バイト先の女子大生みこちゃん

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「ありがとうございました~」

時計に目を向けると、時刻は午前3時半を指していた。毎日この時間にやって来る作業着のおじさんはいつものスポーツ新聞とカップコーヒーを買うと、イートインコーナーに設置された珈琲マシンへと向かう。

僕はおじさんをチラッと見て、そのまま視線を店の外に向けた。駐車場ではこれまた時間通りに、店の商品を積んだ運搬トラックの兄ちゃんが台車に納品のカゴを積み上げていた。

「今日は納品多そうっすね」学生バイトの小泉くんが僕に声を掛けた。

「うん、これはちょっと時間掛かりそうやな。あれやったら先煙草吸っておいで」

「いいんすか?……じゃあお言葉に甘えて」

小泉くんは羽織っていたユニフォームを脱いでパーカー姿になると、コーヒーを入れ終わった作業着のおっちゃんと同時に店外へと姿を消した。そして店内はレジにもたれ掛かる僕1人となった。

どちらかというと独りが好きな僕は、こういう時間を退屈に思わなかった。いつも何かしら考え事をする。この日は先月30歳になった自分の未来を想像した。だが上手く想像できない。僕はこのコンビニで20歳の頃からずっと夜勤のバイトをしている。

大学を卒業して普通に就職したのだが、外れくじを引いてしまい3ヶ月で退職した。そして再就職にも失敗した僕は店長に頼み込んで再び夜勤のアルバイトとして拾ってもらった。初めはパートのおばちゃんに何かと詮索されて居心地悪く感じたが、そんなもの数日で気にならなくなった。

だから社会人経験がほぼゼロに等しい僕に、自分の未来を想像する事は難しかった。ここ以外で働いている自分をイメージ出来なかった。時給ではなく固定給を貰い、夏と冬にボーナスを貰って浮かれている自分が想像出来なかった。

気が付くと小泉くんが煙草の臭いをまとわりつかせながら僕の隣に戻ってきていた。すると突然彼は、僕の心の中を見透かしたかのように言った。

「三船さんって今年で何歳でしたっけ?」

「30やで」

「アラサーですやん!」

「何やねん?女ちゃうしそこまで気にせんよ」

「就職とかせんのですか?」

でたでた。これは今僕が嫌いな話題ランキング上位に入る話だ。もし自分が彼の立場なら気を遣って絶対訊かない。

「そやなぁ。まだ何にも考えてないかなぁ。そりゃもちろんええ話があれば就職せんでもないけど……」

「へぇー。何か俺は三船さんが羨ましいですわぁ…自由気ままにって感じするし。俺なんか今から憂鬱ですよ」

内心カチンときたが堪えた。

「そういや小泉くんは就職決まったらしいな。店長から聞いたわ」

「まぁそうっすけど、ギリギリですよ。もっと就活の準備しとけば良かったなぁ」

「おいおい、このご時世正社員で雇ってもらえるだけでも感謝せなあかんぞ。非正規の人もいっぱいおるんやから」

「うーん…けど全然どうでもええ会社やしどうやろ?すぐ辞めてまいそうですけどね」

「あほ。そんな簡単に辞めてもうたら次なかなか決まらんぞ」

「あ、そっか……何か……すんません」

小泉くんはばつが悪そうに愛想笑いでごました。

「そんな気遣うなって。俺もまだ30やねんし余裕あるわ。ただ条件を選んでしもて決めかねてるだけやねんし。その気になれば仕事なんてすぐ見つかる」僕は無理矢理明るく振る舞って話題を変えた。

「つーか、彼女とかどうなん?おらんの?」

「いないっすよ。やけど就職先の同期に事務の女の子やけど、何人か可愛い子おるんすよ。今から狙ってますわ」

「へぇ、何かそういうのええな。懐かしいし羨ましいわ」

「三船さんはいないんですか?」

「今年30のフリーターやで?しかもコンビニ夜勤の。おると思うか?」

「あ、そっか。てかコンビニの夜勤やからおらんみたいな言い方は違う気がしますけど」

「あ、そっか…って自分失礼すぎるやろ!」

そうこうしてる内に配送の兄ちゃんが店内に台車を転がしながら入って来た。僕らは台車に乗せられたカゴから商品を取り出して並んで品出しを始める。

「三船さん」

「何?」

「今晩シフト入ってませんよね?暇やったら遊びません?行きたいとこあるんすよ」

「今日?…別に予定無いしええけど。どこ行くん?」

僕は過去に小泉くんと何度か遊んだ経験がある。だからこの誘いも特に驚きはしなかった。

「ノエラって分かります?」

「ノエラって…もしかして最近オープンした駅前のピンサロ?」

「そうそう!そこ行きたいんすよ!」

「何でやねん!そんなん1人で行けよ!」

「いやいや~、俺そういうの1人で行けへんタイプなんですわ。お願いしますよぉ」

小泉くんは手にサンドウィッチを握りしめながら品出しの手を止めた。

「ええ~……ネットで見たけどあっこ高いやん。まだ新しすぎて口コミ見てもよう分からんし怖いわぁ」

「えー!お願いしますぅ!…奢るんで」

「え!嘘!?マジで!?」

「昨日ボートでだいぶ勝ったんで。せやし行きましょうよ」彼はニヤニヤしながらひと押しした。僕もそれに負けないぐらいニヤついて「しゃーないなぁ」と快諾した。

翌日、僕は実家の車を運転して小泉くんを迎えに出掛けた。彼はよそ行きの格好で相当きめていた。

「いやいやお前…めっちゃ気合い入ってるやん」たまらず僕は吹き出す。

「そりゃあそうでしょ!ワンチャンあるかもですし」

「何があるねん?風俗嬢相手に期待すんな、素人か!」

「その先入観良くないなぁ。そんなん会ってみな分かりませんやん!」

「絶対無い!断言するわ」

「今日地雷引いたらええねん!…ああ!三船さんがいらん事言うし何か言おうとしてのに忘れた!」

「忘れるぐらいやし大した話ちゃうやろ。ま、思い出したら言うて」

そして僕達はノエラに向かった。店内には申し訳程度に胡蝶蘭が並べてあり、どれにも聞いた事の無いカタカナの社名が入っていた。中年のボーイが胡散臭い笑みを浮かべながら指名の有無を確認し、システムを簡単に説明する。

「指名したらおもろないんで」と小泉くんはボーイに指名無しで30分と告げた。それでも1人あたり11000円だった。彼は僕に地雷を引かそうと終始ニヤニヤしていたが、後に聞くと結局小泉くんが地雷を引いたみたいだった。

僕のお相手は20代半ばぐらいの(ナナミ)という細身のギャルだった。白に近い金髪で、口元にはピアスがついていて、一見僕の苦手そうな女の子だなと思ったが話しているとそうでもなかった。礼儀もほどほどに良く良い娘だったが、彼女は少し変な嬢だった。

いつもなら挨拶を交えた軽いトークを済ますと、嬢は(それじゃあ…)と流れを作って時間まで淡々とフェラをする。だが、ナナミは延々と世間話をするのだ。それも僕の性器をパンツの上からグリグリと撫で回しながら。

股間が元気になり、時間も気になる僕は彼女に「そろそろお願いできますか?」と急かす。しかし彼女は「えー、もう我慢出来ひんの?」とさらに僕の性器をパンツ越しにゴリっとしごいた。パンツの突起部分からは薄暗くても分かるほど我慢汁がにじんでいた。

「このままやと手でイキそうなんで」と僕は笑みを浮かべながら言うと彼女もニコリと笑いながら頷いた。

「じゃあ何して欲しいか言って」

「はい?」

「このおっきくなったモノをどうして欲しいん?」

正直余計な演出やな、と鼻で笑ってしまったが僕は「ナナミちゃんに咥えて欲しい……」と自分の台詞にゾッとしながら言った。

「ウフフ、お兄さん可愛い」

そう言ってようやく彼女は僕の性器を露にすると、ゆっくりと咥えた。

「んんっ…はぁ…んっ…お兄さんの…おっきい」

「んー…ありがと。気持ちええわぁ…」

僕はソファーに座り、股を全開に広げながら快楽を味わう。彼女のテクニックは確かなもので、死にそうなほど気持ち良かった。

疲れたのか彼女は手コキを織り混ぜながら徐々に力加減とスピードを増した。

「ああ~…そろそろイキそう」

「んんっ!出して…!いっぱい白いのちょうだいっ!!」

彼女の過剰な猿芝居が鼻についたが、僕は気にせず彼女の口内にブシャッと射精した。

「んんん~!!!」と彼女は悲鳴のような喘ぎ声をあげながら脈打つ僕の性器を咥え、精液を搾り取るように何度も亀頭に舌を這わせた。

いろんな意味で疲弊した僕は、性器の消毒が済むとナナミに礼を言ってさっさと店を後にした。店を出ると小泉くんが眉間に皺を寄せて、貧乏ゆすりしながら煙草を吸って僕を待っていた。その姿を見てすぐにピンときた。

「地雷?」と僕がニヤついて訊くと「ガリガリの糞ババアでしたわ!」と彼は煙草を地面に叩きつけた。地面に叩きつけられた煙草は火花を散らしながら小泉くんにグリグリと踏みつけられてすぐに原型をなくした。僕は爆笑した。

帰りの車内でも彼はしばらく不機嫌だった。すると突然「あっ!」と声をあげた。

「どしたん?」

「思い出しましたよ!」

「何を?」

「行きしなに忘れたって言うてた話ですよ!」

「ああ~!言うてたな、何?」

「夜勤に新人入るみたいすよ!」

「そんな事かい!そんなん当たり前やろ!自分ら就職で辞めるんやし」

シフトの時間帯は違うが、彼を含めた学生バイト数人が就職を機に店を卒業する事は僕も知っていた。

「それが新しい夜勤のバイトは女の子らしいんですよ!それも二十歳の大学生!し・か・も!めっちゃ可愛いらしいです」

「え、ほんま?誰情報?」

僕は見事に食いついた。

「店長です!」

「うーん、あてにならんなぁ」

「そう言いなさんな。また感想教えてくださいよ」

それから1ヶ月が経過し、完全に新人アルバイトの事を忘れていた頃に店長に言われた。

「あ、そうそう!三船くん明日出勤やろ?明日から新人さん来るからよろしく」

「あ…それって大学生の女の子ですか?」

「え?そうやけど…言ってたっけ?」

「小泉くんに聞きました。てか何で夜勤で採用したんですか?店長今までは夜勤に女の子の応募あっても何かあったら責任取れん!って断ってましたやん」

「せやねん…けどな、人手不足には敵わんわ。ほら、学生組がバイト卒業したやん?そこにちょうど面接来てくれて。一応夜勤の人員が集まり次第夕勤か早朝に切り替える条件付きで採用した。だからしばらくは面倒見たって」

「はあ……まぁ分かりました。ちなみに可愛いんですか?」

「それは見てからのお楽しみや。俺的には半分顔採用や」

「ほんまですかぁ?怪しいわぁ」

そして翌日。僕はいつも通り出勤の15分前に店に到着し、店前の喫煙所で煙草を吸う。煙草を吸い終わると21時55分にタイムカードを打刻した。事務所には店長が居ていつも通りの疲れた表情でパソコンとにらめっこをしている。

「おざーす」

「うぃーっす」

「店長、新人は?」

「そこらにおるやろ?」

店長はパソコンの画面から目を離さずに答える。

「へ?いませんけ…ど…?」

そう言いながら振り替えると、僕の後ろにおろしたばかりのユニフォームを来た女の子が立っていた。

「うぉおお!!…まじでびびった!」

「フフフ、すみません」

彼女は茶色いセミロングの髪をふわっとなびかせて会釈した。わずかに揺れた空気からは風呂上がりのような良い香りが僕の鼻を抜ける。顔もぱっちりおめめが可愛い美少女だった。脚フェチの僕はすぐに視線を落とした。スキニー越しではあったが美脚だと分かった。

「おー、似合ってんじゃん!…えーと、こちら夜勤のボスの三船くんね。で、彼女が今日から働いてもらう事になった姫野さん」

「ボスちゃうから。あ、えー…三船です。よろしく頼んます」

「姫野みこです。よろしくお願いします」

対峙して改めて見ると、みこちゃんは相当可愛い女の子だった。僕の評価はぶっちぎりのSランク。まともに目も合わせられない。おしとやかな話し方からどこか良いとこのお嬢さんという感じがした。

「じゃあ三船くん後は頼んだ。店が落ち着くまで俺も残るから順番通り教えてあげて」

「うす。じゃあまずは……外の掃除からしようか。そこにホウキと替えのゴミ袋があるから」

それから僕は朝方4時半頃まで彼女に付きっきりで仕事を教えた。店長もさすがに眠かったのだろう「もう大丈夫やろ、俺9時出勤やねん」と言い残してさっさと帰ってしまった。

納品と品出し、早朝に向けた揚げ物の補充も終わった事で、後は6時までレジで客をさばくだけになった。要するに一番暇で睡魔が襲って来る時間だ。今まで何人も新人を教えてきたが大体は睡魔に負けてウトウトし始める。(小泉くんは10分だけ寝させてくれと懇願してきた)

無言でレジに突っ立ったまま、横目で彼女を見た。彼女何やらレジのボタンが気になるようで押したそうに眺めている。

「気になるとこあれば押してもええで」

「え?」

「レジやん。客もおらんし色々押してみ。変になっても取消ボタン押せば戻るから」

彼女はニコッと微笑むと、ポチポチと色んなボタンを押し始める。

「眠くない?大丈夫?」

「はい、大丈夫です。私、夜型やし」

「へぇー。前は何のバイトしてたん?」

「スーパーのお惣菜屋で唐揚げ揚げてました」

「そこ夜職じゃないんや!むしろめっちゃ日中の仕事やん」

「はあ……まぁそうですね」

彼女は僕のツッコミをひらりとかわして淡々と答える。

「他にも色々あるやろうに何でそこやったん?まさか唐揚げ好きやからって理由じゃないやんな?」

「ええ、そうですけど。ダメですか?美味しいですよ、唐揚げ」

「い、いやっ、大丈夫。ええねんで、たしかに唐揚げは美味しいし」

「ねぇーっ」

そう言って彼女はにこりと笑った。恥ずかしながら僕はその笑顔にときめいた。彼女には若い女の子にしては珍しい影のようなもの?があり、少しミステリアスなところに心を惹かれた。

「三船さん」

「何?」

「唐揚げか女の子、どっちが好きですか?」

「へ?どゆこと?」

「そのまんまの意味」

不思議ちゃんだなぁと少し戸惑ったが、無視するのは違うと思い、笑いながら「余裕で女の子やろ」と答えた。彼女は「サイテー」とクスクス笑った。

しばらくの間彼女の言動を観察していたが、特に意味は無さそうだった。僕も徐々に彼女との会話に慣れ始めて、日が経つにつれて積極的に話しかけるようになる。

「休みの日って何してんの?」

「趣味は?」

「彼氏とかおるん?」

多分、彼女は僕より10歳も年下だったから余計に話しやすかったのかもしれない。いつも以上に饒舌になった。

しかし彼女は僕の質問に対してのらりくらりと「さぁ、どうでしょう?」といった感じでうまく濁してかわした。そんな風にはぐらかされると余計に気になるものだ。もちろん脈なんてありゃしない。

しかし、気が付くと僕は彼女の事が気になり始めていた。付き合いたいというか、体の関係を持ちたいというか……どちらにせよ彼女に他の男を寄せ付けたくないと思った。ど厚かましい話だがこれが正直な気持ちだった。

彼女を性的な目で見始めるとムラムラが止まらなくなった。何とかしてみこちゃんとお近づきになりたい。僕は意を決して次シフトが重なった時に誘ってみようと思った。

「なぁ姫野さん、今度さ……」

「今ふと思ったんですけど、三船さんって歳いくつなんですか?」

彼女は僕の話を遮って質問してきた。

「歳?えーっと…30やけど。急に何で?」

「何となく。三船さんって意外と結構いい歳なんですね」

もしかして30にもなってバイトかよ、って遠回しにディスられてる?恥ずかしさと気まずさで体が火照り、背中がチクチクと痒くなった。

「ははっ、やっぱダサい…よなぁ?この歳にもなってフリーターなんて。いやー自分でもヤバイなぁとは思ってんねんで?そろそろ就職しよかなーとは考えてるけど」

「え…就職しちゃうんですか?」

彼女は寂しそうに言う。

「そりゃあずっとこのままってわけにもいかんしな。それにフリーターじゃモテへんやん?」

僕は冗談めかして言った。

「寂しいなぁ」と呟くみこ。僕の胸は高鳴る。寂しいってこの子は自分に好意があるのか?それともただの社交辞令?弄ばれてる?

「さっき何か言おうとしてませんでした?」

彼女の声で僕は我に返った。言うか迷ったが彼女は自分に少し好意があるような気がしてきたので玉砕覚悟で言ってみた。

「あぁ……今度さ、遊びにでも行かへん?って。別に無理に誘ってないしな?暇じゃなけりゃええし」

僕が言うと彼女は驚きもせず、むしろ誘われる事を予測していたように表情を崩さなかった。にこりと微笑むと「何で私なんですか?」と訊いた。

「いや、別に。理由は特に」

「じゃあ別に誰でも良かった?」

困った僕の顔を見て彼女はクスッと笑う。

「冗談ですよ、どこ連れて行ってくれるんですか?」

僕は歓喜したが、下心が顔に出ないよう心掛けた。

「映画とかどうやろ?それと簡単に食事でも」

「良いですよ、基本映画は何でも好きなんで。チョイスは三船さんに任せますね。食事は辛いもの以外なら何でも大丈夫です」それから僕達は互いに連絡先を交換し、その場で日にちを決めた。

彼女は自分で「あんまりマメに連絡しない方だから」と言っていたので僕は気を付けてデートの前日まで一切連絡を入れなかった。

その代わり小泉くんには事の次第を全て説明した。たまたま彼と夕食を一緒に食べに行く日があったのだ。すると小泉くんは「餞別です」と小さな袋に入った怪しい粉を僕に渡した。

「おいおい…これってもしかして…」

「そう…コカインです……!ってちゃいます」

「じゃあ何これ?」

「媚薬です。あ、安心して下さい市販のやつなんで。効くか分かりませんけど」

「媚薬ってエロい気分になる的なやつやろ?そんなん使った事ないし怖いな」

「ただのアダルトグッズですよ、そない高い品じゃないし効き目はおまじない程度やと」

「ふーん、まぁ機会があれば使ってみるわ」

「取説には何か飲み物に混ぜると良いって書いてありましたよ」

僕は小泉くんから媚薬を受け取り、みこちゃんとのデートの日を迎えた。女性と遊ぶのは久しぶりだったし自然と緊張した。その都度、相手は10歳も年下のガキだ、と自分に言いきかせて緊張をほぐした。

約束の日。僕達はバイト先の近くで待ち合わせをした。

「お待たせしました。待ちました?」

振り返ると眼前には優しく微笑む彼女の姿があった。彼女はバイトの時と違って、スキニーを穿いておらず、ミニスカートにロングブーツ、上はモコモコのセーターを着ていた。白く弾力のある太ももの絶対領域に目がいく。下心がバレたくない僕はすぐに視線の先を変えた。

「全然待ってへんで。ほな行こか」

僕達は最寄り駅に向かって歩き出した。電車に乗り映画館があるショッピングモールに到着すると、チケット売場へと歩みを進めた。道中彼女が「何の映画?」と訊いてきたので恋愛ものかホラーか選ばせた。

彼女は「じゃあホラーかな」と答え、僕達は洋画のホラーを観る事にした。上映中、怖がった彼女が手を握ってきたり、過剰なボディータッチがあるのでは?と淡い期待をしていたが、全然思う展開にはならなかった。

内容自体は一応ホラーだったのだが、アクション要素が強かったせいで想像していた内容ではなかったのだ。

挙げ句のはてに彼女は「あー面白かったぁ!あの主人公強すぎ」と言い出す始末だ。

時計を見ると時刻は19時を指していた。期待していた展開ではない事に苛立ちと焦りを感じながらも僕はプラン通り彼女を食事に誘った。

「どっか居酒屋でも入ろうか?軽く飲もうや」

ありきたりの戦術だが、僕は彼女を酔わせてホテルインを狙った。そして大衆居酒屋へと出向いて、僕は生ビール、彼女はレモンサワーを注文し、乾杯した。

話題は映画の感想から入って、バイト先の人間関係や学校の事など他愛のないものだった。(余談だが彼女は帰国子女らしい)

2人ともかなり酒が進んでいたが彼女は全く酔った素振りを見せない。むしろ僕の方が限界を迎えつつあった。

あーあ、こりゃ今回は失敗やな。と諦めて財布の中の残金を思い浮かべていると小泉くんにもらった媚薬の事を思い出した。たしか袋ごと財布に入っている。

するとタイミング良く彼女は「ちょっとトイレ~」と化粧ポーチ片手に席を立った。どうせ失敗するんや、使えるもんは使たれ!と僕は彼女の飲みかけのグラスに袋に入った全ての粉を入れ、箸をグラスに突っ込んでカラカラと溶かした。

彼女が席に帰ってくると僕はグラスにしか目がいかなかった。

「てかさ~ほんと日本て良い国ですねぇ。安全で清潔だし。ここのトイレもすっごい綺麗でした」

「そうなん?日本出た事ないし分からんわ」

「海外じゃ考えられないよ。綺麗なとこもあるだろうけど…例えば私が住んでた所だったら、席を立つ時にグラスに飲み物入れたままとかありえないです」

「ど、どういう意味?」

焦りで徐々に顔に熱を帯びるのを感じる。

「だって薬とか入れられちゃう可能性あるじゃん。眠らせて乱暴されたり。私はまだ小学生だったから気にはしなかったけど両親なんてそれが癖付いちゃってて、今だに席を外す時は絶対にグラスを空にしますよ」

「そうなんや」彼女の鋭さに僕は喉から心臓が出そうなほど焦った。

「うん。三船さんはそういう事しなさそうだけど」と彼女は笑いながらグラスに残った酒を一気に飲み干した。

「ははっ、そんな大人しそうか?」

「うーん、女の人に興味無さそう。別に悪い意味じゃないですよ?」

「そんな事ないって。彼女も出来るなら欲しいし、結婚もしたいって考えてるよ」

「そういう意味じゃなくて。あんまり性欲がなさそうって事」

「人並みにあるわ!」

グラスを空にした彼女を見たが、特にこれといった変化は見られない。即効性が無いだけか、そもそも薬の効果が薄いのか。まぁ、小泉くんもおまじない程度って言ってたもんな。僕はほとんど諦めていた。

会話も尽きてそろそろ出ようか、と僕が会計を済ませようとすると、すでに彼女が済ませてくれていた。さっきトイレに立った時に済ませたみたいだ。さすがに面目が立たないから僕がお金を返そうとすると彼女はそれを拒否した。

「その代わり、この後カラオケ付き合って下さいよ」

「カラオケ?別にええけど…ほなカラオケは奢らせてもらうで」

そう約束し僕達はカラオケボックスへ向かった。部屋に入ると彼女は僕の向かいのソファーに足を組んで腰掛けた。さっきの居酒屋と違ってテーブルが低いから彼女のパンティーがもろに見えた。彼女は薄い紫のパンティーを穿いていた。

「ねぇ、三船さん」

「んー?」僕はとっさに視線を外して、メロンソーダを口に含んでリモコン片手に選曲をしている振りをした。

「今パンツ見たでしょ?」

「ぶっ……!!見てへんわ!」

僕の動揺が全てを物語った。

「ふふ。三船さん下心あるのバレバレだよ?」

「ないない。さすがに10歳下に手は出さんわ」

「ほんと?…これでも?」

そう言うと彼女はスカートを少し捲り上げた。

「ちょ!酔ってんの?はしたないしやめーや」

「そんな事思ってないくせに。それに…もうお股が膨らんでるよ?」

「え!?」僕は慌てて股間に目を向けた。

「冗談。だけどこうすると本当に膨らむかなぁ?」

彼女はさっと僕の隣に移動すると、寄り添いながら片手を僕の股間に当てた。

「ちょ…!ちょっ……ほんまにあかんて」

「じゃあやめちゃう?もうこんな事になってますけど」

そう言って彼女はスボン越しに僕の膨らんだ性器を白い指で握った。

(続)

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