昔々。深く愛し、身体を交わし、裏切られた美女。もう一度、彼女が現れたとき、私はどうすればよかったのか

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今から15年ほど前の話です。当時私が勤めていた会社は、お堅い社風の会社でした。

郷に入れば郷に従え、と中途採用の私も特に目立たず社風に従っていました。

ある日、私の部署に、目をみはるほどの美女が配属されてきました。「タッチ」の浅倉南に似ていたので、美波としましょう。入社4年目で別の部署からの異動でした。

彼女の存在は知っていましたが、同じ部署になるともう落ち着いて仕事ができないくらいの美人でした。というか、私の好みのど真ん中でした。

もう社風がお堅いとか関係なしに、私は彼女に連日、アタックを試みました。

当時彼女は25歳、私は35歳でしたのでやや年は離れているものの、私は果敢に口説いていました。

彼氏もいないとのことでしたし、彼女もまんざらではない表情でしたが、お堅い社風の会社ということもあってか、なかなかなびいてくれません。

何度もデートにも誘いましたが、首を縦には振りませんでした。

そんな時、彼女から提案がありました。

彼女は高校野球が好きで、以前の部署の友人たちと「高野連女子」というグループを作っていて。

たとえ他県でも、有力校が出るなら見に行くという熱の入れようでした。

彼女を入れて4人の高野連女子。一緒に野球を観に行かないかということでした。

私は高校野球には興味はありませんでしたが、彼女と近づけるチャンスなのでもちろんOKしました。

彼女たちは長距離バスに乗って2時間離れた県の大会に行くつもりでした。

そこで私が車を出すことにしました。全員、一つの駅に集合してもらい、そこで私が彼女たちを拾う。その後、車で球場まで行き、試合を観戦。

試合が終わるとみんなでその地方の名物料理で夕食を楽しみ。

帰りは再び私の運転。みんな疲れてるだろうから、各自の家の前まで送ってあげました。

彼女たちはバスではなく、ドアツゥードアで現地まで行けるし、バス代も浮く。

まあ私は都合のいい男、みたいになっていました。

美波を必ず助手席に座ってもらうことが条件でした。私と同じ部署なのは美波だけなので、そうすることに特に違和感はありませんでした。

美波は私のぶんもお弁当を作ってきてくれたり。

助手席で、ちらっと後ろを振り返り、誰も観てないことを確認してから、アメを袋から出し、アメにチュッとキスしてから運転してる私の口に入れてくれたり。

かなりいい雰囲気になってきていました。

そんな折、私が美波にアタックをかけている雰囲気を察し、美波に言いよる別の男が現れました。

武藤というその男は190センチというかなりの長身で、まあまあイケメンでした。年齢も美波に近い。

ただスーツの肩にはいつもフケがたまり、スラックスの折り目もなく、常に不潔な印象がある青年。

何度か昼食が一緒になった時、彼は約1時間、延々と仕事の愚痴を言い続けて。かなり後ろ向きな人格という印象でした。

きわめつけは、かなりの巨根であるらしいのですが、自分のイチモツの写真をケータイに入れていて、折に触れて他人にその写真を見せる、という人格の男でした。

正直にいうと私は彼が嫌いでした。

また美波と私も徐々にいい関係が構築され始めていた(と自分では思っていた)ので、武藤になびくことはないだろう、とたかをくくっていました。

私と美波は2人で映画を見る関係にまで発展しました。手つなぎまで行きましたがキスはまだダメみたいでした。

彼女とのことは大事に思っていたので、無理なことはしませんでした。

そんなある日…。

高野連女子で、けっこう遠くの県に行きました。その帰り。

女性陣は毎回、家の前まで送ってあげていました。

美波の家はルート的に最後から2番目に降ろす位置にあり、美波を降ろしたあと、最後の1人を降ろして、高野連女子の送迎は終わるのが通例でした。

でもその日は、いつも最後に降ろすメンバーが用事で欠席していたので、最後に降ろすのは美波になっていました。

車中の人が彼女だけになり。

彼女はいつもと違う道を私に伝えました。

言われた通りに行くと、大きなカー用品店の駐車場。侵入防止のチェーンはありましたが、脇から侵入できるところがあって。

遅い時間なのでカー用品店の営業は終わっています。そこの駐車場に停めろ、と彼女が言いました。

「この時間ならここ、停め放題だから」

と美波は言いました。

「今のソファがボロくなったから新しいのを買ったの。古いソファが邪魔なんで動かしたいけど、女手1人じゃ無理。ソファを動かすのを手伝って欲しいの」

こんな夜遅くに彼女の一人暮らしの部屋に行っていいのかな…。もつかな、俺の自制心…。と思いながら彼女の部屋に上がりました。

女性らしい、淡い色で構成された清潔な部屋でした。

「座って」

彼女はリビングのソファを指差して言いました。

そしてグラス二つと、私の好きな銘柄のビールを持って戻ってきました。

「ビールはまずいよ、車だから」

と私は言いましたが、おかまいなしに彼女はグラスに注ぎます。

私はあることに気づきました。

「古いソファってどれ?」

彼女は私の目を見つめながら、ビールのグラスを私に持たせ、こう言いました。

「あんな話、信じたの?」

彼女はそういうと、私のグラスを強引に私の口元まで持っていき、

「飲んで。帰れなくなるから。もう帰さないから」

と言いました。

ここに至って私はやっと彼女の真意がわかりました。

でもなぜ?

ほんの数週間前、映画の帰り、彼女を抱き寄せ、キスをしようとした時、彼女は全力で拒みました。

「まだダメ」

と言いながら。

でも今、彼女は私にアルコールを飲ませることで、ハンドルを握れなくしている。

もっと平たく言えば、今からセックスをしよう、と意思表示している。

私は鼻腔から沸騰した湯気が出るほど興奮しました。脳の99%は、

「今から美波とセックスできる!!」という興奮で占められていましたが…。

1パーセントだけ。

「なぜ?キスも許してくれなかったのに」

という疑念もありました。

でも彼女を抱き寄せ、唇を重ねても、全く抵抗しない彼女、

それどころか私の首に手を回し、

自分から舌を挿入してきた彼女の態度に

そんな1パーセントの疑念など、どこかに吹っ飛びました。

「あの…。おっぱいとか、触っていいの?」

と念のために聞くと、彼女は

「いいよ」

と答えました。

慣れた感じを出したかったのですが、なにぶん、恋い焦がれていた彼女ですので、ブラウスのボタンを外す時も、手が震えていたことを覚えています。

ブラジャーのホックを外す時などかなり手間取りました。

白い乳房とピンクの乳首。

乳房は大きすぎず小さすぎず、ちょうど手のひらに収まるくらい。乳首はピンと上を向いて、乳輪も程よい大きさ。

一目見るなり、あの乳首が欲しいと、そう思いました。

私は乳首を吸い、もう一つの乳房をまさぐりました。

彼女はほとんど声を出しません。小さな、

「ンッ…。ンッ…」

という、声というより吐息を漏らしています。

最後までヤレるんだ…。

私は乳房を揉んでいた手を下へおろし、彼女の腹部や子宮の上部あたりを撫でました。

そこからスカートを捲り上げ。

太腿を撫でてから、

ショーツの上から股間を撫でました。

ピクン!!と彼女の体が跳ねるように反応しました。

ショーツはぐっしょりでした。彼女はかなり濡れる体質のようでした。

あまりに濡れているので、彼女のおまんこの形がショーツの上からでもはっきりとわかりました。

乳首を吸いながら、かなりの時間、ショーツの上から指の腹で撫で回していました。

布の下で彼女の小陰唇はパックリと開いて、膣からの分泌物は直接、ショーツを濡らしていて。

彼女は私の腕を握りながら、声を押し殺しています。

その様子があまりに気持ち良さそうで。

ショーツの上からあんなにはっきりとおまんこの形がわかったこともありませんでしたので、

私はもしかしたら、この状態が彼女がいちばん感じる状態なのかも、と思いました。

「その…。ショーツの上から触るのと、直接触るのと、どっちが気持ちいいの?」

と彼女に聞きました。すると彼女は、

「直接、触って…。」

と震える声でつぶやきました。

やっぱりそうだったんだ…。

私はショーツを脱がせ。

彼女の薄い陰毛部分を撫で回したあと…。

股間に手を入れました。

私の手が入りやすいように彼女はそっと股を開いてくれて。それをとても嬉しく思いました。

おまんこはもう濡れ濡れです。

指の感触だけで、かなり粘度の高い液体で満たされていることがわかります。

中指を、そっと中に入れます。

ピクン!と彼女は大きく反応したかと思うと、

ずっと乳首を吸っていた私の顔を両手で掴み、

「博クン!!博クン!!」

と私の名前を呼びながら、口を吸ってきました。

彼女は夢中で、その長い舌を私の舌に絡ませ、

激しく興奮していることがわかりました。

彼女がいちばん感じる場所を探している私の中指を、

おまんこはキュンキュン、キュンキュン、と締め付けていて。

歓迎してくれていました。

中指の腹が、膣壁の周囲とやや質感が違う場所を探し当て。

押し殺した彼女の声も、そこを触ると

「アアッ…!!」

と切ない喘ぎを漏らしていたので、そこを重点的に触りました。

薬指も挿入し、擬似ペニスとしてゆっくり出し入れして。

Gスポットを指で触って。

彼女は私の口を吸い、舌を絡めているか、

口を離せば

「博クン!!博クン!!」

と私の名を呼ぶか。

性感による喘ぎ声を出すのはとても恥ずかしいと思っているようで。

声が出そうになれば私の名前を呼んでいました。

彼女を性的に感じさせながら、彼女の口から自分の名前が出ることに、私自身もとても興奮していました。

私も裸になり、勃起しているペニスに彼女の手を導きました。

彼女は夢中になって、それをシコシコ!!シコシコ!!

手マンは彼女の好きなスポットが徐々に把握できたので、

強すぎず、弱すぎずの力加減で、手マンで責めます。

時々、ちょっと強すぎる感じにしながら、すぐに弱めて。

私のペニスを責める彼女の手は、その興奮を反映してすごい力で握りしめ、すごい力でシコシコを繰り返しています。

このままではやばかったので、私はあえてペニスを絡めるように弄んでいた彼女の手を排除し、

彼女のマウントを取る姿勢で、本格的に手マンで責め立てました。

彼女はシーツの端を握っていた手を私に向けて、

「博クン、来て、博クン!!」

と私を求めました。キスが欲しい、という意思表示でした。

でも今の体勢の、今の指の角度が最も彼女が感じている角度で、彼女はもうイク寸前でした。

私は彼女が伸ばした手を無視して、そのままの体勢で手マンを続けました。

彼女は目を開き、私の目を見ながら、

「来て…。博クン…」

と訴えるように言います。

でも体勢の維持を優先した私はその場にとどまり、キスはしません。

「イッっていいよ美波」

私は彼女に囁きます。

彼女はもう腕を伸ばす力もなくなって来ました。

彼女は大股を開き、私の手マンに膣から液体を垂れ流しながら、

両手はシーツを握りしめています。

キスをくれなかった私を拗ねたような目で見つめながら、

手マンで高まりゆく性感に目の光は陶酔でとろけていき。

おまんこが薬指と中指を締め付ける力が強くなって来ました。

もう一方の手でクリトリスも責めます。

「博クン!!…イクッ!!!」

小さく彼女が痙攣しました!!。

ものすごい力でおまんこは指を握りしめます。

私は彼女がいちばん好きなポイントに指の腹をあてがい、

イキながら、ピンピンに勃起してる乳首をしごいて、

やがて、恍惚に浸っている彼女に、ずっと欲しがっていたキスをあげました。

彼女はすぐに舌を入れて来て。

しばらくは、舌の感触を楽しんでいました。

「もっと前に…。来てって言ったのに…」

「ごめんね。角度を変えたらキミがイけないかもって思って」

私は上体を起こしました。

彼女は私が挿入する、と思ったと思います。

でも私は頭を彼女のおへそのあたりに着地させ。

おへその周辺を舐め回し、舌をさらに下へとおろします。

子宮のあたりの下腹部が、私はとても好きです。変態なのかな?

だからそのあたりをかなりの時間をかけて舐め回しました。

そして陰毛の中の陰裂に舌を這わせ。

クンニリングスにとりかかりました。

私はセックスの中で、実はクンニがいちばん好きです。

女性の最も恥ずかしい部分を食べているという感覚が、たまらなく好きです。たぶん、変態なんでしょう。

本格的に膣を舐めるために、股間に顔を埋めました。

「ダメ…。ダメ…」

彼女が手を入れて来て、力無い抵抗を試みます。

イッたばかりで、恥ずかしい粘液だらけの自分の秘部を見られることの羞恥。

その羞恥で抵抗を試みているものの、

クンニにより与えられる強烈な性感への期待で、抵抗の手は強いものではありません。

私は膣口にキスをして、そのまま粘液を吸引しました。

「博クン!!博クン!!」

カラダが強く反応し、彼女が私の名を呼びます。

抵抗する手は逆に、私の後頭部を支える手に変わっていました。

彼女のおまんこの汁は、とてもあたたかく。

無味無臭だったことを覚えています。

例えるなら、とても粘度の高い白湯。

高粘度の白湯を、ズルズル、ズルズル、啜るように舐めあげます。

羞恥と性感で彼女は腰をうねうねと動かし、ずっと私の名前を呼び続けています。

今回は指を一切使わず、舌と唇だけで彼女のおまんこを責め続けます。

膣の中に舌を伸ばし、お白湯のような粘液を舐め尽くすつもりで激しく舌を動かします。

でも粘液は後から後から湧出して来て、舐め尽くすことなどできません。

そうやって、ずっとずっと、クリトリスだけを責めないで、膣周辺を延々と舐め続けたあと、

一気にクリトリスを責めました。

今まで以上に彼女の身体が反り返ります。

唇をクリトリスの形にすぼめ、一気に強く吸引して、

すぐあとに舌で強く押し潰すように舐め。

ずっとその責めを続けます。

「博クン、やめて?!ねえ、やめて?!」

でも抵抗の力のなさは、真にやめて欲しいなどとこれっぽっちも思っていません。

やめるどころか私はクリトリスの吸引をより強め、押し潰す舌の力をより強めました。

「…イキます…!!イクッ!!」

彼女は手マンの時よりも強く痙攣しながらイキました。

クンニでイッたおまんこを、私はしばらくの間、舐め続けていました。

愛しい女性の、夢にまで見たおまんこです。しかも、エクスタシーに達したばかりの。

まるでペニスを探しているかのように、小陰唇や膣口は、うねうねと蠕動運動を繰り返し。

食いしばる何かを探しているように動いています。

入れたい、今すぐに。

私はジーンズのポケットに入れてたウォレットから緊急用のゴムを取り出し、装着しようとしました。

「私が…。やってあげる…」

立て続けに絶頂に達し、陶酔で朦朧としながら、彼女が半身を起こして、私のペニスにゴムを装着してくれました。

「入れて。入れて」

装着を終えると彼女が言いました。

私は彼女にキスをして。

亀頭を膣口にあてがい。

にゅるにゅる、と彼女の中に入りました。

彼女の身体が大きくわななき、

また私の名前を呼ぶ声が大きくなります。

あの生あたたかい、高粘度の白湯のようなマン汁が潤滑油になりながら、

おまんこそのものは強く強く、私を締め付けます。

しかし締め付ける膣の内壁はとても柔らかく。

潤滑油は高粘度。

その中を抽送する私のペニスは、この世のものとも思えぬ性感を、彼女の膣から与えられています。

私がなぜ挿入前に彼女を2度もイカせたかというと、挿入後にイカせる自信がないからです。

AVやエロ小説では男性は巨根で女性をヒーヒー言わせてイカせていますが、私は標準サイズで、それほど長持ちできる自信もありません。

それでも私の抽送に、美波は全身で喜びを表現してくれました。

性感で反り返りながらも胸を密着させるほど強く私を抱きしめ、

何度も私の名前を呼んでいます。

あまりに締まりのいいおまんこ、あまりに卑猥なおまんこの中の壁、あまりにヌルヌルなマン汁の潤滑、

私はあっという間に追い込まれてしまいました。

「美波…。イッちゃいそう…」

美波は潤み、性感でとろけた目で私を見ながら、

「いいよ…」

と囁きました。

私は美波の中で、強烈に射精しました。

痛いくらいに強烈な射精でした。

私もいつしか彼女の癖が移って、

「美波!!美波!!」

と彼女の名前を呼びながら、精液を出していました。

こうして1度目を終え、しばらく抱き合っていましたが、すぐにゴムを取り替え、2度目に取り掛かりました。

ゴムの取り換えも美波がやってくれました。

2度目はややペニスが麻痺状態で長持ちして。

彼女をイカしたような気もします。(記憶がこの辺りあやふやです)

残念なことに、ゴムが二つしかなかったので、ペニスはまだギン勃ちなのにそれ以上の挿入はできませんでした。

美波は、

「今日、たぶん大丈夫だから…。ゴムなしでもいいよ」

と言ってくれました。この甘い提案に私は悩みましたが…。

「惚れた女と初めて結ばれてるのに、そんな野獣みたいなことはできないよ」

と、ちょっとカッコつけて言いました。

「お口でやってあげる…」

彼女はそう言って私の下半身に潜ろうとしました。

「美波、手でお願い。イク時はキスしながらイキたい」

彼女は願いを聞き入れ、私の口を吸いながら手コキをしてくれました。

彼女は指を複雑に動かして。

全ての指の股で複雑に亀頭をしごくような高等テクで私をイカせにかかります。

射精直前、

「イクッ」

と言いましたが後の祭りで。

私がだらしなく噴射させた精液は彼女のベッドと床の絨毯を汚しました。

彼女はティッシュでベッドの精液と、床の精液をぬぐっています。

ベッドに乗ったまま、私に尻を向けて、上半身を下ろして床を拭いています。

お尻の穴も、おまんこも丸見えの姿で。

私はたまらなくなり、そのままおまんこに口をつけました。

彼女はきゃあ、と言いましたが、抵抗はしませんでした。

こうして私たちは何度も互いを絶頂に導きあい。

めくるめくような、美波との初セックスは終わりました。

彼女が手に入った嬉しさで、私は夢見心地でした。

これからこんなに素敵なセックスが何度もできるんだ、こんなに素敵な女性と。

そう思うと嬉しくてたまりませんでした。

しかし結果的には、これが彼女との、最初で最後のセックスとなってしまいました。

彼女と寝た、1週間後。

驚くべき話を耳にしました。

美波が会社を辞める、ということ。

その理由が、結婚するから、ということ。

そして何より…。

その相手が、あの武藤である、ということ。

このパンチは今まで受けたどのパンチより強烈でした。

にわかには信じられませんでしたが。

堅い社風の事務所の中で、はにかみながら笑う美波の姿と、

ニヤニヤ笑う武藤の姿。

私と目があうと、武藤はあからさまに私を挑発するように、いやらしく笑いました。

私は、彼女を失ったことを知りました。

その思いはあまりに強烈で、

逃げても逃げてもコーナーに追い込まれ、パンチを打たれ続けるボクサーのように、

私の心は、悲嘆というパンチを打たれ続けていました。

じゃあ、あの夜はなんだったんだ?

今までありがとう、の意味で、一発だけやらしてあげるわ、と言った彼女の情けだったのか、

それとも私と武藤のセックスを比べて、自分の相性のいい方を探していたのか。

もう今となってはどうでもいいことですが。

彼女とセックスができたことで、彼女を手に入れた、と思っていた私にとって、

一気に天国から地獄へと突き落とされた瞬間でした。

そして、彼女を手に入れたと浅はかにも思っていた1週間の、なんと愚かなことか。

もう死んでしまいたい、とさえ思いました。

私は会社を辞めることにしました。

ただこれは、ずっと前から考えていたことで。

この業種に未来がないと思っていた私は、次の仕事先を見つけてから転職しよう、とずっと考えていました。

そんな中、この件が発生したので、予定を繰り上げたのでした。

翌日には上司に退職届を提出し、

1ヶ月後に退職しました。

その1ヶ月の間も有休消化などでほぼ出勤せず、出勤しても誰とも、もちろん美波とも目を合わさない日々。

ほとんど病んでいました。

退職と同時に前職との関わりは完全に断ちました。

美波の電話番号もアドレスも、もちろん削除しました。

高野連女子のみんなは、もちろんバカではないので私の美波への思いはとっくに気づいていて。

私に対して同情的でした。彼女たちでさえ、美波の武藤との結婚は衝撃的だったようです。

私は彼女たちに今の自分の心境を説明するメールを送りました。

『俺は、この会社での繋がりを全て断ち、新しい人生を歩もうと思います。』

『だから君たちの電話番号も全て削除します。君たちには何の恨みもないし、在職中に私にしてくれたことには感謝の気持ちでいっぱいです。』

『けれども、全てを断たないと俺は前に進めない。』

『だからどうか許してね。』

そうメールを送りました。

すぐに全員から返信がありました。全員の意見は同じでした。

『賛成とは言い難いが、あなたがそうしたいなら止めることはできない』

そのメールを確認して、私は彼女たちの番号もアドレスも削除して。

アパートも引っ越しました。

こうして完全に、前職との関わりを断ちました。

新しいアパートに、彼ら2人の披露宴の招待状が届きました。古い住所から転送されてきたものでした。

私は粛々と

『欠席』

に丸をして返信しました。

それが15年前のことです。

そのあまりに強烈な経験のせいでしょうか、今の会社に就職した私は、前職以上に仕事に精を出しました。

男は前の女を、ものすごく引きずる、という話はよく聞きます。

私もすごく引きずりました。

電話番号やアドレスを削除してしまったことを心から悔やんだこともありました。

その度に、メンタルを仕事に向け、誰もが嫌がる仕事も引き受けて気を紛らわせました。

その仕事ぶりが評価され、入社して半年足らずで私は本社に呼ばれ、本社勤務となりました。

そこでも粉骨砕身、仕事に精を出しましたが、やはりまだ、引きずるものはありました。

入社して7年経っても、まだ引きずっていたと思います(笑)

ちょうどその頃、他の営業が嫌がって投げ出した、厄介な得意先を私が預かることになり。

そこで働く、『宇宙戦艦ヤマト』の森雪に似た美人と知り合いました。

あんな美人と私が釣り合うはずがない、最初はそう思っていましたが、なぜか彼女が私を気に入ってくれました。

美波のシコリはまだ大きく胸に残っていましたが、森雪さんと付き合ううちに、その痛みは少しずつ和らいできました。

3年付き合って、私たちは結婚しました。

やがて私は支店を任される立場になり、本社から最初の勤務先、つまり私の地元に戻ってきました。

営業部の支店のメンバーを統括することが仕事です。

入社2年目のA君の営業成績が振るわないことが心配のタネでした。

そのため私はA君の受け持ち地域を頻繁に自分の足でも周り、A君に営業のヒントを与えていました。

A君の商区にある、個人経営の小さな喫茶店。

駐車場も広く、全面禁煙で、コーヒーも料理も美味しい。

私はA君の商区を回るときは必ず、その喫茶店でお昼を食べるようにしていました。

支店管理者になり半年が過ぎたある日。

いつものようにその店で、毎回注文するお昼の定食を頼んで、待っていると、

「博クン」

と声をかけられました。

テーブルの前に…。

美波が立っていました。

私は息を飲みました。

15年後の彼女は、少し、太っていて。

顔つきや手の甲などから、決して幸せな15年ではなかったことが伺い知れました。

それでも、やはり。

彼女は私の、どストライクな女性でした。

「この店、B子の旦那さんのお店なの」

B子は高野連女子のメンバーの1人です。

「B子、厨房にいるの。博クンを見かけたって教えてくれて。私、ここのそばのマンションに住んでるから、次に見かけたら電話くれるって言ってて。今、電話が来たから飛んできたのよ」

15年前のことなどなかったかのように彼女は笑顔で私に話しかけました。

『帰れ!!』などと言って大人気ない態度を取るのも良くない。

『ずっと君を思っていたよ』などと物欲しそうな態度も良くない。

私は適度な距離感を置いて彼女と対峙しました。

「私たち…。変な別れ方、したから」

彼女は言いました。

「そんなことないよ」

と私は言いました。

15年も前のこと。もう忘れたい。

それでも。

一度は愛した女です、私はどうしても憎み切ることはできず。

ずっと彼女の話を聞いていました。

問われるままに名刺を渡し、現在の仕事のことも説明しました。

武藤美波となった彼女は、子供といる時以外は幸せを感じたことはない、と言い始めました。

「あの人…。浮気ばっかりしてて。結婚前から二股してたのよ。最低。そのことを私が責めたら、暴力で黙らせるの。そんな人なの」

そんな人であることはわかっていたように思う。でも君が彼を選んだんだ。

そういう言葉が喉から出かかったけれど、私は飲み込みました。

「娘がいるの。今年で中学3年生。私の生きがいは娘。あの子といるときは幸せだけど、主人といて幸せを感じたことはないわ」

彼女はスマホから娘の写真を見せてくれました。彼女に生き写しと言っていい、とても可愛らしい中学生でした。

ただ、父親の血を引いていて、背がとても高い少女でした。

写真の中の少女は、お母さんより頭一つぶん、抜き出ていました。

私は聞き役に徹しながら彼女の話を聞きました。

1時間、2時間と、私たちは話を続けています。

やがて彼女は、かなり突っ込んだ話題をするようになってきました。

そして彼女は、15年前の真実を話してくれました。

「ある夜。従業員出口で武藤が私を待ち構えていて。どうしても晩ご飯を奢るって言って聞かないの。あまりにしつこくて。従業員出口でもめ事を起こしたくなかったから、仕方なく付き合ったの。ホテルの高級なフレンチだった」

「そのあとも、ホテルのバーに誘われて。夕食がかなり高価なコース料理だったこともあって、高価なワインも飲んでたこともあって。断りきれなくて。バーに行ったの」

「そこで何かを飲みました。なんだったか覚えてないけど、カクテルかな。それを飲んで…。その後の記憶は一切、ないの」

レイプドラッグ。

確かに当時、ハ○シ○ンなどレイプドラッグと呼ばれる睡眠薬を手に入れることは、そう難しいことではありませんでした。

彼女は強引に武藤と夕食を共にされた際、レイプドラッグで意識を失い、

そのままホテルに連れ込まれ、レイプされたのだそうです。

「目が覚めたときは全裸。レイプされた後だったの。あいつ、ニヤニヤ笑いながら。ゴムもつけずに中出ししたって。私もすごく感じてたとか、まるで合意があったかのような言い方で私に接してきた。殺してやりたかった」

「1ヶ月後。妊娠が発覚。私、自殺しようかとも思った。でもお腹の赤ちゃんには何の罪もない。私は武藤に迫ったわ。責任を取れって。最初は知らぬ存ぜぬだったあいつだったけど」

「私、万一のことを考えて、あの夜のあの男の体液がついた下着を保存してた。DNA鑑定でも何でもして、彼が子供の父親だって証明してやるって脅したの」

「武藤が、責任のとり方として結婚って選択肢を出してきた。私は嫌だったけど…。他にどうしようもなかったの。だから結婚した」

彼女は目に涙をためながらそう言いました。

それを告白することで私への贖罪にしたいなら、と思って、私は最後まで聞きました。そして言いました。

「なぜ、それを相談しなかったの?俺とか、高野連女子とか。あるいは人事とか…。」

と私は聞きました。

「相談なんか…。できるわけない」

と彼女は言いました。

そうかもしれません。もし彼女のいうことを全て信じるのであれば、今の日本社会は、

「スキを見せる女も悪い」

という風潮があり、レイプの被害者は2度、辱めを受けると言います。

不本意な結婚生活ですが、生まれてきた娘さんとの時間は何物にも代えがたく。

15年間、我慢してきたそうです。

「あと3年。娘が高校を卒業したら…。きっと離婚すると思うわ」

気がつけば3時間以上、4時間近く彼女と喋っていました。

「帰社しないと」

私は厨房にいるB子さんに挨拶をして、支払いを済ませて、

「美波…さん、ご自宅まで送るよ」

といい、彼女を営業車に乗せました。

「すぐそこだけど…。お言葉に甘えちゃおう」

と笑う彼女の笑顔は、15年前のものでした。

車を発進させ、しばらくして彼女が言いました。

「ソファのこと、覚えてる?」

私は車を傍に寄せ、ブレーキをかけました。

「覚えてるよ」

「もし、今、またソファを動かして欲しいって言ったら…」

彼女は私の目を見ながら言いました。

「手伝ってくれる?」

40歳になり、太ってしまって、肌のツヤも昔とは比べられなくなりましたが、それでも彼女は美しく、私の中のマドンナでした。

平たく言えば、彼女は今からセックスしよう、と言ってるわけで。

タダで、ずっと好きだった女とおまんこできるわけで。

私の心は動きました。

しかし15年前の、あの鼻腔から炎が噴出すほどの興奮はなく。

冷静に事態を分析する思慮を持ち合わせていました。

タダでおまんこできる、これは大変な魅力です。

喫茶店の中では、15年前のあの夜、なぜ私とセックスしたのかを聞くことはできませんでした。

喫茶店で聞ける話題ではありませんでした。

しかし、想像はつきます。彼女はきっと、こう答えたでしょう。

彼女は、私のことを大事に思っていてくれて。

こんな事態になってしまったことを心から悔やんでいて。

せめて最後に私との思い出を作りたいと思った。

そんな言葉を並べ立てたことでしょう。

しかし、私は知っていました。

それらがすべてウソであることを。

さっきの喫茶店での話も、すべて作り話であることを。

というのも…。

本社からこっちに戻って3ヶ月が経ったころ、

私は偶然、武藤に会ったのでした。

武藤は15年前と変わらず、スーツの肩にはフケが溜まって、スラックスは折り目がなくテロテロ。ワイシャツはヨレヨレで糊が効いていなくて。

不潔な印象を与える男でした。

駅で私を見かけた彼が、私に声をかけてきたのでした。

「飲みましょうよ、昔のよしみで」

全く気乗りしませんでしたが、地元に戻ったばかりということもあり、少しでも情報が欲しかった私は付き合いました。

その席で彼から聞いた話は、人生で耳にした話の中で、

文句なくベストワンに輝く、驚くべき内容でした。

まず彼は、私が抱いていた美波のイメージを根底から覆す話を始めました。

「美波ってけっこうなビッチでさ。歳が近い男とヤリたがるタイプ。あんたが車で女の子たちを野球観戦に連れて行ってた頃には、もうオレ、美波とセフレだった」

「オレがデカチンって知ってたし。背が高い男が好み、とか言って。オレが口説いた1週間後にはもうヤレてた」

「安全日の中出しなんかはフツーにやらしてくれてた」

「でもなんでシクったか知らないけど、子供ができて。あいつ、焦ってたなあ…。オレとは結婚する気は無いってはっきり言われたよ。」

忌み嫌う彼が、かつて私が愛した女性を蔑む言葉の数々。

もちろんこの話を信じるような私ではありませんでした。

クズが自責の念にかられ、彼女を悪者にした話をでっち上げている、そう思い。

飲みの席で、彼への強い憎悪が頭をもたげていました。

ところが…。

彼のその後の話を聞くと…。

彼を信じざるを得ない状況になってきました。

「で、あんたのもとに走ったわけ。あんた、美波とヤッただろ?」

頭を殴られたような衝撃を受けました!!

私と美波がセックスをしたことを彼が知ってる?!

いや、きっとカマをかけてるだけ。私は頭を振って否定しました。

「しらばっくれんなって。全部美波から聞いて知ってるよ。ソファだっけ?を動かすのを手伝ってっていうと、ホイホイ家についてきたって」

「今夜は帰さない、とか言ったら鼻の下伸ばして喜んでたって」

「美波はあんたと寝て、腹の子をあんたの子だって言うつもりだったんだ。誤算は、あんたがコンドームをサイフに入れてたってこと。」

「あいつ、自分が着けてやるって言って、あんたのチンポにコンドームをつけたろ?力を入れ過ぎて破るつもりだったらしいぜ。でも意外にコンドームって破れず、仕方なく着け終わっちゃったって言ってたよ(笑)」

「2個目もあいつが着けたろ?ザーメンまみれの手じゃあ、もうとても破れなかったってさ(笑)で、コンドームがなくなって3発目。中出ししていいって言われたろ?でもあんたが断った。根性なしだって言ってたぜ」

武藤の話の中にはレイプドラッグなどは出てきませんでした。

もちろん、これが真実かどうかはわかりません。レイプドラッグを主張する彼女の言い分が本当なのかもしれません。

しかし少なくとも、美波はあの夜のことを武藤に喋っています。

私と美波しか知り得ないことを武藤に喋っています。

そういう意味では、裏切り者は美波で。

武藤の話に分があるのは明らかでした。

「こうも言ってたぜ。おまんこの相性は、あんたなんか、オレの足元にも及ばないって。ああ、これは言わないほうがよかったな、勘弁してくれ」

全身の血流が逆転するかのような、

戸惑い、怒り、絶望、

あらゆる負の感情が押し寄せてきました。

しかし、15年の経験は私を強くしていました。意外に手も震えず、声もいつものままで、私は彼に尋ねました。

「じゃあ何で俺だったんだ?美波は歳が近い男が好きなんだろ?何で俺を罠にはめるみたいなことをしたんだ?」

と私は武藤に聞きました。

その質問に対する、武藤の答えは…。

と、ここまで思い出した時。

しびれを切らした美波がもう一度、私に言いました。

「ソファ、また新しいの買ったから。古いのを動かすの、手伝って…。15年前みたいに」

いうまでもなく。

あり得ません。

「悪いけど帰社しないといけないから。ソファの手伝いはできないよ」

私はそう答えて、ギアをドライブに入れると車を車線に戻し、

彼女のマンションで彼女を下ろしました。

車の外の彼女は、呆然とした顔で私を見送っていました。

私はギアをドライブに放り込み。

彼女のマンションから離れて行きました。

ハンドルを握りながら、武藤の言葉を思い返していました。

「何で俺を罠にはめるみたいなことをしたんだ?」

私のこの質問に対して、武藤はこう答えました。

「美波は、結婚するならあんただって決めてたんだ。あんたのことが好きだったんだ。オレはただの、性欲を満たすセフレ。間違って子供ができて、焦って。とにかくあんたの子供ってことにしたかったんだ」

「あんたはオレなんかよりしっかりしてる、仕事で成功するのはオレじゃなくてあんただって読んでた。あんたを好きな理由はそこだった」

「でもさ、あいつってホンット、バカだよな?(笑)考えてみろよ、今うちの娘、中3で身長175センチだぜ?(笑)どう考えてもオレの娘だろ?いくらあんたがお人好しでも自分の子じゃないって気づくよな(笑)」

今は愛する妻がいます。もう昔の私ではありません。

今夜は妻と、いつもより仲良しになろう。

美しく優しい妻を抱き、あんな女のことなど忘れよう。

会社に戻ると、さっき教えてもらった彼女の電話番号をすぐに削除しました。

15年前はこうして乗り切ったので、

今回もこうすれば、乗り切れるだろう、そう思って。

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