翌日、彼女は昼ちょっと前に一人で出かけた。たまには一緒に出かけたいと思ったが、エッチでアブノーマルなもの?を買うので、私がいると恥ずかしがって足手まといになると言う。
帰ってきたのは夕方。テレビでは“ちびまる子ちゃん”がボケていた。
「新宿に行ったんだけど、遊びで馬券を500円だけ買ったら大万馬券!300倍以上ついたから、16万ぐらいになっちゃった。」
「そりゃあ、凄いね…」
これだけの万馬券をゲット、彼女の機嫌の良さも分かります。途中でお酒を引っ掛けてきたのか?テンションが高く、その機嫌の良さそうな顔に赤みがさしていました。
大きなボストンバッグを下ろします。
ガテン系で鍛えられているとはいえ、彼女は22才の女の子なのです。これだけ大きなバッグを抱えて新宿まで行くのは大変だったでしょう。
私も彼女も免許を持っていない。
ボストンバッグから取り出されたものは、私の想像をはるかに超えていた。
アナル拡張トレーニング用の様々な器具。浣腸やローションまである。
私を一番驚かせたのは、ペニスバンドでした。彼女はこれを装着して私を犯そうとしているのでしょうか?
更にSM道具と思しきロープ、鞭、蝋燭等々(SMまでやろうとしてるのか?)。
二種類のウイッグもあった。
「これだけのもの、結構お金かかったんじゃないですか?」
「かかったけど、万馬券ゲットしたから痛くも痒くもないよ。」
彼女はそう言うと、宙に鞭をビュッと振り、私に顔を向け意味ありげにニヤッと笑いました。私の頭の中は真っ白になったのは言うまでもありません。
「疲れたからシャワー浴びるね。」
シャワーを終えると晩酌が始まる。
ビールと好きな芋焼酎ロックを飲みながら、新宿へ久しぶりに行って楽しかった!と、機嫌のいい彼女は、愉快そうにいつにも増してよく喋りました。
その純な笑顔を見ると、やはり普通の22才の女の子なんだなと思うのです。
「あの…。凄いもの買ってきたね?」
「驚いた?でも、あれって普通だよ。今度の土曜日でもやらない?」
「やらないって、何を?…」
「決まってるじゃない。記念すべき、私と土居さんの初体験やろう。」
私はただ単に、男女逆転のセックスを試してみよう…ということだと思っていました。それでも異常です。
彼女は私の想像を遥かに超えることを考えているのかもしれません。
私はちょっと気になることを、彼女に聞いてみました。
「永井さんは“男として女の子を抱いてみたい”と、ずっと考えてきたって言ってましたよね?⇀」
「・・・・」
彼女は軽く頷いた。
「でも、その相手がなんで僕なんですか?僕はいくら女装しても、肉体は男性なんです。他に、、同性の友達や知人に頼めなかったんですか?」
彼女はしばらく真剣な眼差しで私を見つめていた。そして、言った。
「私とするの嫌なの?」
「あ、ああ、、いや、、、」
「こんなアブノーマルなこと、同性の友達に頼めると思う?みんな離れてしまう。土居さんをおぶってこの部屋に送って、服を脱がせた時に思った。こんなエッチでエロい下着を身につけちゃって、ああ、この人は私と同類だって…嬉しかったんだよね。」
「・・・・」
「ネットでパートナーを探すにしても、知らない人は嫌!それに、女の子を抱いてみたいだけじゃない。自分より強いはずの男性を支配してみたいって願望もあるの。」
「支配?」
「大丈夫。あまり乱暴なことはしないから私に任せて。私と土居さんの初体験がうまくいったら、土居さんには私の女になってもらいたいな…」
彼女は自分が言ってることが分かっているのだろうか?
女が男に言う言葉ではありません。私が彼女に言うならともかく、逆に“乱暴しないから任せて”なんて…。
でも、私には分かっています。彼女におぶわれた時、体格は同じでも私は彼女よりずっとか弱いと感じました。
「土居さんも興味あるでしょ?嫌なら嫌って言って…。私がここに転がり込んだのは、土居さんなら、こんな私の願いを聞いてくれると思ったから。嫌なら出ていくよ。どうする?」
少し怖い気もしましたが、その魅惑的な誘惑に、私は自分の男性器がエレクトするのをはっきり自覚しました。
彼女の目は、そんな私の気持ちを見透かしているように、悪戯っぽい笑みを浮かべています。
「じゃ、決定!今度の土曜の晩。抱いてあげるからエッチな女になってね。それまでオナニー禁止よ。たっぷりためておいてよ。楽しみね…」
私は無言でコクンと頷いた。
「じゃ、おやすみぃ~!」
あんな歪んだ性欲の話をしておいて、彼女は何事もなかったように眠ってしまうのだろうか?
彼女だって初体験だと言っていたのに緊張しないのだろうか?
こんな妄想の中、今度の土曜日まで自慰行為禁止?苦行です。
翌日からの一週間。
仕事中も土曜の晩のことを考えると、仕事に身が入りません。妄想の中で遊んでミスを犯したことを思い出し、私は細心の注意を払いどうにか一週間を乗り切ることが出来ました。
その間、彼女もあまりその話題には触れず担々と日々が過ぎていきました。
そして、土曜日が来たのです。
その日、彼女は休日でした。
私は午前中は仕事だったので、それを終えると、スーパーへ寄り惣菜を買って、2時過ぎに帰りました。
今夜のことを考えるとドキドキです。
彼女は既にリビングで、スナック菓子を肴に缶ビールを飲んでいます。
私はサンドイッチに牛乳。
「今夜、私は童貞を捨てて男になるんだね…。ネットで色々女の子の扱い方を観て研究したけど、なんか緊張して来ちゃった。うまく出来るかな?」
いきなりそんなことを言われて、私は赤面してしまう。こんな彼女の緊張した顔は初めて見ました。
「土居さんは私に処女を捧げるのよ。私の女になる覚悟は出来てる?」
「え、ええ…」
「不安よね?でも、痛くしないから安心して。やさしくするから。」
すると、彼女は自分の部屋から何かを持ってきた。
ブラックのタイトスカート、白いブラウス、ストレートロングのウィッグ、パンスト、化粧品。ウイッグは先週彼女が新宿で買ってきたものだ。
「・・・・」
「私のお古だけど、土居さんにサイズピッタリだと思うよ。」
「え!今、着るんですか?」
「そう。今夜いきなりベッドインじゃムード出ないでしょ?それまで、食事しながら男と女の気分を味わおう。」
下着女装オンリーだった私にとって、アウターまで、そしてメーク?完全女装は初めてだったのです。
ふと、彼女の姿をよく見ると、いつにも増して男っぽい服を着ている。
私はこの男?(人)に、女にされてしまうんだ。ちょっぴり怖い…。
続きます。