姉と気持ちが通じ合ってから、三年余りになる。
僕たちは今も仲良しだ。
ただ、姉が今ではちょっと元気過ぎて、昔のように僕をからかうのが玉に瑕だ。
でも、それはそれで嬉しい。
そうは言っても、姉が何の気兼ねもなく街に出られるわけではない。
少しはコンプレックスが減ったとはいえ、前髪は今も伸ばしている。
だから、唯一の例外が、ハロウィーンの時だ。
その時はいつもは前髪で隠している顔の傷を隠す必要もない。
それに、少しお洒落な眼帯も全く目立たない。
最初は、躊躇っていた姉も今では、その日だけは繁華街へ出かけるのを楽しみにしている。
その日は平日だったので、仕事が終わるのを待って僕たちは待ち合わせた。
気後れすることなく、一年で最も人出で賑わう街へと僕たちは繰り出すのだ。
待ち合わせ場所に現れた姉は髪をダークブラウンに染めていた。
小さく控えめなドクロの髪留めをして内側が真紅の黒いマントを羽織っている。
宇宙物のアニメの男性主人公と女性主人公を足して二で割ったような雰囲気だ。
とは言え、細い腰つきが女性主人公寄りにさせていた。
マントの下はゴスロリ風の短いスカートで、裾から長く伸びた脚が色っぽい。
「ちょっとぉ、今日はハロウィンだよ」
そう言われても、僕は仕事帰りだ。
「シンが何もメイクをしていないと、いくら何でもね」
そう言うと姉は、手早く僕の顔にも傷痕のメイクを施してくれた。
会社帰りで背広姿だから、それでもゴスロリ風の女海賊の姉とは合わなかった。
だが、何もないよりはマシだ。
それにグラフィックデザイナーの姉は、美術的センスが抜群だ。
傷痕一つにしても、リアルだった。
そうして僕は、顔にだけ傷痕を作ってもらうと、人目を憚ることなく姉と腕を組んで街を出歩いた。
すれ違う人の中には振り返って姉を見る人もいる。
けれども、それは好奇の目で傷痕を見ているのではない。
姉の本来の美しさを見思わず振り返っている。
少し妬けたけど、僕はそんな姉のことが自慢だった。
腕を組んで、一緒に出歩けていることが幸せだった。
その日の姉はすっかり元気を取り戻し、元の明るい姉に戻っていた。
「何が食べたい?」
姉が僕に訊く。
街行く人々は、僕たちよりも遥かに奇抜な格好をしている。
だから、姉の眼帯や顔の傷痕は寧ろおとなしすぎるほどだった。
僕たちは自由だった。
「実は、もう予約してあるんだ」
いつもだったらなるべく人気のない店を選ぶ。
それか、個室のあるレストランにしていた。
でも、その日はちょっと奮発して、評判のレストランを予約しておいた。
そこはコースも美味しいのだが、デザートが絶品らしいということで、姉の大好きなスイーツが狙いだった。
ただ、ちょっと心配なこともあった。
メイクを施していても、僕はスーツにネクタイだからギリセーフだと思う。
その一方で、姉はゴスロリにマントだ。
少し警戒しながらレストランの扉を開くと、黒服の男がギョッとした表情をして見せた。
想定内の反応ではある。
「予約の小倉ですけど…」
少し遠慮気味に言ってみる。
すると、黒服はにこやかな表情を取り戻し、頭を下げながら言った。
「お待ちしておりました、小倉さま」
僕たちはテーブルに案内されると黒服は姉の椅子を引いてくれた。
少し恥ずかしそうに姉は前歯で下唇をちょっと噛んで見せたが、僕はホッと胸を撫で下ろした。
第一関門突破。
「シン、大丈夫なの?」
「何が?」
「言ってくれないから、私、こんな格好で来ちゃったじゃない」
姉が心配そうに言う。
僕も最初は同じ気持ちだったが、もう平気だ。
それに、僕は嬉しかった。
引きこもっていたころの姉なら黙ったままだ。
でも、その日の姉は思ったことをちゃんと言っている。
事故の前の明るい姉を髣髴とさせる。
そんな姉に戻ってくれた気がして嬉しかった。
「座っちゃえば、こっちのものだよ」
そう言って片目をつぶって見せる。
すると、姉は少しあきれたような表情を見せながらもクスリと笑った。
「姉貴のそんな顔、久しぶりに見たよ」
そう言うと、姉は少し照れて見せながら僕を打つ真似をした。
「バカ…」
僕に対して、姉がそんな風に言うのも本当に久しぶりだった。
「カンパーイ!」
スパークリングワインを頼んで、僕たちはグラスを合わせた。
そこからは、次々とコースの料理が運ばれてくる。
「ホントに美味しいね」
周りの目を気にすることなく、出てくる料理に舌鼓を打つ姉の姿を見て僕は嬉しかった。
「ねぇ、ワインお代わりしていい?」
いつもより多めのお酒を飲んだせいか、姉はいつにも増して饒舌だった。
「シンがね…、初めて私に入ってきたとき、私、軽くイッちゃった」
「姉貴、酔っているよ」
高級レストランで何を言い出すのかと、ハラハラした。
幸いにも、僕たちのテーブルは部屋の片隅だった。
隣のテーブルが空いていたので話を聞かれる心配はなさそうだったが、早めに出た方が良さそうだ。
だが、デザートを食べずに店を出るわけにはいかない。
僕は、黒服に頼んで料理を出すペースを少し速めてもらった。
「わぁ、これ美味しい!」
お目当てのスイーツをひと口頬張りながら、姉の顔がほころぶ。
そうだ。
僕は、姉のこの表情が見たかったのだ。
姉には先に出て待っていてもらいながら、お会計を済ませた。
「ねぇ、今日はずっと二人でいようか」
レストランを出て、姉の肩を抱きながらそう言った。
姉は少し酔った目をボクに向けながら、黙ったまま小さく頷いた。
長い坂道をゆっくりと二人で歩いて登り、小路に入る。
あまり派手そうではないホテルを選び、僕たちは自動ドアをくぐった。
姉はいつもの癖で、顔を見られないように僕の肩に隠れながら俯いていた。
でも、部屋に入ると姉はいきなり抱きついてきた。
「今日は、楽しかった」
僕の耳元で囁く姉の細い身体を抱きしめると、姉は続けていった。
「シャワー浴びてきて」
そう言われて僕は、バスルームに向かうと歩いてかいた汗を流した。
僕と入れ替わりにバスルームに入る姉。
シャワーの音が鳴り止むのが待ち遠しかった。
出てきた姉の姿を見て萌えた。
姉は家から僕のTシャツを持ってきていた。
「なんだ、最初から泊まる気だったの?」
そう言うと、姉はペロッと舌を出して見せた。
我が姉ながら、可愛い…。
ぶかぶかの僕のTシャツに袖を通し、僕の目の前に立つ姉の姿はエロかった。
「シンの服を借りてるときが、一番落ち着くの」
そう言いながら、姉は僕の待つベッドのカバーを少し持ち上げると身体を滑り込ませてきた。
姉の細い腰を抱き寄せるようにして抱き合う。
「んふっ」
激しい口付けに鼻で息をする姉。
僕がおっぱいに手をやって、お椀型のおっぱいを手のひらで包む。
すると、姉も僕の股間に手を伸ばしてきた。
シャワーを浴びた僕は、素っ裸で姉を待っていた。
姉の長くて細い指が僕をそっと包んだ。
「硬くなってるね」
耳元で囁く姉の言葉に興奮した。
姉が着ているTシャツの裾をたくし上げ、露わになったおっぱいに吸い付いた。
「あふっ」
姉の漏らす吐息までもが艶かしかった。
おっぱいを吸いながら、僕も姉の股間に手を伸ばした。
そうしてお互いに局部を弄り合いながら、舌を絡め合う。
姉の手が僕の肉棒から離れ、割れ目をなぞる僕の手を制した。
「今日は、私の好きにさせて」
僕の目を覗き込むようにして姉は言った。
小さく頷く僕。
それを見た姉は、僕の身体をベッドに仰向けにさせた。
そして、僕の身体の上に覆いかぶさるように四つん這いになった。
姉の手が僕の顔に伸びて、両頬を包む。
そして、姉の薄くて妖艶な唇が僕に迫ってきた。
姉の唇からエッチな舌が伸びてくるのが見えた。
「ベロ、出して」
言われるがままに、舌を突き出す僕。
その舌を、姉の舌が絡めとっていた。
チュバチュバと音を立てて、ベロフェラを続ける姉。
やがて、気が済んだのか、姉は唇を僕の身体中に這わせていった。
鎖骨を慈しむように唇を押し当てる。
やがて伸ばした舌が這うように下がり、僕の小豆状の乳首を唇で啄ばんだ。
チュッ、チュッと音を立てて姉が僕の胸に唇を押し当てる。
その唇が僕の鳩尾を通って、お腹を過ぎる。
やがて、姉は僕の脚の間で前屈みの正座になって、身体を丸めるようにしていた。
「この子がいっつも悪さをするんだから」
首を前に曲げて姉の様子を伺う僕。
目が合うと、姉はツンと突き出した舌先で僕の先端をペロリと舐めた。
き、気持ちいい…。
姉の舌先はふぐりを舐め、ツツツと舌先が竿の根元から先へと滑っていった。
「き、気持ちいい…」
今度は、声に出してしまった。
僕は恍惚の表情を浮かべ、思わず首が仰け反った。
「今日は、許さないんだから」
そういった姉は大きく口を開けるとパクリと僕を根元まで呑み込んだ。
姉の唇が僕の陰毛に埋もれている。
男根の扱いにすっかり慣れた姉。
指で僕の前立腺も刺激しながら、ディープスロートを繰り返した。
「そんなにしたら、出ちゃうよ」
思わず僕は、情けない声を出してしまう。
すると、姉はようやく満足したように身体の向きを変えた。
今度は覆いかぶさったまま、僕の顔の上に姉が跨っていた。
姉の綺麗なワレメが僕の目の前に晒されていた。
陰唇は少し色が濃くなってきているが、中はピンクで綺麗だ。
僕は姉の細い腰に手をやると、ゆっくりと引き寄せる。
そして、姉の秘密の場所に顔を押し当てた。
姉の敏感な蕾を舌だけで探り当てた。
円を描くように舌先を動かすと、姉は僕の上でビクンと身体を震わせた。
「あぁ、シン…」
声を漏らしながら、姉がパクリと僕を咥え込んだ。
ジュルっ、ジュルっ、ジュルっ。
いつにも増して、姉のフェラは激しかった。
僕も負けじと姉のクリを指で剥くと、舌先で猛烈にペロペロした。
「んー!」
僕を咥えているので声にならない。
「ん、ん、ん…」
夢中になって僕をお口で気持ちよくさせてくれながら、姉も快楽に浸っていた。
「んんーっ!!!」
姉の股間からピュッと愛液が吹き出たのと、僕が姉のお口で弾けたのは同時だった。
姉の身体がぐったりとして、僕をお口に含んだまま体重が圧し掛かってきた。
それでも姉は、ジュルっと音を立てて僕の精液を吸い込んだ。
ゴクリとそれを呑み込んだのがわかった。
僕は姉の向きを変えさせて、滑々の背中に手をやった。
その背中を撫でるようにして、僕は優しく姉を抱きしめた。
「姉貴、大好きだよ」
姉の後頭部に手をやって、耳元で囁く。
姉が僕の腕の中で甘えて見せた。
「シンが私に初めて入ってきたときね…」
「軽くイッちゃったんだろ?」
そう言うと、姉は恥ずかしそうに言った。
「やだぁ、エッチぃ」
さっき自分で言っていたくせに。
そう思ったが、僕はそれを口に出す代わりに姉の背中に回した腕に少し力を入れた。
「シンが私を救ってくれたんだよ」
僕の腕の中で姉が続けて言った。
「シンが私を抱いてくれなかったら、私、今頃生きてなかった」
「縁起でもないこと言うなよ」
「うん、でも、ホントなの」
「…」
「あの頃の私、ホントに落ちてたから…」
僕のクンニで初めて姉がイッたときの顔を思い出した。