初めてのデリヘルで部屋に来た嬢が親友の姉だった

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「おーい、悠太!久しぶりだな!」

俺は社会人になってから3年ぶりに地元に帰って来た。

俺が帰省するという噂を嗅ぎ付けて、親友の大悟が駅の改札まで迎えに来てくれていた。

「おお、久しぶり!元気だった?」

「元気元気!てかお前都会に行っちまって何かカッコ良くなってんね?雰囲気とか」

「そうか?スーツだしそう見えるだけだろ?3年じゃそんなに変わらんよ」

「俺も就職を機に地元から出れば良かったなぁ。これからもずっとここで暮らす事を考えたらゾッとするよ」

「そうか?田舎から出ちまったら結構地元が恋しくなるぞ。俺はちょっと後悔してるもん」

俺と大悟は家が近所の幼なじみで、高校以外は全部同じ環境で育った。大学も同じで、地元から一番近いFラン大学に進学し、俺は経済学部で大悟は農学部だった。就活が始まると俺達の住む地方にはロクな求人が無くて、俺は渋々上京する形となった。反対に大悟は実家がお茶の農業をしていて、そのまま実家で働く、というか修行の様な形で職が決まった。

大学の学部も俺は普遍的な社会学部か経済学部か悩んだ末に経済学部を選んだが、大悟は両親との約束で農学部へと入った。大悟の両親としては長男であるこいつが跡取りなのは確定している話だし高校を卒業したらすぐ働けという感じだったのだ。

だが大悟的には自分の友人のほとんどが大学へ進学しこれからの4年間をエンジョイするのに自分だけ泥まみれで働くのが嫌だったらしい。

それで大悟の両親がたまたま俺の両親と話した時に「悠太の大学には農学部もあるよ」って父が教え、「それなら大悟、お前は農学部に入れ。それなら進学を許すし学費も全部出す」って話になった。

大悟が進学を望んだ理由はまだ友達と遊びたいって事ぐらいだったのでその約束をすんなり了承した。だからそのまま農学部で4年間を過ごし、卒業と同時に家業であるお茶屋に就職した。反対に俺は卒業と同時に新幹線で東京へと向かった。

駅前に出て見慣れた風景を見て俺が感傷に浸っていると大悟が聞いた。

「なぁ、やっぱ東京っておもしろいか?可愛い女の子も多い?」

「うーん…どうたろうな。何でもあるからたしかに便利だけど、俺はこっちの方が落ち着くし好きかな。極端な話、ここだと1時間掛けて行かないと駄目な店でも東京なら徒歩数分で着いたりするしな。女の子に関してはたしかに美人は多い。けどその分ブスも多いから割合でみればどこもそんなに変わらんよ」

「へぇー、東京は美人しかいないってイメージだよ」

「それはメディアの影響もあるんじゃない?何せあの人口だからな。いろんな人間がいるよ。それに全員が東京出身て事もなくて、他府県から上京して来た人もすげー多い。だから肩身が狭いみたいな思いはしなくていいかな」

「それなら安心だな、こっちだと完全によそ者扱いで浮いちまうもんな」

そう言うと大悟は笑いながら煙草に火を着けた。

「悠太、彼女とかいんの?」

「いねーよ。つかそんな暇じゃない」

大悟に釣られて俺も煙草に火を着けた。

「お前は?」

「俺?俺は来月結婚するよ」

「はっ!?嘘だろ!?」

久しぶりだといえ突然の報告に驚いた。だが、驚いたのもつかの間でやはりこいつは大悟だった。

「うっそぴょーん!焦った?」

「嘘かよ!それに焦るって何だよ、別に焦らねーよ」

「毎日毎日オヤジとお茶っ葉ばかり見てんだ。そんなんだから全然出会いもねーし、結婚できるかなって不安だよ」

「お前と同じ様に働いて来たオヤジさんも結婚してお前が生まれてるんだから大丈夫さ。それに農家の跡取りだとむしろモテそうだけどな」

「そうかぁ?今時こんな古くさいの駄目だって。それに農家の嫁なんて地獄だぞ?特に人間関係が」

「あぁ~そりゃそうだ。しきたりとか伝統が~とかってありそうだもんな」

俺は大悟の母ちゃんを想像した。

(苦労してるからあんなに優しい母ちゃんになったのかなぁ…)

そこである事を思い出した。大悟には5つ離れた無茶苦茶美人な姉の美幸(みゆき)がいた。大悟の家族は4人家族で美幸だけ唯一顔立ちが違った。

「なぁ、大悟の姉ちゃんって何で一人だけ顔が違うの?」

昔、大悟のオヤジに俺が聞いたらオヤジは

「あぁ、あいつは茶畑のすみに段ボールに入って置かれてた」と大悟のオヤジは笑った。

「うそ!!!??」

その話を家に帰って父にすると父も

「何だ、お前知らなかったのか?」と笑った。

だから俺はある程度大きくなるまで美幸は拾われた子だと本当に信じていた。

「なぁ、大悟。美幸ちゃんは元気なのか?」

「え?姉ちゃん?元気だよ。あ、言ってなかったけど姉ちゃん夏に結婚するんだよ。これはマジな話」

「えええ!相手はどんな奴?」

「相手?うーん…一言で言うとじゃがいもみたいなちび男。おまけに不細工。それにフリーターらしい」

「まじか…何でそんな奴と…」

「知らねーよっ!直接姉ちゃんに聞けよ。それに結婚の挨拶来た時も大変だったんだぞ」

「何で?」

「オヤジがさ、何だお前?背ちっちぇーな!結婚するのにフリーターってなめてるだろ!って」

「嘘だろ?初対面だよな?失礼すぎるだろ。でもオヤジさんが言いたくなる気持ちも少し分かるわ」

「だろ?まぁオヤジは姉ちゃんにベタ惚れだったからな。簡単には認めたくないんだろ?今だに姉ちゃんの結婚の話はオヤジの前ではタブーだよ。母ちゃんは全然そんな事ないけど」

「やっぱ男親は簡単に娘を嫁にやりたくねぇもんなのかな。それで美幸ちゃん今どこに住んでるんだ?」

「何だかんだ最後は送り出すと思うけどな、最後のあがきだよ。姉ちゃん?姉ちゃんはそのじゃがいも彼氏と市内で同棲してるよ」

「じゃあもう実家にはいないのかぁ…」

「お前昔から姉ちゃんにベッタリだったもんな」

「美幸ちゃんめっちゃ優しいじゃん。それに俺は今だに自分が目にした女性で美幸ちゃんが一番美人だと思ってるし」

「ははっ!お前まだそれ言ってんの?絶対それは無いよ」大悟はにたにたしながら再び煙草に火を着けた。

「でも姉ちゃんそれ言ったらすげー喜んでたな。私も悠ちゃん甘えたさんで可愛いし好きって」

「は?お前美幸ちゃんに言ったの?言うなよ!!」

「言うだろ普通、家族なんだし。オヤジも悠太は話の分かる奴だ!った褒めてたぜ」

「最悪だ…そんなの聞いてから美幸ちゃんによう会わんわ。恥ずかしい」

「俺は弟だからよく分かんねーけどさ、姉ちゃんのどこが可愛いの?」

「お前それはまじで見る目ないよ。長くなるぞ?」

「いや、それならいい!」

「何だよ…まぁ言わせろよ。まずスタイル抜群だろ?あの白く細い脚に決して巨乳とは言えない柔らかそうな胸。それに肌も綺麗だし、まず顔が女優級じゃん。で、あの涙ぼくろがさらに良いよ。プラス優しい所…あぁ、もっとあるのに」

「いや、もういいから。俺からすればただの姉だし何にも感じないわ。つか人の姉をそんないやらしい目で見るなよ!何だよ柔らかそうな胸って」

大悟はそう言うと爆笑した。

「また姉ちゃんに会った時伝えとくよ」

「それだけはまじでやめろ…!俺はまだ悠ちゃんでいたいんだよ」

「意味分かんねぇよそれ」

正直、帰省して大悟と再開するまでは美幸の事なんて忘れていた。元カノでもなければ彼女でもない。俺にとって美幸は幼なじみの姉というだけだった。

「何かこうやって懐かしい話してたらお前の家族にも会いたくなったな。特に美幸ちゃん…もう30前だろ?絶対良い感じに美人になってるわ」

「姉ちゃんは仕事忙しいみたいで俺もしばらく会ってねぇんだよ。ほら、彼氏もフリーターだしさ。これから色々と金が掛かるから今は忙しく働いてるよ。オヤジならさっき家にいたな。母ちゃんは買い物行ってるけど。ついでにちょっと顔出してってやれよ」

「そうだな、オヤジさんも3年ぶりかぁ。楽しみだな」

「じゃあとりあえず車取ってくるよ。ロータリーで待っててくれ」

「おっけー」

大悟はそう言い残すとコインパーキングの方へと歩き出した。俺は大悟に言われた通り、駅前のロータリーへ向かいベンチに腰掛け煙草に火を着けた。

(東京は禁煙ブーム真っ最中だからな。それに比べてここはそこら中に灰皿が置いてあるから喫煙者は幸せだなぁ)

俺が呑気に煙草を吸っているとロータリーの入口から真っ白のBMWが進入して来るのが見えた。

(ま、まさかな)

しかしそのまさかだった。そのBMWの持ち主は大悟だった。車の横で愕然とする俺に大悟は軽く声を掛けた。

「おまたー」

「いやいやいや。なにこれBMじゃん!買ったのか?」

「え?買ったよ。お前車好きだったっけ?」

「ちょ、ちょっと待て。今すげー驚いてる。お茶屋さんそんなに稼ぎ良いの?」

「まぁ歳の割にはもらってる方かな。それより早く乗れって!タクシーの邪魔になる」

言われるがまま車に乗り込むと俺は大悟の実家に着くまでの間、ずっとお茶屋の収入について質問していた。俺なんて東京で働いているものの、収入のほとんどが家賃と食費に持って行かれる生活だ。とてもじゃないがBMなんて買えないし、維持費を払う余裕もない。

「卒業して東京なんか行かずにお前のお茶屋に就職したら良かった。ほんと後悔だわ。同じ大学出てるから余計格差感じる」

「そんな事ねえって!それに考えてみろよ、俺は家業だから残業代や福利厚生なんて言葉は存在しないし、天気や景気の影響で収入も左右されるから普通の会社勤めの方がよっぽど安定してるって!」

「このご時世いつ会社が潰れるか分からんから会社勤めでも不安だよ」

「けどもし倒産してもキャリアを活かしていくらでも転職できるじゃん。俺んとこなんて家業のお茶屋だぞ?倒産でもしてみろ、家族全員が一気に路頭に迷うし、経験を生かせる良い条件の転職先もなかなか無いよ」

「そう言われるとそうだな。どっちも一長一短て事か。てかさ美幸ちゃんの彼氏もフリーターで結婚を前提なんだし働かせればいいじゃん」

「俺もそう言ったよ。パートとかも募集してるから働かせれば?って。でもオヤジがさ…」

「まぁそっか。オヤジさんからしたら気分的に嫌だわな。これから娘を取られる相手と働くのは」

「表現が悪いけど簡単に言うとそんな感じ。てか着いたぞ」

大悟が車を車庫に入れると、遠くの方でオヤジさんが軽トラの荷台に何か積込をしている姿が見えた。一人で近づいて声を掛けるのが気恥ずかしかったから大悟に付いてきてもらい挨拶をした。

「どもっ」

大悟のオヤジは一瞬「はぁ?」という顔をしたがすぐに俺だと気付いた。

「おうおう、悠太じゃねぇか!お前何してんだこんな所で!もしかしてあれか?リストラか!?」

リストラが原因で帰省したんじゃないから良いけど、もし本当にリストラされてたらこのオヤジはどういう顔をするんだろう。

この少しデリカシーが足りない陽気な感じは相変わらずだった。

「違いますよ、久しぶりに実家に顔出そうと思って。就職してから一回も帰ってないし」

「そうかそうか。そりゃあ両親も喜ぶよ!あ、そーだ!これもついでに持って帰れ」

そう言うとオヤジさんはお茶っ葉をパンパンに詰められた袋を手渡した。

「あの酒飲みオヤジにやってくれ!酒ばっか飲んでねぇで茶でも飲めってな」

「ええ、言っときます。ありがとうございます」

「それにしてもやっぱ悠太は立派になったなー。ちゃんと礼も言えるようになって…やっぱ東京にお勤めになってる人は違うな!お上品だ」

「そうですかね?まだ3年ですけど」

「それでも大したもんだよ!それに比べて大悟なんて…話にならねぇよ」

「うっせーよ。俺も他所では良い子ちゃんだから」

横から大悟が負けじとオヤジに突っかかった。

「ああ?お前親に向かって……」

俺は不穏な空気を察知したのですぐに話題を変えた。こんなくだらない事で喧嘩されたらたまったもんじゃない。

「なにわともあれ、オヤジさんも元気そうで良かったです!おばちゃんも元気だって大悟が言ってたし」

「おかげさまでな、あいつももう少ししたら帰って来ると思うしよ、上がって待ってろや」

「あぁ、大丈夫です。ちょっと顔出しただけだし。それに3日ほどこっちにいるつもりだからまた明日にでも顔出しますよ」

「そうか?それならまぁゆっくり地元満喫してきぃや。大悟つれ回して構わねぇから」

「そうですか、じゃあまた明日!」

「おう!」

俺はオヤジさんに頭を下げてその場を後にした。

「オヤジ変わってたか?」大悟は少し呆れた様子で俺に聞いた。

「いいや全然。けど少なくとも東京の俺の会社にはあんなオヤジって感じの人情味溢れた人はいないよ。上司も同僚もみんな結構他人に冷たいしな」

「へぇ、やっぱその辺は噂通りなんだな」

「まぁな。けど中には良い人もいるだろうけどさ、少なくとも俺は3年間一度も出会った事ないよ」

それからしばらく大悟はあてもなく車を走らせ続け、俺達は就職してから今日までの3年という時間を埋めるかの様に互いに近況の報告や仕事の話をした。そして夕暮れになりそろそろ良い時間になった頃に大悟が言った。

「やっぱ東京って風俗のレベル高いの?」

「何だよ急に。レベルって働いてる嬢の容姿?」

「そうそう」

「どうだろ?あんま変わんねぇと思うけどな。たしかに店舗はこっちに比べるとはるかに多いけどさ。それより俺は上京してから初めて風俗デビューしたからこっちのレベルが分からん」

「そーなの?じゃあ今日は俺が帰省祝いに風俗奢ってやるよ!」

「とか言って……地雷ババアを紹介するとか無いよな?」

「それもおもしろそーだけど自分が奢るんだしそれはない。好きな子選べばいーよ。その代わりどんな嬢が来てもノークレームでよろしく」

「サンキュ!この辺でどっか良いとこあんの?」

「ちょっと市内の方まで出れば評判良い店が何店舗か…別に今日は時間あるだろ?」

「後は実家帰るだけだから全然いいよ」

「じゃあ今から行ける店確認するわ!」

大悟はそう言うと車を路肩へ停め、いくつかの風俗店のホームページを見入っていた。俺は何も分からないからここは大悟に任せて、車外に出て煙草を吸って待った。

5分ほど煙草をふかしていたら車から大悟が降りてきた。

「デリヘルだったらすぐいけるぞ」

「デリヘル!?デリバリーヘルス…」

「おう、もしかしてデリヘル始めてか?」

「初めて。あれって本番アリなの?」

「基本は無しだよ。けど女の子によっては交渉次第でOKな時もある。もちろん店にバレたら終わりだけどな。まぁ今回は俺の奢りだから細かい事は気にすんな!それよか早く女の子選んで」

俺は大悟からスマホを手渡され、店のホームページを上から下までスクロールした。地方の店だから嬢の顔のぼかしも東京より薄いかもと期待したが、そこは東京の店と変わらず完璧にぼかしがかかっていた。

「だめだ。写真だと顔全然分からねー。お前は?誰指名すんの?」

「俺はいつも指名しないから今回もしねーよ。それも楽しみの内だしな」

「なら俺も指名しなくていーや」

「じゃあ今から店に電話するしスマホ返せ」

大悟はスマホを受け取ると小慣れた口調で電話を掛けた。電話での予約はスムーズに終わると大悟は車に乗るよう俺に言い指定のラブホテルへと向かった。

「なぁ、こういうのって出張とかでビジネスホテルに宿泊した時に利用するもんじゃないのか?わざわざラブホテルで待ち合わせって…」

「お前何も知らねーのな。別に普通だって!自宅に呼ぶ奴だっているのに」

「まじ?さすがにその勇気はないわ」

「俺もだよ。ま、今日は楽しめ。指名してないから地雷引いても恨みっこなしだかんな?時間は60分だから終わり次第駐車場で待ってて。とにかく女の子の指示に従っとくといい。あ、それと金渡しとくわ。部屋代込みでお釣り出るけどそれは好きにしてくれ。別に女の子にチップでやってもいいし本番交渉の資金の足しにでもしてくれ」

大悟はそう言うと俺に二万円渡した。

「じゃあまた後で」大悟は金を渡すと一人スイスイと部屋へと消えていった。取り残された俺も急いで指定の番号の部屋へと向かう。

大悟からは女の子が部屋に来るからそれを待っとけ!とだけ教えられたので、部屋のソファーに腰掛けて女の子を待った。

一人でラブホテルに待機している自分が不思議でしかたなかったが、煙草を吸っているとものの数分で部屋のチャイムが鳴った。

(頼むから地雷だけはやめてくれ…)

俺はすがる気持ちでドアへと近付き、緊張をはぐらかす為、あえて少しつっけんどんな感じで「どーぞ」とドアを開けた。そこには同い年か少し上ぐらいのスタイルが良い女性がいた。ここで顔はハッキリ確認できなかった。

「こんばんわ、アリサですぅ。宜しくお願いします」

「あ、はい。中どーぞ」

ささっと中へと入った彼女は奥へと進み、俺に背を向けながらどこかへ電話していた。

「もしもし?今入りましたぁ」

(なんだ、店に確認の電話ね。てっきり客を前にしてプライベートな電話だと思った)

俺は奥へと進んだ彼女に付いていく形となり、彼女は電話を切ってからこちらを振り返った。

「改めてまして、アリサです。今日は宜しくね。早速代金なんだけどー…」

ここで初めてお互いが静止したまま、初めてしっかり顔を確認できた。俺は彼女が地雷ではないとすぐ分かった。スタイルと同様に顔も美しく、女優だと言われても信じるほどの容姿だった。それに気付くまで数秒を要したが俺は気付いてしまった。そんな人間は今まで一人しか会った事はない。

「もしかして美幸…ちゃん?」

彼女は下を向いて集金用のショルダーバッグをゴソゴソしていたが、俺が話しかけると動きがフリーズした。そしてゆっくり顔を上げ、恐る恐るこちらを見た。

「悠ちゃん…な、何で…」

「いやっ、あの…今日ちょうど帰省して。それで大悟と一緒にデリヘルを…」

言ってから大悟の名は伏せた方が良かったと後悔したが美幸にとっては特段大した事ではなさそうだった。

「大悟も来てるの!?……あのさ、悠ちゃんこの事は誰にもっ…」

「うん、分かってる誰にも言わないよ。もちろん大悟にも」

「ありがとっ。ごめんね」

「ううん、別にいいよ。この仕事長いの?」

俺はベットに腰掛けて煙草に火を着けた。

「今で1年ぐらいかな。昼は普通にOLしてるんだけど、ちょっとお金が必要でね…それにしても悠ちゃんほんと久しぶりね。最初誰だか分かんなかったよ、東京出てかっこ良くなったね」

そう言うとクスクス笑いながら美幸も俺の隣に腰掛けた。美幸からは香水と言うよりもボディーソープやシャンプーの類いの良い香りがした。

俺にとって美幸は幼少の頃からの遠い憧れの存在で目を見て話すだけでも緊張してしまう。そんな彼女と今は密室で二人きり。それに身体が触れそうなほど近くにいる。俺は美幸の顔を見る事ができず、うつ向きながらこれから面接が始まるかの様な体勢でいた。

「悠ちゃんどうしたの?やっぱ私じゃ気まずい?店に連絡して人変えてもらおっか?一回のチェンジはお金掛かんないし」

「いや、いい。美幸ちゃんがいい」

俺は下を向いたまま答えた。すると美幸はさらに俺の近付いて身体が触れるほど引っ付いて座り直した。そして少し意地悪っぽく聞いた。

「悠ちゃんは何で私がいいの?私は大悟のお姉ちゃんだよ?」

ドキドキと心臓が高鳴るのが自分で分かった。まるで漫画みたいだなと笑えた。

「美幸ちゃんの事ずっと前から可愛いって思ってた。それは今でも変わらない。美幸ちゃんが俺が出会った人類で一番可愛い。だから美幸ちゃんとしたい」

足元を見ながら話している俺に対して、美幸がこちらを見ながら聞いているのが視線ですぐ分かった。

「フフッ、それほんとー?悠ちゃん彼女いたのも知ってるよ」

「それは別だよ。だって美幸ちゃんは俺に興味無いだろ?5歳も下の弟の友達だしさ。相手にならなじゃんか」

「何で?」

「そうだね」という答えを想定してた俺にはこの問いかけの意味が分からなかった。

「何で?って…普通そんな離れた弟の友達なんて眼中にないだろ。少なくとも俺は相手にされないだろうなと思ってたよ」

俺が言うと美幸は俺の太もも手を置いて言った。

「そんな事ない。私は悠ちゃんの事気になってたよ?昔から可愛いなって思ってたし。だからよく大悟にも言ってたんだけどなぁ」

「大悟に何て言ったの?」

「ん?悠ちゃんみたいな彼氏欲しいなぁって。だから悠ちゃんに彼女できたって聞いた時は嫉妬したよ」美幸はそう言うと懐かしいと言って笑った。

「俺、大悟から一度もそんな話聞いてない」

怒りと嬉しさが同時に込み上げるのが分かった。

「んー。何でだろ?冗談だと思ったのかな」

「何だよそれ。じゃあさ、当時俺が美幸ちゃんに告ってたらOKしてた?」

「そんなの当たり前じゃない。私悠ちゃん好きだもん」

俺はこの瞬間ほど過去へ戻りたいと願った事はない。それに大悟を恨んだ。あいつが冗談だと思ったのはしかたがないが、それでもせめて何か伝えてほしかった。

「悠ちゃん大っきくなってる…」

「え?」

美幸は太ももに乗せた手を俺の股間へ移動させた。そして小動物を撫でる様にゆっくりと性器を撫でた。

「あはっ、すごく硬くなってる…それに悠ちゃんおちんちんおっきいね」

俺の性器はどんどん膨らみ形を露にした。美幸は黙って俺のベルトを外しチャックを開けた。

ズボンを下ろされた俺はパンツ姿で美幸にしばらく性器を撫で続けられ、トランクスの先が徐々に湿り気を帯びるのも分かった。

「もうこんなにおっきくなっちゃって…私で興奮してくれてるのが嬉しい」

「美幸ちゃんもう我慢できない…」

「そーだね。私も我慢できない…ほんとはいつもシャワー浴びてからだけど悠ちゃんだからこのまましちゃうよ?」

「うんっ…!」

美幸はトランクスを脱がせると、ベットに腰掛けている俺の足元に座り直し、ゆっくりと性器に顔を近付けた。そして我慢汁でベトベトの亀頭に鼻を付けながら思い切り性器の臭いを嗅いだ。

「悠ちゃんのおちんちん凄く臭いよ…けど臭いおちんちんの悠ちゃんも可愛いよ」

そう言いながら亀頭に付いた我慢汁を綺麗に舐め取った。そしてゆっくりと俺の性器を咥えた。美幸の口内は暖かく、全く歯が当たる気配が無いぐらい柔らかかった。数回顔を前後にピストンさせるとすぐに舌を使って亀頭周辺をくりくりと舐め回されるのを感じた。

「ちゅぱっ…ちゅぱ……んん」部屋中に美幸の唾液の音と呼吸音が静かに鳴り響く。俺はこんな幸せな日はないと自分の性器を頬張る美幸を目に焼き付ける様に凝視した。そして膝まずいて必死にフェラをする美幸の胸元へするりと手を入れた。美幸は抵抗する事無く俺の手を受け入れた。

俺の手は美幸の胸を力強く揉み、回数が増えるにつれて美幸の呼吸が荒くなるのを感じた。それからゆっくりブラを通り越して俺の指は美幸の乳首へとたどり着いついた。美幸は俺の指が乳首に触れた瞬間に、ビクッと身体を震わせた。俺はそのまま美幸の勃起した乳首をコリコリ撫で回し何度も胸を揉んだ。

「あぁんっ…!んんっ…んっ…!」

美幸は俺の性器から口を離し、手コキしながら喘ぎ声を上げた。

「はぁ…はぁ…美幸ちゃん、すげー可愛い。めっちゃ興奮する」

「んんっ…!もうっ…かわらわないでっ…あん」

美幸はそう言うと立ち上がり、パンティを脱いで俺の上に股がった。俺は美幸と抱き合う形となり激しくキスをした。ノーパンの美幸の陰部がちょうど俺の太ももに当たり、すでに美幸の股が愛液でべたべたなのが分かった。俺達は呼吸が困難になるど激しく唇を交わし、美幸の目を見ると完全に目はイッてた。

「はぁ…はぁ…悠ちゃんっ。もう挿れちゃうね…!」

「え!?いーの?てかゴム……」

「いいからっ」

美幸はそう言うと片手で俺の性器を掴むと、定めながら自らの性器へ俺の性器をゆっくり押し挿入した。美幸の膣内は愛液でドロドロになっており、俺の性器は膣にまとわりつく様にゆっくりと入った。

「あああんっ!気持ち…良いっ…!」

美幸は一段と大きな声を上げ夢中で腰を振った。初めは美幸が一方的に腰を動かしていたが、興奮した俺も美幸に合わせて腰を振った。

「あんっあぁん!悠ちゃんお願いっ…!もっと!」

俺達は抱き合いながら狂った様に腰を振り、美幸が先に絶頂を迎えた。

「ああっ…!悠ちゃんっ…!イクッ、イクイクッ……!ああっっ!」

美幸は俺を強く抱き締めて、身体を痙攣させながらイッた。そこから俺も数秒後に渾身の突きで絶頂を迎えた。お互いの陰部は精液と愛液でぐちゃぐちゃになり、俺達は荒くなった呼吸が整うまで挿入した状態のまま抱き合っていた。

「はぁ…はぁ…美幸ちゃんっ…ちょー気持ち良かった」

「私も…こんなの初めてだったよ…」

そして俺が性器を美幸の膣からゆっくり抜くと美幸は「んんっ…」と声を上げた。当然ながら美幸の膣からは白い俺の精液が溢れ返っていた。

「美幸ちゃんエロすぎ」俺が笑うと美幸は少し恥ずかしそうに「悠ちゃんだからよ」と言った。

「今さら客に言う様なよそよそしいお世辞はいいよ」と俺が美幸の頭を撫でると「本当だもん」と美幸は膨れっ面で答えた。

「嘘…?ほんとならそれは嬉しいな」

「この仕事して初めて本当にイッちゃった」

美幸はそう言うと再び俺にキスをした。今回のキスは濃厚ではなくソフトな唇が触れる程度のキスだった。

「悠ちゃんまた東京に戻っちゃうの?」

「うん、休暇が終わればまた戻るよ」

「なら連絡先交換しようよ。また帰ってくる時連絡してよ」

「ん?別にいいけど。そんな毎回デリヘルしないと思うけど…」

俺が言うと美幸は笑った。

「バカっ!営業じゃないわよ。単純に連絡先をしりたいの」

「え?そうなの?じゃあこれ、俺のQRコード」

そうして俺と美幸は連絡先を交換した。

「大悟に聞いたんだけどさ、美幸ちゃん結婚すんだろ?良いのかよ俺と連絡なんかとって…」

「何よそれ、高校生じゃないんだから。良いでしょこれぐらい」

「美幸ちゃんが良いならいいけど」

そしてしばらく世間話をし、美幸のスマホのタイマーが鳴った。

「もう時間だ…じゃあ私はお店戻るねっ。それとこの事はくれぐれも大悟には内緒よ」

「分かってる、誰にも言わないよ。俺の方こそありがと、楽しかったよ」

「あまりにも悠ちゃんから連絡なかったら私の方からしちゃうからね!それじゃあ元気でねっ、デカちんくん」

美幸はそう言い再び俺にキスをして部屋を後にした。俺は煙草に火を着け、深呼吸した。

美幸ちゃんが自分に好意を持ってるなんて全くしらなかった。初めは何も伝えなかった大悟を恨んだが、そもそも今日大悟がデリヘル奢ると言わなければ美幸とエッチする事なんで一生無かっただろう。

(ま、結果オーライだな)

煙草を吸い終わると約束通り、大悟のBMの元へと向かった。すると大悟が車のボンネットに腰掛けて煙草を吸って待っているのが見えた。

「わりぃわりぃ。待たせた」

俺は声を掛けたが大悟は振り向きもせず煙草の煙を吐いた。大悟の様子が変なのでもしかして美幸と遭遇したのか?と心配になって大悟の前に回り込んで顔を見た。大悟は眉間に皺を寄せ、目を閉じたまま煙草を吸っていた。

「おい、大悟?どーした?」

大悟はゆっくりと目を開けた。

「どうだった?」

試されてるのか?と少し戸惑ったが「普通に可愛いかったよ」と答えた。それを聞いた大悟は溜め息を吐いた。もう美幸に気が付かなかった事にしようと俺が決めた時、大悟が口を開いた。

「俺、プロレスラーだった…」

「は?何の話?」

「だから…俺んとこ来た嬢がもとプロレスラーだったんだよ!」

「何だよそれ!?はっはっは!」

俺は緊張が解けて大笑いした。

「まじで最悪だったよ…ははっ」大悟は小さく笑った。

「まあそれも楽しみの一つなんだろ?」肩を落とす大悟には悪いが、俺は笑いが止まらなかった。

そして最後に大悟に言ってやった。

「次は俺が奢るよ。ただし、アリサちゃんは俺が頂くけどなっ!」

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