高2の修学旅行の直後、ある写真が男子の間で密かに拡散された。
それは、携帯電話で撮影されたもので、暗い部屋で撮影されたために画質は悪かったが一瞬で有名になった。
なぜなら、そこに写っていたのは、暗いライトに照らされたジャージ半脱ぎ状態の誰かの下半身だったからだ。
しかもなんと、撮影者の手が丸出しの白い無地のパンツを引っ張ってずらしていたので、完全に大事な部分が丸見えだった。
先に寝た誰かへの悪戯は男子の方でもあったが、女子の陰湿さと過激さには多くの男子が驚かされた。
ただ、結局大きな問題にならなかったのは、その恥ずかしい写真を撮られた子が特定されなかったからのようだった。
最後には、どこかのAVからとってきた写真じゃないかという説が主流になり、話題に上がらなくなっていった。
だが、自分は実はこの被害者を知っている。
なぜなら、撮影者本人が話しているのを聞いてしまったからだ。
「キミら、T本先輩のこと好きぃ?」
某男女合同運動部の、後輩男子数人に囲まれていたのは、学年では嫌われ者のW子だった。
「T本先輩っていつもスパッツを中に穿いてるけど、キミらパンツ見たことある?」
首を横に振る男子たちを前に、W子は満足そうだった。
「これ、誰のパンツでしょうか?」
W子は、自慢げに自分の携帯電話の画面を彼らに見せつけていた。
「この地味パンツは、寝てるこの子でした~」
「マジ!?」
「ガチでT本先輩!?」
どうやらW子は、ジャージ半脱ぎ状態の写真と、寝ているT本さんの写真を彼らに見せているようだった。
確かに、W子はT本さんと同じ部屋だ。
あのパンツをずらした写真ではないが、寝ているT本さんのパンツ丸出し写真ということは、W子が犯人の可能性をかなり高めていた。
そんな疑いが確信に変わったのは、その数十秒後だった。
「うおおお!」
「これヤバっ!丸見え!」
「あの人神かよ!」
男子たちが大興奮したのは、先ほどの2枚の写真のオマケとして、W子が送った別の写真を見た時だった。
その反応を見る限り、彼らが手にしたのは例の丸見え写真だったのだろう。
「今日どんな顔して先輩に会えばいいんだよ~」
「絶対あれが浮かんでくる~」
先輩の秘密の部分を、本人の知らないところで見てしまった彼らは舞い上がっているようだった。
たぶんあの写真の真実を知っている男子は、自分と彼らだけだろう。
そして、同級生男子の大半と、後輩男子部員全員に秘部を見られたことをT本さんは今も知らない。