恐らく知らない人はいないであろう大手企業A社。
その会社100%出資の子会社Bが俺の勤務先。
俺は設計担当で、同期入社したC子という箱入り娘なお嬢様が経理担当。
フロアも職種も違うから普段は会う事ないんだけど、同期の飲み会とかでよく会ってた話も合うし、とにかく可愛らしい。
この娘、俺に気があるんじゃないかと暴走。
勘違いした俺はプロポーズするも、敢え無く玉砕。
まぁ、C子にアタックして打ち砕かれたのは俺だけじゃないし、普段の仕事にさして影響があるわけでもないが、俺はフラれた気持ちを晴らそうという思いもあって、とにかく仕事に没頭した。
幸い尊敬する上司や先輩も少なからずいたし。
そんなこんなで入社3年目、周囲のサポートもあって俺は新商品の設計部門で社内表彰の対象となった。
手前味噌だが、俺が主体で10億の仕事をやったという自負はある。
その情報が親会社であるA社にも伝わったらしい。
そんなある日、あのC子から俺にメールがあった
「あたしB社の経理以外の事はよく知らないけど、俺君って実は凄い頑張り屋さんなんだね。パパ(実はA社の管理職)から聞いたよ。1度は俺君からのプロポーズ断ったけど、もう1度考え直してもいいかなぁと思って。今度食事に行かない?」
俺は全力でお断りした。
「君の父親がA社のお偉いさんという事は俺には関係ないし、今回の表彰だって君のためにやった事じゃない。俺は君という人間が好きだったけど、君が好きなものは俺じゃなくて俺の肩書きだろう?君の腹の内がミエミエなので丁重にお断りさせてもらう」
という内容で。
あれから数年の月日が流れ、俺は別な人と結婚し家庭を持った。
一方でC子は独身のまま三十路を迎え、その醜さにますます磨きがかかってきた。
たまに若い社員を捕まえて飲みに誘っているようだが、最近はほとんどお断りされているとか。
当たり前だ。
20代はまだ誤魔化す事が出来ても、腹の黒さがそのまま顔に表れているような奴、誰が相手にすると思ってんだ。
クリスマスが近くなると思い出す、プチな武勇伝でした。