプールサイドで体育座りしながら補習の内容を聞かさせた。

補習の内容は、授業一回休み毎に200mを泳ぐというもの。

僕は怪我で5回休んだので1000mかぁと思っていたとき、松田が腕を突いてきて

「おい、白石さんの下見てみ」

とニヤけた感じの小声で言ってきた。

なので、よく目を凝らし白石さんの股間に焦点絞ると…

?マン毛?

間違いない数本のマン毛が飛び出していた。

(こんな高スペック女子がどうして処理してないんだ…)

女子はまだ上半身はバスタオルを巻いて隠していたが、体操座りしたことで股間は隠せない。

残念ながらハミ毛しているのは白石さんのみだったが、木實さんも弘中さんも軽く水着が食い込みマンスジが分かるようになっていた。

泳ぐコースは流石に男女で区切られていて、その中でも1組の僕は女子から一番遠いレーン、逆に4組の松田は一番女子側のレーンだった。

(クソっ、つまんねぇなぁ)

なんて思いながら泳いでいると…何往復かしたところで

「真崎くーん」

と空耳とも取れる微かな声が聞こえてきた。

コースを折り返すと

「真崎くん!」

と今度は少し大きな声で呼ばれた。

(えっ誰?)

と思って顔を水面から出すと、

木實さんがプールサイドに座って僕を見ていた。

「何?」

と言ってプールサイドの方に近づくと、

目の前まで木實さんが寄ってきて

「ねぇ、終わったら時間ある?聞きたいことがあるんだけど…」

と聞かれた。

だけど、その質問より気になってしょうがないことが…

僕の目の前で座ったら、高低差からちょうど股間と目の高さが一緒になって…そっちが気になる。

僕はゴーグルを付けたままバレないように視線を股間に移すと、

水を含んだ水着が先程よりも身体に密着していて、股間の食い込みがより一段と強調されていた。

そして、先程はなかったハミ毛も。

僕はより鮮明に見ようとゴーグルを外すことにした。

下にずらしたら視線を変えれないので、上にずらして、その際に下を少し向きマジマジと股間に視線を向けた。

そうやって、マンスジとマン毛を確認すると…

「あぁ、うん。時間あるけど…」

と言うと

「あるけど?何?」

と聞かれ返されたので

「ごめん、さっきから目のやり場に困る」

と言うと

「えっ…あっ!」

と言って膝をついて股を閉じ、手を股間に添えた。

でもそうしたことで、先程まで隠されていた胸が晒された。

その胸にはプツ…プツ…と突起が浮かび上がっている。

顔の割に胸も意外とあって小ぶりな乳首だった。

そんなことを考えているとあっという間に勃起。

このまま上がれないし、あと数往復残っていたので、

「あと少ししたら終わるから、何処かで待ってて」

と言うと、少し考えて

「じゃあ駐輪場でいい?」

と聞かれたので

「うん、いいよ。」

と返事した。

それからは僕もなるべく早く泳いで5分位で終わらせた。

待たせてるので、急いで制服に着替えて駐輪場へ向かった。

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