この物語はシリーズ第25話となり、教育実習中のストーリーが続いております。
事件後表向き自宅謹慎となっている私は、学校から被害者である1年生の女子高生を「昼夜問わず付きっきりでケアーすること」という指示を受けていました。
そしてその女子高生のアパートでいろんな「事件」に遭遇した後、・・・やっぱりしちゃっています。
若い男女が二人っきりでいればそんなコトになるなんて誰しも承知の上なんですが・・・。
そして先ほど、学校の小林先生からこちらに来るという連絡を受け、いろんな痕跡を隠蔽すべく対応に追われていたところです。
すると、程なくしてアパートの外階段から「カンカン、カン、カンカン・・・」と硬い靴底で2階に上がってくる足音が聞こえました。それはどことなく足を引きずっているような歩みです。
そしてそれが玄関前まで来た時その音が止まり、代わりに「ピンポン・・」とチャイムが鳴りました。
「は〜い。」
そのチャイムを聞いた優子ちゃんが、居間から台所を抜け玄関に向かいそのドアを少し開けました。
その時の優子ちゃんはセーラー服にエプロンという格好です。
また、先程ちょっと陰っていた表情が気がかりでしたが、鏡を見ながら慣れない手付きで一生懸命薄ピンクの口紅を塗ってる・・・・そんな新鮮な光景になぜかムラムラ来ていたところでした。
「あっ、小林先生いらっしゃいませ。お待ちしてました。」
そう言いながらドアチェーンを外す音が聞こえ、それと同時に小林先生の驚く声が聞こえます。
「あれっ?優子ちゃん。なんか・・・感じ変わったね。」
「はい。麻美子お姉さんにお化粧教わりました。」
「そして基礎化粧品もらっちゃいました。でも・・・化粧って、校則違反ですよね。」
「優子ちゃん。ここは学校じゃないからいいんだよ。まっ、学校でもしちゃってる娘はいるけどね。」
「先生・・・分かるんですか?」
「うん。バッチリ。分からないようにやっているのも全てお見通し。」
「でも可哀想だから知らないフリしてるの。だって・・・下手なんだもん。その化粧自体が・・」
「でもよかったね優子ちゃん。そのお化粧・・・とっても上手だよ。そもそもお肌がいいんだよね。わたしさ・・・隠れて初めて化粧した時・・・・」
「いやいや・・・ここに来たのはこんな話するためじゃなくって・・・お邪魔していい?あと・・コレ」
「あっ、お気遣いありがとうございます。どうぞ、上がってください。」
私は居間の真ん中の夏仕様になっている家具調コタツに正座しながらそんなやりとりを聞いていました。
そして、その小林先生が靴を脱ぐ音が聞こえたので上がってくるんだと思ったその時です。
「それじゃお邪魔しま・・・・」
そう言ったところでその小林先生の言葉が止まり、「カラン・・」と靴が落ちた音が聞こえました。
「あっ。ごめんね。新婚さんの愛の巣にお邪魔するなんて・・・本当に野暮よね。」
私は何のことか気になって玄関まで小林先生を迎えに行くと、片足だけ靴を脱いだ状態で動きが止まっていたその小林先生に左の耳を引っ張られました。
ちょっと汗ばんだそんな小林先生の胸の谷間がちょっと見える胸元からは、優子ちゃんのモノとは違ったオトナの香りが漂っています。
この時優子ちゃんは居間まで走って行き、食器棚からティーカップとお皿を出していました。
「まーくん。何回やったの?この部屋・・・アレの匂い充満してるよ。」
そう言いながらちょうどそこにあった換気扇スイッチの紐を引きました。
「昨日、自分のアパート入った時こんな匂いしてたの・・・それでピンと来て・・・」
「前に家庭訪問でここに来た時はちゃんと女の子の匂いがしてんたよ。」
「男子生徒の部屋で、たまに栗の花の匂いを嗅ぐことはあるけど・・・コレって二人のモノが混じり合ってのものでしょ?」
私は空腹のせいか、そんな匂いより玄関脇にある台所にガス台の上に乗っている鍋に入っているカレーの匂いしか感じられません。
「さっきから換気はしてたんですが・・・でもコレって、多分僕のモノだけではないと思います。」
「朝、ここに来た時・・・すでに優子ちゃんがヤツにヤラれちゃってて・・・それからいろいろありました。」
「何?そんな修羅場だったの?・・・それで・・こうなちゃった・・の?」
驚いた様子の小林先生が私の肩のTシャツが切れている所を指さしています。
「はい、そうなんです。ヤツに切られちゃいました・・・カッターで。」
「なんか午前中、教頭先生が優子ちゃんのアパートに急に行ったような話聞いたんだけど・・・・ソレ?」
「はい。確かに教頭先生・・・来ました。」
「でも、その前になぜか姉さんがいきなり現れて、一人でヤツを制圧しちゃいましたけど・・。」
「その後教頭先生とヤツの親が一緒にソイツを連行して行きました。」
「あっ、そうなんだ。大変だったね。それで優子ちゃん大丈夫?」
「はい・・・なんとかちょっとだけ笑顔は戻ったんですが・・・ちょっと無理しているようです。」
「ちょっと時間かかりそうだね・・・それもそうだよね。女の子の一大事だもんね。きちんとケアーしないとね。」
「それと・・・・まだ、教頭先生が学校に戻って来てないんだよね。なんかあったんじゃないかって話にはなっていたんだけど・・・ここにいないんだ・・・」
「多分今・・・ヤツの家だと思います。この後いろいろあると思いますので・・・」
「そういうことだったのね・・・。あっ、そうだった。午前中に期末試験の日程決まったから教えようと思って、いろいろ持ってきたんだった。」
この高校は教育実習の終わった後の6月末に期末試験が行われるということを以前の朝礼で聞かされていました。そしてその詳細な日程が正式に決まったようです。
私と小林先生が居間まで行くと優子ちゃんが小さなお皿に小林先生が買ってきたシュークリームを乗せてから、電気ポットからティーカップにお湯を注いでいました。
そして紅茶の香りが漂うそれぞれのカップからは、ティーパッグの黄色い紙のヒラヒラがぶら下がっています。
私たち3人は家具調コタツの3面の座布団にそれぞれ陣取って座りました。
そして私の正面に正座している優子ちゃんが嬉しそうに話の口火を切りました。
「小林先生。コレってあのデパートに入ってる店のちょっといいほうのシュークリームですね。」
「優子ちゃん詳しいね。そうだよ。ショートケーキと迷ったんだけど・・・ちょっと奮発しちゃった。」
「はい。わたしってコレ好きであの店でよく買うんですけど、安い方しか買えなくって・・・・。」
「春にお姉ちゃんと一緒にこっちに引っ越しになって、二人で生活用品買い揃えていた時、デパートの1階で見つけて買って食べたんです。」
「そうしたら・・・びっくりするほどおいしくって・・・わたしの地元じゃ到底食べられる代物ではありませんでした。」
「だから・・・すごく嬉しいです。」
「あれ?マドカ先生?また泣いちゃってるんですか?」
そんな説明をしていた優子ちゃんを見ていた時、私の目に三度涙が溢れてきました。なぜか優子ちゃんと一緒だとこんなことばかりです。
「あっ、あれ?ごめん。昔、何かある度・・・何かの節目っていうか・・・そういう時に登場したのがこのシュークリームだったんだ。でも、僕の場合コンビニのだったけど・・・」
この時の私の記憶には、高校を休んで姉さんを看病していた時、私を心配したあおいと同級生の理央がシュークリームを持ってお見舞いに来てくれた瞬間が蘇っていました。
「何?まーく・・・・いや、マドカ先生。優子ちゃんの前で泣いちゃったの?」
「わたしすごく興味あるんだけど・・・」
「先生、聞いてもらえます?」
この時優子ちゃんが身を乗り出して小林先生に問いかけます。
「マドカ先生って昔のカノジョとわたしが似ているって言うんですよ。それで・・・思い出して泣いちゃったんです。」
「それって・・・麻美子さんが全校集会で話してた・・・」
小林先生は驚いたような顔で私を見ています。
「そうなんです。お恥ずかしい話ですが・・・」
「へ〜、ふ〜ん・・・・」
この時小林先生は何か言いたげに首を傾げています。
「で、何?マドカ先生は、未だそのカノジョに未練タラタラなんだ・・・」
「小林先生。何か言いたげですが・・・はっきり言ってください!」
「それって工藤さんの知ってる話?」
「多分・・・マコちゃんには話していたかと思います。今は早坂ですけど・・・・」
「マコちゃん・・・っていうんですね。マドカ先生の彼女。」
今度は興味津々の優子ちゃんが話に加わりました。
「そうなんだ。優子ちゃんよりも小さいんだよ・・・」
「わたしよりも小さいって・・・まるで小学生・・えっ?」
「そうなんですね。なんか謎が解けました。」
「えっ?なんの謎が解けたって?」
そう小林先生が不思議そうに尋ねました。
「それはですね・・・・・やっぱり秘密です。マドカ先生・・・また泣いちゃいます。」
「ふ〜ん。秘密か・・・でも工藤さん、この話聞いてもどうしよう出来ないよね。」
「亡くなっちゃった人のことは悪く言えない上に、その思い出はとことん美化されちゃうからね・・・仕方ないか・・・コレばっかりは。」
「でも・・・心配しないで。この舞衣姉さんだけは信じてるからね。まーくん。」
そこまで話した小林先生はわたしの顔をじっと見て、さらに両手を握りました。
「小林先生。その・・・姉さんって言うのと、まーくんって、もうやめません?」
「あれ?もうやめる必要ないと思うんだけど・・・」
「あれ?わたし蚊帳の外になっちゃってます?」
その時、話に取り残されている優子ちゃんが私と小林先生の顔を交互に見ながらそう尋ねました。
「あっ、優子ちゃんごめんね。実はね、わたしとマドカ先生って義兄妹になるの。」
「えっ?」
「えっ?」
その時、ピッタリと私と優子ちゃんの声がハモりました。
「昨日の晩、酔った勢いで弟に電話してみたんだ・・・麻美子さんとどうかって。」
「そうしたら言ってたよ。麻美ちゃん以外の女性に興味はないって・・・断られたら一生独身貫くって・・・」
「そこまで惚れてるんだって。あの、モノ決められないO型オトコがそこまで腹くくったんだよ。」
「もう・・麻美子さんに受ける以外の選択肢はないよね。」
「それに、今朝は今朝で麻美子さんからコレからいろいろお世話になりますって言われたし・・・」
昨日の晩まで迷っていた芽衣子姉さんでしたが、どうやら決心したようです。
「そうなんですか?おめでとうございます。」
優子ちゃんはそう言うとなぜか自分のことのように嬉しそうです。
「優子ちゃん・・・なんか嬉しそうだね。」
私は優子ちゃんにそう尋ねました。
「だって・・・身近なひとのそう言う話って、なんか嬉しくありません?」
その時の優子ちゃんの表情からは、先ほど自分がレイプされてしまっている時の状況写真を見ていた時の表情は想像もできません。
一方、小林先生は遠くを眺めるような瞳をしていました。
「それで・・・舞衣姉さんはどうなんですか?」
私はそんな小林先生にそう尋ねました。
「えっ、わたし?・・・う〜ん。いつもなんか狙った獲物・・・逃げられちゃうんだよね・・・。今回も今回で・・・」
「えっ?今回がどうしました?」
「今回もダメだったってこと!そんなことどうでも良いでしょ。せっかく、学校辞めて一緒に地元帰れると思ったんだけど・・・。」
「名簿見た時、地元が一緒だったから目つけてたんだよね・・・・」
「まっ、歳離れてるし・・・弟になっちゃうんじゃしょうがないけど・・・」
「えっ?先生、学校辞めるって・・・」
「いずれの話。いずれの・・・」
この時、その学校辞めるっていうフレーズが強烈で、会話の脈絡をよく考えていませんでしたが、このことを後で思い返した時背筋が寒くなる思いでした。
そこで、紅茶を飲んでいた小林先生が急に話題を変えました。
「あ、優子ちゃん。今日の朝、全校集会を開いて優子ちゃんが補導されたって言う話を教頭先生がみんなに伝えたの。」
「そこで口裏合わせをしたいと思って・・・」
「えっ?全校集会って・・・そんな大ごとになってたんですか?」
「そうだよ。どっちみち噂が立つでしょ?しかも噂ってものは厄介なもんで尾びれや背びれがつくんだよね。」
「そんなことにならないように、教頭先生のクチからキチンと伝えたの・・・一部を除いては・・・」
「それはね・・・ラブホから出てくるときに補導されたんではなくって・・・入る時に補導されたっていうことにしたの。これが学校側の公式見解。」
「手を引っ張られて嫌がる優子ちゃんと揉めている時に補導されたってこと。」
「そしてね、午前中に校長先生が警察に行ってそう言うことにしたからって話を伝えて、更に優子ちゃんがエンコーじゃないのかって言われたことに対してキチンと抗議して来たみたいなの。」
「だから・・・心配しないで学校来れるよ。」
「それで、優子ちゃん・・・・大丈夫?」
「はい。大丈夫です。麻美子お姉さんに起きちゃったことはキチンと受け入れろって言われました。そうすれば前に進めるって・・・」
「あっ、麻美子お姉さんがお姉さんなら・・・小林先生も舞衣お姉さんですね?」
「あれ?何、優子ちゃん・・・マドカ先生のお嫁さんになっちゃうってこと?」
「はい!」
その時の優子ちゃんの満面の笑みが心なしか悲しそうに見えたのは気のせいでしょうか?
恐らく、優子ちゃんは自身の本心を明かしたのかと私は理解しました。
そんな優子ちゃんの話は続きます。
「でも・・・マドカ先生に彼女がいるのも承知の上です。それにわたし自身もコレからやらなければならないことも山ほどありますし・・・。」
「だから・・・せめて、マドカ先生がここにいるうちは、っては思っています。」
「だからって・・・赤ちゃんなんか出来ちゃって、本当のお嫁さんになんかならないでよ・・・」
「あっ、それは大丈夫です。マドカ先生って・・・手も握ってきませんから。」
「あっ、そうだったね。」
そう言いながら、何か言いたげに小林先生は私の顔を横目で見ています。
「ふ〜ん。なんだ、まーくんって、人畜無害なんだ・・・つまんな〜い。」
「小林先生、なんか期待してません?」
私が不満そうに私を見つめる小林先生にそう問いかけると、そのバッチリメイクされた瞳で私をじっと見て口を開きました。
「まーくん・・・。まーくんって、人畜無害のいい人ってことになっちゃってるけど・・・それ・・・どう思う?」
「そうですよね。オトコとしてはどうかと思いますが・・・今の立場、先生としては正しいと思います。」
「ちっ、つまんない!。」
「わたし・・・そんな模範解答聞きたくなかったんだけど〜。・・・まっ、しょうがないか。」
「まーくんも教育実習やってみて、少しは自分の立場ってものが分かるような、つまんないオトコになっちゃったってことだね。」
「小林先生。こう言う場合、オトコとしては手を出すのが正解なんだけど、先生としては手を出しちゃいけないってことですか?」
「優子ちゃん、飲み込みが早いね。」
「そうだよ。まず、未成年と成人とでは責任の大きさが全く違うの。しかも、職業に就くと同時に社会的責任っていう足枷をはめられるの。それに、家庭なんて持っちゃうとなおさら・・・」
「しかも、人それぞれに職業っていうものが付きまとうから・・・公務員だったり、警察官だったり、そして教師なんてなおさら大変なの。」
「それは個人の責任っていうよりは、その全体の責任みたいになっちゃうから社会的信用を失うこのにもなっちゃうのね。」
「ことさら公務員っていうのは、たとえ一個人の行為であっても全体の責任ってみなされるから、この社会的責任を失う行為ってのをやってはいけない職業なの。」
「だから、先生として生徒に手を出すなんて行為は言語道断。」
「でも・・・そこはやっぱり人間。人間のオスやメスというところで感情のコントロールができなくって時々やらかす人はたまにいるけど・・・」
「でも、そこのマドカ先生はまだ・・・ただの大学生だから社会的にはギリギリってとこかもしれないけど、成人しちゃってるから法的にはアウト。なんかやらかすと普通に逮捕もされるし起訴もされちゃう。それに、民事的な賠償なんかも・・・」
「そしてこれが社会的制裁っていうの。それは新聞報道。基本的に先生を含めた公務員って、何かやらかすと新聞に載っちゃうから、コレがまた大変。市町村長や教育長なんかが記者会見で謝罪したり・・・」
「県職員だったら県知事が、国家公務員だったら関係省庁の大臣だったり総理大臣なんかが出てきて、カメラの前で謝罪するなんて大ごとにもなっちゃうの。」
「オトナって大変ですね。なんか、社会的にも法的にもがんじがらめじゃないですか?」
「優子ちゃん・・・。実はそうでもないの。」
「そこはね、そのお互いが認め合えばOKっていうのもあって、告訴さえされなければ罪に問われないってこともあるの。」
「その顕著な例が男女関係ね。」
「たとえ他から見てそれは普通じゃないだろ。それって法的にどうよっていうことも、その男女が良ければそれでOK」
「SMなんてそうじゃない?わたしも本物は見たことないけど・・・アレって相当やばいよね。拘束されたり、叩かれたり、ロウソク垂らされたり・・・その痛みで快楽を得られるって・・・・」
「まっ、最近では放置ってものもあるみたいだけど・・・」
「そもそも公務員の場合、みんなが鵜の目鷹の目で見てるから、内々に和解していても後で報道されたりするから大変なのよね・・・」
そこまで話を聞いた優子ちゃんが私を見ています。何か悪い予感が・・・。
「マドカ先生。男女間って、やっぱりその男女が認め合っちゃうとどんなことでも普通のことになっちゃうみたいですね。」
「さっき・・・そんな話聞いた時わたし半信半疑だったんですけど確信しました。やっぱりマドカ先生は先生です。」
そう言った優子ちゃんは嬉しそうにシュークリームを頬張りました。
「おいしい・・・・」
「あれ?もしかして・・・何か勉強以外の勉強もしちゃってる?」
何か言いたげに問いかける小林先生に対して、コレまた嬉しそうに優子ちゃんは答えました。
「それも秘密です・・・」
そんな会話をしていた小林先生は左手首にしている男物のGショックをチラッと見ると、ものすごい勢いてシュークリームを口に入れ紅茶で流し込みました。
「あっ、ごめんなさいね。もう時間だから引き上げるね。大会が近いし、期末があるから部活停止になる前にやることやらなきゃ・・・。」
「この封筒にテストの色々入ってるから見ておいてね。それじゃ月曜日・・・。」
そう伝えると、嵐のよう現れた小林先生がハヤテのように去って行きました。
そしてその玄関のドアが閉まった瞬間、私と優子ちゃんは顔を見合わせ大笑いしてしまいました。
「マドカ先生・・・小林先生って何しに来たんでしょうね?」
「多分、優子ちゃんの顔が見たかったんだよ。心配だったんじゃないかな?でも、優子ちゃんの顔見て安心したと思う・・・」
「そうですよね。テストの話なんて月曜日でも良いのに・・・」
「でも、月曜日にちゃんと学校来てもらえるか心配だっだと思うよ」
「そうですよね・・・・」
そう言いながらその優子ちゃんが玄関の鍵をガチャっと掛けて更にドアチェーンを掛けました。
そしてその瞬間、居間に向かおうとした私の右手を引っ張り私を見つめます。
「先生。私におクスリもらえますか?なんか、さっきの・・・クスリ・・・切れちゃったみたいで・・・」
その場所は奇しくも玄関脇の台所でした。そして、鍋に入っているカレーがそのスパイシーな香りを放っています。
「優子ちゃん・・・お・・お腹すいたよね。朝ご飯もまだだったんでしょ。今、カレー温めるから・・・」
「優子ちゃん。今まで秘密にしてたんだけど・・・夜って長いんだよ。」
「愉しみはちょっと取っておこうよ。・・・一晩ずっと二人きりなんだから・・・」
私がそこまで言った時、優子ちゃんが私の言ったことを一部訂正しました。
「先生。間もなく夏至となります。夏至って1年のうちで一番夜が短いんです。一番長い冬至の日に比べて5時間も・・・」
「だから・・・・」
「あっ、そうだよね・・・そうすると短期決戦ということで、中身がものすごく濃いものになるけど・・・・いい?」
「はい。わたし・・・濃い方が好きです。昔からカルピスも濃いのが大好きです。」
「うん・・・了解。でも、腹が減ってはなんとやらっていうことわざがあるように、まずは腹ごしらえしよう。」
私はそう言って諭すとガス台に火を入れ、鍋のカレーを温めました。
するとその優子ちゃんがカレーを温めている私の背中にピッタリと体を寄せました。
「先生・・・。ここでは・・・少なくても二人っきりの時は優子って呼んでください。さっきも言いましたけど、ここじゃ私・・・・先生の・・・お嫁さんってことに・・・」
私は鍋をかき混ぜながらそれに応えます。
「うん。わかったよ・・・優子。」
「嬉しいです。マドカ先生。」
「優子・・・おかしくないか?僕が呼び捨てなのに先生って?」
「良いんです。わたしが好きなのは先生なんです。だから・・・この実習中は・・・実習中だけは先生のお嫁さんで居させてください!」
「奥さまは女子高生・・・なんかドラマのタイトルみたいだね。恐らく男どもの永遠の憧れだと思うよ。」
「うん・・・分かった。じゃ、優子の想い・・・確かに受け取ったよ。」
「それに僕って完璧主義だからトコトンお婿さんってヤツ、やらせてもらうよ。」
「でも・・・多分、僕もオトコだから優子のこと好きになっちゃうかもしれないよ。そうなったらどうしよう・・・」
「本当はそうなって欲しいんですけど・・・先生には彼女がいるのを承知の上ですし・・・わたし、先生を彼女から奪うような悪女にはなりたくありません。」
「あっ、分かりました。実習の最終日にわたしが先生を振ります。先生が前の彼女が忘れられなくって、それに怒ったわたしが先生を引っ叩いてそれで終わりにします。」
「本当に引っ叩くの?」
「引っ叩きます!。思いっきり。それでわたし自身にも決着を付けます。」
「あれ?」
この時私は何かを思い出しました。それは大学生1年生の夏休みにあのふたばそこんな風な約束をしていたことにです。
確かその時は、夏休みの最終日にふたばの長くって大きな手で横っ面を引っ叩かれて吹っ飛んだような気がします。
その後、私と優子ちゃんはコタツで向かい合わせになってカレーを食べていました。自分の作ったヤツでしたが空腹のせいか物凄く美味しく感じます。
私の前で同じものを食べている優子ちゃんもものすごい勢いで食べています。
無理もありません。時計を見るとすでに午後3時をゆうに回っていました。
そしてそのカレー皿を優子ちゃんが洗っている時またしてもドアのチャイムが「ピンポン・・」と鳴りました。
そして優子ちゃんが手をタオルで拭きながらドアを開けると急に黄色い声が聞こえてきます。
「優子・・初謹慎おめでとう。お見舞いにきたよ・・・。」
「アレ?なんで優子・・・制服にエプロンで・・・」
「アレ?男の人の靴?・・・・お父さん来てるの?」
「違うの。先生に勉強見てもらっていたの・・・」
「ん?・・・先生?」
一瞬隠れようかとも思いましたが、見つかると後々面倒なので逆に堂々としようと腹を決め、私も玄関に向かいました。
「アレ?なんで?マドカ先生が?」
そこに居たのは放送部の矢萩部長でした。その矢萩部長は、今朝麻美子姉さんの義妹になりますって宣言した張本人です。
「そうだよね。僕って今謹慎中ってことなんだけど・・・本当に謹慎しちゃうと対面授業の実習時間が足りなくなっちゃうから、それで小笠原さんの勉強見るってことになったんだ。」
学校からは時間数がどうのこうのとは言われていません。でも、その場を取り繕うため私は咄嗟にそんな嘘をつきました。
「へえ〜、そうなんだ・・・・でも、時間数足りないんだったらわたしも見てもらいたいな。」
矢萩さんはそう言うと私に向かってウィンクをしました。
「矢萩さん・・・そう言うわけにはちょっと・・・コレって学校からの指示なんだよね。しかも、ついさっき小林先生が様子を見に来たし・・・」
「ちぇっ、つまんないの。」
「まっ、いいか。優子がどんな顔して落ち込んでんのか心配して来て見れば・・・・」
「あれ?優子?よく見たら・・・お化粧してる。それって反則だよ。校則違反だよ。マドカ先生は・・・渡さないからね。」
この時、優子ちゃんは「ん?」と言う顔をしていました。この矢萩さんが私のお嫁さんになるって宣言したのをまだ知りません。
「部長。その・・・渡さないって・・・」
「そう。その通り。わたし決めたの。」
「唯ねえの命の恩人の麻美子姉さんの妹になるために・・・マドカ先生のお嫁さんになるの。」
その矢萩さんのいう「唯ねえ」というのは矢萩さんの従姉妹のことで、当時警察官だった麻美子姉さんの担当事案の中で助けた女子高生のことです。
「矢萩さん・・・それってなんか順番が逆なような・・・」
「いいの。順番なんて。」
「わたし・・麻美子姉さんの妹にさえなれればなんだっていいの!」
そう言いながらその矢萩さんはセーラー服の胸を張ります。
「ちょっと待って。僕って矢萩さんのこと何も分からないし・・・」
そうです。私はその矢萩さんのことについて、これっぽっちも知りません。
「それじゃ、今晩わたしのアパートでわたしの全てをたっぷりと教えてあげる。わたしも優子と同じく一人暮らしなの・・・」
「ちょっと待った!。話が飛躍しすぎだよ。」
「わたし決めたの。進学先だって麻美子姉さんのいるところの近くにするって決めたの。」
「それって・・・ふたば先生と同じ大学?」
「そうです。ふたば先生が実習初日の自己紹介の時に言ってた名前の大学です。」
「矢萩部長・・・もし・・・麻美子お姉さんの義妹になるとすれば、それと同時に小林先生の義妹にもなるんですけど・・・」
そこまで私と矢萩さんのそんなやりとりを見ていた優子ちゃんが、不安そうな顔で話に割り込みました。
「えっ?・・ちょっと理解できない。なによ・・それ?」
「麻美子お姉さんと、小林先生の弟さんが結婚するって言ってました。」
「げっ、あのコバっちに弟いたんだ・・・・その弟が?」
「これはちょっと考えもんだわ〜。」
「あれ?部長。小林先生って苦手なんですか?」
「うん、ちょっとね。だって・・・あんなにグラマーなボディー、どう頑張っても勝てないでしょ?」
「部長。何と勝負してるんですか?」
「だって・・・これの成長が思わしくなくって・・」
そう言いながら、その矢萩さんは自分の胸を下から持ち上げる仕草をしています。そして、そんな仕草をしている矢萩さんと私の目がバッチリあってしまいました。
「あっ、そうだ。マドカ先生協力してもらえます?」
「何を?」
「コレ・・大きくするの。せめてCカップ。できればDカップくらいまで・・・。」
「だって、彼氏に揉んで貰えば大きくなるって言うでしょ。」
「矢萩さん。それってただの噂話・・・」
そこまで言いかけた私はあることを思い出してしまいました。
それは、私が当時高校2年生だったあのマコトの胸を2階級特進させてしまったことをです。その時、ブラジャーが合わなくなったって怒られもしました。
「・・ってこともないけど・・・女の子って胸だけじゃないし・・・」
そう言って私は話をはぐらかしました。
私はこのまま泥沼に引き摺り込まれるような予感がしたので、矢萩さんとの会話の裏側で、何か違う話題を探していました。
「あっ、そうだ。そういえば、放送部で昼休みに流す予定をしていた実習生のインタビューって・・・・」
「あっ、そうなんです。ちょっと頓挫しちゃったんですが、それ月曜日から順に一人ずつお願いすることにしました。」
「ちなみにマドカ先生は最終日になりますのでしっかりとシメてください。」
「やっぱりやるんだ・・・。で、その内容について詳しく・・・あっ!」
そこまで私が話をすると、隣で話を聞いていた優子ちゃんの表情が一瞬で曇ったのがわかりました。
それは、優子ちゃんがそんなことになった一番最初のきっかけがコレだったのです。
そんな様子をその矢萩部長も鋭く感じ取っていたようです。
「優子。あの時・・・部室であの平野先生も同じこと聞いてたよね。」
「優子・・・ごめん。」
「本当に・・・ごめん。」
「あの時さ・・・優子を見る平野先生の目が変だなって気づいていたの。」
「椅子に座った優子の膝なんて見ている時のあの目。すごく気持ち悪かった・・・・」
「部長。そんなに自分を責めないでください!」
「あの時わたし・・・・思いっきりスカート短くして行っちゃったから・・・」
「そうだよね・・・マドカ先生に会えるって張り切ってたもんね。」
やはり、どう転んでも優子ちゃんのことのきっかけは私にあるようです。
小林先生が言っていました。人間という生き物って、オスとかメスとかっていう部分で感情のコントロールができなくなる生き物だって・・・・
そのきっかけが優子ちゃんの短いスカートだとすればこの世の中危険すぎます。
その時思い出しました。ここの高校もそうですが、私が高校生だった頃もスカートの丈について、学校側がものすごく過敏に反応してたことに。
でも、麻美子姉さんの時代は逆に引きずるような長いスカートだったような気はしますが・・・。
「決してマドカ先生の責任じゃありません。全てはわたしの優柔不断にあります。」
そんな伏せた目をした私を見てかはわかりませんが優子ちゃんがそう切り出しました。
「嫌なら嫌できちんと断っておけばこんなことにはなりませんでした。コレからは自分の思っていることをきちんと伝えたいと思います。」
「矢萩部長には大変申し訳ありませんが・・・わたし、やっぱりマドカ先生のことが好きです。」
「優子・・・・アンタはっきり言ったね。コレから私たち恋敵だ・・・・なんちゃって・・」
「いいよ、優子。マドカ先生はアンタにあげる・・・。」
「今のところはね・・・」
「でも先生が・・・優子に骨の髄までしゃぶられちゃって・・・しゃぶり尽くされて廃人になっちゃったら・・・わたし先生のこと引き取ってあげるから。」
「あ〜あ、暑い暑い・・・もうこんな部屋にいられないね。お邪魔虫は引き上げるとするか・・じゃあね優子・・・。」
「月曜日、昼に部室集合ね。」
そう言い残して矢萩部長が引き揚げて行きました。
「なんか・・・追い出しちゃったみたいで矢萩さんに悪いことしちゃった・・・」
「でも、いつだって気軽に来れると思います。だって部長って203号ですもん。」
「えっ?」
「うん。ここの隣の隣・・・」
「ここのアパートって、半分くらいうちの学校の生徒が入ってるんですよ。わたしもそうだけど、うちの高校って地方じゃあこがれみたいなものもあって・・・」
そういえば、ここのアパートの駐車場はガラガラでした。平日ですし、みんな仕事に行ってるのだとばかりと思っていましたが・・・・
「地元の友達が羨ましいっていうんです。だって可愛いでしょ・・・この制服。」
「でも・・・どっちにしても、進学を考えるとここの高校がが良かったんです。お姉ちゃんと一緒に生活もできますし・・・」
「わたしの地元ってほとんど就職口がないんです。それで若い人が地元に残らないってのが普通っていうか・・・。」
「ましてや女の子が就けるような職業もなくって・・・お姉ちゃんも地元離れてこっちに就職する有様で・・・」
以前名簿で見た優子ちゃんの実家は津軽海峡に面した港町だったような気がします。この時、この地方の事情を初めて知ったような気がしました。
まっ、そんなことを考えているこの場所も、全国的にみれば相当な田舎なんですが・・・。
その後優子ちゃんは、小林先生が持ってきた茶封筒を開けて期末テストの資料を確認していました。
「あっ、そうか〜。こんなところが範囲になってる。ちょっと苦手なんだよね〜。あれ?カセットテープも入ってる。」
「コレ、英語のヒアリングのやつだ・・・」
私がそんなことを考えている側では優子ちゃんがこんな独り言をぶつぶつ言っています。
そんな優子ちゃんは学校の先生を目指しているって言っていましたが・・・それってどんな方向なんでしょうか?
「優子ちゃん。あっ・・・優・・子・・は何の先生になりたいの?」
「はい。わたし、数学か物理の先生を目指しています。」
「優子は理系なんだ。僕と同じだね。」
「でも僕は土木っていう泥臭い方面なんだけど、もともと経験工学なんて言われてる分野なんだ。でも、そんな中で応力計算なんてやるとトコトン物理的なことばっかりで・・・」
「へえ〜、土木と物理ってなんか全く違うような感じでしたけど・・・」
「わたし、数学とか物理とかって・・・答えがハッキリ出るのが好きなんです。」
「あと、物理方程式とか証明問題解くのって大好きです。」
「それに・・・文学みたいに人それぞれの解釈でどうにでもなっちゃうようなイメージのものはどうも・・・」
「優子ちゃん・・・・その物理方程式とか証明問題って・・・僕が最も不得意な分野なんだよね・・・・」
「アレ?・・・先生も高校の時やりませんでした?」
「何せ、僕って工業科卒なもんで・・・・」
そんなやりとりをしながら優子ちゃんが手にしている小林先生お手製の数学の資料を見せてもらいました。
「うっ!・・・こっ、これは・・・。」
それは、小林先生が手の空いた時間に要点をまとめたものでしたが、その内容で数学の部分を見た瞬間自分が説明できない内容であることを悟りました。
でも私は曲がりなりにも現役の理系大学生です。しかし、先ほども述べましたが所詮高校は工業科で、悲しいかなその宿命として受験勉強なんて全くしていませんでした。
そんなことから、コレから優子ちゃんが勉強しようとしているようなものも当然分かりません。
そこで閃きました。この分野を得意としている人材の存在・・・。
そしてその人材をここに来てもらうよう手配をして待つこと小一時間・・・ピンポンとなった玄関を開けるとその人材がそこにいました。
「アンタ・・・なんでこんなところにいるのよ。自宅謹慎でしょ?」
「それに・・・どうしたのそれ?」
そう言いながら、左肩切れたシャツを指さしつつ玄関の鴨居を潜るように入ってきたのはあのふたばでした。
「あっ、ふたば先生。すいません、こんなところまで・・・」
私の後ろから横に身を乗り出すようにして優子ちゃんがそう挨拶しました。
「うん。全然構わないよ・・・でも、小林先生に言われて来れみればコレだし。」
「まっ、どうやって帰ろうか考えていたところだったからちょうどよかったけど・・・」
「アンタ・・・後で送ってちょうだいね。」
「うん・・・分かった。」
「でも、助かったよ・・・僕ってこんな勉強してなかったから・・・」
そう言いながらふたばを居間まで案内し、小林先生が持ってきた資料をふたばに見せました。
「あっ、コレ?期末テストの資料じゃんか?どうしたのこれ?」
「小林先生が持ってきてくれた・・・」
「へえ〜、凄いね。的をバッチリ捉えてるってやつ?」
「でも、なっさけないね。アンタ・・・こんなのも分かんないの?コレ、基本のキ・・だよ。」
「明日、大学に退学届出したら?・・・僕、学校の勉強についていけませんって・・・」
「いや・・・大学で、こんな難しいのやってないから・・・」
「あっ、そうだよね。アンタのところって土木だったね。でも・・・いろんな構造計算はやるんでしょ。」
「うん。いっぱいやるけど・・・それっていろんな乗数の掛け合わせで、公式なんかが決まってて・・・どの・・何の公式使う的なやつだから・・・改めてその基本なんて聞かれてもまったく分かんないんだよね。」
「まっ、そうだわな。アンタのやってるってやつはあれでしょ?もっと複雑なやつ。ソレって鉄をしならせたりコンクリート潰したりして限界点探るってヤツ。」
「あれ?ふたば・・・なんか詳しい?」
「アンタが自分が先生に向いてない。構造計算やってた方がいい。って泣きごと言ってたから、空き時間に図書室行ってソレっぽい本探して見てみたの。」
「ソレこそわたしにはチンプンカンプンで・・・」
「そこで思ったんだ・・・土木って経験工学って言われてるみたいだけど・・・現場知ってるだけではダメ・・・数学とか物理を知ってるだけではダメ」
「わたし、その経験工学の経験っていうのを誤解してた。モノ造るのに昔の勘に頼って計算なんかしないでなんとなくモノ造るのがその経験って思ってたんだけど・・・」
「モノが壊れた時なんかにその原因を突き止めてそれを数値化して・・・それからいろんな係数なんか考えて公式化したものが構造計算なんだよね。それって経験しないと出来ないってヤツ。まさに経験工学。」
「アンタがやってる土木っていうのはそんなところでしょ?」
「まっ、そんなところだけど・・・」
この時私はそんなふたばの言葉にびっくりしました。短時間で、しかも高校の図書室に置いてあるような参考書でそこまで感じ取れるとは・・・・
「ふたば先生。その構造計算っていうのは、具体的にどんなものを計算するんですか?」
「あっ、ソレは今からコイツが説明するから・・・」
「優子ちゃん。僕が勉強している構造計算っていうのは、主にインフラって呼ばれている公共物っていうヤツに対するモノが主で、道路だったり橋だったりトンネルだったり、そういうものが壊れないようにするにはどんな設計をしなければならないっていうやつなんだ。」
「ここから学校に行く時歩く道路だって、その下の地面の硬さによって舗装の厚さを変えたり、あの大きな橋だって橋を支える橋台や橋脚だってその地下の状況によってその構造が違ったり、橋の長さなんかによってコンクリートだったり鉄だったり・・・・」
「結局、公共事業なんで一番経済的なところを狙って設計ってするんだけど、想定されるモデル全てを計算して設計するんだ・・・」
「なんか果てしない話ですね。でもソレって役所の人が設計するんですよね?」
「うん。ソレはそうなんだけど・・・基本的に役人は直接設計しないでそれ相応の設計会社にその設計を発注してやらせるみたいなんだ。」
「でも、設計条件とかチェックするから中身分かんないと役人やってられないって、前に学校に来て就職説明していた卒業生が言ってたよ・・・。」
「あと、どんなにに頑張って設計しても最後に政治力っていうヤツが働くって。」
「鉄の橋を何橋も架けたから、次は業界的にコンクリートの橋にするだとか・・・ここはデザイン重視だからもっと個性的にしろだとか・・・その工法は前例がないからダメだとか・・・純粋に計算だけでは進めないハードルってものもあるって。」
「あと・・・その人、オレが役人だったらもっと頭のいいことするんだけどなって言ってたんだけど・・・」
「でも、その役人も政治的意向って言うのを汲み取らないといけないし、その政治家も業界から圧力受けてるし、そもそもその業界って自分達だし・・・結局、みんな社会の歯車になってぐるぐる回ってるって。」
「そして最後に聞かれたんだ・・・君は社会のどの歯車になりたいか?って。でも、僕は未だに迷ってる。その方向性は見えてはいるんだけど・・・」
「アンタ何?そんなこといつも考えてるの?いっつものほほ〜んってしてるのに。」
「なあ、ふたば。僕がいつもそんな難しいこと考えてると思うか?優子ちゃんに聞かれたから、先生の立場で答えただけ・・・・えっ?」
「アンタさ・・・自分では気づいてないと思うけど、向いてるよ・・・学校の先生。」
「はい。わたしもそう思います。」
「あれ?なんか二人にそう言われるとそんな気がしてきた。実習始めて思ったんだけど、人に説明するのって大変だけどすごく楽しいって。」
「人に説明するのって自分も勉強になるし、知らないことは説明できないから自分も理解してなきゃダメだって・・・・・。」
そんな会話の後、優子ちゃんとふたばの授業が始まりました。出番は当分無い私は夕飯の下拵えを始めています。でも下拵えと言っても献立は肉じゃがの1点のみでしたのでそんなに手間ではありませんが・・・。
そんな最中優子ちゃんに勉強を教えていたふたばから声がかかりました。
「何?アンタ・・・夕飯作るんだって?わたしにもご馳走してよ。」
私がちょうど米を研いでいた時でしたので、1名分追加です。
「はいよ。1名さま追加〜。」
そう私がふたばに返すと何故か向こう側で笑いが起きました。
すると、続けてふたばが母親と電話で話す声が聞こえてきました。ちなみに、その母親とは私の下宿のおばさんのことです。
「・・・・・うん、そう。ご飯いらない・・外で食べるから。えっ?風谷も一緒かって?・・・そうだけど・・・・えっ?泊まりかって?違うよ今日はちゃんと帰るよ。ソレじゃあね」
という内容でした。その内容を事情を知らない人が聞いたら、いつも私と朝帰りしているような感じに捉えかねません。
そして、全ての支度が済んで二人のいる居間まで戻ると優子ちゃんが真剣な眼差しで私を見つめました。
「マドカ先生・・・ふたば先生もそうですけど、二人とも見損ないました。」
「マドカ先生は彼女が、ふたば先生はフィアンセがいながらお互い浮気しちゃってたんですね。」
「優子ちゃん・・・ソレは誤解だよ。それは・・・」
私は優子ちゃんにそこまで言いましたが、その優子ちゃんが言っていることに間違いはありません。苦しい言い訳をするとすれば「オトナの事情」としか言いようがありませんが・・・。
「そうですよね・・・オトコとオンナって、お互い認め合っちゃえばどんなことだって許されるんですもんね。」
「優子ちゃん。コイツにそんなこと教わってたの?」
ふたばは半分震えた声で優子ちゃんにそう問いかけました。
「はい!」
「お〜ま〜え〜っ!」
そう言ったふたばの顔を見ると、その頭からツノが生えて煙でも出ている雰囲気です。
「優子ちゃん。わたし、前にコイツとちょっとあったけど・・・ソレは認めるわ。」
「でも・・・浮気とかそんなんじゃないの。」
そんなふたばは特に慌てるような素振りも見せず優子ちゃんに説明を始めす。
「大学1年生の時さ、夏休みにちょっとだけコイツと付き合ったことがあって・・・。」
「結局、コイツが地元に彼女残して来てるっていうから・・・夏休みの最後に引っ叩いて別れたんだけど・・・それから何かと母さんがコイツとくっ付けたがってるんだよね。」
「でも・・・そんな夏休みの出来事って、言ってみれば学校帰りに犬のウンコ踏んじゃった程度の出来事。」
「えっ?僕って犬の・・・・」
「まっ、そんなところ・・・。その後の処理が大変だってこと。靴底を綺麗にしたとしてもその匂いが残ってるくらい面倒なことってこと!」
「僕ってそんな面倒なウンコだったんだ・・・」
「そうだよ。コイツに関わるとろくなことがないの。苦労ばっかりで・・・。」
「こんな不器用オトコなのに。特にオンナ関係については・・・」
「あっ、ふたば先生。コレって何の授業ですか?わたし、ものすごく勉強になるんですけど・・・」
「えっ?何の勉強かって?・・・・保健体育?・・・性教育?・・・違うな・・・」
「先生。それって道徳、いや恋愛・・・どっちにしても学校じゃ教えてくれない、男女に関する貴重な課外授業だと思います。」
「それって・・・」
「だって・・・ふたば先生もマドカ先生のこと好きだったんですね。」
「ちょっと・・・違うよ。なんでわたしがこんなウンコ野郎に・・・」
「いいんです。さっきのやり取り見てたんですけど、二人の波長が合うのが分かりました。」
「それにカッコ良いです。昔・・・なんかあったみたいな・・・」
改めて言われるとそんな気がしてきました。以前、ふたばにプロポーズしたこともありましたし、言いたいことを言い合ったりもしました。
しかも、ふたばの「初めて」ももらっています。
そんな私の想いは置いといて優子ちゃんがその話をまとめました。
「でも、今は二人とも心に決めた相手がいるんですもんね。わたしの見立てと二人の見立ては違うと思いますので、聞かなかったことにしてください・・・」
その後、数学から始まった優子ちゃんの勉強は国語や英語に至っています。
勉強を教えているふたばも、他の生徒から聞かれた時に困らないようにと一緒になって勉強しています。そしてそれが、小林先生の持ってきたヒアリング用のカセットテープの話題に及んだ時です。
そのテープを聞こうとしたラジカセから肝心の音が雑音混じりでマトモに聞こえないのが分かりました。そのラジカセをふたばが叩いたり揺すったりしてますが、一向にその症状を保っています。
それは、あのブタ野郎が暴れた時カラーボックスから落下して壊れてしまったのでしょう。
「アンタ・・・コレ、なんとかなんない?」
ふたばがそう言ってそのラジカセを私に手渡して来ました。
私はふたばが軽そうに扱っていたので、それが凄く軽いものとして受け取りましたが結構な重量で一瞬落としそうになりました。
私は電池を抜いたり入れたり、電源を切ったり入れたりしましたが一向に治りません。そしてそれを揺すって耳を澄ました時、中から何かの部品が外れて「カラカラ」鳴っている音が聞こえます。
「ふたば・・・コレ、ダメだと思う。機械的に何か壊れてる・・・・」
「あっ、そういえば矢萩さんって隣の隣だったよね。借りに行けば・・・」
頭の中で別な打開策を探していた私がひらめいたことを優子ちゃんに提案しました。でも優子ちゃんは悲しそうな表情をしています。
「それはダメです。その壊れたラジカセって部長にもらったヤツです。部長は、音源の編集とか出来るようなヤツに買い換えたんですが・・・・それって、とても持ち歩けるようなモノじゃありません・・・。」
「それじゃウチ来なよ。ステレオあるし。夕飯食べたらコイツが送ってくれるっていうし・・・」
結局、壊れたラジカセ問題はふたばのこんな提案で解決を迎えました。
ということで、私の作った肉じゃがの夕食を食べた後、玄関から外に出ると夕暮れを迎えたばかりの街の風景が広がっています。
そして駐車場のブルドッグに3人で乗り込みました。
「アンタの料理初めて食べたけど・・・結構やるもんだね。でも・・普通、肉じゃがって彼女が彼氏に作るもんじゃなかったっけ?」
「あっ、すいません。そうなんですか?今度わたしが作りますんで・・・」
という会話を聞きながらエンジンを掛けようとしますが、先ほどと同じくセルは回るもののエンジンがなかなか掛かりません。
「あれ?このクルマってこんなに調子悪かった?麻美子さんは普通に乗ってたようだったけど・・・」
「そうだよね・・・でも、ここに駆けつける時無理させちゃって・・・」
「それって・・・朝・・・?」
なんか優子ちゃんが申し訳なさそうな様子です。そんな最中も虚しくセルモーターが「キュルルル・・・」と回ります。
「あっ、ごめん。思い出させちゃった?」
「いいんです。でも嬉しいです。先生がそんな思いで駆けつけてくれただけでも・・・」
優子ちゃんがそう言った時エンジンがやっと掛かりました。そして、ちょっと不安定なアイドリングで暖気をしてから下宿に向けクルマを動かしました。
でも・・・クルマがやたら重いのです。これは例のEVCを1番にしているとか、ふたばが重いってことだけではありません。エンジン自体のパワーが出ていない感じです。
「マドカ先生。なんか焦げ臭いんですが・・・・」
クルマを走らせしばらくして信号で停車した時、後部座席に座る優子ちゃんがそう言い出しました。
「えっ?」
その時ドアミラーを見ると、そのミラーに後続車のライトに照らされた車の後部に白い煙が漂っているのが見えます。そして、そのうち車内にオイルが燃えたような匂いが立ち込めて来ました。
「あっ、やっちゃった・・・・。」
そういえば、姉さんから改造したターボ車の取り扱いの注意事項は聞いていました。
それを聞いた時は、「改造したターボ車って諸刃の剣と同じで取り扱いに注意しなくっちゃ。」なんて思ってはいましたが、いざとなった時は全くそんなもの考えずにフルブーストを掛け続けたことを今更ながら反省しました。
冷静に考えれば、たとえフルブーストを掛けて走ったとしても信号でひっかかったりして、到着時間は変わらなかったはずです。
姉さんのブルドッグをたった1日で壊してしまった自分が情けなくなってきました。
とはいえ、調子が悪いもののとりあえず走らすことはできるので騙し騙し走らせながら様子を伺いました。
すると、アクセルを深く踏み込まないと煙も出ずエンジンがグスッたりしないのですが、加速や坂道でアクセルを踏み込むと白煙を吐きます。
すなわち、ターボのブーストが掛かると煙を吐くということなので、エンジン本体ではなくタービン関係のオイルシールのどこかが抜けてしまったものと自己診断しました。
その後は、他の車にどんなに追い抜かれようともなるべくアクセルを踏まないようにして走りきり下宿に到着しました。
「へ〜。ここがマドカ先生の下宿か〜。」
クルマから降りると、私の心配事とは関係無しに優子ちゃんが下宿を見上げて嬉しそうに声をあげています。
「うん。そう・・コッチの古い建物が下宿でコッチの新しいほうが母家。そして、2階のあそこがわたしの部屋。あっ、ちなみにアイツの部屋は1階の角。」
そんな感じでふたばは優子ちゃんに建物の配置なんかを説明しながら下宿の玄関に入って行き、下宿の食堂で夕飯の片付けをしていたおばさんにふたばが声を掛け、今入ったばかりの玄関から出て優子ちゃんをすぐ隣の母家へ連れて入りました。
その間私は駐車場に停めたブルドッグのボンネットを開けてエンジンをあちこち見ていました。
すると、エンジンのどこからかオイルが焼けた香りが漂っていて凄く嫌な感じです。
そこで、エンジンをいろんな角度から覗きましたが、そのエンジン本体の上でアルミ地が街路灯に反射してキラキラ輝く大きなインタークーラーが鎮座してその奥がよく見えません。
でも、恐らくその下にあるタービンが恐ろしいとこになっているのは容易に想像できました。
この時私はここで何もできないことを悟り、ボンネットを閉めて下宿に入り食堂で食器を洗っているおばさんに声を掛けました。
「あの〜すいません。夕食の件ですが・・・」
「いいの、いいの。代わりに食べてくれる人いるから・・・」
「でも、あの生徒さんすごく小さいんだね。小学生・・・いや、お人形さんみたいでかわいいね。」
おばさんがそう言いながら洗い物を続けています。
「ふたばってアレでしょ?私に似て昔っから大きかったからあんな感じじゃなかったのね。だから・・・すごく新鮮。」
先ほどそのふたばと優子ちゃんが歩く後ろ姿をなんとなく見ていましたが、その身長差に大人と子供という感じを受けていたところでした。
「ふたばさんって身長高いですもんね。今ではすっかり慣れましたが、初めて見た時は目線を合わせるのさえ大変でした・・・・。」
「初めて見る人はみんな驚くんだよね。まず、女子であんなに背の高い娘って、バレーボールの選手くらいだもんね。」
「ふたばさんって、そっち方向のスポーツとかはしなかったんですか?」
「ううん。なんかあの娘って、小さい頃いろいろあって・・・なんか集団でやるスポーツが苦手になっちゃってね。」
「でも、いっぱい誘われたみたいなんだ。中学校の時なんか、バスケットの部長が直々に家まで勧誘に来たり・・・」
「でも、わたしはこれが良いって、空手をやり続けていたんだよね。でも、あの体格で空手って、道着着ただけで無敵だよね・・・」
というようなふたばに関してちょっと新鮮な情報も含めた雑談をした後、
「あと・・・これから友達のところに行きますんで、明日の朝食も入りません・・・」
という、おばさんにとって重要な要件を伝えてから自分の部屋に戻りました。そしてそのドアを開けた瞬間・・・
「うっ・・・・この匂いは・・・・」
私の部屋は私と姉さんのモノが混じった例の匂いが充満していました。
その後気を取り直した私は、とりあえず窓を全開にして換気しながら結構荒れていた部屋を片付けしました。
壊してしまったクルマのことを考えながら上の空で作業していましたが、気がついた時にはベッドメーキングまで終了しちゃっていました。
そして今度は気が重いまま明日の着替えなんかを準備してから101号室の脇にあるピンク電話の前まで来ています。
とりあえず私が壊してしまったブルドッグの症状を義父さんに連絡しようとして、その電話の前をウロウロしながらどう切り出していいものか考えていた時です。
私が見つめるそのピンクの電話が急に「ジリリ・・・ジリリ・・」と鳴り出しました。
「はい、豊浜下宿です。」
私がその電話に出るとそれは聞き覚えのある声でした。
「あの、そちらにお世話になっています風谷の父なんですが、もし戻っていたら・・・・」
「あれ?義父さん。なんで・・・?たった今、こっちから電話しようと思っていたところだったのに。」
なんか物凄く切り出しにくい話でしたので逆に電話がかかってきたことにすごく驚きました。
「あっ、義父さん。あの〜姉さんのブルドッグなんだけど〜。」
「あっ、まどかくん。さっき麻美子くんが帰って来たからハチロク見させてもらったよ。ありがとう、丁寧に乗ってくれて。」
「ところでまどかくん。シティーのエンジン・・・早速やっちゃったってとこかな?」
「えっ?なんで分かるの?」
「まあ・・・何となくね。」
この時の義父の口ぶりからは、私がすぐヤッてしまうことは折り込み済みのような雰囲気が感じ取れました。
「さっき麻美子くんから話聞いたら、そのシティーが加速してハイブーストの時、白煙吐いてたって言うからさ・・・」
今朝、私が慌てて優子ちゃんのアパートに向かう際、私の後ろを姉さんが走っていたとのことでした。焦っていた私はそんなことを全く気が付きませんでしたが・・・。
すると、義父はすでに段取りされていたとしか思えないような提案をしてきました。
「車載車は押さえてあるから・・・・今、クルマはどこにあるんだい?」
「一応下宿までは乗って来れたんだけど・・・なんかもう動かせないような雰囲気なんだ。」
「そうだね。多分、タービンのオイルシールが抜けてるかと思うんだけど、タービンの軸が焼き付いていたりヘッドガスケットが抜けてると面倒だから・・・ちょっと乗らない方が良いね。」
「なんで分かるの?」
「うん・・・それは、そういう仕様だからね・・・言わばプロトタイプ。」
「アレってそもそも街乗りできるような代物じゃないんだよね・・・パワー出過ぎてて。」
「でも、姉さんは普通に乗ってたよ。」
「麻美子くんって、本能的にエンジンと会話のできる人なんだよ。エンジンからのメッセージを受け取れるっていうか・・・・」
「セッティングの時乗ってもらったんだけど、麻美子くんって本能的にヤバいって感じるとアクセル踏まないんだよね。だからシビアなセッティングでもエンジンを壊さないっていうか・・・」
「姉さんってそんな特技があったんだ・・・」
「多分、本当のお父さんの血を強く引いてるんじゃないかな?」
「えっ?父さんってそんな・・」
「まっ、それは後日酒でも呑みながらゆっくりと・・・」
「それと、ちょっと別なタービン手に入ってさ・・・ちょうど仕様変更したかったんだよね。」
「あと、せっかく手に入れた5バルブの4AGを理央くんのキュー二ーに載せてもらおうと思ったんだけど、どうもダメらしくって。手持ち無沙汰だったんだよね・・・」
「なんか理央くんってさ・・・雑誌の取材受けてるうちにアイドルみたいになっちゃって・・・ますます可愛くなっちゃったんだ。嬉しいけど気軽に声かけられなくなっちゃって・・・・ちょっと寂しいんだよね。」
「それでさ・・・代車にしてもらうクルマ運んで行くからしばらくソレ使って欲しいいんだ。ちょっと面白いクルマが小林車体に入ってさ・・・部品取りにするからって言うもんで、もったいないからちょっといじらせてもらったんだよね。」
「あと、麻美子くんから一つ言伝があってね。そっちに着て行った服一式忘れていったからクリーニングしておいてって言ってたからよろしく・・・。」
そんな電話でのやりとりの後自分の部屋まで戻ると、押し入れ脇の柱のフックに姉さんが着ていた、なんとも言えない紺色の事務服がハンガーにぶら下がっていて、しかもプラスチックの名札まで付いています。
私は反射的にソレの匂いを嗅いでみましたがソレはまさしくあの麻美子姉さんの甘い香りです。
この時自分がトコトン変態であることを自覚しながら思いました。
「予備があるといえ、こんな大事な仕事服一式忘れて行くなんて・・・」
そんなことは置いといて、私は教育実習初日に部活の課題として出されていて、未だ未着手の「暴れん坊将軍」に取り掛かりました。その課題とは、私の指揮でその暴れん坊将軍を演奏させるというものです。
私はその曲の入ったカセットをステレオコンポにセットし、ヘッドホンで聴きながら吹奏楽部長に教えてもらったやり方で指揮棒を振っていました。
そして譜面と睨めっこしながらそれを何回か繰り返した時です。部屋のドアが勢いよく開き、ふたばが顔を覗かせました。
「アンタ・・・何やってんの?とうとうおかしくなった・・・・の?」
私がその指揮をやめヘッドホンを外しながら見たその視線の先にあったのは、ドアの影から上下になって覗き込むふたばと優子ちゃんの顔でした。
「いや〜、これは部活の課題っていうか・・・・指揮の練習。1曲指揮するっていう課題出されているんだよね。」
私がそう告げるとふたばの胸元の優子ちゃんがなんか嬉しそうです。
「なんか、そんなマドカ先生見られて嬉しいです。それに・・・・この部屋って、いつもマドカ先生が生活してるんですよね。」
「そうなんだよね。ちょっと狭いよね。でも、この4畳半っていう広さっていうのは絶妙で、全てが手の届く範囲にあるっていうかそういう広さなんだよね。あと、狭いから溜まり場にもならないし・・・」
そこまで私が伝えると二人が部屋に入ってドアの所に立って部屋を見渡しています。
「そうですよね。今どき4畳半って・・・・家具なんて置いたら足の踏み場もないって言うか・・・」
優子ちゃんがそう言うと、ふたばが何故か申し訳なさそうにしています。
「あっ、ごめんね。うちの下宿がこんなで・・・・あと・・・」
そこまで話をしたふたばが急に困った顔をしています。
「ふたば、どうした?僕はこれで十分だと思ってるけど・・・」
私がふたばにそう問いかけると、ふたばが重い口を開きました。
「ここの下宿・・・来年から入居募集しないんだって。大学にも届けてあるって・・・母さんが・・・」
「それって・・・」
「そう。今いる1年生が卒業した時点で、この豊浜下宿は廃業・・・。古いでしょ?ココ。建て替えてまで続ける気力はないって・・・」
そのあとしばらく沈黙が続きます。すると隣の部屋から何やらベットがギシギシ軋む音が聞こえて来ました。
「優子ちゃん。この部屋に来る時誰かと出会ったりした?」
「はい。玄関入った時バッタリと。その人慌ててこの隣に入って行きました。でも・・なんですか?この音。」
やっぱり・・・と思いました。そうです。今隣の部屋では、この優子ちゃんとセーラー服を燃料に発電の真っ最中です。
「あっ、気にしないで。そのうち止まるから。」
するとその瞬間そのギシギシが激しくなり、今度は急に止まったかと思うと、「ウッ・・・アー・・・」というため息みたいな声も聞こえてきました。
「なんですか?今の。」
優子ちゃんは素朴な疑問として捉えていますが、その上にあるふたばの顔は真っ赤です。しかも、「もうこの会話は止めろ。」っていうゼスチャーまでしています。
「あっ、隣のヤツは筋トレが趣味で、ベットの上で腕立て伏せをしてるんだ。自分を追い込むって、変な趣味だよね。」
「ふ〜ん、そうなんですね。」
優子ちゃんがそう答えると、側のふたばは笑いを堪えています。
「な、なんかそのエネルギーを世の中に還元出来れば良いのにね・・・・」
ふたばはそう言いながらも笑いを堪えて顔がひきつっています。
そこで二人を立たせているのも何なので優子ちゃんをコタツに座らせ、場所のない私とふたばは並んでベットに腰を下ろしました。
このベットは、以前私がふたばに押し倒された時にフレームにヒビが入ってしまい、補強も虚しく、ギ〜・・・っと今にも壊れそうな音を立てます。
「優子ちゃん。どうだった?ふたば先生の部屋。」
「はい。まず、ベットがおっきくってビックリしました。」
ベットの上で見下ろすように話を聞いていたふたばは驚いた様子です。
「そう来たか・・・・。でも、あれって特注なんだよね。どう頑張っても普通サイズじゃ足りなくって・・・」
意外な問いかけだったのか、いつも冷静なふたばが少し動揺したように答えました。
「そうですよね。それに比べてマドカ先生のこのベットってなんか・・・かわいい。」
そう言われた私がふたばを見ると笑いを堪えています。
「そ、そうだよね。普通オトコの部屋にある肌がけ布団ってこんなんじゃないよね。」
そうです。改めて自分の肌かけ布団を見ると、これは昔姉さんが使っていたものでピンク地に白い水玉模様の可愛いヤツでした。
「あっ、コレ?こっち来る時、ベット類は新しいの持って来たんだけど・・・これはこっち来る時、荷物にロープ掛ける時、荷物が壊れないようにって使ったヤツなんだけど・・・・。」
「何、コレって荷造り用のヤツ?もしかして・・・アンタこっち来た時、トラックの荷台に積んでいた荷物に挟まっていたヤツ?」
「そうだけど・・・何か?」
「まさか、洗っては・・いるよね?」
「うん。もちろんだけど・・・。」
私がそこまで答えると、それを質問してきたふたばの顔がひきつっています。
「優子ちゃん。勉強になるね。オトコってこれだからね。決して衛生的な生き物ではないって覚えておいて・・・」
「でも良いんです。わたし・・・先生が良いって思うものなら、段ボールでもムシロでもなんでも良いと思っていますから・・・」
「僕って・・・ホームレス?」
私の言ったそんな囁きに反応したのはふたばでした。
「アレ、そうじゃないの?前に自分で言ってたでしょ?自分って迷い犬みたいなものだって」
「なあ、ふたば・・・それって行き先が分かんなくっての話だったような気が・・・」
「それに・・・それって衛生的とかって言う話じゃないよね・・・」
そこまで私が言ったところで優子ちゃんが助け船を出してくれました。
「マドカ先生・・・・さっき言ってじゃないですか。進むべき道は見えてるけど、今は迷ってウロウロしてるって。」
「それを迷い犬って表現したのはすごく的確だと思います。なかなかイノシシみたいに進む道に向かって一直線って言う人はいませんよね」
「優子ちゃん、上手いこと言うね。コイツってさ、モノ決められないO型の典型なんだよね。誰かが背中をちょっとだけ押してあげれば良いだけなんだけど・・・。」
「アレッ?・・いつからそんな難しい話になったんだっけ?」
「そうだよ、アンタの肌かけ布団からそんな話になったんだよ。そもそも優子ちゃんがアンタの部屋見てから帰りたいって言うから連れて来たんだけどさ・・・、ところであのクルマ大丈夫なの?優子ちゃん送っていけるの?」
「そうなんだよね〜。さっき義父さんに電話したら、乗らない方がいいって言われたんだけど・・・どうしようか?」
ここでこれからのことに関して全くノープランだった私にふたばがアドバイスをくれました。
「まっ、こんな不衛生なところには置いて置けないし、わたしも明日の準備があるし・・・一番確実なのはバスで送るってとこじゃないの?」
「やっぱりそうだよね。でも、セーラ服って目立つから一緒に歩いていてまた職務質問なんか・・・」
そこまで言った私は「しまった!」と思っています。この時怖くて優子ちゃんのことを見ることはできませんでした。
「コレ・・・あるじゃない?」
そこでそう言ったのはふたばでした。しかも、ドアの脇に掛かっていた姉さんの事務服をハンガーごと左手に持って掲げています。
「あっ、そうですね。コレ借りていいですか?・・・・でも、コレってマドカ先生のものじゃ・・・・」
「そうなんだよね。コレ、姉さんの職場の事務服なんだけど・・・一式忘れて行っちゃったんだ。」
そう言われた優子ちゃんがその事務服をマジマジと見ています。
「コレ、麻美子お姉さんの勤め先ですよね。お姉さんって元警察官って伺っていましたけど、思いっきり関連部署じゃないですか?」
優子ちゃんはその事務服の左胸に付いている名札を指さしています。
「優子ちゃん、詳しいね。」
「はい。お父さんが地元で地区会長やってますから・・・。」
「いや〜、世の中狭いね・・・でも、県が違うから直接の接点はないと思うけど・・・」
「でも・・・最近免許更新の時に会費の支払いを渋る人が多くなって来たって、父さんがボヤいていました。」
この会費って、一般的に免許更新の時に何となく払っているアレです。
ほとんどの人には、それを支払うと免許更新時期を知らせるハガキが届くのと、更新時の申請写真が無料になるくらいにしか思われていませんが、警察が直接出来ない交通安全活動を行う上での大切な収入源です。
ちなみに、あの麻美子姉さんにもその会費から給料が支払われています。
「アンタ・・・着替えるからそっち向いて・・・あと、カーテンも。」
そういうふたばが言うとおり私が後ろを向きカーテンを引きました。でも、窓のカーテンが少しずれているところのガラスに映った優子ちゃんの着替えがバッチリ見えます。
しかも、覗き見しているみたいでなんか変な気分です。
そして、私の存在が完全に無視されたかのような女子の会話が始まりました。
「アレ?優子ちゃん・・・キャミとか・・・ブラ・・は?」
「あっ、キャミは時々着ますが、ブラは着けません。って言いますか、必要ありません。」
「でも・・・屈むとそれなりにあるし・・・」
そんなふたばは小学5年生にはブラジャーを着けていたと以前聞いたことがありました。その後、自分の女子の部分の成長が早くコンプレックスになっていたことも・・・。
でも、その真逆で女子としての成長を心配しているふたばの心配をよそに優子ちゃんが答えます。
「必要になったら、お姉ちゃんのもらいますから・・・。」
でも、いつもはキチンとキャミソールだってブラだって着けています。でも今はあえて着けていないんです。
そんな状況下でサラリとかわすところなんかは「さすが女の子」って感じです。
そして、ブラウスの胸が緩いとか、スカートがブカブカだとか、そんな会話が終わるとその着替えが終わりました。
「マドカ先生・・・もういいですよ。」
私が振り返り直接見たその姿は姉さんとは全く違った新鮮な感じです。
どちらかというと、姉さんはムチムチとして胸のボタンが弾けそうな感じでしたが、優子ちゃんは何もかも緩い感じです。言ってみればサイズの合わない制服をあてがわれた新入社員のようです。
でも・・・その新鮮な感じがなんとなく良いのです。
そんな時ふたばが囁きました。
「このセーラー服、忘れて行くとコイツのコレクションになっちゃうからね。」
と言いながら畳んでいます。
「そういえば・・・マドカ先生って、制服フェチ・・・?」
「アンタ・・・アンタの姉さんにも言われてたよね・・・・押し入れに隠してるって。」
そしてそんな他愛もない会話の後、下宿を後にし優子ちゃんの手を引いてバス停に向かいました。私の掴む優子ちゃんの手は暖かくまるで子供のようです。
「マドカ先生。なんか・・・手を繋いで歩くって良いですね。」
優子ちゃんは私の隣から覗き込むような仕草で私を見上げます。
「あっ、そうだね。考えてみれば女の子と手を繋いで歩くなんてあまりないような・・・」
考えてみれば、こうやって手を繋いで歩くなんて、初めてマコトに出逢った日に友人の織田とマコトの姉さんのアキラと行った水族館以来です。
その時、マコトの手が小さくって驚いた記憶が蘇って来ます。
そんな優子ちゃんの手を見つめていると、その手の持ち主が不思議そうに尋ねます。
「わたしの手・・・どうかしましたか?」
「いや・・・ちょっと・・・可愛いなって思って。」
「あれ?先生。まだ、バスにも乗っていませんよ。口説くのはアパートに帰ってからでも・・・」
私は特に口説いている訳でもありませんでしたが、ここは男子たるもの話を合わせます。
「それじゃ、アパートの玄関入ったら思いっきり口説いちゃうから・・・・覚悟できてる?」
「はい。思いっきり口説いてください。わたし・・・・なんでも受け入れますので。」
その後は特に会話をすることもなくバスの一番後ろの右端に二人揃って座ってバスに揺られていました。
「先生・・・・」
今まで俯いていた優子ちゃんが繋いで手をギュッと握りながら話を始めました。
「このバスって駅前行きですよね。」
「うん・・・そうだね。」
「その駅から電車乗って一番遠い駅ってどこでしょうね?」
「そうだね・・・場所的に九州の鹿児島あたりかな?」
「そうですよね。北だと稚内ですか?」
「電車で・・・・?」
「先生・・・。青函トンネル開通したじゃないですか。」
「あっ、そうだった。電車でも北海道に渡れるんだった・・・。僕ってクルマ目線でしか考えていなかったから、フェリーで渡る以外の選択肢考えてなかった。」
「カミソ・・・」
「先生?上磯って聞いたことあります?」
俯いたまま話す優子ちゃんが急にこんな話を始めました。私は、その「カミソ」っていう言葉自体は聞いたことはあるという程度の知識しか持ち合わせていません。
「うん。聞いたことはある。でも・・・何のことかは・・・」
「それって、津軽半島の先っぽの当たりを指す呼び方らしいんです。高校すらありません。」
「わたしの地元では、高校進学と共に親元を離れるのが普通なんです。もちろん汽車で通うっていう選択肢もありますが、その始発に乗らないと学校に間に合いません。その始発って朝の5時前なんです。」
「だから・・・だいたいは青森市や弘前市に下宿しながら高校に通います。それくらい田舎なんです。」
「そのわたしの実家って・・・その青函トンネルの入り口に近いんです。」
「ものごころついたときにはその建設が始まっていて、・・それがようやく完成して初めて特急はつかりが走った時はもう嬉しくって。」
「でもですよ、そのトンネルって、将来新幹線が通る計画だっていうんですけど本当なんですか?」
「だって、その新幹線なんてこの街も通ることになるんですよね。そんな気配なんて、あちこちにある新幹線早期整備を訴える看板以外は全くないじゃないですか。」
「でも・・・わたしのおじいちゃん・・・そのトンネルで亡くなったんです。」
「えっ?」
「海底200メートルだったそうです。」
「そのおじいちゃんがその仕事が誇りだって言っていたそうです。俺の掘ったトンネルに新幹線が通るんだって・・・」
「でも、みんなそんなおじいちゃんを笑ったそうです。一生掛かったって新幹線なんて来やしないって。」
「わたしその話聞いて・・・・悔しくて悔しくて・・・新幹線が通るまで青函トンネルは通らないって決めたんです。」
「でも・・・実際いくら待っても新幹線なんて来ないんですよね。」
「もし、来たとしても何十年も先・・・わたし、おばあちゃんになっちゃいます・・・。」
それは整備新幹線と呼ばれている国家の一代プロジェクトでした。土木工学の技術を結集して進められていたその困難な工事。
その工事でぶち当たる数々の困難に土木技術で立ち向かって、30年近い年月をかけて完成させたその海底トンネル。それが青函トンネルでした。
私は大学の授業でその工事記録を映像で見たことがありました。確かに、その中で作業員の中に犠牲者が出たと言っていましたが・・・・その中に優子ちゃんの親族が含まれていたとは・・・・。
「優子ちゃん・・・このまま電車乗って函館まで行こう。新幹線じゃなくたって・・・」
「おじいちゃんの誇りのトンネル通ってみようよ。」
「先生・・・わたしすごく嬉しい。」
「先生・・・もし、一緒に北海道に渡ったら・・・そのどこかで・・・・・誰も知らないところで先生と一緒になりたい。」
「先生のお嫁さんになって、先生の子供いっぱい産んで幸せな家庭築きたい・・・・」
「・・・・・・なんちゃって。」
「ごめんなさい。そんなこと言われたって困っちゃいますよね。忘れてください・・・」
そう言ったきり優子ちゃんは流れる車窓を見つめていました。
そして、優子ちゃんのアパート近くのバス停を知らせるアナウンスが流れました。
「あっ、先生ここです。ここで降りないと・・・北海道まで付き合うことになりますよ。」
そう言われた私は手を引っ張られながらそのバスを降りました。
「優子ちゃん。僕さ・・・いっそそのまま北海道に行っても良いって思ってた・・・。」
するとその優子ちゃんが私の左腕に絡みつきながらニコッとしました。
「嘘でも嬉しい・・・」
「いや・・・半分本気だった・・・。」
「マドカ先生・・・ダメです。そんなあと先考えない行動は・・・未成年者誘拐になっちゃいます。」
「でも・・・」
「いいんです。青函トンネルなんて・・・」
そう言ったきり、その優子ちゃんは口を一文字に閉じて無言でした。そんな中、私はそんな優子ちゃんの手を引いて歩き続けました。手を繋いだ私の左手はすごく汗ばんでいます。
そんな感じで歩いていてアパートが近くなって来た時です。
「あっ、マドカ先生。ちょっと・・・買い物して帰りたいんですが・・・」
今まで俯いて歩いていた優子ちゃんが申し訳なさそうに囁きました。
「うん。良いけど・・・どうかした?」
「あの・・・・ナプキン・・・買わなくちゃならないですし・・・これから部屋に籠るってなると・・・その・・」
「その?」
「お腹減るじゃないですか?体力も使いますし・・・」
そう言いながらも恥ずかしがる優子ちゃんでしたが・・・・何かが吹っ切れたようにヤル気満々な様子です。
「先生・・・・もう、夜になっちゃってますよ。今どきの夜って短いんです。」
「そうだよね。夏至も近いし・・・」
そして立ち寄ったスーパーの生理用品売り場まで来ています。
通常、そんなところにオトコは立ち入りません。・・・・そんな雰囲気の場所です。
そして、私はそこで普通に生理用品の品定めをしている主婦からの視線を感じていて気まずい雰囲気ですが、そんなことなんてちっとも感じていない優子ちゃんは無邪気に私に問いかけます。
「どれ買ったら良いんでしょうか?なんか種類がありますが・・・」
「とりあえず、お姉ちゃんと同じもの揃えれば、お姉ちゃんが来た時困らないっていうか・・・」
「どれか分かりません。何かの新製品で肌触りがいいってだけは聴いていましたが・・・」
私は昔から生理用用品に囲まれて育ったと言っても過言ではありません。自分の家でも、従姉妹たちの住むおばさんの家に行っても、そのトイレには必ず置いてありそれの説明書きなんか見ながら用を足していたこともありました。
そのうえ、それぞれの女性たちは私の存在なんか構わず生理の話もしていました。
2日目は量が多いだとか、今回はだらだら続いているとか、経血が濃いとか薄いとか・・・・更にはナプキンが擦れてすごく痒いとかまで・・・・。
そんなことで私は母さんと姉さんのナプキンの好みは把握していました。多い日や少ない日も含めて・・・。
でも初めて使う優子ちゃんに何を勧めたらいいのか分かりません。しかも、その肝心の生理も来てないんです。
とりあえず、私は最近CMで放映している新製品の薄いヤツを選びました。羽が付いているとか付いてないで悩みましたが、普通のヤツを陳列棚から取り出して買い物カゴに入れました。
「ちょっと分かんないけどコレで良いよね。」
「はい。先生が選んでくれるものなら・・・」
その後簡単な日常品を見て回りましたが、食品売り場まで来た時値引シールを貼っていた店員に「新婚さん・・・」なんて言われてしまって、勢いで塩鮭の切り身なんかも買ってしまいました。
そして最後の会計の時、そのレジで店員が丁寧にナプキンを紙の袋に入れてくれて、更にその口をテープで止めてくれました。
いつものことですが、なんでわざわざそんなことをするのかいつも不思議です。別に見られて困るものでもないんですが・・・。
そしてそのスーパーを後にし少し歩いたところにアパートがあります。そのアパートの外階段を登るにつれ優子ちゃんの手がギュッと強く私の左手を掴みました。
続いて優子ちゃんが玄関ドアの鍵を開け、二人揃って玄関に入りました。部屋の中は薄暗く、窓から漏れる街路灯の明かりがぼんやり見える程度です。しかもこの玄関は狭くて二人で立つとギューギューでした。
そして、私が汗ばんだ手で鍵とチェーンをかけ、振り返ったその瞬間、優子ちゃんが急に首に抱きついてきました。
「せん・・せい・・」
優子ちゃんは小さくそう囁くと、その身体を伸ばすようにして私にキスをして来ました。
「ゆっ・・・優子ちゃん・・とりあえず、買ったもの冷蔵庫に・・・・」
不意打ちを喰らった私が冷静を装いつつそう伝えると
「良いの・・・そんなもの。私は・・・マドカ先生さえ・・・」
優子ちゃんはそこまで言いましたが、その後の言葉が続きません。
靴も脱がないまま玄関ドアに押し付けられてキスをされている私でしたが、体を傾け右手に持ったスーパーのレジ袋をそっと床に下ろし、小笠原優子という高校1年生で15歳の小さなカラダを改めて両手で抱きしめました。
そのカラダはやはり小さく華奢でした。日中、一度身体を重ねてはいましたが、その時はそんなことを感じる余裕はありませんでした。
そして、キスをしながらその若い香りをというか女子高生の特有の香りを感じていた時です。電気も点けない薄暗い部屋の奥に何か点滅する赤い光が見えました。
私は優子ちゃんのカラダを少し引き離しました。
「優子ちゃん、なんか光ってる・・・」
私がそういうと優子ちゃんが振り返りその光の元を見つけました。
「あっ、留守番電話・・・誰だろう?」
そう言いながら優子ちゃんは玄関の灯りを点け、居間へ歩いて行くとその部屋の蛍光灯が一瞬チカチカしてパッっと灯りました。
そして、留守番電話を操作してテープを巻き戻して再生ボタンを「ピッ」と押している優子ちゃんの後ろ姿が見えます。
「ピー・・・もしもし・・・お姉ちゃんです。優子・・・買い物にでも行っちゃってるのかな?。」
「お姉ちゃんね、今晩様子見に行こうと思っていたんだけど、明日の朝早い仕事になっちゃったから行けなくなっちゃったの。」
「エンちゃ・・・いや、マドカ先生と一緒なんでしょ?一緒なら心配ないけど、ちょっと声聴きたいな。戻ったら電話頂戴ね。じゃっ。・・・ピー。」
そのメッセージを聞いた優子ちゃんが振り返り嬉しそうに口を開きました。
「お姉ちゃん・・・・だった。」
「お姉ちゃんに声、聴かせなきゃ・・・」
「あっ、そうですね。」
優子ちゃんはそう言うと、左手に受話器を持ちながら右手の人差し指で、私も知っている番号へ電話をかけました。
「あっ、もしもし・・・夜分にすいません。小笠原の妹なんですが・・・いつもお姉ちゃんがお世話になっています・・・お姉ちゃんいますか?・・・あっ、はい・・・すいません。」
その電話をかけた先は、私も度々電話を掛けているバスガイドの女子寮です。
私はそんな優子ちゃんを後ろから見ていましたが、先ほど抱きしめた感触が手に残っていてその姿になぜかムラムラ来ていました。
そしてその優子ちゃんが受話器を持ったまま立っている状態で私は後ろから紺色の制服の前ボタンとブラウスのボタンを外して、下から手を入れてその薄くて幼い乳房をそっと揉み上げました。
もちろんブラジャーなんて着けていませんので、邪魔なものなどありません。
私に身を預けている優子ちゃんはカラダを捩るようにしてはいるものの嫌がる素振りは見せていません。そして、私の両手の人差し指がほとんど同時に左右の乳首を捉えた瞬間、左手に持った受話器から優子ちゃんのお姉ちゃんである洋子ちゃんの声が聞こえて来ました。
「あっ、もしもし優子?大丈夫?エンちゃん・・・じゃなくってマドカ先生と一緒なんでしょ?」
「あっ・うっ、そっ・そうだよ・・・。だっ、大丈夫・・だ・・よ。」
「あれっ?優子、なんか変だよ・・・大丈夫?」
「わ・わたしは・・・もう大丈夫・・心配しなくっても・・・。今日ね、小林先生も来てくれて・・・・。」
「あ・あと、実習生のふたば先生のところ行ってテスト勉強したり、ふたば先生の実家の下宿のマドカ先生の部屋見せてもらったり・・・すごく楽しかった・・・。」
「優子・・・よかったね。なんか明るい声で・・・姉さん、なんか安心した。」
「あっ、そうだ・・・今晩、マドカ先生・・・一緒にいてくれるんだよね。」
「うん、そうだよ。あっ、マドカ先生に代わるね。・・・はい。」
そこまで話をした優子ちゃんが急に受話器を私に渡しました。
「あっ、風谷です・・・。あっ・・・コラ・・・」
その瞬間、ズボンのチャックが下げられ、私のアレが熱いものに包まれた感覚となっています。この時その状況を確認しようとしましたが、優子ちゃんの頭頂部しか見えずそれを確認することはできませんでした。
だいたいどんな状況かは察しがついていましたがなにせ電話中です。自分が焦っているのが分かります。
「え?、エンちゃんどうした?」
そんな状況とは全く知らない電話口の洋子ちゃんは当然の如くそう聞いて来ました。
「あっ、な・なんでも・・・・ない・よ。」
そう受け答えはするものの、私の下半身からは物凄い刺激が伝わってきます。そして、その刺激の元からは「ジュポッ・・・ジュポッ・・」といういやらしい音も聞こえます。
私はそんな刺激に耐えながらも平静を装います。
「大丈夫だ・よ・優子ちゃん・・大分笑顔が・・戻ってきたよ。」
「うん・・・よかった。やっぱりエンちゃんについててもらって良かったよ。もし、ひとりだったらって思うと・・・」
「あっ、あと、朝に僕の姉さんがアパートに寄ってくれて優うう子ちゃん・・・・に話してくれたんだ・・・」
「起きちゃったことは仕方ないい・・けど、そっ・それを受け入れろって。そうしないと前に進めないって・・・」
「あっ、お姉さん来てくれたんだ・・・。あの話・・・優子にも聴かせてあげたかったな・・・」
「そ・そうだよね・・・優子ちゃん、き・聴いてないんだもんね。」
「そうだ・・・夕方、マコトからの業務連絡があって、たまたまその電話にわたしが出て、ちょっと話したんだけど・・」
「なんか、行った先で大型バスの事故があって負傷者が出ているみたいなんだけど、わたしは大丈夫だから・・・エンちゃんに伝えて欲しいって言われてて・・・」
「多分、テレビなんかで放映された時・・・エンちゃんが心配すると思って・・・」
「そんなこと言ってたんだ・・・わたしも詳しいこと知らないから詳細な状況知らないけど・・・まっ、そんなところ。」
「あと・・・押し入れにわたしの布団あるんだけど、ごめんね・・・使わないで。他人のカレシに寝てほしくないんだ・・・」
「せっかくだから、優子を温めてやって頂戴ね。あの子冷え性だから・・・」
「あと・・・手、出しちゃって良いからね。・・・・てっ言うか、出してもらわないと困る。優子・・・あんなことになっちゃって、オトコの印象がそれじゃ可哀想すぎるからね。」
「マコトがいっつものろけるんだ・・・エンちゃんって優しいって。そんなオトコの優しさって言うヤツ・・・優子に教えてあげて。」
「でも・・・後で、優子とマコトとで修羅場になっちゃうね・・・まっ、それは自己責任ということで。」
「それじゃあね。優子によろしく。」
洋子ちゃんがそういうとその電話が切れました。
「ヤバッ、出る!」
私は受話器を電話本体に戻した瞬間、下半身からそんな信号を受け取りました。
そして喉の奥まで私のソレを咥えている優子ちゃんを引き離しました。このまま口に出してしまってはあのブタ野郎と同じになってしまいます。
「先生・・・わたし、嬉しい・・・」
「だって・・先生のソレ凄くヌルヌルしてます。酸っぱいのいっぱい出てきました。それってオトコの人がガマンしてる時出るヤツですよね。友達がそう言ってました。」
「いっぱい出てってことは、先生が我慢してたってことですよね。わたしとエッチしたいって・・・」
「そうだよ・・・優子みたいな可愛い娘がそばにいたら我慢するのがどんなに大変か・・・」
「じゃ・・・今度は優子が我慢する番・・・」
私はそう言うと優子ちゃんをお姫様抱っこしてベットに寝かせました。
「先生・・・電気消して・・・」
「ダメ!・・・そんなことしたら優子のことが見えなくなっちゃう・・・」
「それじゃ・・・せめてカーテン・・・」
私は気が付きませんでしたが窓のカーテンが薄いレースのものでコレでは外から丸見えです。こんなことではいつかふたばとのことを小林先生に見られてしまった二の前になってしまいます。
私は身体を伸ばしてベット脇の厚手のカーテンをジャっと引いてから、すぐさまベットに戻って仰向けに横たわっている優子ちゃんのスカートの中に手を入れて、アソコの様子を伺いました。
するとそこは物凄く濡れていてヌルヌルしています。そして両手を腰の下に入れ、邪魔なその白いパンツを一気に脱がしました。
本日2回目となる優子ちゃんのアソコを改めて見ると、ぽっちゃりとした恥丘の下にワレメが少ししか見えずやっぱりどう見ても幼い女の子って感じです。
更に足を開いて日中に続き再び見た優子ちゃんのアソコには、日中私が挿入したタンポンは無く、どこかの段階で取り去られていて、やっぱりものすごく濡れた状態でした。
そして我慢できない私は、優子ちゃんの両足を両手で掴んでV字に高く持ち上げいきなりソコにシャブリ付きました。
「せ、先生・・・そんな・・・恥ずかしい・・シャワー浴びたい・・・オシッコ・・・」
マングリ返しとでもいう体制でしょうか?そんな体制で私は構わずしゃぶりついてその周りから徐々にその中心に深く舌を入れ、次から次から分泌される液体を舐め取りました。
私がそれを吸うたび「ジュルル・・ジュルル・・」といういやらしい音が聞こえ、ますます私を焚き付けます。
「先生・・・わたし・・・我慢できない・・・」
そんな時、両手で顔を隠していた優子ちゃんが蚊の泣くような声でそう囁きました。
「何が我慢できない?」
私は一瞬ソレから口を離して優子ちゃんにそう問いかけました。
そして私はその答えも待たず、先ほどより強く優子ちゃんの中をほじるようにして吸い上げました。
「先生・・・いじ・わる・・・はあ・・・はあ・・・あっ・・・うっ・・・」
優子ちゃんが半分悲鳴にも似た声でそう声を上げています。
そして、私が一瞬そのワレメの上で固く尖っている部分も含めて全体的に吸い上げました。
「ジュルルル・・・」
そしてその音と被るように優子ちゃん下腹部に力が入り、痙攣を始めました。
「先生・・・ダメ・・・死んじゃう・・う・う・う・ううう・・・うっ!」
今度は優子ちゃんが小さな声でそう叫び終わったと同時にいきなり私の口に熱い液体が勢いよく入って来ます。
思いもよらないことに私が顔を引くとそれが私の顔にビシャっとかかりました。そして今まで抱えていた洋子ちゃんの足をベットに下ろし自分の右袖で目を拭った瞬間です。
そのワレメの上の方から黄金色の液体がチョロチョロと出て来ました。それは一本の糸のように弧を描いてシーツに達しています。
「先生・・・見ないで・・・・・・・恥ずかしい・・・」
「わたし・・・・高校生にもなっておもらししちゃいました。」
そんな優子ちゃんは両手で顔を隠して横向きになって小さくなっています。
「優子・・・僕が悪かった。トイレ我慢させてたうえに恥ずかしい想いさせちゃって・・。」
「でも嬉しい。こんな僕にそんなに感じてくれて・・・」
すると優子ちゃんがゆっくりとした動作で起き上がりました。
「シーツ変えなきゃ。それにシャワー・・・・」
そう言いながら私の顔を見た瞬間、その優子ちゃんの表情が青ざめました。
「先生、すいません。先生の顔に思いっきり掛けちゃって・・・」
「いいんだよ・・・コレはオシッコじゃないから・・・・」
「えっ、それは・・・」
「コレはこのカラダが感じてくれたって言う愛の証。まっ、主成分は愛液っていう分泌物だけどね。」
「わたし・・・そんなに・・・」
「そうだよ・・・女の子のカラダって不思議だよね・・・。」
そして、そのシーツを新しいものに変え、更に黄金水で濡れている所にはバスタオルを敷きました。その後、ベッドから剥ぎ取ったソレを洗濯機に放り込み一緒にバスルームへ向かいます。
シーツを放り込んだ洗濯機には、今朝ほどのものも入っており満員御礼状態でした。
そして一緒に入ったそのバスルームはユニット式となっておりやっぱりものすごく狭いものです。でも日中、ここに麻美子姉さんも含め3人で入っていました。今思えば信じられませんが・・・。
次にそんな狭い浴槽に二人立ちながらお互いをスポンジで洗い合いました。
「このボディーシャンプーいい匂いでしょ?コレわたしのいち推しなんです。」
優子ちゃんがボディーシャンプのポンプを押しながらそう言っています。
ここで私はここで思い出しました。教育実習中、廊下なんかで女子生徒とすれ違う時、なんかいい匂いを感じることがありました。その正体がこのボディーシャンプーだったのでしょうか?。
そこでそんな学校の廊下の風景が頭を巡った瞬間、私のアレが急に頭を上げてしまいました。
「先生・・・さっきはわたしばっかりで・・・先生のほうは中途半端にしちゃってますよね・・・」
そう言うと、その狭い浴槽に小さくしゃがんで私のソレを舐め始めました。
「うっ!」
ソレはとても初心者とは思えないテクニックで私を攻撃してきます。
でも・・・、そんなテクニックはあのブタ野郎が教えたものです。しかしそのテクニックで快感を得てしまっている自分も同罪であると感じています・・・・でも、気持ちいいものは気持ちいいんです。
その時腰を引いたり突き出したり・・・・カラダが言うことを聞きません。
「先生・・・じっとしててください。うまくできません。」
優子ちゃんはこの時そういうと少しぽっぺを膨らましました。でも、そうじゃないんです。うますぎてそれに耐えられないんです。
すると、先ほど一度寸止めをされているからかは分かりませんが、その快感が一気に高まり今すぐにでも出そうになってしまいました。
「優子・・・デ・・・ル・・・」
私がそう優子ちゃんに伝えると優子ちゃんは私のモノを浅く加えて右手で扱き始めました。
そしてその先っぽを強めに舐め上げた瞬間その発射が始まりました。
しかも、その強い刺激で私が腰を引いた勢いで優子ちゃんの口から私のモノが外れ、その鼻先5cmくらいのところから顔を目掛けて勢いよく何度も何度も白い液体が発射され顔にかかっています。
そして、今度はそれを受け止めるように大きく口を開いて無抵抗な状態でソレを受け止めていて、その口の中に白い液体が溜まっていくのが見えます。
それからどれくらい経ったのでしょう。ゴクリと喉を鳴らして私のモノを飲み込んだ優子ちゃんの顔は、私の放出した精子まみれになっていて、目も開けられない状態になっていました。
さらには髪にまで沢山付いていて、このまま乾いたら大惨事となってしまうところです。
「先生・・・・先生の・・・・美味しいです。」
「でも・・・あまり飲めませんでした・・・」
そう言いながら、下から見上げる優子ちゃんのその口から白い液体が糸を引いて垂れ下がっています。
「あっ、そのまま動かないで・・・」
私はお湯を出して温度を確認するとシャワーに切り替え優子ちゃんにかけてあげました。
「先生・・・ありがとうございます。」
そう言いながら優子ちゃんは顔を両手で洗っています。
「先生・・・精子って、お肌にいいんですか?なんかほっぺがツルツルしてます。」
「優子ちゃん。いいか悪いかは分かんないけど・・・とりあえずいい匂いじゃないから・・・」
「でも・・・コレって先生のものですよね。先生のはいい匂いです・・・。」
私はそんなことを言っている優子ちゃんの頭のてっぺんから足の先まで綺麗に洗いました。もちろんアソコも・・・
ソレは高校時代に姉さんがレイプされてしまった時と同じです。でも、ここにいる優子ちゃんは姉さんほど深刻な状況ではないようで、この時点で表情が戻って来ていました。
その後私は一足先にバスルームから出て、髪をタオルで拭きながらテレビのスイッチを入れました。
するとその14インチの小さなテレビではちょうどニュース番組が流れています。
「・・・・本日・・・・の高速道路上で・・乗客を乗せた観光バスが・・渋滞の最後尾で大型トレーラーに追突され・・そのはずみで前に停車中の同じ会社の観光バスに玉突き衝突し・・乗員乗客14名が重軽傷を負い病院に搬送されました・・・」
「なお、運転手とバスガイドが車体に挟まれて・・特殊工作車で救出されましたが重症の模様・・・」
「また現場は、そのトレーラーが積んでいた建設資材が散乱し3時間通行止めとなり・・大渋滞が発生しました・・・なお原因については・・・・」
私はソレが耳に入った瞬間、頭を拭いていたバスタオルを投げ捨てそのテレビに釘付けとなりました。
さらにそのテレビには上空からヘリコプターで撮影した事故現場と後続の渋滞状況が映し出されています。
「あっ、コレ、お姉ちゃんの会社のバス・・・」
急にそう言ったのは優子ちゃんでした。私が振り返ると胸までバスタオルを巻いた優子ちゃんがそこにいます。
私はその画面の中に小さく映るそのバスを見つけることができませんでした。すると優子ちゃんがテレビの前まで来て「コレ」と指をさします。
見つけました。ソレは追突したトレーラーの5〜6台後ろに2台連なって止まっていました。よく見ると見慣れたカラーリングです。
「それって、マドカ先生の彼女の・・・・」
「多分・・・」
「お姉ちゃんが言ってました。マドカ先生の彼女さんがそっち方面に仕事で行っているって言うこと・・・」
「うん・・・。でも・・バスガイドってこう言う仕事なんだよね・・・いつも危険と背中合わせ・・・。」
「先生・・・。マドカ先生は、その彼女さんが戻ってきたら言うんですか?」
「バスガイドって言う仕事は危険だからやめろって。」
この時私はしばらく考えました。そして沈黙が続きます。
その間、呆然と見つめるそのテレビ番組の話題がスポーツの話題に変わっていました。
「本当だったら危険なことはしてほしくないけど・・・・なりたくって就いた職業、楽しいって言ってる仕事、僕はやめろだなんて言えない。」
「だって・・・どんな時でも車で移動する時には危険が伴うでしょ?現に僕だって前に高速道路で死にかけたし・・・」
「そうだったんですか?わたし知りませんでした。」
「バイクで転んで・・・・ね。」
「高速道路で転ぶって・・・どんな乗り方してたんですか?」
「ちょっと飛ばし過ぎちゃって・・・今でもその時怪我した場所に金属プレートが入ってる・・・」
そう言って優子ちゃんの前に右足首を差し出しました。
「そう・・・痛かったね。もう、大丈夫?」
優子ちゃんは私の足元にしゃがみ込み、まるで幼児園児にでも語りかけるようにそう言いながらわたしの足首を両手で包んで頬擦りしています。
そして優子ちゃんが右手で足の甲をさすった時です。なせか股間にゾワゾワと寒気が走り、どう言うわけか股間のアレが急に固くなって、腰に巻いているバスタオルに三角テントが出現しました。
今まで気づきませんでしたが、私の性感帯がそんなところにあったと言うことでしょうか?
「先生・・・・どうしちゃったんですか?・・・コレ。カチカチです。」
そう言いながら優子ちゃんがバスタオルのテントの先端を指先でチョンチョンと突きました。
私は即座にテレビを消して優子ちゃんをお姫様抱っこして隣の寝室まで運ぶとベッドそのカラダを横たえました。
「先生・・・髪乾かしたい・・・」
優子ちゃんはそう言ってますが、私はもう抑えが効きません。
ヒトって、何がきっかけでオスとかメスと言ったところの感情がコントロール出来なるのか分からないものです。
私はそんな優子ちゃんにキスをするため後頭部に左手を入れて頭を引き寄せようとしましたが、やはり髪の中に入れた私の左手から相当な湿気を感じます。しかも、これもまたいい香りでますます私を焚き付けます。
そしてその優子ちゃんにキスをしながらアソコの様子を確かめると、シャワーを浴びた直後ということもありあまり濡れているような感じじゃありません。でも・・・
そんなことは重々承知していました。
過去に準備不足から膣痙攣なんていう恐ろしい体験をしている私です。そんなことから、いつも丁寧に準備を重ねてから慎重にことを進めることを信念としていた私ですが、今は精神的にも身体的にもそんな余裕はありません。
言ってみれば破裂寸前の風船と言ったところでしょうか。
そんな余裕のない中私は優子ちゃんの足を開いて身体を割り込ませて更に腕で膝裏を持ち上げ、それでも自分のアレで優子ちゃんのワレメを2〜3回往復させ一応馴染ませました。
「優子ちゃん行くよ・・・」
私が優子ちゃんにそう声を掛けると優子ちゃんは無言で頷きました。
そして自分のアレを優子ちゃんの胎内目掛けて挿入しました。でもそれはネメっとした感じではなく、潤滑が足りないって感じがしています。
しかし、抑えの効かない今の私はそのまま進んで、先っぽが差し込まれた状態のところで何度か抜き差ししてみました。
するとやはり滑りが悪く、腰を引く時私のカリの部分が引っかかります。
でも抑えの効かない私はそのまま「ズズズ・・・」と深く押し込むと優子ちゃんが眉間にシワを寄せました。
「先生・・・・ちょっと・・・痛い・・です。」
そう言いながら、私の下で身体中にチカラが入ったその小さな体の手には小さな拳が握られ、更には歯を食いしばっています。
「ごめん・・・痛い?・・・でも腰が止まんなくって・・・」
「いいんです。構わず奥まで来てください・・・・。でも、嬉しいです。先生と繋がってる・・・ひとつになってる実感が湧いてきます。」
「あっ、今・・先生が奥まで来たのが分かりました・・・」
その時、私の先端部が優子ちゃんの胎内奥底に到達したのを私自身も感じていました。
それは壁というか、何か少し硬い盛り上がりみたいな場所です。でも、そんなに長くない私のアレでも全部入り切っていおらず、カラダが密着する感じとはなりませんでした。
そこで、どう言う訳か自分に冷静さが戻って来ました。恐らく自分のアレを全部挿入したいという目的が達成されたからだと思います。
多分、今私の先端部が触れているところは子宮口だと思います。以前、マコトとのセックスの際にそこに押し込んで痛い思いをさせてしまっていました。
そんなことを考えていて、これからどうするものか迷った時です。
「先生・・・動いていいです。大分慣れて来ました・・・」
私は、痛いながら私を気遣いそんなことを言ってくれている優子ちゃんが愛おしくなってきて、そのぎゅっと握られている優子ちゃんの左手を右手で開いてそのまま手を繋ぎました。
そして、左手を優子ちゃんの後頭部に入れ、その顔を引き寄せてキスをしました。
その時優子ちゃんは空いた右手で私の後頭部を押さえて自分の顔に引き寄せています。
舌と舌が絡み合います。もう、口の周りは唾液でべちょべちょになっていますがそんなのは気にしません。
今、下半身ではアレが、上半身では舌が繋がっています。
そんな私のアレがますます硬くなって来たのを感じていました。
「先生・・・・わたし・・・濡れて来ました。あと・・・わたしのカラダの中で先生が触れているところって、なんかわたしと先生がキスしてるみたいですね。くっついたり離れたり・・・」
「こう?」
私が小刻みに腰を動かし、その先端部を子宮口に触れるが触れないかの微妙な位置を探しました。そしてそれがある一定の場所に触れると優子ちゃんの膣がギュッと閉まる規則性を発見しました。
「優子ちゃん・・・ココ?」
「先生の意地悪・・・・なんで分かるんですか?あと・・・・、ちゃん・・・は余計です。」
優子ちゃんは小さくそう囁くと目を閉じ、今度は私の後頭部に回していた手を腕に変え、今度は首をギュッと抱きしめました。
そんな私はカラダの自由が効きません。キスをしながら首を押さえられ、そんな状態で腰を前後に動かすなんて事が出来なくなっています。
いつも思うのですが、身長差のある男女のセックスって大変です。でも、身長の高いふたばとの時は、普通に目の前が乳房だったのでそれはそれで良かったのですが・・・・。
逆にマコトや優子ちゃんのように小さい相手だとこういう時、目の前が枕だったりベットの宮だったりします。その時、相手の顔は首元にあって身体を縮めないとキスもできません。
そんな状況の中でも、気持ち的には思いっきり腰をピストンさせ、一気に逝きたいところなんですが・・・
仕方なく私は動ける範囲で腰を動かします。それは、言ってみれば腰を回すような動きで、偶然にも優子ちゃんの胎内奥底の盛り上がり部を撫で回すような動きとなりました。
すると突然優子ちゃんがキスを避けるように顔を逸らし息を切らせています。
「あっ・・先生・・・ソレ・・・・ダメです。」
「わたし・・・・ずっと先生と繋がっていたいんです。それだとわたし・・・先に終わっちゃいます・・・」
優子ちゃんは小さくそう言うと、そのカラダの足の付け根あたりがピクピクして来ました。
そんな中で、その動きを続けていると二人が繋がったあたりから「グチョ・・・グチョ・・」という音が聞こえて来ました。
すると、規則的に膣と下腹部がビクビクして来てますます息が荒くなって来ます。
「先生・・・・終わっちゃ嫌です。でも・・・・・」
「あっ・・・あっ・・あっ・せ、せ・・ん・・せい・・一緒・・・に・・・」
わたしが腰を回す動きに合わせるように、優子ちゃんがまるでお願いでもするかのように呟きます。
「優子・・・一緒に・・・・」
「せん・・・せ・い・・・もっと・・・奥に・・・たく・・・さん・・・くだ・・さい。」
そう言われた私は、チカラを入れてその奥に進みました。
「あっ・・・・ソコ・・・」
優子ちゃんはそういうと顎をあげて苦しそうに歯を食いしばっています。
「優子ちゃん・・・大丈夫?・・・やめようか?」
「ダメ・・・ダメ・・・やめちゃ・ダ・メ・・・・」
優子ちゃんはそこまで言うともう言葉になりません。
そこで優子ちゃんの腕が外れたのでラストスパートに入ります。
もうここまで来ると理性なんてものはこれっぽっちもありません。自分のアレを優子ちゃんの奥底に打ち当てて発射すること以外何も考えられません。
するとその優子ちゃんのアソコな強烈な収縮を始め、その下っ腹にギュッと力が入りました。
「せん・・せい・・わたし・・・わたし・・・せんせいが・・・好き・・・」
そして腰を突き出した私のアレの先端か、何かに吸い付かれたような・・・・まるで壺の中に吸い込まれている感じとなっています。
と、次の瞬間です。
私の目の裏に、まるで頭をぶつけた時に現れる星が現れ、それと同時に私のアレの先端部にまるで火でも点けられたような強烈な刺激を感じました。
「あっ。・・逝く・・・」
私は無意識にそう囁くと、それを聞いた優子ちゃんは私をギュッと抱きしめ、更に足で私の腰をガッチリ固定しました。
「せんせい・・・わたしも・・・もう少しで・・・」
そう言いながら優子ちゃんは痙攣を起こしています。
そういう私は、自分のアレの先端部がどうなっているのかも感じ取れないまま、一気に発射を始めました。
「先生・・・もうダメです。わたし・・・・それにお腹が熱いです・・・・。」
もう、とてつもない快感です。優子ちゃんの痙攣が微妙な振動として伝わり、更に私の先端部を微妙に刺激しています。
気がつけば、先ほど全部入り切らない自分のものが全部入って、私と優子ちゃんの股間が密着していました。
「もう・・・ダメ・・・」
私は痙攣するその小さなカラダのその上でそう言いながら、これまた痙攣でもするかのようにビクビクしながら、まさに「ドピュッ・・ドピュッ・・」とそのカラダの胎内奥底に白い液体を発射し続けました。
「先生・・・・大丈夫ですか?」
気がついた時、優子ちゃんにそう声を掛けられていました。
「あっ、あ。だ、大丈夫・・・すごく気持ち良くって・・・ごめん。」
「ゴメンだなんて・・・・わたしも気持ち良くってどっか飛んで行っちゃいました。」
そう言いながら優子ちゃんはアソコをギュッと締め付けました。
「うっ!」
「先生・・・こう・・・ですか?」
優子ちゃんがそう言いながらもう一度アソコをギュッと締め付けます。
「そんなことされたら・・・・」
そう言いながら私は優子ちゃんから一旦離れました。
抜く時もその締め付けが物凄い刺激です。
そしてヌメっと抜いたアソコから白い液体がだらっと流れ出るのを見ながらその小さな体をひっくり返してお尻を引き寄せました。
そして先ほど引き抜いたアソコに再びヌメッと差し込んで今度は後ろから腰を打ち付けました。
「せ・ん・せ・い・・・わ・た・し・も・う・・・・」
後ろから突き出されるカラダの動きに合わせ優子ちゃんがそこまで言いましたが、その後その言葉は続きませんでした。
もうこの時の私は、腰を打ち付けて自分が逝くことしか考えていません。その小さなお尻を両手でガッチリ引き寄せて自分の腰を最大限戦後にストロークさせます。
先ほどは自分の動きたいようにさせてもらえなかったのでその反動なんでしょうか。
その部屋には「ヌチャ・・ヌチャ・・・」という音と「パン・パン・」という音が規則的に反響しています。
すると今度は私の先端からキチンとした射精感が伝わって来ました。先ほどは訳の分からないまま出してしまっていたのでキチンとした射精感を感じ取る暇もありませんでしたが、今度は自由に動いている分余裕があります。
「優子・・・逝きそう・・・」
私が優子ちゃんにそう伝えると、枕を抱きしめていた優子ちゃんかが小さい声でそれに応えます。
「先生・・・もうちょっとです・・・もうちょっと・・・・」
優子ちゃんは枕の中でそう言ってはいますが、私はすでに発射体制に入ってしまっています。
「ゴメン・・・・うっ・・・うっ・・うっ・・・・」
そう言いながら腰を打ち付けながら発射してしまいました。
そして、その動きが終わった瞬間、私から離れた優子ちゃんがうつ伏せに倒れ込みました。
と、その瞬間です。その優子ちゃんのアソコから「ブベベベッ・・・」という音が聞こえました。
すると途端に体を起こした優子ちゃんの顔が真っ赤です。
「オナラじゃありません。でも・・・・なに?」
「それって、優子のアソコのため息・・・・。あ〜やれやれって言ってるのかな?」
「先生。ため息は私です。わたし・・・・今の・・・乗り遅れました。」
「先生の電車に乗り遅れました。先生だけ目的地に着いちゃってます。」
そう言いながらその優子ちゃんが迫ってきて私のカラダをベットに押し倒しました。
「まだ・・・行けますよね・・・」
そう言いながらわたしの返事も聞かず優子ちゃんが、ヌメヌメの私のアレにしゃぶりつきました。
すると、先ほどあれ程出したばかりだと言うのに私のアレに硬さが戻って来ました。
「先生・・・頭・・・落っこちそうです・・・。」
そう言われた私はベットの真ん中にカラダを戻しました。すると今度は優子ちゃんかそのペッタンこの胸で私のアレを刺激しています。
「本当は・・・これで先生のコレ、挟んであげたかったんですけど・・・・」
そう言いながら、その乳首で私の敏感になっている先端部を刺激しています。
「麻美子お姉さんみたいに大きかったら・・・そんな・・・挟むなんて簡単ですよね。」
「先生?私の胸って育つんでしょうか?」
「育つかどうかは正直分かんないけど・・・・そのきっかけにはなりそうだよ。」
と言いながら私がカラダを起こしてその胸にしゃぶりつきました。
もう、キスマークが出来ようとも全然気にしません。そしてそれが乳首に及んだ時です。
「せっ、せ・ん・せ・い・・・ソレ・・・・すごく・・・いい・・・」
そんなため息ににた囁きを聞いた私がそれを吸い上げ、更に甘噛みした時です。
「そっ、そんなことされたら・・・我慢できない・・・」
そう言いながら自分の腰を少し浮かして右手で私のアレを掴んだかと思うとそのカラダを落としました。
「先生?さっき乗り遅れた電車に乗っていいですか?わたし追いつきます」
「うん。優子ちゃん・・・迎えに行くから・・・」
そう言いながら私は下から腰を突き上げました。
恐らくコレって対面座位っていう体位だと思います。抱き合って首元にキスだって出来ます。
でも・・・結構大変です。この状態で下から突き上げるのって・・・・。
そこで私はこの体位を断念しカラダを横たえ、今度は騎乗位という体位となりました。
この時ベットの宮が邪魔だったのですが、首を曲げてソレを回避しながらそばにあった枕を自分の腰の下に入れ腰を高くしました。
すると私の上で動きやすくなった優子ちゃんが自分の好きなように、感じるままに動いています。
時には上下に、時には前後に・・・・そして今は腰を回してグリグリと恥骨を押し付けています。
それにしてもすごい締め付けです。まさに真空状態で吸い付かれている感じとなっています。このままでは骨の髄まで吸い尽くされそうです。
そういえば、夕方ここに来た放送部長の矢萩さんが言ってました。
「先生が廃人になったら引き取ってあげる」って。
まさにそうなりそうな感じです。この時自分のカラダが保たないって思いました。こんなことは初めてです。
でも、そんなこととはお構いなしに私のアレは優子ちゃんに突き刺さったままカチカチ状態です。そして再び訪れました・・・・先端部の物凄い快感。
「優子・・・・ダメだ・・・今度は僕が乗り遅れちゃう・・・」
「先生・・・私が連れて行ってあげる・・・だから一緒に・・・・」
「でも・・・でも・・・わたし・・・もう・・死んでもいい・・・」
「先生・・・わたし・・・死にそう・・・・」
私の腰の上でそのカラダを上下させ、髪を振り乱しながらその15歳の小さな体が痙攣しています。
そして突然訪れました・・・・その瞬間。
「優子・・・もう・・・」
「先生・・・わたしも・・・・」
私はそう言う優子ちゃんの腰をガッチリ掴んで自分の腰に引き下げ、その幼い胎内の一番奥に発射しました。
ソレは腰が引けるほどの快感です。優子ちゃんのカラダで自分を押し付けていないとダメなくらいな快感でした。もう、こうなるとため息しか出ません。
すると今の今まで私の上で腰を振っていたそのカラダからチカラが抜け、私の胸に崩れ落ちました。
でも、私のアレがその胎内でギュッと握られてままです。
「ヤバい・・・・コレって・・・?」私の脳裏に苦い膣痙攣の記憶が蘇ります。
「優子・・優子・・・大丈夫?」
私が優子ちゃんにそう問いかけても反応がうつろです。しかもその本人のアソコが私のアレを掃除機で吸っているかの如く吸い続け開放してくれません。
しかも私がその二人の結合部を確認するとまさしく筋肉が硬直したような状態でした。
そんな私は咄嗟に電話の場所を確認します。そして最悪な事態を想定しました。
ソレは二人が全裸で繋がったまま担架に乗せられ救急車で搬送される・・・そんな事態です。
ソレって絶対に噂になってしまいます。せっかく優子ちゃんのレイプ騒動が収まったと思った矢先の最悪の事態・・・
と、その時です。優子ちゃんの顔に張り付いていた髪の毛が優子ちゃんの鼻を刺激してくしゃみをしました。
その瞬間、私のアレがヌルッと抜けて大事にはならずに済みましたが、続けてくしゃみをする優子ちゃんのアソコからはそのくしゃみに合わせるように「ブリッ・・・ブベッ」と溜め息が聞こえます。
すると意識が戻ってきた優子ちゃんが囁きました。
「先生・・・わたし・・・どっかに飛んでいっちゃいました。戻ってこれないかと思ってびっくりしました・・・」
「うん・・・僕もだよ。どうしようかと思ったくらいだったよ・・・」
「わたし・・・嬉しいです。」
そう言うと優子ちゃんが抱きついてきて私の肩で寝息を立て始めました。相当体力を消耗したようです。
でも気が昂っていて眠ることのできない私は、消したい蛍光灯の紐に手が届かないまましばらく横になっていました。
そして私の肩で寝ている優子ちゃんに肌掛け布団を掛け、そのスヤスヤと眠るその幼い表情を見ながら考えていました。
私は学校から優子ちゃんのケアーをするようにとの指示を受けていましたが、それを都合の良いように解釈し、結局は優子ちゃんのカラダを弄んでるだけではないのか?
そして、その優子ちゃんの髪を撫でながらそんな事を考えていましたが、今回もこんなことを思いながらいつの間にか眠りに落ちてしまいました。
「やっぱり・・・自分って地獄に落ちるタイプなんだろうな・・・・。」と。
今回のストーリーはここまでとなります。
最後まで根気強く読んでいただきましてありがとうございました。(今回、4万6千字を超えております。)
おかげさまで、本シリーズも25話を迎えることができました。感謝申し上げますと共に、この後もう少しだけ続く教育実習編にお付き合い頂ければと思います。