ー高校2年の夏ー
その年は、何もイベントは予定されていなかった。
もう家族旅行は無くなった。
理由は、妹の三咲が高校受験だからだ。
高校1年の時に、家族で新潟へ海水浴に行った。
その海水浴場で、地元の女子高生の田中さんに出逢う。
自分が、男女共用のトイレに行ったときに田中さんに自分のペニスを見られるアクシデントが発生。
普通なら、悲鳴を上げられたり、両手で顔を覆い赤面するなどが定番の話だが、田中さんは興味津々で、むしろ自分がトイレに入るのを見届けてから覗きに来た少し変わった女の子だった。
「お兄ぃの初恋?」
「初恋ではないけど。田中さんに会いたいとは思う」
「偶然、海水浴場で逢っただけで連絡先も解らない訳かぁ」
「まぁ、一期一会って奴だけど。なんかカッコ良い女の子だった」
「いまごろ彼氏が出来て、ヤリマンになっているかもね」
「何処で覚えてくるんだよ。そんな言葉」
「お兄ぃ。女の子はエッチな事をしないって妄想は止めなよ」
妹の三咲によると、男子が勝手に女子を都合良く性対象として見ているから女子が受け身になって気持ち悪い妄想しているだけという、
女子も男子のペニスやエッチな事に興味があるという。
ちなみに、三咲がいうのには、男子には理解出来ない心理として女子もトイレ後に、女子トイレをでる時に、外を歩くと自分はスカートという捲れやすい布とパンツ1枚で女性器を隠して歩いていると思うと恥ずかしいが、ファッションに興味を持ち、彼氏ができると、そんな事はどうでも良くなるのだという。
「その他、大勢の雑魚男子にはラッキースケベだと思われるけど、ターゲットの彼氏候補には、今晩のオカズにどうぞ的なサービス」
「三咲で抜ける男がいるかな?」
「五月蠅いな。田中さんに執着している変態に言われたくないね」
「電車の痴漢とか階段、エスカレーターとか夜道で襲われるなよ」
「お兄ぃも警察のご厄介になるなよ。見たいときはアタシので我慢しろ」
三咲の情報は、女性側の気持ちを知るには有効だった。
なによりも、地味なブレザーに男子も女子も必ず下に半袖の体操着と、短パン、ブルマーを履かされていたと思って居た自分には修正が必要な情報もあった。
自分が在学中は、男子達が知らないだけで結構、校則を破ってブルマーをスカートの下に履かないで好きな下着を着けていた女子は相当居たらしい。
むしろ、第二成長期で女子は生理が安定すればブルマーを常に履くのはカワイイ系や大人の思考の女子から履かなくなり、逆に自分に自信の無い女子ほど履き続けるから、自分がイケてると思う女子ほど履かなくなるそうだ。
確かに、男子は同じ教室で着替える女子がスカートをラップタオル代わりにして着替えられる代わりに、第二成長期で大人のペニスに変わる時期は白のブリーフ一枚で女子の隣で着替えるのは恥ずかしくて絶対に青い丈の短い短パンは必要不可欠だった。
三咲の情報だと、男子は丈の短い短パンのままで無理に、女子に格好付けよとイケメンの男子達がトランクスを履いてくるが、体育の時に横からポロリをしているに気がつかないで居るので、あえて女子達は男子が警戒しないように見て見ぬふりをして堪能しているという。
「噂だと、女子のブルマーは3年後に廃止らしいよ。今度からハーフパンツっていう奴に男子も女子もなるみたい。まぁアタシ的には卒業後の話だから関係無いけどね。ブルマーは履いているときは恥ずかしいけど、無くなると寂しいな」
妹の情報通り、その後世の中からブルマーは順次廃止されていった。
妹の女子の裏話は、自分には男子の知らない女子の世界を教えてくれる。
田中さんに限らず、三咲までもが平気で兄にエロ話をしてくる段階で、女子に対する男子の勝手な妄想を抱くのは止めようと思った。
もともと鉄道好きな自分は、仲間から2枚の青春18きっぷという、普通電車が乗り放題の格安チケットを譲り受けていた。
1泊2日の貧乏旅行。
まだ高校生でバイトもしていない自分。
当然、宿泊する宿も安い温泉宿にした。
時刻表を駆使して、出来るだけ遠くへ、そして出来れば温泉に行きたいと思った。
数日後、ためていた小遣いとバックを持って駅に向かう。
駅員に日付けスタンプを押して貰い、駅の改札口を潜った。
北へ行くか、南に行くかだけど、接続の関係で列車の運行本数の少ない路線をクリアするため北に、途中下車しないで夕方まで乗り続けていた。
予定通りの行程を完乗して、温泉街を歩きホテルや旅館の多い地区を抜けると今晩の宿があった。
そこは見た目は温泉プールもある立派なホテルだけど、素泊まり朝食付プランならヘタなビジネスホテルと同等の宿泊料だった。
初めての遠出の一人旅で、フロントのお姉さんの指示でチェックインして部屋に案内された。
此処のウリは、山々を展望しながら眼下を流れる絶景の渓谷が見える部屋。
格安プランなので窓を開けると、絶景とは違い温水プールが見えるだけだった。
(温水プールがあるのか?知らなかった)
当時はネットも無ければ、意外と情報源は限られていた。
水着は持ってないので、とりあえず風呂に入ろうと思い大浴場へ向かう。
大浴場は、型遅れのゲームや卓球台、自販機が並ぶ地下1階のフロアの奥にある。
脱衣所に入ると、如何にも温泉という感じで籠や棚、温泉の匂いがする湯気で雰囲気はバッチリだった。
男湯の脱衣所だけど、頻繁に小学生くらいの子供達が水着姿でアルミ製のドアを出たり入ったりしている。
プール利用は、裸湯の男女別の脱衣所で水着に着替えてプールに向かうようになっているらしい。
自分は、水着が無いのでプールは諦め、裸湯に入るので内湯と、露天風呂の方のドアを開けた。
何処にでもある普通の温泉だった。
良い湯だった。
湯を堪能して脱衣所に戻る。
浴衣素がたの父親と中学生くらいの坊主頭の男子、小学校4年生くらいのサマードレス姿の女の子が入ってきた。
(あー、小学生は興味ないなぁ)
そう思い、タオルで水分を拭っていると父親は裸になり、娘は学校指定の紺色のスクール水着になっていた。
紺色の縁が白くて背中でクロスしている、腰元にArenaのロゴがある一般的な
タイプだ。
最初からサマードレスの下に着ていたらしい。
(まぁ、そうだろうな)
しかし、女の子は水着を脱ぎ始めた。
(えっ?)
膨らみかけの胸と、毛の生えていない割れ目。
息子の方も、学校のスクール水着みたいな紺のテカテカした水着を履いていたが脱いだ
朝顔の蕾みたいなペニスを出して妹の後を追っていった。
どうやら風呂の後に兄妹はプールに入る算段らしい。
自分は着替えて、部屋に戻った。
ガキの裸を見たところで、何の高揚感も無かった。
それよりも、水着を着たまま風呂に入って貰った方が良かったとすら思った。
自分の性癖、たぶん自分が裸で、相手の女の子が水着や服を着て隠している方が興奮するのかも知れないと思った。
旅を終えて、自宅に戻ると三咲は、面白がって土産話を聞いてきた。
「ほうほう。裸の女子より服や水着の女子の方が良いと?」
「変態かな?」
「変態ですな」
「どうしよう」
「田中さんという美少女に高圧的にフルチンを強要され相手が自分の裸体を見せない状態で、ペニスを凝視される快感が忘れられない変態です」
「このままだと初体験できないよな」
「相手が裸だと萎える。服をきていると興奮する。相手次第だね」
「うーん」
「たとえば三咲が、いまスカートを履いたままパンツ下ろしたら興奮する?」
「相手が実の妹でなければ勃起するね」
「それ性癖だからね。きっと田中さんみたいな女子が何処かにいるよ」
三咲は「それよりさ。恵美が、お兄ぃのとデートしたいって」
「恵美って、恵美ちゃん?三咲の友達にしては美少女だよな」
「ちょっと!恵美に変な事したら殺すよ。兄妹の縁を切るよ!」
「デートって?気があるって事?」
「違うよ。恵美って男子が苦手で女子か女の子っぽい男子しか好きになれないんだよ」
自分は、身長が低くて童顔。
おまけに頻繁に女子に間違われる。
痴漢に遭った事もあれば、学校の女子から女装したらクラスメートの女子の中で一番カワイイし美少女だと言われ、変な嫉妬でイジメを受けた事もある。
だから去年までは男っぽい髪型にして、あえて男性っぽい服を選んで着ていた。
田中さんの時も同じだったし、トランクスの水着で上半身裸なので、そういう勘違いは防げた。
田中さんの事で、頭がいっぱいで身なりに気を使わなかった。
三咲の親友の恵美ちゃんは、見た目は美少女だけど気が強い。
そして、自分に気があるとなると田中さんの代わりになるかも知れないと思った。
でも、それは男の身勝手な妄想と女の子を男が好きにできると思い上がった
話だ。
それ以上に、恵美ちゃんは自分を上回るドSの変態プリンセスだと思い知ることになる。
(おわり)