すべては1年前に始まった…。
と、俺は思っていた。
しかしそれは間違いだった。
俺はそれを思い知ることになる。
そう、1年前…。
残業が23時までかかった、あの日。
俺は終電、終バスがなくなる可能性を考慮し、同期の女子社員5人をクルマに乗せ、家まで送ってやることにした。
そこで社内でいちばんの美女との誉れ高い、M美と話す機会を得て。
彼女と関係を持つようになった。
彼女は美しく、聡明で。
でもどこか抜けていて。
しかし芯の通った強い人格を持つ、素晴らしい女性だ。
彼女には、ふさわしいと思える婚約者がいたが。
彼女はずっと、その結婚に疑問を感じていて。
数ヶ月前、婚約は解消された。
男性側は、親類縁者に婚約の報告も済ませ、式の段取りなども押さえていたので、M美側からの婚約解消の申し出に対し、裁判の準備も進めていたらしいが。
根本的な原因は、婚約者の男性の、M美へのレイプ未遂であり。
それを表沙汰にすることも辞さない女性側の姿勢だったので。
結果的には円満な形での婚約解消となった。
ちなみにこれはどうでもいいことであるが、M美の婚約者がドバイ研究所所長になる話は、直前で頓挫した。
なんでも、彼が過去に発表した論文の一部に、重大な瑕疵が見つかったというのがその理由で。
言ってみれば、論文のパクリ疑惑が発生したのだった。
彼は今でも日本のいち研究員に過ぎないらしい。
さて、あれから1年がたった。
1年前と同じ残業が、今年もあった。
そしてあの、3Pシスターズが…。
N子とR子が、最初から
「残業が終われば俺さんがクルマで送ってくれる」
という既成事実を作りながら残業をしていたので。
俺は全員を送らざるを得ない状況になっていた。
去年と同じく、俺のマンションのそばに自宅があるため、いちばん最後に送ることになるM美を助手席に乗せ。
後部座席にはN子、R子、T子、Y子。
あと新入社員のA美を乗せて。
ギリギリの定員で俺は車をスタートさせた。
後部座席の全員が、缶ビールやスナック菓子などで大いに盛り上がる中…。
ただ1人、M美だけが憮然とした表情であった。
それには理由があって。
今日は言ってみれば、2人が交際を始めた1周年記念日。
また、M美の婚約が解消された3ヶ月目の記念日でもあり。
俺はそろそろ、M美に対し、今後の2人の関係をどういう形で進めていくのか、
態度を明らかにしようと決めていた。
その思いを彼女に伝える日として、1年目の今日は最もふさわしい日であり。
俺は今日、何らかのアクションを起こすだろう、とそれとなくM美に伝えていたのだ。
そして彼女もそれを心待ちにしていた。
にもかかわらず…。
去年、泥酔して俺との肉体関係を暴露したN子と、
中イキをしたことがないという理由で、一度だけ、俺と関係を持ったR子を中心とした、
明らかにタダでは済みそうもないグループを乗せたクルマ移動は…。
M美を不機嫌にさせるにはじゅうぶんな危険をはらんでいた。
今年は去年以上に、最初から女性メンバーのビール消費のピッチは早かった。
最初の目的地・T子の家に着く前に、もうN子とR子は泥酔状態だった。
「ベスト3を発表します!!」N子がいきなり叫んだ。
「何の?何の?」既に焦点を結ばなくなった目でR子が聞く。
「俺さんのセックスで気持ちよかった責め、ベスト3!!」
「やめなさいN子!!」俺はかなり強めに言った。
「ああ!!それ、イイ!!すっごくそれ、イイ!!」R子が同調する。
「N子ちゃん、R子ちゃん、ほら、新人のA美ちゃんもいるのよ?俺さんが明日から仕事がやりにくくなるような話は…」M美が彼女たちに釘をさす。
「あ、自分、知ってるんで大丈夫っす」A美がビールを煽りながらさらっと言い放った。
「俺主任が、N子先輩とR子先輩と、過去にセックスしたことがあるって知ってますし。死ぬほどイカされたって聞いてますし」
「死んだの!A美ちゃん!あの夜、私は死んだの!」泥酔のままR子が言う。
「イッてる私を、せせら笑いながら、この人、ピストンをやめないの!イッてるから!やめて!って懇願しても、せせら笑いながらやめないの!だから、イキながら、次のイキが来る!!って感じ?まさに地獄のセックスだったわ!」
「でもね…A美ちゃん?女って、弱い生き物ね…。カラダが…。欲しいって言うの。あの地獄のセックスが、もっと欲しいって言うの。でもこの人ったら…」
「最近、抱かなくなったの!私たちを!」N子が不満を爆発させた。
「1年前、R子ちゃんを抱いてから、すっかり抱かなくなったのよ!私たち、セフレでいいって言ってるのに!抱かないってどう言うことなの?!」
「そうよ!うちの会社、給料安いし。何度も仕事をやめようかなって思ってるのに!退職を思いとどまっている最大の理由は、また俺さんに抱いてもらえるかもって!あの地獄のセックス、またぶちかましてもらえるかもって言う!ただそれだけの願いで…。退職を思いとどまってるのに…」
N子とR子は、互いに抱き合いながらむせび泣いている。
「かわいそう〜!!超かわいそう!!」T子とY子が加勢する。
「そ、その節は、俺も、一時の誘惑に負けちゃって…。N子ちゃんとR子ちゃんが、あんまり魅力的だったから…。誘惑に負けちゃったけど…」
「負けたらイイじゃない!」酒臭い息を吐きかけ、ツマミのチーズちくわをフェラチオするみたいに咥えながら頬張って、R子が後部座席から俺に迫る。
「私に何したか、覚えてる?忘れたとは言わさないわ!私のカラダに、女のヨロコビを刻み込んで。記憶が飛ぶほどイカせておいて!もう2度と、そのヨロコビを与えないなんて!」
R子が俺の首を絞める。M美が必死に止めに入る。
「R子ちゃん?落ち着いてね。ホラ、R子ちゃんだってカレシがいるし。もう俺さんとのことは忘れましょ?」
「M美は知らないから!」M美の手を振りほどいてR子が言う。
「俺さんのセックス、知らないからそんなことが言えるの!!」
「そうよ!!あれはもう麻薬。ドラッグみたいなものよ!もっとしたい、もっとしたいって思わせるの!」N子の泥酔ぶりは去年以上だった。
「ちょっと飲みすぎだね!!もうビール、やめておけば?」俺の言葉など誰も聞いていない。R子は新しい缶をプシュッと開けた。
チラリと助手席のM美を見る。
M美は俺を横目で見ている。
まるで…。
今すぐにでも俺を殺してやりたい、と言った殺気を孕んだ目で俺を見ている。
「そうだ、話題を変えよう!こないだ冬の海に行ったんだ、そしたら波打ち際に、ハコフグが打ち上げられててね!」
「オチンポ18センチって本当なの?」T子がR子に聞く。
「そうなの!それが諸悪の根源なのよ!オマンコの中に入って、子宮の中の、どこにでも届いちゃうのよ!俺さんのモノが!届いちゃイケナイとこにまで届いちゃうの!だからイッちゃうの!」
「しかもハコフグ、1匹や2匹じゃないんだ!10匹くらい打ち上げられてて!あれ、どう言うことかな?」
「第3位!!」N子が言った。
「んー、乳首責め!!」R子が叫ぶ。
「そうそう、私、それちょっと納得いってないの!」N子が言う。
「R子ちゃんのおっぱい、40分責めたらしいじゃん!私の時は10分か15分くらいだったのに!」
N子が俺の肩を小突く。
M美がたまらず、かなり強めの咳払いをする。目は前を向いているが、明らかに殺気立っている。
「乳首だけでイッたの!!あんなにしつこく乳首、責められたの初めてだったわ!!」
「俺さんってもしかして、おっぱいフェチ?!」N子が言う。
「きっとそうよ、私の胸をよくチラチラ見てたもの!!」
「大きいからねぇ、R子ちゃんの胸」M美は自虐的に笑いつつ、俺に恐怖の一瞥をくれた。
俺はあの夜のR子の、形のいい乳房と、ピンと上を向いた乳首を思い出した。
そして乳首を吸った時の、R子の悩ましげな甘い喘ぎ声を思い出した。
とたんに、股間に大量の血流が流れ込む。ヤバい、こんなことを思い出したら勃起してしまう。
今ここで勃起したら、後でM美に殺される。
俺は必死に話題を変えようとした。
「もうすぐT子ちゃん家に着くよ!」
「第2位!!」N子が叫ぶ。
「うーん…。どっちかなのよ!クンニか!オチンポか!」R子が言った。
「でもやっぱ…。1位はオチンポじゃない?」
「そうよね!そうよね、中イキを誘発させるのはオチンポだもん!だから2位はやっぱ、クンニね!」
横目でM美を見た。
M美は静かな怒りをたたえながら…。
正面を見据えている…。
「あ、俺主任、クンニOKなんすね?」新入社員のA美が聞く。
「そうなの!私の元カレが前戯いっさいしない人だったから!初めて俺さんに抱かれたとき、クンニで潮、吹いたの!!潮吹いてイッちゃったの!超ハズかったけど、超気持ちよかった!」N子が新入社員に説明した。
「自分も!クンニできない男とは付き合わない派っす!」A美がいった。
「だいたい、女にフェラさせといて、自分はクンニしない男って最低だと思います!」A美もちょっとエンジンがかかってきた模様だった。
「そうでしょ?そうでしょ?」N子はもう呂律が回っていない。
「…ああ…。思い出しちゃった…。俺さんのクンニ…」股間を押さえてモジモジしながらR子が言う。
「…私も…」N子もトロンとした目でR子を見ながら追随する。
「T子ちゃん!ついたよ、お疲れ様!」
俺はT子の家の前でクルマを止めた。
「ええ〜。いいとこなのに!」T子が言う。
「1位は?結局、18センチ?」T子が降りる支度を整えながらR子に問う。
R子はうなずいた。
「もちろんよ」
N子がR子と抱擁しながら後を受ける。
「届いちゃいけないトコまで届いちゃう、18センチ砲よ」
「T子ちゃん!お疲れ様!!お風呂によく入って、疲れを癒してね!」M美が声を張って、このクルマの中に渦巻く邪悪な世界と、T子とを遮断した。
「T子ちゃん、お疲れさま〜」「また明日ね〜」
俺は再び、クルマをスタートさせた。
しばらくは、後部座席が静かになっていた。
やがて…。
Y子が声をあげた。
「俺さん…。なんか…」
「えっ?」
「なんか…。始まっちゃいました…」
「え?何が?」
俺が後部座席を振り返ると…。
N子とR子が…。
強く強く、抱き合いながら…。
互いのクチを、
グッチュグッチュ、
グッチュグッチュ、
音を立てて吸い合っていた…。
「ちょっと…。エロいです…」新入社員のA美も、やや引き気味なディープキスだ。
「あ…。あれ?どうしたのかな?どうしたのかな?」
それはどう見ても、友だち同士が交わすふざけ半分なノリのキスではなく。
肉欲にかられた者同士が交わす、セックスのためのキスだった。
N子がR子の乳房を、服の上から揉んでいる。
「忘れさせたげる…。私が。俺さんのことなんて、忘れさせたげる…」R子の乳房を強く揉みながら、性欲にとろけた目でN子が言う。
「また…。こないだみたいに吸ってくれるの?こないだみたいに、イクまで吸ってくれるの?」
「R子ちゃんも…。私がイクまで、ナメてくれるんでしょ?」
「もちろんじゃない…」
N子がR子の胸のボタンを外そうとしている。
「ダメだよ!!こんなところでダメだよ!!」
「俺さんが悪いのよ!!」R子が激しい怒りを俺にぶつける。
「ずっと3PしたいってLINEしてたのに!既読スルーするから!!だから私たち、こんな関係になっちゃったじゃない!!」
「R子ちゃん、もうそんな人、どうだっていいじゃない…。私だけを見て?私だけが、あなたにクンニするの。私だけが、あなたをイカせるの…」
N子はそう言いながらR子のブラウスをはだけさせ。
ブラジャーを取ろうとしている。
「ダメダメダメダメ」
M美が助手席から半身を返して、N子の手とR子の胸の間に腕を入れ、その行為を妨害している。
「こんなとこで始めちゃダメよ、みんな乗ってるクルマの中なんだから」
「愛し合ってるならいいんじゃないっすか?」A美が言う。
「そんなレベルの話じゃなくて。いくら酔ってるからって同僚の目の前でやることじゃないってことだよ」俺がM美の妨害の意味を新人に伝える。
「ホテルに…」R子が言う。
「ホテルの前で降ろして…」
「で、でも、帰りはどうするの?」
「タクシーでもなんでも呼ぶから!!」N子が呂律の回ってない声で叫ぶ。
「今すぐホテルの前で降ろして!」
このあたりの国道は、ラブホテルが点在している。
俺はラブホの暖簾をくぐり。
激しく求めあっている2人の女性を、入り口の前で降ろした。
N子はホテルの入り口に向かいかけ…。
踵を返して、運転席の窓ガラスをコンコンと叩いた。
俺が窓を開けると…。
俺の腕を取り。
「来いよ!!お前も来いよ!!」
と運転席から俺を引きずり出そうと試みた。
俺が動かないのを見て取ると…。
「いくじなしが!!」
と捨て台詞を残し。
R子を抱き。
深いキスをしていた。
「R子先輩、明日、自分と早番ですので!よろしくっす!」
ホテルに入る前からすでに腰が砕けているR子に、A美が言った。
俺はクルマを出した。
口数の少ないY子が、ずっとクスクスと笑っていて。
先輩たちの同性愛プレイを見たばかりの新人のA美は…。
意外にしっかりしていた。
もしかしたら彼女たちの年代は、いろんな形の愛や性に対する耐性が…。
俺たちの年代よりも強いのかもしれない。
「俺主任?」そのA美が口を開いた。
「う、うん?」
「R子先輩を最後に抱いて…」
「A美ちゃん?もうそんな話題はやめましょう?」慇懃な笑顔で、しかしきっぱりした口調でM美が言う。
「えー、聞きたい聞きたい。酔っ払ってる間しか聞けないことだもん!」
こう言う部分がA美の長所であり欠点だ。
いわゆる鈍感力。M美の言葉の裏に隠された嫌悪感を、気づいていないのか、気づかないふりをしているのか。
A美はとにかく、M美の妨害を突破して、俺への質問を続けた。
「R子先輩を最後に抱いたのが1年前ですよね?」
「A美くん、M美先輩もおっしゃってるだろ、その話題はもうやめよう」
「そうよ、1年前よ」スマホで誰かとLINEをしながらY子が言った。
「去年のこの残業が終わった、2日後か3日後だったわ」
「で、それ以来、N子先輩も、R子先輩も、抱いてないんですね?」
「そうみたいよ」Y子が言う。
「その理由は…。職場の風紀を乱さないため、ですよね?」
「まあ…。そういう俺さんがいちばん乱してるんだけどね?!」Y子がクスクス笑いながら、毒を吐いた。
「じゃあ、なんで…」
A美が身を乗り出し。
運転席の俺の頬に、自分の頬をこすり付け、
M美にウインクをして…。
爆弾を投下した。
「じゃあなんで、ゆうべ、私を抱いたの?」
車内の空気が一瞬で凍りついた。
Y子でさえ、スマホをポロリと落とした。
M美を見る。
眼球が飛び出るほど目を見開き。
ゆっくりと俺を見た。
次にゆっくりと首を回し。
後部座席に身を戻しつつあるA美を見た。
A美は舌をチロっと出して。
片目をつぶっている。
M美は再び…。
ゆっくりと俺に向き直り。
「!!!!あなたと言う人はああぁぁっ!!!!」
と叫び。
渾身の平手打ちを、俺の左頬に叩き込んだ!!
「!!!もう知らない!!!もう知らない!!!」M美は完全にパニックになっている。
走行中のクルマのドアを開けて外に出ようとしている。
俺は大慌てでM美の腕を掴んだ。
急ブレーキを踏むには後続車との距離が近すぎる!!
後部座席からA美も彼女の腕を掴んで、
「じょ、冗談ですよ?!M美先輩??!!」
M美はロックに阻まれ、開かないドアとまだ戦っている。
「冗談ですよM美先輩!!私、俺主任となんか寝てませんよ!!」
「…えっ…」ドアを開けようとするM美の手が、やっと止まった。
「冗談ですって!!私、背が高い男の人って生理的にムリなんです、絶対ムリ」
「じょ…。冗談…?」
Y子の爆笑が車内に轟いた。
「今の、サイコーね!!M美?!完全に騙されちゃったよね、私たち!!」
Y子がいたずら好きのA美の髪をくしゃくしゃに撫で回し。
「チクショー!!今の、私が言ったことにしてくれないかな?」
「ウチ、ちょっと真に迫ってたっすよね?」
「うん!A美ちゃん、この中でいちばん若いし!可愛いし!俺さん好みだし!ありえるって思っちゃった!」
「M美先輩って、まるで俺主任のカノジョみたいな反応じゃなかったっすか?」
「そうなのよ、ちょっと怪しいって睨んでるのよ!!」
M美は俺を見て。
ばつが悪そうに会釈して。
その場を済ませた。
A美、Y子の順番で、それぞれ家の前まで送り届け。
俺たちは、帰路についた。
しばらく、車内は沈黙が支配したが。
やがて、M美がクスクス、クスクスと笑い出した。
俺はM美に叩かれた左頬を撫でながら、
「笑いごとじゃないよ…」
と、頬の痛みを訴えた。
「あ…。それは、ごめんなさい…」M美が急に申し訳なさそうな顔になって言った。
「私…。あんなに反射的に手が出たのって…。昔、妹をぶったとき以来です…」
M美がどんどんと俺に顔を近づけて言った。
「痛かった?…。ですよね?」
患部に彼女の手を当ててくれる。
「けっこう痛かったよ。たぶん、キミのフルパワーだったんじゃない?耳がキーンって鳴ったよ」
「ごめんなさい、許してください…」
患部に唇を当て。
優しくキスをしながらM美が許しを乞う。
「私…。あなたを信じるべきでした…。あんな…。あんな小娘に、コロッと騙されてしまった…」
「そ、そんな深刻にならなくていいよ」
「ほっぺた、熱くなってる…」
俺の右頬に彼女はずっとキスをしている。
「もう冷めてるよ、叩かれた直後は熱を持ってたけど」
「あとで…。あとで、私をぶってください…。それでおあいこです」
鼻息を荒くしながら、もう頬ではなく俺の耳たぶにキスをしている。
「く、くすぐったいってM美」
俺は左肩をあげて、彼女の攻撃から身を守った。それをかいくぐって、M美は俺との距離を詰めてきた。
「私を…。ぶつのですか?あの時の、あの人みたいに、私をぶつのですか?」
「俺がキミをぶつわけないだろ?」
時速80キロの車を運転している俺の唇を奪おうとする彼女を、俺は左手で制した。
「興奮しています…。私、性的に、興奮しています…。N子ちゃんとR子ちゃんが、あんな話するから。さっきからずっと…。下着が…」
俺は驚いた。
M美が、ここまであけすけに自分の興奮の様子を話すことなど、今までなかった。
「し、下着が?どうしたの?」
「…。」
「し、下着が?どうしたの?」
「…。」
「下着って…。パン…ティーのことだよね?キミ、ブラのことはブラって言うもんね?」
「俺さん…」
「何?何?」
「私…。きょう…。今夜は…」
「ウン??!!ウン??!!」
「今夜は…。1年目、ですよね?あの、大学へ行った夜から」
「ウン!!!ウン!!!」
「だから…」
「ウン??!!ウン??!!」
「今夜も、大学へ連れて行ってください…。1年前のように」
「…。エッ…??」
ちょっと、俺の望んでいた答えとは違っていたが。
M美の望みを、俺が拒絶するはずもなく。
コンビニでコーヒーと軽食を買うと、
そのまま高速に乗って、一路、大学を目指した。
去年と同じ場所にクルマを停め。
去年と同じ場所から校内へ入った。
M美は学内がよほど好きと見えて、
俺の手を引きながら、
妖精が空を舞うような仕草で、
真っ暗な校内を走り回り。
「ウフフ、ウフフ、ウフフ」
と彼女にしかわからない鼻歌を歌いながら、
大学の雰囲気を楽しんでいた。
ここに向かう道中、ハンドルを握りながら俺はずっと考えていた。
大学にはチャペルがある。
きょう、俺は彼女に指輪を渡すと決めていた。
指輪はジャケットの左のポケットにある。
渡す場所は、チャペルにしよう。
指輪とチャペル。なんか、ロマンチックじゃない?
彼女が大好きな校内。その中心に鎮座するチャペルの前だ。
きっと、それが指輪を渡す正解の場所だ。
きっと、それがロマンチックだ。
俺はそう決めた。
ひと通り、彼女は学内を散策し。
楽しくてたまらない、と言う笑顔を俺に向け。
俺に抱きついて、
感謝のキスをした。
「ありがとう…。ありがとう…。また、連れてきてくれて…」
「お、お安い御用だよ」
彼女はあの艶のある目で、俺をじっと見つめた。
見つめられるだけで、立ってられなくなるような、あの目で。
彼女は何かを待っている。
「ね、ねえ」
「なあに?」
「ちょ、ちょっと、チャペルに行かないか?」
「チャペル?」
「うん」
俺はジャケットのポケットに手を入れ。
指輪のケースを確認した。
「チャペル…には、行きません」
と彼女が言った。
「いや、しかし…」
俺の予定が、音を立てて崩れて行った。
「こっちに行こ?」
彼女は当惑から立ち直れていない俺の手を引いて。
ずんずんと、正門の前まで来た。
そのそばに立つ校舎。
彼女はその校舎に入り。
外に面した廊下の縁に腰をかけた。
そこは1年前、M美が腰をかけた場所。
俺が初めて彼女を抱きしめ、
初めて彼女とキスをした、あの場所だった。
「ここ…。1年前の場所だね?」
俺は言った。
M美の目は…。
キラキラと、燃えるように輝いていた。
「そうよ…」
「俺たちが…。初めてキスした場所だね?」
「そう…」
初めて抱きしめ、初めてキスをした場所。
女性は、そう言う場所を好むのか?
ここでもう1度、去年と同じことがしたいのかな?
俺はいろいろ想像を巡らせた。
彼女の目は…。
今まで、見たことがないくらい、
燃えるように輝いている。
「俺さん…?」
「な、なんだい?」
「この場所…。1年前に、初めてキスした場所…」
「そ、そうだね」
「正門前のこの場所。去年、キスして…。私、俺さんと、性的な行為をして…」
彼女がフェラチオをしてくれた場所でもある。
「う、うん」
彼女は燃える目で、俺を見つめている。
「俺さん…」
「うん?」
「学生時代、私と会ったこと、ありましたっけ?」
「うーん、それはないと思うね!忘れるわけないから。キミみたいな美人を。きっと帰国子女のハイソなグループにいたんじゃない?」
彼女の燃える目が、ますますキラキラと輝き始めた。
「20◯◯年…。4月◯日…」と彼女が言った。
「なんの日か、覚えてらっしゃいますか?」
それは6年前の日付だ。
「6年前の…。4月?」
彼女がコクリと頷く。
「俺たちが…。大学に入った年?」
彼女がコクリと頷く。
「の、4月◯日…?」
彼女がコクリと頷く。
「わからないけど…。入学式か何か?」
彼女の笑顔がパッと広がった。
「ピンポンですよ!!俺さん、正解です…。正確には、文学部の入学式です」
「そ、そうだっけ?日付までは忘れちゃった」
嬉しそうに、彼女は俺を見つめている。目の中の炎は、いっそう激しく燃え盛っている。
「その日…。私は、この場所に座って。親友のS子を待っていました。私は高校2年の時、海外から大学の付属高校に編入しました。エスカレーター式で大学に入ったので、入学式の段階で親友がいたんです」
「とてもよく晴れた日でした。私はここに座って、一緒に入学式に出るS子を待ちながら、ご本を読んでいました。俵万智さんの、源氏物語の現代語訳のご本でした。私もいつの日か、薫と大君のような恋ができるのかなって思いながら読んでいたことを覚えています」
「晴れていて。日差しが正面から差し込んでいました。私は入学祝いに妹がくれた、ゴルチェのサングラスをかけていました。ウフフ、まだ若かったから。サングラスをかけて、カッコつけてたんです」
「と、突然…。日差しが遮断されました。私と太陽との間に、何かが入って日差しを遮ったんです。私は目を上げました。そこには…」
「そこには、背の高い男性が立っていました。」
「ここに座ってる私の正面に立ち。」
「私の縁石に片足をかけ。」
「私に覆いかぶさるような姿勢で、笑顔で私をのぞき込んでいました」
「その方は、私にこう言いました、やあ、美人さんって」
「やあ、美人さん。おはよう!!って。私が驚いて、オハヨウゴザイマス、ってゴニョゴニョ言ったら、その人…。」
「さすが文学部だな、入っていきなり会うのがこんな美人とは!って独り言を言っていました」
「その人…。私のアゴを、2本の指でクイっとして。私のサングラスを外しました。信じられない!!こんな美人が世の中にいるのか?!って。私に言ったんです。ウフフ、オーバーで、失礼な人でしょ?」
「キミ、文学部の、何学科?ってその人は聞きました。私が、国文科です、って答えると、国文かぁ!!英文じゃないの?!そりゃ残念だなあ!!って。」
「入学式が終わったら、俺とデートしてくんない?ってその人は言いました。」
「私は、心臓が飛び出るほどドキドキしてしまいました!!その人ずっと、鼻先が触れ合うほどの距離で、私と話しているんです。」
「誰かにデートに誘われた経験なんか、私にはありません。初めて会った人からいきなりそんな距離で話された経験も、私にはありません。」
「私はただ…。ただ、今まで感じたことがないようなドキドキを感じながら…。ときめきをハートに感じながら…。なんて答えていいのかわかりませんでした」
「ただ、近い距離から見つめる彼の視線を避けて…。胸の前で両手をグーにして、自分を守っていたことを覚えています」
「もう一度、ねえ!!デートしてよ!!って言われて、私…。私、心臓が破裂しそうで。ただ一言、困ります、って答えてしまったんです」
「こう答えてしまったことに、私はこのあとずっと、後悔することになります」
「心の中で、もっと強引に誘って!!って願う自分がいました。そんなこと言わずにデートしようと言って!!と願っていました。でも彼は…」
「そうだよね、いきなりこんなこと言われたら困るよねって。すぐに引き下がっちゃったんです」
「その時、私の手が、横に置いてた紅茶に触れて。カップが倒れて紅茶がこぼれちゃって。ほんの少しだけ、私のスカートにかかってしまって」
「その人、ジャケットから白いハンカチを出してくれて。これで拭いてって。渡してくれました。すぐに拭いたから、紅茶の汚れはスカートから落ちました。ハンカチ、洗って返しますって言ったんだけど、いいよ、キミにあげるってだけ言って。」
「その人は、じゃあ、またね!!って言うと、風のように、歩き去って行きました」
彼女はハンドバッグを開け、白いハンカチを取り出した。何度か彼女は俺の前でそのハンカチを使っていた。
よく見るとそれは、ただの白いハンカチではなく。
白地にタータンチェックの押し模様の入った、バーバリーのハンカチだった。
俺の入学祝いに、姉がくれたものだった。
どこで失くしたのか覚えていない、かつては俺の持ち物だったハンカチだった。
「私は…。歩き去っていくその人の後ろ姿を目で追いながら…。」
「自分が、恋に落ちたことに気づいていました」
「その日以来、私は…。学内で、その人の姿を探しました。ハンカチを返すことを口実に、またお話がしたいって思って」
「その人は背が高いので、とてもよく目立ちました。校内でも学食でも、すぐにその人を見つけることができました。」
「でもその人は…。その人の周りにはいつも、たくさんのお友だちがいました。それもほとんどが女性でした。英文科は男性と女性の比率が1対9、ほとんどが女性ですもの。仕方ないですよね。」
「英文科の女性は…。みんなが、最新のファッションに身を包んで、流行の髪型をして。まるでみんながモデルみたいに、私には見えました。私みたいな、バカの一つ覚えみたいなコンサバな服を着た女性はいません。」
「そんな中に入って、あなたにハンカチをお返しする勇気は、私にはありませんでした。いつかおひとりになられたタイミングで、と思っていましたが、人気者のあなたが1人でキャンパスを歩いている場面になかなか遭遇することはありませんでした」
「いつしか、この場所に座って。正門を眺めながら。通り過ぎるあなたを見つめることが、私の日課になっていました。時間はいつも、お昼の12時から13時まで。そう決めました」
「私はお弁当を作ったり、コンビニで買った食べ物を持って来たりして。ずっと、いつも、ここに座って。あなたが通るのを、待っていました」
「お昼に1時間だけ。一週間座って、一度もあなたに会えない時もありました。逆に、ほぼ毎日、お目にかかれたときもありました。平均したら、週に、うーん、2回か3回は、あなたの姿を見ていたと思います」
「親友のS子はそんな私をバカだと言いました。どうせなら告白すればいいと。できないならS子が代理で行って来てやる、と。でも私は断りました。なぜかわかりませんが、ここに座って、ただあなたを眺めている時間が、私にとってこの上ない幸せな時間だったんです」
「S子は何人も、私に国文科の男性を紹介してくれました。何人かとは、一緒に映画に行きました。でも…。映画を見て、食事をして、そのあと…。男性はどうしても、そのあと、を求めてこられました。私にとってそれは苦痛でした。」
「もし私が、そのあと、を許せる男性がいるとしたら、それはただ1人しか考えられませんでした。でもその人は、私が恋い焦がれていることに、気づいてさえいない…。」
「雨の日も風の日も、って表現はちょっとオーバーです。さすがに私も雨の日は、ここに座ることはありませんでしたよ。でもお天気と、お昼の1時間が自由に使える限り、私はここに座って。愛するあなたの影を追っていました」
「私たちが2年生の、冬に…。私にとっては辛いことが起きました。あなたが、C子さんと…。お付き合いを、始められました」
「C子さんは英文科の四天王って呼ばれる美しい人でしたね。あなたにふさわしい、あなたの恋人でした…。私は…。あなたの恋人には、なれなかった…」
「でも私はもともと、あなたの恋人になりたいわけじゃなく、ただあなたを見つめているだけの女でした。私にとって、嬉しいことは…。あなたがずっと、C子さん一筋だったことです。C子さんと別れて別の女と付き合うなんてことはなく、卒業するまでずっと、あなたはC子さんとお付き合いを続けてた」
「就職活動を始めて間もなく、S子が情報をくれて。あなたがこの会社を第一志望にしてるって。だからすぐに私も資料を取り寄せ。試験を受け、合格しました。ただ、あなたと同じ屋根の下で、あなたと同じ空気が吸えるならそれでいいって思いで受験して、合格しました」
「父は勝手に自分の会社に私を入れる用意を整えていました。給料も父の会社のほうが断然、いいし。父は私が今の会社に入ることに大反対でした。私が初めて、父に刃向かった瞬間でした」
「父と2人のはずの食事会に行ったら、リュウ君がいて。彼を紹介されて。そんなことが3回、続いて。父は言いました。リュウ君がお前を気に入ったと。彼は将来、ドバイ所長になる。お前は彼と結婚して、所長夫人としてドバイへ渡れ、と。それが今の会社に入ることを許す条件だ、と」
「あなたと同じ会社に入れたからって、あなたと将来を歩めるわけじゃない。いつか、誰かと結婚を、現実を見なきゃいけない日が来ることはわかっていました。でも私は、今の会社に入りたかった。たとえ短い時間でもいい、あなたと一緒に仕事がしてみたかった。だから私は、父のこの条件を飲みました」
「こうして4年生の冬が過ぎ…。卒業の日が近づいてきました。私はそれでもお昼の1時間はずっとここに座って。あなたが来るのを待っていました」
「すると…。奇跡が、起きました」
「卒業まであと1ヶ月となったある日…。あなたとC子さんが、歩いてきました。とても激しい、言い争いをされていました。」
「内容は、C子さんが就職のため、故郷の北海道に帰ってしまう件でした。C子さんはこっちの会社にも合格していて。あなたはC子さんが、こっちに残ってくれると思っていたのに、彼女がそれを蹴って北海道の会社を選んだことでした」
「どうしてそこまで詳しく知っているかというと…。あなたたちお二人は、その言い争いをしながら…。ここに。私の、すぐ横に、お座りになったんです!!」
「それも、あなたが私のすぐ右横に!!C子さんは、あなたの右横に。お座りになられました」
「夢にまで見たあなたが!!私のすぐ横にいる!!私の心臓はもう、口から飛び出そうなほど激しく鼓動してました!!」
「あなたは自分の右にいるC子さんと口論しながら…。ご自分の左手を後ろに立て、つっかえ棒にして、ご自分の体重を後ろに預けていました」
「あなたの手が!!私の、すぐ右にある!!」
「私は…。私は…。そっと…。自分の右手を…。あなたの左手のそばに…。置きました…。心臓はもう、ドキドキ、ドキドキ…。」
「ちょっとずつ、ちょっとずつ、あなたに気づかれないように、私の手を、あなたの手に近づけて…」
「あなたの小指と、私の小指が…。触れました…」
「その時、私は、全身に電気が走ったような…。目の前が真っ暗になってから、ものすごい光が差したような…。頭がクラクラするような!!感覚に襲われました!!もしかしたら、あれがイッちゃうってことなのかもしれません」
「小指が触れてた時間はきっと…。10秒か、それくらいだったと思います。お二人はすぐに立ち上がり、校舎の中に歩いて行かれました。」
「でも私にとっては…。4年間、ずっと思いを焦がしたあなたに触れられた10秒間でした…。もう死んでもいい、と思った10秒間でした」
「神様が、4年間、あなただけを見つめてた私にくれたご褒美。その10秒間でした」
「そして私たちは入社して…。そのあとのことは、もちろん、俺さんもご存知ですよね?」
俺は呆然と…。
呆然と彼女の告白を聞いていた。
「だからこの場所は…。1年前に座ったこの場所は。ただやみくもに座ったわけじゃないんです。私の、ここが指定席なんです」
彼女は俺に近づき。
俺の手に、ハンカチを握らせた。
「私の宝物です…。でも、やっと。本当の持ち主に、お返しすることができます」
俺は6年ぶりに、姉がくれたハンカチを手にした。
「なんで…。なんで1年前に、その話をしなかった?」
と俺は聞いた。声が震えている。
「だって…。1年前はまさか…。あなたと、こんな風なお付き合いができるなんて…。夢にも思ってなかったもの」
彼女は俺の目を見ながら。
そっと、後ずさりを始めた。
「だからもし」と彼女は言った。俺の目を見ながら。
「だからもし、あなたが、今日…。私に、何か、おっしゃりたいことがあるのなら…。それを聞くのは、チャペルの前なんかじゃ嫌です。」
「私は、4年間、ずっと、あなたを待ち続けたこの場所で…。ここに座って。あなたのお言葉を待ちます」
彼女はそういうと。
あの縁石に腰をかけ。
両手を膝の上で握りしめ。
恥ずかしそうな、でも嬉しそうな目を伏せ。
俺の言葉を待った。
俺は…。
俺は、覚えていた。
今の今まで忘れていたが。
確かに、彼女の言う通りだった。
あの日。
6年前のあの日。
入学式のあの日。M美がサングラスをかけてカッコつけてたように、
俺も、カッコつけていた。
正門に入って、最初に目に入った美人には絶対に声をかける、と決めていた。
入ると同時に、他とはまるで輝き方が違うような美人が目に入った。
俺は引き寄せられるようにその子に近づいた。
なんて言ったか、やりとりも、なぜか、全部覚えている。
ただ一つ覚えていなかったのが…。
なぜだか、彼女の顔だったのだ。
でも、今…。
縁石に座り、目を伏せ。
俺を待っているM美の姿と…。
6年前、俺が声をかけた、あの美人の姿が…。
完全に、重なった。
俺は落涙した。
俺たちは、とっくの昔に出会っていたんだ。
6年前。入学式のその日に、
出会っていたんだ…。
これを運命と言わずして、何が運命なんだ?
でも俺は…。
愚かで、バカで、どうしようもない俺は…。
そのことに、気づいていなかった。
ずっとずっと遠回りをして、
運命の女性がすぐそばにいることに気づかずに、日々を過ごしていた。
でも彼女は…。
彼女は運命に、気づいていた。
俺が間違った運命の道を正すため、
彼女が、正しい道を選んでくれた。
本当は6年前に結ばれていた俺たちを、
愚かな俺が、違う角で曲がってしまって、
ひん曲がってしまった運命を、
彼女は、あの縁石に座って。
ずっとずっと、待っていてくれたのだ。
俺はただ、
ただ落涙しながら、6年前となんら変わりなく、そこに座っている彼女を見つめた。
俺は彼女に近づき。
左足を、縁石にかけた。
日活映画でよくあるキザなポーズだ。
「やあ美人さん、おはよう。」
俺は言った。自分があの日、なんて言ったか、なぜか完全に覚えていた。
「おはようございます」
少し目を上げ、彼女が言った。
俺は2本の指で、彼女に顎クイをして。
その瞳を、もっと見つめた。
彼女の目からも、涙が流れていた。
「信じられない…。こんな、美人が、世の中に、いるのか…」
涙の発作に襲われながら、途切れ途切れに俺は言った。
彼女も涙を流しながら、
「そうです…。6年前、あなたは、そうおっしゃいました」
「キミ、文学部の、何学科?」
「国文科です」
「国文かぁ…。英文じゃないの、そりゃ残念だなあ…。でも、もしよかったら、入学式が終わったら…」
俺はジャケットのポケットに手を突っ込んで。
「入学式が終わったら。俺と…。俺と…」
指輪を取り出した。
「俺と、結婚してくれないか」
彼女は両手で顔を覆い。
その奥で、号泣している。
しやくり上げる嗚咽の発作に何度も襲われながら。
彼女は、両手の奥で、必死に言葉を絞り出した。
「こ…。言葉が…。違いますわ…。俺と…。デートしてくんない?って…。い、言ったクセに…」
「6年も経ったんだ…。言葉だって変わるさ」
俺は両手の奥で泣き続ける彼女の髪を撫で。
「だからキミの言葉も…。変わって、いいんだよ?」
嗚咽の発作に襲われながら、彼女が頷く。
「あの日、キミは俺の誘いを断った…。でも6年経った今、同じ答えを出さなくていいんだよ?違う答えを出していいんだ」
両手で顔を覆いながら、
何度も何度も、嗚咽でしゃくりあげながら、
彼女は頷いている。
「私が…。どれだけ…。待っていたか…。この日を、この時を、待ってたか…。あなたは、お分かりになるんですか?…。」
「ごめんよ、M美…。ごめんよ」
そう言って、俺は彼女の髪を撫でた。
彼女はしばらくそうしながら、
自分自身が落ち着くのを待った。
やがて彼女は両手を開いて。
真っ赤に泣きはらした目と、
真っ赤になった鼻の頭を晒した。
俺はハンカチで、彼女の涙や、
鼻水を拭き取り。
「これはもうキミのだよ」
と言って、ハンカチを握らせた。
彼女は背筋をピンと張って。
ブラウスの襟を正し。
「もう一度…」
彼女は凛とした姿勢で俺に言った。
「もう一度、私にお尋ねになってください」
俺は指輪を彼女に差し出し、言った。
「俺と、結婚してください」
彼女は凛、としながらも、
再び、とめどない涙が溢れてきた。
嗚咽は彼女の顎を押し開け、
うわあん、うわあん、
と、少女のように彼女を泣かせている。
それでも彼女は、もう顔を隠すことなく。
俺に向かって、こう答えた。
「謹んで。お受け、いたします」
*****************
俺は彼女を自宅へは届けず。
俺のマンションの駐車場に、クルマをぶち込んだ。
時間は深夜3時を回っていた。
彼女は目を伏せながらも、何も言わず。
クルマから降りた。
俺は彼女の手を握り。
マンションのエレベーターに乗り込んだ。
左手で彼女の肩を抱き。
ちょっと腰をかがめ、
右手で、彼女の両足の膝を、裏からヒョイとすくい上げ。
いわゆる、「お姫様抱っこ」の姿勢で彼女を抱き上げた。
彼女は驚いた顔をしながら、少しも抵抗することなく。
むしろ、誇らしげな目で俺を見ながら。
されるがままに、身を委ねている。
3階で降り。
俺の部屋へ向かう。
右手に鍵はすでに握っていて。
鍵は、タッチすれば開く。
俺は彼女を抱いたまま部屋に入り。
そのまま、彼女を…。
ベッドの上に、そっと抱きおろした。
彼女は真っ赤に頬を紅潮させながら…。
俺に言った。
「嫁入り前の娘を…。ご自分の、ベッドに横たえて…」
恥ずかしそうに笑いながら彼女が問う。
「私を、どうなさるおつもりですか?」
深い考えはなかった。
性の喜びを共有できればいい、と思っていた。
俺は彼女の頬にキスをして、
「いつもみたいに…。愛し合うのはダメかい?」
と聞いた。
彼女はじっと俺を見つめ。
俺の唇に、自分の唇を重ね。
長い舌で、俺の歯をこじ開け。
舌を悩ましく、絡ませてきた。
5分ほど、互いの舌を絡ませてから…。
彼女が言った。
「ダメです…」
俺は不意を突かれた。なんだかんだで、けっこう彼女は性に貪欲だ。その彼女がダメだと言うからには…。
今日は生理なのかもしれない。
股間はすっかりそそり勃っていたが…。
ここはひとまず、頭を冷やさなければ、などと、俺が考えているうちに…。
彼女はブラウスを脱ぎ。
スカートを、脱ぎ去っている。
俺に抱きつき、またクチを吸いながら…。
「ブラ、外して…」
と言ってきた。
「だ…。ダメなんじゃないの?」
震える手でブラのホックを外しながら俺が言う。
「ダメよ、絶対ダメ…」
と言いながら、彼女は外れたブラジャーを手に取り。
片手で乳首を隠しながら、
ベッドの下に、投げ捨てた。
彼女は俺のワイシャツを脱がせ。
スーツのズボンを、足から引き抜いた。
ブリーフは陰茎がそそり勃っていて。
先端がすでに、少し濡れている。
薄いパンティー1枚の彼女は、シーツの中に潜り込んで。
あの艶っぽい目で、俺を見た。
「本当は…」
と彼女は言った。
「本当は、新婚旅行まで…。純潔は守ろうって思ってたんです…」
シーツの中で、彼女は…。
彼女は、明らかに、パンティーを脱いでいた。
シーツから出た手に、白い小さな布が握られていて。
彼女はそれを、ベッドの下に落とした。
「でも、もう、そんな時代じゃないし…。」
彼女は両手を前に出して、俺を誘っている。
「そんなイジワルをして、俺さんから嫌われたらどうしようって思うし…」
彼女は俺を抱きしめ。
俺のカラダを、シーツの中に招き入れた。
俺の手を取り、乳房へと誘い。
俺の鼠蹊部あたりに…。
自分の陰毛を擦り付け。
下半身を覆うものが、もう何もないことを、俺に示した。
「それに、何より、私が…」
乳房を揉ませていた手を、今度は自分の下半身へと誘い…。
自分の陰毛を触らせた。
「私が…。欲しいです…。俺さんを。もうガマンが…。できません…」
彼女は俺のペニスを握り。
強く上下に、シコシコとしごいた。
「下着が…。さっき、とっても…。濡れちゃっていたんです」
彼女は俺の口を吸いながら言った。
恥ずかしそうに彼女は笑い。
俺の情欲を刺激した。
「セックス…。していいってこと?」
念のため、俺は聞いた。
「ダメ…。です…」
彼女は俺に抱きつく。
陰毛を撫でていた手を…。
彼女の股の間へと差し込む。
彼女は少し、股を開き。
俺の手を、招き入れた。
膣口付近は、大量の愛液でびちょびちょに濡れている。
俺は二本の指の腹で、そのあたりを優しく愛撫した。
!!ピクン!!
彼女は敏感に反応する。
小陰唇をつまみ。
膣の口周りに指を這わせ。
会陰のあたりを撫で回し。
肛門を、優しく指で押した。
彼女は驚いた顔をして、
「そ、そこは…。」
「うん?」
「お尻の…。穴です…」
「わかってるよ?」
「そ…。そんなとこも、触るのですか…?」
「触るよ?」
「そ…。そうなんですね…」
「あとで、舐めるよ?」
「ええっ?!」
「クンニ、するとき。キミのオマン…。女性器全体を舐めて、肛門も舐めるよ?」
「そ…。そんなことって…。」
指を膣の中に、ゆっくりと沈みこませる。
「!!!…!!アアッ…!!!」
強い力で膣は俺の指を締め付け。
同時に、さらなる愛液をほとばしらせている。
「や…。やっぱり、シャワー…。浴びようかな…」
「シャワーなんかもういいよ」
俺は言い。
膣に入れていた指を抜き。
彼女のクリトリスをまさぐった。
突然、彼女のカラダに緊張が走り!!
クリを触っている俺の腕を掴み、
必死の形相で俺を見る。
「ダメ…ダメ…」
俺は彼女の愛液でビチョ濡れの指で、
彼女のクリトリスを撫で回した。
「!!!ダメ…!!!ダメ…!!…!!…!!!ダメ!ダメ!ダメダメダメダメ!!!」
彼女は激しくエビ反りに反り返り!!!
何度も何度も、背面に痙攣した!!
クリイキしている彼女を、優しく抱きしめ。
指は、クリトリスの近辺を優しく撫で。
エクスタシーの余韻を、少しでも長引かせてあげる。
紅潮し、
性感にとろけた彼女の顔は、
とてつもなく美しく、
とてつもなく卑猥だった。
「イッちゃった…。イッちゃった…」
肩で息をしながら彼女が俺にしなだれかかる。
クリトリスを触られただけでイクなんて…。
日頃から、オナニーさえほとんどしたことがないんだ…。
そう思うと俺はこのM美が、
よりいっそう、愛おしく感じた。
クリイキの絶頂の余韻に震えてる彼女の頭を撫で、
彼女にキスをして。
そこから俺は、唇を下へ移動させ。
乳房を揉み。
乳首を噛んだ。
!!ピクン!!
!!ピクン!!
イッたばかりのカラダはよほど敏感になっていると見え。
いつもと同じような乳首への刺激に対し、カラダはいつも以上に反応している。
俺は彼女のカラダに馬乗りになり。
本格的に、乳房と乳首への愛撫に取り掛かった。
薄い桃色をしたM美の乳首。
俺はそいつを咥え。甘噛みをしながら、
舌先で乳頭をレロレロと舐める。
もう片方の乳首も、根本からつまみ、
グリグリと回しながらしごいて。
根本から先端へと、しごき上げる。
「!!アンッ…!アン、アン…!!アッ…!アンッアンッアン…!!…!!」
Cカップの乳房は、大きすぎず小さすぎず、ちょうどいい大きさで。形もお椀型、美しい形の乳房だ。
舌の全体を使って、
乳房全体の柔らかい脂肪を楽しむように、
上から下へ、舐め回す。
力を入れて揉むと、壊れてしまうのではないかと不安になってしまうほど、彼女のカラダの線は細い。
手のひら全体で、その柔らかさを確かめるように、
俺の大きな手で、
乳房を揉みしだく。
最初はソフトに、
徐々に荒々しく。
まるで、乳腺の奥に、すでに乳汁を湛えているかのように。
彼女の乳房の奥から、乳汁を搾乳するかのように。
乳房を、絞るように。
俺の荒々しい手で、
その美しい乳房を揉みしだく。
彼女は目を閉じ、
甘い吐息を何度も吐きながら、
乳房を絞り、
乳首をしごく、
俺の手から与えられる乳への性感に身を委ねている。
乳首を吸引していた唇を、徐々に下方へ移動させ。
彼女の腹を、舐める。
妹のK美から聞いたところでは、
M美は就寝前に腹筋運動を30回、
10年以上、欠かしたことがないらしく。
俺に腹を舐められ、性感を感じ、
興奮し、力が入ると…。
ほんのうっすらと腹筋が浮き出る。
その細い腹を支えている腹筋が、
ピクピク、
ピクピク、
と反応するさまは、
震えるほどエロティックだ。
臍の周りを舐め。
臍の中にも、舌を入れ。
指は彼女の鼠蹊部を優しく撫で回す。
子宮の周辺を丁寧に、
押すように、
ゆっくりと撫でる。
彼女の陰毛。
陰毛の植生範囲は狭く、
彼女の陰裂を中心として、逆三角形状に植生している。
一本ずつの陰毛も細く、
うっすらと地肌が透けて見える植生状態だ。
俺はその、彼女の陰毛に、顔を埋める。
そして匂いを嗅ぐ。
彼女のカラダに、緊張が走る。
「お…。俺さん…?」
性感に震えながら、
不安の混じった声で彼女が俺を呼ぶ。
「どした?」
なるべく優しく答える。クンニについては、彼女は最初から怖がっている。どうしても欲しくないなら、強引に進めるのはかわいそうだ。
「そ…。その…。」
陰毛から発せられる香りが俺を狂わせる。
メスがオスを発情させるフェロモンが、彼女の陰毛から漂っている。
ペニスの怒張具合が激しさを増し。
今すぐ彼女が欲しい、今すぐ挿入したい、という本能が頭をもたげる。
俺は草食動物のように、唇で彼女の陰毛を食(は)み、
陰毛を愛撫し。
激しく湧き上がる欲望を押さえつける。
「ク…。クンニを…。されようと、していますか?」
両手で顔を覆いながら彼女が聞く。
すでに俺の舌先は、陰毛の奥の陰裂を舐め回している。
「もうすでにクンニだよ?」
彼女は小さく、
アアッ…。
という声を漏らす。
それが官能の喘ぎなのか、
クンニを許しつつある自分への諦めなのか、
定かではなかった。
「イヤかい?イヤなら…」
「シャ、シャワーも浴びてないから、私…」
「キミがフェラしてくれる前に、俺はシャワーなんか浴びてないよ?」
「で…。でも…。男性と、女性は違いますわ」
俺が舐め回している陰裂のさらに下で、
小陰唇はもうぱっくり開き。
尿道口、膣口を俺の目の前で開かせ。
甘くて、生臭いラヴジュースが…。
膣口からネバつきながら、溢れ出ている。
あの体液を舐めたい。
あのネバついた汁を、すすりたい。
今すぐ。
「もし、キミがどうしてもイヤなら、ここから先はやらないよ?」
俺は必死に理性を働かせて言った。
「俺さんは…。クンニを…。したいのですか?」
舌技を中断し、陰毛付近にキスをしている俺の後頭部を、彼女の手が撫でる。
「もちろん」
と俺は言った。
「M美のオマンコが欲しい。お前のオマンコを舐めたい」
オマンコ、という言葉に彼女のカラダが戦慄(わなな)く。
禁忌なワードでありながら、その意味を知る中で、
聞くだけで性感を感じてしまう、禁断の言葉と思われる。
「でも…。人さまにさらけ出すって、思ってもいませんから…」
「キミのオマンコは、とても綺麗だよ」
「…アッ…」
オマンコという言葉で、小さな喘ぎ声さえ出すようになってきた。
俺は彼女の足を、付け根のあたりから少しだけ持ち上げ。
頭を、完全に股間に潜り込ませる。
夢にまで見たM美のオマンコが、今俺の目の前にある。
襞の部分まで、ほとんど色素は沈着しておらず。
膣の内側から、目の覚めるような…。
透明にさえ見える薄いピンクの柔肉。
処女の、美しいオマンコだが、
それに似つかわしくないほどの…。
大量の白濁したラヴジュースが、膣口から漏れ出ている…。
ふぅー、っと膣口に息を吹きかけると、
「!!!アッ!!!」
彼女が腰を揺らし、
小陰唇がウネウネと、踊るように蠢(うごめ)く。
それはまるで生きたアワビが、
俺に食べられることを悟り、
甘い期待に蠢いているように見えた。
「舐めるよ…M美?」
彼女は返事をしないで…。
両手で顔を覆うことで…。
遠回しにイエスと答えた。
すぐに膣口にクチをつけ。
じゅるじゅる、
じゅるじゅる、
わざと大きな音を立て。
溢れ出ているラヴジュースを吸った。
彼女の鼠蹊部が大きく痙攣し。
感じたことのない性感に、
カラダ全体が驚愕している様子がよくわかる。
「見ないで…。俺さん、見ないで…」
舌を差し込み。
中の肉の柔らかさを確かめる。
「!!!ダメです…!!!アッアッ…!!…」
膣の周辺に舌をはわせ。
膣口や小陰唇は、
うねるアワビそっくりの動きで、
性感に悶えている。
空気が破裂する、
恥ずかしい音がした。
膣が空気を吸い込み、
膣の奥から空気を吐き出す恥ずかしい音を立て。
「ああ…イヤッ!!!…恥ずかしい…」
あまりの羞恥に、手のひらで股間を隠そうとする。
さっき、指で触れただけでクリイキした、クリトリスが。
包皮に包まれて、小さく震えている。
俺はそいつにクチをつけ。
唇で、包皮をめくり。
クリトリスを、舌で押しつぶした。
途端に!!彼女のカラダ全体に…。
!!100万ボルトの電流が流れ!!
彼女は両方の太ももで、俺の頭を挟み込み。
「ダメです!!!ダメ!!」
と大きな声で叫びながら、
太ももで頭を挟み、
両手で俺の後頭部を押さえつけ、
股間から逃げぬよう、俺の舌を固定して、
「!!!…アアッ!!!…!!!…!!!イクイク!!…イクイク!!!…イクイクイク!!!」
究極のクリイキに、
ベッドを転げ回り痙攣していた!!
クンニによるクリイキで悶絶する、白い肌の痩身の彼女は、
まさに、蠢いている白蛇のように見えた。
約5分間は、大小の痙攣が、ピクピクと不定期に訪れ。
究極のクリイキの余韻は続いた。
俺はさらに溢れ出た愛液をすすり。
膣口周辺を舌でねぶり。
会陰にまで舌を這わせた。
彼女はまだクリイキの甘美な快感に震えているが…。
左手で、必死にアナルを隠した。
「お尻の穴は…。ダメ…」
「ダメなの?」
「…。お尻は…。今度、シャワー浴びた時にしてくれませんか…?」
彼女が嫌がることをするつもりはない。
アナルへ向かいかけた俺の舌は軌道を修正し。
再び、蜜を吸うため膣口へと戻った。
こうして俺は、膣口に唇を当て、
チュウチュウ、
チュウチュウ、
音を立てながら、
湧出してくる愛液を吸い続けた。
舌は膣の中に入れたり、
膣口周辺に這わせたり、
彼女の性感を盛り上げる。
彼女は膣を吸われるどころか、
膣を他人の前で晒すこと自体、初めての経験のはず。
そんな、バージン状態の膣を、初めて男に吸われた彼女にとって、
それだけでエクスタシー級の性感が膣を襲っているはずで。
彼女は小さな痙攣を何度も何度も繰り返していた。
かなり長い時間、そうやって俺は彼女のオマンコを吸い続け。
おもむろに…。
再び、クリトリスを責め。
100万ボルトのクリイキをブチ込み!!
感電したかのようにM美は激しく痙攣した。
強烈なエクスタシーに悶々と悶え続け…。
猫のような声を発しながら、性の喜びに打ち震える彼女…。
俺はやっと、彼女の股間から顔を上げた。
もう俺のペニスからは…。
大量のカウパーが、だらしなく垂れ漏れている。
俺のペニスがこすれていたシーツ部分には、
まるで一回、射精したかの量のカウパーがシミを作っていた。
今のクンニで、軽度のイキを含めるとかなりの回数、アクメに達したと思われるM美は…。
表情筋のすべてが性感により溶解し…。
完全に、顔はセックスにとろけていた。
エクスタシーの快楽で筋肉に力が入らないM美は、
久しぶりに股間から現れた俺の上半身に…。
震えながらしなだれかかって来た。
「M美…。大丈夫?」
M美は紅潮した顔で何度も頷く。
「セックス…。して、大丈夫?」
「ダメです…。ダメです…」
彼女はそう言いながら、俺の怒張したペニスを掴み。
自分の膣口へとあてがった。
「今日、俺さんは将来を、私にくれた…プロポーズ、してくれた…」
M美がとろけた顔で言う。
「お礼に私は…。私をあげます。私を…。捧げます。身も心も、すべてを、あなたに…」
彼女は腕を広げ。
俺を誘った。
「俺さん…。セックス、してください」
「う、うん」
「やっと。心の準備が、できました」
彼女は俺の唇を吸った。
「来て…。今すぐ」
俺は怒張した亀頭で、彼女の膣口をまさぐり。
彼女の性感をより刺激した。
それだけで彼女はのけぞり。
猫のような、甘い喘ぎ声を漏らす。
ゆっくりと。
彼女の中へ。
彼女は全身に力が入り。
怖がっていることがわかる。
「痛くない?」
俺が聞く。
彼女は答えない。
「もし痛いなら…」
「やめないで…」
彼女が言う。
「怖いけど…。大丈夫」
俺は彼女にキスをして。
そのままゆっくりと、彼女をいたわりながら。
しかし、ペニスは…。
力感を漲(みなぎ)らせながら。
俺は性欲に反り返ったペニスを、
奥へ。
奥へと送り込み。
彼女を、
破瓜した。
M美は…。
戦慄(わなな)いた。
奥の奥までペニスを届け。
亀頭は子宮口に達し。
子宮を柔らかく押した。
彼女は4本の指を、自分の口に突き刺し。
痛みと性感に耐えている。
「愛してるよM美、愛してる」
俺は何度も彼女の耳元で囁き。
ゆっくりと、抽送を開始した。
白く美しい彼女の裸が、
俺のペニスが動くたびに、
ウネウネと、
ウネウネと、
白い蛇のように暗闇に舞い。
「!!!!!…!!アアッ…!!!アアッ…!!…!!!アアッ…!!!」
喉の奥まで突き刺した指で、必死に喘ぎ声を抑えながら…。
性感に悶えている。
「声、出していいんだよ?はしたないとか思わずに、声をお出し」
彼女は俺の目を見て。
まるで、恐怖に怯えるような顔で、
「!!!アアア…ん!!!アアア!!!…ん…」
ひときわ、大きな声で喘いだ、その直後に…。
!!!ビクンビクン!!!
!!!ビクンビクン!!!
膣が蠕動し、
下半身、そして
カラダ全体が大きく痙攣し!!
!!!ビクン!!!ビクン!!!
!!!ビクン!!!ビクン!!!
彼女の腹筋が、くっきりと浮き出て!!!
「!!!ああああ!!!ああああ!!!」
痙攣しながら、まるで断末魔の叫びのような声をあげ…。
俺にしがみつき。
俺の背中に爪を立て。
俺の首筋を、力一杯に吸引し。
まるで、出産しているかのように力を入れ…。
膣で、彼女はイッていた…。
俺は動きを止め。
彼女のエクスタシーが収まるのを待った。
膣はまるで別の生き物のように俺のペニスを締め上げ、
さらなる性感を、膣そのものが要求しているようだった。
しかし、俺は動かず、M美の回復を待った。
やがて、徐々に、俺にしがみついた彼女のカラダから、力感が消えていき…。
それでも、ときおりピクン!ピクン!とカラダの一部を痙攣させながら…。
彼女は、恐怖に怯えた目で、俺をみた。
「俺さん、ごめんなさい…。ちょっと、抜いてください」
俺は彼女のオマンコからペニスを引き抜いた。
処女の証の赤い血液が、うっすらと陰茎に付着している。
彼女は半身を起こし、
自分の股間を押さえながら言った。
「私…。私…」
彼女はうまく言葉にできない。
「びょ…。病気…。なのかな…」
「病気?」
この場にまったくふさわしくない言葉で、俺は驚いた。
「だ…。だって今…。俺さんのものが入って来て…」
「う、うん」
「その…。女性器が、突然…。突然、痙攣して…」
「うん」
「なんか…。痛いような感覚が。痛いような、痺れるような、それでいて…」
「それでいて?」
「それでいて…。キュンキュンするよな痙攣が…」
「気持ちイイ、って感覚じゃない?」
「気持ちイイっていうより…。キュンキュン…。痺れるっていうか…」
「痺れるように、気持ちよくなかった?」
「気持ちイイっていうより…」
彼女はなかなか、気持ちイイという感覚を認めようとしなかった。
「今キミは…。中でイッたんだよ?」
彼女はずっと俺を見つめた。
「こ、これが…。中でイッたってこと?」
「そうだよ、膣イキってやつだよ」
「でも…。でもそれは…おかしいわ」
「おかしい?なんで?」
「だって…。R子ちゃん…。R子ちゃんが初めて膣イキしたとき…。俺さんは、せせら笑いながらピストンを続けたって…」
「せせら笑ってなんかいないよ」
「R子ちゃんが膣イキしてるのに、俺さんはやめなかったって」
「う、うん」
「なのにさっき、私が痙攣してるとき…。俺さん、動いてなかったわ」
「そ、そうだね」
「だからおかしい。やっぱり私、変な病気なのかも…」
「R子がイッてるとき、俺がやめずに、キミがイッてるとき、俺が止まったことが解せないなら」
俺は彼女の手を取り、言った。
「R子とのセックスは、互いの性欲を満たすためだけの行為だよ。キミとのセックスは…」
彼女の手の甲にキスをして、言った。
「照れずに言えば…これは、愛の行為だ。キミを愛してる。キミがイッてるときは、俺は待つよ」
彼女は俺の言葉を聞いて、ゆっくりと笑顔になり、
俺は彼女を抱きしめた。
「もっと…。ギュッとして…」
俺はさらに力を込めて彼女を抱いた。
「もっと…。潰れるくらいに…」
俺はそうした。彼女が呼吸できないくらいに。
そのまま、俺は挿入し、
ピストンを再開した。
やがて、彼女がイキ果て。
俺はその震えるカラダを抱いて、
彼女の回復を待った。
肩で息をしながら、彼女が言った。
「俺さん…。俺さん…」
「なんだい?」
「気持ちイイです…。気持ちイイです…」
「そう…。よかった…。けっこうプレッシャーだったよ」
「本当はさっきも…。すっごく気持ちよかったんです…」
「そうなんだ」
「でも俺さん…。まだ出してらっしゃらない…」
「うん、俺もおいおいね」
「俺さん、あの…。」
「うん?」
「次に、私がイッても…」
「うん」
「どうか、やめないで。そのまま、続けてください…」
「えっ?」
「優しいのも…。嬉しいけど、強引な俺さんも…。欲しいです…」
恥ずかしそうに、
それでいて、物欲しそうに…。
モジモジしながら彼女が言った。
「ムチャクチャに…。されてみたいです…」
「そ…。そうなの?」
「射精…。されるまで…。私を、犯して…」
潤んだ目で彼女が言った。
俺はこの言葉を聞いて、
射精しそうになった!!
射精しそうなほど興奮した!!
こうして俺は、
もちろん、彼女を痛がらせたり、怖がらせたりする範囲は超えずに、
やや荒々しい態度で、
彼女に抽送を繰り返した。
彼女は3度、激しくイキ果て。
その間にも小さな痙攣は何度も何度もカラダに刻み込んでいた。
何度も美しくイキ果てる彼女をみながら、
俺の射精欲も限界に達し始めた。
俺は正常位で、彼女と上半身を抱き合いながら腰を動かしている。
「M美…。もうすぐ出そうだから…ゴム、つけるね…」
いったん、ベッドで仰向けの彼女から上半身を上げ、
結合しているペニスを抜こうとした時…。
彼女は鍛えている腹筋であっという間に上半身を起こし。
俺に抱きつき。
そのまま俺のカラダをベッドの上に引き戻した。
そして…。
驚くべき言葉を口にした。
「ダメ…。ゴムは、ダメです…」
「えっ?!」
さすがにこれは俺も驚いた。
「だってゴムつけないと…。赤ちゃんできちゃうよ?」
彼女は腰を妖しく動かし続け、
俺のペニスをぐんぐん刺激する。
そのあまりの気持ち良さに、俺は射精の危険が迫りつつも…。
勝手に腰が動いてしまう。
「だって…。結婚の約束…したじゃない…」
彼女は下からものすごい力で俺を抱きしめ。
さらに彼女の長い両足は…。
いつのまにか俺の腰に、複雑に巻き付いて…。
俺の尻の上で、彼女の両方の足首が複雑にからまり合い…。
2度と解けない固結びのような状態で固まっていた。
まるで、複雑な格闘技の寝技をかけられたかのように、
俺は彼女から離れることができない。
「きょ、今日は大丈夫な日なの?」
俺は聞いた。
彼女は性感で喉を反らせ、答えない。
1時間、彼女の膣の中で抽送を繰り返してきたペニス…。
射精したい、
射精したい、
ただそれだけしか考えられなくなる。
俺は必死に、もう一度彼女に聞いた。
「今日は大丈夫な日なの?」
「大丈夫デス…。大丈夫…」
ピストンの角度を上に向け、
膣に新たな刺激を与える。
射精したい、
射精したい、
射精したい、
その思いが頭から離れない。
彼女は胸を俺に密着させたまま離さない。
俺の腰に巻き付いた長い足はグイグイ締め付け。
外でも出せない、
ゴムも装着できない、
ただ、それでも…。
射精したい、
射精したい…。
もはや俺は、射精するまで彼女から離れられない。
これは罠だ。
罠にはまり込んだことを知った。
なんて甘美な、罠なんだ…。
処女の彼女は、最初から俺の精液を子宮に流し込む為に性交していたんだ…。
俺のすべてが、欲しかったんだ…。
そう思うと、必死に力を込めて俺に抱きつき、
離そうとしない体位で、
膣を突き刺す俺のペニスが与える快感に震えながら、
俺の射精を待っている彼女が…。
彼女への愛しさが募り。
今日が安全日だという彼女の言葉が
真実であれ、
ウソであれ、
どうでもいいと思った。
射精に向けたラストスパート、
俺は一直線に、力強いピストンを、
愛しいM美のオマンコに突き刺した!!
射精したい、
射精したい、
M美は俺の首に両腕を回し、
両足は複雑に俺の腰と足に絡めつけ、
必死に、
イッてはいけない、
イッてはいけない、
とこらえている。
イッてしまうと痙攣で力を失い、
俺を押さえつけることができないからだ。
しかし俺はもう腹を決めていた。
彼女の膣内に射精する、と。
中に出す、と。
「イッていいよM美…。中に、出してあげる…。キミの中に、出してあげるから…」
「!!…!!!…!!!アアッ、アアッ!!!…ください、俺さんの…すべてが!!…ほしい、です!!!」
次の瞬間、
彼女のカラダがバウンドするように痙攣し、
一瞬、彼女は白目を剥き、
ガクガク、
ガクガク、
セックスの女体はアクメで制御不能に陥った!!
そして次の瞬間、
その痙攣は膣に結合した俺のペニスにも伝染し、
陰茎に制御不能の痙攣が走り、
甘い激痛を尿道に走らせ、
大量の精液がほとばしった!!!
!!!ドッピュ!!!ドッピュ!!!
!!!ドッピュ!!!ドッピュ!!!
もはやそれは快感というより、
激痛に近い。
「ウン!!ウン!!ウン!!」
射精の脈動に合わせ、
喉から勝手に、苦悶の呻きが漏れた!!
子宮に射精を受けた膣は、
これまでにないほど強く俺を締め付け。
妖しい蠕動運動で陰茎を締め上げ、
もっと精子を送れ、
もっと精液を流し込め、
と言いたげに、
ウネウネ、
ウネウネと、
俺のペニスを搾り上げる。
気持ちイイ、
!!死ぬほど気持ちイイ!!
!!!ドッピュ!!!ドッピュ!!!
!!!ドッピュ!!!ドッピュ!!!
射精の脈動がなかなか止まらない!!
精液が噴射されるたびに、
彼女のカラダはわななき、
受精の喜びに打ち震えている。
彼女が俺の耳元で、小さく囁く。
「気持ちイイ…」
その囁きは、100万本のAVよりもエロく、
俺の耳朶を震わせ、
また射精が脈動した。
永遠とも思える時間、俺たちは抱き合い、
ペニスを膣に突き刺したまま、
鼻腔で呼吸をしながら、
重なり合ったエクスタシーの余韻にふけっていた。
俺は彼女の髪を撫で、
背を撫で、
尻を撫でた。
彼女がくすぐったそうに身をよじり、
「お尻はダメ」
笑いながらそう言った。
嬉しそうに俺を見つめ。
「気持ち、良かったですか?私の、カラダ…?」
「も、もちろんだよ」
「嬉しい…」
「M美は…。どうだった?」
「…。妹も、お友だちも言ってた。初めての時は、痛いだけだって。それなのに、私…」
彼女は俺の首筋を見つめ、
「まあ、たいへん…。キスマークだわ…。私が、つけちゃったのかしら…」
「キ…。キミじゃなかったら、それこそ大変だね?」
「…。あんなに、私を、上手に…。導いてくださるって…」
彼女はそのキスマークをクリクリと指で回しながら言った。
「きっと…。初めての女の子と…。経験が、おありなんですね?」
うっ…。そうきたか…。
「う…。うん」
「…何人?」
俺の乳首に目を落とし、そこを指でクリクリしつつ、彼女が聞く。
「ふ…。2人かな…」
「ふーん…」
乳首を強く、グイッとつねる。
「い、痛…」
「私…。きっと、とても、嫉妬深いから…」
「そ、そうなの?」
白々しくいま知ったふりをする。
「俺さんの、今までのことは、すべて許します。だから…」
真剣な表情で俺を見つめ、
「今日から、浮気は、絶対にダメです」
「…。」
「その代わり、私が…。私が、どんなことでもして差し上げます」
「ど、どんなことでも?」
「はい。お尻に入れるセックスもあるって聞きました。俺さんが望むなら、私、それだって…。お付き合いします。だから…」
俺たちは、まだ性器どうしが繋がったままだ。
彼女は膣をキュッと締め、
「だから浮気は、しないでくださいね?」
「わ…。ワカリマシタ…」
「もう少し、聞き取りやすい声で言ってください…」
「わかりました」
彼女はにっこりと笑って。
「よくできました」
俺の頭を撫でた。
「ね、ねえM美?」
「なんですか?」
「さっき、俺がゴムつけようとして…。ゴムはダメ、って言ったよね?」
「…(笑)」
「それからずっと、俺にしがみついて…」
「…(笑)」
「中で出すまで、離さないって感じだったんだけど…」
「そうでした?(笑)」
「あ、あれって…。ワザと、そうしたの?」
「ワザと?どういう意味?」
「だからその…。妊娠しちゃえばこっちのもの、的な、女性の、その…。罠というか、トラップというか…」
「トラップだなんて。失礼しちゃう!」
彼女は頬を膨らませた。
「あれは私の…。言わば、覚悟です」
「覚悟?」
「そうです。俺さんに私のすべてを捧げる覚悟で、私、今日この部屋に入りました。ただセックスしたいだけの女じゃありません」
まだ頬を膨らまして、
「俺さんは、その覚悟はなかったのですか?私のすべてを受け取っていただく覚悟はなかったのですか?」
やっぱり、これは罠だったんだ…(笑)
こんな質問に、ノーと答えられるわけがない。
「もちろん、その覚悟でキミを抱いたよ」
「…。本当?」
「ほ、本当だって」
「じゃあなんで、ゴムつけるなんておっしゃったの?」
うーん…。中出しさせた女は強い…。(笑)
彼女の方が、優越的立場にいるかのごとく…。
質問の圧が強い(笑)
俺にできることはただ一つ、
まだ繋がったままのペニスで、抽送を開始し、
今度は俺が彼女に抱きつき、
彼女の肩に、顔を埋め。
質問から逃げた。
「あっ…。ズルい!!まだダメ!!質問に…。答えて…クダサイ…」
彼女はすぐに性感にとろけ、
両足がすぐに、複雑に俺の腰に巻きつき。
中出しトラップの態勢になる。
こうして俺たちは何度も何度も、
互いを求め合い、
互いが欲する限り、
互いが与え続けた。
こうして俺は…。
彼女から処女を捧げられたばかりか…。
甘美で、淫靡な
中出しトラップに引っかかり。
男として、彼女に全責任を負うべき立場に追いやられた。
もちろん妊娠したかしないかはまだわからない。
また、何も責任も感じず、セックスで中出しする男性も多いと聞く。
そんな男性は、どうぞそんな浅薄な人生を送ってくれ。
俺は彼女の覚悟を知った以上、
彼女の人生に責任を負うと決めた。
しかし、それがどうした?
俺は最初から、そのつもりだ。
妹のK美には認めなかったが、
M美が婚約を破棄に追いやったのは、明らかに俺のせいだ。
彼女は、俺と人生を歩みたいと言った。
俺も同じ気持ちだと言った。
その彼女が、今…。
俺の横で、
まだ俺にしがみつき、
ピクン、ピクン、
小さく痙攣しながら…。
満足そうに瞼を閉じ、
セックスの後の懶惰感に浸っている。
俺は以前、彼女にこう言った。
『君がずっと横にいる人生は、どれだけ豊潤な人生だろう』
『豊潤?』
『そう…。まるで、黄金色の稲穂が一面に実って…。豊かで、喜びにあふれた、そんな人生。キミが横にいる人生は、きっとそんな人生だ』
今、俺の横で目を閉じているのは…。
まさに、「黄金色の稲穂」だ。
心が満たされた象徴だ。
俺が知らない間でさえ、
ずっと俺を愛し続けてくれた、
まさに俺の、運命の人だ。
そう思うと俺は…。
また、彼女を抱きしめずにはいられなかった。
「愛してるよM美」
心から正直な言葉を彼女に投げかける。
彼女は目を開け、
「私もです」
と答えてくれる。
「ずっとずっと。ずうーっと前から。あなたをお慕いしておりました」