本当は臆病な私が、勇気を出して混浴に行った話。② 「完」

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こんばんは、Kyokoです。

実際の体験談ですので、他の人たちみたいに過激な内容ではなくてすみません。

前回の続きです。

その日の夜・・・

私は、かなり緊張しながら夕食会場に向かいました。

もしかしたら、またあの平目おやじとばったり鉢合わせしてしまうのではないかという気がして怖かったのです。

気まずい思いをするのは嫌でした。

(だって・・・)

わずか数時間前、男性に混じっていっしょのお風呂に入ってみせた私です。

その相手と再び顔を合わすなんて、まっぴらごめんでした。

(どきどきどき)

たぶん夕食の指定時間が異なっていたのでしょう。

幸いにも、あの人の姿を見かけることはありませんでした。

ほっと胸をなでおろします。

自分のテーブルに着いて、夕食をいただきました。

ひとりでビールを飲んでいると、右隣のおじさんグループが声をかけてきます。

「お姉さん、いっしょに飲みませんかー」

真っ赤になった顔でげらげら笑っている酔っ払いの4人組でした。

そんな気は毛頭ないので、首を横に振ってお断りします。

「冷たいなあ、一人でつまんなくないのー?」

陽気にワハワハ騒ぎながら、ひとりぼっちの私のことをからかってきていました。

悪気がないのはわかりますが、いい気持ちはしません。

気が滅入りました。

こんなところで自分を偽ってもしかたないので、正直に本心を書きます。

私は自分で自分をかなり美人だと思っています。

もちろん、普段そんなことを自分で口に出すことは決してありません。

いつも謙虚に振る舞っています。

でも、この歳になっても外見の容姿に自信を持っているというのは事実でした。

ぱっと見で、実際よりだいぶん若く見えるというのも嘘ではありません。

だけどそのぶん、こういうときに絡まれやすいのも事実でした。

「お酌ぐらいよくないー?空気読もうよー」

「えー、そんなお高くとまることないじゃないのー」

いちいち腹を立てていてもしょうがありません。

やりすごすしかありませんでした。

左隣のテーブルは、男の子3人組です。

食事中に聞こえてきていた会話の内容から察して、学生(たぶん大学院生?)のようでした。

酔っ払いに絡まれている私のことを気の毒そうにチラチラ見ています。

食事はもう食べ終えていた私でした。

残っていたビールを飲み干して、席を立ちます。

部屋に戻りました。

誰もいない室内の電気をつけます。

気にしていないつもりでしたが、酔っ払いおじさんたちの言葉が突き刺さっていました。

『一人でつまんなくないのー?』

(どうせ私はひとりぼっち)

孤独な私を慰めてくれる人などどこにもいません。

みじめでした。

私はあのとき、うまく話を合わせてあのおやじたちといっしょにわいわいお酒を飲めばよかったのでしょうか。

それが空気を読むということなのでしょうか。

もし陽気にそういうことができる性格だったなら、これまでの人生だってもっと楽しく過ごしてこられたのかもしれません。

でも、実際の私はどこまでも内気でくそまじめな女でした。

知らない人に対していきなり心を開けるほど社交的なタイプではないのです。

心のどこかでいつも人目を気にしながらも、いい子ぶってるような・・・

そんなつまらない人間が私でした。

(もうイヤ、なんでこんなに引け目を感じなきゃいけないの)

昼間、平目おやじと脱衣場で対峙したときの記憶がよみがえります。

あれは、まさに非日常の体験でした。

本当は小心者の私なのに、あんなにも大胆に・・・

あんなハラハラドキドキの興奮は、決して他では味わえません。

(行きたい。。。)

もういちどあの混浴に行きたくてなりませんでした。

いえ、もう行くと決めていました。

なにも、悪事を働こうというわけではないのです。

女の私が入っても一向に構わない混浴のお風呂がここにはありました。

そこに行くというだけのことです。

ぜんぜん悪いことではないのですから、誰からも非難されるいわれなどありませんでした。

ただし、今は時間帯がよくありません。

夕食前後にお風呂に行こうとする人はきっと多いはずでした。

混浴の入浴客なんて、大多数は男性に決まっています。

もし本当に行くのならもっと人の少ない時間帯を狙うしかありませんでした。

そうでないと、とてもではないけど私には無理です。

(もういちどだけ。。。)

長い夜になりました。

部屋でビールを飲みながら、深夜になるまで時間をつぶします。

日付が変わっても、私はまだ動きませんでした。

2時近くになるまで待って準備をはじめます。

(どきどきどき)

すでに緊張でがちがちでした。

私は特別な人間ではありません。

普通のOLが、ひとりで混浴のお風呂に行こうとしているのです。

(恥ずかしい・・・怖い・・・恥ずかしい・・・)

すべては、あのどきどきを味わうためです。

勇気をふりしぼりました。

自分の部屋を出て、あのお風呂に向かいます。

(どきどきどき)

深夜の通路は静まり返っていました。

自分のスリッパの足音が異様に響く気がして、無意味におどおどしてしまいます。

(ああ、どうしよう・・・男の人がいたら)

本当は、誰かいてという気持ちが本心でした。

でも、その状況に耐えられる自信がないというのも本当の気持ちです。

暖簾が見えてきました。

ひざが震えそうになりながらも、おそるおそるくぐります。

(どきどきどき)

脱衣場に入りました・・・が・・・誰もいません。

素早くロッカーを見渡してみますが、使用中のものはなさそうでした。

そっと浴場を覗いてみると、そちらも無人です。

(え、えーー)

ほっと安堵している自分がいる反面、完全に拍子抜けでした。

人の少ないであろう時間帯を狙ってわざわざ深夜まで待ったことが、完全に裏目に出てしまった格好です。

(遅すぎた・・・)

考えてみれば、当然のことでした。

いくら朝方まで入浴できるとはいえ、宿泊客は飲酒している人が多いはずです。

こんな時間からわざわざお風呂に入ろうと思う男性などそうそういるはずもありません。

(私、馬鹿だ・・・)

せっかくチャンスだったのに・・・

誰もいない脱衣場で途方にくれそうになりました。

このまま部屋に帰ろうかと迷いもしましたが、寝ないで起きていてせっかく来たのです。

帯をほどいて浴衣を脱ぎました。

下着も脱いで全裸になります。

(どきどきどき)

緊張感が戻ってきていました。

無人とはいえ、いつ男性が入って来てもおかしくない状況に変わりはありません。

そのスリルだけで死ぬほどハラハラできている自分に気づきます。

(よーし)

誰もいないけど・・・

(混浴風呂に入ってやる)

荷物をすべてロッカーに入れて鍵をかけました。

あえて、タオルも持ちません。

一糸まとわぬ姿で、鍵の輪だけを手首につけます。

(どきどきどき)

サッシ戸の入口から浴場に入りました。

わかっていたことですが、誰もいません。

ハラハラというよりも、テンションが上がってわくわくしました。

まるで大冒険をしている気持ちです。

大声で言ってやりたい気分でした。

(みんなー、いま私がはだかでここにいるよー)って。

タイミングが違っていたなら、ここは大勢の男性がいたに違いないはずの場所でした。

私は、そこらにいる尻軽の女じゃありません。

むしろその真反対で、いつも真面目に慎ましく生きている人間でした。

(その私が)

まるでファッションモデルにでもなったかのように、つんとお澄まし顔をします。

ランウェイウォークばりに、無人の浴場を全裸で闊歩してみせました。

くるっとターンして、無表情に観客席(に見立てた洗い場)を睨みつけます。

大袈裟に肩を振りながら一直線に歩きました。

そのまま湯船に近づいていきます。

(みんなー、私、素っ裸だよー)

やっていることは馬鹿としか言いようがありませんが、それが楽しくてなりません。

置き去りになっていた洗面器を拾いました。

わざとお行儀悪く、ガニ股にしゃがんでかけ湯をします。

「ざばっ・・・じゃばっ」

そして湯船に入りました。

肩までお湯につかります。

(ふうーー)

しばらく放心状態でした。

貸切同然になっている温泉のお風呂を、ひとりぼっちで満喫します。

またちょっとだけはしゃいでしまいました。

湯船のふちを両手でつかみます。

からだをまっすぐ伸ばして湯面に浮かせました。

「ざぱざぱざぱざぱ」

子どものようにバタ足をしたり・・・

誰もいないのをいいことに、今度は平泳ぎで湯中を往復したりしてしまいます。

不思議な気持ちでした。

本来ここは、男の人がいてもおかしくない混浴のお風呂です。

それをひとり占めしていることに高揚していました。

本当に言ってやりたい気持ちです。

(みんな馬鹿だなあ)

(今ここに来たら、こんな美人のはだかを見られたんだよ?)

「ざばっ」

お湯の中から立ちあがりました。

素っ裸のまま、湯船のふちの上に立ちます。

(ほらほら、おっぱいまる見え)

左右の腕を水平に伸ばして、ひょいひょいと湯船のふちの上を歩いていきました。

バランスを崩して、

「ざっばあっ」

お湯の中に落っこちます。

自分でもよくわからないけど、とにかく楽しくてたまりませんでした。

深く息をついて再び肩までお湯につかると、気持ちがすとんと平らかになります。

(ふー・・・いいお湯だなあ)

どれぐらい時間が経ったでしょうか。

だいぶんのぼせてきている自分がいました。

そろそろあがろうかなという気分になります。

と・・・

(え?)

突然でした。

心臓が止まりそうになります。

サッシ戸の向こう、脱衣場に人の気配を感じました。

話し声のようなものも聞こえます。

(え・・・え・・・うそ)

血の気が引く思いでした。

誰かいます。

(うそ・・・うそ)

戸惑う間もなく、一瞬サッシ戸が開きました。

私と目の合った男性が、驚いたような顔ですぐまた戸を閉じています。

(あ・・あ・・)

再び少し戸が開いて、ちがう2人が浴場を覗き込んできました。

湯船の中にいる私の姿を認めて、目を見開かせています。

すぐに戸が閉じていました。

(どきどきどき)

あ・・あ・・やばい・・・やばい!

頭の回転がぜんぜん現実に追いついていきません。

どうすればいいのか、とっさに判断することができませんでした。

それでも、とにかく覚悟しなければなりません。

おそらくあの人たちと混浴になるだろうことは、まず間違いない状況です。

(嫌あ、ぜったい嫌あ)

素の自分に戻ってしまっていました。

服どころか、下着すら身につけていません。

全裸です。

このお風呂に来たそもそもの理由など、どこかに消し飛んでいました。

心の中で理性が悲鳴をあげています。

(無理・・・私、ぜったい無理)

今すぐお風呂からあがって逃げたい気持ちでした。

でも、今このままはだかで男の人たちがいる脱衣場に行く勇気はありません。

(あああ、泣きそう)

男の人が来る・・・

(嫌あ・・・私、イヤあ・・・)

完全に動揺していました。

彼らが全員浴場に入って来たタイミングで、入れ違うようにすぐあがるしかありません。

それが最善のように思いました。

本当に、もう本当にそれで覚悟を決めるしかありません。

いつあの戸が開いて彼らが入ってきてもおかしくありませんでした。

死にそうに緊張します。

(どきどきどき)

閉じていた戸が、横に『さーっ』・・・

(ひいっ)

彼らが入ってきました。

ぞろぞろと3人です。

その瞬間、(あっ)私はすぐに気づきました。

こっちを見ながら、むしろ私以上に緊張した顔で入ってくる男の子たち・・・

なんという偶然でしょう。

あの子たちでした。

夕食のとき、隣のテーブルにいた彼らです。

思わず、平然としたお澄まし顔をつくってしまっている私でした。

(どきどきどき)

彼らも気づいたようです。

酔っ払いに絡まれて困っていた、あのときの女の人だと。

(どきどきどき)

正直、ほっとしていました。

もし、中年おやじ集団とかだったらすごく厄介だったかもしれないところです。

でも・・・彼らは違いました。

こんなふうに書くのは失礼だとわかっています。

でも、いかにも女に慣れていないという感じのオタクっぽいタイプの彼らでした。

そう思うのは、なにも外見の印象からだけではありません。

具体的には記しませんが、あのとき隣のテーブルから聞こえてきていた会話・・・

その話の内容からして明らかでした。

(助かった・・・いや、助かってはないけど・・・)

3人とも20代半ばぐらいでしょうか。

先にも書きましたが、学生(たぶん大学院?あるいは何かの専門生?)のはずです。

一方、私は30代ですが・・・

もともとの容姿から、30手前ぐらいに見られていると思って間違いありません。

(どきどきどき)

3人とも手に持ったタオルで前を隠していました。

それぞれ私の顔をチラチラ見ながら、小さく会釈して湯船に入ってきます。

「ざぶっ」「ざぶっ・・・」「ざぶっ」

見えてしまいました。

湯船のふちをまたいでいるとき、3番目の子のお○んちんが。

真上を向くようにそそり立っています。

(ひいん)

私は、完全に動揺していました。

萎縮してしまって、まったく声を発することができません。

みんな私から少し位置をおくような感じで、それぞれお湯につかっていました。

(いやあん、恥ずかしい)

(こっち見ないで)

誰もが押し黙ったまま無言です。

(ひいいん)

空気の重さに耐えられませんでした。

お互いに赤の他人だけど、さっきテーブルで隣り合わせていた人たちです。

まるで顔見知りといるかのような気まずさでした。

(ひいん、無理・・・もう無理)

ガチガチに緊張しているのは、彼らも同様のようです。

確信していました。

やはり、きっとそうなのです。

いかにもふだん女と縁のなさそうなタイプ・・・

何度も失礼だけど、やはりオタク3人組という表現がぴったりな印象の彼らです。

彼らにすれば、千載一遇のチャンスのはずでした。

堂々と女のはだかを目にできるのです。

しかも、そこにいるのは他でもないさっきのあのキレイなお姉さんでした。

見る気まんまんになっているに違いありません。

(ひいん、たすけて)

彼らは入ってきたばかりでした。

今なら、おそらく脱衣場は無人のはずです。

お風呂からあがるならこのタイミングしかありませんでした。

(ああん、出れないよ)

なにしろ、私はタオルひとつ持ち合わせていません。

でも、今しかありませんでした。

どんな顔をすればいいのかわからず、無表情を装います。

彼らに背を向けるかたちで、「ざばっ」お湯の中から立ちあがりました。

(きゃああああー!)

湯船のふちをまたいで、お湯からあがります。

タオルすらなしの真っ裸でした。

そのまま脱衣場のサッシ戸のほうにまっすぐ歩いていく私・・・

羞恥心で後ろを振り向くことなどできません。

(きゃああー、きゃあああーー)

頭の中が真っ白になりそうでした。

そして・・・同時に、心が激しく揺らいでいるもうひとりの自分がいます。

夕食のときに言われたおじさんたちのあの声が脳裏をよぎりました。

『一人でつまんなくないのー?』

一瞬にして、不思議なぐらいに意識が研ぎ澄まされます。

私のほうこそ千載一遇のチャンスでした。

代わり映えのない毎日を、ただ真面目に大人しく過ごすだけのいつもの私・・・

(いい子ぶってんなよ)

(おまえなんか・・・)

自虐的な感情がわきあがります。

からだが勝手に動いていました。

(やめて、お願いやめて・・・)

必死に思いとどまろうとする、その葛藤の気持ちを無視します。

ふらついてみせました。

よろけながら、いきなりその場にへたりこんでしまいます。

演技でした。

本当にのぼせたわけではありません。

はあはあと肩で大きく息をしながら、うなだれるふりをしてみせました。

(ああん、だめえ)

「ざばっ」「ざばあっ、ざばっ」

湯船から人が飛び出す音が響きます。

(あああ・・・)

あっという間でした。

「大丈夫ですか!?」

3人に取り囲まれてしまいます。

間近に寄り添うようにして、心配そうに声をかけてきてくれていました。

嘘・・・わかっています。

心配してくれているわけじゃありません。

「のぼ、せ・・・すみま・・・」

眉間にしわをよせてつらそうにしている、こんなに華奢なお姉さん・・・

浴場の床にへたりこんだ彼女の胸が、無防備にも露わでした。

「だ、大丈夫?」

あのときおじさんたちにからかわれていた、キレイなOLさんのおっぱいです。

思いっきり見られまくっているのがわかりました。

(ひいいん、恥ずかしい。。。)

私の胸は、世間的にはいわゆる貧乳というやつです。

小さくてコンプレックスなのに・・・

まるで晒しものでした。

容赦なく凝視されているとわかっていて、乳首を隠すことすらできません。

うなだれてみせていました。

寄り添ってしゃがんでくれているオタクくんたちのお〇んちんが、真上に勃っています。

(恥ずかしいよ)

泣きそうでした。

この私が・・・私なのに・・・

羞恥の涙が頬を伝い落ちています。

そのうつむいた泣き顔を、息がかかるような近さで男の子に覗き込まれていました。

不憫なOLになりきっている自分が快感です。

「大丈夫ですか、立てますか?」

表面上は、あくまでも親切に見守ってくれているふりの彼らでした。

(私はぜんぜん悪くない)

のぼせて貧血になった、とてもかわいそうな女が『私』です。

(喜ばせてやれよ)

われながら迫真の演技でした。

つらいながらも立ち上がろうと、両手を前につきます。

腰を浮かせたところで「ぁ、ぁ・・・」ぎゅっと眉間にしわを寄せてみせました。

そのまま崩れるようにひじを折って、両腕をべったり床につけてしまいます。

すかさず後ろに回りこむ男の子たち・・・

(あああああ・・・)

もはや脳みそがとろけそうでした。

いい歳した大人の女が、死ぬほど恥ずかしい姿です。

(いやんいやん、イヤあぁ)

見物させてあげました。

股間をまる出しにしたまま、素っ裸で床に這いつくばってみせます。

こんなに素敵なお姉さんが・・・

ぶざまにも、お尻の穴までまる見えでした。

なのにちょうど、

(ああそんな、出る・・・だめ・・だめえ)

「ぶー」

その恥ずかしい格好でおならが出てしまった私・・・

(ひいいん、お嫁にいけない)

彼らの眼前で、肛門をきゅっとすぼめます。

演技ではなく涙声になっていました。

「恥ずかしい・・・見ないで、くださ・・」

力尽きたように、

「ぶーーーっ、ぶーー」

豪快に放屁してしまう彼女・・・

(もう死ぬ・・・死にたい・・・)

よろよろと上体を起こして、なんとか立ち上がるふりをしてみせます。

「歩けるの!?大丈夫?」

そんな彼らの声も、もう聞こえないふりでした。

ふらふらな足取りを装って歩いていきます。

サッシ戸を開けて、私ひとりで脱衣場に戻りました。

やはりそこは誰もいません。

(ばくばくばくばく)

ものすごい焦りとともに、思考が一瞬で切り替わっていました。

超スピードでロッカーの鍵を開けます。

(ひいいいん)

堰を切ったように涙があふれていました。

早くしないと、心配したふりの彼らが様子を見に来てしまうかもしれません。

もう顔を合わせたくありませんでした。

(ばくばくばくばく)

ろくにからだも拭かず、素肌に浴衣をまといます。

大急ぎで帯を結わえました。

荷物をぜんぶ抱えます。

暖簾をくぐって外の通路に飛び出していました。

(ばくばくばく)

興奮しすぎて涙がとまりません。

逃げるような後ろめたい気持ちで、足早に部屋へと帰る私でした。

(PS)

前半分の評価があまり良くなかったので、もう投稿しないつもりでいました。

でも、そのあとすぐにこの②も書いてしまってあったので・・・

今さらですが、やっぱり投稿してみました。

もう続きはありません。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

またいつか・・・ではでは。

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