雨の日に現れた女(ひと)

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18の大学生になった僕は春の長雨が嫌になっていた。

なぜならバイトに入る日に限って雨になるから…

潰れた店先で雨宿りしながらバスで帰るか?漫画喫茶で時間潰して帰ろうか迷っていた時…

その人は現れた…

「雨、やまないですね」

「はい。。」

「今年は急に雨が降る事が多いですね」

「そうですね…」

僕の前に現れたのは20代で凄く綺麗な大人の女性でした。僕は、こんな綺麗な女性がこの街にも居るんだなぁ〜と考えていた。

10分ほど沈黙が続き雨と車の往来する音だけが耳に入ってくる。

車道を眺めながら3mくらたい離れた女性は、どんな仕事をしているのか?気になり始めた。

そこへ白のBMWが止まり窓が開き女性に声を掛けて来た。僕は彼氏から旦那さんだろうと思い女性の方を向いた。すると…

「お家はどこ?近いのなら送ってもらえるか聞いて

あげる」

「いえ悪いですから…」

「場所は?」

「え〜っと…◯◯町の駅の近くです」

「家は凄く近所だなら乗せて行く」

女性は車へ走り、こちらを指差し直ぐに手招きしてくれた。僕は後部座席に乗せてもらい、旦那さんへお礼を伝える。優しい口調の旦那さんで歳は30代か40代前半に見えた。旦那さんは運転をしながら色々な質問をして来た。

「君の名前は?」

「啓太です。」

「啓太くんは学生さん?どこの大学?」

「◯◯◯大学の1年です」

「ちょっと失礼でしょ…」

「これくらい普通の会話だよ(笑)」

「そうですね。気にならないです(笑)」

道は渋滞し中々動かない車の車列を眺め、じっと黙っていた。するとエアコンの風が僕に女性が付けている香水の香を運んで来た。この匂いが僕の性欲を刺激する、いい匂いに気づいた。

本当に、いい匂いで思わず目を閉じ匂いを楽しんでいると、信号待ちで車が止まり2人の笑い声が聴こえる。

目を開けると2人は、こちらを見ていた。

「どうした?なんか臭うか?(笑)」

「啓太くん、目を閉じてクンクンしてたよ(笑)」

「いや…あの…匂いが気になって…無意識です」

「どんな臭い?いつも乗ってないな?」

「そうねぇ〜」

「いや臭くないですよ(笑)」

「臭うって?」

「いや〜言い難いですが…香水ですか?」

「私?…臭い?」

「誤解ですよ!日本語…難しい…です…」

ギャハハと笑いが起こり、車内は一気に空気が変わりプライベートの話が普通に繰り広げられ、話が尽きないので、ご飯をご馳走になる事に…

夫婦の出会いから趣味の話へ、僕の趣味と旦那さんの趣味が重なり更に意気投合する。

旦那さんの趣味はカメラで旅先の綺麗な景色を撮ったり、奥さんを景色に入れて記念に撮影したり、かなり充実したご夫婦なんだと話を聞き入ってると…

「今度、温泉にドライブがてら遊びに行くけど啓太

くんも来ないか?」

「急に誘われても困るわよね…」

「いえ…ま…お二人の旅は邪魔できませんし…学生

なんで、お金もお二人が遊ぶレベルは出せません」

「お金は気にしないで(笑)」

「本当、強引なんだから…大丈夫?」

「そうですね…お二人が良いなら、よろしくお願

いします」

「いや〜楽しみ!若い子っていいね!」

食事をご馳走になりご夫婦は、僕を家まで送り届けてくれた。次の日、旦那さんから連絡が来た。

昨日の話なんだけど、カメラを持って2人で打ち合わせがしたいと…

カメラを持って自宅前で待つ、天気は晴れ白いBMWが僕の前で止まり旦那さんが手を振って来た。

僕は頭を下げ車のドアを開けた。

「こんにちは、急に呼び出してごめんね!」

「いえいえ、先日はご馳走さまでした」

「楽しかったね!妻も喜んでたよ(笑)」

「よかったです!久しぶりに僕も話しました」

「晴れているし公園でも行って、景色を撮りながら

話そうか?」

「はい!」

公園に着きカメラを手に少し歩いた。

旦那さんは写真を何枚か撮りながら歩く、僕はその様子を見ながら歩調を合わせ旦那さんの後に付いて歩いた。

公園の中奥のベンチに座り正面の池を眺めながら、旦那さんが語りかけてきた。

「啓太くんは彼女いるの?」

「いません…」

「好きな人は?」

「今はいませんね…」

旦那さんは旅行の打ち合わせと趣味のカメラの話をするかと思いきや、僕の女性関係を聞いてきた。

僕は意味が分からぬまま旦那さんの質問に答えていた…

旦那さんは続きて質問をしてきた。

「啓太くんは女性と付き合った事がない?」

「えっ…そうですね…まだ、そうゆうなんて言うか」

「変な質問をしてすまない…啓太くん」

「いえ、彼女は出会いがなくて…」

僕は少し嘘を付いた…出会いが無いのでは無い…僕がビビりなだけ、傷つくのが嫌なだけだった。バイト先の一つ歳上の先輩も彼氏いないみたいだし、出会いはあるが自分に自信がないだけ…

「今日は打ち合わせだったね!カメラは何処の?」

「◯◯のαです…頑張ってバイトして買いました」

「本当、カメラ好きなんだね!」

「はい!好きです。何気なく撮った、その一瞬は既

に過去の一枚と考えると…」

旦那さんはすっと立ち上がり、また公園の奥へと歩き始めた。歩きながら旦那さんから、人物も撮ることはある?と聞かれる。人物をあまり撮る機会がないので、数回だけ撮っただけと伝える。

「じゃ〜練習と思って妻を撮って欲しい」

「綺麗に撮れるか?分かりませんが…」

「ま〜素人を撮るだけだから(笑)」

「わかりました」

僕は今度の旅行でご夫婦の旅の姿を写すと思い引き受けた。ネットで人物を綺麗に撮るためのレンズを探し、今後のためにと思い奮発しレンズを購入し、旅に向けて友人の自然な姿を練習のため撮りました。

旅行当日の朝、少し小雨が降っていた。写真は撮れないかも知れない…2人の為にかなり練習したのに残念だ。

携帯が鳴った。旦那さんから10分で着くといわれ僕は、家の前でそのまま待っていた。

BMWが目の前に止まり助手席の窓が開き、奥さんから「おはよう」と声を掛けられ荷物をトランクへ積み、後部座席へ座ると旦那さんから、ジュースを渡され車は走り出した。

長旅の始まり

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