部活の後輩が電車で漏らした話

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高校の時の話。

俺が所属してたのはあんま活動してない文化部だったのだが、夏に電車で遠出して集まるイベントがあった。

とはいえ高校生の集まりなので、イベント自体は夕方には終わって帰り道の話だ。

会場からは現地解散だったので、家に帰る電車の路線の都合で、俺ともうひとり、1年の智恵理という後輩だけが一緒になった。

2人で話すのが初めてだったのでやや緊張したが、智恵理は話やすくて助かった。

「なんで先輩が敬語なんですか?」

「あ、いや。去年まで部活の1年俺だけだったから、癖で」

「癖ってwでも、出来ればわたしにはタメで喋ってください。ちょっとやりにくいですw」

「ごめんw」

智恵理はちょっと明るめの髪をポニテにした快活なタイプの子。

身長は俺より頭一つ小さいが、中学ではバスケのレギュラー選手だったらしい。

短めに折ったスカートから伸びる細い脚につい目を奪われてしまう事はしょっちゅうだった。

同じ部活ではあるがあまり話が合うタイプとは思えず、この日まであまり話した事もなかったが、

話してみると案外共通点が多く、ちょっと捻った冗談も通じて面白かった。

それに、中学の部活が厳しかったためか、きっちり後輩として振舞ってくれたのが新鮮だった。

「先輩ってめっちゃ趣味合うじゃないですか!もっと早く話したかったです」

「ほんとだな、オタクに優しいギャルって本当に居たんだって気分」

「わたしギャルじゃないですwギャルっぽく見えるのは分かりますけど」

「重ねてごめんw」

そんな話をしながら駅につくと、凄い人込み。

駅員のアナウンスで、乗る予定の路線にトラブルがあり、大幅に遅れながら運行しているらしい。

だが幸いにも、次の電車はすぐに到着するというアナウンスが流れていた。

「これ逃したら1時間遅れっぽいし、急ぐか」

「あー……いや、うーん……」

智恵理は電車の運行状況の電光掲示板を見て少し悩んだあとこう言った。

「すみません、先輩。わたしお手洗い行きたいんで、先輩だけ先に帰って貰っていいですか?」

「それなら俺も行きたかったし、次のに乗ろう」

「いや、先輩を待たせるわけには……」

そう話しているうちに電車が来たのだが、びっくりするくらいすし詰めだった。

降りる人はほとんどおらず、パンパンの電車に人が入ろうとして苦労していた。

「いえ、先輩、乗りましょう!家まで我慢するんで」

「え、いいの?」

「いいです!これ乗り遅れちゃ困りそうです」

智恵理の勢いに飲まれて、俺は一緒に満員電車に体を無理矢理ねじ込んだ。

「いたっ」

「大丈夫か?」

「大丈夫ですけど、んっ、いや、結構キツイですね……」

智恵理の傍に立っていたのは、よりによってかなり腹が出たおっさんで、智恵理は海老反りの姿勢でドアに押し付けられていた。

この状況では仕方ないとはいえ、俺はこのおっさんにかなり腹が立った。

電車が動き出してからも智恵理は何度か体勢を変えようとしていたが、びくともしないようだった。

「んっ……くっ……」

すぐそばで苦しげに身体をくねらせている姿に少し興奮してしまったが、それよりも後ろのおっさんの鼻の下が明らかに伸びていたのが腹立たしかった。

やがて次の駅に着いて扉が開いた。降りる人は居なかったが乗り込む人も殆ど居なかったので、チャンスだと思った。

「智恵理、ちょっと」

「あっ」

俺はその隙に智恵理と場所を入れ替えた。

おっさんが露骨に残念そうな顔をしたので、入れ替わって正解だったと思った。

「ありがとうございます、正直助かりました」

「気にすんなって」

場所を入れ替えてみれば、特に俺がドアに押し当てられるようなことはなかったので、やはりおっさんはわざと智恵理にくっついていたらしい。

痴漢で突き出してやろうかと思ったが、智恵理が何も言わないのに俺が騒ぐのも悪いかと思ってやめておいた。

そうして電車は発車したものの、それからはあらかじめ予想していた通り、頻繁に止まった。

止まらずに動けば2、3分で着く隣の駅まで10分は掛かったと思う。

「うーん、やっぱ良く止まっちゃいますねー」

「まあねえ」

この路線はよく止まる、というのが利用者の間の共通認識であり、今更怒る事はない。

むしろ今回は智恵理と長くしゃべる口実が出来てラッキー、くらいにこの時は思っていた。

「そういえば先輩、駅に着く前に言ってたやつですけど」

「あ、そうそう」

好きなYouTuberの方向性が似てそう、みたいな話からおすすめのチャンネルをいくつか紹介していると、また次の駅について、少しだけ人が降りた。

智恵理の傍、電車のドアのすぐ角の部分から人がいなくなり、少しだけ俺たちの周りにスペースが出来た。自然と、俺は智恵理と向き合う体制になった。

体勢を変えてすぐ、降りた人より多くの人が乗り込んできた。俺は背中を突き飛ばされるように、智恵理と急接近してしまった。いわゆる壁ドンの姿勢だった。

「ご、ごめんっ」

「大丈夫ですよ、もっと近くに来て貰っていいですから」

背中からの圧の高まりと、智恵理のありがたい申し出により、俺はほとんど智恵理を胸に抱くような姿勢になった。

めっちゃいい匂いがしてはっきり興奮してしまい、気付かれないか心配になった。

「さ、さすがに恥ずかしいですね」

「いや、ホントごめん」

「イヤなわけじゃないから大丈夫ですよ」

「それ、陰キャは勘違いするからやめてくれ……」

「えー、先輩そんなに陰キャって感じ、んっ、しないですけど」

女子とこの距離で喋った事がない俺はそんな軽口を叩きながら気を紛らわせていたが、同時に智恵理が足をもじもじと擦り合わせていたのにも気付いた。

1時間遅れの電車に乗るかトイレに行くかを天秤にかけていたくらいだから、相当我慢しているはずだ。

とはいえ、トイレが大丈夫か聞くのは流石にデリカシーがないと分かっていて、気付かないふりをするしかなかった。

「中学帰宅部だし、高校でも基本オタクだし、陰キャだと思う」

「ええー。でも、先輩は目を見て話すじゃないですか」

「え、ほかにどこ見るの」

「胸か足ですね。……あ、想像しました?やらしーっ」

「今の俺悪くなくない?」

「あははっ、そうですね、わたしが悪い、ですっ、ふ、んんっ……!」

突然智恵理は雑談の最中にはっきり分かるほど体を震えさせて、辛そうな表情になった。

さすがに気付かないふりも限界で、俺たちは気まずい愛想笑いを交換した。

「すみません、やっぱりわたし、次の駅で降りますから、先輩は先に帰ってください」

「分かったけど……やっぱり遅くなったし、俺も降りて最後まで一緒に帰ろう」

「いや、大丈夫ですよ。逆に申し訳ないし、ん、ん、んっ……!」

話の途中で、智恵理の手がぱっと前を抑えていた。それでも足らず、前屈みになる。

「す、すみませんっ……ちょっとだけ、この姿勢でっ……ふ、くっ……んんんっ」

「あ、ああ」

どう見ても決壊寸前のおしっこを全力で抑え込んでいる姿勢だった。

「はっ……あっ、す、すみません……っ、結構やばくてっ……」

「あ、ああ」

そんな話をしている中で、無情にも電車はまた止まった。よくあることだ、と乗客は皆あきらめた表情。

「嘘……っ」

智恵理は小声で絶望の声を上げた。

「ど、どうしようっ……どうしよっ……!た、助けてください、先輩、わたし、ダメかも……!」

「って、言われても……」

何か助けになるもの、と思い当たるものといえば、ポケットからタオル生地のハンカチが出てきたくらいだった。俺は何も言えずに智恵理の目を見た。

もう智恵理の目には涙が浮かんでいて、しゃくりあげる寸前だった。

「あっ、ああっ!」

小さく悲鳴を上げて、智恵理はカバンを床に落として両手できつく前を握り、ぐ、と体を折った。

「……う、ううう……っ!」

密着した体勢だから、智恵理の身体から微かに異臭がした事に気付いてしまった。

なおも智恵理の身体の震えは大きくなり、おしっこの臭いも濃くなっていく。

「たすけて、せんぱいっ……も、もう、我慢、できなっ……も、漏れっ……!あ、ああっ……!」

しゅーーーー、という音が智恵理のスカートの奥から鳴った。

下を見ると、智恵理の足をいくつもの水の筋が伝っていく所だった。

「いや、いやっ……!は、はあ、せんぱい、なんか貸してくださいっ、あっ、あああっ……!」

俺がハンカチを差し出すと、智恵理はそれをスカートと一緒に足の付け根に挟み込んだ。当たり前だが、そんなサイズの布では吸いきれない。

「う、ううっ、う、ううう……!」

智恵理の足元に水たまりが広がっていく。周りの乗客も気付いてざわめきだす。

俺はせめて智恵理の顔が誰にも見られないように、自分の胸に抱いて隠してやるくらいのことしかできなかった。

「うっ、ううっ、ぐすっ、ごめんなさい、ごめんなさいっ……」

智恵理のお漏らしは体感で1分ほどは続いた。

密着していた俺の服も濡れたが、ここで智恵理から離れたらもっと傷つくと思って、俺は体勢を変えずにいた。

「ひくっ、ぐすっ、はぁ、はぁ、ごめんなさい……」

いつの間にか電車は動いており、駅に着いた。

俺は泣きじゃくる智恵理の肩を抱いて、逃げるように電車を降りた。

この日はもう少し続くのだが、その話はまたいずれ。

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