遠い昔のお話。
俺…22歳。クソガリ。175㎝。53㎏。
彼女…26歳。173㎝、75㎏の巨漢、髪の長い神取忍。
苦痛と紙一重のセックスを終え、ピロートークからプロレスの話題になり
ひょんなことから彼女のプロレス愛に火が付き
お互い全裸のまま時間無制限一本勝負をすることになってしまった。
理由は彼女がこよなく愛するプロレスラー、グレートムタの毒霧を
「きったねぇ!」と一笑に付した俺の発言が原因であることに他ならない。
一瞬で目の色が変わった彼女、人殺しの目になる。
「はぁ!?ムタ様の聖水のありがたさがわかんないの!?そんなんだからいつまでも早漏なのよ!」
売り言葉に買い言葉、以前からプロレス技の練習台にさせられてきた俺も頭に血が上ってしまう。
「誰が早漏じゃこの豚!あの汚いおっさんから出る液体ナメック星人みたいな色してるやんけ!」
豚なのか、汚いおっさんなのか、はたまたナメック星人なのか。
どれが彼女の癇に障ったのかはわからないが本気でブチ切れさせてしまったようだ。
「表出ろ!お前みたいなヒョロガリが貶していい相手じゃねぇんだよ!」
「こんな格好で出れるかボケ!なんて口の利き方だ!出荷するぞこの野郎!」
既に午前0時を回っている。
ダブルベッドをリングに、それぞれのプライドを賭けた闘いの火蓋が切って落とされる。
単純な腕力だけなら俺に勝ち目はないが、スピードと体力、豊富な技のレパートリーでなら
俺だって負けちゃいない。
ましてや年上とはいえ、女に負けることはないと自負していた。
勝敗のルールはどちらかがギブアップをするか、3カウントのみ。
負けた方は土下座で床に頭を擦り付けて詫びを入れ、今後一切の会話は全て敬語となる。
ブタに敬語!?ちゃんちゃら可笑しいわ!
「吠え面かくなよ!」
息巻くスポポビッチに対し俺も「豚汁にしたるわ!」とすかさずやり返す。
ゴングを鳴らし、まずはお互いの腹の内を探るべく手四つから入る。
豚足と組んだ左手にはすぐさま力が込められ、グリっと逆に捻じられる。
(いだだだだだ!?なんて握力だこの豚!?蹄がまるで万力のようだ!)
指の骨が粉々にされると思い焦った俺は起死回生の逆水平を放つ。
「かはぁっ!?」
身長のせいか偶々なのかはわからないが
狙いが逸れて彼女の喉に思いっきりチョップをかましてしまった。
喉を押さえ、ゲホゲホと咳き込む彼女を見下ろし、しばし茫然と立ち尽くす俺。
悪かったとは思ったが負けた気がするので謝る気にはなれなかった。
相手の呼吸が整うのを待つ。
2~3回の深呼吸の後、立ち上がった彼女は鬼の形相をしていた。
その戦闘力は戦闘タイプのナメック星人を遥かに上回る。
「絶対許さねぇ!」
怒り狂ったドドリアは俺の身体を軽々と持ち上げ
容赦ないアルゼンチンバックブリーカーを繰り出した。
背骨が砕けそうになり、あまりの痛みに涙が出そうになる。
ゴミのように投げ捨てられ、跪く俺にモンゴリアンチョップの嵐。
堪らずベッドを転げ落ちエスケープする俺。
既に背骨がピキピキいっとる。
(なんて恐ろしい豚だ!まともにやったら死んでしまう!)
カウント8でベッドに戻った俺はすぐさまダブルアームスープレックスを仕掛ける。
しかし、テンパって体格差を忘れていた俺の投げは潰れ、宙に浮いたやつの身体が全体重をかけて俺の胸に落ちてきた。
「ぐはぁっ!?」
ビキッというような嫌な音が聞こえた気がした。
アバラ負傷!(1本目)
必死にダメージを隠そうとなんでもない風を装う俺を、やつは半笑いで見下す。
「へっwだっせぇ!手加減してやろうか?」
(んの野郎!)
「勝った気になってんじゃねぇぞズゴックが!」
書いててイライラしてきた。
俺はやつのデカい乳を鉄の爪と呼ばれるアイアンクローで握り潰した。
途端に顔を歪める彼女。
きったない面しやがって!
プロレスルールを忘れたのか手加減なしの全力ビンタが俺の首を吹き飛ばす。
あまりの衝撃に一瞬意識が飛びかける。
膝をついて歪んだ景色を見ている俺の髪を掴み、無理やり立ち上がらせようとする手を払い俺はやつの足にタックルをかまし、先に立ち上がる。
恥辱にまみれ、プライドをへし折ろうと考えた俺はプロレスのリングではあまり見ない技を仕掛ける。
再度ダブルアームスープレックスの体勢になり、やつはまたかと子供の遊びに付き合うように面倒くさそうなやる気のない動きでそれに付き合う。
(舐めやがって!目にもの見せてやる!)
俺はすかさず後ろに転がりながらやつの両足をロック。
戸惑う一瞬のスキをついて無理やり足を拡げ、マンコを全開にしてやる。
秘技、恥ずかし固めである。
「なっ!?クソがぁ!」
無防備にさらけ出されたマンコを隠そうと必死に手を抜こうとするが
ダブルアームのままがっちりロックして固めているため動けない。
相当恥ずかしいのか醜い罵詈雑言を浴びせてきた。
「てっめぇ!ちゃんとプロレスで勝負しろよ!包茎!」
このまま負けを認めるなら許してやらんこともないと思っていた仏の俺も包茎の一言でブチ切れた。
「てめぇマジで許さねぇ!この臭マンが!磯臭いんじゃ!」
前々から言いたくても怖くて言えなかった一言を浴びせかけ俺は激しい手マンを喰らわせる。
「ああんっ!」
濡れてやがる。
(ぶっさいくな面しやがって!)
途端に喘ぎ声をあげ、ハッとして口を噤む。
「どーしたぁ!?鳴けブタぁ!遠慮するなぁ!」
グチュグチュグチュグチュと乱暴に掻き回す。
「あんっあんっあんっあんっ!」
もはや抵抗を止め、人の身体の上で快楽を貪っている。
「重てぇんじゃこの豚!ブヒブヒ言ってねぇでさっさと退けろ!」
マン毛を鷲掴みにして放り投げる。
「いてえよ~!!」
ブチブチとマン毛を力任せに引き抜かれたハート様は荒い呼吸を繰り返す。
俺は手に貼り付いたマン毛を放り投げ更なる恥辱
恥ずかし固め・桜庭バージョンで目いっぱい股関節を開いて固定する。
「おいっ!これやめろっ!」
バタバタと腕を振り回し俺の顔にパウンドを浴びせる。
暴れることゴリラの如し。
それはドラミングを思わせた。
「暴れんなこのメスゴリラ!」
俺は再度激しい手マンを喰らわせる。
「あんっあんっあんっあんっ!」
シーツを握りしめ首を左右に振って見悶える。
飛び散るマン汁はエイリアンの唾液のような殺傷力。
まともに浴びればひとたまりもない。
「どけブタぁ!」
俺はマン毛を引っ張って無理やり退かせてベッドから蹴り落とす。
もはや抵抗する気力もないのか、全身をブルブルと震わせている。
蚊の鳴くような声で怒りを滲ませる山のフドウ。
「あんたねぇ…!いい加減にしなさいよ!」
どうやら足腰が立たず憎まれ口を叩くのが精いっぱいの様だ。
動かざること山の如し。
思い知ったか!
俺は回復する暇を与えまいとフィニッシュはさらに恥ずかしい技を仕掛けるべく
およそ女子が知る由もない大技、キン肉バスターで止めを刺す。
完全に動きを封じて押さえ込む魔封波的な技だ。
ベッドの枕もとの棚の部分にやつのデカいケツを無理やり下ろさせ
首と足をロック、思い切り足を拡げてマンコだけじゃなくケツの穴まで全開にしてやる。
後は持ち上げてケツから着地というところで問題発生。
重すぎて持ち上がらない!
中腰で屈んだ状態のため足がプルプル震え、今にも潰れそうになる。
こなくそ!と歯を食いしばり、少しだけ持ち上げるが
もちろんやつは見たことも掛けられたこともない技。
というか普通に生きてたら一生かけられない。
垂直になるように協力することを知らない彼女を
無理やり持ち上げた俺の腰からグキッと嫌な音がする。
「がはっ!?」
腰椎負傷!
齢22歳にして腰に爆弾を抱える。
下半身から力が抜けて直角近い角度で崩れ落ちた。
「ぐはっ!?」
「はうっ!?」
脳天から俺の身体に落ちた彼女。
頸椎負傷!
ボディに全体重を乗せたヘッドバッドを喰らった俺。
アバラ負傷!(2本目)
(横隔膜がぁ!横隔膜がぁ!)
呼吸困難でパニクった俺は、マングリ返しで固まる彼女の横でチングリ返しで並ぶ。
(俺たちは深夜に一体何をやってるんだ!?)
痛みが治まるのを待って俺たちはマットを3回叩いた。
17分44秒引き分け。
翌日、俺たちは二人揃って病院へ向かい診察を受けた。
俺…肋骨2本を骨折。ぎっくり腰。全治4週間。コルセットで固定。
彼女…首を捻挫。全治2週間。コルセットで固定。
医者に原因を訊かれたが、ダンプ松本に襲われたと乗り切った。
それから間もなく、キン肉バスターが原因で俺たちは別れた。
引き分けのはずだったのに何故か最後はお互い敬語だった。
この稀にみる惨劇から世の男性諸君に俺から言えることはただ一つ。
キン肉バスターは諸刃の剣。