僕と亜樹……小さな体に、大きな野望。

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その日は、冬の季節とは思えないほど暖かった。

連日続いていた雪が嘘のようで、かんかん照りの太陽が晴天の空の中一際目立っていた。

会社に向かう人達は、厚手のコートやスーツのジャケットを脱ぎ、タオルやハンカチで額を拭っている姿も見える。

冬らしい服装と、ギュウギュウ詰めの満員電車、そしてこの季節外れの気温。僕も背中や脇にじんわりと汗をかいていて、朝からちょっぴり嫌な気分だった。

改札を出て日差しを浴びると、さらに額にも汗が滲み、ますます暑さを感じた。

それに、先日までは雪化粧だった路面も、もう溶けてしまっていて名残も残っていない。もう冬は終わりかな、なんて勘違いしそうにもなるくらいだ。

会社に向かう道すがら、そんな様子を眺めていると、今回は冬らしいことができなかったと、僕は悔やみ残念に思った。前に話していた約束のスキーへ、亜樹を連れて行ってあげることができなかったからだ。

会社に着くと、僕は部署に行く前に売店により、冷たい缶コーヒーを買うと、上階のテラスに向かった。

テラスには、白い丸テーブルが四つあり、それぞれに椅子が二脚ずつ用意してある。

すでに二つのテーブルには、他の部署の同僚が座っていた。本来なら、冬の時期にこのテラスを使う人はほとんどいない。

僕はテラスに出ると、右端にあるテーブルを使うことにした。

椅子に腰かけ、缶コーヒーを一口飲むと、僕は自然と亜樹との思い出を振り返っていた。

亜樹と同期で入社してすぐのこと、二人でこのテラスを発見すると、さっそく憩いの場となった。

その当時はまだ、応接室のことを知らなかったので、朝であったりお昼であったり、はたまた残業中であっても、ここにやって来て、趣味やスポーツの話題で華を咲かせていた。

ただ残念なことに、残業は全て僕のせいだった。当時からエースだった亜樹とは違い、ポンコツな僕は仕事が全然できなかったので、毎日のように失敗して怒られ、残業となり、亜樹に手伝ってもらった。

……今さらだけど、ちゃんとお礼を言わなきゃいけないな。

そんなある日、残業が夜遅くまで続くと、いつものようにテラスに上がって来た。

そのとき、目の前に広がるビル郡の明かりが、まるでイルミネーションを見ているかのように綺麗だったことがある。

亜樹は、その光景を見て子供みたいにはしゃぎながら「見て見て道流!凄い綺麗だよ!私みたいだね」そう言って顔を赤く染め上げたことを、時が経った今でも鮮明に覚えている。

よくよく考えて振り返れば、僕はそのときから亜樹のことが好きだったのかなと思う。

近過ぎて、当たり前過ぎて、日常に溶け込んでいたから、僕は心の奥底に芽生えていた感情に気づいていなかったのかもしれない。

そんな亜樹は、今や僕の妻として、いつもそばにいてくれる。ただ、亜樹と出会ってからは、同僚に付き合ってるのかと疑われるほどの仲良しだったから、結婚して一緒になっても不思議と変化は感じなかった。

僕は、心の中でクスリと笑うと、さきほどの悔やんでいた気持ちを訂正した。

やっぱり、亜樹を連れて行ってあげよう。お礼も兼ねて。ついでにお酒も大目に見てあげて、僕も久しぶりに羽目を外そうかな。

僕は清々しい気分になり、子供のときのようにワクワクした。

それに、来週は祝日があり三連休。タイミングとしてはバッチリ。

僕は、よし!と気合いを入れると、缶コーヒーを一気に喉に流し込んだ。

―――

その日は仕事も少なく、外の空気と同様に会社も穏やかな雰囲気だった。ある一人を除いて。

それはお昼のこと、

真琴「道流さんっ!」

応接室に向かう途中で僕の腕にしがみついて来た。

道流「うわっ!……びっくりしたぁ。ていうか離れなさい!」

僕は腕を振った。

真琴「えーいいじゃないですか?私と道流さんの仲なんですから」

真琴はウィンクをした。

道流「そういう意味じゃないよ。壁に耳あり障子に目ありって言うだろ?」

真琴「なんですかそれ?」

道流「どこで誰が見て聞いてるかわからないよって意味。僕には亜樹がいるから、誰かに見られたら変な噂が立つかもしれないだろ?」

真琴「へぇー。道流さん物知りですね」

道流「それで、何の用?」

真琴「週末空けておいてください!」

そろそろだと思ってたけど、このタイミングか。

道流「美雪の件の?」

真琴「正解です!」

真琴は親指を立てながら、満面の笑みで答えた。

道流「先に言っておくけど、亜樹が断ったら諦めてね」

真琴「もちろんわかってます。でも、ちゃんと道流さんが見たいって言ってくださいね。言わないNGは無しです」

道流「わかったよ。それで、今回はどういう計画?」

僕は平静を装いながら聞いた。

真琴「ふっふっふ」

不敵な笑みを浮かべた真琴に、僕はいつもの嫌な予感が頭を巡った。また欲望に飢えた獣になってしまったのかな……。

道流「その様子だとろくなもんじゃないね」

呆れた口調で言った。

真琴「それは失礼ですよ。今回は正攻法です」

道流「正攻法?」

意外な言葉に聞き返した。

真琴「はい。今まではセックス=辱しめだったんですけど、すこし考え方を変えてみたんです」

真琴らしからぬ真面目な雰囲気だった。

真琴「まぁ詳細はそのときのお楽しみということで。あっあと、優衣香さんと美雪さんも誘って、私の家でご飯食べませんか?」

真琴は僕の顔を覗き込むように言った。

道流「それは構わないけど、料理は誰が作るの?」

疑問を問いかけながら、僕は真琴と視線を合わせた。

真琴「私、道流さんのオムライスが大好きなんです」

にっこりと笑う真琴の表情には、すでに答えが書いてあった。

僕は一つ、大きなため息を吐くと、

道流「はいはい。僕が作るのね」

真琴「お願いします。やったぁー!」

真琴は喜びながら、応接室に続く廊下を走っていった。

僕はそんな真琴の可愛い後ろ姿を見て、やれやれとまた一つため息をついた。

―――

さらにその日の夜。

僕と亜樹は晩御飯を食べ終わり、部屋でゆっくりとテレビを見ていた。

道流「ねぇ亜樹、いいかな?」

亜樹は、紅茶が入ってるマグカップを持ち上げたところだった。

亜樹「どうぞ」

そして一口飲むと、テーブルに置いた。

道流「この前話した美雪のことあったでしょ?それでさ、真琴……」

亜樹「いいよ」

亜樹は僕の言葉を聞き終えることなく言った。予想に反したその反応に、僕は驚いてしまった。

道流「え?でもまだ何も……」

亜樹「道流が頼んで、真琴ちゃんに助けてもらった。それでお礼は私。真琴ちゃんのことだから、私が誰かとセックスするところが見たいんでしょ?」

全てお見通しのようだ。

道流「でも、亜樹が嫌だったら断るつもりだから」

亜樹はテレビを消すと、僕の方に体を向けた。

亜樹「道流は見たい?」

道流「もちろん!僕は亜樹のことが大好きだから、亜樹のセックスが見たい」

僕は、あぐらをかいていた足を正座に直して、かしこまって答えた。

道流「亜樹のセックスを見ると、僕は凄く興奮する。いっぱい嫉妬するし、体中が熱くなって、オナニーが止まらなくなるんだ」

僕は、本心を包み隠すことなく伝えることが、亜樹に対しての誠意だと思った。

道流「それに今だって、こうやって話すだけで勃起してきたんだ。亜樹が他の男に下着姿を晒して、裸を見せて、胸やマンコを触らせて、舌を絡ませてキスをする。そして、亜樹の体の中に僕以外のモノが挿入されて、快楽に喘ぐ。そんな亜樹はとても素敵で、僕は大好きなんだ」

真琴に言われたからじゃない。決して体だけが目的で言ってるわけじゃないし、性癖が全てではない。

僕は夫として、妻の亜樹のことを愛している。本気で心の底から感じたいと思ってる。

道流「こんな変態な夫でごめん」

僕は膝の上に拳を置き、深く頭を下げた。

すると、亜樹の口からため息が漏れた。

亜樹「本当に変態で気持ち悪い夫だよ」

道流「え?」

すっとんきょうな声が漏れた。

亜樹「でも、そんな夫が好きな妻も、同じくらい変態で気持ち悪いんだろうね」

亜樹は苦笑いをした。

亜樹「まあ私も、道流に見てもらうと興奮するからね。嫌いじゃないよ」

道流「いいの?」

亜樹「嫌なの?」

少しの間沈黙があった。

道流「ありがとう亜樹」

亜樹「ううん。ちゃんと誠意は伝わってるよ。それに、道流に恥ずかしいことを言わせちゃったのは、私のせいかな」

亜樹は失笑した。

道流「違う。そんなことないよ。僕は本気でそう思ってるし、恥ずかしいなんて思ってない。全部、亜樹が大切だから話したんだよ」

亜樹「……道流」

亜樹の唇の動きに、僕は急に渇きを覚えた。

すぐにホットパンツの脇から指を入れて、パンティを避けてマンコに触れた。

道流「え?亜樹?」

亜樹は、顔を赤く染め上げた。

道流「濡れ……」

亜樹「言わないで!」

大きな声が部屋に響いた。

亜樹「恥ずかしいから……言わないで」

儚げな瞳をする亜樹に、僕は我慢できなくなった。

すぐに押し倒して、ホットパンツを脱がせた。

道流「亜樹、もしかしてさっきの僕の話しで興奮したの?」

黄色のパンティは、すでにシミができていた。

亜樹「いや……やめてよ……」

道流「でも亜樹、僕だってこんなに勃起してる」

僕がズボンを脱ぐと、物々しくパンツを押し上げていた。

亜樹の左手が、パンツ越しにモノを擦った。

道流「亜樹がこんなに淫乱だと思わなかったよ」

マンコの中から、愛液が溢れてきた。

亜樹「そんなふうに……言わないで……違う」

亜樹の掠れた弱々しい声が、さらに僕を滾らせる。

僕はパンティを脱がすと、左右の花びらに舌を這わせた。上から下に、下から上に、ねっとりと舐め上げた。

亜樹「いやん……あぅ……」

可愛いくて愛おしい。

道流「亜樹、美味しいよ。それに亜樹のビラビラは卑猥だね」

亜樹「……言わないでよ」

亜樹は両手で、真っ赤になった顔を覆い隠していた。

ジュルジュルと愛液を吸い出して、妻の淫らな汁を一滴残らず味わいたかった。

亜樹「あぁぁっ……あん……道流……あっん」

名前を呼ばれると背筋がゾクゾクして、鳥肌が立った。

道流「亜樹の体は本当にスケベでエッチだよ。この体が他の男に食べられる姿がたまらないよ」

マンコに舌を入れて、卑猥な音を部屋中に響かせた。

亜樹「道流……もう我慢できない……早く入れて」

僕は亜樹のティーシャツを脱がせると、ブラを剥ぎ取った。

亜樹は自分で両足を開き、僕を誘った。

そして僕は、すぐに脈打つモノを奥深くまで突っ込んだ。

亜樹「あぁぁ!」

たまらない。亜樹の体、マンコの中が熱くて溶けてしまいそうだ。

早く見たい。亜樹が他の男とセックスする姿を、モノで狂ってしまうくらい、絶頂して絶頂しまくる姿を。

道流「亜樹。亜樹、キスしよ。僕も早く欲しい」

正常位の体勢のまま、亜樹に抱きつくように唇を重ねた。

亜樹「んん……ん……あん」

道流「早く舌を出して。亜樹、ちょうだい」

亜樹は口を開けて舌を大きく出すと、僕はその舌に重ね合わせた。

道流「亜樹、美味しいよ。唾液も」

僕は亜樹に唾液を垂らすと、喉を鳴らして飲んでくれた。

そして交換するように、僕も亜樹の唾液を舌に乗せてきて飲み込んだ。

道流「もう、イキそう」

亜樹「あん……あんっ……私も」

道流「亜樹、僕の精子もいっぱい飲んでね」

亜樹「あっ……うん……いっぱい、ちょうだい」

亜樹の体を抱きしめながら、腰のピッチを上げた。

亜樹「あんあんあん……あっ……あぁ!」

道流「うっ!亜樹イクよ!」

亜樹「道流!あぁぁ!」

すぐにモノを抜き、亜樹の口に押し込んだ。

暖かい口の中に勢いよく精子が注ぎ込まれると、僕の体がブルブルと震えた。

道流「亜樹、気持ちよかったよ」

亜樹は上目遣いで僕の顔を見ると、ゴクリと飲み込んで、

亜樹「私もだよ」

天使のように微笑んだ。

―――

それから数日が経ち、約束の日の前日だった。

僕と優衣香と美雪は、お昼の時間に真琴に呼び出された。

真琴「お集まりいただきありがとうございます!」

応接室で、僕達三人を一つのソファーに座らせると、真琴が立ち上がり言った。

道流「明日のこと?」

真琴「はいそうです!」

真琴のイキイキとした顔が、反対に僕を不安にさせる。

優衣香「私と美雪ちゃんもでしょ?乱交でもするの?」

優衣香の唐突な言葉に、僕と美雪は唖然とした。

真琴「さすが優衣香さん!なかなかの変態ですね。でも、ブッブー!違います」

体の前で、大きくバッテンを作り否定した。

美雪「私、セックスはしたくないよ」

美雪は、まだ先日のことが残っているのか、あまり乗り気ではないようだ。

真琴「いえいえ、優衣香さんと美雪さんは普通のご招待ですので、皆さんでご飯を食べましょう」

道流「じゃあ、僕と亜樹は?」

真琴が視線を僕に向けた。

真琴「スワッピングってご存知ですか?」

道流「夫婦交換でしょ?知ってるよ」

そのとき、真琴は意味深に微笑んだ。

道流「え?まさか」

真琴「そのまさかです。今回はスワッピングをしてもらいます。今までのように公共の場だったり、レイプまがいの行為ではなくて、正式に順を踏んでセックスをしてもらおうと思いました」

美雪「でもそれって、相手の方達の合意も必要でしょ?」

真琴「もちろんです。すでに相手方とは話しが済んでますので、安心してください」

淡々と答える真琴に対して、僕はやっぱり不安だった。

しかも夫婦交換ということは、僕も相手の奥さんとセックスをするということだ。

道流「不安だな」

つい口走ってしまった。

優衣香「あっそうか。亜樹だけじゃなくて、道流さんもってことですもんね」

美雪「真琴、大丈夫なの?」

真琴「お任せください!」

真琴の表情からは、不安や心配の類いは感じられなかった。むしろ、準備万端だと胸を張っていた。

―――

当日。

僕と亜樹は、午後から真琴の家に向かった。

優衣香と美雪、そして相手方の夫婦とは、家で合流することになっていた。

電車に乗ってるときの亜樹の表情は、やはり緊張しているようだった。

無理もない。今回は今までとは違って、相手方も僕達と似た性癖の持ち主だ。

いったいどんな人なのか。容姿は?性格は?雰囲気は?はたまた、セックスはどうなのだろう?

おそらく、亜樹も同じことを考えてるはず。そして、考えても仕方がないのもわかってはいるが、どうしても頭の中で、幻想の夫婦を作ってしまう。

亜樹はすでに、その男と疑似セックスをしているのだろうか……。

しばらくして、真琴の家に着いた。

相変わらず立派な洋館だ。

門の横にあるインターホンを押すと、真琴の声が聞こえて来た。

門が開き、数メートル続く庭を通ると、真琴が玄関の扉を開けて出迎えてくれた。

真琴「おはようございます。さあ入ってください」

促されるまま、僕と亜樹は不安な面持ちで家に入った。

内装は、世界各地から取り寄せたアンティークの家具で揃えられている。

絨毯は全て赤。部屋は十部屋あって、一階に五つ、二階に五つとなっているが、この家には真琴しか住んでいないため、ほとんどが客人用となっているそうだ。

道流「他の人達は?」

先導する真琴に問いかけた。

真琴「まだです」

玄関ホールを通り抜け、左右にある階段から二階に上がると、僕と亜樹は別々の部屋に通された。

僕は荷物を置いて、階段を下りて、ダイニングというのか大広間のソファーに腰を下ろした。

ソファーは羽毛で、気持ちのいい感触だった。

前回来たときとは、少し配置が変わっている気がした。

すると、真琴がやって来た。

道流「ねえ真琴、最近模様替えしたの?」

真琴「よく気づきましたね。私一人でやったので、大変でしたよ」

真琴は苦笑いして答えた。

そして、ソファーの正面にある暖炉に火を灯すと、亜樹が下りてきた。

道流「あれ?着替えたの?」

亜樹はブルーのジーンズを履いて来たはずなのに、膝上の白いフレアスカートになっていた。

亜樹「うん。真琴ちゃんが、是非スカートでお願いしますだってさ」

道流「でもそんなシャツとスカート持ってたっけ?」

真琴「いえ、上下共に私が用意しました。やっぱり亜樹さんにはスカートですよ!本当はミニがよかったんですが、今は冬ですからね。風邪をひいてしまっては困りますし」

真琴の目はキラキラと輝いていた。

道流「それだったら、真琴もスカートにしなよ。いつも一人だけパンツでさ」

真琴「いやでーす!」

真琴は笑いながら踵を返した。

道流「まったく」

呆れていると、亜樹が僕の隣に座った。

道流「亜樹、緊張してる?」

亜樹は、窓の外を眺めていた。

亜樹「うん、少し」

僕は亜樹の肩を抱いて、

道流「ちゃんとそばにいるからね」

亜樹は振り向き、

亜樹「ありがとう、あなた」

僕はそっと唇にキスをした。

そのとき、真琴が早足で玄関ホールへと向かった。

誰か来たのだろうか……。

僕と亜樹は、無言のまま真琴を目で追いかけた。

そして、相手方の夫婦が真琴に連れられやって来た。

僕は二人の様子を見て驚いた。

男性は白髪混じりの年配で、女性は長い黒髪で二十代くらいだろうか。服の上からでもハッキリわかる豊満な胸と、すらりと伸びた足。それに、色気溢れる魅力的な体のライン。一言で表すなら、美しいという言葉がピッタリだった。

ただ、夫婦というなら、あまりにも年齢が離れている気がした。

真琴は二人を、僕達の正面のソファーに座らせると、

真琴「道流さん亜樹さん、このお二人がお話ししていた方達で、男性が辰己さんで、女性は奥さんのレイラさんです」

辰己「まず、お招きいただいたことに礼を言わせてくれ。真琴、ありがとう。そして、引き受けてくれた二人にも、礼を、ありがとう」

辰己の物腰は、重くずっしりとしていて、威厳すら感じた。漆黒のスーツに、花の刺繍が入った純白のワイシャツ……この人こそドレスシャツと言った方が似合ってるかも。風貌からしてどこかのお偉いさんなのだろうか。

それに、大人の色気を感じる。この年齢になっても色褪せることのない男としての魅力が、素直に羨ましいと思った。

レイラ「今日はよろしくね」

反対にレイラは軽くて、人当たりが柔らかい。しかも目鼻立ちがくっきりしていて彫りが深く、もしかしたらハーフかクォーターなのかもしれない。

僕と亜樹も、レイラの軽やかな明るい声に合わせて挨拶をした。

真琴「ではさっそくですけど、これから明日の朝まで、夫婦交換をします。もう一度聞きますけど、よろしいですね?」

辰己とレイラは頷いた。

道流「亜樹」

亜樹「うん」

顔を見合せると、お互い頷いた。

真琴「では、亜樹さんとレイラさん、席を交換してください」

真琴の合図で、レイラはスッと立ち上がり、それに少し遅れて亜樹も席を立った。

二人が入れ代わり、僕の隣にレイラが、辰己の隣に亜樹が座った。

間近で見るとなおのこと、レイラはまさに色気の塊だった。胸はFカップだろうか、白のブラウスシャツから、谷間を覗かせていて、赤いタイトなミニスカートからは、ほどよい肉付きの白い足が伸びていた。

さらに、この誘っているかのような香水の匂い。

レイラ「道流君はいくつ?」

抑揚のない口調で言った。

道流「26です」

レイラ「あっやっぱりそうなんだ。奇遇ね、私も同じなの。じゃあ奥さんも一緒かしら?」

レイラは亜樹に視線を向けた。

道流「そうです。僕ももしかしてって思ってました」

レイラに合わせるように、僕も亜樹に視線を向けた。

亜樹はさきほどまで緊張していたけど、辰己と会ったことで、顔の強張りがなくなり、多少和らいだように見える。

真琴「では、道流さんとレイラさん」

僕とレイラが、立っている真琴に顔を向けた。

真琴「今日の晩御飯の材料を近くのスーパーで買って来てください。二人で」

道流「それは構わないけど、本当に僕が作っていいの?」

真琴「もちろんです!私はオムライスが食べたいです!」

真琴は手をパチンと叩いて言った。

レイラ「道流君は料理ができるの?」

道流「えっあ、はい。と言っても自慢できるほどじゃないですけど」

真琴「いえ!道流さんの料理は美味しいです!この私が保証します」

レイラ「へぇー楽しみ。私も料理好きだから、言ってくれれば何でも手伝うからね」

僕はそんなレイラの視線に気づくことなく、亜樹を見ていた。

亜樹は辰己とクスクスと笑いながら会話を続けていたので、二人の雰囲気はとりあえず良好のようだ。

僕は一つ、安堵の息を吐いた。

―――

僕とレイラは、家から程近い所にあるスーパーにやって来た。

材料と言っても、オムライスにコンソメスープなので、あれやこれやと買う必要はない。

それにこういうときは、見栄を張らずにいつも通りに作る方がいい。普段と違うことをすると、大概失敗するから。

でも、そんな僕の思いとは裏腹に、レイラはさすがだった。

メニューを教えると、僕の理想通りの材料を選んでくれた。

道流「レイラさんは本当に料理が好きなんですね」

調味料を選びながら言った。

レイラ「小さい頃から作ってたの。道流君ほどかはわからないけど、私も自信あるのよ」

道流「せっかくなので、もしよかったらスープはレイラさんにお任せしてもいいですか?」

レイラ「いいの?真琴ちゃんが推薦したのに」

道流「真琴のメインはオムライスですから、大丈夫だと思います。……少し質問してもいいですか?」

レイラ「ええ、構わないわよ」

レイラも棚の中から、いくつかの調味料を手に取りながら言った。

僕は複数あった質問を頭の中で整理した。

道流「真琴とは知り合いなんですか?初対面って感じには見えなかったので」

レイラ「そう、私と真琴ちゃんが知り合い。夫の辰己とは、今日が初対面よ。でも、前々から話題には出してたから、あまり初々しい感じもなかったわね」

道流「レイラさんて、ハーフですか?」

レイラ「おしい。クォーターよ。祖母がヨーロッパの出身なの。私は日本生まれ日本育ちだから英語とかはさっぱり」

僕はレイラの言葉を聞いて、一つ一つに答えを埋めていった。

道流「辰己さんはおいくつなんですか?」

すると、レイラはクスっと笑った。

レイラ「やっぱり気になるかぁ。しょうがないよね、歳の差婚てやつだから。夫は64。私と結婚して四年目になるわ」

新婚というわけではないようだ。

僕は調味料を数点かごに入れると、カートを押して移動した。

途中お菓子コーナーを通ったとき、たまたま亜樹が好きなホワイトチョコが目に入った。

僕はそれを手に取り、亜樹の喜ぶ顔を思い浮かべながら、かごに移した。

レイラ「あっ!」

突然レイラが驚きの声を上げた。

道流「これ知ってるんですか?」

レイラ「知ってるわ。これ美味しいのよねっ!前に店頭からなくなっちゃったときは本気で泣いたもの」

僕はレイラの言葉や満面の笑顔に親近感を感じた。亜樹も同じ表情を見せてくれるし、このお菓子には人を笑顔にできる魔法がかかってるのかもしれない。

道流「じゃあ、レイラさんの分も買って行きましょう」

僕はさらにホワイトチョコをかごに入れた。

レイラ「ありがとう。これ道流君が好きなの?」

覗き込むようにレイラが聞いてきた。

道流「いえ、妻の亜樹が大好きなんです。亜樹もレイラさんと同じで、笑顔になるんですよ」

自然と漏れる笑みを素直に見せた。

レイラ「あら、じゃあいい友達になれそう。夫婦交換じゃなくて、普通に会ってたらよかったかもね」

そうだ。僕はハッとした。

今のこの関係は夫婦交換があってのものだ。僕はいつの間にか、大事なことを忘れてしまっていた。

明日の朝まではこの人が妻となり、僕の亜樹は、辰己の妻として……。

急に不安になった。

わかっていたはずだし、多少なり覚悟はできていたけど、目の前に亜樹がいないという現実は、ちょっと……キツいかな。

すると、僕の様子が気になったのか、レイラが、

レイラ「不安なの?」

まるで見透かしたような言葉だった。

道流「……はい。こういうことは初めてだし、それに、亜樹が心配です。もちろん辰己さんやレイラさんが信用できないわけじゃないですけど……」

喉に詰まらせながらも、内にある不安を話した。

レイラ「実はね、私も初めてなの」

道流「え?」

レイラ「今回真琴ちゃんから話しをもらったとき、私も何を言ってるのかわからなかった。おそらく、今の道流君や亜樹さんと同じ気持ちだったと思う。でも、それを夫に話したら嬉しそうに了承したわ」

意外だった。まったくと言っていいほど、二人から緊張感が伝わって来なかったから、てっきり経験者だと思っていたのに。

レイラ「でも、今こうやって道流君と話していると、さっきまでの不安はどっかにいってしまったわ。それに、道流君は優しいのね。相手に不信感や不安感を与えないし、話し方も丁寧で柔かい。亜樹さんはいい人を見つけたわね」

道流「そう言ってもらえて嬉しいです。ありがとうございます。ただ、亜樹が見つけたんじゃなくて、僕からアピールしたんですけどね」

頬に熱を感じながら言った。

レイラ「亜樹さん可愛いもんね。私は反対。自分からアピールして結婚したの」

レイラから出てくる言葉は、予想と違うことばかりだった。

道流「同性の僕から見ても、辰己さんは色気があるし、魅力的だし……」

レイラ「そうでしょ!やっぱりね。でも、私が夫を好きな理由は他にあるの」

道流「なんです?」

レイラ「セックス」

レイラは意味深な笑みを浮かべながら、ハッキリと答えた。

道流「え?」

レイラ「彼のセックスは凄いわよ。私なんて毎晩のように骨抜きにされちゃうの。足がガクガクになって、腰は抜けて、しかも太くて長い。さらに絶倫ときてる。だから私、彼のセックスが大好きなの」

僕は、体の力が抜けてしまった。

レイラ「でも安心して。亜樹さんを奪うようなことはしないから。そんなことしたら、私が嫉妬するしね」

何も返せなかった。

僕はただ無言で、レイラの言葉に耳を傾けていた。

―――

僕とレイラは買い物を終えて、家に戻って来た。

レイラ「もしかしたら、今頃もう裸にされて、食べられてるかもね」

家に戻る道すがら、不意にレイラが放った言葉に僕はますます疑心暗鬼になった。

さらに、

レイラ「ねえ道流君。私達もセックスするの?」

妖艶な表情をして、下唇を舐めながら挑発してきた。

レイラの色気に圧されて、下半身は反応してしまう。

今の僕は、心は亜樹に、体はレイラに向いている。心配なのに、亜樹が辰己にめちゃくちゃにされるかもしれないという好奇心が疼き、胸がギュッと苦しくなった。

玄関ホールを抜けて大広間に行くと、真琴が一人でソファーで携帯をいじっていた。

真琴「あっお帰りなさい!」

夢中になっていたのか、近づくまで気づかなかったようだ。

僕は食材が入った袋を真琴に渡すと、辺りを見回した。

真琴「お二人のことですか?」

道流「うん」

真琴「辰己さんの部屋にいますよ」

すると真琴は、携帯の画面を見せて来た。

そこには、椅子に座りながら談笑している二人の姿が映っていた。

僕の心の片隅では、信じられないけど、もしやという気持ちもあったが、とりあえずは安心した。

真琴「ふふふっ。道流さんは可愛いですね」

真琴は意地悪く言いながら、指でお腹を突っついてきた。

道流「ほっとけ」

僕は苦笑いをした。

真琴「でも、道流さん。亜樹さんはすでに唇を奪われてますよ」

道流「え?」

体に衝撃が走った。

僕は振り向き、目を見開いた。

真琴「道流さんが買い物に出たあと、亜樹さんはこのソファーでキスをされ、服の上から胸を揉まれて、スカートも捲られて、太ももをいやらし〜く撫でられてましたよ」

真琴の言葉に僕は呆然とした。

しかしそのとき、

レイラ「ホント、可愛い」

なんとレイラが、僕のズボンのファスナーを下ろして、パンツからモノを出したのだ。

レイラ「あら、もう勃起してたの?亜樹さんが悪戯されるのが好きなのね」

レイラはいきなりフェラをした。

拒めない。頭の中にいる亜樹が僕の心を刺激して、レイラの舌技が体を滾らせる。

真琴「道流さん、見てください。ほら、亜樹さんが」

携帯の向こうでは、亜樹と辰己が濃厚なキスを交わしていた。

正面上から映る映像には、辰己の手が亜樹のスカートの中に入っていて、股の部分が膨らんでいた。

真琴「はぁ、亜樹さん素敵です。もっと刺激的に、もっと破廉恥に乱れていただきたいですね」

真琴は映像を見ながら、自分の胸を揉み始めた。

レイラはフェラに夢中で、僕も映像から目を離せなかった。

突然レイラがむせた。

レイラ「ゴホっ、ずいぶん早かったわね?それとも、亜樹さんの姿が気に入ったの?」

レイラは上目遣いで精子をゴクリと飲み込んだ。

しかし、僕の視線の先はただ一点を見据えていたため、むしろ、射精したことすら気づいていなかった。レイラの反応を見て、初めて達したことを理解したのだ。

真琴「じゃあ道流さん。オムライスお願いします!」

真琴は携帯をしまった。

―――

その後、僕はキッチンに立ち、晩御飯の支度を始めた。

亜樹が今どんな状況なのか、内心落ち着かなかった。

真琴の映像とレイラのフェラから、すでに一時間ほどが経っている。

亜樹は辰己とセックスしているのだろうか。もうすでに、辰己のテクニックで連れていかれてしまったのだろうか。

……後ろから真琴がやって来た。

真琴「もう少ししたら、優衣香さんと美雪さんも到着するみたいです」

僕は振り向くことなく、ただ一言だけ返事をした。

真琴は僕の隣に立つと、

真琴「気になります?」

ボソっと言った。

道流「当たり前だろ。今亜樹はどんな状況なんだ?」

真琴「どうなってると思います?」

真琴は試すように質問を繰り返した。

道流「もう、セックスを?」

ふふっと声を漏らすと、

真琴「かも知れませんね。私はゆっくり鑑賞させてもらいます」

まるで僕を煽るような口振りだった。

そして、真琴と入れ替わるようにレイラがやって来た。

レイラ「道流君、何か手伝うわ」

レイラの胸元は、一つのボタンを除き、ほとんどが外されていて、かろうじてブラのホックの所だけが、閉じられていた。

道流「あっ、あぁ、じゃあスープをお願いします」

僕は、意識してしまう視線を強引に逸らせ、目の前のことに集中した。

外から射し込む光もなくなり、辺りは暗くなってきたところで優衣香と美雪が到着した。

二人はまずレイラと、そのあとに二階から下りて来た辰己と挨拶を交わした。

優衣香と美雪は事情を知っているので、別段変わった様子もなく、いつも通りに過ごしていた。

やがて時間も過ぎていき、料理が出来上がると、僕とレイラは木製の長テーブルに料理を並べた。

皆が揃い、真琴の合図で食べ始めると、それぞれから美味しいと言う言葉が聞こえてきた。

ずっと食べたい食べたいと言っていた真琴は、念願が叶ったのか、普段見ることのない、幸せな表情で頬張っていた。

僕はその瞬間だけ、今日という日の目的を忘れることができた。

―――

ご飯も食べ終わり、僕はキッチンのシンクで、片付けをしていた。

そのとき、亜樹が残っていた食器を持って来た。

道流「ありがとう亜樹」

亜樹は僕の隣に立つと、洗い終わった食器を拭いてくれた。

亜樹「レイラさんとはどう?」

やっぱり亜樹も気になっているのかな。

道流「明るくて、凄くフレンドリーな人だよ。僕達と同い年だし。あっそれにね、亜樹と一緒で、あのホワイトチョコが好きなんだって」

自然と言葉が弾む。僕は亜樹と会話をするだけで嬉しかった。

亜樹「え?そうなの?なんか急に親近感沸いたよ」

亜樹は驚きながらも、興味深く笑った。

道流「でね、さっき買って来ちゃった」

亜樹「ウソ?ホントに?やったね。あとで食べよ」

亜樹の笑顔が、僕の心に暖かい火を灯してくれた。

道流「……辰己さんはどう?」

亜樹「うん、凄く紳士的な人だよ。優しくしてくれるし、話しも奥が深くて聞き入っちゃう感じ」

その言葉から不安は感じなかった。

道流「亜樹」

亜樹「ん?」

亜樹と視線が重なった。

道流「愛してるよ」

唐突な言葉に恥ずかしくなったのか、亜樹は照れてしまった。

亜樹「もう!いきなりは卑怯だよ」

道流「ごめんごめん。でも、僕は亜樹のことをちゃんと見てるからね。いつでも、どんなときでも」

亜樹「うん。ありがとう。私も同じだよ」

片付けも済んで、僕はソファーに腰を据えた。

一人になりたくなかったので、部屋には戻らなかった。

それでも亜樹のことを考えてしまって、下半身も敏感に反応して、体は火照ってしまう。

優衣香「道流さん?大丈夫ですか?」

向かいのソファーで座っていた優衣香が声をかけてくれた。それに、優衣香の隣にいる美雪も、どこか不安そうな目をしていた。

道流「うん、大丈夫だよ。体はなんかソワソワしてるけどね」

美雪「辰己さんとレイラさんは初めてなんですか?」

道流「レイラさんは初めてらしいよ。辰己さんはわからないけど」

美雪「レイラさんて、凄く美人ですよね」

美雪は羨ましいのだろうか、二階にあるレイラの部屋を見ていた。

優衣香「道流さんもレイラさんとセックスするんですか?」

すぐには答えられなかった。

道流「……どうかな。今はまだわからない。それよりも、僕は亜樹のことが気になってしょうがないんだ」

話さずにはいられなかった。少しでも打ち明けて、気持ちを楽にしたかった。

美雪「やっぱり道流さんは優しいですね。いつでも亜樹さんのことを気にしてますし」

優衣香「でも、本音は亜樹のセックスが見たくてたまらないんですよね?」

道流「優衣香。一言余計だよ」

僕達は笑い合った。

そのとき、真琴が一階の自室から出て来た。

真琴「はぁ、いいですねぇ」

美雪「どうしたの?」

真琴の表情は、早く何があったか聞いてくださいと言わんばかりだった。

真琴「うふふ。内緒で〜す」

美雪「だったらそんな顔しないでよ」

真琴「それより、優衣香さんと美雪さんいいですか?レイラさんがお二人と話したいと言っていたので、部屋に行きましょう」

真琴は、片手をレイラの部屋に向けながら言った。

美雪「私もレイラさんと話してみたかったんだ」

美雪が立ち上がると、優衣香も僕に一度視線を向けてから腰を上げた。

三人が階段を上がって、レイラの部屋に入りドアが閉まると、二つ隣のドアが開いた。

そこから、ワイシャツにジーンズといったラフな格好をした辰己が出て来た。

朝とは雰囲気がガラッと変わり、今度は社交的な感じだ。

二階から下りてくると、僕の正面のソファーに腰を下ろした。

辰己「道流君、素敵なディナーをありがとう。とても美味しかったよ」

低く落ち着いた声で、どこか安心するトーンだった。

道流「お口に合わなかったらと不安だったので、そう言っていただけてホッとしました」

僕は姿勢を正して答えた。

辰己「レイラはどうかな?失礼なことをしてないか?」

道流「失礼だなんて、とんでもありません。この数時間の間に、いくつも助けてもらいまして、むしろ、お礼を言いたいです」

辰己は優しく微笑んだ。

辰己「レイラの言っていた通りだな」

辰己は、かすかに聞こえるくらいにボソっと言った。

道流「あの……妻の亜樹はどうですか?」

辰己「道流君。残念ながら、今亜樹は僕の妻だよ」

失言だった。明日の朝まで、亜樹は僕の妻ではない。

僕は唇を噛んだ。

道流「失礼しました。亜樹さんはどうですか?」

辰己はすぐには答えず、胸ポケットからタバコを取り出しライターで火を着けた。

そして、スゥーっと煙を吐いてから答えた。

辰己「亜樹とは、もう三度セックスをした」

突然の告白に、僕の心臓は跳ね上がった。

道流「え?」

思わず聞き返してしまった。

辰己「亜樹の体をすでに食べさせてもらった。亜樹は恍惚な表情で喘ぎ、幾度も絶頂していたよ」

淡々と答える辰己は、僕とは違い冷静だった。

辰己「レイラから聞いてるだろうが、俺は絶倫でね。日々の衰えもあるなかで、唯一、男として誇れる部分なんだよ」

道流「……確かに、聞きました」

辰己「レイラは夫婦交換というものが初めてだが、私は経験があってね。今まで、何人もの妻と関係を持ってきた」

僕は唾を飲み込んだ。

辰己「それに私も少々変態でね。他人である人妻が好みなんだよ。だから、今回も話しをいただいたときは嬉しくて、ついつい心が弾んでしまったよ」

辰己は一人で笑っていた。

辰己「何人もの人妻を抱いてきたが、亜樹はなかなかに素晴らしい。白い肌、豊満な胸、敏感な秘部、麗しい唇、可憐で儚い喘ぎ声。太ももを舐めたときの味も美味だった」

辰己の一つ一つの言葉が、僕の下半身を刺激して、ムクムクと膨張させた。

辰己「道流君、亜樹のことを朝まで遠慮なく抱かせてもらうよ。俺のチンポが忘れられなくなるまで」

僕が辰己の話しに聞き入っていると、亜樹が二階から下りて来た。

辰己は亜樹に手招きをして、自分の隣に座らせた。

辰己「道流君。妻の亜樹は、もう虜になってるかもしれないな」

道流「え?」

僕はすっとんきょうな声を出した。

辰己「俺はね、人妻が好きと言ったが、とくに好みなのは、男の目の前で辱しめて逝かせることなんだよ」

辰己は亜樹のスカートを捲り上げ、白いパンティを僕に見せた。

そして、手をお腹から這わせていきパンティの中に入れた。

辰己「なんだ亜樹、濡れているじゃないか。さきほどから何度もイッてるというのに、いけない子だな」

亜樹「ん……あぅ……」

亜樹は目の前で、自分から足を開きその手を誘った。

辰己の大きな右手がパンティを膨らませながら、マンコを愛撫している。

目が離せなかった。亜樹は目を瞑り、口を半開きにして、甘い吐息と声を漏らしていた。

亜樹「はぁ……あぁ……あん」

辰己「道流君、中はドロドロだよ。亜樹は卑猥な女、そう思わないか?他人にこんなだらしない顔を見せられる女は、そういないだろうね」

辰己は僕に、辱しめの言葉を浴びせた。

しかし、そんは辰己とは裏腹に、僕は欲情していた。

素敵だよ亜樹。愛撫をされているだけなのに、興奮する。

亜樹、そんな顔を見せないでくれ。たまらないよ。

辰己「淫乱だよ。すでに俺とのセックスでさんざん果てているというのに、まだ足りないみたいだな」

すると亜樹は感じながらも、辰己のシャツのボタンを外した。

そして上半身を裸にすると、なんと亜樹は、辰己の乳首を舐めたのだ。

マンコを愛撫されながら、お返しと言わんばかりに、辰己を責め返したのだ。

信じられなかった。今までも、他人とセックスはあったけど、こんな亜樹は見たことがなかった。

辰己「そうだ亜樹。お前は俺の妻だからな」

しかし、辰己は愛撫を強めた。

亜樹「あっ……あぁあ」

激しく動く指と、クチュクチュと響く音がいやらしい。

亜樹「あぁっ……ダメっあっ!……あっイク!」

亜樹はその瞬間体を震わせた。

辰己「これで何度目だ?つくづく好きな女だな。亜樹、まだ足りないのか?」

肩で息をしている亜樹に問いかけた。

辰己「足りないんだろ?自分の口で言ってみろ。そうすれば、何回でも連れて行ってやるぞ」

亜樹「足り……ません。もっとください……もっと激しいのがいいです」

辰己はニヤリと笑うと、亜樹を抱き上げた。

そして、二階に上がろうとしたとき、レイラの部屋から真琴が出て来て、二人はすれ違った。

辰己が自室に入ると、真琴は僕に手招きをした。

真琴の部屋では、大きなテレビに辰己の部屋が映し出されていて、画面には、辰己が亜樹をベッドに寝かせたところだった。

それからの辰己は激しさを増した。

なんと、亜樹の服を手で裂いたのだ。一枚一枚ビリビリと破き、亜樹の肌を露にしていった。

真琴「あぁ、亜樹さんが犯される」

僕の隣に立っている真琴が、その様子を見て、服を脱ぎ始めた。

僕もそれに釣られるように脱ぐとオナニーをした。

辰己「お前はとんだ淫乱な女だ。お前みたいな奴にはおしおきをしないとな」

ブラとパンティを引き裂き、全裸になった亜樹の体を激しく愛撫した。

胸には指が食い込み、マンコには三本の指が侵入していた。

亜樹「あぁぁ!……あん!気持ちいい!」

辰己「ここはどうだ?」

マンコに入っている指が、角度を変えて縦横無尽に掻き回している。

亜樹「あん!……そこ、いい!ああ!もっとぉ!」

亜樹の喘ぎ声は、さっきよりも格段に大きくなっていた。

僕のオナニーもどんどんピッチが上がる。

そしていつの間にか、真琴も全裸になっていた。

辰己「そろそろだな。亜樹、遠慮せず出すんだ」

亜樹は辰己の愛撫に合わせて腰を浮かせた。そのとき、

亜樹「あぁぁ!」

亜樹の咆哮のような声と共に、マンコから勢いよく潮が吹き出した。

その光景と一緒に、僕の手には暖かい液がべっとりと付着した。

道流「亜樹、素敵だよ。たまらないよ」

隣にいる真琴も、床にへたり込んでしまった。

画面の向こうでは、びしょびしょに濡れたシーツを辰己が外していた。

辰己「さて亜樹、まだまだ足りないだろ?」

天井の一点を見つめる亜樹に、辰己が問いかけると、無言で頷いた。

それを見て、辰己は服を脱いだ。

僕は辰己のモノを見て興奮した。モノは反り返り、おそらく20センチはありそうだ。それに加えて、ドス黒くて太い。

あんなモノで、亜樹は何度も突かれていたのかと思うと、体の芯から熱く滾った。

早く、早くそのモノで亜樹を……もう考えることは一つだけだった。

辰己は、亜樹の体をグッと引き寄せ、モノをあてがった。

亜樹「早く入れて……辰己さんのオチンチンちょうだい」

亜樹の言葉に頷くと、辰己は腰を振り子のように引いてから、マンコに突き刺した。

亜樹「ああぁ!」

奥深くまで入ると、亜樹の体が浮き上がり、叫び声が飛び出した。

亜樹「あんあんあん!」

辰己の腰使いは、まるでモノが、亜樹の体の中で暴れているのかと思うくらい激しかった。表情も苦痛に歪み、全身が真っ赤になっていた。

それほどまでに、辰己のモノは亜樹に快感を与えているのだろう。

亜樹「あんあんあん!……あぁっ……あん!」

辰己「たまらないな。久しぶりだよ、こんなに熱くなったのは」

辰己は上半身を倒すと、亜樹とキスをした。

腰を振りながらも、辰己の舌は亜樹の口の中を味わっていた。

亜樹「んんん!……んんんっ!」

塞がれているために、口からは籠った声が漏れる。

やがて口が離れると、辰己は亜樹の体を起こして、騎乗位の体勢になった。

亜樹は、何も言われなくても、自分から腰を上下に弾ませ、前後にスライドさせた。

僕は、もう何度射精したかわからなくなっていた。考えることもなく、手は意思と無関係に動き、真琴の存在すら忘れていた。

ただ手には、生暖かい感触だけが、ずっと残っていた。

亜樹「あんあんあん!……辰己さん、もう壊れちゃう……凄くて……おかしくなっちゃう」

そんな亜樹に、辰己は遠慮しなかった。

亜樹の脇腹を掴むと、強引に動かし、グルングルン腰を回した。

亜樹「ああぁ!ダメぇっ!……また、あぁっ!イッちゃうよ!」

辰己「遠慮するな、構わずイクんだ」

辰己は冷静に答えた。

亜樹「ああぁ!」

亜樹はふたたび絶頂した。

もう体は震えることもなく、そのままバタンと倒れた。

辰己は亜樹を受け止めて抱きしめると、キスをして、すぐにまた四つん這いでバックから挿入した。

亜樹「あんあんあん!」

果てた体に、再度新しい刺激が駆け巡っていく。

亜樹の小さな体が、辰己の大きな体に蹂躙されているようだった。

亜樹「あんあん!……あんあんあん!……ああぁ!」

そして亜樹は、またイッた。

終わらない。亜樹は幾度となく絶頂を迎えたが、辰己はやめなかった。

その後も、休憩することなく体位を変えて、亜樹を貫いた。

亜樹の体には、辰己の精子が何度もぶちまけられ、全身に辰己の証が刻まれていくようだった。

セックスを初めてからどれくらい経ったのか、辰己の動きに疲労が見えると、ようやく亜樹は解放された。

亜樹は疲労困憊なのか、ピクリとも動かなかった。

辰己が亜樹を抱き上げ、備え付けのシャワールームに運ぶと、映像からシャワーを音が聞こえてきた。

僕は安堵からか、腰を抜かしてドンと座り込んでしまった。

道流「亜樹……」

ここでようやく真琴に目を向けた。

道流「真琴、大丈夫か?」

真琴「……はい」

掠れた、弱々しい返事だった。

真琴「道流さん……私、亜樹さんが大好きです」

僕を見る真琴の瞳は、キラキラと輝いていた。

僕はゆっくり立ち上がると、ドアをノックする音が聞こえた。

僕は裸のままドアを開けると、そこにはレイラがいた。

レイラ「わわっ!?……えっ、何で裸なの!?」

レイラは僕を見るなり、体を仰け反り驚いた。

レイラ「え!?それに、真琴ちゃんも……あれ?え?どういうこと?二人でセックスしてたの?」

レイラは混乱しているようだ。

僕はレイラを部屋に入れると、事の顛末を話した。

―――

レイラ「そういうことか。なるほどね。やっと疑問だった点が繋がったわ」

真琴「ごめんレイラさん。ちゃんと説明してなくて」

真琴は頭を下げて謝った。

レイラ「いいのよ真琴ちゃん。てっきりその性癖は真琴ちゃんだけかと思ってたけど、道流君もだったのね」

道流「すいません」

レイラ「気にしないで。というより、よくよく考えたらスワッピングって、そういう性癖の人がやることだもんね」

真琴「その通り、大人の社交だよ」

レイラ「ふふっ、生意気なこと言わないの」

レイラは真琴の頭をペチッと軽く叩いた。

レイラ「じゃあ道流君は、辰己と亜樹さんのセックスを見て満足した感じ?」

道流「……はい。それに、もう亜樹の体が心配です」

僕は画面の向こうの二人を見た。

レイラ「安心して。辰己は本当に壊したりしないわ。ちゃんと相手に合わせてセックスしてるから」

レイラの言葉が、火照った体に染み渡っていく。

レイラ「じゃあ私ももう寝よっかな。本当は、道流君とセックスしたかったけどね」

道流「え?」

レイラは意地悪くウィンクをすると、部屋を出て行った。

真琴「道流さんもったいないですね、あんな美人としないなんて」

道流「レイラさんはもちろん美人で素敵な人だけど、でも、僕には亜樹がいるから。僕にとって妻は、世界で一番好きな存在だよ」

真琴「おっ!熱いですねぇ!ひゅーひゅー!!」

真琴は口を尖らせて僕を煽った。

道流「はははっ。でも、そんなことをする真琴にはこうだ!」

僕は真琴を捕まえると、マンコに指を入れて愛撫した。

道流「ほらほら、濡れてきた」

真琴「あっ……道流さん、やめっ……あん」

そのまま、もう片方の手で胸を揉んだ。

道流「あっ」

真琴「え?」

僕がテレビに目を移したとき、裸の辰己が優衣香の部屋を訪れていたのだ。

テレビには、真琴の自室を除く全ての部屋にカメラが仕掛けられている。

道流「まさかとは思うけど……」

真琴「いえ、そのまさかですね」

なんと辰己は、優衣香をベッドに押し倒したのだ。

そして、服を脱がせるとキスをして胸を揉み始めた。

道流「辰己さんてゾンビなのかな。信じられないよ」

僕は度肝を抜かれた。

真琴「でも、辰己さんのおかげで優衣香さんも見れますし、もしかしたら」

道流「美雪も……」

真琴「道流さん」

真琴は後ろにいる僕に顔を向けた。

道流「ん?」

真琴「私、この性癖大好きです。私、これからも好きな女性を、いっぱい気持ち悪い男に抱かせます!」

喜色満面な顔で、実に真琴らしい宣言だった。

道流「そっか。でも、亜樹と優衣香と美雪のときは、僕にも見せてよ」

真琴「え〜どうしよっかなぁ」

道流「……オムライス」

真琴「乗りました!交渉成立です!」

このあと、僕と真琴はお互いのオナニーを手伝いながら、画面を食い入るように見つめた。

唇、胸、脇、太もも、そしてマンコを、辰己は優衣香の体の隅々まで触り、舐めて、味わった。

そして亜樹同様に、優衣香をありとあらゆる体位で犯した。

優衣香の表情は辰己に溺れ、もっと、もっとと言って欲して、何度もイカされた。

セックスが終わり辰己が出て行こうとすると、優衣香は名残惜しそうにその背中を見つめていた。

部屋を出た辰己は、予想通りに美雪の部屋を訪れ、中に入ると同時に抱きしめて唇を奪った。

しかしその様子を見て、僕はある疑問が浮かんだ。

道流「真琴、なんで優衣香と美雪は拒まないの?」

ベッドに横になっている真琴に問いかけた。

真琴「さっき四人でいたときに、辰己さんのチンポの話しをしたり、今までのセックスをレイラさんが語ってたんです」

なるほど。そのときすでに、二人の体は疼いていたということかな……。

道流「結局皆、同じ穴の貉って奴だね」

真琴「……その使い方間違ってると思いますけど」

道流「細かいことは気にしない。僕は亜樹のところに行くから。じゃあね真琴、おやすみ」

真琴「はい、おやすみなさい」

翌朝。

あれだけ熱い夜を過ごしたというのに、辰己夫婦との別れはなんともあっけないものだった。

後に聞いた話しだと、辰己に捕まった美雪は、その絶倫のモノに喘ぎ、乱れ、そしてイキ狂った。

セックスが終わり、美雪の全身に辰己の証が付けられたとき、始まってから二時間以上が経っていたそうだ。

もちろん真琴に頼んで、見れなかった美雪と、亜樹と優衣香の映像をもらった。

そして家に帰ると、僕と亜樹はさっそくその映像を見ながら、辰己に負けないくらいの熱いセックスをした。

ただ亜樹曰く、辰己とのセックスは、凄く気持ちよかったそうだ……。

―――

―――

―――

《あとがき》

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

もしよろしければ、次回のお話しも考えていますので、続編希望の評価をよろしくお願いします。

重ねて、読んでいただきありがとうございました。

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