「先輩、今日遊びに行っていいですか?暇ですよね?」
「暇だけど決めつけるのはやめてくれる?」
「今から行きますね♪」
メッセージをやりとりした数分後、インターホンが鳴り俺は鍵を開けた。玄関先には梨花が携帯を片手に手をヒラヒラさせながらドアが開くのを待ち構えていた。
「…早くない?」
「メッセージ打ちながら来ました!」
狭い学生アパートの玄関を通り抜け、ワンルームの部屋に上がり込んだら梨花は俺の方を振り返ると
「…ただいま。また帰って来ちゃった。」
と少し照れながら言った。それに俺は「おかえり。」と言って梨花を抱きしめた。
また彼氏と別れた事は、既に聞いていた。
そうでなければ梨花が来る事もないし、俺も部屋に梨花を上げる事はない。
体の関係はお互いに恋人がいない時だけ。そういう線引きがされている。
少しの間抱きしめた後、どちらからとも無くキスが始まり、次第にお互い舌を絡めあっていった。
「ん…ふぅ…ん…♡」とキスをしながら声をあげ、次第に感じ始めた梨花は体を俺に預け甘え始めた。
キスをしながら俺はずっと梨花の事を考えていた。
数日前まで別の男と付き合って、もちろんセックスもしていたのだ。俺の知らない間に、どれだけ抱かれたのか。気にならないわけではなかった。
しかし、自分と違いきちんと彼氏として付き合ってきた彼らを責める事はお門違いも甚だしく、嫉妬する資格すら俺には無い。
…それに、これから嫌でも分かってしまう事だ。余計な事は考えず、行為に身を任せる事にしよう。
梨花をベッドまで誘導すると、膝までの長さのスカートの中に手を入れ、内腿を愛撫し始めた。優しく摩ってやると、時折ビクッと反応しながら「あん…」と甘く声を出し始めた。
梨花の弱いところは、良く知っている。少しずつ服を脱がしながら、首筋、背中、内腿から少しずつ責めていくと梨花は内股気味になり体を縮め感じていた。
散々焦らした後、ショーツの中に手を入れるとビチョビチョになるまで濡れていた。
やっと性器に触れた瞬間に、梨花は「あぁん♡」と、もっと触れてと催促の声をあげた。
クリトリスは下からよりは上の方から触られるのが好き。クンニは舌を押し付けるようにじっくりされるのが好き。梨花の好きな触り方を、梨花が満足するまでしつこく触り続けた。
「先輩…私も気持ちよくしてあげる…」
そう言って梨花は俺のズボンを脱がし、手馴れた様子でトランクスの中に手を入れ、手コキを始めた。
亀頭をすべすべの指先で擦りながら丁寧に愛撫をし始めた梨花の触り方は、俺が知らない触り方だった。
そして、今度はピチャピチャとワザとらしく音を立てながら亀頭を舐め回し、喉奥までチンポを飲み込むと激しく頭を動かしてAVのようなフェラチオを始めた。
直接の刺激の快感と梨花の見せた事のない姿に我慢が出来なくなった俺は、コンドームを取り出し装着するとそのまま梨花の中に挿入をした。
「あぁぁぁ…やっぱり先輩の…いぃ…♡」
「痛くないか?」
「全然…♡いっぱい濡れてるから…ちょっとくらい乱暴にされたって平気ですよ…♡」
既にお互いの境界が分からなくなるくらい蕩けている梨花のまんこを引っ掻き回すと、ぐちゃぐちゃと音を立てて愛液が泡立っていく。
「あっ♡あっ♡ヤバいヤバい♡先輩、それ好きです♡」
「今までより感じやすくなってないか?」
「だってぇ…こんな気持ちいいの久しぶり…」
「こんな激しくしてたら…あんまり持たないぞ…!」
「いいですよぉ…イッて下さい…♡」
梨花の中で射精をした後、お互い抱き合って身体を預けあった。チンポが萎え、ゴムが緩む感覚が感じられるとそっとゴムが外れないように梨花からチンポを抜いた。
「…先輩って、やっぱ可愛いとこあるんですねw」
「いきなり何だよ。嬉しそうに…」
「だって、私が帰ってきた時のエッチって、いつもと違うの自覚してます?w」
「そうかぁ?」
「そうですよw私が弱いとこ、すっごく突いてくるんですよ。」
クスクスと笑いながら、梨花は続けた。
「…何かね、俺はちゃんと知ってるんだぞって感じなのがね、可愛いんです♡私愛されてますね♪」
「…次から優しくしないぞ。」
「先輩はそんな事しないから怖くないですよwそれに気持ち良くしてくれてるのは事実ですし。拗ねちゃヤですw」
梨花は下着を着ながら
「今日は泊まりますから、夜もしましょうね♡」
と嬉しそうに言った。
ひと段落ついた頃、梨花は俺の部屋にあるアコースティックギターを弾きながら鼻歌を歌い始めた。ピアノしか弾けなかったのに、1年で弾き語りで人前に立てるようになっていた。
彼女の歌声は相変わらず可愛いらしく、透明感のある声が俺は好きだった。
梨花は相変わらず奔放で、自由で、その姿は自分に無いものだ。そして音楽の才能に溢れている。女の子としてだけでなく、人としてその姿に憧れていた。
それが梨花に対して、彼女としては合わないと思ってしまった要因なのだろう。
自分に無いものを持つ彼女に対する憧れが劣等感に変わる事が、彼女を大事にするあまりに愛情を疑うようになってしまう事が、どうしようも無く怖かったのだ。
だから一線を引いた割り切った関係になる事で、他の男の所に行かれても裏切られたり嫌われたりした訳でないと自分に言い聞かせる事で、この関係を続けられているのだろう。
先輩として甘えられる事、音楽のパートナーとして側に居続ける事、寂しい時に頼ってもらう事。それが得られるなら、それでいいと思った。
「…梨花はギター上手くなったな。1人でも活動出来るくらいに。」
「そうですか?ありがとうございます。でもね、1人じゃ無理ですよ。寂しいですもん。」
「寂しいだけかい。」
「重要ですよ。支えてくれる人がいないと、人前では不安です。1人の方が不安要素は多いんですよ。」
「そんなもんなのか。」
「そんなもんです。私は1人よりも、先輩のギターで歌ってる方が好きですよ。」
「もっと上手いやつだって沢山居るけどな。何で俺なんだ?」
「先輩のギターってね、派手じゃないけど、ベースみたいに支えてくれるんです。一体感を作ってくれて、その中で歌うのが、好きなんですよ。」
正直、殺し文句だった。ずっと自分が目指したギターがやっと認められた気がしたのだ。
「先輩、顔赤いですよ?惚れました?w」
「あぁ、おっぱいがもう少し大きかったらやられていた。」
「もう、ホント最低。せっかく褒めてあげたのに。そうやって茶化す。」
「夕飯は作るから許してくれ。」
「…どうせ麻婆豆腐でしょ?」
「いらないのか?」
「…激辛でお願いします。…あ、でもニンニク控え目にして下さいよ。夜エッチするんですからね。」
「多目の方が元気出るかもしれんぞ。」
「…ばーか。」
のらりくらりな態度も適当な返答も、どれくらい見透かされているのだろうか。
梨花は少し呆れた後、ぺちんと俺を叩き少しだけ微笑んだ。