妻、沙織の薬物レイプ事件 妊娠そして(改訂版)

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繰り返しで恐縮だが、これは還暦間近のとある夫婦の昔話だ。

色んなことがあったけど、今、俺たちは幸せなんだと思う。

でも、あの時は、、、あの時ほど神様を恨み、そして、やるせないけど、、神様に感謝した日々は、後にも先にも無かった。

看護師「奥様、妊娠の可能性があります」

事後処理は、秋男達の尽力で終盤をむかえていた。

入院直後は、発作的に自殺を考えるほどだった沙織の容態も日に日に落ち着いていって、、、いや、落ち着いていったと思っていたのは俺だけ、、、沙織はずっと悩んでいたんだと思う。

そして、、馴染みの看護師さんの報告を聞いたとき、俺は卑怯にもその可能性を考えないようにしていたことに気がついたんだ。

神様は本当に残酷だ。

そんな、俺たちのささやかな抵抗なんて、根こそぎ押し流して、俺たちに運命を迫るんだ。

醜いところも汚いところも全てをさらけ出させようとするんだ。

「沙織、、、。」

最初に浮かんだのは沙織の泣き顔。

病院での沙織の関係者は、彼女の身に何が起こったのかをよく知っている。

「、、、あの、、この事を妻は、、、」

看護師「生理が来ないことを奥様、ずっと気にされていたので、、、」

そうか、、もう知ってるんだ。

この先の病室にいる沙織は、この事を。

看護師「言うまでもありませんが、中絶するなら早めの方が良いです」

看護師さんは、気遣わしげにお辞儀をして離れて行った。

俺はこの場を動けなかった。

ほんの少し先の沙織の病室に入って、沙織に笑いかけて、そして、、、なんて言ったら良いんだ!?

神様は本当に残酷だ!!

ーーーー

「神様なんて本当にいないのかもな。」

秋男「、、、、、」

沙織のところに行かなきゃいけないのに行けなくて。

気がついたら俺は、病院のロビーから、相棒の秋男(親友、俺たち夫婦の実質の仲人)に電話で縋り付いていた。

「どうすれば良かったのかな。やっぱり転勤なんか断らせて、沙織を手離さなきゃ良かったのかな?」

秋男「お前があの時、土下座して頼んでたら、早見はきっと笑って会社辞めてたと思うよ。しようがないな~ってさ(笑)」

「、、、、」

秋男「無理やり仕事辞めさせたら沙織が沙織じゃなくなっちゃう、、、あの時、お前が言ってたセリフだぞ。忘れたのか?」

「、、、、言ってたな俺、、んなこと」

秋男「しっかりしろよ~、ついこの間まで、早見のために鬼やってたお前はどこいったんだよ~。」

「鬼か、、、やってたな、お前と」

秋男「今回ばっかりは手伝わないぞ?俺が行ったら早見、俺に惚れちゃうかもしれないし」

「ぼけ!」

秋男「今度は早見の前でやさしい鬼さん演じてこいよ。得意だろ?営業で役者やんの。いつものお前だよ」

「いつもの、、、俺か」

秋男「お前は早見を守ってくれるんだろ?お前なら何を言うのかはもう決めてるんだろ?」

「見透かしてやがんな、バッカやろう。」

秋男「そこは昔から信頼してる。うまくやんな!相棒!」

本当にあいつは。

、、、腹は決まった!!

ーーーー

沙織「みっちゃん(笑)」

ベッドから外を見ていた沙織が俺を見て微笑んだ。

こんな時なんだけど、なんて綺麗なんだろう俺の奥さん。

沙織「聞いたんだよね?」

「ああ」

沙織「不思議だね。去年、旅行先であんなにエッチしたのに赤ちゃん出来なかったのに」

「はは、、本当、あの時はひどいエッチばっかしてたよな。」

沙織「私の転勤で別居が決まってからは、みっちゃん、慣れないコンドーム頑張ってくれてさ」

本当、生外出しくらいやっとけば良かったよ。

「慣れてないからきっと失敗したのさ」

沙織が首を振る。

沙織「中絶は、早いほうが良いんだよ。明日、お医者様に伝えるの付き合って」

「沙織」

沙織「ごめんね、赤ちゃん。駄目な親で」

沙織が泣き出す。

沙織「きっとバチがあたっちゃうね。もしかしたら、もう子供が出来なくなっちゃうかも。そしたら、そしたらさ、あたし、みっちゃんの赤ちゃん、産めなくなっちゃうのかな。そんなの、そんなのやだよ~(涙)」

「沙織!!」

沙織が俺の胸で泣き続ける。

沙織「みっちゃん、みっちゃん!みっちゃん!!(涙)」

俺はさっきまでさんざん恨み言を吐いてた神様に頼みこんだんだ。どうかこのひととき、うまくやらせてくれと、、、。

「沙織、沙織、知ってるか?」

沙織「え、、」

「俺はお前が大好きなんだぞ、、、」

沙織「ふぇ?」

「お前の言うことなら、何でも叶えちゃうんだぞ、、何でもだ!!」

沙織「みっちゃん?」

「沙織、俺はお前が納得して堕ろすなら、全力で支える。それで、もう子供が出来なかったらさ、お前を一生、全力で守る。大丈夫!俺たち二人なら楽しく暮らして行けるさ」

沙織「みっちゃん、、」

「でも、でもさ、お前が少しでも産みたいなら、、それが赤ちゃんへの罪悪感でもさ、中絶への恐怖でもさ!」

沙織「、、、」

「それも全力で支える。どんとこいだ!!」

沙織は呆気に取られたような、ポカーンとした顔を見せてから、突然、ぶんぶんと首を横に振りはじめた。

沙織「だ、だめだよみっちゃん、、そんなことしたら、、そんなことをしたら、、いつかみっちゃんが壊れちゃうよ、、」

「壊れないよ、、、どんとこいだ」

沙織「みっちゃん!」

「沙織、俺たちは、A型とB型の夫婦だ。子供が何の血液型でもおかしくない。誰にもなんにも言わせない」

沙織「、、、」

「勘違いするなよ。産めって言ってるんじゃないんだ。沙織が本当にやりたいことを考えるんだ。無理に選択肢を狭める必要はない。どんな結論でも支える!!」

沙織「、、、うん」

「お前は、いつものように、やりたいことを俺に伝えてくれれば良いんだ。そしたらさ、後のことはさ、俺が全力でプランニングしてやるよ、いつものようにさ!」

沙織「、、うん、、うん!」

「あ、、でも、女の子生まれたら、俺に名前をつけさせて欲しいな~。夢なんだよな~」

沙織「みっちゃん、、(涙)」

「沙織に似た女の子だったら、ハーレムだよな~最高だよ」

沙織「バカ!バカみっちゃん!!(涙)」

沙織がまた泣き出す。

つられて俺も。

ひとしきり一緒に泣いてさ、沙織が言ったんだ。

考えるって。

俺、上手く役者さん出来たかな?

少しだけ神様に感謝かな?

沙織「でも、でもさ、みっちゃんのプランニングって結構穴があるからさ、駄目出ししても良いかな」

、、そういうとこ、本当、沙織だわ、、って思ったのは内緒(笑)

ーーーー

もうすぐ退院のある日、沙織が言ったんだ。

産ませてくださいって。

それと、、、

沙織「みっちゃん、退院したら、あたし、海を見に行きたいな!!」

ーーーー

沙織の退院の日、俺は車で迎えに行ってさ、その足で、鎌倉の由比ヶ浜に向かったんだ。

産むって話になったから、本当は安定期じゃないから医者は車での旅行には反対したんだけどね。

でもさ、あの時は、沙織の心を守るのが一番大事なんだ!って思ったんだ。

由比ヶ浜なんだけど、一泊ホテル取ってさ、ゆっくり無理しないようにさ。

季節はもう秋になってきててさ、由比ヶ浜の海を見ながら、沙織が言うんだ、今夜抱いて欲しいな!ってさ。

でもお前?って沙織のお腹見てたらさ、あんにゃろう、やっぱり汚れちゃったあたしは抱けないのね?って泣き真似しやがる。

そう言われたらさ、もうやらない選択肢なんか無いじゃん。

だからさ言ったんだ。

お前、お前の入院中に溜まりに溜まった俺のを舐めんなよって。

多すぎて赤ちゃん溺れさせちゃうぞ!ってね。

沙織は笑ってさ、赤ちゃん溺れちゃったら困るけど、

沙織「でも、あたしがみっちゃんで満たされたら、この子はみっちゃんの子だよ!」

ーーーー

やさしくしてね?って、沙織がベッドで微笑む。

悪りい今日ばっかりは自信無いって答える。

本当はあの日からずっと思ってた。

沙織を俺色に染め直したいってさ。

沙織とのセックスはいつもいつも綱渡り。

すぐ絶頂気絶しちゃう沙織を何度も何度も寸止めしてさ、何度も何度もよがらせて泣かせて、いっぱいおねだりさせてさ、それで奥突いて沙織が絶頂しても、こっちももう止まらないからさ。

助けてって許してって、言われるたびにどんどん愛おしくなってさ。

もう、うちの奥さん世界一かわいいだろ~とか叫び出しそうでさ。

端から見れば、勝手に一生やってろ~!、、って話なんだろうけどさ(笑)。

ーーーー

由比ヶ浜から帰って数日、やっと本格的に復帰した仕事場に、切羽詰まった沙織の電話が来たんだ。

沙織「みっちゃん、みっちゃん!助けて!!お腹が痛い!なんか変だよう!!」

ーーーー

沙織が救急車で運ばれた病院にあわてて駆けつけたらさ、もう全てが終わっていた。

もう沙織の中には、命の痕跡は無くなっていいたんだ。

あんなにあんなに悩んだ日々は、不意に流産で終わったんだ。

当たり前だけど、沙織はひどく落ち込んで。

心配で心配で、ずっと隣で、大丈夫だよそばにいるよと言い続けて。

だけどある日、沙織が言ったんだ。

沙織「みっちゃん、あたし、新しい仕事見つけたい!」

それは、俺の大好きな沙織の笑顔で、、、ああ、沙織だ、沙織が戻ってきてくれた、、って心の底から思えたんだ。

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