夏休み3日目の未明、中学1年生の妹が寝ている2段ベッドの2階でかさこそしている気配がして、目が覚めた。
「どうかしたの」
「なんでもない」
昨日、妹は不調だったので、念のためもう一度声をかけた。
「なんかあったら、言ってね」
「わかった、ありがとう」
棒読みのような話し方に普段の妹とは異なる違和感を覚えたが、未明だし、また眠りについた。
チュンチュン
目覚めのキスのずいぶん前から妹は起きていた雰囲気だった。
「おにいちゃん、おはよう。んー」
「由美、おはよう」
ちゅっ
「朝ご飯、行こ?」
今朝の妹は、やけに手際がいい。体調が戻ったのかもしれない。ほっとした。
ダイニングに行くと、パパやママがいた。
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう、由美、体調は大丈夫?」
「だいじょうぶ」
「そう、よかった」
朝食が済んだ。妹は、思いのほか食欲もある。安心した。
「ごちそうさま!」「ごちそうさま!」
「ぺん太、由美、サプライズ発表があるぞ」
「え、なに?」
妹から、すでに何か知っていそうな気配を感じる。パパが嬉しそうに発表した。
「2人でみさお兄さんの家に遊びに行けることになった、飛行機で!」
「え、ほんと!?」
確かにサプライズだった。
みさお兄さんは、ママのお兄さんで、妹やぼくからみればおじさんだ。工場を経営していて、お金持ちだ。たぶん飛行機のチケットもおじさんが買ってくれたのだろう。ぼくも妹も、飛行機に乗るのは初めてだ。ワクワクする。
「二人とも夏休みだろ、特にぺん太は中学生最後の夏休みだ。」
「8月になるとぺん太の勉強も大変になるから、7月にしたの」
「パパとママで、ぺん太と由美を空港に送っていく。向こうの空港には、みさお兄さんが迎えに来てくれる」
「ってことは、由美と2人だけで飛行機に乗るの?」
「そう、2人だけよ。」
「すごい!」
妹の顔を見ると、嬉しそうではあるが、驚いたふうはない。
「2人だけでずっと家にいるのは退屈でしょ。ママから提案してみたの」
「(まさかとは思うが、夏休みの日中、ぼくと由美の二人だけにさせたくないママが、仕組んだなんてことは?)」
それはさすがに考え過ぎだろう。でも、それはともかく、なぜだか妹はこの話を知っていたみたいだ。パパも、いつもなら飛び上がって喜ぶだろう妹の、わりと平然とした態度に、きょとんとしている。
「由美、もしかして知ってた?」
「うん、実はいとこのいずみちゃんから聞いてた」
「がくっ」
サプライズ発表をしたパパが、がっくりした。
いとこのいずみちゃんは、みさおおじさんの娘だ。色が白くていつもにこにこしている。もうひとり、かっちゃんという男の子もいる。かっちゃんはいずみちゃんの弟だ。
いずみちゃんは、ぼくの妹のことを由美お姉ちゃんと呼んで尊敬している。年も1歳しか違わないので話が合うらしく、住んでいる場所が離れているので実際に会えるのは本家に集まるお盆や正月ぐらいだが、おじさんの工場が忙しいときは、それもない。妹がいろいろと相談にのってあげているみたいだ。
「知ってたなら教えてくれればいいのに」
「極秘ルートだから」
「それで、出発はいつなの?」
「今度の日曜日。5日間!・・・だったよね、ママ?」
「そうよ」
平日、家で妹と二人で過ごす時間が減ってしまうのは残念だが、ママヤパパを離れて2人で飛行機に乗って遠いところに旅行に行けるのは嬉しい。2人の思い出がまた増えそうだ。
「じゃ、早速準備しなくちゃ」
ぼくは立ち上がって勉強部屋に向かおうとした。
「準備っていっても、おばさんが毎日洗濯もしてくれるし、2人でスーツケース1つあれば余るくらいよ。由美、待って」
ママは妹だけ呼び止めた。
「ぺん太は行っていいわよ」
気になったので、ダイニングを出てから耳をそばだてた・・・
「・・・ナプキンを多めに・・・いつ生理が来ても・・・おばさんにも話してあるから・・・」
「(なーんだ、女の子限定の話か)」
中学一年生の妹が年頃だから、旅行中に初潮が来てもおかしくない。ママがそのためにアドバイスしてあげているみたいだった。
「(そうだよな。由美はまだ初潮前だけど、もし初潮が来たら、いままでのように自由にセックスはできない。妊娠のことも考えなきゃいけなくなる)」
中学生だからコンドームなんか買えないし、女子の生理はつらいみたいでサポートが必要かもしれない。全く知識がないので、どうすればいいのか見当がつかない。
「(いろいろと予習しなくちゃ)」
妹が遅れて勉強部屋に戻ってきた。
「早いね、もう洗い物済んだの?」
「今日はママがやってくれる」
「今度、飛行機に乗れるね」
「うん」
「二人きりだね」
「そうだね・・・もうちょっと寝る」
妹は2段ベッドの2階に上がって行ってしまった。楽しく予定を話せるかと思ったのに残念だ。
「まだ具合悪いの?」
「・・・ちょっとね」
「ママに言おうか?」
「ママには言わないで!・・・・・・仕事中、心配するといけないから」
唐突な妹の剣幕にたじろいだ。ついさっき、ダイニングでママと女だけで仲良さそうに話していたのに。あとからとってつけたような言い訳もわざとらしく感じたが、追及はしなかった。
「わかった・・・無理しないでね」
「ごめんね」
「だいじょうぶだよ」
「おやすみなさい」
昨日に引き続きなので、妹の体調が心配だった。本当に旅行に行けるのだろうか。ただ、さっきの剣幕では、ママに話さない方が良さそうだ。
いろいろ気持ちを我慢して勉強を始めた。受験勉強関係のものを持っていくのもいやだったので、おじさんの家に行っている間の分まで、今のうちに進めようと思った。最初のうちは妹のことが気にかかったが、そのうち集中することができて、普段よりもはかどった。
2、3日妹の調子が悪かったので、ぼくはマイペースで受験勉強したり、図書館に行って女性の生理について勉強したりした。生理については、医学知識だけ少し集まったが、複雑すぎてまだよくわからない。
おじさんの家に妹と二人で旅行に行く前の土曜、パパの機嫌がよくて家族いっしょにおでかけした。ランチのパスタは、妹は普通に食べていた。ディナーの中華は、結構量が多かった。
「飛行機が落ちたら、家族最後のランチだもんな」
「縁起でもないこと言わないで」
「冗談だよ。飛行機事故の確率は自動車事故よりずっと低いから」
「おにいちゃん、あとお願い」
妹は、取りすぎた料理の乗った取り皿をぼくの方に押した。
「うん(よくわからないけど、あれだけ食欲があれば、旅行も大丈夫だろうな)」
その晩は、妹が「あとがいい」と言うので、ぼくが先にお風呂に入った。2段ベッドの1階で火照った身体を冷ましていると、バスタオルを巻いた妹がお風呂から戻ってきた。
「ん-」
ちゅっ
久しぶりにウキウキした妹の顔を見た気がした。
「おにいちゃん、きょうのおでかけ、楽しかったね。明日も楽しみだね!」
「そうだね」
「おにいちゃん、久しぶりに、しよか」
前のセックスから二三日しか経ってないのに、久しぶりな気がする。
なんか、妹が少し太っているような気がする。でもそれを言うと、妹が機嫌が悪くなるかもしれないので言わなかった。
「もう元気になったの?」
妹はぼくの隣に座った。
「うん、絶好調」
抱き寄せて、もう一度キスした。
「よかった、元気になって」
太ったような気がするのが気になって、妹の背中に腕を回して、脇の下から胸を包んでみる。全体にふっくらしたような気がする。確かに太ったみたいだ。でも、前より柔らかくて触り心地が良くなった。
胸を合わせて舌を触れ合い、ディープキスをする。
ちゅろっ、るろっ
久しぶりの妹の唾液が美味しく感じる。
2人で後ろに倒れこもうとしたとき、外から声が聞こえた。
「入るわよー」
ぼくは反射的に立ち上がり、バスタオルを持って机の前に移動した。妹は2段ベッドに座ったままバスタオルの前をしっかり合わせた。ママが戸を開けた。
「きゃっ、まだ着てなかったの。早く着なさい」
パジャマを着てから部屋の外で待っているママに声をかけた。
「着たよー」
「明日の打ち合わせ」
ママは妹に包みを渡し、それもいっしょに入れておくように言った。
「うん、入れとく」
妹はそのまますぐスーツケースを開いて、スカスカの隙間にママからもらったものを入れた。
「ぺん太は、参考書とか問題集は、持っていかないでね、忘れてくるといけないから。向こうに行ってる間くらいは、受験のことを忘れてリフレッシュしてらっしゃい。」
「はーい」
「由美は、困ったことがあったら、おばさんに相談しなさいね。」
「はーい」
兄の自分がついているのに、と少し不満だったが、女性特有のことだろうと思った。
「今日はしっかり寝なさいね。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
「ママ、おやすみー」
ママが立ち去ったのを、戸をそっと開けて確認し、二人で顔を見合わせてにんまりした。
そして、最初からさっきの続きをした。
うかつにも次の日に朝から出発して飛行機に乗ることを考えていなかった。
中一の妹に久しぶりに中出しした精液を拭いたティッシュは、仕方ないのでスーパーのポリ袋に入れて出かけるときにぼくのポケットに入れた。動くとカサカサする音が気になってドキドキした。見送りのパパやママと別れて、出発ゲートを通過した後、空港内のごみ箱に捨てた。