あれは受験生の夏……ちょうど時期は今頃のお話だ。
毎日毎日塾で勉強するのも味気ねぇなと思った私は朝10時頃から市民体育館へと足を運んだ。
市民体育館の二階にはちょっとした机があり、無駄に広いバルコニーへ出れる扉もあった。バスケコート二面分くらいはあったと思う。
二階の室内とバルコニーを隔てる壁はガラス張りなので屋外スペースの様子は丸見えなのだ。分かりにくい方は建物の二階にガラスで丸見えのベランダがあると思ってくれればいい。
そしてそのバルコニーには一つだけガラスに背を向ける形で配置されたベンチがあった。
私が勉強をしに二階へ行った時にはそのベンチに制服カップルが座っていた。
確か自分の行っていた高校とは別の制服だったはずだ。
女性が男性を膝枕して頭を撫でている。
私はその光景を見ながら課題にシャーペンを走らせた。
その光景に嫉妬していたのか、無駄に勉強が捗った気がする。
その後勉強が一段落ついたので私はうたた寝を始めた。
数十分は経過しただろうか。そこまで眠るつもりもなかったので慌てて机に突っ伏した身体を起こして、課題の続きのページを開いた。
そういえばカップルはもう出ていっただろうか、そう思ってチラリと様子を見ると……
ベンチに座った男の下半身に女が跨り、濃厚なキスをしながら腰を動かしていたのだ。
対面座位での青姦を目撃した私は暫しその光景に釘付けになった。
繋がっている部分はギンガムチェックのスカートに邪魔されてよく見えないが、前述の状態より私は今目の前で性行為が行われていることを確信した。
男の頭に抱きついて身体を震わせる女。
私はそんな彼らの愛し合う姿を見ながら、いそいそと出していた課題や筆記用具をしまい、その愛の儀式をもっとじっくり眺めることにした。
更に20分ほど眺めただろうか。男が女の尻を持ってゆっくりと立ち上がり、女は男の首に手を絡ませた。所謂『駅弁』体位である。
その時私と自分の身体を男側に抱き寄せたことでこちらが見えた女性と目が合ってしまった。
私は直ぐに自分のバックを背負って逃げるように市民体育館を後にしました。
この季節になると写メ撮っておけばよかったなぁ、とかもっと入念に隠れておけばなぁとか今更ながら考えてしまいます。