春はそよ風、パンチラの季節

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僕には高校生の時に春子という同級生の彼女がいました。その彼女との思い出話をしようと思います。

高校の入学式。

僕はもともと人見知りということもありうまくクラスになじめるか心配でした。

案の定、教室では中学生の友達同士で固まって話していたりして僕は自分の机に一人ぽつんと座っていました。

「よっ!春くん!」

「げっ、真紀じゃん」

僕に話しかけてきた子は真紀という子で小学校中学校と一緒でした。

小学校ではあまり話したことがなかったのですが、中学で僕はいじめにあいその時に助けてくれたのが真紀でした。

真紀は気の強い女の子で正義感が強く、友達のいなかった僕にとっては唯一の親友でした。

「げってなんだよ!げって!!」 

「はは笑でも奇遇だね、クラスが同じになるなんてね」

「ねー!きっと運命だよ、私たち仲いいからさ!」

「えー」

「なによ。文句あるなら言いなさいよ。」

僕は嫌がるふりをしていましたが、内心真紀がいてくれてほっとしました。

「まあいいや!私は春くんと同じクラスでうれしいよ!またよろしくね!」

入学式から一週間ほどたったある日の放課後、真紀が早速数学の補習にひかかってしまったので僕は終わるまで待っていました。

暇だったので校庭をぶらぶらしていると、ちょうど建物をつなぐ渡り廊下を大量のプリントを抱えたきれいな女の子が歩いていました。

長い黒髪のおしとやかな雰囲気の子で、僕は立ち止まってぼーっと渡り廊下を歩く彼女に見とれていました。

するとその視線に気づいた彼女が立ち止まりこっちを見ました。

(やばい!めっちゃかわいい♡)

一瞬目が合っただけでしたが、僕は彼女に一目ぼれしてしまいました。

その時、ビューと風が吹きました。

「きゃっ」

彼女のスカートがめくれ上がり、白いパンティが見えました。

「おおっ!?」

僕は突然のことに視線がくぎ付けになりました。

彼女は焦ったのか、手に持っていたプリントをバサバサと落としました。

「あっ!だ、大丈夫ですか?」

僕は彼女にかけ寄り、プリントを拾い始めました。

「あ、お構いなく!」

彼女がそう言ったのを聞いて、しばらく二人で無言でプリントを集めました。

「はい、これで全部かな?」

「助かりました!ありがとうございました。」

彼女にお礼を言われた後、それで会話が止まりました。

「あ、じゃあ僕用事あるからこれで!」

僕は会話できない悔しさを感じながらその場を去ろうとしました。

「あ、あの!」

「あ、はい!何ですか!?」

「見えちゃいましたか、、、?」

「え?あー、うん見えましたよ、白いのが」

テンパって素直に答えてしまい、何言ってんだ、おれえええ!?と思いましたが時すでに遅し。

「そうですか。お目汚しすみません、、、」

彼女もテンパっていたのか変な言葉で謝ってきました。

「いえ、こちらこそすみません!!あー、えとお名前聞いてもいいですか?」

「あ、はい!一年の〇〇春子です。あなたのお名前は?」

「あ、同級生だったんですね。僕は〇〇春って言います!季節の春一文字ではるです!」

「春さん!私も季節の春ではるこです!」

「同じ春なんですね!なんだか運命感じちゃいますね、、、ぐふっ」

変な笑いが出てしまい、俺きめえええ!と焦りましたが、彼女はそうですねとニコッとしました。

それでまた会話が途切れました。

「あ、えと用事があるんですよね?ごめんね、時間使わせてしまって」

「あ、いえこちらこそ!またお話ししましょうね、春さん」

彼女はそう言ってその場を去っていきました。

僕は夢見心地で真紀のいる教室に行きました。

「よっ!遅くなってごめんね、春くん。あれ、どうかした?」

「ううん、大丈夫だよ!帰ろうか」

僕と真紀は帰りながら話していましたが、僕がぼーっとしてるのが気になったのか

「春くん大丈夫?さっきからずっとぼーっとしてるよ?」

「あーうん。大丈夫。」

「何かあったのなら相談にのるよ」

真紀は心配していましたが、何かを察したようでした。

「ははーん。さては女の子だな」

「え?は?ち、違うよ!?」

「はは笑図星か!もしかして春子さん?」

「え、知ってるの?」

「知ってるよ。隣のクラスの友達がすごく美人で男子から人気の子がいるって。噂によると3年の先輩からも告白されたりしたらしいよ。」

「さすが真紀、もう別クラスの友達いるんだ。ってか彼氏持ちだったのか、ショック、、、」

「返事がどうだったかは知らないよ笑断ったかもしれないじゃん!」

「だよね。てか、俺彼女のパンツ見ちゃったんだよね。風でめくれてさ」

「あー、それで視線くぎ付けってわけね。最近春くんからいやらしい視線感じると思ってたんだよね」

「ちゃんと目はそらしたよ!」

真紀が胸を隠すしぐさをしながら茶化してくるので必死に否定しました。

「そうだよね。春くんがそんな子じゃないの知ってるよ」

真紀はあっさりと言い、胸を隠すしぐさをやめました。

僕は真紀の胸を見てドキドキしました。

中学生の時、僕はいつも真紀をおかずにしていました。

真紀の胸は中3ぐらいから大きくなり、今目の前にははたから見て明らかに大きな胸がありました。

「ん、どうかした?」

「ううん、なんでも。」

「って笑気づいてるんだから、胸見てるの。変態!」

真紀は冗談っぽく笑い僕を小突きました。

ある日、昼休み真紀と校庭を歩いていると、春子さんがいました。先輩らしき男子がいて何やら話していました。

「あっ、春くん。春子ちゃんいるよ!一緒にいるのは彼氏さんかな~?」

ニヤニヤと僕の方を真紀が見てきました。でもすぐに何か察したのか

「春子ちゃん、嫌がってない?」

確かに先輩から遊びにでもしつこく誘われているのか、嫌がっている様子でした。

春子さんは僕を見つけると、一瞬何か言いたげでしたがすぐに目をそらしました。

僕は何かやっぱりあると思ったので勇気を出して先輩に言いました。

「あのー、お取込み中すみません。」

「なんだお前?今この子と話してるんだけど」

「ちょっと先生が春子さんに用事があるから呼んで来いと言われまして。申し訳ないんですが」

明らかに嘘だと分かる嘘をつきましたが、気弱な僕にはそれが精一杯でした。

「いませんでしたって言えよ。俺は今春子と楽しくお話してるの、ねー?」

そういってその先輩は春子さんの肩に手を回そうとしました。春子さんが怯えた表情をしたのを見て僕は何かがぷつっと切れました。

「先輩やめてあげてくださいよ。春子さんが嫌がってるのが分からないんですか?」

真紀がよく言ったと親指を立てているのが視界に入りましたが、そんな場合ではありませんでした。

「あ?なんだてめえ!こら!」

頭に衝撃が走りました。僕はガンッ!と殴られ倒れました。春子ちゃんが両手で口をふさいで驚いているのが見えました。

「あの~先輩」

「あ?」

真紀が後ろからポンポンと先輩の背中を叩きました。先輩が振り向いた瞬間、バキッバキッと真紀が突きと蹴りを入れ先輩が倒れました。

「私の大切な友達にひどいことしないでもらえますか?」

「ひっ」

怒りを滲み出している真紀を見てその先輩は呻きながらその場から逃げ去っていきました。

「うわ~、さすが空手部。つええ~」

僕がいじめられていた時以来久しぶりに見る真紀の怒りの表情に僕もびびっていました。

「春くんも強かったよ!よく言ったじゃん!」

真紀はすぐにいつもの表情に戻り、僕に手を貸しながら言いました。

「それに春子ちゃんもだいじょ、、、」

真紀と僕が春子ちゃんを見ると春子ちゃんはぽろぽろと涙を流して泣いていました。

「ごめんなさい、、、私のせいでひどい目に合わせてしまって、、、ごめんなさい」

「全然大丈夫だよ!意外と痛くなかったし!」

「そうそう大丈夫!春くん鈍感だからさ!」

鈍感は余計だと思いましたが、今は真紀のフォローに感謝しました。

「本当に大丈夫なんですか、、、?」

「うん!それに俺春子さんのためならいくらだって体張るよ!」

彼女は一瞬え?というような表情をしましたがありがとうございますとお礼を言いました。

「えーと、でもひどいね。どうしてああなったの?」

「あの、いつもはお誘い頂いたりして断ったら、それで他の方は諦めて下さるんですけどあの3年の方はしつこくて、、、」

「そうだったんだ。それは災難だったね、、、」

それから3人で昼休みを過ごしました。春子さんが保健室に一緒に行きましょうと言いましたが、僕は事を大きくしたくなかったので大丈夫と言いました。

「春子さんも先生に相談しなくて大丈夫?」

「あ、はい。私もいろんな方に迷惑をかけたくないので大丈夫です。」

「そっか。でもまたあの先輩が来たらどうしようかな」

「その時は春くんが体を張って春子ちゃんを守るんだよね!」

真紀がニヤッとして僕を見ました。

「え、いや。それはその場の勢いで言ってしまったというか、ええと」

真紀に空気読めという視線を送りながらしどろもどろしていると

「それなら安心です。春さん守ってくださいね!」

春子さんはニコッとして言いました。僕と真紀は一瞬顔を見合わせましたが

「うん!僕弱いけど何があっても守るよ!」

「私も空手で鍛えた技で春くんに加勢するから春子ちゃん安心してね!」

春子ちゃんはありがとうございますと言いました。その日、真紀が春子さんを誘って3人で帰り道を歩きました。

「ねね、春子ちゃん。さっき昼休みにいつも誘われるって言ってたけど今まで何人に告白されたことがあるの?」

「おい、真紀」

僕は制止ししながらも聞きづらいことを聞いてくれた真紀にナイスと思いました。

「あ、大丈夫ですよ。高校に入ってからは12人の方に告白されました。」

「12人!まだ高校始まって1か月も経ってないのに。しかも高校に入ってから、だよね」

「すげえな、、、」

「実はさ、春くん。私も一人告白されたんだよね」

「え、真紀が?」

「何よ。悪い?」

「ありえん」

「なんだと、こらー!」

僕と真紀が揉み合っていると、

「お二人仲がとてもいいんですね!恋人みたいで羨ましいです」

「「恋人じゃない!」

微笑ましそうに言う春子さんに僕と真紀は同時に否定しました。

それから学校では3人で過ごすことが多くなりました。春子さんは学級委員なので一緒に過ごせない時もありましたが次第に仲を深めていきました。

ある日、春子さんに私の自宅に来ませんかと誘われました。僕はめちゃくちゃ行きたかったですがなにせ女の子の家に行ったことがなかったので引け腰になりました。

「え、春子ちゃんのおうち?行きたい!めっちゃ行きたい!」

「おい、真紀」

「ぜひ来てください!両親にも二人を紹介したいです!」

「そっか。じゃあお言葉に甘えていこうかな」

僕は真紀ナイス!よっしゃー!と心の中でガッツポーズをしました。

日曜日に約束した時間に真紀と二人で教えてもらった住所に行くと白い一軒家がありました。

「わー、大きなおうちだね!」

「う、うん」

普通の一軒家だったのですが当時マンション暮らしだった僕にはすごい豪邸に思えました。

インターホンを鳴らすとはーいと春子さんの声がして玄関まで出迎えてくれました。

「わあ、春子ちゃんかわいい!」

私服の上品なワンピース姿で出てきた春子ちゃんにめっちゃドキドキしました。

「ほら、春くんもなにか言いなさいよ」

「は、春子さん。かわいいよ」

緊張でしどろもどろの僕にニコッとして

「ありがとうございます。お二人も素敵です!さあ、上がってください!」

中に入ると上品な女の人が出迎えました。

「おはようございます、春子の母です。いつも春子と仲良くして頂いてありがとうございます。」

春子さんのお母さんは上品な人でした。丁寧な応対に慣れていないのか真紀もバカ丁寧に返していました。

リビングに案内してもらうと春子さんのお父さんがテーブルに座っていました。

「あ。こ、こんにちは」

「うむ」

「もうお父さんったら。せっかく春子がお友達を連れてきたんだからもっと愛想よくしてくださいよ」

「まあ座りなさい」

厳格そうな父親に言われ、僕と真紀は委縮しながら父親と向かい合わせに座りました。

「お茶を持ってきますね。」

「お母さん、私も手伝います!」

僕は春子ちゃん行っちゃうの!?と思いました。真紀を見るとまったく同じことを考えているであろう表情をしていました。

「春子はどうかね」

「え、あ、はい。どうと言いますと?」

「学校では」

「あ、とても品行方正ですし、勉強もすごくできるので一目置かれています!」

「そうか」

会話が途切れました。真紀に目で助けを求めました。

「春子さんには仲良くして頂いてもったいないぐらいです!私たちいつも補習にかかるから勉強も教えてもらってますし。ねー、春くん」

補習にかかってるのは真紀だけだろと思いましたが、今は真紀が会話をつないでくれて助かりました。

「春子と仲良くしてくれているのか」

「あ、はい!とても!」

「そうか、ありがとう」

お父さんが一言そう言って会話が終わりました。ちょうどお母さんと春子さんがお茶とお菓子を持ってきて僕と真紀はほっとしました。

それから和やかな雰囲気で学校のことをお話したりして時間がたちお昼になりました。

お昼の食事を頂きながら春子さんが言いました。

「この後、二人と一緒に行きたいところがあるんです!良いですよね、お父さんお母さん!」

「ああ、行ってらっしゃい」

「ええ、行ってらっしゃい!二人とも春子のことよろしく頼みますね」

春子さんのお父さんとお母さんにお礼のあいさつをして3人で出かけました。

話をしながら歩き、途中坂になっているところを登っていきました。

「ここから登っていくと大きな桜の木があるんです。きれいな場所なので二人にも見せたくて」

坂をさらに登っていくと大きな桜の木が見えてきました。もうちょっとというところで真紀がごねだしました。

「私疲れちゃった。二人で先に行ってて!ちょうどここ自販機と座るとこあるからちょっと休憩していく」

「おい空手部。そんなへなちょこ体力じゃないだろ」

「最近トレーニングきつくて疲れてるんだよ」

「むしろ補習で練習できてないだろ」

「無理して付き合わせてごめんなさい。少し休みましょうか」

「春子ちゃん、気使わなくていいよ!本当にすぐ行くから!」

仕方なく真紀を残して春子さんと二人で高台の上まで歩きました。

「大きな木。でも花が」

「先日の雨で散ったみたいで。でもいつもは満開のきれいな花が咲くんですよ!」

「そうなんだ!見てみたいな。次咲いたときに春子さんと一緒に。」

「ええ、私も春さんと一緒に見たいです。」

しばらく感傷に浸りながら葉だけの桜の木を二人で眺めていました。

「春さん、私夢があるんです。」

「夢?」

「はい。私幼いころにお父さんにこの場所に連れてきてもらって以来ずっと好きな場所なんです。学校でつらいことがあってもこの場所に来たら忘れられて」

「本当に心が癒される所だよね」

「はい。それで私お付き合いする人が出来たらいつか満開に桜が咲いたこの場所でプロポーズされたいって思ってるんです。」

「いいね。素敵な夢だと思うよ」

「ありがとうございます。このことを誰かに話すといつも笑われてしまって。春さんは優しいんですね」

僕は言うなら今しかないと思いました。

「あのさ春子さん。今ここで言っていいのか分からないけどさ、、、春子さんのことが好きなんだ!だからその」

「私も春さんが好きです」

「え?」

僕は頭が真っ白になりました。春子さんが僕のこと好き?夢?と思いましたが

「好きです。私でよければ付き合っていただけますか?」

「あ、うん!こちらこそ僕でよければ!」

告白に見事成功し僕と春子ちゃんは付き合うことになりました。

なかなか真紀が来ないので二人で降りていくとさっきの自販機のところで真紀が猫数匹と戯れていました。

「あ、二人とも遅かったね!」

「それこっちのセリフなんだけど」

「ごめんごめん。飲み物飲んでたら猫ちゃんたちが来てさ。ほら、すごいもふもふしてるよ!」

「かわいいですよね!ここ猫がたくさんいるんですよ!私も見つけたらいつももふもふしちゃいます♡」

「ほら春くんももふもふしなよ!」

3人でしゃがんでしばらく猫をもふもふしていました。僕は猫と戯れる春子ちゃんの横顔を見て本当にこの子が僕の彼女になったんだと嬉しくなりました。

「あ、春くんが春子ちゃんのこと見てるよ!」

「え、いや。あ!春子ちゃん、髪に何かついてるよ!」

「ふ~ん、春子ちゃんね~」

何かを察したように真紀はニヤニヤしていました。

その後、帰るときにもう一度春子ちゃんの両親にその日のお礼を言ってから真紀と帰りました。

「春くん、おめでとう」

「あ、うん。ありがとう。さんざん言って悪かったな、真紀。気を使ってくれたのに。」

「へえ?私は本当に疲れてただけ。大事にしてあげなよ」

そういう真紀の言葉にどこか寂しさを感じたような気がしました。

ある日、昼休み3人でご飯を食べていると急に真紀が肝試しをしないかと言ってきました。

「肝試し?」

「うん、最近刺激がないっていうかさ。どうかな」

「どこで?」

「ここ。学校。」

「夜に?それはまずいだろ。バレたら停学いや退学かも。ってあれ?」

普段はルールを破らない真紀が肝試し?と思いました。

「お前もしかして」

「春子ちゃんはどうかな!?」

真紀が僕をさえぎって聞きました。春子ちゃんがいいって言うわけないだろと思いましたが案の定でした。

「興味はありますけどまずいですよね?」

「あ、興味はあるんだ笑まずいけど高校生活は3年間しかないしさ。うんとルールも破って思い出も作りたいなって思って」

僕はどんな説得の仕方だよと思いながらご飯をもぐもぐして聞いていました。

「分かりました!やりましょう!」

「んぐっ!え?春子ちゃんマジで?」

「はい、私そういうの大好きです♡春くんはダメなんですか?」

「いや、ダメじゃないけど。夜は危険だしいざというとき春子ちゃんを守ってあげられるか分からないしさ」

真紀がニヤニヤしてるのが視界に入りましたが無視しました。

「私春くんと一緒にいろいろ思い出を作りたいんです。少し危険だったとしても」

「春くん、男みせなよ」

「あーもう分かったよ!危険なことはさせない!春子ちゃんも守る!」

「春くん、ありがとうございます♡」

「私と春くんは大丈夫だけど春子ちゃん夜抜け出せる?」

「大丈夫です。お父さんもお母さんも私をまじめな子だって思ってますから。二人の目を盗んで抜け出すなんて簡単です♡」

「あー、春子ちゃん悪い子だ笑」

「うふふ」

僕はマジでやるのかと不安でしたが春子ちゃんとさらに恋人としての仲を深められるのならと話に乗ることにしました。

その週の土曜日の夜、僕と真紀は春子ちゃんの家まで迎えに行きました。連絡を入れるとしばらくして家から春子ちゃんが出てきました。

「二人とも遅くにお迎えありがとうございます!」

「春子ちゃん、こんばんは!って制服!?」

「はい。学校に行くので服装はしっかりしていないと」

「しっかりしてるなー。服装は守ってルールは破るってね笑」

「真紀の提案だろ」

「黙れ。行くよ」

学校まで行くと当然正門は閉まっていました。でもフェンスの隙間から入れるところがありそこから校庭に入りました。

「暗いなー。明かりがないから何にも見えない」

「二人ともこっちです。私のクラスの窓を開けておきました。」

「さすが春子ちゃん!用意周到だねー。これで私たちも晴れて悪の仲間入りだね!」

教室の窓から校舎の中に入り、しばらく廊下を歩きました。

「なんかさ、最初はちょっと怖かったけど慣れたら大したことないね。そうだ!屋上まで競争しない?」

真紀が提案しました。

「いいですね!えーと」

「春くんと春子ちゃんは二人で手をつないで!私は一人ね!」

「もうそれ勝負決まってるだろ」

「いいから!春くん、ちゃんと春子ちゃんを守るんだよ!よーいどん!」

真紀はものすごいスピードで走り去っていきました。

春子ちゃんが走ろうとしたので制止し、普通に歩いていきました。

屋上に続く階段を上っていくと真紀が待っていました。

「遅ーい!!」

「だって歩いてきたから」

「何でよ!?私めっちゃ走ったのに!」

「俺は春子ちゃんを守るので精一杯だったからさ」

「守っていただきました♡」

「あー、私一人でバカみたい。まあいいや!それでさ当然なんだけど扉には鍵が閉まっていて屋上には出れません」

「じゃあ帰るか」

「いや、待て待て笑もっとノリよく行こうよ!校舎の建物の横に非常階段がついてるじゃん?そこの一番上に壁にはしごがついててそこから屋上に行けるよ!」

「わー、真紀ちゃんよく知ってますね!すごいです!」

「えっへん。そういうことだからもう少し楽しもうよ!」

ノリのいい二人と一緒に建物の横の非常階段を上っていき、はしごの前まで来ました。

「ここね。まずは私から上がるから。」

そう言って真紀が軽い身のこなしで上がっていきました。

真紀が登った後、春子ちゃんが上がろうとしました。

「あー、待って!春子ちゃんは最後!」

「どうしてですか?」

「春子ちゃん、制服のスカートじゃん!先に上がったら春くん絶対パンツ見るよ」

「見ないよ!分かった、先に僕が上がるから」

「大丈夫ですよ!私春くんのこと信頼してますから」

「じゃあ春子ちゃん来て!上がってる間私が春くん見張ってるから」

春子ちゃんが上がっていき、その間下を向いていました。

「じゃあ春くんも上がってきてね!私と春子ちゃんは先に行ってるから、ばいば~い!」

真紀のやつ、さっき屋上まで歩いたのを根に持ってやがるなと思いながら上がりました。

「あー、春くん!遅かったね!」

「くそ!置いてけぼりにしやがって」

「ごめんって笑私はもう下りるから。春子ちゃんはあそこ」

離れた場所で景色を眺めている春子ちゃんを指さし、真紀は下りていきました。

「何か見える?」

「あ、春くん。いえ、暗くて全然。おうちが見えるかなって思ったんですけど、、、」

「だよね。僕たちの町って夜はこんなに暗いんだね」

他愛もない話をしていて、そろそろ降りようかと言いました。

「あの、春くん」

「ん?」

「今日はありがとうございました。春くん嫌がっていたのに無理やり来てもらって」

「ううん。確かに最初は嫌だったけど春子ちゃんともっと仲良くなれた気がするしさ。こちらこそありがとう」

「やっぱり春くん優しいですね。これからも私のこと守ってくれますか?」

「うん。もちろんだよ。」

「ありがとうございます。」

そう言うと春子ちゃんがそっと目を閉じました。

僕はあれ?これって行っていいやつ?と迷いました。

「おーい!二人ともまだー?」

真紀の声が聞こえました。

「え、すぐ行くよー!」

僕が答えて諦めようとすると、春子ちゃんが僕の唇にちゅっとしました。

「また今度ちゃんとしましょうね!」

「あ、うん。」

僕はものすごくドキドキしました。

その後僕たちは手をつないではしごのところまで行き、春子ちゃんが下りてその後僕も下りました。

「二人とも遅いよー」

「ふふ、ごめんなさい!なんか話し込んでしまって」

「そっか、せっかくの機会だから仕方ないよねー」

春子ちゃんと話しながら真紀は僕の方を見てウインクしました。

「さてそろそろ帰りますか」

三人で夜道を歩き、春子ちゃんを家まで送り届け僕と真紀も途中で解散しました。

次の日、お昼過ぎまで寝てしまいました。

携帯を開くと誰か知らない人からメールが来ていました。

(うちまで来なさい)

(えーと、どちら様でしょうか?)

(春子の父です)

え!?なんで!!?と思い、春子ちゃんに連絡するとどうやら肝試しに行ったことがバレたみたいでした。

マジでどうしよ、殺されるとびくびくしながら春子ちゃんの家まで行きました。

インターホンを鳴らすと春子ちゃんのお母さんが出てきて、静かにリビングまで案内してくれました。

入るとテーブルに父親と向かい側に春子ちゃんが座っていました。

お母さんはしっかりね!と小さく僕に言ってどこかへ行きました。

「座りなさい」

「あ、はい」

「・・・」

少しの間、父親は無言でした。しばらくして口を開きました。

「春子の日記を勝手に見させてもらった。昨日の夜君は春子と二人で学校へ行ったのかね?」

「え?あ、はい、、、」

真紀は?と思いましたが、今はそこにツッコめる空気ではありませんでした。

「そうか。小言は好きではないが危険を省みない行動を見過ごすわけにはいかない。だから二人には説教をせねばならん」

「あ、はい、、、」

「はい」

それからしばらく春子ちゃんと僕は重苦しい空気の中説教されました。

「分かったかね。二人には今後もっと責任感ある行動を取ってもらいたい」

「分かりました、、、」

「分かりました」

やっと説教が終わりそうな空気になった時に父親が言いました。

「ふむ。春子少し席を外してくれんか?彼と二人で話がしたい」

まじでええええ!?と思いましたが、当然従うしかなく

「はい、お父さん。分かりました」

そう言って春子ちゃんはリビングから出ていきました。

「・・・」

また少しの間無言になりました。

「あ、あの、、、」

「君は春子と仲がいいのか」

「あ、はい。お付き合いさせていただいています」

この状況で何言ってんだ、おれえええ!?と思いましたが父親は特に動じることなく

「そうか。さっきは長々と説教をしてすまなかった。示しをつけておかなければならなかった」

「いえ、もとはといえば僕が悪かったので」

本当は真紀が原因だったのですが、本当に危険だったと思ったので反省しました。

「・・・」

「えと、、、」

「春子には友達がおらん」

「え!?」

「おらんかった。幼いころ病弱で人とあまり関わらなかったのだ。今は健康になったが人対しては臆病なままでな」

「そうだったんですか、、、」

「ああ。だから春子が友達をうちに招待したいといったときはとても嬉しかった。春子と仲良くしてくれて君にはとても感謝しているよ」

「いえいえ!こちらこそ仲良くして頂いて僕にはもったいないくらいです!」

「謙遜しなくていい。これからも仲良くしてやってくれ」

「はい。」

僕はこの人を無愛想で何を考えているのか分からない怖い人だと思っていました。でも本当はいい人なんだなと思いました。

「もう一つ。実は君たち三人が夜抜け出していくのを知っておった」

「え!?知っていたんですか!!?」

「ああ。大人として親として止めるのが普通なのだろうが、形はどうであれ春子の友達との時間を大事にしてやりたかったのだ」

「そうだったんですか」

「真紀さんには君から注意しておいてほしい。本当は彼女も呼ぶべきであったが、春子の日記には君の名前しか書いていなかったからな。」

「はあ、、、」

よく分からないことだらけでしたが、そこでやっと父親は僕を解放しました。

リビングから出ていくと春子ちゃんのお母さんが待っていました。

「春子が外で待っているから二人で過ごしていらっしゃい」

「あ、はい。お気遣いありがとうございます」

「でもいいわね。夜の学校でファーストキスなんて♡」

「ええ!?なんで知ってるんですか!!?」

「あら笑実を言うとね、お父さんと私のファーストキスも夜の学校の屋上だったのよ♡」

「えええ!?マジっすか!!?」

「ふふ笑お父さんが夜迎えに来て私の手を引っ張っていってね!ああ見えて昔はけっこう大胆な人だったから♡」

何やってんだ、あの父親、、、と思ったのはさておき、どうりで寛容だったわけだなと思いました。

外に出ると春子ちゃんが待っていて一緒に歩きました。

「ねえ、春子ちゃん。どうして日記に僕の名前しか書かなかったの?」

「だって真紀ちゃんは私たちのために計画してくださったわけですし。」

「気づいてたんだ」

「もちろんです!それに悪いことしたのだから罰は受けないといけませんものね♡」

「もしかしてわざと書いてばらしたの?」

「ふふ♡一緒に説教されて春くんともっと親密になれた気がします」

「うーん、そんなものなのかな。でもキスのことは書かないでほしかったな。お母さんに言われて恥ずかしかったよ。」

「あ、それは私書いてないですよ」

「え、そうなの?」

「はい」

「・・・」

結局僕は墓穴を掘っていたのでした。

時は過ぎ、二年の夏休み前になっていました。

僕は新しいクラスでは運悪く一人、真紀と春子ちゃんは同じクラスになり喜んでいました。

ある日、昼休みに例によって三人で昼ご飯を食べていました。

「春くん、相変わらずクラスではぼっちなんだねー」

「真紀こそ、相変わらず補習の常連じゃないか」

「うるさいなー。春子ちゃんは相変わらずきれいで頭もいいよね♡」

「いえいえ、そんな♡」

「春くん。春子ちゃんにスケベなことしてないでしょうねー」

「してねえよ!俺と春子ちゃんは純愛だから」

「ですね、春くん♡」

「本当かなー。それはそうとさ!もう少しで夏休みじゃん?私たちすごく仲いいし思い出作りに旅行に行かない!?」

「お友達と旅行!いいですねー!」

「もしかしてそれも俺と春子ちゃんのための作戦か?」

「違うよ!ってか作戦って何?まあいいや。私行きたいんだ!海!温泉!」

「行くのはまあ俺も行きたいけどお金どうするの?」

「私はお父さんとお母さんに頼んでお小遣いの前借りをしようかなって」

「それで足りるかな。それに俺にとっては女の子と旅行に行くわけだからご両親に許可をもらわないと」

「きゃっ♡春くんが私のこと女の子だって♡」

「真紀は別にいいとして春子ちゃんの」

「おいこら」

「私ですか?私は全然大丈夫ですよ!」

「いや、去年の肝試しの一件があるからさ。一応前もって許可もらってた方がいいよ」

「春くん大胆だったもんねー」

「真紀一番が悪いのに俺が父親に呼び出されたんだぞ」

「ごめんって!今回はちゃんと計画するし二人のためにも楽しい旅行にするからさ!」

「うーん。まあ計画はちゃんとな」

それから一通り計画を立てて、春子ちゃんの両親に事前に連絡を入れ、休みの日に許可をもらいに行きました。

春子ちゃんの家に行くといつも通りお母さんがニコニコと出迎えてくれました。

「二人ともお久しぶりですね。変わりはありませんか?」

「せっかくのお休みなのにまた押しかけてしまってすみません」

「いいのよ!私たちも春子が二人と楽しそうにしているのを見れてうれしいんだから」

リビングに通されるといつものテーブルに父親が座っていました。

学校でのことなどを話した後、旅行の計画を説明し納得してもらって許可を頂きました。

ご両親が三人分のお金を出してくれると言いましたが、さすがにそこまでお世話にはなれないので丁重にお断りしました。

「旅行のことは分かった。それでだな、少し彼と話がしたい。三人は席を外してくれんかね」

うおお、この流れ久しぶりだと思いながら春子ちゃんと母親と真紀が出ていくのを待っていました。

「春子とは最近どうかね」

どうかねというのは恋人としてはという意味だと思いました。

「あ、はい。春子ちゃんにはとても仲良くして頂いて。とても順調です」

「そうか。これからも仲良くしてやってくれ。それで本題だが」

「はい」

去年の一件のことがあったから念を押されるんだろうなと思いました。

「旅行に行くことについては何も言わん。むしろ春子に良い思い出を作ってやってほしい」

「はい、もちろんです」

「だが去年のことも踏まえて一つだけ忠告をしておきたい」

「何でしょう?」

「ゴムはつけたまえ」

「、、、え?」

「ゴムはしっかりとつけなさい。春子とはそういう関係なのだろう」

「え、あのいやその。」

「それだけだ」

「あ、はい。」

ゴムって海で泳ぐから伸縮のしっかりした水泳帽をかぶれってことかなという冗談はさておき、まあ確実にあれのことを言っていました。

今日はこれで春子ちゃんとはお別れして、真紀と二人で帰りました。

「ねえねえ、さっきお父さんになんて言われたの?」

「いや、別に。真紀に話すようなことじゃない」

「なんだよ、冷たいな。まあ、いいや!コンビニにでも寄ってく?」

真紀のことはディスり合いながらも信頼していました。

「なあ、真紀」

「んー?」

「俺これから春子ちゃんとどうしたらいいんだろ」

「どうしたらって。今まで通りでいいんじゃない?春くんは春くんらしくさ!春子ちゃんも春くんのことすごく信頼してるよ!だからさ」

「そっか。ありがとう真紀」

「らしくないなあ。あ、もしかして実はうまくいってないとか?笑心配しないで!もし春くんが春子ちゃんに捨てられたら私がかまってあげるからさ!あはははは!」

「真紀だけは絶対にない!やっぱり真紀に聞いたのが間違いだった!」

「もうごめんって!怒んないで、コンビニでアイスおごるからさ!」

真紀のことは信頼していました。人としては。

真紀のことはどんどん女として見れなくなる一方で、春子ちゃんのことはより強く異性として意識するようになっていました。

でも去年の肝試しでキスをしてから進展がありませんでした。だからこの旅行で体の関係が持てればという期待がありました。

反面、本当は春子ちゃんにあまり信頼されていないのではという不安もありました。

夏休みに入り、旅行の日がやってきました。

朝早くに待ち合わせ、電車に乗って目的地に向かいました。

「あー、早く着かないかなー!」

「私海に行くの初めてなので楽しみです♡」

「だね!あと温泉!夜は部屋でトランプとかしようね!」

真紀と春子ちゃんはテンション高めでした。

「おい、真紀。そういえば部屋ってどうなったんだっけ?」

「あー、それね。春子ちゃんが一人部屋で私と春くんが一緒の部屋」

「はあ!?春子ちゃんが一人部屋なのはわかるけど、どうして真紀と俺が同じ部屋になるんだ!?」

「仕方ないじゃん。結局私たち親にお金出してもらったんだから贅沢はできないでしょ?それに春くんが春子ちゃんに変なことしないように見張っとかないと!」

「しないよ!春子ちゃんと俺は純愛だからさ」

「真紀ちゃん、見張っておいてくださいね♡」

「おっけー!笑」

「えええ、春子ちゃん、、、」

「ふふ、冗談ですよ!」

楽しくお話していると目的地に着きました。

駅からしばらく歩くと海辺の大きなホテルに着きました。

ホテルのチェックインを済ませ、それぞれ部屋に行きました。

「私と春くんはここね!あまり広くはないけど海が見えるいい部屋だね!」

「そうだね。ところで布団はあるっけ?」

「あるよ。押し入れに二人分」

「良かった。これで野宿しないで済む、、、」

「なんで野宿するのよ」

「だってもし布団が一つだったら真紀と寝ないといけないから。それだけは死んでも嫌だ」

「あ~、そう笑とか言って本当は私みたいなかわいい女の子と同じ部屋で寝れてうれしいくせに笑」

「それはない。俺にとって真紀はやっぱり真紀だからさ」

「どういう意味よ」

「お前には女としての魅力を全く感じない」

「はっきりいうな、こらあ!」

少しの間揉み合った後、三人で昼食を食べ海水浴に行くことにしました。

「春くん、男の子はあっちの更衣室だからね。間違えないでよ」

「分かってるわ!笑」

いちいちムカつくなと思いながら海パンに着替え海に行きました。

2人が来るのを待っていると

「やっほー!春くん、お待たせ!」

「おう。んん!?」

振り返ると白ビキニ姿の真紀が立っていました。あれ真紀ってこんなにスタイル良かったっけ?とドキドキしました。

「どうしたの?」

「あ、いや。春子ちゃんは?」

「なんか、春くんに水着変に思われないかなって鏡の前でずっとおしゃれしてるよ。だから先に来ちゃった」

「かわいいな笑」

「ところで私の水着姿はどう?セクシーでしょ!見とれないでよ♡」

「いや、全然。むしろ目に毒だ」

「何だとこらあ!!」

「んぐっ!」

真紀にヘッドロックをかけられました。背中に胸が当たって少しあそこがむくっとなりました。

「二人ともお待たせしました!」

「あ、春子ちゃん!わあ、かわいいー!」

「う、うん。かわいい」

春子ちゃんは花柄のフリルがついた水着を着ていて、髪には花飾りをつけていました。

「ありがとうございます♡お二人も素敵です!」

「それに引き換え真紀は」

「何よ」

「同じ生き物とは思えん」

「んだとこらあああ!!!」

再びヘッドロックを食らいました。わざと押し当ててるんじゃないかと思うぐらい真紀のおっぱいがぐにぐにと当たりました。

「うふふ」

そんな僕と真紀の様子を春子ちゃんは微笑ましそうに見ていました。

「はー、お前本気で絞めてきやがって」

「春くんがバカにするからでしょ!それはそうと海入ろうよ!」

僕たち三人は海に入っていきました。

「きゃっ、冷たーい!」

「気持ちがいいですね!」

「春くん」

「ん?」

真紀にバシャッと水を顔にかけられました。

「あははは!今の春くんの驚いた表情うけるー!笑」

「やりやがったな笑」

笑ってるところにバシャッとかけ返しました。

「やったねー!」

二人でむきになりながら水のかけあいをしていると

「二人とも!」

「「ん?」

バシャッ!バシャッ!っと春子ちゃんが僕と真紀の顔に水をかけました。

「やりました!♡」

「春子ちゃん、やったねー!」

「やられた笑」

それから三人でしばらくバシャバシャしました。

「はー、まだ来たばかりなのにもうびしょ濡れになっちゃったね」

「真紀のせいでな。他のお客さんは浜辺で優雅に過ごしてるというのに」

「でも楽しいですね♡」

「はいはい!」

「なんだよ真紀」

「私砂に埋まるやつやりたい!」

「いいですね!面白そう!」

真紀が砂浜までバシャバシャ走っていきごろんと仰向けに寝ました。

「じゃあ二人ともお願いね!」

「じゃあまずは手からお埋めしますね♡」

「はーい、春子ちゃん♡」

「じゃあまずは顔からお埋めしますね」

「春くん、殺す気か!笑」

顔は冗談として反対の手を埋めることにしました。

胸のやや控えめな春子ちゃんに比べ、真紀はボインでした。

埋めながらも巨乳を目の前にしてあそこがむくむくなりました。

おっぱいをちらちら見ていてふと気づくと、真紀がにやけているような恥ずかしがっているような微妙な表情で僕をじーと見ていました。

「あっ、えと俺足元の方埋めるから!」

そう言って足元を埋め始めました。

ビキニのパンツに目をやるとマンスジが入っていました。むくむく。

ちんこが反勃起状態になっているのを感じながらも何食わぬ顔をして埋めていきました。

「はい、じゃあ次はおなかをお埋めしますね♡」

「はーい♡」

「砂をかけて。わしゃわしゃー!♡」

「あははは!春子ちゃん、くすぐったい!笑」

真紀のおっぱいがぷるるん♡と揺れました。むくむくぴーん!

「んっ!」

「春くん、どうしたの?」

「いや!ちょっと砂集めてくる!」

慌てて背を向けて砂をかき集めながら勃起したちんこを抑え込みました。

「どうかしたんですか?」

「いや、なんかねさっきから春くんが変なの」

僕はごまかすように大量の砂を真紀の上半身にかけていきました。

「わあ!春くん、すごいですね!」

「っていうかね、春くんも春子ちゃんもちまちま埋めすぎなの笑」

「うおおおおお!」

「私も加勢します!」

真紀を埋めてパンパン!っとしっかり固めました。

「どうだ、真紀?」

「あー、砂の重みが心地良い」

「そうか。じゃあ春子ちゃん行こうか」

「おいこら待てー!」

出せこらー!っと叫ぶ真紀を放置して春子ちゃんと歩いていきました。

「真紀ちゃん、いいんですか?」

「うん、大丈夫。真紀なら出ようと思えば自力で出られるから、たぶん。」

「たぶん?」

「うん。それはそうと最初真紀から春子ちゃんが俺のためにおしゃれがんばってたって聞いてさ」

「ええ、恥ずかしい、、、♡」

「春子ちゃん、きれいだよ」

「ありがとうございます♡」

二人でわずかな間幸せな時間を過ごしました。

「こらー!春くーん!」

「あー、うるさいのが来た」

「ふふ笑真紀ちゃんってむじゃきでかわいいですよね」

「むじゃきとは思う。でもかわいくはない」

「はーはー!誰がかわいくないって?」

「いや別に」

「なんか春くん冷たい笑」

「きっと照れてるんですよ♡」

「そっかー!なんだかんだで春くんも年頃の男の子だしね!」

それからしばらく三人で浜辺で遊んだり、また海で水をかけあったりして時間がたちました。

その後、海からホテルに戻って夕食を食べ温泉に入りに行きました。

「春くん、男の子はあっちだからね。間違えないでよ。」

「もうそのくだりはいいわ!笑」

「間違えないでくださいね♡」

「ええ、春子ちゃん、、、」

「あはは、ざまあみろー!笑」

やり取りを楽しんだあと二人と別れ、温泉に入りました。露天風呂に行くと誰もいませんでした。

「ふいー、気持ちいい」

「あー!春くん、いるのー!?」

 「春くーん!いますかー?」  

仕切り一つで隔てられた女湯から真紀と春子ちゃんの声がしました。

「いるよー!こっち誰もいない笑」

「こっちも私と春子ちゃんだけだよー!」

「そうなんだー!」

「だからって覗いたらだめだよー!」

「だめですよー!」

「覗かねーよ!笑」

「春くん、マジで仕切り登ってきそうだから春子ちゃんタオル巻いとこ」

「はい、真紀ちゃん!そうですね!」

「のwぼwらwなwいwわw」

真紀にはムカつきましたが、春子ちゃんが楽しんでいるようなのでまあいいかなと思いました。

風呂から上がった後まだ寝るまで時間があったので、真紀が施設内にあるゲーセンに行こうと言いました。他にすることもないので行くことにしました。

「これやろ!エアホッケー!」

「じゃあ真紀一人ね」

「いいよ別に!笑かかってこいやー!」

僕と春子ちゃん対二刀流の真紀で勝負しました。僕と春子ちゃんはいいコンビでしたが、真紀もなかなかのしぶとさでした。

「おい真紀!浴衣はだけてるぞ!」

「え、う、うそ!」

真紀の気が散ったすきに得点しました。

「なんてな」

「あwんwたwねw女の子に何てことするの!」

「わりい。あまりにしぶといものだからつい」

「今ので完全に怒った笑春くん覚悟しなよ!」

気づけば僕と真紀の打ち合いになり、春子ちゃんが蚊帳の外になっていました。

結局勝負は僕が勝ちましたが、真紀は不満があるのかパンチングマシーンで勝負をしようと言いました。

「空手部の自信ってやつか」

「ふふふ笑じゃあまずは素人の春くんからね!」

僕はあまり運動が得意ではないので、この勝負は真紀に負けてしまいました。

「あっは!弱いね、きみ~笑」

「くっそー!根に持ちやがって」

「春くん、私を怒らせるとこうなるからよく覚えておきなさい笑」

僕が有頂天になっている真紀にムカついていると、バゴーン!とすごい音がしました。

「やったー!やりました!♡」

「、、、え。春子ちゃん、、、?」

「やば。真紀より点数高いぞ、、、」

「私が一番です♡」

真紀が僕の肩にぽんっと手を置いて、「浮気するなよ。」と言いました。

その後部屋で三人でしばらくお話して、寝る時間になったので春子ちゃんは自分の部屋に帰っていきました。

「さて寝ますか。春くん、私のこと襲ったら殺すからね」

「何言ってんの、気持ちわる」

「気持ち悪いとはなんだ!」

いつも通りの掛け合いをして、海でのことはともかくやはり真紀は女としては見れないなと思いました。

布団に入ると何も話さず、疲れているのにしばらく寝られませんでした。

「ねえ、春くん起きてる?」

「うん、寝れない笑」

「私も笑なんかさ、いろいろひどいこと言ったりしてごめんね?」

「え?ああ、全然気にしてないよ。それに俺もけっこう言ったからさ」

「そっか、良かった」

「うん」

しばらく無言の時間が続き、もう寝たのかと思っていると

「春くん、そっちの布団行っていい、、、?」

「何でだよ笑真紀が来たら窮屈だろ笑」

僕はそう言って真紀とは反対側を向きました。すると真紀が僕の布団に入って抱きついてきました。

「、、、真紀?そういう冗談やめろよ、、、?」

「私が来たら嫌?」

「嫌じゃないけど、、、」

「ねえ、春くんこっち向いて?」

「いやあの、、、」

いつもと様子の違う真紀に僕は困惑しました。すると真紀が僕の耳にふーっと息をかけてきました。

「ひゃっ!な、なにすんだお前!、、、うっ」

僕が怒って振り向くと真紀は浴衣をはだけさせていました。

「ま、真紀浴衣はだけてるぞ」

「そのセリフさっきも聞いた気がする」

「まだ怒ってるんなら謝るよ、ごめん、、、」

「怒ってないよ。ねえ、春くんは私のことどう思ってる?」

「どうって。真紀は友達だよ。うん、親友だな」

「ありがとう。でもね、私は春くんのことただの友達だって思ってないよ」

「どういうこと?」

「私春くんのことが好き」

「、、、え?真紀大丈夫か?熱でもあるんじゃ、、、」

「ないよ!ねえ、さっきは殺すとか言ったけどさ、私別に春くんになら何されてもいいよ」

真紀は立ち上がって浴衣の帯をするするとほどきました。

「お、おい真紀」

「目そらさなくていいよ。下着もビキニと同じようなものだから」

「いや、全然違うよ!頼むから浴衣着てくれ!」

もうちんこはギンギン、今にも理性が飛びそうでした。

「真紀、いいかげんにしろ!俺には春子ちゃんがいるの知ってるだろ!」

少し間があり、

「うん、そうだよね笑ごめんね?変なことして。少し試しただけだから笑」

「なんだよそれ笑」

「ごめん笑春子ちゃんのとこ行ってみたら?もしかしたら待ってるかもよ!」

真紀がほらほら早く!と言って僕を送り出しました。

「ごめんな、真紀」

「うん、、、」

うすうす真紀の気持ちには気づいていました。でも真紀とはずっと友達だったし、春子ちゃんを裏切ることもできませんでした。

僕は部屋を出て、隣の春子ちゃんの部屋の扉をゆっくり開けてみました。

「いや、彼女とは言え勝手に入るのはまずいよな」

「まずくないですよ」

「うわっ!春子ちゃん!?」

「あ、驚かせてしまってごめんなさい!寝られないからちょっと歩いてきたんです」

「そうなんだ。」

「真紀ちゃんは?」

「真紀は、、、寝た。」

「、、、そうですか。まあ、入ってください」

部屋に入ってなぜか僕と春子ちゃんは正座をして向かい合いました。

「えーと、何話そうか」

「春くんは私のことどう思っているんですか?」

「え?えーと、春子ちゃんは俺の彼女だし、、、うん信頼してるよ!すごく」

「そうですか。」

春子ちゃんは立ち上がって電気を消しました。そして浴衣の帯をするするとほどきました。

「え、春子ちゃん?」

「来てください?」

「う、うん」

昼間海ではあまり意識しませんでしたが、春子ちゃんの肌は真っ白で色っぽくとてもドキドキしました。

でも僕はなかなかそこから踏み込めませんでした。

「どうしたんですか?」

「いや、初めてで緊張して、、、」

「真紀ちゃんですか?」

「え!?」

「図星ですね。真紀ちゃんが好きなんですか?」

「え、何言ってるの笑真紀は友達だし、それに春子ちゃんがいるのにそんなわけないじゃない!どうしてそう思ったの?」

「春くんと真紀ちゃんはいつも仲がいいし、それに海で砂遊びしてるとき私よりも真紀ちゃんの胸を見てましたし。」

「ええ!?」

「春くんの目には私よりも真紀ちゃんの方が魅力的に映っているのかなって、、、」

砂遊びの時、春子ちゃんは夢中でぱたぱたしていたので、気づいていないものだと思ってたかをくくっていました。

「そんなことないよ!真紀は親友だけど、ただそれだけで、、、」

少しの間、春子ちゃんは何か考えているようでしたが

「ふふ笑ごめんなさい!変な空気にしちゃって。私春くんも真紀ちゃんも信頼してます!二人のこと大好きです!」

「春子ちゃん、、、」

「一年の時助けてくれて友達になってくれて。今でもずっと感謝しているんです」

春子ちゃんの嘘偽りのない言葉に僕の不安は安心に代わりました。

「春子ちゃん、俺ずっと不安だったんだ。真紀の気持ちも春子ちゃんとの関係もどっちもないがしろにはできなくて。それでいつも臆病になって、、、」

「春くんは優しい人です。だから私も真紀ちゃんも春くんが好きなんです!私待ちます、春くんが一歩でも踏み出して来てくれるのを」

「ありがとう、春子ちゃん」

「ふふ、これで真紀ちゃんとはライバルになっちゃいました笑もっと魅力的になって春くんに振り向いてもらわないと!」

「春子ちゃんは僕にとってはずっと魅力的だったよ」

「春くん、ありがとうございます」

しばらく春子ちゃんの頭をなでながら添い寝をしていると気づけば寝落ちしていました。

起きると6時過ぎでした。真紀に悪いと思ったので自分の部屋に戻ることにしました。

「春子ちゃん、ごめんね。また後で」

寝息を立てている春子ちゃんに小声で言い、部屋に戻りました。

「寝相わる!」

真紀が二つの布団を占領して大の字で寝ていました。こいつを女としてみるのはやっぱり無理だと思いました。

「真紀、風邪引くよ」

真紀に布団をかけて、仕方ないので僕は朝風呂に行きました。そして部屋に戻ってやっと起きた真紀と春子ちゃんと朝食に行きました。

「春くんひどいよねー。自分だけ朝風呂に行ってさ」

「そうですよ。起こしてくださいよー。」

「いや、お前ら起こしたら起こしたで文句言うだろ笑それに真紀が布団占領してたからだぞ!」

「春くんが帰ってこないからだよ!そうだ、春子ちゃん昨日春くんに変なことされなかった?」

「俺は何もしてないぞ笑」

「春くん、スケベだから気を付けてね。昨日も海でずっと私の胸見てたんだよ!」

「いや、見てない!!」

「私のとどっちがよかったんですか?」

「え、それはどっちも良かったと思うけど」

「やっぱり見たんじゃないですか!うう、最低ですー」

「あはは!笑かまかけられてやんの!笑」

「春くん、おばかさんですねー笑」

「おwまwえwらwなw」

昨日の夜のことを忘れたかのように二人は僕を茶化してきました。この二人ライバルというかむしろ結束が強まったんじゃないかと思いました。

朝食を食べてまだチェックアウトまでだいぶ時間があったので、どうするか考えていました。

「ここの近くショッピングモールがあるみたいだぞ」

「いいですね!ショッピングモール!」

「うーん、ここら辺知らない場所だからあまりうろつかない方がよくない?」

「なんだよ、いつもは真紀が率先して行きたがるのに」

「いや、そうなんだけどさ」

「真紀ちゃん、サーティーワンがありますよー!」

「え、それなら行く!!」

春子ちゃんが真紀をアイスで釣り、ショッピングモールに向かいました。

「ごめん、私やっぱりホテルに戻る」

「真紀、具合悪いのか」

「大丈夫ですか?」

「ううん、ちょっとね笑二人で行ってきて!アイスのおみやげ忘れないでね!」

真紀の様子が気になりましたが、目の前まで来ていたので春子ちゃんと僕はそのまま向かいました。

ショッピングモールでしばらく過ごし、真紀のアイスも買ってホテルに戻ることにしました。

来た時の正面扉ではなく駐車場を通っていると車が近づいてきました。

「お二人さん、高校生ですかー?」

「いいねー、デート?」

若いといっても20代半ばぐらいの僕たちより年上の男三人組に声をかけられました。

「そうですけど何か用ですか?」

「せっかくだし俺たちと遊ばない?そこのきれいなねーちゃんも一緒にさー!」

急なように感じるかもしれませんが、実は春子ちゃんはきれいなのでけっこう声をかけられることがありました。僕はいつものことかと思ったので断ることにしました。

「すみません、僕たち用事があるので。失礼します。」

僕と春子ちゃんが立ち去ろうとすると、バタンと車の扉を閉める音がして男たちが出てきました。

「ねーねー。ちょっとそっけないんじゃないの?俺たちが好意で言ってんのにさ」

「ナンパですよね?僕たち付き合っているので遠慮してもらえませんか?」

「お前じゃだめだな。そっちのねーちゃんはどうよ?こんな無愛想な奴より俺たちと来た方が楽しいよー!」

「お断りします。あなたたちみたいな礼儀のない人より彼はずっと素敵な人です!行きましょう、春くん」

一年前に比べてずっと強くなった春子ちゃんが僕の手を取って歩きました。

「おいこら!高校生のくせに生意気言ってんじゃねえぞ!」

「春子ちゃんに手を出すな!」

僕が春子ちゃんをかばうと男の一人が僕の襟首をつかんでこぶしを振り上げました。

こんな時に真紀がいてくれれば、僕では手も足も出せない。でも春子ちゃんを守るためならと殴られるのを覚悟しました。

「ちょっとそこの方たち何してるんですか!?」

警備員さんらしき人が走って近づいてきました。三人は舌打ちして車に乗り走り去っていきました。

「大丈夫ですか!?お怪我はされていませんか!?」

「はい、大丈夫です。ちょっと絡まれただけで、助かりました。」

「そうですか、たまにああいう輩がいるので十分に気を付けてくださいね!」

「はい、ありがとうございます。がはっ!、、、え?」

「きゃあ!春くん!!?」

僕は急に血を吐いてしまいました。殴られてないのになんで?と思いました。

「春くん!春くんしっかり!」

薄れゆく意識の中で春子ちゃんが僕の名前を叫んでいるのが聞こえました。

目を覚ますと病室のベッドの上で、点滴を打たれていました。

病室には僕の両親と真紀がいました。

「春くん、大丈夫?」  

「真紀?」

「うん、そうだよ。分かる?」

「うん、分かるよ」

「良かった!春くんが死んじゃうかと思ったよー!」

そう言って泣きじゃくっている真紀をいとおしく思いました。

 僕は血を吐いたものの単にストレスが溜まったことが原因だと聞かされ安心しました。  

「そうだ!春子ちゃんは!?」

「無事だよ!春くんが守ってくれたって!」

「そっか、良かった、、、」

「それでね、、、春子ちゃん自分のせいだってショック受けてて、、、春くんのとこに来られないのはそういうわけがあって、、、」

「いいんだよ、無事だって分かっただけで。良かった。」

それから真紀にお礼を言って帰らせ、両親にも心配かけたことを謝りました。

僕はまだ具合が悪かったのでそのまま眠りました。目を覚ますと少し気分が良くなっていました。

外はもう暗くなっていました。

「春子ちゃん、大丈夫かな」

僕は心配だったので春子ちゃんにメールをしました。

(春子ちゃん、大丈夫?)

しばらくすると返信が来ました。

(私のことは気にしないで。春くんこそ大丈夫ですか?とても心配です)

少し前まで一緒にいたのに、長い間春子ちゃんと離れているような気がしました。

(大丈夫。春子ちゃん、会いたいよ)

そう送るとそれっきり返信が来なくなりました。やっぱりまだショックだったのかなと思って天井をぼーっと見ていました。

しばらく起きていましたが次第に眠たくなり気づけば寝ていました。

「、、る、、ん?」

誰かが僕を呼ぶ声がして目が覚めました。

「春くん、大丈夫ですか?」

「え!?春子ちゃん!!?」

春子ちゃんが夜遅くに病室に来ていました。

「メールに会いたいって。私も会いたくて。」

「そっか。驚いたよ、すごいね春子ちゃんの行動力」

「すごく心配してたから。私をかばって春くんが殴られそうになって、そして倒れて、、、」

「びっくりさせちゃったね、ごめんね」

「ううん、こんな私のためにいつも体を張ってくれて、、、」

「春子ちゃんも強かったよ!僕のことを素敵な人だって言ってくれて。嬉しかったよ」

春子ちゃんは小さくうなずきました。

「ねえ、春くん絶対に死なないでくださいね、、、私本当に心配です」

「死なないよ!ただのストレスだったんだ」

「そうですか、、、」

「だから心配しないで?おいで、春子ちゃん」

「はい、、、」

僕は春子ちゃんを抱きしめました。

春子ちゃんを夜遅くに一人で帰すわけにはいかないので、彼女の両親に連絡を入れてお迎えをお願いしました。

僕はしばらくして病室にやって来たご両親に夜分遅くにすみませんと謝り、春子ちゃんを連れて帰ってもらいました。

「春くん、また明日来ますから」

「うん、またね」

次の日、春子ちゃんがお見舞いに来ました。真紀からもメールが来ていました。

(春くん、早く良くなってね!)

真紀は僕たちに気を使ってお見舞いには来ませんでした。

「今日はいい天気ですね」

「そうだね」

「春くん!昨日は暗くて見えなかったんだけどここからうちの近くの桜の木が見えるんです」

「そうなんだ、そう言えば最初に行って以来あの場所には行けてないな」

「来年桜が咲いたときに行きましょうね!もちろん真紀さんも一緒に」

「うん、楽しみだな」

「うふふ」

「どうしたの?」

「私あの時夢なんか語っちゃって笑懐かしいなって」

「そうだね。でも俺いつか本当に春子ちゃんにあの場所でプロポーズするよ」

「春くん、、、ありがとう嬉しいです♡」

僕たちはしばらくぽかぽかと穏やかで幸せな時間を過ごしました。

「春くん、何かしてほしいことないですか?私大好きな春くんのために何でもしちゃいます!♡」

「そっか。それなら春子ちゃんのむいたりんごが食べたいな」

「りんごですか?分かりました!買ってきますね」

「うん、気をつけて行ってきてね」

春子ちゃんがりんごを買いに病室から出ていきました。

いつか春子ちゃんにプロポーズか、、、ずっとずっと一緒に、幸せに

そう思いながら穏やかな気持ちで目を閉じました。

しばらくして病室の扉が開く音がしました。

「春子ちゃん、おかえ、、」

「やっほー!春くーん、元気ー!?」

「真紀!?」

病室に来たのは春子ちゃんではなく真紀でした。

「遅くなったけど来てあげたよ!」

「俺に気を使ってたんじゃ、、、」

「なんで春くんに気を使わないといけないのよ。それはそうと春くん!りんご買ってきてあげたよ!」

「え?ああ。って、なんで真紀が笑春子ちゃんは?」

「すぐにむくから待っててね!」

「いやいや笑お前りんごとかむいたことないだろ笑ただの体力バカのくせに笑」

いつもなら言い返してくるのに真紀は何も答えずりんごをむき始めました。僕が不審に思って

「おい真紀。春子ちゃんはどうした」

「、、る、、、こちゃ、、」

「え?何かあったのか?」

「春子ちゃんは、、、大丈夫だよ、、、」

「大丈夫って。だったらなんでお前泣いてるんだよ!」

「泣いてない!」

泣きながら黙ってりんごをむき続ける真紀に僕はいらっとしました。

「おい真紀!答えてくれ!春子ちゃんに何かあったのか!?」

真紀の肩を揺さぶって聞くと、無言だった真紀が口を開きました。

「春子ちゃん、、、、トラックにはねられちゃって、、、」

「ええ!?」

「大丈夫だよ、、、すぐにここの病院に運ばれて、、、意識もあるよ、、、」

「どこの病室だよ!春子ちゃん!!」

「春くん!!」

どこの病室かも分からないのに駆けだそうとする僕を真紀が泣きながら止めました。

 「うわああああ!!春子ちゃん!!春子ちゃん!!」  

「春くん、落ち着いて!大丈夫だから!春子ちゃんは大丈夫だから!!!」

「真紀どいてくれ!!行かせてくれ!!」

「春子ちゃんは春くんに心配かけたくなくて!早く良くなってほしいから言わないでくれって!!春子ちゃんの気持ちを無駄にしないで!!春くん!!」

真紀の必死の説得に我に返りました。

「彼女のご両親も来てるの。けがをしていて少し辛そうだけど普通に話せてるよ。ただ今は手当と休息が必要なの。」

「そっか。良かった。」

僕はひとまずほっと安心しました。

「春子ちゃん、良くなるから!できそうだったら春子ちゃんと電話つないであげるからね!」

「ありがとう真紀。何から何まで。」

「腐れ縁だしね!じゃ、またね!」

数時間後に僕の携帯に電話がかかってきました。

「もしもし、春子ちゃん!?大丈夫!?」

「もしもし、春くん。心配かけてごめんなさい。」

「すごく驚いたけど、、、良かった、、、」

弱々しかったものの、春子ちゃんの声が聞けて安心しました。

「運が良かったんです。トラックもあまりスピードが出てなくて。」

「そっか。本当に良かった!」

少しの間会話し、寝ながら話していたからか春子ちゃんの声がきつそうだったので電話を終えることにしました。

「じゃあ春子ちゃん、早く良くなってね!」

「春くんも!そしたら今度こそ私が向いたりんご食べさせてあげますね!」

「うん。大好きだよ、春子ちゃん」

「私もです」

会話が終わり、災難だったけど春子ちゃんと話せたことで安心しました。

お互い元気になってまた春子ちゃんと過ごせる日を楽しみにしました。

しかし、その日が来ることはありませんでした。

あの後、春子ちゃんの容体が悪くなって意識を失いそのまま彼女は亡くなってしまいました。享年17。

時が過ぎ、20代半ばのころ。僕は大学を出て就職をし真紀と同棲をしていました。

春子ちゃんの訃報を聞いて深くショックを受けた僕は葬式にも顔を出さず、春子ちゃんのお墓参りにもずっと行けませんでした。

春子ちゃんの死から逃げるように僕は真紀に告白し、真紀は困惑しながらも僕が立ち直ってくれるのならと受け入れてくれました。

ある日、住んでいるマンションに帰ると手紙が来ていました。

春子ちゃんのご両親からで、話があるとのことでした。

僕は行きたくありませんでしたが、真紀に背中を押されて次の休みの日に高校生の時以来久しぶりに春子ちゃんの家を訪ねました。

「ごめんなさい。葬式にも顔を出さずに。」

「いえいえ。お元気そうでなによりです」

ご両親は謝る僕を温かく迎えてくれました。

案内されたリビングはあの頃から変わっていませんでした。テーブルにご両親と向かい合わせに座りました。

「手紙に書いた通り今日は話が合って来てもらったのだ。」

「はい。」

「先日、春子の7回忌を迎えた。春子が亡くなった時私たちもとてもショックだった」

「心中お察しします」

「ありがとう。それで春子の部屋をずっとそのままにしていたのだが、私たちもそろそろ春子の死を受け入れていかなければあの子が報われないと思ってな。部屋を整理していたのだ」

お父さんは机に春子ちゃんの遺品を並べました。

「遺品のいくつかを君に受け取ってほしいのだ。生前春子と仲良くしてくれた数少ない友達だからな。」

お父さんはまず日記を僕に手渡しました。

「春子が生前ずっと書き続けていたものだ。君との思い出がたくさんつづられている。ぜひ君に受け取ってもらいたい」

「はい、ありがとうございます」

「そしてもうひとつ、これを君に」

お父さんは手のひらに収まるくらい小さな布の袋を手渡しました。

「春子の遺骨だ」

僕は遺品を受け取ってご両親に挨拶をしマンションに帰りました。

「春くん、おかえり」

「なあ、真紀。」

「ん、なーに?」

真紀が優しく聞きました。

「結婚しよう」

「え?」

「ずっと春子ちゃんの死から逃げ続けてたけど、遺品をもらって分かったんだ。彼女はもういない、下を向き続けても仕方ないんだって」

真紀は困惑していました。

「真紀は落ち込んでた俺をずっと支えてくれた!な?分かったんだ、俺が昔から本当に好きだったのは真紀だったんだって!」

「・・・。春子ちゃんよりも?」

「うん!春子ちゃんよりもずっと!だから結婚」

「だめだよ」

「どうして?」

「作り笑いしてても分かるんだから。春くんはまだ春子ちゃんの死から逃げてる!私も辛かったよ。でももっとつらい思いをしていたのは春くんなんだよ?」

「何言ってんの笑本当にもういいんだ!真紀が結婚さえしてくれれば」

「春くんもうやめて、、、春くんがずっと苦しんでたの知ってる、、、春子ちゃんのこと今でもまだ」

「やめてくれ!!」

僕は大声で真紀の言葉をさえぎりました。それでも悲しそうな目で見てくる真紀の前で僕は泣き崩れてしまいました。

「そうだよ、、、ずっと目を背け続けてきた!真紀を好きになれば春子ちゃんのことを忘れられると思ったんだ、、、」

真紀は何も言わずに聞いていました。

「それなのに!!こんなもの渡されて!!春子ちゃんの遺骨なんて!!ずっと忘れようと思っていたのに、、、これじゃあ忘れられないじゃないか、、、」

「春くん、、、」

「ううう、春子ちゃんが死んでから今でもずっと彼女の夢を見るんだ、、、彼女と過ごした幸せな時間、、、忘れられない、、、忘れたくないよ、、、でももう春子ちゃんはいないんだ」

僕は泣きじゃくりながらもしだいに本音を言いました。

「まきぃ、、、もう俺どうしたらいいか分からないよ、、、」

真紀は何も言わず春子ちゃんの日記と遺骨を手に取りました。そんなものもう何の役にも立たない、僕は自暴自棄になっていました。

「春くん、行きましょう」

「どこに、、、?」

「春子ちゃんとの思い出の場所。桜の木のあったところに」

「そんなとこに行って何になるんだ、、、春子ちゃんは死んだんだ」

「しっかりしなさい、春!!確かに春子ちゃんは死んだけどまだ私たちの中で生きているの!!あなたがそんなんじゃ彼女が報われないよ!!」

真紀はためらう僕を強い意志のこもった言葉で励まし、僕の手を引っ張って連れ出しました。

真紀が運転する車の隣に乗り、思い出のあの場所に向かいました。

「着いたよ、春くん。ほら自分の足でしっかり歩くんだよ」

真紀は力ない僕の手引っ張ってどんどん坂を上がっていきました。

僕は真紀の背中を見ながら昔のことを思い出しました。

中学の時いじめられていた僕を助けてくれた真紀。

ずっとお互いにけなし合い、それでも信頼し合っていた真紀。

自分の気持ちを押さえて、春子ちゃんと僕のために奔走してくれた真紀。

そして、今。春子ちゃんが死んでから自分も辛いはずなのに、僕を信じて力強く引っ張っていってくれる真紀。

いつだって真紀は僕を助けてくれた。支え続けてくれた。

「ほら、ここの自動販売機。覚えてる?」

三人で猫と戯れていた場所を過ぎ、ついに頂上に着きました。

「私ね、ここまで来るの初めてなの。」

「ありがとうな、真紀。ずっと」

「いいから!ほら、早く」

僕に手に持っていた春子ちゃんの遺骨が入った袋を渡しました。

きつく結ばれていた袋を開けると中に小さなかけらが入っていました。

僕はそれを手に取りしっかりと目に焼き付けました。

「死んだんだね、春子ちゃんは」

僕は遺骨を桜の木の根元に埋めました。

「ねえ、真紀。これで春子ちゃんは報われるのかな」

「少なくとも前を向いて歩きだそうとしている春くんを見たら、春子ちゃんは喜んでくれるはずだよ」

「そっか。なあ真紀、俺頑張るから。もうちょっと時間がかかりそうだけど、絶対に立ち直るから。そしたら俺と結婚してくれないか?」

「うーん、どうしよっかなー」

「え?」

「だって春くん、今まで私のことなんて全く気にもかけてくれなかったし。それに春子ちゃんも本当はずっとお墓参りに来てくれなくて怒ってるよ!」

「えー!」

「なんてね!うん、春くんがそう言ってくれてうれしいよ!私春くんのことずっと待ってるから!」

「ありがとう真紀」

真紀と約束をして、僕たちはしばらくまだ満開を見たことのない桜の木を見ていました。

「春子ちゃん、また来るよ」

数年後。桜の木は春の陽気で満開の花を咲かせていました。

その桜の木の下で僕は真紀にプロポーズをしました。

心地良いそよ風が吹き、桜の花びらが舞いました。それはまるで春子ちゃんが僕たちを祝福してくれているようでした。

その後、僕と真紀の間には女の子が生まれました。この子には春子と名付けました。

春子ちゃんのようにきれいで優しい子になるようにと願いを込めて。僕たちの大事な一人娘です。

今でも鮮明に思い出す青春の日々、春子ちゃんと過ごした時間は僕たちにとってかけがえのない宝物です。

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