僕が20代前半の頃、フリータだった僕は小3の桜子ちゃんと瑠奈ちゃんの2人と仲良くなりました。
夏休み中は大変でした。
瑠奈ちゃんは日ごろから真面目に宿題をしていたのですが、桜子ちゃんがまったくやっていなかったのです。
集中力の続かない桜子ちゃんをケーキやアイスを餌にしてテーブルに括り付け、それでなんとか宿題を終わらせました。
瑠奈ちゃんが僕がバイトの間とかも教えてくれていたようで本当に助かりました。
そして秋、だんだん涼しくなってきた頃。
桜子ちゃんと瑠奈ちゃんは小学校、僕は周りより遅れた就職活動をしていました。
なので2人とは休日にたまに会うくらい。
ある日、久しぶりに桜子ちゃんたちと遊ぶ約束をしました。
僕は準備をして、桜子ちゃんの家に向かいました。
「よっ、たかお」
「あ!瑠奈ちゃん!」
途中で瑠奈ちゃんと会いました。
「待ってたの?」
「ううん。私も今から桜の家に向かうとこだった」
「そっか。学校はどう?」
「まあまあかな」
何気ない会話をしながら歩く僕と瑠奈ちゃん。
「たかお、まだ時間あるからこっちから行こ」
僕と瑠奈ちゃんは近くの公園に寄り道しました。
真ん中にけっこう広い運動場があり、その周りを囲む並木道。
その道を2人で散歩しました。
「たかおは仕事は見つかった?」
「いや、全然。ハロワとかにも行ったりしたけど正社員で雇ってくれるところはなかなか見つからない」
「そうなんだ」
「うん。面接してくれるところもあったけど、経歴を聞かれて『大学を出てからずっとフリーターです』って言うとすぐに相手は表情を曇らせるし。それに俺、資格とかも1つも持ってないし」
「大変だね」
「うん。自業自得だけどね(笑)でも社会全体がとは言わないけど、いったんレールから外れた人間に厳しすぎるよ」
「そうかもしれないね」
「って、ごめんね(笑)自分のことばかり話して」
「ううん、いいよ。話して?」
ニコッとする瑠奈ちゃん。
いつしか彼女は僕のいい相談相手になっていました。
多くは言わないけど、一緒にいると安心する。
「たかお、ここ入ろ」
「瑠奈ちゃん、ここ好きだよね(笑)」
「うん」
並木道を半分歩いた先にある、別の小さな公園。
そこに変わった形の、中が空洞になっている大きめのオブジェがありました。
2人でそこに入り腰を下ろす。
「私もたかおの気持ちわかるよ」
「小学校のこと?」
「うん。まあまあって言ったけど、本当はクラスになじんでなくてさ。みんなはどんどん仲良しのグループを作っていって。最初にあぶれた私みたいな子には居場所がなくてさ」
「そっか」
「だからここ好き。外の世界から遮断されていて、守られてる気がするから」
「寂しいの?」
「ううん!桜がいるから。隣のクラスだけど休み時間にいつも来てくれる」
「桜子ちゃんはいい子だよね」
「うん。私の友達、ううんずっと大事な親友」
「そっか!」
僕と瑠奈ちゃんはオブジェから出て、桜子ちゃんの家に向かいました。
「あ、たかおもだからね。友達」
途中で瑠奈ちゃんが言いました。
「うん(笑)でも今思い出して付け加えたでしょ(笑)」
「あ、バレた?(笑)」
「おい(笑)否定せんかい(笑)」
いつものノリで話す僕と瑠奈ちゃん。
しばらく歩いて桜子ちゃんの家につきました。
ピンポーン!
「はーい!」
玄関のドアを桜子ちゃんが開けました。
「たーくん、久しぶり!、、、あっ」
桜子ちゃんは僕に抱き着こうとしましたが、隣にいる瑠奈ちゃんに気付いてためらいました。
「桜子ちゃん、元気だったか~?♡」
「うん!元気だったよ!たーくんは?」
僕が頭をなでると、桜子ちゃんは僕を見上げてにっこりとしました。
「元気だったよ♡」
そう言いながら隣の瑠奈ちゃんを見ると、彼女はにこっと笑いました。
それからリビングに入り、テーブルに座りました。
「たーくん、どうぞ!」
桜子ちゃんがクッキーを出してくれました。
「お♡これ、前来た時にもくれたよね。桜子ちゃんの手作りって言ってたっけ」
僕が聞くと桜子ちゃんは何も答えずにっこりしました。
「瑠奈ちゃんは食べないの?」
僕と桜子ちゃんがクッキーを食べているときに、1人だけ手を付けない瑠奈ちゃんに聞きました。
「ダイエット中だから。2人だけで食べて。」
「ふ~ん。瑠奈ちゃん、スタイルいいのに」
クッキーをぼりぼり食べながら言う僕。
「あ、たーくん。そういえばこれも」
桜子ちゃんが席を立ち、向こうから何かを持ってきました。
「はい、マフラー。どうぞ!」
「おー、これ手編みじゃん!」
「これから寒くなるから。たーくんに!」
ちょっと不格好だけど、頑張って作ったんだなと感心しました。
「ありがとうね、桜子ちゃん♡」
「ふふ♡」
僕が頭をなでようとすると、桜子ちゃんはそれをサッとかわして席に戻りました。
「あれ?(笑)」
「ぷっ(笑)」
見ると瑠奈ちゃんが笑っていました。
「そう言えば。ん。」
僕は瑠奈ちゃんに手を差し出しました。
「なによ、その手」
「瑠奈ちゃんからは何ももらってない」
「はあ?(笑)」
「桜子ちゃんからはクッキーとマフラー。瑠奈ちゃんにも貰いたい」
「欲張りな人だなあ」
瑠奈ちゃんは呆れたように言いました。
「あ、そうだ。たかお」
「ん?(笑)」
瑠奈ちゃんが話を切り、僕に背を向けなにかごそごそしました。
「じゃーん!」
「お♡」
瑠奈ちゃんの唇がきれいな赤に染まっていました。
「お母さんの口紅借りてきちゃった♡どう?」
「めっちゃ可愛いよ♡セクシー♡」
「ほんとに?」
「うん♡」
「ありがと♡」
お互いの目を見つめ合いながら笑い合う僕と瑠奈ちゃん。
その様子をじとーと見ている桜子ちゃん。
「あ、桜。桜にもやってあげる!」
それに気づいた瑠奈ちゃんが言いました。
「私はいい」
「絶対可愛いから!桜もやってたかおに褒めてもらいな」
「うんー」
「じっとしててね」
そう言って桜子ちゃんの唇に瑠奈ちゃんが口紅を押し当てました。
「んふっ、、ふふふふふふ(笑)」
するとじっとしていることに耐えられないのか、桜子ちゃんは体を震わせて笑い始めました。
「こら、じっとしてって言ってるでしょ。って、あ(笑)」
口紅がズレて桜子ちゃんの口の上に赤い線がビーと入りました。
「ぷっ(笑)くくくく(笑)」
「桜子ちゃん(笑)」
僕と瑠奈ちゃんはそれを見て笑いました。
「もう!たーくんに笑われたじゃん!」
「ごめんごめん(笑)桜が動くからさ」
ワンピースの袖で拭こうとする桜子ちゃんの手を押さえて、瑠奈ちゃんが持っていたハンカチで拭きました。
「ほんとごめんね、桜」
「全然いいよー。じゃあ私クッキー食べたからマンガでも読むね」
そう言って桜子ちゃんは席を立って向こうへ行きました。
「桜子ちゃん最近あまり俺になつかない気がする(笑)」
「桜、ああ見えてけっこう察しがいいからね」
「どういうこと?」
「ほら、たかおと私のこと♡」
「え(笑)」
「桜ー!ちょっとまた桜の部屋借りるよー?」
瑠奈ちゃんが桜子ちゃんの方を振り向いて言いました。
「うんー。ご自由にどうぞー」
「ほらね♡」
「まじか(笑)」
ニヤッとする瑠奈ちゃんに、苦笑いする僕。
それから2人でリビングを出て、階段を上がって桜子ちゃんの部屋に行きました。
中に入ると、上品で落ち着いた雰囲気のある空間が広がっていました。
桜子ちゃんがほとんどリビングで過ごしているからかあまり散らかっておらず、大きいものといえばベッドとマンガの棚くらい。
宿題も(してるか分からないけど(笑))リビングのテーブルでするからか桜子ちゃんの勉強机らしきものはありませんでした。
「さてと」
部屋のドアを瑠奈ちゃんがぱたんと閉めました。
「たかお、そこに座って」
彼女が指差す先にはベッド。
「え~(笑)」
「いいから。す・わ・り・な・さ・い。」
僕よりだいぶ体の小さな瑠奈ちゃんが大きな態度で言いました。
「へいへい(笑)」
「たかお!」
「おおっ(笑)」
僕がベッドに腰掛けると瑠奈ちゃんが抱き着いてきました。
「んっ、、」
そして僕の唇に自分の唇を重ねてくる彼女。
「ん、、、はあ♡瑠奈ちゃん♡」
僕もそれを受け入れ瑠奈ちゃんをそっと抱きました。
小さな口だけど懸命に求めてくる瑠奈ちゃん。
柔らかくて優しくて気持ちがいい。
しばしの間、2人の甘い時間を楽しみました。
「瑠奈ちゃん!」
「え?たかお?」
瑠奈ちゃんが舌を入れようとしてきたので、僕は彼女を押し離しました。
「ゆーて俺、瑠奈ちゃんからしたらおじさんだから(笑)汚いし臭いよ(笑)」
「そっか、ごめんね」
僕は冗談めかして言ったつもりでしたが、瑠奈ちゃんはしゅんとして謝りました。
「あのね、家でもパパとママが私のことでケンカするの。ママは私の話は全然聞かずにパパを責めるだけ。それでパパは私に興味がないからママから怒鳴られてめんどくさそうにしてる」
「そうなんだ」
「うん。学校も家ももう行きたくないし帰りたくない」
「そっか、大変だね。でも忘れないで、僕はいつでも瑠奈ちゃんの味方だから」
「、、、ぷっ(笑)何かっこうつけてんの(笑)それは私が小学生だからでしょ?♡」
「うーん、それもあるかもね(笑)」
「このロリコン♡」
それだけ会話して僕と瑠奈ちゃんはまたちゅうをしました。
「あれ?たかおさ~(笑)」
「ん?(笑)」
「なにか硬いものが当たってるけど~♡」
瑠奈ちゃんが腰を動かして僕の股間をぐりぐりしました。
「はあっ♡ああっ♡」
「やっぱりこっちが目的だったんだね♡私の味方とか言っておきながらさ♡」
「ごめんね(笑)怒ってる?」
「ううん、怒ってないよ!でも罰ゲーム♡」
「怒ってないのに?(笑)」
「いいから。そこに寝て」
瑠奈ちゃんが立ちあがって床を指さしました。
「えー(笑)ベッドがいい」
「寝・な・さ・い」
瑠奈ちゃんが強めに言いました。
「はーい(笑)」
僕が床に仰向けになると、瑠奈ちゃんが僕のズボンを脱がし始めました。
「脱げちゃうよ~♡脱げちゃうよ~♡あ~、脱げちゃった♡」
「その掛け声、何?(笑)」
「黙って。罰ゲームが終わるまでズボンとパンツ返さないから♡」
「まじか(笑)」
僕が下半身丸出しになると、瑠奈ちゃんが勃起したちんちんを指でちょんとしました。
「びんびんだね♡どうしてこうなっちゃったのかな~?」
「瑠奈ちゃんとちゅうをしていてたら気持ち良くて、、、♡」
「なに~?♡はっきり言って?」
「おちんちんが勃起しちゃいました♡」
「言っちゃった~♡この、へんた~い♡」
「でもやましい気持ちがあった訳じゃないよ(笑)」
「本当に?♡」
「本当!」
「たかお、見て見て~(笑)」
僕がちょっと顔を上げると、瑠奈ちゃんがフリルのミニスカートからパンティをチラッと覗かせました。
「あっ♡」
「あれ~?♡今パンツ見てちんちんがぴくってなったよ~?♡」
「なっちゃったかな?♡」
「うん♡やましい気持ちがあるからおちんちんこうなってるんだよね?♡」
「はい、そうです♡ごめんなさい♡」
「許しませ~ん♡」
そう言って瑠奈ちゃんは僕のペニスを握ってゆっくりしごき始めました。
「あっ♡あっ♡」
「なに~?♡ちゃんと言って~?♡」
「おちんちん気持ちいい♡」
「正直だね~♡へんた~い♡」
「それに瑠奈ちゃんの手もあったかくていいよ♡」
「ふふ♡JSの手でおちんちん包まれて幸せだね♡」
「幸せです♡」
「ふふ♡それにここも♡」
瑠奈ちゃんは僕のパンパンになった金玉をさすりました。
「さっき私や桜と話してるときも私たちでエッチなことばかり考えてここにいっぱい精子溜めてたんだよね♡」
「はい、そうです♡」
「いやらし♡苦しそうだからさ♡出させてあげないといけないね♡」
そう言って瑠奈ちゃんはペニスを次第に強くしごきました。
「ああっ♡ああっ♡」
「気持ちい?♡」
「うん♡」
「そ♡もっとしてあげる♡しこ♡しこ♡」
「ああっ♡ああっ♡瑠奈ちゃん、そろそろティッシュ用意してくれる?♡」
「うーん、ダメ♡」
瑠奈ちゃんはそう言うと、僕のおなかの上に背を向けまたがってきました。
「え?(笑)」
「罰ゲームだから♡このまま出して?♡」
「ダメだよ(笑)ここ桜子ちゃんの部屋だし。」
「気持ち良くなりたくないの?」
「なりたいけど(笑)床を汚すのはもっとやだ。どうしたらいい?」
「さあ~?気持ち良くても出るのを我慢すればいいんじゃない?♡」
瑠奈ちゃんが振り返ってにやっとしました。
「えー!(笑)」
「私は責めるけどね♡」
そう言ってまたしこしこ。
「ああっ♡ああっ♡」
「がんばれがんばれ~♡」
口では応援しながらも執拗にペニスを責めてくる瑠奈ちゃん。
「ああ、瑠奈ちゃん、、、もう本当にヤバい」
「でもたかおよく耐えたじゃん!だからこれに免じて」
「ティッシュ使ってくれる?♡」
「ううん♡レベル上げま~す♡」
「えー!」
何をするのかと思っていると、ペニスに生温かいものがかかるのを感じました。
「つばで滑りやすくするともっと感じやすくなるよ♡」
「はうあっ♡」
「こうやって♡し~こ~♡し~こ~♡」
瑠奈ちゃんはペニスの根元から亀頭まで手のひらを滑らせました。
「私のとたかおの先っちょから出てるのが混ざり合ってねちゃねちゃいってるよ~♡」
「ああっ♡ああっ♡」
「さっきたかお、私からも何か貰いたいって言ったよね?♡これが私から♡」
「ああっ♡ああっ♡瑠奈ちゃん、やめて~♡」
「たかおが言ったんじゃ~ん♡だ~め♡」
にっこりしてギッンギンになったペニスを刺激し続ける瑠奈ちゃん。
「あああっ♡ヤバい!♡ヤバい!♡」
それを気持ち良さで失神しそうになりながら耐える僕。
「別に我慢しなくてもいいんだよ?♡目の前におかずだってあるんだからさ♡JSのお・し・り♡」
瑠奈ちゃんはスカートをまくり、四つん這いになりました。
僕の目の前に瑠奈ちゃんの可愛くて、でも女の色気が溢れているお尻が。
もう我慢の限界が来ました。
「たかおって本当にロリコンだよね~♡JSの体にすぐおちんちんが反応しちゃって♡」
「ごめんなさ~い♡」
「ふふ♡許しませ~ん♡」
「そんな~♡」
「じゃあトドメいっちゃいまーす♡」
瑠奈ちゃんはペニスをしごくのをどんどんどんどん速くし続けました。
「ああっ!♡ああっ!♡イくぅ!♡」
ついに僕は絶頂を迎え、おちんちんから大量の精液がびゅるびゅると放出されました。
「はあ~~~」
「あ~あ♡床汚しちゃったね♡」
瑠奈ちゃんがいじわるな笑みで僕に言いました。
「どうしよ?(笑)」
「し~らないっ♡」
瑠奈ちゃんはそう言うと、肘を使ってドアを開けてさっさと部屋から出て行きました。
「そ、そんな(笑)」
僕はあっけにとられ、仕方なくティッシュで床にこぼれた精液を拭き始めました。
そしたら広がる広がる(笑)
僕がどうしたものかと思っていると、瑠奈ちゃんがドアを開けて戻ってきました。
「たかお、これ使って?」
「お?ありがと」
渡された水で濡らされたトイレットペーパーで床を拭く僕。
タイミングを見計らって、もう1つ用意していたトイレットペーパーを僕に手渡す瑠奈ちゃん。
「あとはこれで拭けば終わり!」
瑠奈ちゃんは何枚か手に取った乾いたティッシュで濡れた床を拭きました。
「ありがとう。助かったよ。瑠奈ちゃんってなんだかんだ言っても優しいよね」
「今頃気づいた?(笑)まあ、これだけやって見捨てるのはかわいそうだったからだけどね♡」
瑠奈ちゃんはいたずらっぽく笑いました。
それから僕と瑠奈ちゃんはリビングに戻りました。
「おーい、桜起きてー?たかおが帰るってよ」
「ん~、、、」
マンガを読みながら寝ていた桜子ちゃんを瑠奈ちゃんがゆすりました。
「起きない(笑)」
「いいよ、そのまま寝かせといて」
僕はそっと桜子ちゃんの頭をなでました。
「たかお、これからも私たちといてくれるよね?」
玄関を出ようとしたときに見送りをする瑠奈ちゃんが寂しげに言いました。
「うーん(笑)桜子ちゃんはともかく瑠奈ちゃんとずっといると体力がもたなそう(笑)」
「えー!(笑)もうっ!」
瑠奈ちゃんは靴も履かずに降りてきて、僕の首に手を回しました。
僕が体を低くすると、彼女は僕の首元に唇を押し当てました。
「キスマークつけてあげたから♡これで逃げられないよ♡」
「あっ(笑)」
手で首を触ると赤いリップが指についていました。
「ずっと私たちといなさい♡」
やってやったとにやりとする瑠奈ちゃん。
僕はキスマークの意味を勘違いしているやはりまだ子供な彼女が愛おしくなりました。
「うん、瑠奈ちゃん。またね」
僕が手を振ると瑠奈ちゃんはニコッとしました。
それから僕は2人に会うことをモチベーションにして仕事探しを頑張りました。
が、僕の理想が高いせいなのか、なかなか就職先は見つからず。
そして休日には桜子ちゃんの家に足を運びました。
「おはよ、たかお!」
「瑠奈ちゃん!」
ある日の休日も桜子ちゃんの家に行く途中で瑠奈ちゃんに会いました。
「なんかいつも会うよね(笑)」
「そりゃ日時決めて同じ場所に向かってるんだから会うでしょ」
何を当たり前のことをと言わんばかりの瑠奈ちゃん。
「だよね(笑)」
この日もすでに習慣になっていた公園への寄り道、並木道を歩き例のオブジェの中で2人のおだやかなひと時を過ごしました。
「瑠奈ちゃん、そろそろいこっか♡」
「うん♡」
僕は瑠奈ちゃんと手をつないで桜子ちゃんの家に向かいました。
その途中でした。
「瑠奈!」
後ろから怒るような呼び声がしたので振り返ると、スーツ姿の女性が立っていました。
「ママ?」
「え?お母さん?瑠奈ちゃんの?」
瑠奈ちゃんは答えず、僕がもう一度女性を見ると瑠奈ちゃんとそっくりな切れ長の目。
でもすぐに分かりました。
この人は桜子ちゃんの母親とは違う。敵意がむき出しだ。
「ママ、どうしてここにいるの?仕事は?」
「つけてきたのよ!最近変なものたくさん買ってたし、私の化粧品も勝手に使ってるし。それでうちにはなかなか帰ってこない。それにあなた!」
母親が僕を睨み、どしどしと近づいてきました。
「私の娘に触らないでもらえますか!?」
「うっ!」
母親は僕の手を強く払って瑠奈ちゃんを僕から引き離しました。
「ほら、帰るわよ!」
「やだ!これから桜の家に行くの!」
「あの子の家にももう行っちゃいけません!」
母親は瑠奈ちゃんの手をつかんで桜子ちゃんの家とは反対の方向へ引っ張っていきました。
振り返って僕に目で助けを求める瑠奈ちゃん。
でも僕は急なことで唖然として足が動きませんでした。
(やばい、、、あの人)
でも普通に考えれば怒るのは当たり前でした。
小学生の娘が知らない大人の男と一緒にいるのです。
桜子ちゃんの母親がおおらかだったので対人経験に乏しい僕は世の中の母親みんながそうだと勝手に思い込んでいました。
ここで少し桜子ちゃんと瑠奈ちゃんの家庭について説明します。
まず桜子ちゃんの家は母子家庭でした。といっても元夫婦の関係は良く、父親は月に何度かは桜子ちゃんの家を訪ねて来ていたようです。
それでも仕事で忙しい彼女の母親にとってまだ小さい娘のお世話をしてくれる人が必要でした。
そもそも僕が小学生の桜子ちゃんと仲良くなれたのはそういった特殊な事情があったからでした。
それに対して瑠奈ちゃんの家は両親共にいて一見普通の家庭のようですが、瑠奈ちゃん本人に聞いたところによると夫婦の仲は険悪。
特に母親はヒステリーになりやすい上に学歴や家柄にコンプレックスを持っているらしく、その両方ともを備えている桜子ちゃんの家族に対しては最初から敵意むき出しだったようです。
特に桜子ちゃんの母親に対しては、彼女の方はけっしてそうではないのですが、瑠奈ちゃんの母親は一方的に桜子ちゃんの母親を嫌っており、娘同士が仲良くすることも良く思っていなかったようです。
桜子ちゃんの友達だったからということもありましたが、瑠奈ちゃんと仲良くなれたのも彼女が家庭での親子関係や小学校での対人関係に悩み、心に孤独を抱えていたからでした。
ちなみにこの流れで言うのもあれですが、僕はごく普通の一般家庭です(笑)
長くなりましたが、以上です。
元のお話に戻ります。
瑠奈ちゃんが母親に連れ去られていくのを唖然として見ているだけの僕。
やがて2人の姿は見えなくなりました。
我に返った僕は、このまま1人で桜子ちゃんの家に遊びに行くわけにもいかず、いったん桜子ちゃんの家に行き桜子ちゃんに事情を話して帰りました。
それから僕は瑠奈ちゃんのことを心配しつつも就職活動を続けました。
瑠奈ちゃんの携帯には連絡がつかず、桜子ちゃんの家に連絡すると小学校には毎日ちゃんと来ているらしいので安心しました。
でも桜子ちゃんの家には、母親に連れ去られたあの時以来一度も来ていないようでした。
そんなある日。
ピンポーン!
僕の家のインターホンが鳴ったので確認すると瑠奈ちゃんでした。
僕はすぐに玄関先に出て瑠奈ちゃんのもとへ行きました。
「瑠奈ちゃん?大丈夫?」
「大丈夫だよ!久しぶりに来ちゃった!」
にっこりとする瑠奈ちゃん。
一目で作り笑いだと分かりました。
「たかお、前はごめんね?」
「あ、ううん!ちょっとびっくりしたけど(笑)」
「私のママ、ヒステリックになりやすい人だから。でも最近落ち着いてきたみたいだからさ」
「そっか。」
「うん。」
「でもまあ、また瑠奈ちゃんの元気そうな顔が見れて良かったよ」
それだけ会話すると僕たちの間に沈黙が流れました。
「あ、瑠奈ちゃん」
「ん?」
「散歩しよっか(笑)」
「うん(笑)」
僕と瑠奈ちゃんは久しぶりにいつもの公園で並木道を歩きました。
そして例のオブジェにも入り、2人の平和な時間を過ごしました。
「瑠奈ちゃん、そろそろ帰ろっか」
「うーん。もうちょっとたかおと一緒にいたいかな(笑)」
「そっか。ならとりあえず瑠奈ちゃんの家まで送るよ」
僕は瑠奈ちゃんと手つないで一緒に彼女の家まで歩きました。
「私、マンションに住んでるんだ。ほら、あれ」
瑠奈ちゃんが指さす先にはごく普通の目立たない色のマンション。
「この8階に住んでる」
「そうなんだ」
マンションの前まで来ると僕は瑠奈ちゃんの手を離しました。
「瑠奈ちゃん、いい?」
「うん。じゃあね、たかお。ばいばい」
表情を見せたくないのか顔を背け手を振る瑠奈ちゃん。
その姿には哀愁が漂っていました。
「あー、えーと。やっぱりここまで歩いてちょっとのどが渇いたかな」
「私んち来る?飲み物あるよ」
「うん。あ、でもあの人に出くわしたら嫌かな(笑)」
一応、瑠奈ちゃんの母親なので遠慮ぎみに言う僕。
「ママ、今日は遅くなるって。だから大丈夫」
「そっか」
それからエレベーターに乗って、8階の部屋に行くまで一言も話さない僕と瑠奈ちゃん。
「ここ。上がって?」
「うん。お邪魔します」
玄関に入るとまっすぐに廊下があり、その先のドアのすりガラスごしに見える部屋は多分リビング。
その途中の左側のドアを瑠奈ちゃんが開けました。
「ここが私の部屋。飲み物持ってくるからそこに座って待ってて」
瑠奈ちゃんが指さす先にはベッド。
「分かった」
僕がそう言うと、瑠奈ちゃんはちょっとだけ笑みを見せ部屋のドアをぱたんと閉めました。
1人になった僕は瑠奈ちゃんのベッドに腰を下ろす。
瑠奈ちゃんの部屋はあまり大きくはなく、ほとんどがベッドと勉強机と少女漫画やファッション雑誌のある棚で占められていました。
おしゃれな桜子ちゃんの部屋と比べると地味。
だけどしっかりそれらが整理整頓されていて、瑠奈ちゃんの普段からの物を大切にする心遣いが伺えました。
こんこん!
「たかお、お待たせ」
ノックをして入ってきた瑠奈ちゃんに僕はにっこりとしました。
でも僕と目を合わせない瑠奈ちゃん。
コトン、、、
僕に背を向け、飲み物を乗せたお盆を勉強机に置きました。
「瑠奈ちゃん?」
そのまま立ち尽くす瑠奈ちゃんが心配になって名前を呼ぶ僕。
すると瑠奈ちゃんは向きを変え早足で僕のところに来て抱き着いてきました。
「うわっ」
勢いよく来たので僕はベッドに押し倒されました。
「大丈夫?瑠奈ちゃん」
僕が問いかけても瑠奈ちゃんは答えず、僕の唇に自分の唇を重ねてきました。
「んっ、、、んんっ」
僕の服をしっかりとつかみ、夢中でキスをしてくる瑠奈ちゃん。
よっぽど寂しかったんだなと僕は彼女を優しく抱き、頭をなでました。
「んっ、、たかお、急にごめんね?」
「いいよ瑠奈ちゃん。おいで?」
「、、、うん」
僕が抱き寄せると瑠奈ちゃんはまたちゅうをしました。
舌を入れてきてディープキス。
舌と舌を絡ませ、僕は瑠奈ちゃんの辛さや寂しさをしっかりと受け止める。
僕と瑠奈ちゃんが離れては口と口の間に糸を引き、そしてまた唇を重ねる。
もう僕は彼女を拒絶することはしませんでした。
「ふふ(笑)たかお、顔が苦しそうだよ(笑)」
徐々に心が癒されてきたのか瑠奈ちゃんは普段通りの表情を見せました。
「これでもうけっこう年だからさ(笑)また水泳始めて息止めの練習しようかな(笑)」
「それって冗談?(笑)」
「けっこうマジ(笑)」
「あはははは!」
瑠奈ちゃんは僕にジョークに気が緩んだのか眉を下げて笑いました。
「それはそうと、たかお?」
「ん?」
「これ(笑)」
瑠奈ちゃんが僕の膨らんだあそこに目をやりながらにやけました。
「本当にたかおってしょうがない人だよね~(笑)私が癒してあげるよ♡」
いつも通りの強気になった瑠奈ちゃんが僕の股間に手を伸ばしました。
「よっ、と!」
「きゃっ」
僕は起き上がって瑠奈ちゃんの体の向きを変え膝の上にちょこんと座らせました。
「え?たかお?」
「そんなこと言ってさ。本当は寂しいのは瑠奈ちゃんでしょ?♡」
「あ、、、う」
「俺が瑠奈ちゃんのことを癒してあげるよ♡」
「う、うん♡」
僕が後ろから抱きしめると瑠奈ちゃんは急に子猫のように大人しくなりました。
「瑠奈ちゃんは今日はどんなパンツを履いてるのかな~?♡」
僕が瑠奈ちゃんのミニスカートをまくるとまさかのサテンの白いパンティ。
真ん中にリボンがついており、いつもの綿のパンツと違ってテカテカ光っていて高級感がありました。
「どこで買ったの?(笑)」
「えーとね、通販(笑)高かった(笑)」
「そうなんだ(笑)」
お金のことが気になりましたが小学生の言う高いだし、それに雰囲気を壊したくなかったので僕は知らないふりをしました。
「それに見てこれ♡全体は白色だけど横は黒くなってるんだよ♡」
瑠奈ちゃんがミニスカートの両側をまくって見せながら言いました。
「おしゃれでしょ?♡」
「うん、おしゃれ♡それに、、、エロい♡」
「もうっ♡たかお、息が荒いよ?♡」
「ごめんね♡小学生の瑠奈ちゃんがこんなエッチなパンティ履いてるって思ったらさ♡」
「ふふ♡たかお、ロリコンだもんね♡」
「うん♡ちなみに上も?♡」
「ううん、ブラはまだ私には早いかなって(笑)だからスポブラみたいなの付けてる(笑)」
瑠奈ちゃんは自分の平べったい胸元をさすりながら言いました。
「いいじゃん、スポブラも♡」
「もじゃなくて、それがいいんでしょ?♡」
「ごめんね、ロリコンで♡見てもいい?♡」
「うん♡」
瑠奈ちゃんがOKしたので僕は彼女の服を下からまくり上げました。
瑠奈ちゃんが言った通り、左右の胸で別れている物ではなく胸全体を覆う子供用の下着でした。
細い黒の縞々が入っており、これとセットであろう黒の縞パンをいつか見たことがありました。
「かわいいじゃん♡」
「ありがと♡」
スポブラを上にずらすと、瑠奈ちゃんの胸があらわになりました。
そしてまな板の胸の上にまだ幼くきれいな色の乳首。
でもしっかりピンと勃っていました。
「瑠奈ちゃん、乳首が勃ってるよ?♡」
「恥ずかしい、、、♡」
「どうしてこうなっちゃったのかな~?♡」
「やだ、、、♡」
「ねえねえ、どうして~?♡」
「もうっ、たかお(笑)いじわるしないで?」
瑠奈ちゃんが僕の顔を手で押しやりました。
「ごめんね(笑)瑠奈ちゃんが可愛いものだからつい♡」
「もうっ♡い~い?たかおは私の言うことを聞かなきゃだめ」
「うん♡いつも聞いてるよ♡」
「なら私にいじわるするのもだめ。分かった?」
「分かった♡」
必死で僕に対して強気でいようとする瑠奈ちゃん。
僕はそんな瑠奈ちゃんが愛おしくて頭をなでなでしました。
「瑠奈ちゃん、触ってもいい?♡」
「うん♡」
僕は手のひら全体で瑠奈ちゃんの胸をさすりました。
すべすべしていて乳首の硬い感触が伝わってきました。
「あっ♡」
「気持ちいい?♡」
「たかおの手あったかい♡もっと触って?」
「いいよ♡」
どうやら瑠奈ちゃんは乳首が感じやすいというわけではなく、大きな男の手で触られていることに興奮しているようでした。
「ああっ♡はぁぁ♡」
「瑠奈ちゃん、あそこも触っていい?♡」
「うん♡」
僕はパンティに手を入れて瑠奈ちゃんのあそこを優しくなでました。
まだ毛は生えておらず、生温かくしっとりとした感触がありました。
「気を悪くしたらごめんね?」
「うん、何?」
「たかおって童貞なの?」
「うん(笑)どうして?」
「だって触り方が慣れてないみたいだから」
「ごめんね(笑)そもそも女性と話したこともあまりないから(笑)」
「いいよ、教えてあげる。私が感じやすいのは、、、ここだよ♡」
瑠奈ちゃんは僕の手を誘導し、触らせました。
「え?もしかして瑠奈ちゃん、オナニーしてるの?」
「うん♡いつもね、こうやってたかおに抱きしめられてるのを想像してしてるんだ♡」
「そうなんだ♡」
「しかもここ最近寂しいから回数も増えちゃって、、、」
「そっか」
「たかおのせいだからね。責任取りなさいよ!」
瑠奈ちゃんが命令口調だけど可愛い声で言いました。
「分かった♡ここだよね♡」
「あっ、、あっ、、、♡」
「あ、いい声♡」
「んんっ、、あっ、、、んっ、、♡」
僕が指でクリを刺激するたびに瑠奈ちゃんは子猫のように可愛い声で鳴きました。
「たかお、指入れて?」
「うん、でも大丈夫?」
「いつもオナニーの時も入れてるから、、お願い」
瑠奈ちゃんが上目遣いで頼みました。
僕は瑠奈ちゃんのあそこの割れ目を手でなぞって確認し、ゆっくりと指を入れました。
「痛くない?」
「うん、、、くちゅくちゅして?」
僕は指を瑠奈ちゃんの膣の中で動かし、いやらしい音を立てさせました。
「んんっ、、ぁあっ、、、あんっ、、、、、たかお、、、イキそう」
「いいよ、イって?」
僕は指の動きを止めることなくクリを刺激し続けました。
「ああっ、、、あああっ」
瑠奈ちゃんは絶頂して体をびくびくさせました。
僕はイキ終わるまでしっかりと彼女を抱きしめました。
「はぁ、、」
「瑠奈ちゃん、気持ち良かった?♡」
「うん♡たかおの愛情いっぱい感じたよ♡」
「そっか♡良かった♡今度瑠奈ちゃんとセックスしたいな(笑)」
僕は冗談のつもりで言いました。
「たかおになら私の処女あげてもいいよ♡」
「マジで!?♡」
「うん♡でも私がもうちょっと大人になってからね♡」
「分かった♡」
瑠奈ちゃんはにこっとすると、立ち上がって勉強机まで行きました。
「この部屋は狭いから。リビングに行って飲み物、飲も?」
「そうだね!」
僕が先にドアを開けて出て、瑠奈ちゃんが飲み物を乗せたお盆を持って後からきました。
「そこのドアを開けたらリビングだよ」
「オーケー」
リビングは壁や床が所どころ剥がれていました。
テーブルについて飲み物を飲んでいると瑠奈ちゃんがお菓子をお皿に入れて持ってきました。
「はい、どうぞ」
「あっ、これもしかして桜子ちゃんの手作りクッキー?」
「あ、うん(笑)ダイエット中だったんだけどやっぱり欲しくて。もらってきちゃった(笑)」
「そうなんだ(笑)」
「たかお、おいしい?」
「え?あ、うん」
なぜだろう、優しい目で僕を見ている瑠奈ちゃんに違和感を感じました。
あの時と同じようにクッキーにまったく手を付けない彼女。
「瑠奈ちゃんは食べないの、、、?」
「私は自分の分を残してるから後で食べるよ」
「そっか」
ガチャガチャ、、、ガチャン!
「え、、、、誰?」
玄関の鍵が開く音がしてクッキーを食べる手が止まりました。
「たかお、隠れて!」
どしどしリビングに向かって歩いてくる足音。
僕は急なことで動けませんでした。
ドアが開かれ中に入ってきたのは瑠奈ちゃんの母親でした。
「きゃあ!!あなた何でここにいるんですか!?」
「ママ!違うの!」
すぐに母親のもとに行き、なだめようとする瑠奈ちゃん。
「あの、僕は瑠奈ちゃんの友達で飲み物を頂いていただけで、、、」
「早く!!出て行って下さい!!」
僕は言い訳をしましたが桜子ちゃんの母親と違ってまったく聞く耳を持ちませんでした。
「早く!!!」
「は、はい!」
僕は母親の怒声に圧倒されイスから飛び上がりました。
そしてすぐにリビングから出て行こうとしました。
「え、、ちょっと待ってください、、、」
「はい、、?」
母親が僕を呼び止めました。
「あなた、、、一体娘と何をしてたんですか?」
「、、、え?」
「何してたんですか?」
何かを察した母親が急に冷静になり僕に問いつめてきました。
「ママぁ、、、何もしてないよ」
瑠奈ちゃんが必死に母親に取りすがりました。
「いえ、テーブルでお話してただけですが、、、」
僕はまずいと思いました。
この母親は明らかにおかしいことに気づいていました。
誰かもよく分からない大人の男が娘と部屋にいるこの状況。
そして僕はともかく、いつも身なりはきちんと整えている瑠奈ちゃんの服装と髪が今は乱れていました。
僕ですら普段の瑠奈ちゃんではこうはならないと分かるのだからその母親ならなおさらです。
「娘に何をしたんですか?」
「あの、、、」
僕が答えられずに口ごもっていると、母親はふと思いついたようにリビングから出て行きました。
「ママ!どこに行くの!?」
瑠奈ちゃんが不安そうな声で言いました。
母親が向かった先は間違いなく瑠奈ちゃんの部屋でした。
ベッドは使ってそのまま、それにまだ温かいだろうと思いましたが、だからといってそれが何かの証拠になるわけでもない。
僕は母親が戻ってくるのを一歩も動かずに待っていました。
「そこに座ってください」
戻ってきた母親が僕に言いました。
「え?あ、はい」
僕は大人しくテーブルに座りました。
「いいですか?そこから動かないでください」
僕がちゃんと指示に従ったことを確認して母親は固定電話の受話器を手に取りました。
「え、、、あ、あの」
「動かないでください!!」
「は、はい!」
怒鳴り声にビビッて浮かせた腰を下ろす僕。
母親は電話している間、僕の指1本すら動かさせまいというほどの威圧感で睨んでいました。
『もしもし。あのですね、うちに小学生の娘が1人いるのですが』
『面識のない男性が部屋で一緒にいまして』
『あ、はい。そうです。』
「ねえ、ママ、、、誰に電話してるの?」
状況に理解が追いつかない子供はますます不安になる。
心臓がばくばくしてよく覚えていないのですが、母親は電話の相手に落ち着いた声で、しかしおそろしく的確に今の状況を伝えていました。
そして最後に自分のマンションの住所。
僕は通報されていました。
「通報させていただきました。刑事さんが来るまでくれぐれもそこを動かないでください」
電話を終えた母親が僕に言いました。
「はい、、、」
僕はついに逮捕されてしまうと頭の中が真っ白になりました。
しばらくして刑事さんが部屋を訪ねてきました。
玄関先に迎えに行った瑠奈ちゃんの母親が挨拶をする声が聞こえました。
当然瑠奈ちゃんは母親に別の部屋に連れていかれました。
リビングに入ってきたのは2人の刑事。
体育会系の見た目で背の低い情に厚そうな刑事と、背が高く整えられた天パ頭の知的な感じの刑事。
僕の対面に2人が座り挨拶をしました。
体育会系の刑事は事情聴衆の間ずっと僕を気遣ってくれました。
でも天パの刑事が厄介でした。
「この部屋に来たのはいつ?」
「えーと、お昼ちょっと前でした」
「具体的に。何時何分?」
「えーと、11時40分、、、いや50分だったかな」
「どっち?」
「よく覚えてないです」
「思い出して」
「そんな10分くらい関係なくないですか?」
「関係あるよ?(笑)1分の違いだって重要な情報になることだってあるんだから」
天パの刑事は僕の反発に対してニチャアと薄ら笑いを浮かべて言いました。
こんな感じで細かく事情聴衆されました。
ただ瑠奈ちゃんとやましいことをしたのかという質問にはいいえの1点張りで通しました。
「本当に?」
「はい。」
「そっか。でも調べたら分かることだってあるからね。後でやっぱりとか言わないよね?」
天パの刑事が圧をかけてきましたが、瑠奈ちゃんが口裏を合わせてくれる自信がありました。
「言わないです」
「そう。じゃあちょっと待っててね」
そう言うと刑事さんたちは席を外しました。
母親や瑠奈ちゃんに話を聞きに行ったのでしょう。
しばらくして刑事さんたちが戻ってきました。
「うん。じゃあ、とりあえず車で送るから君は自宅待機ね」
「え、帰っていいんですか?」
「まだ事件性があると判断できないからね。でも遊びに行ったりしたらダメよ?(笑)あくまで待機ね」
天パの刑事が僕に念を押しました。
「最後に聞くけど本当に何もしていないんだな?」
玄関先で体育会系の刑事が言いました。
疑っているのだけど情のこもった言い方に僕は心が揺れました。
僕が高校生の頃。
クラスになじめなかった僕は休み時間も苦痛で1人でよく学校の外に出て散歩をしていました。
ルール違反だけど誰かに迷惑をかけるわけでもなく、ほんのちょっと心を休めたかっただけでした。
でも要領の悪かった僕はよく見つかって先生に叱られていました。
クラスメートには人の財布からお札を抜き取っていたやつや、体の小さな生徒に数人がかりで暴行を加えていたやつらがいました。
でも彼らの悪行はバレず、クラスメイトや先生ともうまくやっていました。
違いは単純。
彼らは社会の内側の人間、僕は外側の人間。
裏で何をしていようが人の中を上手く立ち回れるかどうかで評価が決まる世界。
集団で生きなければならない社会から逃げ続けた結果がまさにフリーターになった若いころの僕でした。
そんな落ちぶれたときに知り合ったのが瑠奈ちゃん。
彼女もクラスになじめないと言いました。
だから僕の気持ちが分かると言って寄り添ってくれました。
それなのに今僕はそんな瑠奈ちゃんを巻き込んでいるのです。
僕と一緒にいたら同じ道をたどらせてしまうかもしれない。
「ごめんなさい、、、本当は、、、しました」
僕は嘘をつき続けることに耐えられなくなり白状してしまいました。
「分かった。今のうちに全部言ってしまいな」
「、、、はい」
僕は瑠奈ちゃんとキスをしたこと、体を触ったことなど洗いざらいすべて話しました。
体育会系の刑事もさすがにこの時ばかりは腕組みをして険しい表情で聞いていました。
「それで全部か?」
「はい」
「分かった。とりあえず家まで送るから」
僕はマンションの外にパトカーが止まっているものだと思っていましたが、実際にはマンションから離れた敷地に普通車を装った覆面パトカーが止めてありました。
車に最初に体育会系の刑事が乗り、真ん中に僕、その後にもう1人の天パの刑事が乗り込みました。
「たかお、気分は悪くないか?」
「、、、はい」
体育会系の刑事は僕に疎外感を与えないためか僕の名前で呼び、家に着くまでの間途切れることなく僕に話しかけ続けました。
家についてしばらくすると、僕の母親が帰ってきました。
「たかお、あんたどうしたの?」
「ごめんね、お母さん」
どうやら共働きの両親の職場には制服の警官が堂々と乗り込んできて事情を聴いたらしいです。
母親は困惑し、父親も心痛していると聞かされ胸が痛みました。
それから母親はまだ仕事があるからと出かけていき、僕は家で1人ぽつんとイスに座っていました。
ピンポーン!
インターホンが鳴ったので確認すると瑠奈ちゃんが来ていました。
僕はなんで?と思いましたが、すぐに外に出ました。
「瑠奈ちゃん、どうしたの?」
僕は自宅の玄関先にある門ごしに瑠奈ちゃんに聞きました。
「どうしたって。たかおが心配だから来たんじゃん」
「ダメだよ、今は。それにどうやって抜け出してきたの?」
「なんかお母さんが感情的になってさ。刑事さんたちもちょっとてこずってて。退屈だから普通に」
「普通に、って(笑)あのね、瑠奈ちゃん。俺もう瑠奈ちゃんと一緒に遊んだりできないと思う」
「なんで?」
「何でって。ダメなんだよ、本当は。大人の俺と小学生の瑠奈ちゃんが関わったら。エッチなことをしたのだからなおさらね」
「だから?」
「いや、だから今こうして自宅で待機させられてるんだよ。悪いことをしたんだから。だから本当なら今も、そしてこれからも瑠奈ちゃんには会えない」
「でも私はたかおが好き」
僕は瑠奈ちゃんの言葉に心が揺れました。
この子は根が素直で純粋だから僕に会いたくてここまで来てしまったのでしょう。
でもやはり子供、僕の今の状況をまるで分かっていませんでした。
「たかお、ここ開けてよ」
瑠奈ちゃんが、僕たちを隔てている門を開けようとしました。
「だめ!」
「なんで?」
「あ、あのさ、瑠奈ちゃん。クラスに好きな男の子とかいない?」
「は?いるわけないじゃん。それにクラスになじめてないって言ったでしょ」
「そうだけど。もしかしたらこれから好きになる男の子とも出会うかもしれないし。僕みたいなおっさんとは関わらない方がいいよ」
遠回しに僕が拒絶していることに気づいたのか瑠奈ちゃんは一瞬眉をひそめました。
「それってさ、私のことが迷惑だって言いたいんだよね?」
「そう言うわけじゃなくて。瑠奈ちゃんも女の子なんだからまともな恋愛をした方がいいよってこと!」
何も答えず、僕をじっと見つめる瑠奈ちゃん。
「ほら好きな子と出会えれば気持ちも変わるから!」
僕はちょっと強めに言ってしまいました。
「ふーん。ま、確かにたかおの言うとおりかもね」
「分かってくれた?」
「うん。そういえば気になってる男の子いるかも」
「そうなんだ!それは良かった!」
「うん。じゃあ私帰るわ。せいぜい捕まらないことを祈るよ、ロリコン男」
「うん(笑)気をつけて帰ってね!」
「はーい」
瑠奈ちゃんは冷めた返事をして帰っていきました。
ほっと一安心して、また家の中に戻ってぽつんといる僕。
(ちょっと露骨に遠ざけすぎたかな?でも瑠奈ちゃんは賢いから分かってくれたよね)
そんなことを考えながら数時間が経ちました。
ピンポーン!
「はーい?」
「たーくん!」
今度は桜子ちゃんでした。
(みんな今の俺の状況分かってるのか?)
自分がやらかしておきながら、そんなことを考えて憤る僕。
玄関先に出ると、桜子ちゃんのお母さんも一緒でした。
「あ、こんにちは」
「こんにちは。」
「どうされました?」
どうやら桜子ちゃんの家にも刑事が訪ねてきて、家に1人でいた桜子ちゃんが仕事中の母親に連絡した、ということでした。
「そうだったんですか。ご迷惑をおかけしてすみません」
「いえいえ。こちらも娘のお世話をおねがいしていましたし。そちらは大丈夫でしたか?」
「あ、はい。僕は全然」
迷惑をかけた僕を気遣ってくれる桜子ちゃんの母親。
「それでなんですけどこちらに瑠奈さんが来ませんでしたか?」
「どうしてですか?」
「マンションからいなくなって帰ってこないみたいなんです」
「え。でもまだ明るい時間帯ですし、しばらくしたら帰ってくるんじゃないですかね」
「それがなんですけどマンションの玄関口の郵便受けに携帯とか家の鍵とか持ち物を置いて出ていったみたいなんです」
それを聞いて少し不安になる僕。
「そうなんですか。でも僕は今こういう状況でどうしようもできなくて」
「そうですか。分かりました」
桜子ちゃんの母親は挨拶をして桜子ちゃんを連れて帰ろうとしました。
「ねえ、たーくん!本当に知らないの?」
桜子ちゃんが僕のところに来て聞きました。
「たーくん、なんか変じゃない?」
「こら、桜子!すみません」
「ねえってば!」
謝りながら桜子ちゃんを引き留めようとする母親を無視して僕に問いかける桜子ちゃん。
「あ、実は、、、さっき瑠奈ちゃんがここに来たよ(笑)」
「え、来られたんですか?」
ちょっと驚いている母親。
「はい(笑)」
「ねえ、たーくん!何話したの?」
さらに質問をしてくる桜子ちゃん。
「えーと、瑠奈ちゃんが僕を心配してるって言って」
「うん」
「僕のこと好きって言ってた(笑)」
「それでたーくんはなんて答えたの?」
「瑠奈ちゃんにもいつか同じ年頃の好きな男の子ができるよって」
「でも瑠奈ちゃんとたーくん仲いいじゃん。なんで?」
「何でって(笑)だって僕とじゃ年の差があるし犯罪になるし。だから瑠奈ちゃんも女の子だからまともな恋愛した方がいいよって言った(笑)そしたら帰っていったよ(笑)ははは」
僕は桜子ちゃんがいつもみたいに能天気に「なんだ~、そうだったんだ~」と言うのを期待していました。
「なんで、、、言うの、、、」
「え?(笑)桜子ちゃん、何?(笑)」
「何でそんなこと言うの!?瑠奈ちゃんはたーくんのことが好きなんだよ!!?」
「えっ、、あの、、桜子ちゃん、、?」
僕にすがりつき急に怒りだした桜子ちゃんに困惑する僕。
「そうだけどっ、、瑠奈ちゃんも気になる男の子がいるって言ってたし」
「嘘に決まってんじゃん!!たーくんのばか!!」
「桜子!」
母親が僕から引き離そうとするのを振り払う桜子ちゃん。
「あ、あのね桜子ちゃん。僕は瑠奈ちゃんの気持ちをよく考えた上で言ったの。だから瑠奈ちゃんも賢い子だから分かってくれたと思うんだ」
「たーくん、私があげたクッキー覚えてる?」
桜子ちゃんが僕の言ったことを無視して聞きました。
「あ、うん。桜子ちゃんの手作りのやつだよね」
「違うよ。あれ作ったの瑠奈ちゃんなんだよ」
「、、、え?」
「マフラーも。たーくんが仕事が見つからなくて落ち込んでるから元気付けたいって言って、料理も編み物もしたことがないのに一生懸命作ってたんだよ」
「、、、そうなの?でも桜子ちゃんが僕にくれた、、、」
「まだ分からないの?瑠奈ちゃんは恥ずかしいから私に渡してくれって頼んだんだよ」
僕は今までのことを思い起こし、いろんなことを理解し始めました。
ダイエット中だからと言ってクッキーに手を付けなかった瑠奈ちゃん。
本当は自分が作っていて、たくさん僕に食べてほしかったから。
マフラーをもらった時、頭をなでようとしたらそれを避けた桜子ちゃん。
本来マフラーを編んだ瑠奈ちゃんが受けるはずだった愛情を自分が受けたら悪いと思ったから。
「いつも桜子ちゃんの家に遊びに行くとき瑠奈ちゃんと会ってた、、、」
偶然だと言って現れていた瑠奈ちゃん。
「そうだよ。たーくんより先に私の家に来てたけど、たーくんに早く会いたいからって迎えに行ってたんだよ。いつもいつも」
僕が歩く後ろから僕の名前を呼んで笑顔で駆け寄ってきた瑠奈ちゃん。
「たーくんは瑠奈ちゃんのこと何も分かってない。それなのに分かってるつもりで瑠奈ちゃんにひどいことを言って。」
「桜子ちゃん、、、」
「さいってい。たーくん、最低だよ」
桜子ちゃんは今までに見たこともない、強く軽蔑する目で僕を見ていました。
僕はやっと瑠奈ちゃんのことを深く傷つけたことに気づいて自分が言ってしまったことを後悔しました。
「俺が悪かった、、、」
僕が落ち込んでいるのに心を痛めたのか桜子ちゃんは急に心配そうに僕の顔を覗き込んできました。
「たーくん、ごめんね?いろいろ強く言って。私だって今まで瑠奈ちゃんに何にもしてあげられなかったのに、、、」
「そんなことないよ。瑠奈ちゃんは桜子ちゃんが学校でいつも自分のところに来てくれてうれしいって。大事な親友だって言ってたよ」
「そうなんだ」
僕がそう言うと悲しそうな表情をしていた桜子ちゃんは少しだけ笑顔を見せました。
「ねえ、たーくん。どうしたらいいかな?」
「ごめん。瑠奈ちゃんに謝りたいけど今俺もこういう状況だからどうしようもないんだ」
「そっか、、、。分かった」
桜子ちゃんは僕にバイバイして母親と帰っていきました。
僕は家の中に戻ってぽつん。
瑠奈ちゃんのことを心配しているうちに日が暮れ、電気をつけていない部屋の中は真っ暗になりました。
僕は瑠奈ちゃんが部屋に戻っていることを期待して、桜子ちゃんの家に連絡して聞きました。
しかし、どうやらまだ帰ってきたという話は聞いていないということでした。
肌寒いこの季節、しかもこの夜のますます寒さが厳しくなる時間。
僕は心配になってついに家を飛び出しました。
表から出て万が一刑事さんがいたらと思った僕は、僕の家と裏の家の塀の間の狭い溝を通って抜け出しました。
そして大通りへは出ず、人目につかない裏通りを走りました。
僕は瑠奈ちゃんがもし家に帰らないつもりで出ていったのなら行き先に心当たりがありました。
瑠奈ちゃんとよく散歩していた公園まで来た僕。
一瞬恐怖を感じましたが勇気を出して夜の並木道に入っていきました。
昼間は明るくさわやかなこの道が、今は真っ暗で人が誰もおらず、不気味に枝や葉を蠢かせている木々が今にも襲い掛かってきそうでした。
普通ならこの時間帯でこの場所に小学生の女の子がいるとは思わないでしょうが、僕には確信がありました。
並木道から広場に出て、そこにある大きな真っ暗闇の中で異様な雰囲気を放つオブジェ。
その中をのぞくと、小さな影がありました。
膝を抱えて座り、寒さに震えている少女。
「瑠奈ちゃん、見つけた」
「、、、たかお?」
「やっぱりここにいると思ったよ」
「、、、どうして」
「一緒に帰ろ?みんな心配してるよ」
僕は瑠奈ちゃんにもっと近づこうとしました。
「来ないで!」
「瑠奈ちゃん?」
「来ないで、、、。もう私いいんだ。桜もたかおも、大事な人なのに、、、ずっと一緒にいたいのに、、、みんなお母さんが引き裂いちゃう、、、私はいい、、、もう1人でいいよ」
そう言って顔を伏せる瑠奈ちゃん。
「瑠奈ちゃん。桜子ちゃんは瑠奈ちゃんがいなくなってすごく心配してたよ。それに僕も」
僕は何も答えない瑠奈ちゃんのそばに行って隣に座りました。
「ここは寒いから。風邪を引いちゃうよ」
「別にいい、、、」
僕は首に巻いてきたマフラーを半分外して瑠奈ちゃんの首にも巻いてあげました。
「このマフラー瑠奈ちゃんが編んでくれたんだね。いつも食べてたクッキーも。」
「うん、、、」
「僕瑠奈ちゃんの気持ちよく分かってなかった。それなのに昼間、あんなひどい傷つけるようなこと言ってごめんね?」
「ううん。いいんだ、、、私も素直じゃなかったから。最初からちゃんとたかおに気持ちを伝えていればこんなことにならなかったのに」
「それはもういいんだよ、終わったことだから」
「たかお、これからどうすればいいかな?」
「、、、僕にも分からない、ごめん」
「そっか、、、」
「とりあえず帰ろ?みんな心配してる」
「うん、、、」
瑠奈ちゃんは立ち上がろうとしてよろけました。
「大丈夫?ほら」
「ありがとう」
僕がしゃがんで手を後ろに出すと、瑠奈ちゃんが僕の背中におぶさりました。
僕は瑠奈ちゃんをおんぶしながら夜道を歩きました。
「たかお、探してくれてありがとう。私すごくうれしかった」
「うん、いいよ」
「私元気が出たよ!私のこと心配してくれる人がいるんだって」
瑠奈ちゃんの明るい声が暗い夜道を照らしました。
「私たかおのこと大好き!桜のことも!」
「うん、僕もだよ」
途中で瑠奈ちゃんがうとうとし始めました。
「瑠奈ちゃん、眠い?寝ててもいいよ」
「ううん。ねえ、たかお?」
「なに?」
「たかおはこれからもずっと私たちと一緒にいてくれる?」
「うん、いるよずっと」
「そっか」
僕の言葉に瑠奈ちゃんは安心してすやすやと眠りました。
僕は自分の家ではなく、あらかじめ連絡をしておいた桜子ちゃんの家に行きました。
「たーく~ん!!」
僕を見つけた桜子ちゃんが駆け寄ってきました。
「しぃ!瑠奈ちゃんが寝てるから」
「けがとかしてなかった?」
「大丈夫だよ」
僕は待っていた桜子ちゃんの母親に瑠奈ちゃんを起こさないように渡しました。
「夜分遅くにすみません。本当にご迷惑をおかけして」
「いえいえ、全然!お二人ともおけがとか大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
「そうですか。それなら良かったです」
桜子ちゃんのお母さんは最後まで丁寧にしてくれました。
「それじゃあその子をよろしくお願いします。僕はすぐに帰らないといけないので」
「ねー、たーくん、、、もう会えないの?」
僕が帰ろうとすると桜子ちゃんが寂しげにいいました。
「ちょっとの間だけね。」
「ほんと~?」
「うん!瑠奈ちゃんのことよろしくね?桜子ちゃんが頼りだから」
「うん、、、分かった!」
僕が頭をなでると桜子ちゃんはにこっとしました。
それからすぐに家に帰ると部屋に明かりがついていて、玄関先に車が一台止まっていました。
「きみぃ、自宅待機だって言ってたでしょ?」
昼間の天パの刑事が言いました。
「すみません」
「どこ行ってたの?」
「散歩です」
「散歩~?」
疑わしそうにしていましたが、僕の情緒が不安定なのを感じたのかそれ以上追及してきませんでした。
「まあ、気分転換になっただろ」
体育会系の刑事が横からフォローして言いました。
「ちょっと待っててね。君のご両親に伝えてくるから」
僕が車の前で待っていると、玄関の前で仕事から帰ってきていた両親が申し訳なさそうに刑事さんたちに挨拶をしているのが見えました。
「それじゃあ行こうか。向こうでしかできないことがあるから」
「はい」
向こうというのは警察署のことです。
走る車の中で僕は桜子ちゃんや瑠奈ちゃんと過ごしてきた今日までのことに思いをはせました。
しばらくすると暗い街中でひときわ明るい光を放つ建物が見えてきました。
車はその敷地内に入って止まりました。
「着いたよ。行こうか」
僕は刑事さんたちと一緒に警察署に入りました。
1階からエレベーターに乗り、降りた階の廊下を歩いてとある部署に入り、その部屋の横にあるドアから小部屋に通されました。
「すぐ戻ってくるから。そこに座って待ってて」
体育会系の刑事が言いました。
僕は逮捕状が出されるのだろうかとちょっとびくびくしながら待ちました。
ガチャ、、、
「お待たせ」
入ってきたのは天パの刑事だけでした。
僕はこの刑事が苦手でしたが、人の話をしっかりと聞き厳正な判断を下すことのできる尊敬できる人でした。
天パの刑事は僕が座っている取り調べの机の対面にイスを持ってきて座りました。
「逮捕ですか?」
「う~ん。結論から言うとね、事件としては取り扱われなかったよね」
「と言いますと?」
刑事さんが言うには、瑠奈ちゃんの母親に事情を聴いているとき、多少はあなたにも非があるのではというようなことを言ったら母親は感情的になり、絶対に僕を逮捕するようにとわめいていたらしいです。
でも刑事さんたちがなだめ話を聞いているうちに落ち着き、態度が変わったとのことでした。
「で、大ごとにしたくないからこれから子供に近づかないと約束してくれるならもうそれでいいです、ってね。」
「そんなに簡単に決めていいんですか?」
「うん。というかね、君のしたことはとてもまずいことなんだけれど、本人やその家族がはっきりと被害を訴えない限り警察も動けないのよね」
「そうなんですか」
僕は安心感と、罪を免れてしまった罪悪感の入り混じった複雑な感情になりました。
「ただ無罪放免じゃないからね?一応、社会的には良くないことをしたわけだから。これ」
天パの刑事が1枚の紙を僕の前に置きました。
「何ですか、これ?」
「誓約書。同じことをもう繰り返しません。そして相手の女の子とももう関わりませんっていうね。相手の親の意向でもあるから」
「なるほど」
僕はペンを受け取り紙に向かいました。
「ここにね、今日の日付を書いて。で、その下のここから、私は〇〇瑠奈さんに」
刑事さんが反対側から指で紙の上をなぞりながら説明しました。
僕は書くのを断ることはできないのだろうかとふと思いました。
しかしその場の流れに飲まれてペンを動かし始めました。
平成○○年○月○○日
私は〇〇瑠奈さんに体を触るなどの猥褻な行為をし、ご迷惑をおかけしました。
なので私は今後一切、直接または通信手段などによって〇〇瑠奈さんに関わることをしません。
うろ覚えですがこのような感じで書いたと思います。
「最後に自分の名前を書いて。それから、これね」
刑事さんは僕が書き終わったのを確認して朱肉を僕の前に置きました。
「それに親指をつけて」
僕は言われる通り、朱肉に親指を押し当てました。
「で、ここに押して?」
これは拇印。
これを押せば法的な力によって僕はもう瑠奈ちゃんに会うことができない。
今は安心して寝ているであろう瑠奈ちゃん。
でも目が覚めて僕がいなくなったことを知った瑠奈ちゃんは悲しむかもしれない。
約束したのにと僕を恨むかもしれない。
また元の孤独な世界に戻されて絶望するかもしれない、、、。
でもどうしようもない。
僕は悪いことをしたのだから。警察の、社会の威光には逆らえない。
「分かりました」
僕は紙に親指を押し当てました。
その日から数日間、僕は家からほとんど出ずに過ごしていました。
「たかお、あんた一人暮らししなさい」
僕の母親が言いました。
僕を立ち直らせたいのと、桜子ちゃんや瑠奈ちゃんへの未練が残らないようにということだったのでしょう。
僕は実家から少し離れたちょっと都会な場所で1人暮らしを始めました。
瑠奈ちゃんとは当然会うことはなく、桜子ちゃんの母親はかまわないと言ってくれたのですが、僕は迷惑をかけたくなくて桜子ちゃんとも会わないことにしました。
それから数年後。
桜子ちゃんは僕に毎年年賀状を送ってくれていました。
でも僕のことを気遣ってか多くは書いていませんでした。
その春から夏へと季節が変わろうとしている頃。
桜子ちゃんの母親から連絡があり、娘と会いませんか?と言われました。
そして瑠奈ちゃんとも。
どうやら瑠奈ちゃんの両親が母親のヒステリーが年々ひどくなっていったことが原因で離婚し、親権は父親がとったらしいです。
そこでずっと僕に会いたがっていたという桜子ちゃんのために桜子ちゃんの母親が連絡を入れたところ、元々放任主義だった瑠奈ちゃんの父親はもう高校生なのだから自分のことは自分で決めたらと、僕と瑠奈ちゃんが会うことを黙認してくれたそうです。
それとこっそり教えてくれたのですが、僕が警察署で書かされた誓約書には時効があり、すでに切れているということでした。
ずっと会っていませんでしたが桜子ちゃんと瑠奈ちゃんはもう高校2年生。
僕は少し迷いましたが、2人に会いに行くことにしました。
場所は僕が人目をはばかるのを知って気遣ってくれたのか、少し遠いところでした。
僕が住んでいるのが千葉県なのですが、その中でも都会。
高いビルが立ち並ぶ中で、芝生が植えられた広い広場がありました。
そこに約束の日時に行くと、休日だったので子供連れの家族やカップルなどで人がわんさか。
僕が探し歩いていると、おしゃれな木の長椅子に本を読んでいる制服姿の女の子が座っていました。
特徴的なツインテール、あの子かもしれないと僕は近づいていきました。
「あっ!こんにちは」
女の子は顔を上げて僕に気づくと笑顔で挨拶をしました。
「こんにちは、えーと」
女の子は本を閉じ、すっと立ち上がりました。
「たかおさん、お久しぶりです。お元気でしたか?」
「え?あ、はい。お元気でした、、、。」
にこにこと敬語で話す女の子にとまどう僕。
「ふふ、、、ふふふふ(笑)」
「え?」
「あははははは!(笑)やっぱりたーくん相手に敬語は無理!」
「桜子ちゃん(笑)」
昔みたいにむじゃきに笑う桜子ちゃんに安心する僕。
彼女は背が伸び、より可愛らしい女性に成長していました。
性格は全く変わらず、でも立ち振る舞いには落ち着きと上品さが備わっていました。
「私だってすぐに分かった?」
「うん。そのツインテールでね」
「そ!ツインテール。私ね、高校生になってからは大人っぽくしようと思ってポニーテールに変えたんだ」
「そうなんだ」
「でも今日はたーくんが見つけやすいようにって。この髪型(笑)」
ツインテールを指でなでながら桜子ちゃんが言いました。
「眼鏡もかけてるんだね」
「うん(笑)本ばかり読んでたから目を悪くしちゃって(笑)」
桜子ちゃんは手に持っていた小説を僕に見せながら言いました。
「そうなんだ(笑)今以上に悪くしないように気をつけてね?」
「はーい!」
「それでなんだけどさ、、、」
「うん!ほら、あそこ」
桜子ちゃんが指をさす先には葉の生い茂った大きな木。
そのそばにたたずんでいるもう1人の制服姿の女の子。
「ごめんね?一緒にここで待ってたんだけど緊張しちゃったみたい(笑)」
僕が桜子ちゃんを見ると、彼女はどうぞと手で示しにっこりしました。
僕は木の方へとゆっくり歩いていきました。
もう1人の女の子はスタイルがとてもよく、短めの制服のスカートからきれいな足が伸びていました。
そして黒くてまっすぐな長い髪の毛。
僕は昔仲の良かった女の子のパーマのかかった茶髪の長い髪を思い出しました。
「る、瑠奈ちゃん?」
僕はもしかしたら別人ではないだろうかと恐る恐る話しかけました。
「たかお?」
振り返った女の子はとびっきりの美人でした。
でも僕を見つめる女の子の切れ長のきれいな目。
僕は確信しました。
「そうだよ。瑠奈ちゃん、久しぶり」
「うん。久しぶり」
桜子ちゃんの時と打って変わって緊張してしまう僕。
何を話せばいいか分からない。
「えと、あの。、、、昔のこと」
「なに?」
「最後に話した後、また急にいなくなっちゃって」
「あー、別にいいよ。私も子供だったからたかおのあの時の状況よく分かってなかったし」
「、、、怒ってない?」
「うん。確かに目が覚めた時は『なんでまた急にいなくなったの?』ってちょっとたかおのこと恨んだけどさ。仕方ないよ、それはもう」
「本当にごめんね?」
「うん」
僕と瑠奈ちゃんの間に流れる沈黙。
「あ、髪の毛黒くしたんだ?」
「うん、今通ってる高校の校則だから。変?」
「ううん、全然!すごく似合ってると思う!」
「そう?じゃあずっとこのままにしてようかな」
そう言って無表情のまま髪を触る瑠奈ちゃん。
そしてやっぱりまだ少し緊張しちゃう僕。
「2人ともちゃんとお話できた?」
桜子ちゃんが後ろからやってきてにこにこしながら聞きました。
「うん、できたよ」
「できたと思うけど。いいのかな、これで(笑)」
「いいんじゃない、別に」
「そっか!良かったね!」
おっとりとした桜子ちゃんとクールすぎる瑠奈ちゃん。
「そういえばさ、2人とも違う制服だよね?」
「うん。桜子は〇〇高校」
「え!?〇〇高校って私立でめっちゃ偏差値の高いとこじゃん!」
「その子中学に入ってからも勉強しなくてずっと最下位だったんだけど受験期になって急に才能に目覚めてトップに躍り出たんだよね。で、今のその高校でもトップ。だよね、桜子?」
「すごいな!」
「いや~、それほどでもありませんよ~(笑)」
僕の驚く様子に、頭をかいて照れる桜子ちゃん。
「それで瑠奈ちゃんは?」
「ん?ああ、私は普通の公立。」
「そうなんだ。」
「うん。ずっと勉強はしてたんだけどさ、私もともと頭が悪いからそこそこにしかできなくて。」
「そっか。でも気にすることないよ!どこの高校でも瑠奈ちゃんはやっぱり瑠奈ちゃんだよ!」
「ごめん、意味が分からない」
フォローしたつもりが滑ってしまう僕。
「私たち違う高校でもずっと仲良しなんだ♡ね、瑠奈ちゃん?」
「うん(笑)そうだね!桜子♡」
でも桜子ちゃんのフォローでなんとか乗り切りました。
「で?たかおは今何してんの?」
「俺?俺はね、ずっとフリーター(笑)」
「結局仕事見つからなかったの?」
「うん(笑)結果が出ないからすぐに諦めちゃった(笑)」
「マジで?ちょっとは頑張りなよ、このロリコン男」
「うっわ(笑)その呼ばれ方めっちゃ久しぶり(笑)」
「たーくん、昔ロリコンだったもんね(笑)」
「桜子ちゃんまで(笑)」
当然と言えば当然だがロリコンの意味をもう知っている桜子ちゃん。
「いや、今もでしょ。さっきから私たちの胸ばかり見てるし」
「見てないわ!(笑)」
「え~(笑)やだぁ♡」
胸を手で隠してあははと笑う桜子ちゃん。
そのしぐさにむじゃきだった彼女がもう性を自覚していると知りどきっとする僕。
「たかお、何見てるの?」
「え、いや(笑)」
「私の胸が小さいって?悪かったわね」
「いやいや(笑)言ってない(笑)」
でも服の上からでもふくらみが分かるほどに成長した桜子ちゃんの胸とあまり目立たない瑠奈ちゃんの胸。
「よりどりみどりですなぁ~♡」
「やっぱりこの人危ないわ。桜子、気をつけて」
「ふふふ♡それはさておき」
桜子ちゃんが座っていた長椅子から何かの機材を持ってきました。
「そろそろ3人で写真を撮りましょー!」
「それ、何を隣に置いているのかと思ったらカメラのスタンドだったんだ(笑)」
「そうだよ~?このためにわざわざここまで運んだんだからね」
桜子ちゃんがカメラをセットしながら言いました。
「2人とも並んで!準備はオーケー?」
カメラをセットし終えた桜子ちゃんが僕たちのもとにとてとてと走ってきました。
ぱしゃっ!!
「じゃあ出来上がった写真は後日、乞うご期待!」
桜子ちゃんがカメラを確認しながら言いました。
「じゃあせっかくだからこの広場をもっと散歩しよーよ!」
「本当に桜子ちゃん元気だよね(笑)」
「ねえ、たかお?」
僕と桜子ちゃんが行こうとすると瑠奈ちゃんが僕を呼び止めました。
「瑠奈ちゃん、何?」
「今度こそ、、、ずっと私たちと一緒にいてくれる?」
会ってからずっとクールだった瑠奈ちゃんが昔のように寂しげな表情を見せる。
僕が桜子ちゃんを見ると桜子ちゃんはにっこりとしてうなずきました。
「うん、もちろんだよ!今度こそずっと2人と一緒にいる。約束するよ」
僕がそう言うと瑠奈ちゃんはふっと笑って、僕に腕を組ませてきました。
「瑠奈ちゃん♡」
「桜子、そっちお願い」
「え?(笑)」
「はーい♡」
瑠奈ちゃんが言うと桜子ちゃんも反対の腕に組ませてきました。
「たかお、やっぱりまた逃げそうだから♡」
「ええ(笑)逃げないよ(笑)」
「桜子!そっち絶対離したらダメだよ!」
「うんー♡」
僕は2人に両側から腕をつかまれたまま、いろんな人たちの注目を集めながら広場中を連行されました。
(ああ、いつかもこんなことがあったな、、、(笑))
遠い昔のように2人とプールに行ったときのことを思い出し感傷に浸る僕。
「じゃあ今日はこの辺で勘弁してあげる」
「この辺って(笑)広場中を連れまわされたんですけど(笑)」
「まあまあ。桜子、もう離してあげていいよ」
「え~、やだ~♡」
腕を組ませたまま僕から離れない桜子ちゃん。
「なんで?」
「だってさ、私だってもう恋をするお年頃なんだよ?♡」
「は(笑)桜子、マジで?」
「うん♡」
「はー。こんな近くに最大の敵がいたなんて」
「ライバルだよ!親友と書いてラ・イ・バ・ル!」
「そっか。そうだよね(笑)ライバル!」
瑠奈ちゃんと桜子ちゃんは顔を見合わせてふふふと笑いました。
「じゃあ行こうか!」
僕たち3人は仲良く手をつないで歩いていきました。
現在僕は40歳も間近のおじさんですが、この時に2人と撮った写真をみると今でも昔のことを昨日のことのように思い出しますね。
それで最近偶然このサイトを見つけたので、その時の思い出話をしこしこと綴って今回まで投稿させていただいてきたわけです。
稚拙な文章だったかもしれませんが、最後まで読んで下さった方々には感謝しかありません。
「あなたー、ご飯ができたよー!翠子(みどりこ)も起こして連れてきてー!」
「はーい!」
妻に呼ばれたので僕はこれでお暇いたします。
では皆さん、お元気で。