あれから4か月が過ぎましたが、由佳ちゃんの姿は1度も見ることはありませんでした。
でも、律子の話では毎週のように会っているとのことでした。
「由佳ちゃん、高◯3年だから就職活動始めたんだって」
「そうなんだ。進学しないんだね」
「うん。由佳ちゃんね、父親が早く亡くなって母親に育てられたんだって。しかも、母親も半年前に亡くなってしまったの」
気が付けばもう12月。
律子と本格的なお付き合いが始まって、1年を過ぎました。
「由佳ちゃんね、あなたのこと・・・すごく気にしてた。会ってみたいって何度も思ったんだけど、律子さんがいるからって・・・。私が一生懸命頑張っても、2人の中に入れないって分かったって。彼女・・・泣いてたわ」
「由佳ちゃん・・・」
7か月前、由佳ちゃんは彼との立ちバックで処女を失いました。
その姿を見た私たちも、初めての野外エッチを経験しました。
そのエッチを由佳ちゃんに見られましたが、律子は由佳ちゃんを本当の妹のように可愛がり、デートにも一緒に誘っていました。
服はバストのサイズが違いすぎる(律子はFカップ、由佳ちゃんはAカップ)ため、お互いにミニスカートを交換したりして仲良くなっていきました。
3か月前、由佳ちゃんの希望で彼女の前で私たちはバックスタイルで結合しました。
激しく喘ぎ、頂点に達する律子の姿を見て、由佳ちゃんは私への気持ちを封印したのでしょう。
せめて、好きになった私の子供だけでもと、由佳ちゃんは妊娠しやすい立ちバックを選んだのでしょう。
20代より10代の方が妊娠しやすいと言います。
律子は由佳ちゃんといろんな話をした中で、由佳ちゃんが私の赤ちゃんを産みたいと告白しました。
もし妊娠したら、もう私とは会わないと。
律子はものすごく悩み苦しんだ末、苦渋の決断をしました。
それが、4か月前にした律子と由佳ちゃんとのエッチだということを。
「実はね、私・・・、妊娠したの。そして、由佳ちゃんも・・・」
「えっ、律子・・・妊娠」
「うん、しばらく生理がなくて・・・、そうしたら、由佳ちゃんも生理が止まったって。2人で一緒に産婦人科に行ったの。私たち・・・妊娠4か月目だって・・・。嘘じゃないよ。ほら、これが区役所でもらった母子手帳。あっ、由佳ちゃんの母子手帳も借りてきたの」
律子の母子手帳は薄いピンク色。
母と赤ちゃんのイラストがあり、その下に律子の名前がありました。
由佳ちゃんの母子手帳は、薄いブルー。
こちらにも母と赤ちゃんのイラストがあり、その下には由佳ちゃんの名前が。
「由佳ちゃんと私は、予定日が一緒なの。一緒に母になるために頑張ろうねって言って抱きあったの。由佳ちゃん、泣いてたわ。だって、18で母になるんだよね」
「律子、結婚しよう」
「うん」
私たちは抱きあってキスをしました。
次の日曜日、私たちはお互いの家に挨拶にいきました。
律子の両親はすごく驚きましたが、孫の顔が見られると喜んでいました。
そして、結婚式は4か月後に決まりました。
その頃は、律子は妊娠8か月目を迎えます。
律子のお腹は、少しずつ大きくなってきました。
律子は大きなお腹をさすりながら、お腹の中の赤ちゃんに何か声をかけていました。
そして2月、律子が妊娠6か月を迎えました。
雪がちらつき、寒い日でした。
「ねぇ、由佳ちゃんに会ってみたい?彼女も妊娠6か月よ。早いわねえ、来月は由佳ちゃん、高◯の卒業式よ」
一瞬悩みましたが、私は受け入れることにしました。
待ち合わせは、市内にある日本庭園のある場所。
2人で行ってみると、髪を短くした女の子が立っていました。
ピンクのマタニティードレスです。
「由佳ちゃん」
「お姉さん」
「うわあ、可愛いね。お腹、大きくなって」
「今日、産婦人科の定期検診だったんです。女の子だって」
「良かった。私も女の子よ。同級生ね。仲良くしてよ」
「お姉さん、4月に結婚式をあげるんですね」
「うん、夫婦になって・・・、仕事は・・・産休を取ろうと思うの」
「私は、シングルマザーになります。なんとか就職先は決まったけど、出産したら大変かなあ」
「由佳ちゃん、お久しぶり」
「あっ、こんにちは」
「由佳ちゃんのことは、律子から聞いたよ」
「そうだ、結婚式の時は私も・・・いいですか」
「由佳ちゃん、大歓迎よ」
「うれしい」
3人でゆっくりと日本庭園の中を歩いていきます。
「お姉さん、彼と並んで歩いてもいいですか」
「うん」
「ありがとう」
由佳ちゃんは私のそばに来ると、体を預けてきました。
私は由佳ちゃんの肩を抱き、ゆっくりと歩き始めました。
「なんだか、夢を見ているみたい」
「由佳ちゃん」
「律子さんに私の想いを伝えた時、すごくおどおどしてた。でも、律子さんってしっかりしてる。断られるかな、そうなっても仕方ないって思ったから。だから、私にも妊娠が分かって打ち明けた時は2人で抱きあって泣いたけど」
「来月、高◯の卒業式だね」
「うん。あなたの赤ちゃんがここにいるから、辛くてもここまで来れたわ」
「産まれたら、時々見せてね」
「はい、早く体を元に戻してミニスカート履かなきゃあ。そして、またあなたに元気をもらうんだあ」
「由佳ちゃん。本当に彼と別れたんだ」
「うん。彼からの電話やメールがしつこくて。だから、今月彼に会って大きなお腹を見せたの。そして、私には好きな人ができました、そして、大好きな人の赤ちゃんも授かりました。もう、来ないでくださいって言ってあげたんだ。
ああ、すっきりしたあ・・・」
「由佳ちゃん、すごいな。私が由佳ちゃんだったら、そんなことはできないな」
「私は、1人じゃない。だって、好きな人の赤ちゃんを授かることができたんだよ。結婚はできないから、せめて赤ちゃんだけでもって律子さんに何度もお願いしたの。さすがに、(あなたとのエッチが)2回目とは思ってなかったみたいだけどね」
思えば、激動の1年だった。
律子とのお付き合いから始まって初体験。
初めての青姦。
由佳とのエッチ。
そして2人の妊娠。
結納。
結婚式の決定。
まるで、昨日のことのように思えた。
だが、悲劇は突然やってきた。
結婚式の1週間前、律子が横断歩道を歩いていた時に車にはねられ、意識不明となってしまいました。
そして、4日後に帰らぬ人となってしまいました。
大切な、私との愛の結晶と一緒に。
私は、律子の葬儀に参加することができませんでした。
「ツラいと思うけど、律子のことは忘れてください。そして幸せになってください」
それが、彼女のご両親の言葉でした。
由佳ちゃんは律子の葬儀に参加した後、姿を消しました。
35年の間で一度も彼女ができなかった私に、突然湧いてきた幸せな時は、こうして静かに幕を下ろしました。
彼女たちのことを忘れることができなかった私は、しばらく彼女も作らないままでした。
心配した両親がお見合いを勧め、50にして初めての結婚をしましたが、わずか2年で終わりを告げました。
20年前の出来事を、今も鮮明に覚えています。
そして、時々思い出すのですね。
ハッピーエンドにならなかったけど、読んでいただき本当にありがとうございました。
拙い文章でしたが、たくさんの方に見ていただいたこと、とても感謝しています。
もう、ここに投稿することはないと思いますが、今は後悔していません。
素直に話せたこと。
とてもびっくりしています。
最後にもう一度・・・言わせてください。
本当にありがとうございました。