私が大学生の頃、仲の良い先輩と旅行に行った時の話です。
その旅行はイルカと一緒に間近で泳げるというツアーで、私は初めてでしたが先輩は以前一度行ったことがあるらしく、とても良かったので一緒に行こうと誘われたのでした。
私も興味があったので断る理由はありませんでしたが、まさかあんな恥ずかしい事が起こってしまうなんて知る由もありませんでした。
当日、さっそく旅館でイルカを見る為に準備をしていました。
船で沖に向かい、そこでイルカと泳ぎます。
船の上で着替える事は出来ないので旅館の部屋でレンタル用のウェットスーツに着替えます。
そこで私は重大な忘れ物に気が付きました。
ウェットスーツの下に着るはずの水着を忘れていたのです。
「先輩・・・どうしよう」
もちろん先輩も自分の分しか水着は持っていないし、近くに水着を買う場所なんでありません。
「えー!?ウソ?・・・どうしようって言われても・・・裸じゃダメ?」
ここまで来て行かない訳にもいけないし、先輩に迷惑をかけたくありませんでした。
「とりあえずさウェットスーツ着てみなよ。スーツ着てたら案外分かんないよ?」
「そうですか?うーん・・・」
渋る私を半ば強引に先輩が裸の上にウェットスーツを着るのを手伝います。
お互い裸のは見慣れてはいましたが多少恥ずかしいものでした。
慣れていないとなかなか着るのが大変です。
ようやく着てみると、確かに外からは全然わかりません。
身体のラインは分かるものの、布が厚い為か中が裸だとは誰も気づかないでしょう。
「大丈夫大丈夫!絶対バレない!」
先輩がそう言うので大丈夫だとは思いましたがやはり心細いので
「せめて下着を中に着たいんですけど・・・」
最初からそうすれば良かったのですが、もう集合時間が近づいています。
このツアーは私達だけの参加ではないので、時間になると出発します。
「大丈夫だって、下着濡れちゃうよ?」
下着が濡れるのは構いませんでしたが、もう一度ウェットスーツを着るのも時間がかかるし先輩は急かすしでこのまま出発することに・・・。
裸の上にウェットスーツ、そして裸足にサンダルを履き、集合場所に向かいました。
そこにはすでに数名の客とインストラクターが集まっています。
バレたらどうしよう・・・先輩の後ろについて歩きますがかなりドキドキです。
何人かと目が合います。
男性がチラッと身体を見てきましたが、バレてはいないようでした。
意識すると顔が赤くなってしまうので、先輩と話しながら平然を装っていました。
「ではそろそろ出発しますのでついてきてくださーい!」
インストラクターの誘導で近くの港に行きます。
歩いてすぐです。
船で出発してだいたい20分ほどでイルカのいるポイントに着くそうです。
船に乗ってからは特に裸のことは気にならずにいました。
船酔いをする人もいましたが、私と先輩は結構平気でした。
「もうすぐですよー!ほらあそこに群れがいますね」
「おおー!」
船の上で歓声が上がります。
船を停め、みんな海へと飛び込んでイルカの近くで泳ぎます。
「すごいね!めっちゃ近いよ!」
各々が楽しむ中、私と先輩も感動していました。
しばらく泳いだ後、名残惜しいですけど旅館に戻ります。
「〇〇ちゃん?下大丈夫?」
忘れかけていたところに先輩が話しかけてきます。
「えっ?わかります?」
サッと腕で胸部分を隠しますが、透けたりはしていません。
「あははは大丈夫!」
ただ先輩がからかっただけでした。
しかし、よく見ると先輩は水着のラインがうっすらと見えます。
注意深く見ないとわからないほどなので大丈夫だとは思いましたが、帰り道はなるべく動かないようにして早く帰れるのをじっと待ってました。
無事旅館近くの港へ着きました。
「お疲れさまでしたー!ここからシャワーを浴びてお風呂まで各自行ってください」
シャワーは簡易のシャワールームのようなものが旅館外に2部屋あり、順番で入ることに。
お風呂には旅館の裏口から入ってすぐ右隣にありました。
脱衣所には事前に洋服を持ってきていたのでそこで着替えるだけです。
「先輩、私シャワー浴びるの最後にするので先にお風呂行っててください」
「うんわかった。寒いから早くお風呂入りたかったところだったし、ありがと!」
先輩や他の客がシャワーを浴びるのを見送って、最後にシャワールームに入ります。
(ふーあったかい・・・楽しかったけど寒かった)
ここでウェットスーツを脱いで水着姿でお風呂に向かう人もいましたが、もちろん私はそんなことできません。
(でも本当は水着で着るもんだし、ちょっと洗っておいた方がいいかな?)
そんな事を気にして、個室だったから気が緩んだのか、私はウェットスーツを一旦全て脱ぎ、シャワールーム内で裸になりました。
もちろんドアにはカギもありますし、外からは覗けないような構造なのでそうしたのですが・・・。
私はウェットスーツを何の気なしにドアに掛けます。
トイレの個室のような感じのシャワールームです。
もう一度シャワーを頭から浴び、一息ついてからシャワールームを出ることにしたのですが、ウェットスーツが無くなってたのです!
(えっ!?ドアの向こう側に落ちちゃったのかな?)
恐る恐るドアを開き、確認します。
(ない!なんで!?嘘でしょ!?)
私は裸のまま取り残されてパニックになっていました。
先輩は先にお風呂に入っているので助けも呼べません。
どうしようか悩み、もう一度外を見渡すと、遠くの方でレンタル用のウェットスーツがいくつか干されてることに気がつきました。
どうやら脱ぎ終わったスーツは店員が集めて干しているみたいです。
(そうはいっても一言声かけてくれれば・・・)
店員さんもおそらく下が裸だとは思わず回収したのだと思います。
このままここにいても仕方ないと思い、私は脱衣所まで走るか、ウェットスーツの場所まで行きもう一度着るか悩みました。
(みんなお風呂行ってるから今なら・・・早くしないと逆にみんなが出歩くかも・・・)
そんなことを考えながら恐る恐る再びドアを開き、辺りを見回すと幸い誰もいません。
もう行くしかないよね?
胸とアソコを手で押さえながら注意深く旅館の入口へ。
(あっ、すぐそこが脱衣所か)
外からでも湯の暖簾が見えたため、走って向かおうとすると誰かが近づいてきて咄嗟に旅館横に回りました。
風呂上がりなのか、男性客が浴衣で入口付近でタバコを吸い始めてしまったのです。
(もうなんてタイミング悪いの!)
まだ辺りは明るいので、しゃがんでいる自分の姿が目に入ってきて余計に私の羞恥心を高めます。
サンダル以外身につけているものは何もないという、よそから見たらただの露出狂です。
この状況から早く脱出したい思いがありましたが、あの男性客が退かないと中には入れそうにありません。
すると、近くに客室の窓が目に入りました。
(窓からなら部屋に入れるかな?こっちに人が来ることもないだろうし・・・部屋に戻れば服だってあるし)
しかし、私達が泊まっている部屋は二階なので、窓が開いてたとしても裸でよじ登る必要がありました。
迷ってる時間ももったいないと思った私は部屋の下まで行き、窓が少し開いてる事が下から確認出来ました。
長時間(たぶん2-3分ですが)外に裸でいることで大胆になってしまったのか、気がつくと一階のベランダに私は手を掛けていました。
(恥ずかし〜)
両手を手すりに掛けると胸を隠すことが出来ません。
さらに、ここから片足を上げて大事な部分をさらけ出しすように開かなければなりません。
想像しただけで顔が真っ赤になりました。
(もーえっい!)
少しヤケになって足をかけ、一階のベランダ部分に下ります。
カーテンは開いており、一階は中に人はいませんでした。
すぐさま二階の手すりに手をかけてよじ登ろうとしました。
足を思いっきりあげるとあまりにも恥ずかしい格好になっていることはわかりましたが、もうほとんど頭は真っ白です。
幸い誰も来ずに自分の部屋へ入ることが出来ました。
その後は服を着てお風呂へ向かいました。
若い時の無茶でしたが、今も思い出しただけで顔が熱くなり、もし見つかっていたらという恐怖で胸がいっぱいになります。