21も過ぎて童貞だった私に念願の彼女が出来ました。
彼女とはもう随分長い付き合いでずっと友達だったのですが、色々マンガ的な事件が発生したりしている内にお互いが必要だと感じるようになったのか、自然に恋人として付き合うようになりました。
しかし、今までは平気で下ネタを言い合う中だったのが却って恥ずかしいのか、なかなかセックスするには至りませんでした。
一回チャンスがあったのですが、こちらは童貞。
向こうも処女だったのでうまく行きませんでした。
そもそもが、よく自分を卑下する娘だったのでそれで、ますます自分に自身を無くした様です。
或いは、
「友達に知られるのは恥ずかしい」
と言い続けた私の愛を信じてくれなかったのかもしれません。
そんな、彼女を思いやる事も出来ない私は会う度にセックスしようセックスしようと捲し立てるばかりでした。
「もう、疲れました」
そう切り出されたのは、確かクリスマスのちょっと前くらいのとても寒い日でした。
実際にはそんなに寒い日じゃなかったのかもしれませんが、その時私は一瞬凍り付き、次の瞬間彼女に抱き着いてキスしようとしていました。
でもその日は、いつもと違い、頑なに顔を背けられ…キスさせてくれませんでした。
その時になって漸く、自分は振られたんだなって実感が沸いてきました。
そのまま飲み屋に行って浴びるほど酒を飲みました。
それから、女の先輩を呼び出して愚痴を垂れました。
どうでもいいような慰めを聞かされたような事を覚えています。
そのまま、終電もなくなり、すっかり無気力になっていた私は先輩に引っ張られてホテルへ。
先輩はつまらない童貞のマグロ君によく合わせてくれたと感心しました。
翌日は風邪を引いて寝込んでしまいました。
風邪が直ったら、彼女を忘れるためにバイトや学業に今まで以上に打ち込みました。
不思議な事に、涙脆い私ではあるのですが最後まで泣く事はありませんでした。
今、思い返してみるとあの体験は何だったんだろうって思います。
おかげで、童貞らしい焦りもなくなり、今の彼女とはうまくやって行く事が出来るようになりましたが、自分が誰とでもセックスできるような軽薄に男に思えてなりません。