お読みいただきましてありがとうございます。シリーズ20話を迎えた今回より教育実習編に突入いたします。
教育実習をやった経験のある方は「ある、ある」と思える部分と、ない方は「こんな感じなんだ」と思っていただければ幸いです。それでは、前回の続きからになります。
夏帆との旅行からから帰ってきた私は、教育実習に向けての課題整理をしていました。
それは、夏帆との度重なる情事で腰が砕けそうなくらい下半身が物凄くけだるい中で続けています。その作業は半分徹夜状態で日曜日に到達しており、もう体力的にもフラフラです。多分このような中スタンドのバイトに行けば、以前のように夏帆に看病してもらう羽目にもなり兼ねませんが、幸いなことに、教育実習が終わるまでの期間休みをいただいていました。
徹夜をしているとどことなくムラムラすることがあります。この時は、私の突き出す腰の動きに合わせて表情を変え、苦しいのか気持ちいいのかわからない表情をしている夏帆の姿が脳裏に浮かび股間が熱くなっていました。
しかし次の瞬間、夏帆がボソッとつぶやいた「どこか遠くに行っちゃおうか」という切ないフレーズが頭をよぎり、たった今まで熱かった股間から血の気が引くのも分かります。
なんかその切ないフレーズがこれからトラウマになりそうで怖いところです。
そんなことばかりも言ってられませんので、頭を切り替え余計なことは考えないようにして教育実習の準備に取り掛かっています。
来週から教鞭を取る予定になっている高校は私の通う工学系大学の付属校で、いわば工業高校です。しかしその学校は内部で普通科と工業科の二棟に分かれており、さらに普通科には国立大に何人も現役合格者を出す特進クラスなどがあり、女子の比率が高いと聞いています。
それに引き換え工業科は、機械・電気・土木・建築科から構成されており、昔ながらの不良も存在するほぼ男子だけのソレ風の高校で、噂によると普通科と工業科の仲が悪く、度々イザコザが起きているということでした。
私はそもそも専攻が土木で、高校からそれしかやっていませんので、私の経歴書を見た教育実習担当の先生は、土木科3年の副担任として実習生の私を振り当てていました。
私は経験上、土木科のしかも3年というクラスの内情をよく知っていた事から、ちょっと面倒くさいなとは思ったものの、特に抵抗はなく逆にその教え方について悩んでいました。
逆に特進クラス卒のふたばは、在校時の成績から当たり前のように特進クラスの担当になったと聞いています。
私はどう噛み砕いたら理解してもらえるか。そもそもどうやれば私の話に興味を持ってもらえるか、逆にふたばは、高度な質問などに対して、どう適切に指導できるか悩んでいました。
そんな悩みを抱えながら、明日から始まる授業で教える内容を下宿の自室でまとめていたところ、毎度の事ながらノックもなしに身長185センチのふたばがガバッと部屋のドアを開け鴨居を潜るように部屋に入るとまるで自分の部屋のようにコタツに入りました。
そして「ちょっと、今アンタ本屋さんに行きたいって思ってるよね。」と唐突に聞いてきます。
私は、「そうでもない・・・・」とまで言ったか言わない間に、
「それじゃ決まり・・・」と言いながら立ち上がると「クルマのところでまってるから」と言って部屋から出て行きました。
今では、調べ物といえば直ぐネット検索などできますが、当時は分からなことは本で調べるしかありませんでした。
仕方なく私がハチロクの鍵を持って外に出ると、ハチロクのところで待っているふたばが早くしろとゼスチャーしています。
しかも、私がドアの鍵穴に鍵を刺して回す前にドアノブを引いてしまっていて、ロックが解除されないことにさえ怒ってしまっています。
ようやく助手席に乗り込んだふたばに、ハチロクのエンジンを暖気しながら聞いてみました。
「なあ、ふたば。何焦ってんの?」そう聞かれたふたばは、それには一切答えず街で一番大きな本屋さんの名前を言いました。しかも早く出してと言っています。
私は「このハチロク、タクシーじゃないんだけどな。あと、僕が暖気運転するの知ってるじゃん」というと、ようやくふたばの重い口が開きました。
「昨日、高校の時の担任の先生から連絡があって、わたしが担当するクラスに物凄い面倒くさい娘がいて、学校で教えないようなこと聞いてきて、ソレに答えられないと物凄く怒るんだって。」
「去年1年だったその娘がいたクラスを担当した実習生は根をあげちゃって、先生になるのムリですって泣きつかれたんだって。」
「ふたばさんなら大丈夫と思ってそのクラス持ってもらうことにしたんだけどなんだか不安になって・・・って聞かされて、これからその娘が持っていそうな参考書を買いたいと思って・・・」と言っています。
私の担当するクラスはおおよそその真逆でしたので、これはこれで参考になるものを準備しなければと思っていたので、これはこれでちょうどよかったと思いました。
軽い暖気後ハチロクを発車させると、話題を変えて、ふたばに「彼氏とどうよ?」と聞いてみました。
するとふたばはおもむろに「うん。やっと彼氏と彼女になれたって感じ。」と先ほどと異なり優しい口調になりました。
そして「チョット、手貸して」と尋ねてきたので私が左手を差し出すと、私の手のひらと自分の手のひらを合わせるようにして大きさを比べています。すると
「ヤッパリそうだよね。アンタの手ってこんなだったよね。・・・・」と言ったっきり黙ってしまいました。
私はなぜか釈然としません。
「なあ、ふたば。僕の手がどおしたって?」
「前も言ったけど、アイツの手ってコレの倍くらい大きいんだ・・・。それでアイツと初めてそういうことした時、アイツのアレがおっきくってビックリしちゃったの。」
「つまりは、初めてシタアンタのソレが貧祖だったってことね。」
そう言われても反論の余地はこれっぽっちもありません。
「アイツは初めてっていうのもあったんだけど、入れようとした時わたしすごく痛くってね・・・」
「それでもやっとのことで入れはしたけど、入れた瞬間から痛くって。」
「それから痛いの我慢してたんだけど、奥底突っつかれた時わたし物凄く痛くって無意識にアソコにチカラ入れたら、そのまま中で逝っちゃったんだ・・・」
「なんか量が半端なくって、出された瞬間アソコの奥底っていうか下っ腹が熱くなって・・・・、出たのが分ったくらい。」
「その時コンドームしてなくって、抜いたら出血はしてるはピンクの精子はいっぱい出てくるはで大騒ぎになっちゃって。」
私は不意に「ふたばの締め付けってハンパない・・・」まで言ったところで思い切り頭を叩かれました。構わずふたばは話を続けます
「その時わたし自身もビックリしちゃって。最初生理かなっても思ったんだけど、いくら不規則といってもそんな時期じゃないし、凄く不思議だったのね。前に妊娠したこともあるのに・・・ね!」
と言って、今度は私の左脇腹を指で突っつきます。
「前にアンタとアレだけやっても奥底突っつくことなかったよね。まっ、アンタサイズで収まってたわたしのアレが、アイツの規格に変わったってことなんでしょ」と何かを振り払うかのように話します。しかも
「その後そんなこんなで、学生なのにコレ。」と信号待ちをしている私の目の前に、ふたばが左手を差し出しました。
その左手の薬指には、私が夏帆に買ってあげたものとは桁違いに高級そうなシルバーのリングが嵌めてあり、さらに
「コレ、公式なやつ。」と言います。
すかさず私が「公式って?」尋ねると・・・
「アイツ見た目は熊みたいで・・・。熊って言ってもベアーの方じゃなくってグリズリーの方ね。それで見た目凄く怖いんだけど本当は凄く真面目で、妊娠しててもしてなくってもキチンとしたいからって、わたしを差し置いて親と一緒にわたしのお母さんのところに来て、入り婿の話つけちゃったの。」
「ソレでコレ。わたし婚約中ってことになってる。」と、ふたばらしくもなく顔を赤くして俯いています。
わたしはすごい罪悪感に苛まれていました。
ソレは夏帆とのことです。私は将来一緒になれないと分かっていながら夏帆に婚約者のふりをさせて1晩共にしています。
しかも私は、今ふたばがしているリングより明らかに安物のリングでもあんなに喜んでくれた夏帆を、結果的に捨ててしまいました。
昔、私はここにいるふたばを妊娠させたうえ捨て、先日、彼女がいるのを承知の上ででもあんなに慕ってくれた夏帆も捨ててしまい、このままではあのマコトですら捨ててしまうのではないかと自分自身ことが怖くなってきました。
そしてしばらくそのまま黙っていたふたばが急に・・
「でもさ・・・、わたしってそれまでオトコっていう生き物を人間扱いしてなかったでしょ。ソレを正してくれたのはアンタなんだよね・・・。悔しいけど。」
「その後妊娠しちゃったのは想定外だったけど、その妊娠騒ぎがなかったらアイツに出逢えていなかったしね・・・結局わたし、アンタに感謝しなきゃなんないのかな・・・。」
「あっ、そうだ。アンタ。遠くに行ってた彼女が戻ってきたんだって?」
「ソレで先週の学校行事の後すぐに、どこ行ったのか分かんないけど、最近付き合ってた彼女と精算してきたんでしょ?」
「アンタが泊まりで出掛けた日の夜、可愛い声で電話掛かって来てたよ。成人式の時チョット話した声覚えてて、アンタの彼女だって分かったんだよね。それでエンちゃんいますか?って聞かれたんだけど、わたしピンと来ていつもの友達のところかな?って伝えたんだけど・・・」
「その辺のオトコなら振って終わりのところ、アンタってそういうところ律儀よね。」
「なんか、そんなアンタの考えてること手に取るように分かるんだよね。わたしって相当アンタの色に染まっちゃってる・・・」
「さっきも言ったけど、アイツのなんかアンタの貧相なモノに比べたらビックリするくらい大きいんだけど、なんか気持ち良くならないんだよね。まっ、わたし処女だったことになってたし、イッパイやればそれなりになじむんでしょうけど・・・・」
「アンタとやってた時は、アンタの貧相なモノでも妊娠するぐらいには感じてたのにね。」
「なんかムカつく・・・」
「コレって相当強い色で上塗りしてもらわないとダメな感じだよね」
と言われた私の目から涙が溢れました。
「ふたば。ありがとう。なんか凄く救われた感じがする。」
「アンタ何泣いてんの?バッカじゃないの?」
「ゴメン。何だか自分のやってきたことでチョットでも感謝されるようなことがあれば、僕自身の生きてる意味がちょっとでもあるような気がする・・・。でも、最後のはゴメンなさいしか言えないよね。」
「何よソレ」
「うん。僕ってまるで迷い犬だから。」
「しかも、飼い主が誰かわからないまま必死になって誰かもわからない飼い主探している迷い犬。」
「何よソレ。でも、先が見えないってことは誰にでもあるよね。」
「わたしだって行き先わかんなくってウロウロする時あるもん。結局、みんな迷い犬なんだね。」という話をしているうちに本屋さんの駐車場に到着しました。
すると、駐車場の端っこに夏帆の黄色いレックススーパーチャージャーが停まっています。
私はわざわざその黄色い車の隣にハチロクを停めると隣のふたばが「もっと近いところいっぱい空いてるのに・・・」とブツブツ言っています。
そんなのは無視して、ふたばと本屋さんに入りました。
そして、教育関係の参考書や資格検定、あと専門書などが陳列されているエリアに行き、私は実習で教えることになっている「交通計画」の関連本を探しながら歩いていました。
すると下の方に漫画で噛み砕いたような解説本があったためソレを取ろうとした瞬間、自分の尻と後ろの人のお尻がぶつかりました。
私はとっさに振り返り「あっ、すいません・・・」と言ったところそのお尻の持ち主は先ほど外に停めてあった黄色い車の持ち主でした。
でも、様子が変です。しかも、今まで見たことのないような髪型もしています。でも私が「この前はどうも・・・。喜んでもらおうとして精一杯頑張ったんだけど・・・」と話しかけましたが、
「何ですか?新手のナンパですか?」と、右手に持っていた写真撮影の専門書で私を振り払おうとしています。
するとソレを遠くから本棚越しに見ていたふたばがやってきて、「あっ、久しぶり。小比類巻。」と挨拶しています。しかもこの夏帆のような女性もふたばに「ふたばさん、ご無沙汰です。」なんて挨拶しています。
一瞬私は他人の空似かと思いましたがそうではないようです。するとふたばが、「あっ、妹のほうだな」と言い出し、その言われた方も「さすがですふたばさん。一発でわかるんですね。」と言っています。
私が不思議そうな顔でその会話を聞いていると、ふたばが「姉ちゃんは元気?」なんて聞いています。すると妹と言われた女性は「あっ、夏帆のほうなんですけど・・・何か一昨日の夜泣きながら電話してきて、彼氏と旅行行った先で分かれちゃったみたいなんです。」
「ずっと片想いしてて、やっと叶ったかなって思ったら途端にこれなんですよ。どうやら、そのオトコにオンナがいたらしくって。」
と、何か背筋の寒い話をしています。するとふたばが
「仕方ないな。夏帆をもてあそんだヤロウ、今度もオカマにしてやるか・・・でも、あの夏帆を捨てたとなれば、いっぺんに2コ潰していいか?。でも、ソレっていうどんなヤツよ?」
「何かよく知らないんですけど、赤いハチロクっていう車に乗っている大学生って言ってました。」と、その妹は言っています。
するとふたばは「そんなヤツここにもいるけど、いくらなんでもバスガイドに手を出すほど度胸ある感じじゃないしな。」と私を見ながら言っています。もう、私はどういう顔をしていいかわかりません。
そうです。今ここにいる夏帆そっくりな女性は、夏帆の双子の妹だったのです。
そしてふたばが「そういえばその姉ちゃんは?」と聞いています。私が店内を見回しますがソレらしき人影はありません。
「あっ、夏帆の方は仕事です。さっき、寮に行って車借りて来て本屋さん回っています。」
「そういえば里帆のほうは専門学校だったよな。写真の腕あげたか?」
「お父さんにいいカメラ買ってもらったんですけど、どうもうまく使いこなせなくって。今、学校で裸体の撮影してるんですけど苦労してて・・・・」
「ソレで、本屋巡りって訳か」とふたば言いました。
するとその里帆が「その人って・・・」と私を見ています。
ソレを察したふたばは私を指差し、「あっ、コレ?わたしの元カレでウチの下宿の住人。去年わたしが振ってトイレに捨てたんだけど、なかなか流れて行かなくって。仕方がないから便器から引き揚げてやったって感じ」と、散々な言われようです。
すると「あっ、アンタ先に帰って。これから里帆とお茶して送ってもらうから。」と告げられ、先ほど手に取ろうとした本を中身も見ずに購入し下宿に戻りました。
そしてとりあえず課題整理を済ませ、買った本で何となくの自分用の説明資料を準備して当日の朝を迎えました。私が受け持つ授業は2日目からスタートしますが、その資料の最後のまとめは初日の雰囲気を掴んでからやろうと考えています。
私は、入学式以来袖を通すのが二度目のスーツを着ています。ふたばは、上下黒のスーツでしかもその長い脚にタイトスカートと来ています。よく、このサイズのスーツがあったのかという驚きと、それを着たその身長185センチの身長、髪を全て後ろ手に縛った短めのポニーテール姿は圧巻の一言です。
そのポニーテールは本来もっと長くて腰のあたりまでありましたが、昨年私が妊娠させてしまったときバッサリと切ってしまっていました。それから伸ばしているようでしたが、元の長さまで伸びるのに数年かかると思います。
それからふたばのお母さんである下宿のおばさんに見送られ、二人を乗せたハチロクは教育実習をする高校へ向かいます。私もそうですが、ふたばからも緊張感が漂ってきます。もちろん会話もありません。
道路は出勤時間前にもかかわらず渋滞していました。私は、だんだんと上がってくるハチロクの油温計を気にしながら、
「なあ、ふたば。昨日、本屋であった彼女の姉さんを振ったオトコをオカマにするって話、なんか伝説になってて、ひとづてに聞いたことあるぞ。」
「なんか、サッカー部のキャプテンのアソコ踏みつけて、潰すのは1コか、2コか?って聞いたんだって?」
「なんでアンタが知ってるのよ。わたし、そんな・・・踏みつけてなんかいないわよ。失礼しちゃう。」
「握り潰したりはしたけど・・・」
「でも、その話間違ってるよ。訂正させてくれないかな?。そん時わたしが言ったのは、潰すのはコッチ?それともコッチ?って玉袋を手で握って、睾丸を手の中でキョロキョロさせながら優しく尋ねただけだよ。最初、睾丸が引っ込んじゃってなかなか袋に戻ってこなかったけど・・・」
「オトコって、ビビっちゃうとキンタマ縮み上がっちゃって、睾丸がどっか行っちゃうんだね。わたしその時オトコのカラダってうまく出来てんなって思ったよ。だって、身に危険が迫ると大事な睾丸を隠しちゃうってことでしょ。」
「でも、わたしには通用しなかったけど・・・」
ソレを聞いた私の睾丸というか玉袋は縮み上がっています。
「そのキャプテン。災難だったな。」
「まっ、その後そのキャプテン静かになったから、街の平和に貢献できたってことじゃない?」
と言った言葉でふたばがその話をまとめました。
そして、学校近くの交差点で信号待ちをしている時、助手席のふたばが私を指差し「アレ」と言います。
私が「?」という顔をすると「違う。そっち」と言って車の右側を指差します。
ソレにつられるように右側を見ると、見覚えのある大型バスが信号で停車していて、ちょうどハチロクの真横になったドアの中でマコトが大きく手を振っています。
私が窓を開けて手を振り返した瞬間信号が変わり、バスが短く「プッ」とクラクションを鳴らして発車しました。直後バスは右折していなくなってしまいましたが、その時隣のふたばが
「もしかして、今のアンタの彼女?」と尋ねます。
私がごく自然に「うん。そうだよ。」と答えると、なぜか隣のふたばが般若のような顔になり
「バスガイドね〜。ふ〜ん。アンタやるじゃん。彼女ちっちゃくって可愛いね・・・・・バスガイドになったんだアンタの彼女。」
と言った途端に、心なしかプルプル震えだし
「潰さなきゃなんないようね。アンタの睾丸。今度はどっちかじゃなくって二つともね。」
と言っています。
そこで私はハッと思い出しました。
昨日ふたばが本屋さんで話していた、里帆という女性のお姉さんの存在を。
「ふたば。これにはいろいろあって。そのいろいろを聞いてからでも遅くはないと思うんだ。」と言ったところで高校の校門が見えていました。
「仕方ないわね。今のところ執行猶予ってことにしておくから。後でキチンと釈明するのよ。場合によっては1コで済むかもしれないし・・・。」と語気を荒げて言いました。
もう、私は「キャイン、キャイン」と鳴きながら尻尾を股に挟んで逃げ出す負け犬の心境です。
教育実習初日であるその日は、朝の全校集会で教育実習生の紹介があるからということで7時30分に来るように連絡を受けていました。
私はとりあえず来客用の駐車場をふたばに教えてもらいハチロクを駐車しました。
周りを見ると時間も早いことから生徒もまばらででしたが、どこからともなく吹奏楽部の練習する金管楽器の音が聞こえます。
そして、半分ふたばに引っ張られながら集合場所となっている会議室に入りました。すると、ふたばと同じようなスーツ姿の女性が三人が会議テーブル着いています。
先ほど職員用昇降口で上履きに履き替えている時、ひとりの女子高生が「おはようございます」といいながら私の背後を駆け抜けて行きました。
私が振り返って「おはよう・・・」と返しましたがその後ろ姿しか見えません。
その女子高生の右手にはトランペットが握られていて、長めの三つ編みの髪が左右に揺れ、走る勢いでスカートがめくれパンツが見えそうです。
そこで私は、以前アレと同じものを着たマコトのセーラー服を試行錯誤しながら1枚1枚脱がせたことや、着衣セックスをした挙句そのセーラー服を汚してパリパリにしてして栗の花臭くしてしまった記憶が蘇ります。
その瞬間私のアソコに血液が送り込まれるのが分かりました。
するとふたばが「何前かがみになってんの。姿勢が悪い。」と言って私の背中を叩きます。
そう言われてもこっちにはこっちの事情ってもんがあります。
結局姿勢が治らないまま会議室に入った直後、そのうち二人がふたばと面識があるらしく立ち話を始めまていました。
その雰囲気に入れない私は、前かがみになりながら何か配布物の置いてあるその長テーブルのパイプ椅子に腰掛け、その配布物に目を通しました。すると今回の実習生は全部で6名で、あと1名はオトコである事がわかりました。
その名簿の名前とセットになって記載されている大学名は誰しも知っているような国公立大学ばかりで、そのほとんどに教育学部という名称がついています。そこから見ると、私の地元でも優秀とされているふたばの通う大学名が見劣りするくらいでした。
そこで私は、自分がなんとなく場違いなところに来て見当違いなことをしているような、そんな気分に駆られています。
しばらくすると教務主任と言う人と教頭先生が挨拶に来て実習生を整列させると、コレからの実習に際しての諸注意事項が伝えられました。
それは一般的なことから生徒との接し方までいろいろでした。その中で意外というかやっぱりというかなんか慣れない注文をつけられたのは
「実習生同士でも、名前を呼ぶときは最後に先生を付けること」ということです。
以前、ふたばから冗談でマドカ先生と呼ばれたことはありましたが、コレが本当になるとは思いませんでした。
その時です。「なんか一人足りないな」と思っていたと思っていた頃、会議室のドアが勢い良く開き「遅れてすいません」と心なしかオタクっぽい学生が入ってきました。
このオトコは「平野」といい、先ほど見た名簿によると結構な大学の学生です。
すると教頭先生が「平野先生には後でしっかりと説明しますので、これから全校集会に向かいます。あと、実習生を紹介した時一人一言述べてもらいますので考えておいてください」と言われながら教頭先生の後について歩いていきます。
私はこの学校が母校に他の学生とは異なり、灯油配達の度挨拶に入る事務室以外は未知の世界です。そして体育館に入ると既に集会が始まっていて校長先生が何か話していました。
その時私は先ほど言われた一人一言の「一言」を考えるのが精一杯で校長先生が何を言っているのか全く耳に入りません。
そして、教職員が立っている壁際に立たせられしばらく出番を待っていました。
すると、突然「では、これから2週間に渡り教育実習をする実習生の先生を紹介します」という言葉が頭に入ってきて、何を言うかまとまらないまま壇上へあげられ整列させられました。
幸い、卒業生ではない私は一番最後になり、前の五人が何を喋るのか聞いた上で話すことができそうです。
壇上に上がり生徒たちが整列している様子を見ると明らかに普通科の生徒と工業科の生徒の雰囲気が違います。しかも、普通科と思われる側の女子率が高く、勢揃いしたセーラー服を見て今度は鼻血が出そうです。
しかし、向かって右端に少しだけいる工業科と思われる生徒の中には女子はおらず、しかも服装は乱れ落ち着きもありません。
なんか自分の母校もこんな感じで懐かしかったのですが、男子校だったのでもっとひどかったような気がします。
そして特進クラスでも優秀だったというふたばから紹介が始まり、それに引き続きふたばが一言加えます。でも、緊張していて私の中では右から左です。
そうしているといよいよ私の番となりました。
「・・・・・風谷先生につきましては我が校の卒業生ではありませんが、縁あって我が校で実習することになりました。それでは一言・・・」と紹介され、その一言がまとまらないまま一言が始まってしまいました。
「ただ今紹介に預かりました風谷と申します。名前はまどかと言います。皆さんには苗字でも名前でもどちらで呼んでもらって結構です。」
「私は、ここに整列している他の実習生の皆さんとは異なり、唯一理系の大学生で、高校時代は工業科の専門科目しか勉強していません。しかも今、受験生である皆さんが頑張って取り組んでいる受験勉強はあんまりしたことありません。」
「そんなことで一般教養以外が得意です。でも、一般教養についてはうまくお答えすることができないかもしれませんが、大学ってどんなところかな?理系の大学ってどんなこと勉強してるのかな?なんていう疑問には答えられると思いますのであらかじめお伝えしておきます。2週間お手柔らかにお願いします。」
と言ったところで生徒から笑いが起きました。すると私を紹介した教頭先生が、
「真に受けるなよ。風谷先生は努力してここまで来てんだからな。勉強なしではここまで来れないからな〜。しかもコレから公務員試験も受けるんだからと付け加えました。」
正直なところ私は、高校在学中なぜか評定が良かった(というか周りが悪すぎという感じです。そんなクラスでは一般的にそんな目立つ生徒はイジメの対象になりがちですが、私にはアベちゃんというボス的存在の人が友達だったので、3年間イジメの対象になることはありませんでした。今考えても有難い友人です。)ので面接のみの推薦で大学に入学していました。
本当は母校の附属大学の推薦を取り付けていましたが、在学中起こした病院送り事件で警察のお世話になってしまったためその推薦は取り消され、その代わりに今通っている提携大学に推薦されていたところでした。
そもそも私は家業が建設業で高校も土木科だったため、その専門科目はめっぽう強く自信もあります。しかし、受験勉強といカリキュラムそのものが無く、特に受験に向けた勉強もしていなかったことから、通常他の受験生が必死になって勉強している一般教養という方面が散々です。今、並行して勉強している公務員試験の一般教養なんか未知の世界です。
そんなことで「受験勉強をしていなかった余波がこんなところにも出るもんだ。」と思っていた最中でしたので、「訂正するほどの嘘じゃないのに・・・」と思いながらその話を聞いていました。
その後実習生は再度職員室に集められ、それぞれのクラスの副担任として担当の先生に連れられそれぞれのクラスに散りました。
私は今年で定年退職という佐藤先生に連れられて、どことなくタバコ臭い土木3年の教室に入りました。
すると意外にも教室内が整然としていました。そして教室の前に立たされ、26人の生徒の目に晒されています。その生徒達を見渡すと約4分の1程度の生徒が丸刈りです。コレは「多分何かやらかした生徒」だなとすぐにわかりました。
後で担任の佐藤先生に教えてもらいましたが、入学当初は生徒が48名いたそうです。その後、他校とのイザコザや暴力事件などで退学者が出始め、一番多かったのは昨年起きたバイクでの暴走行為の現行犯で逮捕者が出て、その暴走族に入っていた生徒が芋づる式に検挙されて多くの生徒が退学処分になったということでした。
しかも現在2名が停学処分中ということでした。この学校は停学と言ってもきちんと登校させはするものの、登校後は「スペシャルルーム」というところに軟禁し、プロレスラーみたいな恐ろしい生活指導の先生の元で一日中反省文を書かせるということをしています。停学経験者によると「まさに地獄」ということでした。
そんな生徒達を前にその佐藤先生はひと通り私の紹介をすると、いきなり「1時限目自習だからよろしく」と言って教室から出て行ってしまいました。
先生がいなくなってしまった教室は一気に談話室に変わりました。この土木3年の教室は校舎3階のたくさんある空き教室の一番奥に隔離されるように配置してあり、多少騒いでも他の迷惑にならない配慮がしてありました。
私はどうしていいのかわかりません。すると生徒の一人が「マドカ先生よ〜。先生ってカノジョいんの?」と高校生らしい質問をしてきました。
私は「イキナリプライベートな質問ですね。うん。います。ちっちゃくって可愛い彼女です。訳あって去年1年間離れ離れになっていましたが、この春高校卒業した彼女と1年ぶりに再会したばかりなんです。」という話を始めたところ、そんな他愛もない話しに生徒たちが真剣な表情眼差しを向けています。
続けて「じゃ、先生は彼女が高校生の頃から付き合ってたの?」と質問してきました。
「大っぴらにいえるものか分かりませんが、付き合い始めたのは彼女が高校2年生の時でした。」
「その高校2年生の女子高生とヤってたの?」
「これも大ぴらには言えませんが、ひととおりのことはしてました。」
と答えるとどよめきが起きて、教室中の目という目が私に向けられているのが分かります。
すると、「先生みたいな大学生が女子高生食っちゃってるせいで俺たち現役高校生にカノジョができないんで、やめてもらえます?」と言い出しました。
そこで「ほんとうにごめんなさい。何がごめんなさいかと言うと私の彼女はここに学校の生徒でした。具体的にいうとあなた達の1コ先輩になります。でも、最後の1年は北海道に転校してしまいましたが・・・」と、伝えると教室がざわつきました。
「私がいた高校もここと同じような大学付属の工業高校でした。今は男女共学になってしまいましたが当時はこことは違って男子校でした。」
「でも、そんな環境でもなぜか彼女はいたんです。」
「先生の武勇伝なんて聞きたくないんだけど」
「ゴメンなさい。チョット話させてもらいます。皆さんの参考になればいいので。」
「私は女系一族の唯一の男子として育てられました。小さい頃は姉のお下がりの女物服ばかり着せられていましたが、お下がりが私に行くことを悟った姉は逆に男物を着るようにもなっていました。」
「小学1年の時に父親が労災事故で亡くなってしまったんですが、それから女性ばかりのそんな環境で育った私は、常日頃から女の子には優しくしなさい。優しくしてもらって嫌な思いをする女の子はいないんだから。優しくしてもらった女の子は、いつのまにかその男の子を好きになっちゃうかもしれないんだよ。」
「それと、好きだって言われて嫌な思いをする女の子はいないって、母にも姉にも言われていました。現に、私の母親は高校時代に全く面識のない他校の男子に通学途中の汽車の中で告白されて、最初断ったみたいなんですが1年間言い続けられて結局高校卒業後に私の父親と19で結婚しています。」
「女子ってそんなもんです。」
「私はそんな感じの女性目線で教育を受けていました。でもその時私は機械いじりが趣味で女の子なんてどうでもよかったんですが、中学2年生の時家の近くでたまたまチェーンが外れた自転車を押して歩いている同級生の女の子を見つけて、家のガレージで直してあげたことがありました。」
「その彼女が私の最初の彼女になります。ちなみに初めてまともに会話した彼女の言葉が、」
「困っていたから凄く助かった。」でした。
「先生、その彼女とはヤったの?」とヤルことばかり考えている高校生らしい質問です。
「その時訳がわかんなかったのですが、皆さんの想像通りです。」と答えると沢山の目が輝くのが分かりました。
私は高校生時代そんなにヤル事に執着はしていませんでしたが、ここいいる高校3年生は「すきあらば女の子とヤりたい」という男子の集団でした。
そして一番食いついたのが、バイクについての話をした時でした。
「先生はバイクのことなんて知らないと思うんだけど、オレバイク欲しいんだけどどう思う?去年バイク乗ってるヤツみんな学校辞めちゃってさ。学校でバイク話しすると先生みんなピリピリするんだよ。ソレってどうよ」と聞いてきた質問で
「あっ、先生(自分のこと)はまだ学生でただの実習生だからバイクの話しても構わないよ。もし、教室でそんな話してたってバレても怒られるのは僕の方だから全く大丈夫だよ。ソレで欲しいバイクてどんなバイク?」
「ホンダのCBXってヤツ」
「ソレ、僕が前に乗ってたよ。後期型で赤黒のヤツだったけど。」と答えた時からその話に生徒たちの眼差しが変わりました。
そのCBX400というバイクに出逢った経緯や、バラバラだったバイクを何年もかけて再生した体験談。そしてその話で一番盛り上がったのが、高速道路で覆面パトに追いかけられた挙句転倒して、最終的にそのバイクと出逢った時以上にバラバラにしてしまった話でした。
すると生徒の一人が「この先生ってこんな平和そうな顔してるけどなんかヤバくね?」
と云い出し、さらに私が右足の足首を出し靴下を下げ「ここに今でもプレートが入っている」と言ったところでどよめきまで起きました。
「バイクってさ、身一つで乗る乗り物だからみんな危ないって思うのは当たり前だよね。ソレは転んだり何かにぶつかっちゃったら運転している人が怪我したり死んじゃうって心配だよね。多分、君たちもバイクに乗るようになる時が来たらその辺りが一番心配なことだと思うんだ。しかも君たちの親なんかもその辺を一番心配していると思う。」
「でも、バイクって結局鉄の塊なんだよね。400くらいのバイクでも200キロ以上の重さがあって、ソレが何かに当たれば乗ってる自分もそうだけど当たった方も壊れたり、場合によっては死んじゃったりするよね。」
「もし、逆に事故を起こしちゃって相手の人が死んじゃったりしたら、一生かけてそのことを償わなくっちゃならくなっちゃうから、大人達はその辺を心配してるんだと思うんだ。」
「僕の場合は、高速道路の中央分離帯に滑走したバイクがぶつかっちゃって、そのバイクが壊しちゃった点滅等とか反射板とか諸々で100万位の賠償で済んだけど、その時は意識不明で何がどうなったかなんて全然分かんなくって。後でその話と高速道路を4時間も止めたって聞かされてたくさんのひとに迷惑かけちゃったってすごく反省もしたんだ。」
「そういう僕はまだ学生で社会的な責任も取れないから、今乗っているハチロクにはきちんと任意保険ていうものをかけているんだ。若いと事故率も高いから掛け金も高くって・・・。だから就職活動やってる最中や今だってスタンドのバイトもやめられなくって・・・。」と、そのバイクに関連した質問に対し実体験を盛り込んだ話をしました。
それからです。私が主に担当する道路計画という授業をまじめに聞いてくれて、私もそれに応えられるように教材を工夫したりして、逆に大変な、そして楽しい時間が始まったのは。
初日のそれからというもの自分の担当する土木3年のほか、テストの立会いで特進クラスに行ったり、やはり自習時間の監督で他のクラスを見たりと、慣れないことばかりでヘトヘトです。
そして昼休みになった時、実習生の控え室になっている会議室でひとりぽつんとパンをかじっていると「あっ、あれ。キミしかいないんだ。」と背後から声をかけられました。
私が振り返ると、そこにいたのは30過ぎくらいの女性で、確か朝の集会の時に私の前に並んでいた先生の中の一人でした。その先生は、なんか色っぽいと言うか綺麗というか街ですれ違った時二度見してしまうようなそんな雰囲気の女性です。
しかも、前屈みになるとブラウスの胸元にその膨よかな胸の谷間が見え隠れしています。
私が「はじめまして・・・」と言いかけると「あっ、知ってるよ。マドカ先生だよね。わたしは普通科1年6組担任の小林と言います。今年はわたしが実習生のお世話係になっていますのでよろしく。」と、その小林先生が自己紹介しました。
すると続けて「キミって凄いね。あの土木3年を黙らせちゃったって有名だよ。教頭先生が様子を見に言ったら教室がシンとなっていて、あんな静かな土木3年は初めて見たって。やっぱり土木科卒だけのことはあるって感心してたよ。」
「あっ、すいません。勉強以外の雑談をしている時だったと思います。いきなり自習って言われて何をやっていいかわからなくって、生徒の興味のありそうな彼女の話とかバイクの話ししてました。」
「それでいいんだよ。実習生は初対面でこじらすと最後まで大変だから・・・、最初に心を掴んだもの勝ちなんだよね。多分、担任の佐藤先生はそれをさせたかったんだと思うよ。あの先生ベテランだから・・・」とその小林先生が言っています。
「あと、この学校2年前から工業科の募集は打ち切ってて、今の工業科3年が卒業したらそこで工業科はおしまい。来年からからはこの学校、完全な普通科高校になるんだよね。」
「今までは工業大学の附属ってことで工業高校やってたけど、今では進学に必要のない工業科はお荷物だってことかな?」
と、その小林先生が寂しいことを言っています。そこで私は
「僕はその進学に関係のない工業科のしかも土木卒なんですが・・・」と言いかけると
「それは完全なイレギュラー。たまにそんな子出るけど、大半はキミが教室で見たあんな感じ。何人か専門学校目指している子はいるけど、ほとんどは就職。しかも自家就職って子も多いよ。」と小林先生は付け加えます。
そして「だから、進学に必要のない工業科はいらないってこと。それと、工業科に来る実習生もキミが最後ってことかな?」と話をまとめました。
現に男子校だった私の母校でも去年から男女共学になっていて、近い将来工業科が廃止されるような噂が出ていました。コレって時代の流れなんでしょうか?
そして、小林先生が急に何かを思い出したかのように「あっ、そうそう。明日なんだけど実習生と先生方で懇親会することになって、実習生の出欠確認と会費徴収お願いしたくって。それでここに来たんだった。お願いできる?」
「あ、はい分かりました。放課後までで良いですか?」
「ごめんなさいね。来た早々頼んじゃって・・・」と言う会話と内容の確認をすると急ぎ足で会議室を出て行きました。
すると入れ替わりに実習生の平野が会議室に入ってきて「今の誰?凄くエロかったんだけど。オレ、現役女子高生しか興味ないけど、見た瞬間年上でもいいかもって思ったくらいだよ。」と、なんか場違いなことを言っています。
「今ここに僕一人しかいなかったから、明日の懇親会の取りまとめ頼まれちゃったよ。明日、先生達と実習生とでやるって話なんだけど平野先生は出席する?」
「今言った通りオレは女子高生にしか興味ないって・・・・・。でも、さっきの人が来るんだったら・・・」と言うことで出席となりました。
その後ふたばと一緒に控え室に戻ってきた残りの女子の分の出欠を確認すると結局全員出席です。
そして午後の5時限目の後、時間が空いたので実習生の控え室へ行くとふたばが椅子に座って疲れた様子でした。
「なあ、ふたば。疲れたか?どうだった担当のクラスは」
「うん・・。私の頃に比べてレベルが上がってるって言うか、なんか面倒くさい。」
「初日から大変だな。ソレで例の娘は?」
「うん・・。何とか先制攻撃はカワシタって感じ。」
「で?」
「うん・・。ヤッパリ難しい質問してきて、それってわたしの想定外の質問で全く理解できなくって・・・・。ソレで、正直に分からないって答えて・・・。苦し紛れに、明日ソレを逆に解説してもらうってことにして、それを宿題にしたの。」
「それって逆転の発想だね。」
「とっさに考えたにしちゃベストな返しだったと思う。教える側がどんなに大変かってものも分かってもらえるでしょ。」と、安堵にも似た表情をしています。
しばらくそんなやりとりをしていると6時限目終了のチャイムと共に校内放送が流れ、実習生が職員室に集められました。そこで・・・
「皆さんには、各自部活を1つ担当してもらいます。希望がなければこちらで・・・」と言ったところで私が「吹奏楽部お願いします。」と言ったそばで「ソフトボール部お願いします。」と言ったのはふたばでした。
以前教育実習の話をした時、吹奏楽部担当になれと言ってのはあのマコトでした。その時なにかヤりたいと言っていたような気がしましたが思い出せません。
あとの実習生はモタモタしていたせいで適当に割り振られ、朝最後に来た平野に至っては剣道部となり「オレ、剣道なんて全く未知の世界なんだけど」と私に言っています。
私の姉さんは高校から短大、そして県警に入ってからも剣道バカで、それを見ていた私は剣道のことを結構知ってはいましたが、関わると面倒臭そうだったので知らないふりをして、「吹奏楽部ってなにやるんだっけ?」なんて言って話を合わせました。
すると「お前さ、自分から志願しておいてソレってないんじゃない?」とその平野が言います。
私が、「なんか知らないんだけど、ここの卒業生の彼女がそうしろって言うからさ。」と返すと。「何?お前そんな顔して彼女いんの?見え張ってると後で恥ずかしい思いするぞ。結局、楽器吹いている女子高生のパンチラが目的なんだろう?」なんて負け惜しみを言っています。
「心配ありがとう。目の保養が出来ればいいんだけど。」と言って私はその場をまとめましたが、その平野は釈然としない様子です。
そして明日の懇親会の出欠の話をしようと職員室内を小林先生を探しましたが見つかりません。その職員室の隅ではパイプ椅子に座った角刈りで恐ろしくガタイの良い先生が目の前に男子生徒をたたせ、何か会話しながらバリカンの先に付いているアダプターを外して歯を掃除しています。
私はそのバリカンを見て瞬時に「あれは五厘刈りだな。何やらかしたんだろう?」と思いつつちょうど近くにいた教頭先生に小林先生の行き先を尋ねると多目的ルームで部活の指導をしていると言うことでした。
その後なんとかその多目的ルームを見つけ、その重く大きな扉をそっと開けるとそこは吹奏楽部の練習場所で、今まさに合奏が始まる寸前でした。
そして、指揮台の上で小林先生が指揮棒を振り下ろした瞬間、一斉に金管楽器の大迫力の音に包まれました。
しかし、その演奏はすぐに止まり、演奏を止めた小林先生が「トランペットの入りが甘い!。パートリーダー、パート練でちゃんと合わせておいて。」「あとトロンボーンの2番、この間と同じミスしている、譜面よく見て!」「クラ、もっと音ちょうだい!」「この課題曲は一見簡単なマーチなんだけど、変拍子でテンポ変わったりトラップ仕掛けてあるからね。」
そして「トラップにかからないように気をつけて!」というと、そこに楽器を持って座っている部員たちが一斉「ハイ!」と答えました。まるで軍隊です。すると小林先生が「では4小節目から」といってまた演奏を再開しました。
しばらくその小林先生の後ろの椅子に腰掛けてその合奏練習を見ていましたが、止まっては再開を繰り返し、なかなか1曲通しての演奏になりません。「こんなのをいつも続けているとすれば、この吹奏楽部の部員というのは物凄い忍耐力の持ち主なんだな。」と感心していました。
吹奏楽コンクールの地区大会が近づいて来たこの時期、大会本番を意識した練習の一環として吹奏楽部は「いきなり合奏の日」を設けて練習していました。これは、大会と同じくチューニングと軽い音出しの後いきなり合奏をするというもので、今日がちょうどその日という事でした。
そしてその練習中、小林先生が前かがみになる度黒のタイトスカートに浮き出るパンツの線が物凄く気になります。それは明らかに普通のパンツではなくハイレグみたいに角度のきついパンツです。
ここで思い出しました。あのマコトはこの吹奏楽部に居たってことを。しかも、こんな吹奏楽が好きと言っていた気もします。また、ここで練習していたってことは、この小林先生に当然指導を受けていたってことです。
私が固まっていろんなやりとりを見ていると「それじゃ合奏終わり。あとはパート練で言われた課題潰しておいて。」の後に「ハイ!ありがとうございました!」と一斉に返事が返され合奏練習が終わりました。
すると、先ほど部員に指示を出していた厳しい声から一転して「ごめーん。マドカ先生。いたの知ってたのに放置しちゃった。練習止められなかったの。許して〜。」となぜかオトコに媚びるような口調で近寄ってきました。
私は「すいません。明日の懇親会の出欠と会費お持ちしました。確認の結果全員出席でお願いします。」と結果報告すると
「ハイ。よろしい。では明日。」と話を終わらせようとしました。しかし私はこの部活担当になったので「すいません。僕、吹奏楽部持つことになりました。よろしくお願いします。」と伝えると、小林先生は急に手を打ち鳴らし
「はーいチョット集合。」と言って、一度部屋から出ようとした部員を引き戻しました。
「えっと。今日の全校集会で紹介のあった教育実習生のマドカ先生です。実習中吹奏楽部を見てもらえることになりました。みんなよろしくね。」と小林先生が言うと、今度も部員が一斉に「よろしくお願いします」と声を揃えます。
私は「僕は吹奏楽ってものがどんなものか分かりません。実習中にちょっとでもいいので何か分かるよう努力しますのでよろしくお願いします。」と頭を下げるとどこからか拍手が始まりました。
すると「じゃ、マドカ先生には実習中に指揮を覚えてもらうことにします。そうね、春の新入生勧誘でやった「暴れん坊将軍」を各パートに指示出しながら振ってもらうって事でいいかな・・・?。うん、部長、スコアの準備よろしく。」と言い出し
片手にトランペットを持った女子生徒が「ハイ。分かりました。後で職員室のコピー機借りに行きます。」と返事しました。
スコアというのは、各パート毎の譜面が一冊に纏まったモノです。それを見れば今どの楽器がどの音を出しているのかが一目瞭然という代物となります。
その後、先ほど返事をした部長の遠藤みづきという生徒に案内され、パート毎に別れて練習している教室を回って歩きました。そのみづきは、朝昇降口で挨拶しながら駆け抜けていった彼女です。
チャキチャキっとした中にも清楚な雰囲気があるその彼女は、身長が150あるかないかぐらいの身長で、黒縁メガネをかけ長い髪を二つに三つ編みしています。他の部員と比べセーラー服のスカート丈は短めで、黒ハイソックスを履いたその細くはない健康的な足がなんとも言えません。
そして、木管楽器・金管楽器・弦楽器・そしてパーカッションといろんな楽器を紹介してもらいましたがあまり覚えられませんでした。その時唯一覚えられたのが、そのみづきが持っていたトランペットと、マコトがやっていたというユーフォニュームでした。
そのユーフォニュームという楽器は、現代ではユーフォニアムと呼び方が変わっていました。いつ、なんで変わったのかはいまだに謎です。
そのパート練の教室を見て回っている時、私は歩きながら「なんか僕の彼女がユーフォニュームを吹いていたって聞いていたんだけど、どんな楽器か分かんなかったんだよね。さっき見せてもらって長年の謎が解けたよ。」とみづきに伝えると
「ユーフォといえば、私の1コ上の先輩でユーフォがすごく上手い人がいて。しかも人に教えるのもうまくって。低音だけじゃなくって初心者はみんなその先輩にお世話になってた感じだったのね。初見で何でも吹いちゃうし、合奏練習でもコンダクターやってくれたり、直すところ指摘してくれたり凄く頼りになる先輩だったの・・・・でも、」
「次はこの人が部長になるんだろうなと思ってたら、なんかその先輩辞退しちゃったんだよね。そうしているうち、2年生最後の日に人さらいにあったかのように赤い車に乗っていなくなっちゃったんだ。そう、あんなクルマに。」
と言って3階の窓から指をさしたのは、日中来客用駐車場から職員駐車場に移動させておいた私のハチロクでした。
「多分その娘、人さらいにあったんじゃなくって事情があって違う土地に行かなくちゃならなくなって、悲しい思いをさせるくらいなら一瞬で終わらせたほうがいいって思って最後の最後まで黙ってたんだと思うんだ。僕にはそんな気がする。」
「へ〜。なんかマドカ先生って見かけによらずロマンチストなんだね。」
という会話をしながら1階にある多目的ホールに戻る時、昇降口脇にあったピンク電話が目に入りました。
「あっ、ゴメン。チョット電話しなくちゃなんなくって。あとは抵当に見て回るから・・・」と、みづきに伝えその場で別れました。
私はピンク電話に10円硬貨を入れてあるところに電話しました。すると・・・
「あっ、エンちゃんこの前はどうもね。チョット声聞きたかったところだったんでちょうどよかった。」と電話に出たのはあの夏帆でした。
「夏帆ちゃん、この前は夏帆ちゃんに喜んでもらいたくって連れ出したんだけど、なんか想定外なことばっかりになっちゃって・・・・」
「ううん。いいの。わたしすごく嬉しかった。気持ちの整理も付いたし、かえって心配かけちゃったね。」
「ありがとう夏帆ちゃん。そう言ってもらえるだけで・・・。ソレでね。今、教育実習やってて部活見てたんだけど・・・・」まで話したところで
「あれ?たった今ふたば先輩から電話があって、スパイクとグローブ持って高校に来てくれないかって言われて今からそっちに行こうとしてたとこ。そこにエンちゃんもいるんだよね?」
「うん。いるよ。でもチョットお願いがあって。」
「なに?」
「もし、マコちゃんいたら連れて来て欲しいんだ。吹奏楽部のみんなに逢わせたくって。」
「早坂なら、さっきバスの掃除から上がったところだから連れて行けると思う。ちょっと待っててね。」と言ったところで電話が切れました。
この高校は、マコトの務めるバス会社の目と鼻の先にあり、歩いてもさほど時間はかかりません。
私はふたばが気になってソフトボール部の練習するグラウンドに行ってみましたが、ふたばは黒スーツの上着だけを脱いでキャッチボールをしていました。その姿はすごく楽しそうです。
そして、それをしばらく眺めた後吹奏楽部のいる多目的ホールに帰ろうとして昇降口まで来たところで、校門から夏帆とマコトが歩いて来るのが見えました。
夏帆はさっき練習していたソフトボール部のメンバーと同じユニフォームで、マコトはバスガイドの制服のスカートにチョット見慣れない事務服みたいな上着を着ていました。
マコトは私の姿を見つけると全力で走ってきます。そして、私のところまで来たかと思うといきなり首に抱きついてきました。抱きつかれた瞬間マコトの懐かしい体臭を感じ、そしてそのマコトが「エンちゃんにやっと逢えた。
もう、一生すれ違いかと思った。よかった〜。」と息を切らせて言っています。
「でも北海道からやっとの事で帰ってきても、エンちゃんとすれ違いばかりででヤルこともしてないよね。」と言いながらチラッと夏帆の方を見ました。
そして「ねえ〜エンちゃん。夏帆先輩ばかりかまってないで、私もかまって欲しいんだけど・・・」と上目遣いに囁きます。
ここで私は確信しました。夏帆との1件、完全にバレています。
多分、その日下宿に掛けた電話で察したのか、姉のアキラから聞いたのかのかは分かりませんが、この雰囲気から察するに絶対にバレています。
するとマコトに遅れること数分、その歩いて私のところまで来た夏帆は開口一番あのことには触れず、「馬子にも衣装ってこのことだねエンちゃん。」と私が来ていたスーツを見て言いました。その脇でマコトが「なんか学校の先生みたいだよ。エンちゃん。」と話を合わせ、なんか照れています。
その側で夏帆が「なんかユニフォーム着るの久しぶり。生理来そうでお腹モヤモヤしてるけどちゃんと投げられるかな〜。連絡とって明日は里帆連れてこよっと。」と独り言を言っています。
「里帆ちゃんって、夏帆ちゃんの妹の?」と私が夏帆に尋ねると
「何?エンちゃん盗み聞き?このスケベ。でも、よく知ってんじゃん。高校時代バッテリー組んでて、夏帆・里帆姉妹バッテリーって結構有名だったんだよ。」
と言いながら、右手にはめたグローブを左手を入れて小走りで練習場へ走って行きました。
今初めて気づきましたが、夏帆はサウスポーだったようです。食事の時は普通に右手で箸を持っていましたが、私のアレを握る手はいつも左だったようでしたのでヤッパリサウスポーです。
グラウンドへ走っていく夏帆の後ろ姿を見ていたマコトは「なんか夏帆先輩楽しそう。ここんとこなんか元気なかったから・・・よかった。」とその148cmの身長で165cmの私を、体を捻るようにして意味ありげに見上げます。そんなマコトの着ている事務服の名札には「〇〇バス(株)早坂」の文字が見えます。
「あっ、そうそう。さっき部長の遠藤さんに案内もらって・・・・」と私が言いかけると
「えっ?今、づっきー部長やってんの?あの娘、全くの初心者だったんだよ。私が一から譜面の見方教えたあのづっきーが?」と、マコトが驚いています。
「ずっきー、三つ編みしてたでしょ?。その三つ編みってわたしが面白半分でやってあげたら気に入っちゃって。それからあの子のトレードマークなの。しかも、その三つ編み外すと髪がソバージュになってセクシーなの。」
「へー、エンちゃん。ちゃんと先生やってんだ。しかも言われた通りやったこともない吹奏楽部の担当まで・・・ふ〜ん。」と何か言いたげです。
「マコちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど。ここではマコちゃんが知らない人に拉致されて、いなくなっちゃった風に伝わっているみたいなんだ。人さらいが僕だってバレたら集団リンチに合いそうだ。誤解解いて欲しいんだけど・・・」と伝えると、
マコトがボソッと「なんか、わたしも別の意味でその集団に混ざりたい感じ・・・」囁きました。私はゾッとしながらも、何気なく先ほどマコトが言った夏帆のことが気にかかり「夏帆ちゃんそんなに元気なかったんだ・・」と囁いて火に油を注いでしまいました。すると・・
するとマコトが「この学校の女の先輩の話でずっと昔の話なんだけど、なんかその先輩が恋愛のゴタゴタで仲裁に入って、なんかラチがあかなかったからサッカー部のキャプテン素っ裸にしてアソコ踏み潰したって聞いたことあるよ。」
「エンちゃんがそうならないかってちょっと心配・・・・。」って言ってます。
忘れてました。そうです。チョットどころかものすごく心配です。私はちょうどそのようになるかならないかの狭間にいるのです。しかも、執行猶予中の身です。
1コで済むか2コなのか考えるだけでも玉袋が縮み上がる思いです。
その後マコトと一緒に多目的ホールに戻ると、さっきのみづきがパーカッションのパートリーダーと何か話をしていました。そして、申し訳なさそうにドアから顔をのぞかせたマコトの顔を見つけると
「なんで?マコト先輩?ホンモノ?・・・・」と言ったまま固まってしまいました。
マコトが足に合わない大きなスリッパをパタパタ鳴らしながらその彼女の元へ走って行きました。
するとその二人が抱き合って泣いています。するとそのみづきが「3年生呼んできて。楽器持たなくっていいから。」とそこにいた1年生に指示しました。
そうしている間も抱き合ったり握手したりと二人が忙しそうに動いています。
そうこうしていると、当時マコトと面識のある当時の1年生であった現在3年生の部員がゾロゾロホールに集まってきました。するとマコトが
「みんな。ゴメンね。あの時急にいなくなっちゃって。諸事情により1年間旭川に行ってました。そしてその時私をさらっていった犯人はそこにいるエンちゃんです。」と私を指差しました。
役20名ほどの40の瞳に急に見つめられ私はどうしていいか分かりません。するとその部員の誰かが「エンちゃん?」と囁きました。すると、マコトが「音読みと訓読みの違いだよ」と教えると、そこにいる20名が揃って「あ〜あ〜、そうそう」といって納得の様子です。
そしてその中の誰かが、「あっ。あの時、マコト先輩のオッパイおっきくしたのって・・・この人?。」と囁いたのがかすかに聞こえましたが聞こえなかったことにします。
マコトは私とと付き合い始めた時胸が急に大きくなっていました。初めBカップだった胸がいきなりDカップに成長し、その当時部活内でも話題になったと聞いていました。
そこで、改めて私は「ただ今ご紹介にあずかりました風谷です。皆さんご察しの通り私は人さらいで、そこにいる早坂さんの彼氏ということになっています。」と自己紹介しました。
すると、みづきがボソッと「早坂さん?」と囁きました。
するとすかさずマコトが「わたし、母さんの再婚で早坂になってます。と言って着ている事務服に着いている「早坂」の名札をみんなに見せています。
すると、部員の誰かが「アレ。この服どっかで見たことある。」と言い出し、そのみづきも「そうだよねー」と言ってマコトの名札をもう一度見直しました。
「あっ。もしかして、マコト先輩ってそこのバス会社のバスガイド?」
「うん。この春からそういうことになってる。みんなのところに逢いに来たかったんだけどキッカケがなくって。でも、今回私のエンちゃんがお世話になるんで挨拶がてら来たんだよね。」
そんな会話の最中、小林先生が戻ってきてマコトとの再会に歓喜の声をあげています。そうなると女子の会話に混ざれない私は蚊帳の外です。人さらいの身としてはこの場からチョット離れたい感じがします。
そして、何となくさっき見たソフトボール部の練習するグラウンドまできたところ、夏帆がマウンドで投球練習をしていて、その傍で腰に手を置いたふたばとユニフォーム姿の女子高生がが見守っていて時折何か話しかけています。
そこで何か違和感に気づきました。それは夏帆の投げるボールを受けるキャッチャーがなぜか私服ということでした。
不思議がる私に気づいたふたばが夏帆の傍で何か叫んで手招きしています。よく聞くと「マドカ先生〜。おい、マドカ〜。チョット、そこのお前〜。」とだんだんと呼び方が変わってきました。最後にはイヌネコのよう呼ばれ方になってしまうと思い急いでふたばの元に駆け寄りました。
すると、今度はキャッチャーを手招きして呼んでいます。そして、そのキャッチャーがマスクを外しながら近づいてくると、それは昨日、本屋さんであったばかりの里帆でした。さすが一卵性の双子です。背格好が全く同じです。
するとふたばは私に向かって「昨日、明日の放課後来るように言って来てもらったんだけど姉妹見分けつくか?」と問いかけます。私が首をかしげると、「違いと言えばうなじのホクロくらいだもんな。分かんないよな〜。もしかして、この前アンタが連れ出したのは妹の方かもよ。」なんて言い出しました。
すると里帆が「この前は大変お世話に・・・?」と話を合わせようとしましたが、
「え〜〜〜?。コレ?。夏帆が泣くほど好きだったオトコって。コレ?」
「わたしに、すごく格好良くって一度見たら絶対一目惚れするからって言ってたのがコレ?」
「なんか、うちに帰ってきた時もラブレターみたいなヤツいっぱい書いてたよね。その相手ってコレ?」
「それにもう、考えると夜も眠れないって言ってた・・・・・」
とまで里帆が言ったところで、プルプル震えていた夏帆が痺れを切らし
「やめて〜〜〜〜〜〜〜っ」と叫びました。
息を切らした夏帆の耳たぶは真っ赤です。
するとそれを見ていたふたばが私を睨み「アンタ・・・・・。2個決定ね。」と囁きます。
そして、「夏帆。アンタ、今思いっきり投げたいよね」とふたばが夏帆に問いかけます。
すると「もちろんです。」と当然の答えが返ってきました。
その後、なぜか私はヘルメットとバットを渡されバッターボックスに立たされています。
ふたばは私をバッターボックスに立たせるとき「今のエースに、投げ方の参考になればって夏帆に投げてもらったんだけど、夏帆って投げるの久しぶりだからコントロール定んなくって。危なくって部員立たせられないんだよね。」と言っていました。
しかも「いきなりって言うのも可哀想だから、チョット現役のエースに投げさすから、目馴らしておいてね」とふたばが私に伝えると、さっきまでマウンドの脇で見ていたエースと思われる女子部員をマウンドに立たせました。
するとふたばの「行くよ。覚悟して。」の掛け声とともにそのピッチャーが前かがみになり右手を前から後ろへグルリと回した瞬間、その彼女の右太ももの外側からボールが打ち出されるように私目掛けて飛んできます。
ウインドミルと呼ばれる投げ方で投げたはずの手元が全く見えません。自分自身、少しは動体視力に自信があったため多少球が速くても驚くことはないと踏んでいましたがそんなことはありません。もしかすると、ソフトボール自体を甘く見ていたのかもしれません。
次の瞬間、里帆のキャッチャーミットが「パシ」っとなったかと思った瞬間、私は尻餅をついていました。
するとそれを見ていたふたばは「これじゃ練習にならないから、今度逃げたら2コ行くよ」と叫びます。
それを聞いた里帆は、ピッチャーに返球をしながら「2コってなに?」と聞いてきましたが、
「これはコッチの事情なんで・・・・」としか言いようがありません。
そして、その後なんとか10球程度の球を逃げずに見た私は、いい音で補給する里帆に「球が速いうえにそんないい音聴かされたら打てる気がしないよ。」と言うと
「いい音で取るのってキャッキャーの仕事。いい音するとピッチャーの気分も乗るでしょ。」と答えながらピッチャーに返球しています。
マウンドでは、そのボールを受け取った現役のエースが隣で見ていた夏帆にボールを渡しています。
すると私の傍でボールを受ける里帆の構えが変わった事に気づきました。
「夏帆の球は男子でも打てないよ。」と、里帆が囁いた瞬間、マウンドの夏帆が前かがみになって左腕がクルリと回った瞬間、夏帆の左太もも付近から放たれたボールが私めがけて飛んできました。
右投げと左投げのピッチャーの球筋がこんなに違うんだと思った瞬間「これって絶対あたる」と思って腰を引きましたが「パシ」っと良い音で捕球した里帆が「内角入ってるよ。ギリギリだけど。そんな大袈裟に逃げなくてもいいのに。」と呟きます。
すると、今まで夏帆の脇にいたふたばが歩いて来て、「どうせだから1打席勝負したいって夏帆が言ってるんでけど、あんたに拒否権無いよね。わたし審判やるから。」と言ってベンチに行って審判用のマスクしながら戻って来ました。
そしてキャッチャーミットをかまえる里帆の後ろで「夏帆、手加減無しだよ。プレイ!」と掛け声を掛けました。
すると先ほどと同じ様に夏帆が構えてボールを放ちました。
先程の現役女子高生ピッチャーの球も速かったのですが、夏帆の球はその上をいきます。しかも、私の近くでまるで浮き上がるかのように伸びてきます。これは、通常の球筋を想定していたのでは絶対に打てません。
今回も投げた球をよく見ることができないまま見送ってしまいました。
里帆の後ろで構えるふたばから「今の完全にストライク。逃げたり見送ったりでに三振は2コ。空振り三振で1コ。ヒット打ったら要相談っていうところかな?」なんて、私に話しかけているのか独り言なのかわからないことを言っています。
そして2球目。全く左ピッチャーの球っていうのは右打ちバッター目掛けて飛んで来るものです。この時も自分目掛けて放たれたボールを逃げずに見ていましたが、自分に目掛けて飛んできた球の球筋が更に私のほうに曲がったと思った瞬間、本当に私のカラダに当たりました。
しかも、股間の大事なところに。
私は声も出せず、そこにうずくまり悶絶です。私がうずくまっている後ろで「エンちゃん。びっくりさせようとして変化球投げたら外れちゃった。ごめんね〜。痛いでしょ。」という夏帆の声と「なんだ、手間省けたか?何個潰れた?」なんていうふたばの声が聞こえます。
そして「ほれ、オトコのくせしてだらしない。女子でもそこまで大袈裟じゃないぞ。」と言いながらふたばが腰をトントン叩きます。
腰を叩くのはラグビーをやっている今のカレシの試合に行っていることで知っているようです。
私は「ふたば。ありがとう。でも・・・・これって女子には分からないんだよ。テレビなんかでチーンなんて効果音つけて笑ってるけど、これって地獄の苦しみなんだ・・・・」と情けなく訴えることしかできません。
私が苦しんでいる間にも「夏帆。なんか、ソレに相当な恨みあるみたいだな。」とふたばが尋ねています。」
「そんな・・・ふたば先輩。これはたまたまです。」と夏帆が答えますが、「当たった場所が場所だけに、まさにタマタマだな。」なんて言ってみんなで大爆笑しています。でも私はそれどころではありません。
するとふたばが「わたしのカレってラグビーやっててさ。たまにこんなふうになっちゃって、喚き苦しんでもうオトコ辞めるって叫ぶ時あるよ。2コともつぶれちゃったら本当にオトコ辞めちゃうのにね。」と、フォローなのか茶化しているのか分からないようなことを言っています。
そしてようやくわたしが立ち上がるとそこにいたみんながわたしの身体についた砂を払ってくれました。そして「デッドボールはノーカウント。続き始めるよ。今、ワンストライクね。」とふたばが声を掛けます。
気を取り直して第2球目。これは完全なストレートです。私は渾身の力でバットをスイングしました。すると、バットにボールがかすり、そのボールが審判をしているふたばのマスクに当たり、ボールと共にマスクが後ろへ飛んで行きました。
すると「アンタ、わたしに何の恨みがあるの?それとも八つ当たり?。」と言いながらマスクを拾いにいき戻って来た時「話は後で聞くから。ハイ。ツーストライクね。ハイ、プレイ!」と不機嫌そうな声で言いました。
次に来る球が恐らく最後の球です。あの夏帆が遊び球を投げるまずがありません。最後はど真ん中のストレートだと読んで構えました。
マウンドの上では夏帆が先程よりゆっくり構えてボールを投げました。やはりストレートです。しかし、先程よりスピードが乗っています。私はとりあえず、半分やけになって先程振ったバットの位置より少し高めに思い切りバッドをスイングしました。
すると、バットにボールが当たった衝撃が手首に伝わりましたが、当たったボールがどこかへ飛んで行ったことだけは分かりました。
私はそのボールの軌跡を追うことができません。マウンド夏帆を見ると天を見上げるように何かを見ています。それにつられるように外野を見るとライトが後ろを振り返りながら走っています。そして、外柵の前で立ち止まりました。
その瞬間、その柵の外側にボールが落ちるのだけが見えました。するとふたばが、「アレ、ホームランって要相談だっけ?ノーカウントだっけ?」なんて言っています。
すると私のところへ夏帆が駆け寄ってきて「わたしの渾身のストレート、ホームランで返したわね。次はこうならないからね。」と、どこかで聞いたようなことを言っています。
そうです。これはこの前夏帆と旅行に行った先のホテルで言われたセリフです。「次は・・・」と言っているということは次もあるんでしょうか?再会してからというもの、肝心なマコトとはエッチなことを全くしてないのに・・・。
その後吹奏楽部の練習する多目的ホールに戻るとそこではパーカッションパートの練習が行われていました。私はそこにいた部員にマコトの居場所を尋ねると低音パートの練習している教室と告げられそこへ向かいました。
すると、低音パートが練習する教室の廊下でマコトが先程部長から教えてもらったユーフォニュームという楽器を吹いていました。
夢中になって1音1音噛み締めるように音階を上がったり下がったり吹いているマコトをしばらく眺めていましたが、それにようやく気づいたマコトが
「あっ、エンちゃん。ゴメンね。今もさっきもわたし自分に夢中になっちゃって。この楽器、私がここにいた時吹いてたヤツなんだよね。なんか懐かしくって・・・・・。あれ?なんかスーツ汚れてるね。」
と私に話しかけました。
そこで私が「さっき、同じ実習生に呼ばれて人柱になってきた。」と答えると
「夏帆先輩のところでしょ?ヤッパリわたしじゃなくって夏帆先輩なんだ・・・。ヤッパリ1年って長かったよね。」
と、いつもひょうひょうとしているマコトがこの時、初めて私に見せた拗ねたような表情でした。
「エンちゃん。急ぎって訳じゃないんだけど、聞いて欲しい話があって・・・。チョット言いにくいことなんだけど・・・。」
「それって何?。ここで良ければ・・・」
「あっ、ごめん。やっぱりいいや。今はチョット心の整理がついてなくって・・・。うん。後ででいいの。」
「それって夏帆ちゃんに関係あること?」
「違うの。全くわたしの話で、北海道のこと。」
「うん。分かった。いつでもいいよ。マコちゃんが話せるようになってからで・・・」
とマコトに言いましたが凄く気になります。夏帆との旅行の最中、偶然出会ったマコトの姉のアキラも気になるとを言っていたので気がかりです。でも、私の行動に関することではないようでしたのでチョットは安心でした。
すると、「あっ。そう言えば、この前のオリエンテーリングの大学生と合コンやることになって、それが明日なんだ。」とマコトが話題を変えました。
「明日ね、急に合コンやることになって。なんか夏帆先輩のところに、大学の写真部長って人から連絡が来て、オリエンテーリングの時に撮った写真届けたいって話が来て、どうせなら合コンしようってなったみたいなの。その話聞いた時わたし断ったんだけど、なんかどうしてもってことになってわたしも参加することになったんだ。」
「偶然だね。僕も明日教育実習の懇親会があって、街に繰り出すことになってるよ。」と話したところ、場所が近くだったので、2次会で合流と言うことにしました。
そして「ゴメンね。明日の仕事、朝早いし案内する場所がチョット苦手なところなの。帰って予習しなくちゃ。」というマコトとその場を離れ、「また明日ね。」と言って別れ、実習生の控室に戻りました。
すると「遅い。わたし、足がないと帰れないんだよね。」とふたばが怒って待っていました。
「ごめん、ふたば。今、彼女とチョット話し込んじゃってて・・・」
「あっ、ごめんね。謝んなくっていいの。ゴメンはこっち。乗せていってもらう立場なのにね。アンタ、わたしの家来じゃないんだからもっと怒っていいんだよ。タマの取られ損になっちゃうよ。」
「ふたば・・・それって、もう終わった話じゃないのか?」
「あれ?いつ終わった?さっきヒットは要相談って言ったよね・・・。でも、アンタ気づいてた?夏帆がアンタにもらったリングまだ着けてるって。まだアンタのこと忘れられないんだよ・・・・。夏帆だけじゃなくってわたしの恨みも残ってんだけど・・・」
「夏帆ちゃんはともかく、それも終わった話じゃ・・・・」
「アンタの中では終わったかもしれないけど、腹を痛めたわたしの中じゃ終わってないんだよね。」
「それでチョット帰りに寄って欲しいところあるんだけど。コレってアンタに拒否権ないヤツ。」
その後、ハチロクの助手席にふたばを乗せて帰途に付きました。景色はすっかり暗くなっています。ハチロクのヘッドライトには当時流行ったゴールドバルブというハロゲン球が付いていて照らすものが全て黄色です。
夏帆と同じレックスも色によっては黄色く照らされるので時々ドキッとします。
下宿に向かう国道を走らせるとふたばが突然「そこ入って。」と言い出しました。そこはどう見ても、以前ふたばと何度か来たハリボテのお城です。
私がふたばの顔を見て「えっ。」と不思議がると、「いいから・・・わたしたちの原点の3号室に入って。もし、3号室がダメなら素通りでいいから。」と言っています。
そうです。このラブホはふたばがこじらせてしまった処女喪失をやり直そうとして本当の処女をもらった場所、そして妊娠させてしまった場所にもになります。
なぜ、ふたばがここに入れと言ったのかは全くわかりません。
そしてそのお城の敷地に入ると時間が早かったせいかガラガラでした。
「なあ、ふたば。他のところも空いてるけど、いつもの3号室で良いのか?」
「うん。3号室が良いの。いや、3号室じゃないとダメなの。」
そう言われた私はハチロクをその3号室の車庫に入れると、目隠し版でナンバーを隠してふたばと共に部屋に入りました。
すると、「ここ来たのって成人式の時以来だっけ?実はあの時やりまくってわたしのアソコ凄く痛かったんだよね。」とふたばが告白しました。
「実は僕もそうだった。次の日腰が抜けたようになって復帰するのに相当かかったよ。」
と言いながら二人揃って懐かしい部屋の懐かしいベットに腰掛けました。
「チョット聞いて欲しいんだけど・・・」とふたばが改まって話を始めました。
「ここでやりまくった時、アンタの本性が見えてチョット怖くなっちゃったけど、アンタのこと好きになっちゃったのね・・・・。勘違いしないで、その時の話よ!」
「今思えば、わたしってチョット怖いようなオトコが好みなのかも。今の彼がそうみたいに。」
「でも、好きか嫌いかは別としてアッチの相性ってカレがアンタに敵わないなって思うことが多々あるの。今日、ここに来たのはそれを確かめたくって・・・・。アンタのタマの取り扱いも決まってないし、何がその相性の決め手になるのかが確かめたいの・・・」
「コレって世界の七不思議にもなるんじゃないかって真面目に思うんだ。わたしの彼のおっきいアレにアンタのその貧相なモノがなんで叶わないかって。それを確かめてみたいんだよね。」
「なあ、ふたば。ふたばって婚約中の身だろ?こんなことしてて良いのか?」
「これは浮気とは違う次元の問題。わたしはアンタのこともうなんとも思ってない・・・・・。でも、カラダの方がどうか分かんなくって・・・。本当にムカつく。なんでわたしのカラダがアンタを求めちゃうの?コレって、相当アンタに染まってるってことだよね。責任取りなさいよ。わたしは全然アンタのことなんとも・・・・」
までふたばが言ったところでわたしはふたばに押し倒されキスをされています。しかも、ふたばの大きな両手で頭を押さえられ、息か出来ないくらい激しくされています。
私はもう窒息寸前です。すんでのところで「ふたば。チョット。待った。死んじゃう。」と言って、ふたばを制すると今度はふたばが服を脱ぎ始めました。
すると、「待ってもへったくれも無い。わたし、今凄く混乱してるんだから黙ってて。心とカラダが戦って、カラダが勝っちゃったの。好きにさせて。」と言いながら今度はわたしの服まで脱がせています。
「分った。ふたば。もう止めないから、せめてシャワーぐらいは浴びよう。今日いろいろ動いたし衛生上良く無いから・・・」と言ったところでふたばがやっと手を止め、
「あっ、そうだった。アンタにやってもらわないといけないの忘れてた。」と囁くと、パンツとブラジャー姿のふたばがパンツ一丁の私の手を引きバスルームへ向かいました。
私は久しぶりに見たふたばのその後ろ姿を見ながら、改めて「なんて長い足なんだろう。」と思いました。この時、「この長い膝下にロングブーツ履かせたら似合うだろうな」と全裸にロングブーツ姿のふたばの姿を想像したらそれだけで股間に血液が送られるのが分かりました。私はそんな趣味は持ち合わせてはいませんでしたが新たな発見です。
そして、ふたばは洗面台にあったT字剃刀とシェービングフォームの缶を私に渡すと裸になってバスルームへ入って行きました。
とりあえず私もパンツを脱いでふたばの後に続くとふたばが急に振り返り、
「あの時と同じように全部剃っちゃって。そしてあの時と同じように最初からやり直して。そして、今度はアンタの色じゃなくって真っ白色にわたしを染めて。」
一度何かの色に染まってしまった色は、それにどんな色を混ぜても二度と白くは戻りません。ふたばに真っ白に染め直してと言われた私は、一人の女性を白では無い何かの色で染めてしまった罪悪感にかられています。
「アンタって本当に何考えているのかすぐに分かるんだよね。コレってやっぱりアンタの色に染まっている証拠。もう、白じゃなくっても良いから、次の色が染まる色に塗り替えて。コレ剃るのはそれの第一歩。いつも剃ってたからそんなのカンタンよね。」と言いながらふたばは自分の股間を指差します。
考えてみればふたばのここを初めて剃ったのは、ふたばと一緒に教習所に通って、ふたばと一緒にプールの監視員のバイトをやっていた時でした。その時はマコトに出会う前で、地元に残してきた当時の彼女のあおいが生きていた頃の何年も昔の頃です。
そして、ここにいるふたばとの度重なる行為でいろんなことを学び、考え、最後には妊娠させたうえ結婚まで申し込んでいます。ふたばは私に染められたと言っていますが、実は私がふたばに染められたような気がしてきました。
ふたばをすけべ椅子に座らせ、アソコを剃っている時
「なあ、ふたば。さっき僕に染められたって言っていたけど、それって逆じゃないか?よくよく考えたら僕がふたばに染められたんじゃないか?。」
「一番最初の時はふたばが痛く無いようにふたばのことだけ考えて、優しくゆっくり丁寧にやったと思う。」
「それって何かのスローガンみたいだね。わたし、この時アンタに処女あげたんだよね。」
「一番最初はふたばが小学5年生っていう設定だったよね。次は中学生のふたばっていうことで、ふたばが上になって抱き合いながらやったよね。」
「うん。それってわたしの中で一番思い出のある場面。抱きしめられて、おっぱい吸われて、それで下から突き上げられて・・・わたし訳分かんなくなっちゃって・・・。」
「次は高校生のふたばっていう設定だったよね。その時後ろからだったと思うけど、実は僕って後ろからするの初めてで、ふたばのお尻の位置が高くって、足がつりそうだった気がする。」
そうしているうちにふたばの股間がだいぶツルツルになってきましたが、心なしかシェービングフォームではない潤滑感が加わってきたような気がします。
「わたしさ、その日小学5年生の自分からから一気に大学生の自分まで駆け昇ったんだよね。すごいよね。結局は、小学5年生の時に下宿生にされたことがトラウマになって、オトコに対する私の見方がそこで思考停止しちゃったんだよね。それを打ち破ってくれたのはアンタ・・・マドカなんだよ・・・。アンタに感謝しなくっちゃ。」
「そんな・・・。僕もその時なんか必死になっちゃって。実は僕って中学2年生の時、付き合ってた彼女の処女こじらせっちゃった経験があって、もう、それはこりごりだって思ってただけかも・・・」
「アンタって、なんかそういうとこ律儀っていうか優しいっていうか、オンナ騙すの上手いっていうか・・・」
「騙すって。そんな人聞きか悪い。僕って、こう見えても女騙してやろうなんて一度も考えたことなんて・・・。そのふたばの時だって、ふたばことだけ考えてただけだったンダけど。」
「全く、自覚ないってところが一番ムカつく・・・。あの時、アンタに黙ってたけどわたしアンタのことが本当に好きだったんだからね。実を言うと、アンタが一番最初に下宿に来た時あの時からだったんじゃないかな?。覚えてる?アンタの部屋で荷物片付けてた時、わたしのオッパイがタンクトップからはみ出ちゃった時、アンタ冷静に言ったよね。その格好チョットラフすぎないか?って。」
「うん。それよく覚えてる。ふたばのそのおっきいオッパイがはみ出そうで気になっちゃちゃって。見ちゃいけないと思いつつ、時々見え隠れする乳首なんかも見えちゃって。」
「本当だっらね、わたし人前でそんな格好しないんだけど、なぜかアンタって人には抵抗なくって。コレって、人の好きらい以前の本能的な何かだよね。」
と言ったところでわたしの作業が終わり、初めてふたばとここに来た時と同じようにふたばの股間がツルツルになり、シャワーで洗い流しました。
すると、「ねえ、チョット相談なんだけど。わたしチョット・・・いや、凄くアンタとしたくなっちゃたんだけど。どう?」
「実は僕もそうなんだ。僕のあんまり立派じゃないモノもそうなってる。」と言ってカチカチのモノをふたばに見せました。
「コレって、不思議よね。女子の会話でもおっきい方が絶対いいってことになってるコレが・・・・。実は大きさってあんまり関係なかったりして・・・・」と言いながらふたばがわたしのモノをパクッと加えました。
そして口の中でひととおりカタチや大きさを確認すると、
「でもヤッパリわたしはこれがいい。ガマン汁の味も美味しく感じる。アンタ、肝に銘じなさい。女の子が初めてを捧げた相手の責任ってこんなにもあるんだよ。何もかもその初めてを捧げたオトコが基準になっちゃってる。次にそれを上回るオトコが現れればいいけど、そうでなければチョット残念な結果になっちゃうかも。」
「僕って、どうすれば満足してもらえるかってことしか考えないでいつもセックスってモノをしているような気がする。自分はそのあとでもいいって。」
「それだよ。それがオンナを幸せにもするし不幸にもする。コレって元カノのわたしが言うんだから間違いない・・・。もうダメ。我慢できない。」
と言ってふたばは私の手をちぎれるくらい強く引いてベットまで戻ってきました。すると私の体を投げるようにベットに押し倒すと、先ほどとは全く違うフェラをしてきました。それは、今のカレを気持ちよくさせようとしてふたばが努力したやり方だと思います。
「なあ、ふたば。オトコってむず痒いっていうか手の届かないくらいの焦らされるような刺激と、時々やってくる強い刺激の連続技に弱いんだ。今みたいに強く刺激すればいいてもんじゃないぞ。」と言って、ふたばを仰向けにして今度は私がふたばのソレを舐めました。この時のふたばのアソコはすでに大洪水状態でした。
ふたばはいわゆる「上付き」でワレメが長く、長い足と相まってとても魅力的です。
「チョット。何?アンタ、こんなに上手かったの?チョット凄く気持ちいい・・・・。」
「ふたば。コレっていきなり僕がふたばを舐めてふたばが感じてるんじゃなくって、ふたば自身が自分のカラダをそこまで高めたってことじゃないか?セックスってどらかが一方的にヤルんじゃなくって、お互いに高め合うモノだと思うんだ。そして入れるのは本当に最後で・・・・・」
「何?楽しみは最後まで取っておくってこと?何度もやるってものあると思うんだけど。」
「何度やったとしてもその都度楽しみがあるってことだと思う。でも、その楽しみって賞味期限があるから、熟す直前を見極めることがセックスの醍醐味かな?。」
「まれに放置されると感じる人もいるみたいだけどソレは別として・・・・あと、最近思うことがあって。セックスって入れるのだけがセックスじゃなくって、お互い肌が触れた瞬間から始まるんじゃないかって思うんだ。もしかするとその前からだったりして。」
「アンタ間違ってるよ。そもそもセックスって本能でやるんだよ。生殖行為なの。強い遺伝子を残すっていう由緒ある行為なの・・・・・。でも、なんやかんや言っても頭のてっぺんから足の先までゾクゾク感じちゃうセックスって最高よね。」
「じゃ、ふたばご所望のとおり行くよ。手もアレも小さい。ベロも短い。しかも一度トイレに捨てた男でも良いって言うんだったら精一杯行かせてもらうよ。」
「うん。いってちょうだい。精一杯来てちょうだい。アンタ、オトコってモノがおっきい小さいじゃないんだよ。チョットは自信持ちなさいよ。わたし前にアンタとやって以来イってないの。この際、自分のどこがどう言う風に感じるのか復習するから、有りとあらゆるやり方でやってみて。わたしもソレに応えるから・・・・」
と言われた私はふたばのアソコをわざと外してふたばの全身をわざと焦らすように舐め続けました。その間ふたばは苦痛に耐えるかの如く苦しいような表情をして、時折そのカラダがビクッとしています。そして一番驚いたのは、ふたばの腰に性感帯があったということです。
そして、ふたばを横向きにしてその性感帯を舐め上げながら、ふたばのお尻から手を入れてアソコを触ると物凄い大洪水です。そして、さらに手を伸ばしてまるでボタンを押すかのように「チョン」とクリトリスを押すと、
「ああああっ、ソレダメ〜。うぐぐぐ」と言いながら体がガクガクして、ふたばのソコから液体がビシャッと噴射されました。
もう、私の手も含めて周りのもの全てが濡れています。コレが「塩を吹く」という現象だったかどうかは分かりませんが、私もふたばもこの時はおもらししてしまったのかと凄く慌てました。
私は驚きながらふたばをタオルで拭こうとしますが触るたびふたばの全身がまるで痙攣でも起こしたかのようにビクビクしてどうしていいのか分かりません。そのふたばもカラダにチカラが入らないようになって動くことができないようです。
すると、「わ・・わたしに触らないで・・・・。チョットでも触るとまた漏らしちゃいそう・・・・。アンタ、わたしのカラダに何したの?なんか変な薬でも使ったの?凄くヤバいんだけど」と囁きながらも息が切れています。
そしてふたばが落ち着くまでの間、「なあ、ふたば。お前、カレシにこんなことしてもらってるの?」と問いかけます。
「ううん。してもらってない・・・・。アイツは入れるのだけがセックスって思ってるんだ。わたしが顎外れそうになりながらやってあげてんのに。ソレが気持ちいいって言ってるのに、オンナは入れられればソレで満足するって思ってる。自分のモノが大きいって自信があるからね。」
私は以前、同級生の理央から自分のカレシのモノが大きいと聞かされた時同じようなことを言っていたのを思い出しました。しかし、そのカレシは自分の妹であるあおいが亡くなったショックで勃たなくなってしまい、ソレ以降は理央の指導の元、指と舌だけで理央を逝かすことができるようになったと言っていました。しかもソレは一級品とも・・・。
しかも私はその理央にセックスというものの手解きも受けています。もしかすると私はその理央に染められているのかもしれません。
私は、理央がカレシを指導したということを思い出しながら「ふたばって、こうして欲しいってこととかちゃんと伝えてる?」と尋ねると
「アンタ、バカじゃない?オンナがそんなこと言えるはずないでしょ?」
「ソレは違うと思う。セックスってオナニーじゃないんだから二人でするもんでしょ。一人じゃないんだから二人で盛り上がるもんでしょ。盛り上がるためにはお互い痒いところが分かってないと・・・・」
「そんなこと分かってる・・・・・。でも、そんなこと言ったらわたし変態扱いされちゃう。それにオンナの恥じらいってもんがあんでしょ!。」
「もうそういう関係になっちゃえば恥じらいなんて関係ないんじゃないのか?恥じらいって言うのを捨てて、その変態にカレシを引き込んじゃえばいいんだよ。従姉妹の芽衣子姉さんってふたば知ってるよね。」
「その芽衣子姉さんが看護婦だった頃言ってたよ。誰しもどっかおかしいところがあるって。しかも、そのおかしいところを男女が認め合っちゃったりすると、もう離れられない関係になるって・・・・。」
「なあ、ふたば。お前とカレシ、どうせ結婚すんだったら早めにそういう変態カップルになっちゃえばいいんじゃないのか?婚約しちゃったんだから、もう恥じらいの時期は卒業してもいいんじゃないか?」
「ソレって、わたしが恥じらいを捨てて逆にカレシを染めちゃうってこと?」
「うん。そう言うことだと思う。僕に対しては初めから恥じらいも何もなかった感じがするけど、おかげでふたばにはだいぶ染められた感じだし・・・。」
「バカ・・・。わたし、アンタを染めた記憶はこれっぽっちもないよ。」
「どうせ、ふたばの方がアッチの方はそのカレシより大分先輩なんだから、手を引っ張って引き摺り込むのは簡単だと思うんだ・・・。」
「うん。検討してみる。でも、どうせ結婚して一生一緒にいるんだから、焦る必要もないよね。今のところは、楽しみは後に取っておくってところかな?でも、こういうディスカッションができるのも相手がアンタだからだからだね。」
「まさしく夜の教育実習よね。」
「なあ、ふたば。これって夜の教育実習というより実地研修に近くないか?」
「あっ、そうかも。お互いそれぞれ結婚しても、それぞれの夫婦生活ってもんがあるもんね。それってこれから何十年も続くんだよね。それの研修と思えばなんかしっくりくる。」
「でもなんか最近、セックスレスっていう言葉が聞こえてくるけど、それって寂しいよね。セックスだけが全てじゃないけど、やっぱりオトコとオンナは太古の昔からセックスで結びついていると思うんだよね。」
「うん。わたしもセックスレスには反対。子ども作るだけがセックスじゃないけど、やっぱり肌が触れ合って抱きしめ合うとなんか安心するもん。さっき誰かも言ってたように入れるだけがセックスじゃないけど、年取ってもキュンキュンはしてたいじゃん。」
と、この話をふたばがまとめました。多分、ふたばは何か別のことを言いたかったのかと思いますが、それをまとめて「キュンキュン」という言葉に女の子らしく集約したのかと思います。
するとふたばがカラダを起こし、「あっ、忘れてた。これの取り扱い」と言って、私を突き倒すようにして私のカラダを仰向けにしました。
すると、むんずと私のタマ袋をその大きな手で包むとその手の中でタマをキョロキョロさせ、「コッチのタマ?それともコッチ?」と聞いてきました。
「なあ、ふたば。ソレはもう終わった話じゃ・・・・」と言った瞬間、「わたしはヤッパリコッチかな?」と囁くと私のイチモツをパクッとくわえ、舐め始めました。
ソレはさっき私がふたばにやったソレと同じようにユックリ優しく丁寧に、決して強くないいわば「痒いところに届くようでいて届かない刺激」で、まさに焦らすような感じです。
しかも、私が教えたとおり時々強い刺激を織り交ぜながら刺激してくるという、なんとも学習能力の高いふたばらしいやり方です。逝く寸前でいつまでも寸止めしています。もう、そうなると私はなす術がありません。
「なあ、ふたば。帰ってからカレシにソレやったら絶対バレるから徐々にやれよ・・・・でも、ふ・ふたば。お願い・・・だから・・・。そろそろイカせてくれ・・・。」としかふたばに声をかけることができません。しかしふたばは一瞬口を離し
「コレ、さっきの倍返し。コレ、いっぱいなんかの汁出てるけど・・・コレ、何かな?」とソレの先端をちろっと舐めました。
私の全身に鳥肌が立っています。もう限界です。
私は自分のカラダをガバッと起こしてふたばを押し倒すと、ふたばの両足を肩に担ぐようにししてふたばに一気に挿入しました。すると
「ああっ、ソレ感じる。その浅いところ。届きそうで届かないソコ・・・凄く気持ちいい・・・。」と言って顎をあげています。
ふたばは「浅いところ」と言っていますが、私は自分のモノを全部刺して更に腰をぶつけるように前後させてはいるんですが・・・。
そうしているうちふたばが「もっと。もっとちょうだい。もっと来て・・・」と何かをせがむように囁くとふたばの締め付けが強くなってきました。ふたばの締め付けは独特で、上下に挟むようにして私のものを締め上げます。
そして「そう・・だんだん近づいてきた・・・もっと、もっと・・・」とふたばの囁きが聞こえた瞬間、私のものの先端にふたばの奥底が触るようになってきました。
まるでソレは待ち切れずに私を迎えに来たかのようにふたばの奥からやってきました。私の先端はその奥底に触れた瞬間、まるで私の先端が溶けたような感じになり訳がわからない状態です。
そしてふたばが腰を浮かせてアソコをグリグリ押し付けてきます。私は浮いたふたばの背中に手を回して引き寄せて更に腰を打ち付けます。すると、今度はふたばが両手で私の腰を締め付けて来て腰を動かすのも苦しい状態です。
そして私がふたばの腰を掴み直した時、例の性感帯を刺激してしまったのかふたばののカラダが痙攣を起こしました。そしてふたばのソレが私のモノを扱くような動きをし始め、ソレにつられるかのようにイキナリ私のモノがカミナリに打たれたような衝撃の元発射を始めました。自分の意に反した射精は生まれて初めてです。
発射する寸前に抜こうと思っていましたが、ふたばにがっしり抑えられていたのといきなりの衝撃だったのでどうすることもできずそのまま発射しています。
ソレは夏帆との時以上に何度も何度もふたばの奥底に打ち付けるように大量に何度も何度も発射を続けます。
私は自分のことで精一杯でしたが、ふとふたばのカラダに目をやるとそのカラダはビクビク痙攣を起こし顎を上げ、胸を逸らして弓形になっています。
そしてそのふたばが「うっ、グググ・・・」と言った瞬間チカラが抜け崩れ落ちました。ふたばの大きな乳房は呼吸とともに上下していますが、いつもだったら何か言ってくるであろうふたばからその一言がありません。
そこで「なあ、ふたば。ゴメン。チョットやりすぎた。ふたばがあんまりねっとりやるもんだからつい・・・・」と声をかけますが反応がありません。
私はふたばからカラダを離してふたばの体を揺すって声を掛けると
「ヤッパリ、わたしコレがいい・・・。ヤッパリ、アンタがいい・・・。」と言いながら、その長い腕で私を抱きしめました。
そして私の耳元で「なんで私たち別れちゃったの?あの時アンタわたしと結婚しようって言ってくれたのにね。なんでわたし断っちゃったのかな・・・。なんで流産しちゃったのかな・・・。もし、あの時流産してなかったら私たち学生結婚して赤ちゃん産まれてたんだよね。でも、今になってやっと分かった。」
「オトコとオンナって理屈じゃないんだって・・・・。あの時、まだ学生なんだからやるべきことは他にあるなんて格好つけたけど・・・・チョット後悔。」
「結局、どこまで行ってもオトコとオンナなんだね。」
「もし、子供が生まれたとすればその子供とは血が繋がってるけど、いくら結婚していたとしても夫婦はどこまで行ってもオトコとオンナ。所詮他人なんだよ。
「その他人同士を繋いでいるのがセックス・・・・」
「ねえ。マドカ・・・。今ので妊娠したらまた結婚申し込んでくれる?」
「・・・・・・・・」
私は何を言っていいのか分かりません。この時ふたばの言った通り、本当にオトコとオンナは理屈じゃ説明できないってことだけは分かりました。
「ビックリさせてごめんね。結婚なんてもうできないよね。わたし婚約しちゃってるし・・・アンタもあんなちっちゃい彼女いるし。」
「それに安心して。わたし、今妊娠しないから。今ピル飲んでて、教育実習の後に生理来るように調整してるから・・・」
「でも、最後のわがまま聞いて。わたしをキツく抱きしめて。そしてキスして・・・もう、コレが最後。」
そしてふたばがキスを受けるようにするため体勢を変えた瞬間、ふたばのアソコから「ブッ、ベベベ〜。」とまるでオナラでもしたかのような音がしました。
「もう〜コレ、オナラじゃないからね。」と顔を赤くしながら話すふたばがたまらなく可愛く見えて、「改めて見るとふたばってこんなに可愛かったんだ・・・。次からはその顔カレシに見せてやって。」と言いながらふたばを強く抱きしめ、そして最後のキスをしました。
その帰り道ハチロクの助手席では「アンタ。どれだけ出したの?お尻すごくヌルヌルなんだけど・・・」と言って、いつものふたばの表情が戻ってきました。
すると突然「でもさ・・・、アンタって人は、いっつも人のことばっかり考えてオンナに優しくして、相手のことばっかり考えてセックスしてさ。自分の意思ってないの?自分はどうしたいの?何がしたいの?」
「オンナに対してだったらソレで良いかもしれないけど、オトコって社会に出て戦わなくっちゃならないんだよ。自分の意思がない奴からやられるからね。それにセックスってさ、言葉じゃなくってカラダのコニュニケーションだから、お互いにカラダで会話すると思うの。意思のない相手からどうやってソレを読み取ればいいの?」
「アンタって、そういうところ聞き上手なんだから、よく聞いたうえでよく考えてアンタなりのやり方で答えればいいと思うの。聞いてばかりじゃ相手が不安になるんだよ。」
「オンナに対してと社会に対してのやり方って真逆だって言いたいところだけど、実はおんなじだったりして・・・。コレばっかりは経験積まないとわかんないね。」
とふたばがわたしに言い聞かせるように言いました。なるほどその通りです。
私はコレ以降、教育実習も含め現在までの間、何事も人の話をよく聞いて咀嚼し、ソレに対して自分の意思を持って取り組むようになっています。コレってふたばのお陰です。
そして、下宿に戻り車を降りるときドアを開け左足を出して体を起こした時、そのふたばの体の動きが止まり、「ほら、また出てきたよ。もう・・、アンタ結婚したらどれだけ子供できるか楽しみね。あと、シート汚しちゃってゴメンね。」と言いながらお尻を押さえて車を降りました。
前にハチロクの白くパリパリになってしまったシートを苦労して掃除した記憶が蘇ります。
とりあえず乾くまで座布団でも引こうかなんても考えましたが、とりあえず明日は飲み会のためバスで学校に向かう予定ですので問題先送りです。匂いが抜けるように窓を少しだけ開けて駐車場にハチロクを停め、「じゃ、また明日。教育実習頑張ろうな。」とふたばに声を掛けると、「夜の教育実習というか実地研修は終了しちゃったけどね」とふたばがソレに答えその場を別れました。
私は、教育実習というものがどういうものか興味があったのと、どうせ学生の時にしかできないんっだったらという気持ちで教職課程を受けていたような気がします。もちろん将来の選択肢に学校の先生(私の場合は土木専門の先生)が入っていなかったた訳ではありませんが・・・。
でも、初日からいろんなことがありすぎです。
そんな事を思いながら見上げた星空がとても綺麗です。明日の2日目は私の初めての授業があります。どんな結果になるのか全く分かりませんがやるしかありません。
また、明日の行事に先生との懇親会っていうのがありますが、「どうか波乱が起きませんように」と星空に願って下宿の玄関に入ると、玄関のすぐ脇にある食堂の私の席に夕飯が冷たくなって残っていました。私は、それを一気に食べると急に眠気に襲われ部屋まで帰ってスーツを着たまま泥のように寝てしまいました。
そして翌朝いきなり部屋に入ってきたふたばに起こされることになります。
ここまでお読みいただきありがとうございます。連載20話という節目で奇しくも教育実習という濃い話となってしまいました。そのせいか、いつもにも増してまわりくどい表現が多々ありましたことお詫び申し上げます。
これが教育実習初日のエピソードになります。大変長くなってしまいましたので、教育実習2日目以降の波乱については次話以降でご紹介いたしたいと思いますので少々お待ちください。よろしくお願いします。