バイト先の先輩の娘さんとの、波乱万丈な恋物語・番外編22 真赤な誓い

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マー坊とせっちゃん…「バカ夫婦」のエッチな体験談に何時も多数の閲覧と続編希望を頂き…激裏GATE-エロティカを訪れる数少ないバカ夫婦のファンの皆様には本当に感謝しきりで御座います。m(__)mペコリ

相変わらず読みづらい、拙い乱文では有りますがバカ夫婦と子供達、そして友人達が織り成す人間模様をお楽しみ下さいませ。

登場人物スペック

「誠人(マー坊)」→洋食レストランで働いている、仮性包茎でちっぱい好きなコックさん。せっちゃん命のクソ真面目な一穴主義者。

「節子(せっちゃん)」→22歳で4人目の赤ちゃんを妊娠した、輪姦被害経験の有るアニメ顔のちっぱい若妻。マー坊命のちょっぴりヤキモチ妬きな一棒主義者。

「鉄さん」→誠人が働く洋食レストランの先輩コックにして、節子の父親。厳つい強面で、仕事には滅茶苦茶厳しいが孫達にはジジバカ全開の根はいい人。

「真奈美」→誠人の腹違いの妹で、バカ夫婦行きつけの総合病院に就職した新米看護師。

「ローゼス」「みんなを元気にするバンド」をコンセプトに、商店街の子女4人+巴さんで結成されたガールズロックバンド。今回のお話の主役的存在。

明日香→その童顔とは裏腹の、女性離れした声量とパワフルな歌声でお客さんを魅了する「ローゼスの顔」。御実家はワイン専門の酒屋さんをしているが、当人は下戸。

光→ストラトキャスターをこよなく愛するローゼスのギタリスト。御実家が写真屋さんをしている為、カメラや写真の知識は玄人裸足の「ローゼスの広報」

「巴」→せっちゃんの中学時代のクラスメートでメンバー中唯一、両親が商店街の関係者でないローゼスのベーシスト。正義感が強く、友達思いの「ローゼスのツッコミ役」

慶子→御実家のゲーセンの音ゲーにハマってミュージシャンを志した、ローゼスのドラマー。メンバー一の食いしん坊かつ爆乳の「ローゼスのエロ担当」

美波→人見知りする性格を克服する為にローゼスのメンバーに名乗りを挙げた、ローゼスのキーボーディスト。御実家は魚屋さんで女子力はメンバー中随一の「ローゼスの癒やし系」だが、ガチの運動音痴。

・・・

「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!(●><●)」

「はいお父様にお母様…それにお姉ちゃんにお兄ちゃん、とーっても元気で可愛らしい男の子の赤ちゃんですよー」

「赤ちゃん…私、お母さんの節子だよ…コレから宜しくね…赤ちゃん…」

「赤ちゃん…始めまして、お父さんだよ…」

「あかちゃん、あかちゃん!あたちおねーたんのみかこ!これからよろちくね、あかちゃん!(・∀・)」

「あかちゃん…ぼくはやと…(・”・)」

「あたち…さちこ…(・ω・)」

此処は俺達バカ夫婦行きつけの総合病院の分娩室。

そして、今日は4月の第1日曜日だ。

何時もの年なら花見に繰り出すところなのだが…4人目の赤ちゃんの出産予定日が丁度花見の日と重なる為、事前に店長に今年は欠席の旨を伝え、我が子の出産を待ちわびる俺。

そして早朝、熟睡しているところに病院から「奥様が産気付きました、大至急コチラにいらして下さい」と連絡を受け、寝ぼけなまこで子供達を叩き起こして総合病院へ。

そして目出度く…4人目の我が子の誕生の瞬間に立ち会う事が出来たという次第だ。

「あ…せっちゃん御免ね、ちょっと鉄さんに連絡してくるね…」

俺は分娩室から出ると、非常階段の側に設けられている通話スペースで鉄さんの携帯番号をピコピコ。

「もしもし、鉄さんですか!?誠人です!」

「おうっ、マー坊!節は…どうなった!?」

「たった今…無事に赤ちゃんが産まれました。ほっぺが真っ赤っ赤な…とっても可愛い男の子でしたよ」

「・・・」

「…もしもし、鉄さん?」

「…済まねえ、マー坊。節に❝御手柄だぞ❞とだけ…伝えておいてくれ…」

「はい、分かりました。では…失礼します…」

携帯の電源を落とし、分娩室に戻ろうとすると。

「あっ、誠人さん!節は…大丈夫ですか!?」

俺に声を掛けてきたのはせっちゃんの中学時代のクラスメートで、今はガールズロックバンド「ローゼス」でベースを担当している巴さん。

今日は細見のスキニージーンズに踵に拍車が付いたウエスタンブーツ、そしてローゼスのトレードマークと言える背中に薔薇の刺繍が入った革ジャンを纏い、肩からギターケースを背負った出で立ち。

「あ…巴さん。ついさっき…無事に男の子が産まれました」

「節…そして誠人さん、本当におめでとう御座います!」

「有難う御座います…ところで巴さんは…」

「すいません…気にしないで下さい。アタシが使ってる、ジャズベの弦を張り替えてもらったついでにコチラに立ち寄っただけですから…」

「…ジャズベ?」

「…あぁ、❝ジャズベース❞の略ですね。光のストラトキャスターと同じ、フェンダーって会社が作ってるエレキベースでして…」

と言いながら巴さんは、ギターケースから真っ黒に塗装された愛機のジャズベースを俺に披露する。

良く見るとそのボディーには…まるで漫画「ゴールデンカムイ」の主人公、杉元佐一の顔面の裂傷痕を彷彿とさせる様な大きな傷跡が走っている。

「おとうさん…くろいひとがいる…(;ω;)」

見ると何時の間にか分娩室から出て来た沙知子が…ジャズベースを指差して、怯えた表情をしている。

「えっ…」

「さ…沙知子!変な事言っちゃ駄目だよ!」

「だってくろいひとが…そのぎたーにくっついてる…」

「あ…と、巴さんすいません!沙知子は所謂…❝見えちゃう体質❞らしいんです…」

「…沙知子ちゃん。その❝くろいひと❞って…怖い顔をしてるの?」

ジャズベースを再びギターケースに仕舞い込み…しゃがみ込んで沙知子と同じ目線で巴さんは質問をぶつける。

「…ううん。そのくろいひと…なんだかやさしそうなかおしてたよ…」

「…そうなんだ。それじゃあ沙知子ちゃんには…悪い事はしなさそう?」

「えっ…」

「そのくろいひと…さちこにわらいかけてた…」

「・・・」

「あの…巴さん…」

「簡単に言っちゃうとこのジャズベース…昔好きだったお兄さんの❝形見の品❞なんです…」

「形見の品、ですか…」

「…アレ?すいません、もしかして…ローゼスの巴さんですか?」

「え…?は、はいそうです、ベースの巴です!」

「あの…すいません、もし宜しければ…サイン頂けますか!?」

「あ…えぇ、宜しいですけど…此処じゃ患者さん達の邪魔になりそうですからコチラで…」

「有難う御座います!」

「あの…誠人さん。節に…❝おめでとう❞とだけ…伝えておいて下さい…」

「…分かりました」

・・・

「はいせっちゃん…遅くなっちゃったけど、誕生祝いの❝ウエイトドールダニエルくん❞お持ちしました!」

「千夏先生…有難う御座います…」

「伸歩斗って、こんなに重かったんだ…」

それから約1ヶ月後のゴールデンウィーク。

伸歩斗(のぶと)と名付けられた4人目の我が子のお披露目を兼ねた女子会は、早々にテンション最高潮。

「ばぶ~、ばぶ~…(●・・●)」

「お兄様。それにしても…よく泣く赤ちゃんですね…」

「…そうだね。兎に角暇さえ有れば…おぎゃーおぎゃー泣いてる印象は有るね…」

「うわあっ…ほっぺまっかっかですっごくかわいい!」

「葵…伸歩斗クンはオモチャじゃない、1人の人間なのよ。わかるかしら?」

「うん…でもね、ほっぺかわいいから…ついつんつんしたくなっちゃうの…」

「うふふ…」

…と、そこで。

来客を告げる呼び鈴が、玄関で鳴り響く。

「やっほー!節、それに女子会の皆さん、どーも今日はー!」

「どうもすいません!お邪魔致しまーす!」

肩からギターケースを下げ、背中に薔薇の刺繍が入った革ジャンを纏った巴さんが、リビングに上がり込んで来た…と思いきや。

今日は革ジャンを纏ったローゼスのメンバー全員が、鉄さん宅のリビングに上がり込んで来たではないか。

「節…それに皆さん本当に御免ね。メンバーみんな、❝一回で良いから女子会メンバーの皆さんに、日頃応援してもらってる御礼が言いたい❞ってくっついて来ちゃって…」

「良いって良いって!ローゼスのみんなと間近で触れ合う機会って、中々ないじゃん!?」

「巴ちゃん、それにローゼスの皆さんいらっしゃい!取り敢えず…こんなお茶で宜しければどうぞ!」

「有難う、せっちゃん。おっ、真奈美ちゃん久し振りだねー!どう、看護師のお仕事は!?」

「❝人の命❞を預かるお仕事ですから…とても大変ですが、でも自分がなりたくてなったお仕事な訳ですから…❝キツい、辛い❞なんて言ってられませんよ」

「アタシも…まだ右も左も分からない子供達を教え、導くのは本当に骨折れるよ。でもね…昨日まで出来なかった事を出来る様になった時の子供達の笑顔見ると…❝あぁ、この仕事選んで本当に良かった!❞って感じるんだよね…」

「千夏さん…真奈美ちゃん…」

「それじゃ…すいません、遠慮なく頂きます!」

「すいません、頂きまーす!」

「…どう?」

「うん、すっごく美味しい!」

「良かった…」

「あっ…そうそう!誠人さんに節子さん、コレ、お父さんに頼まれた記念写真です!」

ギタリストの光さんが、お宮参りのついでに撮影した記念写真を俺達バカ夫婦に手渡す。

「うわあっ…チョー可愛い!」

「だよね〜」

「節も本当に…綺麗に写ってるじゃないの!」

「巴ちゃん…有難う」

「皆さんすいません…余り物ミネストローネお待たせしました!」

俺は冷蔵庫に残っていた野菜にマカロニ、それに賞味期限間近のベーコンとウインナーで作り上げた、「余り物ミネストローネスープ」をローゼスの皆さんに配膳する。

「それじゃ頂きます…う〜んおーいしーい!」

「本っ当に慶子って…食事の時は目が生き生きとしてるよねー」

「ねー」

「いーじゃんいーじゃん、美味しい食事と思い切りドラム叩く事がアタシの生き甲斐なんだからさー」

「生き甲斐…」

「…ん?アレ、節子さん、今アタシ…なんか変な事言っちゃいました?」

「いえ、その…私にとっての生き甲斐って…やっぱり❝誠人さん❞なのかな、って…」

「ねー、おかあさん。❝いきがい❞って、なあに?」

「生き甲斐って言うのは…❝生きていく為の動機付け❞よ。なんて言ったら良いのかしら…そう、葵に❝とっても幸せな事が有った❞りしたらお母さんも嬉しいじゃない?」

「それが❝いきがい❞なんだー」

「わーいみかこ…またひとちゅかちこくなっちゃった〜♡ねーねーおとーたん…おとーたんにとってみかこは❝いきがい❞?」

「そうだよ。いや…美花子だけじゃない、早矢斗も、沙知子も、伸歩斗も…そしてお母さんも…お父さんにとっての❝生き甲斐❞なんだよ」

「誠人さん…有難う…♡」

「あー…はいはいはいはい御馳走様でしたお二人さん!」

「そう言えば巴さんは…❝気になる男性❞は…いらっしゃらないのでしょうか…?」

「…少なくとも、今は居ないね。うーん…正確には❝居た❞って方が、正しいのかな…?」

言いながら巴さんは…持参したギターケースから白いピックガードが映える真っ黒なジャズベースを取り出し、女子会メンバーの皆さんに披露する。

「また…くろいひとでてきた…」

「あら…そのベースには…成仏仕切れない、弱い霊が取り憑いてますね…」

「・・・」

「やだ…」

「そもそもこのベースは…どういう来歴で、手に入れられたのですか?巴さん…」

「話せば、長くなりますが…」

巴さんはぽつりぽつりと、ジャズベースを手に入れた経緯を話し始めた。

…巴さんが幼少時に暮らしていたアパートの隣の部屋には、優しいお兄さんが住んでいた。

そのお兄さんはアマチュアバンドでベースを担当していて、幼い巴さんと良くテレビゲームをして遊んだり、ベースの手ほどきをしていただいたりしたそうだ。

…そして、夏休みのある日。

晴れ空からの突然のにわか雨で、ズブ濡れになって帰宅した巴さんはお兄さんの部屋に招き入れられ…そこでボディータッチをされるなど…「性的な悪戯」をされ…それからもお互いの身体を弄り合う「触りっこ」を続ける間柄に。

「巴ちゃん…」

「そのお兄さんって…早い話が❝ロリコン❞だった…って事?」

「…鞠子!」

「だって千夏…」

「そう…ですね。今にして思えば…お兄さんは、❝ロリコン❞だったんでしょうね…」

「…それで?そのお兄さんは…」

「私が小学校6年生の時に…バンドのメンバーとライブハウスから引き上げる帰り道に交通事故に有って…そのお兄さんだけ、帰らぬ人になってしまって…」

「それじゃあ…ボディーの傷は…」

「その事故の時に付いたものです」

「なるほど…❝功成り名遂げる❞、そして❝巴ちゃんを我が物にしたい❞…2つの思いが絡み合って、今もそのベースに取り憑いてるのでしょうか…」

「そのお兄さんのお葬式の時…両親やお姉ちゃんを手こずらせる程散々大泣きしまして…それで、ジャズベースをどうするか、って話しになった時に私が…」

「…え?ベースって…焼き場で焼けないの…?」

「少なくとも今は…金属部品を含む品物は焼けないみたい。焼くにしても…弦とかピックアップとか、電子回路とかを外すのは手間だしね…」

「そうなんだ…」

「それでお葬式が終わった後に兄さんのご両親に、❝ジャズベースを譲って下さい❞って申し出て、今に至るって訳なんです…」

「それでは…巴さんは、そのお兄さんに好意を抱いていた…訳ですね?」

「そう…ですね。❝恋愛感情❞かと言われると微妙ですが…少なくとも悪い思いは抱いていませんでした…」

「取り敢えず…今の私に、霊的に出来る事は無いですね…」

「え…」

「そのジャズベースに取り憑いている霊が…❝色情霊❞と化したり、ポルターガイスト現象を引き起こすのであれば話は別ですが…そうで無ければ❝静観❞するのが一番でしょうね…」

「そう、ですか…分かりました…有難う御座います…」

「その代わり…❝霊障❞が起こる様になりましたら…遠慮なく元トメさんを頼って下さいね…」

「はいはい巴ちゃん、辛気臭い話はそこまでそこまで!折角の女子会なんだから、楽しいお話で盛り上がろ!」

「…そうですね!あっそうそう、皆さんにお知らせ!」

「またライブの告知…?」

「少し先になりますけど…7月に、❝アニソンde対バンライブ❞ってイベントに出演する事になったんです!」

「❝アニソンde対バンライブ❞…要するに持ち歌じゃなくてアニソンを歌うんですか?」

「早い話が…そういう事です。まぁ大概の曲なら耳コピでなんとか出来る自信は有りますけど…」

「じゃあ…巴ちゃん。❝ロマンチックモード❞ってバンドの❝レゾリューション❞って曲…出来るかな?」

「あー…節が昔、カラオケで良く歌ってたあの曲ね!楽勝…まではいかないけど、あの曲なら耳コピでなんとかなるかも!」

「❝レゾリューション❞って確か…❝ガンダムX❞ってアニメの後半の主題歌でしたよね?」

「うんそうだよ!美波、初っ端のキーボード、一番の見せ場じゃない!?」

「いやいや巴、あの曲結構ベースにも働いて貰う曲だから。覚悟はしといてね」

「巴ちゃん…御免ね、我儘言っちゃって…」

「良いって良いって!アタシ達自身…演る曲自体まだ確定してないから…」

「ローゼスの皆さん…そのライブ、必ず見に行きますから!」

「あ…私も、是非参戦させて頂きますね!」

「あー…すいません誠人さん、ミネストローネおかわり御願い出来ますー!?」

「ちょっ…慶子!」

・・・

「あの…誠人さん…」

その夜の寝室。

早矢斗、沙知子、そしてゆりかごの中の伸歩斗が熟睡したのを見計らって…せっちゃんが、俺に声を掛けてきた。

「何?どうしたの?せっちゃん…」

「誠人さん…」

呟くとせっちゃんは半身を起こした状態で、パジャマのボタンを1つ1つ外していき…そして上半身裸になった。

「誠人さん…節の身体…どう…思います…?」

お知り合いになった頃は…AどころかAAカップ位しかなかった薄いちっぱいは、今ではBカップ位に形良く膨らみ…肋骨が浮くほどガリガリだったお腹は4人の我が子の出産を経て、「ちょっとイカ腹かな?」と感じる位に肉付きが良くなっていた。

「節の身体…変じゃない、ですか…?」

「変…って、何処が?」

「節…4人も赤ちゃん産んで、すっかり体型崩れちゃった…気がして…」

「せっちゃん…」

「誠人さん…こんな節でも、エッチ…したいですか…?」

「当たり前じゃん。俺の事を本気で好きになってくれたせっちゃんを…裏切るなんて、出来る訳ないじゃん」

「誠人さん…それ…」

「…せっちゃん。少なくとも…俺は本気だから。俺は一生…せっちゃん命の❝一穴主義者❞でい続けるから…」

「誠人さん…」

「その代わり…ったらなんだけど。せっちゃんも…❝一棒主義者❞でい続けてくれないかな…」

「うふふ…勿論ですよ、誠人さんっ♡」

「有難う…せっちゃん」

「どういたしまして♡」

「おんまさん…むにゃむにゃ…(-“-)」

「うわーい…はっしゃくさまだぁ〜…(-ω-)」

「すーすー…すーすー…(●–●)」

「みんな可愛い寝顔…」

「そうですね…」

「それじゃ…せっちゃん。体型が気になるんだったら…先ずは、慎也の親父さんが経営しているスポーツジムでトレーニング始めない?」

「スポーツジムでトレーニング…いいですね…」

「俺も最近、ちょっと運動不足かなって自覚が有ってね…1人じゃ長続きしなさそうだけど、せっちゃんと2人だったら…」

「誠人さん…結婚式での❝誓いの言葉❞…覚えてます…?」

「一言一句、完璧に覚えてはいないけど…❝せっちゃんの旦那様に相応しい、素敵な旦那様で居続ける❞って、宣言した、よね…」

「そうですね…節も、❝誠人さんに相応しい、可愛いお嫁さんで居続ける❞って…誠人さん。今の節は…❝可愛いお嫁さん❞ですか?」

「勿論。寧ろ俺の方が…❝せっちゃんに相応しい、素敵な旦那様❞なのか…不安になる位だよ…」

「大丈夫ですよ、誠人さん♡」

「それと…せっちゃん。まだ…エッチは、気乗りがしない?」

「そう…ですね。まだ…❝誠人さんとエッチしたい❞って…意欲が、湧いてこないですね…」

「まぁ…沙知子の時のレス体験を考えたら、❝これ位どおって事ないさ❞って…」

「誠人さん…あの時は、本当に御免なさい…誠人さんに、辛い思いをさせちゃって…」

「何言ってんの。せっちゃんの❝妊娠悪阻❞に比べたら…セックス我慢する位…」

「あ…もうすぐ日付変わっちゃいますね。それじゃ…誠人さん、お休みなさい…」

「せっちゃん…お休み」

せっちゃんにパジャマを着せ…手を繋いで横になると俺達バカ夫婦は忽ち、眠りの世界へと落ちて行った…。

・・・

「失礼します!御注文のオムライストマトソースとオムライスデミグラスソースをお持ち致しました!」

「有難う御座います!すいません、それじゃ頂きます!」

「あ…ドリームトレインの秋子からメール。何々…❝只今温泉旅館でグラビア撮影なう❞だって…」

洋食レストランの、6人掛けのテーブルで音楽談義に花を咲かせながら食事をしていたローゼスの皆さんは、巴さんのスマホに注目。

「グラビア撮影かぁ…大変だねー、あの子達も…」

「ま…あの子達はあくまでも❝バンドやってる地下アイドル❞だからねー。知名度上げる為にはお仕事選べないんだろうねー」

「…でもさ。もしアタシ達がまかり間違って❝全国区の人気者❞になっちゃったら…こういう仕事も受けなくちゃいけなくなるんじゃない?」

「まぁ…そーいうのは慶子にお・ま・か・せ!って事で…」

「…ちょっと!」

「まー、それはともかく…私達も思いっ切り羽伸ばして骨休めしたいよねー…」

「ねー」

「聖羅先生の結婚式に❝アニソンde対バンライブ❞、神社の例大祭の野外ライブ…コレから大仕事の連チャンですよね…」

「まー、音楽のお仕事が有るだけまだマシですよ。本当、初ライブの時なんかたったの3人しかお客さんいませんでしたからね…」

「そうなんですか…あっ、いらっしゃいませ…って、マッキー!?」

入店してきたのは嘗てこの洋食レストランでコックとして腕を振るい、現在は父・久徳さんが親方を務める割烹で板前として働いている正樹クン。

「あっ…先輩、本当に御無沙汰しています!」

「マッキー、久し振り。それで…千鶴子さんのお腹の赤ちゃんはどうなった?」

「お陰様で…2月に可愛い女の子を出産しまして、ですが…出産の時に骨盤を骨折してしまいまして、それですっかり報告が遅れてしまい…」

「ウチもこの間…花見の日に男の子が産まれてね。しかし…本当に❝女性が赤ちゃんを産む❞って…本当に命がけなんだな、って実感したよ…」

「おうっ、マッキー久し振り!んっなんだ…マッキー、以前と比べて…❝親父の顔❞が板についてきたな…」

「そ…そうですか?あ…有難う御座います…」

「あっそうだ。マッキー…赤ちゃんの名前は?」

「シンプルに…❝愛してる❞の愛子と、名付けました…」

「俺は…❝伸び伸びと、歩いて行って欲しい❞って意味で、伸歩斗って名付けたんだ…すいません、1名様で宜しいでしょうか?」

「はい、1名で!」

「それではすいません、コチラのカウンター席へどうぞ!」

「それじゃすいません…鮭のムニエル定食を御願いします!」

「鮭のムニエル定食…オーダー承りました!おいとっちゃん、鮭のムニエルを頼む!タッチは付け合わせ、ノブノブはライスな!」

「了解しました!」

「ところで先輩…」

「どうした?マッキー…」

「いや、その…親父の事なんですけど…最近親父、俺達料理場の人間に隠れて、なんかコソコソやってるんですよね…」

「コソコソ…って、具体的には?」

「殆ど酒を飲まず、ギャンブルも有馬記念位しかしない親父が…駅前の小さなスナックや雀荘に出入りしたり、仕込み抜け出したり…」

「ふむ…つまり、❝新しい奥さん候補❞が居るんじゃないか、って疑っているんかい?」

「俺からしたら…今更親父に❝良い人❞が出来ようが構いはしませんが…ですけど、コソコソ隠れてお付き合い、ってのはどうなのかな、って…」

「マッキー。前にとある❝2ちゃんねるまとめサイト❞で…結婚式を控えた奥さんの浮気を疑った男性が、興信所に奥さんの素行調査を御願いしたら…❝天下一品ってラーメン屋でラーメン食べてた❞ってオチのスレを読んだ事が有るんだ」

「…要するに女性じゃない可能性も有る、と…?」

「あくまでも❝可能性が有る❞ってだけだけどね…」

「取り込み中申し訳有りません!❝鮭のムニエル定食❞をお持ち致しました!」

「すいません、それでは頂きます!…うん、凄く美味しいです!」

「それでは、ごゆっくりどうぞ!」

俺は厨房に戻ると、手洗いをしてアルコールを両手に吹き付ける。

「あ…すいません先輩!」

「何…どうしたのと金?」

「いや…俺の親父も正樹さんのお父さんと一緒で…最近、何か不審な行動が多いんです…」

「不審な行動…ねぇ…」

「えぇ…❝ドリームトレイン❞のベースの秋子さんのお父さんと、週一で何処かに出掛けてまして…」

「おう、と金。そりゃあ❝不審な行動❞じゃなくて❝男の付き合い❞、てんだアホタレ」

「え…そうなんですか?」

「…そうだよ。少なくとも…清行さんが、と金の生活に支障をきたす様な事をしているのなら❝不審な行動❞だけど…そうじゃないなら、取り敢えず放置で良いんじゃない?」

「そう、ですか…分かりました…」

「すいません、誠人さん!お冷やのおかわり御願いします!」

「はい、少々お待ち下さいませ!」

「すいません、今日は!」

「あっ…樹里愛さんに怜王クン、それに萌虹花ちゃん!」

「やっほー、樹里愛ちゃん!あっ怜王クン、交通事故からすっかり元気になったね!」

「うん!れお、げんきひゃくばいだよっ!」

「わーい、わーい」

「あっ、巴さん…その節は…本当に有難う御座いました…」

「良いって良いって!私達の血で怜王クンが助かったのなら、安いものじゃない!」

「・・・」

「…怜王。怜王の血には…巴さんや誠人さん、そして岳志さん…兎に角、色んな人達が分けてくれた…A型の血がほんの少しづつだけど、流れているんだよ」

「そう、なんだ…」

「そうだよ。だから怜王…周りの人達には感謝しなきゃ駄目だよ?良い?」

「うん、わかった!」

「あはは…すいません、3名様で宜しいでしょうか?」

「はい、3名で御願いします」

「そうしましたら、コチラのお席へどうぞ!」

・・・

此処は、慎也の親父さんが経営するスポーツジムの一角。

「3…2…1…はいそこまで!」

慎也の掛け声と共に…所謂「空気椅子」の体勢を保っていた俺は、笑いが止まらない両膝を伸ばして汗を拭う。

「いや、誠人…始めた頃から比べたら、随分我慢出来る様になったな、おい!」

「あんがと、慎也…」

「はい節子さん、お疲れ様でした!」

「はぁ…はぁ…」

タンクトップとスパッツ、そして全身を汗まみれにしたせっちゃんは…恥も外聞も無くゴロリと床に仰向けに倒れ込む。

「せっちゃん…大丈夫?」

「はぁ…はぁ…大丈夫…じゃ、ない…かも…」

「やっぱり…あの引きこもりで、相当体力落ちちゃってたんだ…」

「はぁ…はぁ…4人の子供達を育てて、それなりに体力有るつもり…だったけど…はぁ…はぁ…」

「おう、誠人にせっちゃん。❝充分なクールダウン❞もトレーニングの内だ、ちょっくら喉潤してきなよ」

「すいません…慎也さん…」

「せっちゃん…立てる?ほら…」

「誠人さん…有難う…」

俺とせっちゃんは手を取り合って休憩スペースに向かい、タオルで汗を拭っていると。

「いや〜、誠人さんに節子さん、相変わらずラブラブですね〜(笑)」

俺達バカ夫婦に声を掛けてきたのは…このジムの会員であるローゼスのドラマーの慶子さん。

相変わらず引き締まった見事な肉体美とは裏腹の、タンクトップに覆われた2つの爆乳は…ジムの男性陣の目を奪うには充分過ぎるエロさ。

「もしかして節子さんも…ジム通いを始められたんですか?」

「はい、そうです…4人も赤ちゃん産んで、すっかり体型が崩れちゃったのと…後、子育ては体力勝負なものですから…」

「❝体型崩れちゃった❞…って、そうかなぁ〜…確かにちょっとお腹ポッコリ、って感じはしますけど…」

「あの、節…結婚式の時に、出席された人達と誠人さんに誓ったんです…❝何時までも、誠人さんに相応しい素敵な奥さんで居続ける❞って…」

「や~ん…そこまで奥様に思われてるなんてぇ〜、本っ当に幸せ者ですよねっ、誠人さんっ♡」

「ちょっと、慶子…アンタ、何他人の旦那様にチョッカイ出してんの…?」

慶子さんの後ろには…薔薇がプリントされたTシャツに短パン姿の巴さんが、呆れた表情で突っ立っているではないか。

「え…え、と、巴…!?何で巴がこのジムに居んのよ!?」

「答えは簡単、節と一緒にこないだ此処のジムの会員になったの。まさかアンタまで此処の会員だったなんて、流石に予想外だったけどね…」

「あ…巴さん、どうも…」

「誠人さん…どうも今日は!」

「巴さんもやっぱり…ライブの為の体力作りが目的ですか?」

「そうですね、ライブは立ちっぱなしですし照明って意外と体力奪われますし…」

「…それで…巴ちゃん。巴ちゃんはどんなトレーニングしてるの?」

「先ずは基礎の基礎の走り込み。それから疲れにくい身体を作る為の鍛錬、ってところかな…」

「自分も似た様な感じかな。後は反射神経と腕力、脚力アップが主目的だね。この間の録音聴いたら光のギターや巴のベース、美波のキーボードに完全に圧倒されちゃってたからね…」

「それにしても、慶子…」

「…何?巴…」

「このおっぱいで…腕立て伏せなんて無・理・で・し・ょ?」

と呟くと巴さんは慶子さんの背後から…爆乳をもみもみ。

「ちょっ…何してんのよ巴!」

「うーん…あれだけ食べても栄養がおっぱいとお尻にしか行かない慶子が、本当に羨ましいわぁ…」

「ふざけないでよ巴!ちょっと見ててくれる!?」

巴さんを振り払った慶子さんは腕に重りを付けると両足を踏み台に載せ…身体と水平に腕を動かし始めた。

ちっぱい好きな俺から見ても…身体から垂れ下がる2つの大き過ぎる膨らみはやはりエロい。

「うーん、ギリギリ床に着きそう…あ~、今乳首床に着いたでしょ!」

「うっさい…わね…」

そんなこんなで腕立て伏せを10回こなした慶子さんは、腕の重りを外して床にあぐらをかく。

「えー、何?たった10回で終り?」

「腕立て伏せってのは、数をこなせば良いってものじゃないの。本当に腕力を付けたいのなら、10回位しか出来ない様な強い負荷を掛けなきゃ意味無いの」

「えー、そうなの?全然知らなかったわぁー」

「誠人、せっちゃん!そろそろ次のトレーニング行くぞ!」

「おうっ、慎也!」

・・・

「誠人さん…」

そして、スポーツジムからの家路。

せっちゃんは何時に無く…俺にピッタリと寄り添ってくる。

「せっちゃん…今夜の晩御飯?」

「ううん…」

「じゃあ…何?」

「誠人さん…もう30分だけ、トレーニングしませんか?」

「…え?」

「もう、誠人さんったらあ…アソコでもう30分、❝エッチなトレーニング❞をしませんか?」

せっちゃんが指差す先には…薄いピンク色の外壁を除けば、一見するとビジネスホテルにしか見えないラブホテル。

「…分かったよ。せっちゃん」

「うわっ、節嬉しい!誠人さん…大好きっ♡」

そしてフロントで一番安いお部屋を選んだ俺達バカ夫婦は、早速入室。

「誠人さん…キスしよ…♡」

ドアのロックが掛かるや否や…せっちゃんは俺の唇にむしゃぶりつき、舌を絡めつつ唾液を口移し。

「誠人さん…おっぱい揉んで…」

潤んだ瞳で懇願されるまでもなく…俺はせっちゃんを抱き寄せ、両手でせっちゃんのちっぱいをTシャツの上から優しくわしづかみにする。

「誠人さん…もっとぉ…♡」

俺はTシャツをたくし上げるとスポブラをずらし、露わになった2つの先端をしゃぶり、指で摘む。

「あっ、駄目、誠人さん…ダブル攻撃、節、感じちゃう…」

「何言ってるの、せっちゃん。30分しか時間ないんだから、早くせっちゃんを気持ちよくさせないと…」

「あん、誠人さん…いきなりクンニなんてぇ…♡」

俺はちっぱいから唇を離すと今度はハーフパンツをスパッツごとずり下ろし、早くもラブジュースで潤ってきた股間のワレメに舌を伸ばす。

「やあん、誠人さん…あぁっ、そこぉ…そこ気持ち良いよぉ…」

今度は舌でクリトリスを攻めつつ、オマンコに人差し指と中指を差し入れて指マン開始。

「あ…あぁ、あぁっ、きいっ、気持ちいい、気持ちいい、ひゃあんっ、あぁっ、頭ぁっ、頭がぁ、いやあんっ、まあっ、真っ白になっちゃうっ…♡」

ラリった悶え声を上げながらせっちゃんは、ド派手に潮を吹き散らす。

「誠人さん…恥ずかしい…あんまり節の顔、見ないでぇ…」

「何で?」

「だって節の顔…だらしなくなってるからぁ…こんな顔、誠人さんに見られたくないよ…」

「え〜…俺は出来れば寧ろ、せっちゃんのトロ顔もっと見たいけどなぁ…」

「…本当?」

「勿論。俺の愛撫で気持ち良くなってくれているせっちゃんのだらしないトロ顔、もっともっと見ていたいな…」

「誠人さん…♡」

「それじゃせっちゃん。おちんちん…挿れて良い?」

「…うん。早く挿れて…」

俺はステテコごとツータックチノを脱ぎ捨てるとガチガチに硬直して戦闘態勢に突入したズル剥けおちんちんを直接…せっちゃんのオマンコにブチ込む。

「ああんっ…誠人さんのぉ…皮被りおちんちんだぁ…♡」

流石に4人もの赤ちゃんを出産したせっちゃんのオマンコは…最早新婚時代の様な強烈な締め付けは望むべくも無いが、その代わり膣内のヒダヒダの感度は更に増した様で、おちんちんでオマンコを突きまくる度にラリった喘ぎ声を吐き出しながら身体を捩って激しく乱れまくる。

「せっちゃん…どぉ!?俺の皮被りおちんちんを気持ち良い!?」

「誠人…しゃんのぉ…皮、被り…おちんちん…ちょー…最高…♡」

「せっちゃん…何処が感じるの?」

「しぇちゅのぉ…いやらひい…オマンコぉ…もっと突いてぇ…」

「ココかな?ココが気持ち良いのかな?」

「らめぇ…ましゃとひゃあんっ…あたまぁ…まっひろになっひゃうきゃらぁ…」

完全にラリった喘ぎ声を吐き出しながら、せっちゃんは俺の腹筋目掛けてハメ潮をぶちまける。

「やっ…やべぇ…そろそろ出そう…」

「イク…イク…節、イッちゃう…」

「どうする…せっちゃん?何処にかける!?」

「あぁっ…はあっ…顔…顔…あぁっ、あぁっ、あああ~っ!」

虚ろに呟きながらせっちゃんは全身を痙攣させながら果ててしまった。

そして俺は、「ぎゅぅぅぅぅぅぅ」と収縮するせっちゃんのオマンコからズル剥けおちんちんを引き抜き…せっちゃんのトロ顔目掛けて「赤ちゃんの素」を射出。

流石に学生時代に比べたら出る量は少なくなったが…俺の白い液と汗にまみれたせっちゃんのイキ顔は矢張りエロ過ぎる。

「はぁ…はぁ…誠人さんのぉ…❝赤ちゃんの素❞…♡」

「せっちゃん…立てる?」

「うん…大丈夫…」

「そうしたら先にシャワー浴びちゃいなよ」

「うん…そうだね…」

・・・

「へいらっしゃい!」

「すいません、エビピラフ御願いします!」

「了解!おいマー坊、エビピラフ1丁!」

「了解しました!」

急ごしらえの屋台の中で、俺は愛用のフライパンを振るってエビピラフを炒める。

此処は「アニソンde対バンライブ」の会場となる市民公園。

このイベントのスポンサーでもある洋食レストランは今日は臨時休業して屋台を出し、簡単に食べられる軽食を提供…と言うのは表向きの理由。

その真相は…ライブ参戦希望者が続出してシフトが成立しなくなってしまった為、「だったらライブ会場に出張しましょうか」と言う店長の鶴の一声でこうなった、と言う訳だ(苦笑)。

「今日は!すいません、スパゲティナポリタン御願いします!」

「あっ、貴子さん今日は!タッチ、スパゲティナポリタン御願い!」

「了解しました!」

「歩クン、今日は!」

「あっ実咲ちゃんいらっしゃいませ!御注文はお決まりですか!?」

「そうしたら…オムライストマトソース御願いします!」

「オムライストマトソース御願いします!」

「了解!おっ、ボチボチライブが始まる時間だな!」

「おうマー坊にと金、そのオムライス上がったらライブ行って来い!」

「はいと金、オムライストマトソース上がりました!」

「はい実咲ちゃん、御注文のオムライストマトソースです!」

「うわあっ、いつ見ても美味しそう!」

「それじゃ鉄さんすいません、お店御願いします!」

「マー坊、と金…ライブ楽しんでこいよ!」

そして俺達は、急ごしらえの野外ステージが設営されたライブ会場に向かう。

「先輩、今日は!」

「えっ…マッキー!?」

「あの…親父が、❝今日は臨時休業だ、その代わり絶対このライブ会場に来い❞って…」

「あっ…誠人さん!」

「あっ…樹里愛さん!アレ、怜王クンと萌虹花ちゃんは?」

「アッチの…臨時の託児所で遊んでます」

「そうですか…」

「ヤッホー!誠人クン!」

「今日は…誠人」

「おっ、慎也と千夏先生も来ましたか!」

「えー皆様、大変長らくお待たせ致しました!それでは商店街主催、❝アニソンde対バンライブ❞を始めさせて頂きまーす!」

「うぉぉーっ!」

「えー、先ずは前座としまして…❝名も無き親父バンド❞の方々に一曲披露して頂きます、どうぞー!」

ステージに上がってきた面子を見て…俺は思わず「(д)°°」の顔文字状態になっていた。

エレキベースを持った清行さんにスティックを握った直人叔父さん、そしてエレキギターを下げた久徳さんのスリーピースバンドが出て来たからだ。

「えー、どうも始めまして。このライブの為に拙いながらも一生懸命練習した成果…是非聴いて下さい!」

清行さんが挨拶するとOVA「装甲騎兵ボトムズペールゼン・ファイルズ」の主題歌、柳ジョージの「鉄のララバイ」を演奏し始めた。

「♪肩を落とした…鉄の背中が続く、何処までも果てしなく続く…穢れちまった、赤い雨が降り注ぐ、容赦無く俺達に注ぐ…」

正直…清行さんの歌声とベースの腕前は想像通りだったが…それ以上に久徳さんと直人叔父さんの腕前に脱帽する俺達ギャラリー。

「凄え…」

「親父がコソコソ隠れてやってたのって…この日の為に…」

「親父…」

「歩クンのお父さん…凄いじゃないですか!」

「うん、直人叔父さん…凄い腕前だよ…」

・・・

「♪見つめるキャッツアイ、マジプレイダンシン、緑色に光る…怪しくキャッツアイ、マジプレイダンシン、月明かり浴びて…ウィゲッチュー…ミステリアスガール…」

エレキギターを2本駆使して、重厚なメロディーを奏でながらポップな歌声と言う、ドリームトレインの「キャッツ・アイ」に盛り上がる俺達ギャラリー。

「ドリームトレインの皆さん、本当に有難う御座いましたー!皆様、盛大な拍手を御願いしまーす!」

「うぉぉーっ!」

「コレで後は…いよいよ大トリのローゼスだけですね…」

「そうだね…けど誠人クン、いくら何でもせっちゃんちょっと遅過ぎない!?」

「千夏。忘れたのか、此処で何が有ったかおよ…」

「・・・」

「あっ…お兄様!良かった、どうにかローゼスの皆さんの出番には間に合った様ですね…」

「誠人さん、御免ね…節、あの時の事を思い出して…中々、公園に足を踏み入れられなくて…それで…気分が悪くなっちゃって、真奈美ちゃんと救護室で休んでたの…」

「せっちゃん…あんまり無理しなくて良いから。ね…」

「…うん」

「それでは皆様、大変長らくお待たせ致しましたー!いよいよ大トリの、❝我が街自慢のガールズバンド❞、ローゼスの皆さんの登場でーす!」

「みんなー、どーも今日は、ローゼスでーす!みんな、今日は最初からエンジン全開で飛ばして行くから、遅れずに着いて来てねー!」

「おーっ!」

「それじゃあ1曲目は…❝機動新世紀ガンダムX❞の後期主題歌、❝レソリューション❞!」

「うぉーっ!」

キーボードの美波さんが奏でる荘厳な音色を皮切りに…慶子さんがリズムを奏で、光さんのストラトキャスターと巴さんのジャズベースが吠え、そして明日香さんがパワフルな歌声で歌詞を歌い上げる。

「♪あなたがいるから、歩き出せる明日へ…どんな時も恐れないで…同じ夢が有る、その輝きの中へ、少しずつ近付いて行く…二度と迷わないで…」

「ぐすっ…」

演奏が終わったところでせっちゃんを見ると…大きな瞳にはうっすらと光るものが。

「良かった…やっぱり、このライブに来て良かった…」

「義姉様…」

「せっちゃん…」

「せっちゃん…」

「みんなーそれじゃあ、いよいよ最後の曲だから、完全燃焼しちゃおう!それじゃ行くよ…❝武装錬金❞のオープニング、❝真赤な誓い❞ー!」

「♪おおおーおお、おおおーおお、だっだだだだっだー…」

恥ずかしながらこのライブまでこの曲を知らなかった俺は…その初っ端からの明日香さんのシャウトと爆音に思わず圧倒されてしまっていた。

「♪立ち止まるヒマなんて無いさ…考える余裕なんて無いさ…ありったけの思いを胸に…灼熱の戦いの中へ…」

初夏にも関わらず、トレードマークの背中に薔薇の刺繍が入った革ジャンを纏った5人の女性達はスティックでリズムを刻み、愛機の弦を爪弾き、キーボードでメロディーを補強し、そしてパワフルな歌声で俺達ギャラリーを熱狂のるつぼへと落とし込んで行く。

「♪何時までも、何時までも、追い続けるんだ…何処までも、何処までも、明日への勇気を…何時までも、何時までも、追い続けるんだ…何処までも、何処までも、燃えたぎるハートを、お前とー、ーーー、ーーーーー!!!」

「うぉぉーっ!」

「ローゼスサイコー!」

「巴ちゃん、愛してるー!」

「みんなー、最後まで付き合ってくれて、本当に有難うー!コレからも、私達ローゼスを宜しくねーっ!」

「イエーイっ!」

その時…俺はハッキリと見た。

巴さんのジャズベースに取り憑いていた黒い影が白い光に変わり…そして、雲一つ無い青空へと駆け昇って行くのを。

「あの…誠人さん?誠人さん?」

「せっちゃん?今…見た?」

「え…?何をです?」

「巴さんのベースから…光が…空に…」

「えー、全然ですけどー?それより誠人さん…」

「何?せっちゃん…」

「節…また一つ、トラウマを克服出来た様な気がする…」

「…そうだね。今日のライブで市民公園でのあの出来事を…少しでも上書き出来れば…」

「あ…お兄様、すいません。ライブで私、すっかりお腹ペコペコです…」

「それじゃ真奈美ちゃん、屋台で何か食べてく!?おいと金、屋台に戻るよ!」

「はい!了解です、先輩!」

「あ、誠人さん!節にも何か食べさせてー!」

・・・

こうして。

俺達バカ夫婦は…ますます「ローゼス」と言う沼にはまっていったのであった。

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