最初のお話で、女子◯生の体重計測をパンツ一枚で行ったことを書いたが、そのことを男子生徒は知らない。
女子が男子にわざわざ恥ずかしかった話をするはずがないから、当たり前のことだ。
私も秘密にしておくつもりだった。
事情が変わったのは、身体検査から二ヶ月後。
テニス部の後輩で、一年に仲の良いやつがいた。
常に一生懸命で、雑用でもなんでも、俺が作業をしていると、頼んでいなくても手伝ってくれた。三年の時キャプテンだった俺としては、ありがたい存在だった。
三年の引退試合となる県大会直前、部室で練習メニューを作ってた時のこと。その一年だけが残っていた。
「先輩って、彼女さんいるんですよね?」唐突に聞いてきた。
「ああ、いるよ」
「誰です?」
「同じクラスの○○(俺の彼女の名前)」
「吹奏楽部の?」
やたら詳しい。二年あたりから聞いたのか。
「お前はいないのか?」
「いないです」
「好きな人も?」
そう言うと、恥ずかしそうに黙ってしまった。
「ずるいぞ。好きな人くらい言えよ」
いじると、小さな声で一年は答えた。
「おかしいかもしれないですけど・・・一つ上の○△さんが・・・」
なんでおかしいのか聞くと、年上を好きになるのは変かもしれないと思ったとのこと。並みの中◯生でも敵わない純粋さだ。
俺がそれに笑うと、少しむすっとされたが、もう少し話してくれた。夜なんかに、その子の裸を想像してしまうんだと。
当人にとっては真面目な相談だったらしいが、俺は彼の未熟さに圧倒されかけていた。
「そういえば○△さんって言ったっけ?二年五組の?」
彼はびっくりしていた。
「なんで知ってるんですか?」
俺はなんと答えるべきか迷ったが、「綺麗な人だから」と言っておいた。あながち嘘ではない。
なんとなく嬉しそうな彼。でも、「付き合うのは無理そうだしなあ」みたいな悲しげなことを言っていた。
その不憫な姿を見て、俺は決意を決めた。彼の好きな二年の女子を知っていた理由を正直に話そうと。
実はその女子を知ったのは、例の身体検査の時だった。かわいらしい子で、朝倉あき似。
まだ、おかっぱ風のショートヘアが多い中で、かなりのロングヘアだった彼女は目を引いた。ポニーテールにせずに、前に垂らしていれば、胸を隠せるだろうに。なんて余計なことも思った。
しかも、さらに珍しいことに、淡いピンクのパンティーだった。
記録用紙にチェックしてもらう時に、横からチラッと見えたおっぱいは、綺麗な山形をしていた。
そうしたことを話してやると、彼の目は変わっていた。完全にオスの目つきになり、細かいことをしつこく聞いてきた。
その熱意に押され、俺は手口まで伝授してやった。
「これが来年もバレなければ、お前もできるぞ」
そう言ってやると、彼は生き生きとしていた。
それ以降はずっと、彼はその話題をしなかった。口が固く、俺が信頼できるやつだから、不思議ではなかった。
ただ、あまりに何も言わないので、忘れたのかなと思っていたが、俺の卒業式から一週間後、一人暮らしの準備をしていた俺の家に、彼が来た。
餞別の言葉を一通り述べてから、ひそひそ声で、身体検査の段取りを聞いてきた。やっぱり覚えてたんだな。そう思いつつ、一年近く前に話したことを、もう一度教えてやった。
それから一月余り、天皇誕生日(今の昭和の日)に帰省した俺のところに、彼が来てくれた。
近くの運動公園のテニスコートに行き、久々に彼とテニスをした。他に誰もいないテニス場で、木陰に二人座って休憩した時に、彼が口を開いた。
「先輩、体重計測の係になれました!」
そこからは、俺から急かすように話を聞いた。
保健委員に立候補し、見事なった彼。
通常、計測は三年男子が担当するが、あくまで消極的な話で、自ら進んで名乗り出た彼は、二年生にしてなることができたそうだ。
胸囲に人気が集まるなか、彼はしれっと体重を希望し、その係になった。
俺より遥かに慎重な彼は、指南に背き、生活指導教員の偽の注意書きを作らず、口で言おうとしたらしい。偽造がバレたときのことを警戒したらしい。
しかし、それは間違いだった。いざ、一年女子が入ってきたとき、「脱げよ」と言えなかった彼は、制服のまま計らざるをえなかった。
あっという間に一年が終わり、二年へ。
三年になった憧れの○△の裸を見られる最後の機会を前に、彼は対応を誤ったことを激しく後悔したらしい。
でも、今更遅い。そう思った時だったそうだ。二年一組の半ばを過ぎた時、一人の女子が計りに乗る前に、「体重は脱がないとでしたよね?」と聞いてきた。
彼は無意識に、当たり前だというふうに「うん」と答えたらしい。
パンツ一枚になって、体重計へ来る女子。
「少し待ってて。」そういった彼は次の2人も入れ、「準備をしておいてください」と告げた。
恥ずかしそうに体重計に乗る女子。測り終えた頃には、次の2人も脱ぎ始めていたそうだ。
たぶん、昨年の記憶があったのだろう。そこからは誰も文句を言わず、自然に脱いでいったらしい。
「白が多かったですね。やっぱり。でも、先輩の話と違って、黒もそこそこいましたよ。水色と同じくらい」
嬉しそうに語る彼。同級生の前で、セクシーな黒のパンティーを晒してた女子たちは、どんな心境だったのだろうか。
「あと、太い人ほど、胸は大きいです」とのこと。これは俺の時も変わらなかった。
おっぱいは脂肪だから、当たり前だ。
同級生の裸を堪能し、目のウォーミングアップを済ませた彼の前に、いよいよ年上の三年が来る。
パンツ姿になった二年生を見て、最初の三年も何も言わずに脱いだそうだ。二年の一人が、最初の三年と知り合いだったみたいで、立ち話をしてたとか。二年は服を着ながら、三年は脱ぎながらだ。
順番はすぐに回るから、二人が話してたのはわずかな時間らしいが、話し始めたときは黒のパンティー1枚だった二年が間もなく制服姿に変わり、制服姿だった三年が白のパンティー1枚になっていたのは、なんか滑稽だったらしい。
しかも、その二年が三年の胸の大きさを褒めたり、パンティーの柄をかわいいと言ったりしていて、(いじりだったかも?)、三年が恥じらっていたのが印象的だったそう。同性とはいえ、下級生に視姦される上級生は、聞いていて萌えた。
二組の測定に入った時には、胸が一層高まったらしい。○△がいるクラスだ。
測定を終えて部屋を出る人と入れ替わりに、○△が入ってくると、測定しながらも、意識が彼女へ向いていたそう。
しかも、彼女は長い髪を三つ編みに束ねていた。朝倉あき似の彼女が三つ編みにしたら・・・。考えただけでも、学園ドラマそのままだ。
タンクトップのシャツを脱いで、上半身白のブラジャーになってからは、信じられないような気持ちだったらしい。一年前から思い続けたあの人が、スカートを脱いでパンティーを晒した、そのうえ隠しながらブラを抜き取った・・・。
彼の興奮は、想像に難くない。俺自身も、話を聞きながら勃起してしまった。
その憧れの人が、目の前の体重計に乗った時は、暗い室内に後光がさした気がしたそうだ。体重計の数字盤で隠されたわずかな面積までも、邪魔で仕方なかったんだと。
彼女から数字の針が見えないのを良いことに、(測定者の方にしか、数字盤がついていない)、彼は目を顔を近づけ、「針が揺れているので、じっとしてください」といった。
そうすることで、パンティーを間近で見られたそうだ。純白で少しの装飾もなかった。昨年の薄ピンクと違うのは、計測で男子生徒に披露するのを意識したからか。
彼女はしっかりと胸を隠していたが、彼はなおも数値が読めないように装いつつ、「気をつけしてください」といった。
戸惑った様子の彼女だったが、責めるような目を再度彼が向けると、震えながら下ろしたそうだ。
成長の終わったおっぱいまでも、年下の男子生徒に見せてくれたという彼女。女神である。
測定を終えて戻る彼女の背中とパンティーの尻を、目で追ったらしい。そして、ブラジャーを着け、タンクトップを被り、残るパンティーがスカートで隠された時、彼の夢のひと時は終わったそうだ。
最後にセーラー服を着て部屋を出る彼女と、最後に1度目があって、恥ずかしそうに視線を伏せた姿が目に焼き付いているそう。
水色、黒、ピンク、グレーと、パンティーの見本市みたいだった二年に比べると、三年は白が目立ったらしい。
俺がいた時にも、二年(当時の一年)は元気の良い子が多くて、三年(当時の二年)は物静かな人が多かったから、下着の色は学年の特色を反映してたんだと思う。
まあ、二年ですら、一年の時は八割がた白だったから、一年の成長の成果を存分に発表してくれたわけだ。
ここまでが、彼が語ってくれた話だ。だが、彼にも話していない続きがある。
一年後、なんと○△さんとは、大学のインカレで遭遇した。そのインカレは民族楽器のサークルだから、高校時代卓球部だったという彼女が来たのが、青天の霹靂だった。
東京の民族楽器の祭典に、インカレで旅行に行った時も彼女はいた。郊外の安い学生宿に泊まっていた二日目最終日、朝早い出立だから、荷物をまとめてから朝ごはんだった。
みんなが旅行の感想を言いながらご飯を食べてるなか、俺は便所に行くふりして男子部屋に戻り、(鍵はかけてない)、窓伝いに女子の部屋に入って、○△さんの黄緑のボストンバックを探り、パンティー1枚を失敬した。
彼にも見せてあげようか悩んだが、一応窃盗だし、独り占めしたかったのもあって、見せなかった。○△さんも、彼も、裏切ってしまったわけだ。
○△さんと大学で再開するなんて、本当に奇跡だったと思う。以前に書いた、仲谷香春似の転入生や、滝菜月似の学級委員とは、当たり前かもしれないが卒業後はあっていないし、中島芽生似の彼女とも、彼女が帰省した時に会うくらいだった。(しかも大学一年で破局)
だからこそ、大学時代に一番思い出があるのは、○△さんだと言って良い。
今、手元には、○△さんのパンティーと、サークル旅行一日目の集合写真がある。チェックのワンピース姿で微笑む彼女は、この時あのパンティーをつけていたに違いない。高校の身体検査の時に穿いていたやつかもしれない、彼女の白の綿のパンティーをパソコンの傍らに置きつつ、三十年以上前の体験談を俺は書いている。