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「―次いつ休み?その日抜いてくれよ―」
ピンサロでなっちゃんと再開してから数日後の夕方に僕は彼女にメッセージを送った。
「―ねぇ、それまじで言ってんの?―」
翌朝目覚めると、彼女から深夜に返信が来ていた。僕は寝起きで目を擦りながらメッセージを送る。
「―まじに決まってんじゃん。ま、嫌なら別にいいけどさ―」
すると意外にもすぐに既読が付いた。
「―ほんと見る目変わるわ。あんたはただ私の弱みにつけ入っているだけ―」
文面から今の彼女の表情が想像できた。
「―別に世間体を考えなければ風俗嬢もちゃんとした職業じゃん。バレたくないっていうのはなっちゃんのプライドだろ?俺が弱みにつけ入ってるって思うのならおばさんに自分から告白すればいいじゃん―」
そう僕がメッセージを送ると、またすぐに既読が付いたが、夕方まで返信はなかった。
「―ほんと最低。こんなの絶対許さないから―」
「―ここまでくれば許してもらおうなんて思ってないよ。俺は純粋になっちゃんとそういう事がしたいだけ。で、いつなら会える?―」
僕は返信を待ったが、彼女はしばらく既読を付けずメッセージの返信もなかった。次に返信が来たのは数時間後だった。
「―次の金曜の夜なら空いてる―」
あいにく僕は仕事の日だった。正直当日にならないと早く切り上げられるかなんて分からない。
「―了解。その日は仕事だから当日に改めて連絡するよ―」
僕がそう返事をすると彼女は既読だけを付けて、それ以上何もメッセージを送っては来なかった。
そして約束の金曜日。僕は定時で上がる予定だったが、週末だから何かと忙しくて定時は無理だった。昼の時点で定時に上がれそうにない事が判明したから、彼女にメッセージを送った。
「―ごめん、今日定時で帰れそうにないわ。余裕をみて21時に駅前でどう?シャワー浴びなくていいんだったらもう一時間早められるけど―」
相変わらず彼女からすぐに返信はなく、定時の18時を少し過ぎた辺りでやっと返信が来た。
「―キモい。シャワーぐらい浴びてよ。駅前のコンビニの前で待ってるから―」
(ふっ、キモい…ねぇ)
多分これが好きな女性からキモいと言われたのなら、さすがに少しへこんだかもしれない。ただ僕にとってなっちゃんは従姉妹だから当然恋愛対象ではなかった。だからどんなに罵られようが、きつく当たられようがそこまでダメージは受けなかった。
むしろスタイルも良く美形の彼女に罵られながらするプレイを想像して少し勃起した。
僕は母に車を借りる事を告げ、実家の軽自動車で待ち合わせ場所に向かった。駅前のコンビニという事もあってここに駐車場は存在せず、ハザードランプを点けてしかたなく路肩に車を止めた。スマホで時間を確認すると20時52分だった。
これは完全に僕の偏見だが、水商売の女は時間にルーズだと思い、車に乗ったまま窓を開けて煙草に火を点けた。そして煙草咥えながら何気なく辺りを見回しそれらしい人物がいないか確認した。するとコンビニの店内のレジに一人の女性の後ろ姿が目に入った。
女性は買い物を済ますとコンビニから出て来てゆっくりとこちらに近付いて来た。そして僕の煙草の臭いが届くぐらいまで近付いた時にその女性がなっちゃんだと気が付いた。目が合うと彼女は黙ったまま手を上げた。僕はもっとエロい服装を期待したが、彼女はジーンズにスニーカー、そして少しピチッとして胸の大きさが目立つグレーのTシャツを着ていた。
「よくここにいるってすぐ分かったな」
「だってこれおばちゃんの車でしょ?何回も見てるし」
「ああ、そゆことね」
「で、どこ行くの?あたし超疲れてんだけど」
「じゃあ…ホテルか?」
もちろん半分冗談のつもりだったが、それを聞いた彼女は見た事が無いほど嫌な顔をした。
「それだけはマジで無理!約束と違うじゃん!」
「冗談だろうが。そんなに嫌がんなよ」
「私はそこまで堕ちてないの!そう易々とあんたの性奴隷になんかならないわよ!」
(性奴隷って…誰もそこまで言ってないじゃん)
僕が苦笑いしてはぐらかすと彼女は続けて言った。
「それで?何回抜けば気が済むのよ?」
「俺が飽きるまで」
「馬鹿じゃないの!?」
別に悪気があった訳じゃなくてわりと真剣に答えたのだが、彼女は気に入らなかったようだ。車の後部座席のドアを開けて車内に入るとドアを勢い良く閉めた。
「何でわざわざ後ろに座るんだよ。俺は送迎のドライバーじゃえねぇぞ」
「あたしがどこに座ろうが勝手でしょ。別にあんたの彼女でもないんだし」
僕は何となく分かっていた。これはあくまで僕の想像だが、恐らく彼女は僕の隣に座ると何かしらのセクハラ被害に合うと警戒している。だから服装もあえて露出の少ないジーンズをチョイスしたのだと思う。
「別に何もしねぇって。何を警戒してんだが…またイカされるとでも思った?」
そう言って僕は笑ったが、後方に座る彼女からはまったく笑い声が起こらなかった。
「純さ、面白いと思って言ってんだろうけど、そういうの本当にキモいよ?いつからそんなになったんだよ」
「いつからって…お互い様だろ?こっちも言わせてもらえば、俺の知ってるなっちゃんはいくら金が必要だったとしたも風俗でなんか働かないし」
彼女は黙ったまま窓を開けた。そしてバッグから電子タバコを取り出すと機器に煙草を刺して、吸引可能を知らせるランプの点滅を見つめた。
「あんたって昔からそんなだよね。何ていうか、理屈臭いっての?あーいえばこういうみたいな…聞いた時は同情したけどさ、あんたを振った彼女も嫌気さしてたんじゃない?多分あんたと一緒にいるとすごく疲れるよ」
「何だよ、隠れて風俗でこそこそ働いてるよりマシだろ?少なくとも俺は日の当たる時間にまともな仕事してるよ」
それを聞いた彼女は溜め息と一緒に煙草の煙を吐いた。
「そういうところよ。別にあたしは職業の話をしてる訳じゃないじゃん?あんたの性格の話をしてるの。なのに何でそんな切り返しになるかなぁ。それに職業に優劣つける所とかほんとモテないよ」
「俺からすればなっちゃんも十分理屈っぽいけどね」
「まぁ、あたしはそうだろうね。上の姉さん二人が馬鹿だから。あんなの見てたら嫌でも理屈っぽくなるよ。何事もしっかり考えてから行動するようになってしまった。あとさ、隠れてこそこそ働いてるとかって表現やめてくれる?」
眼前の信号機が赤に変わり僕はブレーキペダルを踏み込んだ。
「やめてくれるって…だって本当の事じゃん。誰にも知られたくないんだろ?俺に職業の優劣つけんなって言うわりには自分が気にしてんじゃん」
「知られたくないってそれは身内にだけよ。他は気にしない。自分の夢の為にお金が必要で働いてるだけだからわざわざ親に心配掛けたくないのよ」
「じゃあ心配掛けないようなまっとうな仕事しなよ。そうやってお金貯めて独立してる経営者もいっぱいいるだろ」
「はぁ?高卒の私に風俗ぐらいてっとり早く稼げる仕事があるんならあんたが紹介してよ。それなら風俗なんか喜んで辞めてやるよ」
信号機が青に変わり、アクセスペダルを徐々に踏み込む。
「何でそうなるんだよ。自分の事ぐらい自分で何とかしろよ」
「だから自分で何とかしてるじゃない…そんな口だけのおせっかいはいらないから」
「それでも…それでも風俗はないだろ」
「…もうその話やめない?あんたと話してるとイライラするし疲れるわ」
「本当の事だからイライラすっ…!」
僕がルームミラーを見ると、彼女は足を組んでスマホに目を向けて自分の世界に入ってしまっていた。もうこれ以上あんたと話す事はないという意思表示だ。だから僕もこれ以上何も言わなかった。それから僕はしばらく車を走らせて、たまたま目についたカラオケボックスの駐車場に入った。
ギアをバックギアに切り替えた時に彼女はようやく気が付いた。
「えっ、何でカラオケ?」
「何でって…個室だから。外よりマシだろ?」
「そりゃそうだけど…にしても他にもっとあったでしょ」
「じゃあどこだよ?言っとくけどホテルは嫌って言ったのはそっちだからな」
「うん…」
僕は彼女からの返答を待ったが、有用な意見は何も返ってこなかった。
「ほら、行くぞ。金曜だから混んでるかもな」
「あたし待つの嫌なんだけど」
「何様なんだよ」
しかし店内に入ると思いのほかすいていて、店員から部屋番の札を渡されてすぐに入れた。たまたまだろうが僕達が案内されたのはソファー席ではなく、座敷型のマット席だった。案の定彼女は文句を言った。
「えぇ…マットじゃん。最悪」
僕は彼女の言葉を無視して一人適当にドリンクバーのジュースをくみに出た。両手にグラスを持ち部屋に戻ると、彼女はマットの端に腰掛けていた。どうやら靴を脱いでマットに上がる気はないようだ。
「おい、そんなとこいたら邪魔だろ。早く上がれって」
「あたしここでいい。純だけ上がりなよ」
多分彼女はマットに上がると僕に何かされると警戒していた。僕はそう推測しながらも強引に彼女をマット上へ上げると奥へと押しやった。彼女は不機嫌そうに奥に追いやられると壁に背をつけて、体育座りで固く足を閉じた。
僕は単純にまずはカラオケを楽しもうと考えていたが、彼女にその気はないらしく終始不機嫌そうにしていた。そんな姿を見ていたら気を遣っている自分が馬鹿らしくなってもういいやという気持ちになった。
座る彼女の前に仁王立ちし、ベルトをカチャカチャと外した。その音で彼女は一瞬こちらを見たが、すぐに手もとのスマホに視線を落とす。そして冷たく言った。
「抜いたらあたしすぐ帰るから」
僕は何も答えなかった。そしてだらんと垂れた性器を彼女の頭上に近付けた。彼女は溜め息をついてから膝立ちをして軽く性器を握る。それからゆっくりと亀頭の皮を前後にめくった。もちろん僕の性器はすぐに勃起した。彼女は無関心そうに徐々に手の動きを早めた。
「ちょっと…あんた本当にシャワー浴びた?ちんこ臭いよ」
「浴びたよ。臭い方が良いと思ってそこはそんなに洗ってない」
「はぁ?それまじで言ってんなら頭どうかしてる」
僕は大まじだった。性格に難はあるがこんな美人に臭いと罵られながらされるプレイを想像して興奮したのだ。幸いにも彼女は僕の思惑通り「臭すぎんだけど!」と罵りながら手コキをしてくれた。薄々感じていたが、この辺で自分がMじゃないかと疑惑が確信に変わりつつあった。
それから僕は下半身を露にした状態でマットの上に仰向けに寝転んだ。それを見た彼女は一瞬戸惑ったが僕の意図を察したのか、今度は派手なショッキングピンクのキャラクターモノの靴下を履いた足で僕の勃起した性器をこねくり回した。
「きもすぎ。純ってそういう感じだったんだ」
そう言いながら彼女は亀頭を中心に靴下を履いた足で何度も踏みつけた。彼女が足を離すと靴下には僕の我慢汁が付着していた。
「ほら、ご褒美よ。足も嗅ぎなさいよ」
そう言って彼女は足を僕の鼻に当てた。僕は何度も深呼吸して彼女の足の臭いを嗅いだ。彼女の足は靴下についた柔軟剤の香りがした。
「はぁ…はぁ…なっちゃん…!」
「気安く名前呼ばないでよ、変態さん」
それから彼女はしばらく僕の性器を踏み続けた。そして僕はついに我慢の限界を迎える。
「ちょ!なっちゃん!」
「っっ!?なによ!?」
僕は起き上がり彼女にタックルをするような形で飛びついた。
「きゃあっ…!」
彼女は倒れ込みその上に僕が乗る。先ほどと逆の構造となった。僕は彼女の両腕を膝で挟んで股がったので、彼女は足をバタバタさせて抵抗するしかなかった。
「ちょっとっ…!やめてってば!重い!」
僕はちょうど彼女のへそ辺りに腰を下ろした。彼女は露になった僕の性器が自分の服に当たっているのが相当嫌そうに見えた。だが僕は彼女の罵声を無視して両手を使い服の上からゆっくりと胸を揉んだ。
「ちょ!!何してんのっ!!やめてって!!」
相変わらず彼女は足をバタつかせ必死に抵抗した。しかし女の力では男の僕の体重をひっくり返す事はできなかった。
「なっちゃんの胸すげー柔らかい…どう?気持ちいい?」
「気持ちくない!ほんとにやめて!!」
「そんな事言うなよ」
そう言って僕は上体を屈め、彼女にキスをしようと顔を近付けた。
「やめてっ!!まじでやめて!!んんっ…!」
僕は彼女に馬乗りした状態で強引にキスをした。彼女は唇が触れる寸前まで必死に顔を横に振って抵抗したが、最後は僕が彼女の両頬を両手で掴んで強引にいった。
「んー!んん!!!」
真剣に嫌がる彼女を見て僕は萌えた。唇を離すと、ベロベロと彼女の唇を舐めた。ついでに鼻や頬も唾液をたっぷり絞り出して舐め回した。彼女は目と口をガチガチに閉じてえずきながら必死に抵抗する。
「じゃあそろそろ…」
僕は少し腰を浮かせて体を前にずらし、性器を彼女の口元に持っていった。性器の異臭に勘づいた彼女はそこで目を開けた。
「くっさ…!おえっ…」
彼女は涙目になってえずきながら僕の性器を睨んだ。僕は容赦せずそのまま性器を彼女の唇に当て、そのまま彼女の口内へ押し入れた。
「ほら、なっちゃんのせいで我慢汁でベタベタじゃん。お得意のフェラでしっかり吸いとって」
「んんっ…んっ…んー……」
初めはただ咥えただけの彼女だったが、口内で少しづづ生暖かい舌を回転させて亀頭を中心に舐め始める。
「そうそう…良い感じ」
彼女が早く終わらせたいのは明白だった。僕が立ち上がると彼女は自ら膝をついて手コキをしながら激しく顔を前後にピストンした。
「んっ…んっ…!」
あぁ、このままだと前回同様にすぐイッてしまう。僕は激しく顔を振る彼女の頭を両手で押さえて動きを止めた。
「んんっ!?…何?」
彼女はイラッとしながら僕を見た。僕はそんな彼女を無視して彼女のデニムのベルトに手を掛けて強引に外した。
「ちょ、ちょっと……!やだ!」
彼女も必死に抵抗したが僕が本気で力を入れてベルトを外し取るとすぐにジーンズがはだけた。はだけたジーンズからはリボンの付いたブルーのパンティが顔を出し、僕は一気にジーンズを下にずり下ろした。
「いやぁぁあっ!!」
彼女はパンティ姿のまま絶叫したが、ここはカラオケボックス。その悲鳴も虚しくすぐに消えた。もうここまで来れば挿れるしかない。僕は血眼になりながら彼女のパンティも強引にずり下ろした。すると、Vラインにそって綺麗に手入れされた、やや細目毛質の陰毛が僕の眼前に現れた。
じたばたする彼女の膝を押さえ込み、露になった彼女の膣に優しく触れるとぬるっとした愛液の感触があった。この状況で濡れるか?と疑問に思った僕は、手に付いた愛液を目視で確認しながらもう一度彼女の膣に触れた。
「ああっ…んっ」
撫でるよう触り、指を入れた。彼女からは小さな喘ぎ声があがった。
「なっちゃん濡れてるじゃん」
「濡れて…ないっ……!!」
「いやいや、どう考えても濡れてるよ」
そう言って僕は彼女の膣に中指を入れ、くちゅくちゅと膣内をかき回した。
「あっ、んっ…あんっ…!」
彼女は両手を開いて股を隠すように抵抗したが僕の指は彼女の手のひらをすり抜けて容赦なく陰部に侵入した。だが、彼女はそれでも必死に抵抗した。スピードを緩める事なく手マンを続けると、股を隠そうとしていた彼女の片手は口を押さえ始め、片手で股を隠しもう片方の手で口元を覆った。
「別に声が漏れても大丈夫だろ。外には聞こえてないから」
口調は優しかったが僕の手は激しく動いたままだ。
「あっ、あんっ!んっんっ!…ック…!」
「んー?」
「やあんっ!んん!ちょ…!イクッ…!イクッ…イク!イク!イクッ……!あああっ!!!」
彼女は両手で顔を覆いながら全身を震わせ絶頂を迎えた。僕は彼女の愛液でベトベトになった指を見た。そしてビクビクと脈打った勃起した性器に視線を移す。
彼女は仰向けになったままぐったりとしている。いまだに顔を手で覆いながら肩で息をしていた。僕は性器を手で添えながら彼女の陰部に近付けた。そして性器が陰部に触れた時、彼女はようやく僕が何をしようとしているか理解した。
「それはだめっ!!」
彼女は急いで上体を起こし、僕を引き離そうとした。だが時すでに遅し。ギンギンに勃起した僕の性器は「にちゅっ…」と音を立てて彼女の膣に侵入した。
「いやぁっ……だ…め!…あっ…んん」
暖かい彼女の膣の肉が僕の性器を包み込む。彼女の愛液と僕の我慢汁が絶妙に混ざり合い、まるでローションを使っているのかと錯覚するほど滑らかだった。
「ああ…なっちゃん…あそこの締まりすげー良いよ」
「うるっさい…!抜い…てっ!ああっ」
「俺もすぐイクから我慢して」
その言葉を最後に、僕は正常位のまま無我夢中で腰を振り続けた。そこに相手を楽しませる気遣いなんて全く無く、ただ自分だけが気持ち良くなるためだけに腰を振った。
「あんっ、あっ、んんっ、んっ!」
激しすぎるピストンのせいで、性器の連結部からは返り血を浴びるように彼女の愛液が僕の腹にかかった。
「あっ、あんっ、あうっ…またイッ…ちゃう…!ってばぁ…」
「俺もイキそうっ…!」
「んっ…!あっあん、外に…出してっ!中…はだめぇ」
「ああ!?そんなの知る…かっ!」
パン!パン!パン!と激しさはより一層増した。
「もぉ、あっ!ちょ…!もう!!ああっ…イクッ…!イク!イク!…っだめぇ…ああーっ!!んん!!」
「ああっ!!」
そして僕は思い切り最後のひと突きを入れた。そのひと突きで彼女と同時に絶頂を迎えた。僕の性器は彼女の膣の奥深くにめり込んだまま、大量の精液を射精した。血行が良くなった性器はドクドクと脈打ちながら数秒間射精の勢いを止めなかった。
「あっ…ん……あっ……」
性器の脈打つ僅かな振動でも彼女は感じていた。ようやく出きった精液を確認しながら性器を抜くと、彼女の膣からは白く粘着性のある精液がどんどん溢れ出す。
「やっべ…すげー出た」
彼女は黙ったまま卓上のおしぼりに手を伸ばし、自分の陰部周りを執拗に拭いた。それを見た僕も残ったおしぼりで自分の性器を拭いた。
「すげー気持ちよかった」
行為後の室内には何とも言えない気まずい空気が漂った。彼女は僕の言葉には一切反応せず、背を向けたままスマホをいじっていた。
「お前二人きりの時にそういう態度やめろよな。いきなり挿れたのは悪かったよ」
「いきなり悪かったって…初めからそのつもりだったくせに。…妊娠したらどうすんのよ」
「大丈夫だって。次からはちゃんとゴムつけるよ」
「はぁ?……ほんと呆れる。何よ次からはって。これきりにして」
「別にいーじゃん。彼氏もいないんだろ?そんな頻繁に誘わないからさ。それでも気持ち良くないからって言うなら別に無理には頼まないけど」
「…………」
「いやいや、だんまりはやめろって。どうだったんだよ」
彼女は髪をかき上げながら言った。
「あんたも童貞じゃないんだから、そんなの反応見たら分かるでしょ?いちいち言わせないで」
「じゃあ相当気持ち良かったって事だな!交渉成立!」
「なっ!?…まぁいいわ。それと1つだけ条件」
「何だよ?」
「お金が貯まって私が風俗辞めたら絶対に関係を終える事。勘違いしないで欲しいんだけど私はあんたとセックスがしたい訳じゃないから。ただヤりたいだけならイケメンの男友達を誘えばできるでしょうし」
「はいはい、分かりました」
それから僕と彼女のこの契約は約2年続く事になった。どちらも結婚には至らなかったけど恋人ができた時期もあったが、平均すると月に2、3回はセックスをした。親族で集まった正月にカーセックスもしたし、法事の時はトイレでフェラで抜いてもらったりもした。
そしてついに彼女がエステサロンをオープンさせる目処がついたと叔母から母に連絡が入った。という事はもちろん風俗も辞める事になる。僕にとっては彼女との契約の終了が近い事を意味した。
僕はその話を聞かなかった事にして彼女といつも通り約束を取り付けて会う事にした。すると彼女の方から僕に話を始めた。
「あたし今週いっぱいで店辞めるんだよね」
「あ、そうなの?じゃあお金貯まったんだ。おめでとう」
「何とかね。借りる店舗の契約も済ませてサロンのオープンの日も決まったし。後はそれまで備品とかの準備をするだけ」
「そっか」
彼女が何を言いたいかはすぐに理解したが、僕はあえて自分から話を進めなかった。しかしそんな僕を見かねて彼女は本題に入った。
「だからあんたとの関係も今日で最後。約束分かってるよね?」
「ああ、分かってる」
僕は単純に落ち込んだ。2年間セフレとして彼女と過ごして好きになった瞬間は一度も無かったが、それでもこれだけ可愛い女性と好きな時に無料でセックスができるという事はありがたかった。おまけに彼女のテクは上級で何度味わってもそのテクにマンネリする事は無かった。
寂しい…とは少し違うかもしれないけれど、僕は落胆した。だけど約束は約束だ。僕は平然を装って彼女に言った。
「じゃあ今日は盛大に盛り上がらないとな」
「盛り上がるとかないでしょ。けどまぁ……」
「けど?」
彼女は何かを言おうと悩んでいた。そして目を反らしながらゴニョゴニョと言った。
「別に…別にたまにだったら良いけど」
「何が?」
「セックス…続けてもいいかなーって。もう2年もしてるし何か生活の一部みたいな感じになってるし」
彼女からまさかの申し出に僕は唖然とした。冷やかしたい気持ちもあったがここでそれをしたら彼女が憤慨するのが目に見えた。だから僕は「おおっ」とだけ言い関係の継続を承諾した。
それからわずか1年後。彼女の妊娠が発覚した。その知らせを母から聞いた僕は足が震え、全身から汗が吹き出した。だが母が言うには彼女には付き合って数ヶ月の彼氏がいて、その彼氏との子だそうだ。
「やっぱりなっちゃんも出来ちゃった婚になりそうねぇ…私はてっきりあの子だけはちゃんと順番通りにゴールインすると思ってたのに」
僕は何も答えなかった。そんな僕を見て母は言った。
「あんたもそう思わない?」
冷静さをかいた僕はてっきり口を滑らせてしまった。
「それ本当にその彼氏との子かなぁ…」
開いた口が塞がらない、とはまさにこの事かと言わんばかりに、こちらを振り返った母の口が大きく開いていた。