「戸も開いてたし、ランドセルもある。中にいるのはわかってるんだぞ」
「(万事休す)」
ぼくはケンジたちの前に姿を現した。
ケンジたちは、
「失敗した~」
「入り口にランドセルはまずかったな」
結構平気で、テヘペロという感じだった。ぼくを見ても驚きもしなかった。
ぼくもいっしょに降りていこうとするとケンジは無言でぼくを制止した。
「(おまえはいま出ていかなくて大丈夫)」
潔く2人だけで下りていった。
1階の様子は見えないけど、侵入者が低学年の小学生なので、おじさんは思ったほど怒っていない気配だった。
「男同士だから気持ちはわかるけどね、子供にはまだ早い」
コミック誌を没収しているらしい声が聞こえた。
「(そのまま持ってったのか)」
もうコミック誌なんかどうでもよかったけど。それにおじさんもそんなにこわい人じゃなかったんだな。
3人が去って静寂が訪れた。いつもの場所に座って、ぼくは脱力していた。
時間が過ぎた。
再び1階の戸が開く音がした。まっすぐ誰かが上がってくる。
ぼくはもう隠れる気も起きず、そのまま見つかるのを覚悟した。
現れたのはせっちゃんだった。目に涙をためていた。
怒っているような安心したような表情で駆け寄ると、胸をぽかぽか殴った。
「ごめん」
せっちゃんは、ぼくがちっとも原っぱに現れなくて、代わりにケンジたちが白い作業着のおじさんに倉庫から連れ出される一部始終を見ていて、不安でたまらなかったんだと後で聞いた。
「ほんとに疲れた」
力なく笑ったら
「バカっ」
胸を押した。ようやく笑顔を見せた。もっと笑わせたいと思って
「元気を出すために、パンツを見せて?」
と言った。困った顔をした。
「・・・いいよ」
「冗談だって」
「男だったら言ったことに責任取りなさい」
「ほんとにいいの?」
「武士に二言はない」
「武士じゃないだろ」
ようやく心からほっとした。せっちゃんといると安心する。
「じゃ遠慮なく見るからね」
「さっさとやれよ」
せっちゃんの赤いスカートをめくらせてもらって、真正面から白い木綿のパンツを見た。愛らしくぷっくりふくらんで、薄くすじになっている。
「両手で持ち上げて?」
「そこまでやらせる?」
両手でスカートの裾を持ち上げて恥ずかしいのを我慢しているせっちゃんが可愛かった。
右手の人差し指を伸ばしてそっと割れ目の線をなぞるとぴくっとした。
たまらずぼくは立ち上がって、思い切りせっちゃんを抱きしめ、キスをした。