「集合!!(部長の声)」
猛暑の中、部長の一声で部活が始まった。
練習はキツイが、この部活には年頃の男子にはそれに見合う目の保養が用意されている。
僕も部活に入るまで知らなかったことだが、この高校の陸上部には変な慣習があって、練習するときの服装が男女ともにショートタイツなのだ。
目の保養というのはこの服装のことで、僕らの狙いは2名。
前作に登場した吉川先輩と、僕たちの学年の岩田麻美(あさみ)。
麻美は中学からの陸上経験者でハードルで県大会に出場したことがあるらしい。高校からは高跳びにも挑戦している。
見た目も申し分なく、麻美を目当てに入部した部員も数人いる。
(希望があれば画像載せます)
練習はルーティンで、アップが終わるとスタートの練習、それからリレーメンバーはバトンの練習、その後は種目別に分かれて各個で練習だ。
「今日もいいねぇw」
僕の耳元で女子には聞こえない声量で和也が呟く。
「お前見過ぎw」
「いやぁ、あのマンコはやべぇやろw」
僕らの視線の先にはスターティングブロックに足を掛けお尻を突きだす麻美の姿があった。
中学からそこそこ実力者であった麻美は、以前から使用していたのかブルマタイプを着用していた。
肌にピッタリ張り付いたタイツには下着のラインが浮かんでおらず、男子の中ではノーパン?と疑うやつもいた。
僕も和也もそれを疑うやつらだ。
麻美が何度かスタートの練習をすると、タイツはズレてお尻に食い込みヒップラインに白い肌を露出させた。
更に、お尻を突き上げた事でズレたタイツは割れ目に密着しお尻から恥部まで奇麗なスジが出来上がる。
特に性器部分は、その形が浮き彫りしたかのようにくっきりと浮かび上がり誘っているかのように感じた。
「今日も良いもんが見れたなっw」
「だなっw」
そんなことを話していると
ヨーイ…バン!!
スタートのピストル音が鳴り響き、僕ら男子の煩悩を吹き飛ばした。
スタートの練習が終わると、男女別にリレーの練習をして、各個練習をして今日の部活も終了。
「ふぅー今日も暑かったぁー」
更衣室前に戻ってきた僕たちはマネージャーが用意してくれていたスポーツドリンクを手に取り一気に飲み干した。
「はぁーうめ~!」
「まじでこの瞬間だけはこれが一番うめぇw」
そのまま他の同級生とも更衣室前で話していると珍しく僕を呼ぶ女性の声がした。
「カイヘイ!」
??
声がした方を振り向くと、20m程離れたところに岩田麻美が立って僕の方を見ている。
僕は人差し指で自分を指して“僕?”とアピール。
すると、麻美は首を縦に振り右手を挙げ手招きした。
珍しい出来事なだけに“何だろう?”と首を傾げながら近づくと
「ちょっといい?」
と話を持ち掛けられた。
そこでの話が僕の高校生活に大きな変化をもたらすことになる。
「カイヘイってさ、美波ちゃんと付き合ってるの?」
「はっ?」
予想だにしない質問に呆れた。
「は?じゃなくてどうなの?」
「どう?って付き合ってないよ」
「うそっ、ちゃんと正直に言ってよ?」
「うん、だから正直に付き合ってないって」
「そうなんだ…」
「?…どうして?」
「付き合ってるって噂があったから」
どうも僕と美波が何度も一緒に帰っているのを見た人がいるらしく、それでそんな噂がたったらしい。
まぁ事情を知らない人からするとそう見えるのか…w
僕と美波は幼稚園からずっと一緒ということは前述していたと思うが、実のところ実家同士がかなり近い。
というか同じ集落だ。
当然、美波の親も知っている。
その集落というのは高校よりも更に田舎にあって、街灯はあるもののポツ…ポツ…ある程度で夜になるとほぼ真っ暗。
それで、美波の親からの頼みもあって美波の用心棒として一緒に帰っている。
そのことを麻美に打ち明けると
「なぁんだwそうなんだw」
と笑った。
で、そこから話の本題に入った。
「美里わかる?4組の」
「えっ?…」
頭の中で美里という人物を検索しても出てこない。
「誰?」
「げっ、やっぱりね…一回部活見学に来た人…覚えてない?」
!?
なんとなくだが記憶にあった。
美里というのは、本名:大石美里といって、俗に言う帰宅部。顔立ちはきれいと思うが…失礼ながら僕のタイプではない。
「あの…髪が少し長かった人?」
「多分そう!…どう思う?」
!?
「えっ?どう思うってどういうこと?」
「もう!良いと思うかどうかってこと!」
「え…まぁ…綺麗だと思うよ。」
「ふーんw」
「何?」
「カイヘイのこと気になるんだってw」
「告白されたら付き合っても良いかなぁって言ってたよw」
「は?何それw」
「もう!良いと思ってるなら告白しいよ!待ってるよ」
“待ってる”って言ったって…
僕には別に好きな人がいるんだ!
だが、その場でそんなことを言える雰囲気でもなく…
言ったところで“誰?”って聞かれても答えれる度胸もない。
それからだ。
部活で麻美に合うたびにジロジロ見られ、他の女子にも言ったのか一週間後には他の女子から「ねぇ、告白しないの?」と言われる始末。
そんな状況が続き、ついに夏休みが終わる直前、僕は麻美さんにお膳立てしてもらい美里さんに告白した。
こんな他人に流されるままの決断で良いのかどうか迷ったが、奈々さんには彼氏がいるし、付き合ったらなにか変わるかもしれないと思い流れに身を任せた。
・・・
二学期。
この期間にうちの高校では体育祭、文化祭がある。
大石美里と付き合って早々に問題が起きた。
瀧本美波の存在だ。
なぜかというと、うちの高校の慣習?なのかなんなのか、カップルになると一緒に下校するというのが慣わしだったからだ。
それが慣わしだということは何故か岩田麻美から聞いて知った。
美里と付き合ってからも下校時間が遅いときは美波と一緒に帰ることが続いていた。
それを続けた理由は、やはり美波の親からも頼まれたのもあり一種の責任感ってやつだ。
実は美里、帰宅部と紹介したが体育祭ではチアに選ばれていて、この期間は他の部活と同じように閉門時間まで活動していた。
普通この後、カップルは待ち合わせをして一緒に帰るのだが、僕は美波と一緒に帰るので彼女の美里からしたら面白くなかったに違いない。
なので、その埋め合わせを土日に頑張っていていたはずなのだが…
日々の不満が積もり積もったのだろう…僕の初めての交際は二学期が終了するのとほぼ同時に終了した。
それも、岩田麻美を通して。
先述した“大きな変化”というのは僕に初めての彼女が出来たことではない。
もちろん、これはこれで人生における一大イベントではあったが、むしろ美里と別れたあとの影響が大きかった。
美里は同じクラスであった麻美から紹介されたが、奈々とは小中から続く幼馴染で中学までは同じ吹奏楽部に入っていて仲がよかった。
なので、僕に抱く不満をどうもクラスメイトでもある奈々にぶち撒けていたようだった。
そのためか、冬休みが明け三学期が始まると、年明けの挨拶のように
「美里と別れたとやろ?」
と奈々から話し掛けられた。…つづく。
写真は瀧本美波です。
今作は話の流れ上、美波とのことをあまり書けませんでした。
次作では美波とのことを中心に書きたいと思います。
また、三学期で僕は奈々に告白…します!