京子は着替えもそそくさにタクシーに飛び乗って会社に向かった。
幸い、まだ6:40分、この時間に出社してる社員は数名しかいないはず。
「早く、食堂に行かなくちゃ。」
食堂の入り口を入ったところに、社員なら誰でも使える掲示板があった。そこには、昨日、勘太郎が印刷していたA4サイズに拡大された、京子のM字開脚の霰もない姿の写真が貼ってあった。
「そんなー!本当にこれが貼られてるなんて。誰かもう食堂に来ているのかしら。」
周りを見渡すと、同じ総務の年配の女性パート2人が、朝食に買ってきたパンと珈琲を飲んでいた。
「あのー?佐藤さんと田中さん、何時からここに来ていますか?」
「あら、京子さん、早いじゃないの。いつもはのんびり出社して、私たちなんかにあいさつもないのに珍しいわね笑私たちは15分くらい前に来て、誰もまだ会社に来ていないから持ってる会社の鍵で開錠したのよ。」
「あ、おはようございます。そうなんですね。他に誰か一緒に出社人とかいましたか?それに、すぐに食堂へ?」
「誰もいなかったと思うよ。誰か来ていたら、裏のドアを開けていてくれてると思うからね。」
当然、勘太郎は、それよりも前に来て開錠し、掲示板に写真を貼り付けて、また、中から施錠していた。
「そうですか。ありがとうございます。よかった!」
「よかっただって笑。京子さん、意外と変態なのね。あんな姿を写真に撮られて掲示板に晒されて喜んでるのね笑いつも愛想のない暗い姿からは、想像できなかったですわ。」
「え!佐藤さん、田中さん、写真見られたんですか?あれは無理矢理撮られて、その〜」
「京子さん、まだ新人さんだし、新婚さんだものね笑でも、ああいう趣味は隠した方がいいんじゃない。ご主人さんにもそう言った方がいいわよ。私たちなら大丈夫、気にしないで、でも、ああいうのは噂が広まるのが早いからね。ふふふ」
京子は、佐藤と田中に、このことを秘密にしてもらうため、10万円ずつを払う約束をするしかなかった。
「勘太郎さん、ちょっと来てもらっていいですか?今から役員室に一緒に行きましょう。その前に、昨日の写真を消したか、スマホを見せてください。」
「なんのことかな?そんなに顔を赤らめて。昨日は最高のセックスだったな。京子もそうだっただろ?」
勘太郎は、京子に呼ばれて行った給湯室で、堂々とそんなことばを吐いた。
「そんな大声で言わないでください。それと食堂の写真、あれは勘太郎さんがやったんですよね。もうそれだけで、会社に報告しますから。それと、別の写真も消えてるか早く見せてください。」
勘太郎は、ポケットからスマホを取り出すのと同時に、紙の束を一緒に京子に見せた。
「ほら、スマホのデータは、消すからすべを写真に印刷してあげたよ!見てみろよー。精子がおまんかから溢れ出てるのもよく撮れてるぞ!これは、京子が逝った時の顔だな!こっちは、貧乳のおっぱいと乳首をつねられてるところだ笑。」
京子は、その光景に唖然とした。スマホのデータを消せば大丈夫だと思っていた自分が、何も考えたいなバカな女だと改めて痛感した。
「まさか、印刷してくるなんて!やめてっ!それで、スマホはどうしたの?消してくれたの?」
慌てて、スマホを取り上げて確認すると、昨日の写真や動画がそのまま残されているだけだった。
「どうするの?もう夜会室に行きましょう!これだけ証拠がありますから!」
「京子、本当にこれを持って、役員のところに行っていいんだね?スマホは、俺の顔も映った写真や動画も多いが、この印刷した写真をよく見てごらんよ。京子単独か、誰かのちんちんでよがり狂ってる京子の顔しか見えてない写真しかないよ。証拠はデータより、実物の方がインパクトあるだろ?これで、俺に何か無理やりに撮影されたといえるのかな?」
「そっそれは!勘太郎さんのスマホの方を見せれば、あなたの顔を写ってるじゃないですか。印刷した方は見せなくても。」
京子は、怒りのトーンがあきらかに下がっている自分が分かった。印刷された写真は、それは強烈な印象をもったものだった。
「そうそう。朝のM字開脚の写真だけどね。あれね、佐藤さんと田中さんが興味を持って見ていたから、同じ時に印刷したのを、ここにも貼られてましたって言って、一枚ずつ渡したんだけどね。それも回収したの?」
「えっ!どういう事?あの貼ってあったのは私が回収したから、もう存在しないんじゃ?それに‥」
「バカだなぁ。1枚だけ印刷して持ってくるはずないじゃん。本当は他のところに掲示板にも貼ろうとしたんだけどね。ちょうど佐藤さんと田中さんが来てね。うわっ!これ京子さんね。不細工なのに変態なのねって。新婚さんだから、変態プレーをしてるんだろうって、だから、別の場所にも貼ってあったので、入りますか?って言ったらもらうって言って持って行ったんだよ。」
「そんな事、あの2人は、何も言ってなかったです。それに写真を見たことは、10万円で‥‥」
「あ、そうそう、君が朝、私のところに来る前に、佐藤さんと田中さんが来てね。私に言うんだ。勘太郎さんも見たって言えば、京子さんから10万円もらえるわよって!笑君はとんでもないことをしてくれたみたいだね!」
「佐藤さん、田中さんは、恐喝罪の罪になるから、私からちゃんと注意しておいたからね。もう払わなくてもいいよ。よかったね。でも口外されちゃうかもな笑」
京子は、へたり込んでしまった。あの写真のことを噂されるだけで、ここにいられなくなる。きっと夫にもバレちゃう気がする。どうしよう。それに、佐藤さんと田中さんは、その写真を別に持ってると言うし。先にそれを解決しなくちゃ。
「京子さん、どうしますか?この写真を持って役員室に行きますか?それと、当然、佐藤さんと田中さんに恐喝されたことも言わないとダメですからね。あの2人はクビだろうなー!」
「そ、それは!もう少し考えさせてください。今日、すぐには考えられないので、あと2日待ってもらえますか。ただ、勘太郎さんのスマホのデータは、消してください。」
京子は、佐藤と田中に写真を返して欲しいことを内緒で伝え、50万円をそれぞれに払って写真を取り戻した。
「これで安心だわ。あとは勘太郎さんのデータと写真を捨ててもらえれば、全ては解決する。」
「さあ、仕事は終わり!今日はノー残業デーだ!みんな帰ってねー!」
「あ、京子さん、ちょっと。今日は、色々朝から大変だったね。全然仕事片付いてないじゃないか。一緒に手伝ってあげるから、少し残業して、夕ご飯でも行こう。昨日、約束したからね。」
「わかりました。」
もう京子は、何も逆らえないような感じがした。
これから、反撃はできるのだろうか。そう思いながら、昨日と同じホテルに勘太郎と向かっていた。