25歳位の時、実家に帰省した際に本屋で幼馴染の○美と出くわした。
俺の母から、○美が前年に交通事故で新婚の夫を亡くし、実家に戻ったがほとんど外出もしなくなったのを聞いていたので、最初声を掛けるのを躊躇った。
○美とは家が30m位の近さで、幼稚園、小◯校、中学までずっと一緒だった。
存在が近すぎて思春期になっても全く恋愛の対象にはならなかったが、勉強もスポーツも誰よりも優秀で、そこそこ美人な割には性格も良く男にも女にも人気のある○美は理想的な女の子だった。
とても眩しくてカッコ良かった。
そんな○美と仲が良いのは自慢だった。(情けねぇ)
久し振りに話した○美は心配を他所に、昔ながらの明るさで、なんか吹っ切れた様子だった。
その後地元で有名な寿司屋(回転……)で昼飯を食べたんだけど、その際も
「誰か良い男いたら紹介してよ!」
といった感じで元気だったので一安心。
昔話をしてケラケラ笑ってた。
立ち直りが早いのもこいつの特徴だったな、なんて勝手に解釈してた。
そろそろ帰ろうという事になり、○美を車の助手席に乗せたままタバコを買いに行き、3分程して戻ってくると、助手席で○美が俯いていた。
(ん?寿司が当たった?)
と思い顔を覗き込んだ。
そしたら泣いてる!!!!!
「どうした!どうしたんだよ!」
と言っても、
「なんでもない!なんでもないよぉ!!」
と泣きじゃくる○美。
夫の事を思い出しちゃったのは察しがついたんだけど、掛けてあげる言葉が見つからなかった。
その時、子供の時から俺には大きな存在だった彼女がとても小さく、愛しく思えて思わず彼女を抱き締めてた。
キスもしなかったけど、ずっと、ずっとそうしてた。
その後、地元で再婚して幸せにやってるという話を母から聞きました。
(その相手がウチの実家の商売敵というオチ付き……彼女の笑顔で繁盛してるらしい………)
あの時やっちゃえばよかったな〜という思い出はたくさんあるけど、そうじゃない、忘れない思い出です。