前回のお話の前日談にあたります。
前回のお話で脱がされた吹奏楽部の部長が加害者で部員を辱めていた時期のお話です。
このお話は創作がほとんどです。暴力やいじめを助長する意図はありません。
土曜日の部活練習後、久美子が部室に戻った時にはすでに3年生は勢揃いしていた。
「遅い!あなたどれだけ部活に迷惑かける気なの?」
「……ごめん……でも、片付けを私一人がするのはやっぱり時間かかるよ…」
部長の志穂に理不尽に咎められた久美子は思わず言い訳をする。
全体練習後、先生不在で3年だけのミーティングをする事になった時、志穂は久美子一人に備品の片付けを命じたのだ。
この部活における部長の志穂の発言権は絶対であり、過去に何人もの部員がターゲットにされて退部していた。
最近の志穂の増長ぶりは目に余る物があり、その事を注意した久美子が新しいターゲットとして、いじめを受けている構図だった。
「ここで甘い顔すると下級生に示しがつかないと思うんだけど。彩花と有紗はどう思う?」
志穂は取り巻きの2人に意見を求めた。
「私は遅れてくる久美子が悪いと思うよ。最近ちょっとたるんでるんじゃない?お仕置きが必要かも」
有紗が志穂に同調した意見を言う。
「……とりあえず、今日の議題を進めてからで良いと思うけど。」
彩花はやや消極的な意見を言った。
彩花は志穂の取り巻きではある物の、いつも志穂のわがままに振り回されて、内心では彼女への反感を持っていた。逆に志穂と小学校からの親友である、有紗は志穂の全面的な味方だ。
「そうだね。今日の議題は次回のコンクールの衣装についてだから、久美子にはペナルティでモデルをやってもらおう」
この言葉に久美子は内心ホッとした。人前でファッションショーをするのは確かに恥ずかしいが、想定されるペナルティとしてはかなり現実的な物だったからだ。
「じゃあ、久美子。制服の上からこれを着てみてよ」
志穂の指示で服を着ていく久美子。安心している彼女は志穂が不気味な笑みを浮かべている事に気づいていない。
「着てみました。部長」
久美子は制服の上から用意された装飾品を身につけていた。彼女たちの中学は夏服は白のブラウスにスカートという出で立ちだった。
コンクールの際には合服用のベストを着る事でクラシカルな雰囲気を醸し出せるようにしていた。更に昨年からは部費で購入した。赤いネクタイとベレー帽を被っていた。中学の名前に「赤」という漢字が使われている為、その辺りを意識した物だった。
「これが去年の冬のコンクールの衣装だね。みんな、どう思う?」
「別にこれでいいと思うよ」「男子の衣装とも相性いいし、良いんじゃない?」
「ちょっといい?」
肯定的な意見が出るなか、志穂が突然発言した。
「次のコンクールは夏休みでしょ?もう少し涼しげな方が審査員の受けもいいと思うんだけど。有紗、彩花、久美子のスカート長すぎるから、ちょっと短くしてみて」
「えっ、ちょっと何を……キャッ!ちょっと、やめてよ」
志穂の指示で有紗と彩花が久美子のスカートの裾を持って、引き上げたのだ。
「志穂、こんなもんでいい?」
「良いけど、下のハーパンが見えちゃってるじゃん。久美子、もう中3なんだから、スカートの下にハーパンとかやめてよ。彩花、脱がせてあげて」
「…………」
彩花は無言で久美子のハーフパンツに手をかけるとそのまま引き下ろした。
「いやっ、やめて‼︎」
久美子が悲鳴をあげるが2人とも手を止める様子は無い。
久美子のスカートを掴んだ有紗はそのまま、持ち上げていく。極端なミニスカートになった久美子のスカートの下からうっすらと下着が顔を出した。
「離して、お願いだから…」
久美子は身を捩って抵抗するが、小柄な彼女では2人の力には敵わない。
「なんか、スカート邪魔だね。斬新な衣装の方が受けそうだし、スカート脱いでみるか。彩花、お願い。」
「……志穂。男子もいるし、流石に可哀想じゃ無い?」
青ざめて言葉もない久美子を見かねて彩花が助け舟を出した。
「……これは部長命令だよ。彩花が替わりにモデルするって言うなら別に良いけど」
「………」「……大丈夫」
思わず言葉を失った彩花に小さな声で久美子が声をかけた。
“カチャッ、ジー、シュルッ”
その一瞬の隙に有紗は久美子のスカートのファスナーを引き下ろした。
久美子のスカートが音もなく床に落ちる。
(大丈夫…パンツじゃ無いから)
「なんだ、ブルマ履いてるんだ。ってかハーパンの下にブルマとか、意味不明だし」
久美子はスカートの下にブルマを履いていた。彼女達の中学は体操着のハーフパンツとは別に見せパンとしてブルマを履く生徒が一定数いたのだ。久美子もまた例外では無い。
「まぁ、制服にブルマってのも斬新で良いかもね。久美子、そのままフルート弾いてみてよ」
「えっ?この格好で演奏するの?」
「衣装合わせなんだから当たり前でしょ。」
久美子は困惑した。久美子にとってブルマは体操着ではなく下着だった。いくらパンツでは無いとは言え、恥ずかしい事に変わりはない。まして、上は制服となれば、「脱がされた」感が否応なしに周りに伝わってしまう。
「そんなに長くない簡単な曲だしノーミスでお願い。もしミスしたら衣装のせいだと思うから、選び直しだね。」
久美子は内心動揺しながらも自分に言い聞かせた。
(落ち着いてやれば大丈夫。服だってパンツじゃ無いから、恥ずかしく無い…)
意を決した久美子はフルートを構えて弾き始めた。
内心の動揺を抑える様に慎重に曲を奏でる久美子。ギャラリーの大半は志穂の横暴に良い感情を抱いていない為、久美子を内心応援していた。
曲の3分の2が終わり、一瞬空気が緩んだその時だった。
「久美子のパンツ絶対白だと思ったんだよね。こんなに子供っぽいとは思わなかったけど」
(っ‼︎)
突然の有紗の言葉に動揺した久美子は思わずしゃがみ込んでしまう。恐る恐る自分の太ももからお尻に指を這わすと、指先にふわりとした質感が伝わってきた。ブルマの無骨な手応えとは明らかに違う木綿の手応えだ。
久美子のブルマからは白いパンツがはみ出していた。それも、かなりの面積で。
あまりの恥ずかしさに久美子の顔が紅潮する。
「ちょっと。はみパンくらいで演奏止めるとか信じられないんだけど。」
志穂は冷たく久美子に言い放った。
「こんな簡単な曲もノーミスで行けないって事はやっぱり衣装が良く無かったって事かな?ねぇ、もう少し軽装の方が良いと思うんだけど、どう思う?有紗」
「賛成〜やっぱり夏は薄着じゃ無いとね。」
「ってか久美子、ちょっとパンツが見えたくらいでいつまでしゃがんでるつもり?」
「だって…」
「ウザイなー。もういいや、ちょっとあんた立ちな。手伝ってあげるから」
志穂は久美子を無理やり立たせると、いきなりブルマの中に手を突っ込んだ。
「いや、ちょっと!止めてー」
「動かないのパンツ直してあげるから。ってかあんたのパンツ、デカすぎじゃ無い?ブルマに入りきらないよ。」
久美子は恥ずかしさで気が遠くなった。
教室には3年生が20人ほどいた。もちろん男子だって含まれている。そんな大勢の前ではみパンを他人に直して貰うなんて…思春期の女子にとってはこれ以上ない程の恥辱だ。
「ダメだ収まらないや、脱がせちゃえ」
(えっ、今なんて?)
久美子がそう思った刹那、下半身が軽くなった。志穂が久美子のブルマを引き下ろしたのだ。
「なっ、ちょ、ダメ!いやっ」
あまりの出来事に再び久美子はしゃがみ込んでしまう。
「そもそもブルマ履いてるからはみパンが気になるんだよ。もう面倒だから、下着で演奏しなよ。斬新で審査員に受けるかも。」
「部長…流石にそれは…」
目に涙を浮かべて言葉を失っている久美子を見かねて彩花が再び助け舟を出した。
「…あんた、さっきからなんでこの子の肩持ってる訳?そもそも遅刻してきた久美子が全部悪いんだよ?あんたが代わりに脱ぐ?」
「…………」
いつにも増して残酷な事を口走る志穂に流石の彩花も言葉を失った。逆に有紗はノリノリで志穂に提案した。
「1分以内に下着姿になったら、それでOK。失敗したら裸で演奏ってのはどう?女子中学生の裸とか審査員のオッサンはイチコロだよ」
「そんなの…無理だよ…」
「だったら、早く脱ぎな!今なら下着は着てても良いから」
志穂の残酷な宣言を聞いても、周りの同級生は沈黙するだけだ。それ程までに、志穂の恐怖政治は部員たちに浸透してしまっていた。
助けは来ない。
久美子は両目に涙を溜めながらも意を決して服を脱ぎ出した。
ネクタイを外し、ブラウスのボタンを外す。ブラウスの下に着ている体操着の上着を脱ぎ去るとそこには白いタンクトップがあった。
「キャミソールじゃなくてタンクトップって所が久美子らしいね。リボンが付いててカワイイ(笑)」
有紗に嘲られ、久美子の顔が一際紅潮する。
「脱いだよ…これで、いいでしょ?」
上半身タンクトップ、下はパンツ、見るに耐えない姿になりながらも久美子は何とか服を脱いだ。
「いや、タンクトップも脱ぎなよ。ズルしないの。」
「えっ……だって、そんな……」
久美子にはタンクトップを脱げない理由があった。未だに胸の膨らみが乏しい久美子は普段からブラジャーをする習慣が無かった。つまりタンクトップを脱げば下は裸だ。
「……彩花、脱ぐの手伝ってあげて」
志穂が残酷な命令を下した。その口元は邪悪な笑みを浮かべていた。久美子がブラジャーをしていない事も、彩花が久美子に同情している事も全部分かった上での指示だ。
「いやー‼︎それは…ダメ。。」
(ごめんね…)
この状況では彩花に選択肢は無かった。心の中で久美子に謝罪をしつつ、彩花は必死に抵抗する久美子のタンクトップを脱がせた。
(嘘…こんなの…なんで)
ついに久美子はクラスメイトの前でパンツ一枚にされてしまった。
これは夢だと思い込もうとしても肌に触れる空気の冷たさが、これが現実である事を否が応でも伝えてくる。
「なんか、ちょっとフォーマルさが足りないね。よし、これを…こうして……っと」
志穂は落ちていたベレー帽を久美子に被らせて、さらに首元にネクタイを戻した。
ワンタッチの赤いネクタイを首に直接巻きつけ、頭には清楚なベレー帽を被る、しかし着ている服はパンツのみ。これ以上ない程に奇妙で卑猥な格好だ。
「ぷっ!本当に痴女みたい(笑)これで演奏したら金賞貰えるかもね。よーし、実際演奏してみよう」
(この格好で演奏…そんなの無理だよ…)
この状態でフルートを持てば胸が完全にはだけてしまう。それはなんとしても避けたい。
「お願い…もう止め」「パンツも脱ぎたいの?」
久美子の発言に語気を強めた志穂が言葉を被せた。その言葉には有無を言わせない迫力があった。
(誰も助けてくれない……だめだ)
抵抗する気力を失った久美子は絶望感に苛まれながらフルートを手に取った。
両手で隠されていた控えめな乳房が顕になる。そのあまりの無防備な姿に部員たちは息を飲んだ。
(何で…こんな事に…)
涙を流しながら演奏を始めた久美子。最早その演奏に力は無い。
志穂は部員の中で密かに人気のある久美子に嫉妬していた。自分以外の人気者を許せない志穂は久美子に部員の前でストリップまがいの痴態を晒させる事で彼女の心を完全に折るつもりたった。
(まだ、こんな物じゃ済まさないから…)
志穂は傷心の久美子に更に追い討ちをかける。
「パンツの次は毛がはみ出てるじゃん?恥ずかしい(笑)」
「‼︎」
“カラーン”
志穂のあまりにも卑猥な言葉にショックを受けた久美子は思わずフルートを落としてしまった。
「うっ、ひっく、うぅぅ…」
最早、周りの目を気にする余裕は無かった。子供のように泣きじゃくる久美子を尻目に志穂はあっけらかんと言い放った。
「バカだね。嘘に決まってるじゃん。そんなお子様用のおっきなパンツから毛がはみ出す訳ないじゃ無い。それともそんなに毛深いの?みんな、久美子のアソコ見たいよね?」
「……………」
誰も声をあげない。ギャラリーも被害者の久美子自身さえも、志穂の狂気についていけなくなっていた。
「おいで久美子、私が脱がしてあげるから」
「止めて…もう止めて…」
力なく呟く久美子。その姿に志穂の嗜虐心がさらに燃え上がっていく。
「脱ぎたく無かったらお願いしてよ。”私の可愛いパンティを脱がさないで下さい”ってね」
「……パンツ…脱がさないで…」
「パンツ?」
「ひっく……パンティ……パンティだけは脱がさないで下さい‼︎お願いします…」
「ふん…アンタの汚いアソコなんか誰も見たく無いっての。みんな、見ての通りだよ。衣装はちゃんと着ないと久美子みたいな恥ずかしい子になっちゃうから、去年と同じ衣装のままにしよう。」
(ようやく…終わった)
「彩花、なんか今日は反抗的だったね。罰として後片付けよろしくね。あと、久美子がもし今日のことチクったら、連帯責任で貴方にも恥ずかしい思いしてもらうから。そうね?みんなの前でオナニーするとかね(笑)」
ようやく溜飲が下がったのか、志穂は有紗を連れて教室を出て行った。
「あっ、あっ、あっ、あぁー」
緊張の糸が途切れたのか久美子が大声で泣き出した。彩花をはじめとした部員が今更ながら久美子の周りに集まる。
「流石にやりすぎでしょ?普通にドン引きなんだけど」「何あれ、調子に乗りすぎだろ」
志穂の大きな誤算は久美子が想像以上に部員たちの人望を集めていた事だった。
今まさに潮目が変わった。
志穂が部員たちに向けてきた狂気が巡り巡って志穂自身を襲うのはもう少し先の話。