「え…井本さん?整形した?」
「してない。してない(笑)思春期過ぎて痩せただけ」
嘘である。
自然に痩せるわけがない。
ジムと食事制限で、中学の時より10キロ痩せた。
ナチュラルに見えるばっちりメイクで、清楚に見える白いワンピースという定番で男受けを狙って同窓会にやってきた。
「は?井本?別人じゃん(笑)」
中学時代私をデブと虐めたA子は、ギャルメイクに巻き髪、中学時代と変わらない意地の悪い笑みを浮かべていた。
「痩せただけでそんなに変わるー?整形じゃね?(笑)」
取り巻きと共に笑う。
「えー。酷い。A子ってホント、意地悪いよね。もう大人なんだから、そういう言い方、辞めた方がいいよ」
A子がポカンと口を開けた。
中学の頃は、派手な美人でキツイ物言いのA子を前にすると何も言えなかったけど、今は、学歴も年収も上、さらに見た目だって負けてない。
「井本ホント、別人みたいだなー。もういいじゃん、こっちくれば?」
昔の私には声もかけなかった男どもがわざわざ呼びに来る。
人は見た目だな、とつくづく思う。
25になれば、結婚している子やや子持ちの子もいるけれど、私に声をかけてきたのはまだ結婚する気のなさそうな、元一軍男子たち。
私はその中にA子の彼氏の南がいるのを確かめた。
「まだ仕事でいっぱいいっぱいなのに結婚とか無理だろ」
「でも、A子高卒で働いてるから、そろそろ結婚したいって言ってたぞ」
「ああ、知ってる」
私も知ってる。
誰とでも仲良くなれる、虐められていた私ともいまだに連絡を取り合っているB子から聞いているから。
B子は妊娠中で同窓会には来ていないけど。
「井本さんの彼氏は?」
「今はいないよ。私も仕事でいっぱいいっぱい(笑)」
私は南に笑顔を向けた。
大卒で就職した私たちにとって、今は結婚している余裕はない、と仕事の話で盛り上がる。
私はさりげなく南の話に共感し、感心する。
A子は取り巻きと盛り上がっている。
私は南がトイレに行くタイミングで席を立ち、偶然を装ってトイレの前で2人きりになった。
「皆、変わってないね」
「井本は変わったね、すごく可愛くなった」
「ありがとう。南君に言われると嬉しい」
「え…」
「中学の時の憧れの人だから」
南のシャツの裾を握って、上目遣いで見つめると、南は私の体を引き寄せてキスをしてきた。
「2人きりになりたいな」
私は南にキスをして、舌を入れた。
南の手が胸を揉む。
「んっ」
感じているふりをして、南の背中に手を回す。
「井本さん、先に出て、ライオンの前で待ってて」
ライオンは、地元では有名な喫茶店で、同窓会の会場の一本離れた通りにある。
私は幹事に明日仕事で出勤になったと告げてライオンに向かった。
B子がいなければ私を引き止めるクラスメイトなどいないのだ。
南はすぐにやってきた。
サッカー部のキャプテンで、成績もよかった南は中学の頃からモテた。
性格は悪いけど美人で友達には優しいA子と10年以上付き合っているけど、大学の頃には浮気してたらしいと、B子から聞いている。
「飲みに行く?それとも…」
私は南の手を取って指を絡ませた。
「…早く、2人きりになれるところに行こ?」
南と恋人繋ぎでラブホテルへ。
「一緒に入ろ?」
お風呂を溜めながら誘って南のシャツのボタンを外した。
南の体は大学でも鍛えていたのか筋肉質で、思わず腹筋に触ってしまう。
そして、南の息子はすでに上を向いていた。
「南くん、このまましよっか」
南は私のワンピースをもどかしそうに脱がし、下着姿にするとお姫様抱っこでベッドに寝かせた。
その強引で切羽詰まった南の顔を見ていると、私はA子の彼氏を寝とるという当初の目的を忘れて、抱きついてキスをした。
南はブラジャーをずらして胸を揉み、パンツの中に手を入れてきた。
「もう濡れてる…」
「南君だって…」
私は南の息子を握った。
熱くて、硬くて、先っちょからは我慢汁が出ていた。
「入れていい?」
私が手を動かすと、南は切ない顔で言った。
「うん」
南は備え付けのコンドームをつけて、私のパンツを脱がせる。
私は膝を曲げて脚を開いて南を受け入れた。
「ああっ」
A子の彼氏を寝とった喜びに浸る間もなく、南が腰を振る。
「ああんっ」
私の体は女の悦びで満たされ、南の背中に手を回した。
「気持ちいい?」
「あんっ」
ガンガン突かれて、頭が真っ白になる。
「あー、気持ちいい。逝っていい?」
「あんっ。あんっ」
私の喘ぎ声をイエスと受け取り、南は果てた。
ずるっとペニスを抜く。
コンドームの中に多量の精子が溜まっていた。
「井本って下の名前なんて言うの?」
「ノエル。キラキラでしょ」
そう、このノエルと言う可愛らし過ぎる名前がデブスの癖にと虐められるきっかけになったのだ。
「可愛くて似合ってるよ」
南の優しい笑顔を見ていると、私は中学の頃南に憧れていたのは本当だったと思い出した。
南はA子と付き合ってはいたけれど、A子と一緒に私を虐めることも笑うこともなかったのだ。
「ノエル」
南は私の名前を呼び、キスをした。
「A子と別れるから、付き合おう」
望んでいた言葉だった。
私は遊びだと笑い、B子に南と寝たと言うのだ。
おしゃべりなB子は、必ずA子に話すだろう。
「ノエル、どうした?」
何でこんなことしたんだろうと後悔した。
A子に復讐しようなんて思わなければよかった。
もっと純粋に南と仲良くなれたかもしれなかったのに。
私は南に抱きついた。
南の心臓の音が早鐘を打っている。
「私でいいの?」
「ノエルがいい」
何て甘い声で囁くのだろう。
「ノエル、付き合おう」
私は頷いた。